JP3786252B2 - ポリオレフィン系絶縁被覆電線 - Google Patents

ポリオレフィン系絶縁被覆電線 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系絶縁被覆電線に関し、更に詳しくは、電線被覆材がハロゲン成分を含まないポリオレフィン系樹脂組成物からなり、自動車、電気機器などの配線として難燃性が要求される用途に好適なポリオレフィン系絶縁被覆電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電線被覆材として用いられる難燃性樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル樹脂が一般的に用いられており、これに耐摩耗性等の必要特性に応じて、可塑剤や充填剤が適宜配合され、また、これらの添加剤の種類や添加量が調整されてきた。しかし、ポリ塩化ビニル樹脂は、難燃性を備える反面、火災時や焼却廃棄時に有害なハロゲンガスを発生するという問題がある。
【0003】
そこで近年、ノンハロゲン系の難燃性樹脂組成物が種々研究されており、ポリオレフィン系樹脂にハロゲンを含まない難燃剤を配合したものなどが提案されている。例えば、特開平5−301996号公報には、ポリオレフィンに高密度ポリエチレンをブレンドし、これに金属水酸化物を配合したノンハロゲン系難燃性樹脂組成物が開示されている。
【0004】
また、特開平6−283030号公報には、ポリオレフィンと変性ポリオレフィンをブレンドし、これに表面処理した金属水酸化物を配合したものが開示されている。あるいは例えば、特開平6−290637号公報には、ポリオレフィン、ポリアミド、及び変性ポリオレフィンをブレンドし、これに金属水酸化物、具体的には水酸化マグネシウムを配合したものが開示されている。更に例えば、特開平6−215644号公報には、ポリオレフィンにナイロン12を加え、更にカルボン酸変性ポリマ(変性ポリオレフィンを含む)をブレンドし、これに水酸化マグネシウムを配合したものが開示されている。更には例えば、特開平6−290650号公報には、ポリエチレンに変性ポリエチレンとポリアミド系樹脂を配合したものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5−301996号公報に示される難燃性樹脂組成物の場合、耐摩耗性を向上させるためポリオレフィンに結晶性の高密度ポリエチレンを多量にブレンドすると、非晶質部分が少なくなって難燃剤を少量しか配合できなくなり、難燃性が低下し、一方、高密度ポリエチレンのブレンド量を少なくして難燃性を向上させようとすると多量に難燃剤を配合する必要があり、耐摩耗性、破断強度や破断伸びなどの機械的特性が低下したり、高コストになるなどの問題がある。
【0006】
また、特開平6−283030号公報に示される難燃性樹脂組成物の場合、ポリオレフィンにブレンドする樹脂として変性ポリオレフィンや、配合する難燃剤として表面処理した金属水酸化物を用いているため、ポリオレフィンの変性や金属水酸化物の表面処理を施さねばならない分、高コスト化は避けられない。
【0007】
また、特開平6−290637号公報、特開平6−215644号公報、特開平6−290650号公報に示されるようにポリオレフィンにポリアミドをブレンドする場合、ポリアミドの密度は1.09〜1.14(例えば、ナイロン12の密度は1.02)であり、ポリオレフィンの密度(例えば、ポリプロピレンの密度は0.91、ポリメチルペンテンの密度は0.84)に比べて大きく、ポリアミド自体もポリオレフィンに比べて高価であるため(kg単価)、同樹脂容積あたりのコストが高くなるという問題がある。
【0008】
そこで本発明者等は、コストを考慮し、難燃性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させるべく鋭意研究を重ねた結果、摩耗時の摩擦による温度上昇により、電線被覆材が軟化することによる摩耗が耐摩耗性を低下させる要因であり、電線被覆材に用いる樹脂の融点が高いほど耐摩耗性が向上し、更に、樹脂を単独で用いるよりも、その樹脂に融点が異なる樹脂をブレンドすることにより、更に耐摩耗性が向上することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、ハロゲンを含有することなく、安価で、 耐摩耗性、破断伸びなどの機械的特性に優れた難燃性樹脂組成物を電線被覆材に用いたポリオレフィン系絶縁被覆電線を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明に係るポリオレフィン系絶縁被覆電線は、請求項1に記載のように、融点が100℃以上180℃以下の低融点側ポリオレフィン系樹脂と融点が200℃以上の高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンドポリマーに金属水酸化物を配合し、前記低融点側ポリオレフィン系樹脂と前記高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンド比が95/5から40/60の範囲にある難燃性樹脂組成物を電線被覆材とすることを要旨とするものである。
【0011】
ここで融点が100℃以上180℃以下の低融点側ポリオレフィン系樹脂と融点が200℃以上の高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンド比は95/5から40/60の範囲とする。高融点側ポリオレフィン系樹脂のブレンド比が5未満であると、耐摩耗性向上の効果が十分得られず、60を越えると破断強度や破断伸びが著しく低下し実用に耐えなくなるので好ましくない。そして、上記のブレンド比の範囲内であれば、融点が異なる樹脂をブレンドすることにより、安価に耐摩耗性を付与することができ、破断伸びなどの機械的特性に優れた難燃性樹脂組成物とすることができる。
【0012】
尚、本発明に係るポリオレフィン系絶縁被覆電線の電線被覆材は、低融点側ポリオレフィン系樹脂と高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンドポリマーを主体とするが、特に限定されることはなく、例えば柔軟性を付与するため、必要に応じ熱可塑性ゴムなどを少量ブレンドすることもできる。
【0013】
また、請求項2に記載のように、難燃剤として配合する金属水酸化物は、低融点側ポリオレフィン系樹脂と高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンドポリマー100重量部に対して、50重量部以上150重量部以下の範囲で配合されていることが好ましい。50重量部未満であると、難燃性が十分に得られず、150重量部を越えると、耐寒性、破断強度や破断伸びなどが低下し実用に耐えなくなるので好ましくない。
【0014】
そしてまた、請求項3に記載のように、ブレンドポリマーにカルボン酸又は酸無水物変性ポリマーを少量ブレンドした場合には、主体のブレンドポリマーと金属水酸化物の接着性が向上し、耐摩耗性を一層向上させることができる。
【0015】
また更に、カルボン酸又は酸無水物の変性は、カルボン酸又は酸無水物変性ポリマーを少量ブレンドする代わりに、請求項4に記載のように、ブレンドポリマーのいずれか一方、又は両方をカルボン酸又は酸無水物により変性しても良く、この場合も、主体のブレンドポリマーと金属水酸化物の接着性が向上し、耐摩耗性を一層向上させることができる。
【0016】
これらの場合に用いるカルボン酸又は酸無水物としては、マレイン酸、アクリル酸などが挙げられるが、中でも無水マレイン酸を用いることが好ましい。
【0017】
上述したブレンドポリマーを形成する低融点側ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられ、高融点側ポリオレフィン樹脂としては、ポリメチルペンテン、オクテン−メチルペンテン共重合体などが挙げられる。
【0018】
中でも、請求項5に記載のように、低融点側ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレンであることが好ましく、高融点側ポリオレフィン樹脂は、ポリメチルペンテンであることが好ましい。ポリプロピレンはポリエチレンよりも高温域での耐摩耗性に優れる。またポリメチルペンテンは融点が240℃と高く、高温における耐摩耗性に優れる。更にポリメチルペンテンはポリエチレンやポリプロピレンと同様に押出成形性にも優れている。
【0019】
勿論これらは何ら限定されるものではなく、他の融点100℃以上180℃以下のポリオレフィン系樹脂や融点200℃以上のポリオレフィン系樹脂を種々適用できるものである。
【0020】
また、請求項6に記載のように、難燃剤として配合する金属水酸化物としては、高い難燃性を付与する観点から水酸化マグネシウムを用いることが好ましいが、特に限定されるものではなく、他にも水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどを種々の金属水酸化物を適用できるものである。また更に、難燃助剤としてリン系難燃剤や燃焼時燃えがらを生成するクレーなどを適宜添加しても良い。
【0021】
この際、金属水酸化物は、表面処理することなく用いることもできるが、ポリマーとの相溶性を向上させるため、脂肪酸、シランカップリング剤などで表面処理を施したものを用いることもでき、コストに合わせて適宜調整すれば良い。
【0022】
本発明に係るポリオレフィン系絶縁被覆電線の電線被覆材には、上記成分に加え、必要に応じて老化防止剤、加工助剤、軟化剤などを適宜添加しても良く、更に樹脂の融点以上で使用される場合には、架橋剤、架橋助剤などを加え、加熱架橋や電子線架橋を施しても良く、用途に合わせて適宜選択することができる。
【0023】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0024】
(実施例1)
表1に示したように、低融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン90重量部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペンテン10重量部の計100重量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグネシウム100重量部、加工助剤としてオレイン酸アミド1重量部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重量部とを、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した後、ペレタイズした。その後、30mm押出機を用いて、この混合物を直径0.32mmの軟銅線を撚り合わせた外形約1.0mmの銅撚線に0.3mm厚に押し出し加工(押し出し温度250℃)した絶縁被覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を実施例1とする。
【0025】
図1は、作製した絶縁被覆電線の断面図である。絶縁被覆電線10は、複数本(この実施例では7本)の銅線を撚り合わせた導体12の周りを難燃性樹脂組成物からなる電線被覆材14で被覆した構成となっている。以下の実施例及び比較例においても同様である。
【0026】
(実施例2)
表1に示したように、低融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレン50重量部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペンテン50重量部の計100重量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグネシウム80重量部、加工助剤としてオレイン酸アミド1重量部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重量部とを、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した後、ペレタイズした。その後、実施例1と同様に絶縁被覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を実施例2とする。
【0027】
(実施例3)
表1に示したように、低融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン70重量部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペンテン20重量部、カルボン酸又は酸無水物変性ポリマーとしてマレイン酸変性ポリエチレン10重量部の計100重量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグネシウム120重量部、加工助剤としてオレイン酸アミド1重量部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重量部とを、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した後、ペレタイズした。その後、実施例1と同様に絶縁被覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を実施例3とする。
【0028】
(実施例4)
表1に示したように、低融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレン50重量部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペンテン40重量部、カルボン酸又は酸無水物変性ポリマーとしてマレイン酸変性ポリプロピレン10重量部の計100重量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグネシウム80重量部、加工助剤としてオレイン酸アミド1重量部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重量部とを、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した後、ペレタイズした。その後、実施例1と同様に絶縁被覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を実施例4とする。
【0029】
(比較例1)
表1に示したように、低融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン100重量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグネシウム100重量部、加工助剤としてオレイン酸アミド1重量部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重量部とを、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した後、ペレタイズした。その後、実施例1と同様に絶縁被覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を比較例1とする。尚、比較例1は低融点側ポリオレフィン系樹脂のみを用いた場合に実施例と比較するためのものである。
【0030】
(比較例2)
表1に示したように、低融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン30重量部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペンテン70重量部の計100重量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグネシウム120重量部、加工助剤としてオレイン酸アミド1重量部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重量部とを、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した後、ペレタイズした。その後、実施例1と同様に絶縁被覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を比較例2とする。尚、比較例2は低融点側ポリオレフィン系樹脂と高融点側ポリオレフィン系樹脂のブレンド比が、本発明の構成であるブレンド比95/5から40/60以外の場合に実施例と比較するためのものである。
【0031】
(比較例3)
表1に示したように、低融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン70重量部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペンテン10重量部、カルボン酸又は酸無水物変性ポリマーとしてマレイン酸変性ポリプロピレン20重量部の計100重量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグネシウム180重量部、加工助剤としてオレイン酸アミド1重量部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重量部とを、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した後、ペレタイズした。その後、実施例1と同様に絶縁被覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を比較例3とする。尚、比較例3は難燃剤として配合する金属酸化物を多量に添加した場合に実施例と比較するためのものである。
【0032】
【表1】
Figure 0003786252
【0033】
次に以上のようにして作製した各絶縁被覆電線について、破断伸び試験、燃焼試験(難燃性試験)及び耐摩耗性試験を行い、本発明品及び比較品の特性評価を行った。表1にはその結果も併せて示している。
【0034】
初めに、破断伸び試験について説明する。絶縁体破断伸びとして、社団法人自動車技術会規格「JASO D611−94」に準拠し、導体を除いた管状試験片を供試片として用い、引っ張り速度200mm/分にて各実施例及び比較例の各供試片について破断伸びを測定した。この際、破断時の伸びが125%以上のものを良好とした。その結果、本発明の実施例1〜4と比較例1の供試片は良好であったが、比較例2〜3の供試片は不良であった。
【0035】
次に、難燃性試験について説明する。難燃性として、社団法人自動車技術会規格「JASO D611−94」に準拠し、各絶縁被覆電線を300mmの長さに切り出して供試片とし、この各供試片を鉄製の試験箱に入れて水平に支持し、ブンゼンバーナーの還元炎を30秒以内で燃焼するまで当て、炎を取り去った後の残炎時間を測定した。この際、残炎時間が15秒以内を合格と判定し、15秒を越えるものを不合格と判定した。その結果、本発明の実施例1〜4と比較例1〜3の供試片全てが合格であった。
【0036】
次に、耐摩耗試験について説明する。耐摩耗性として、社団法人自動車技術会規格「JASO D611−94」に準拠し、ブレード往復法による耐摩耗試験を行った。荷重は7Nとし、ブレードが導体に接触するまでの往復回数が300回以上であるものを良好とした。その結果、本発明の実施例1〜4と比較例2〜3の供試片は良好であったが、比較例1の供試片は不良であった。
【0037】
以上の本発明品及び比較品の特性評価結果から以下のことが分かる。本発明の一実施例に係る実施例1〜4の各絶縁被覆電線は、破断伸び、難燃性、耐摩耗性を全て満足しているのに対し、比較例1〜3の各絶縁被覆電線は全ての特性を満足するものはなかった。
【0038】
すなわち、本発明の一実施例に係る実施例1〜4の各絶縁被覆電線は、破断伸び、難燃性、耐摩耗性に優れている。しかしながら、比較例1は融点100℃以上180℃以下のポリプロピレンのみで、融点200℃以上のポリメチルペンテンを何らブレンドしていないため、ブレンドすることによる耐摩耗性の向上が十分でないことが分かる。また比較例2は融点100℃以上180℃以下のポリプロピレンと融点200℃以上のポリメチルペンテンをブレンドしていてもその両者のブレンド比が30/70であるため、ポリメチルペンテンのブレンド割合が多すぎ、破断伸びが十分でないことが分かる。そしてまた、比較例3は難燃剤である水酸化マグネシウムが他のブレンドポリマー100重量部に対し、180重量部と多すぎるため、破断伸びが十分でないことが分かる。
【0039】
以上実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能であることは勿論である。本実施例3〜4では、低融点側ポリオレフィン樹脂と高融点側ポリオレフィン樹脂のブレンドポリマーにカルボン酸又は酸無水物変性ポリマーを配合したものを用いたが、それ以外に例えば、低融点側ポリオレフィン樹脂と高融点側ポリオレフィン樹脂のブレンドポリマーのいずれか一方、又は両方をカルボン酸又は酸無水物により変性したものを用いることが可能なものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係るポリオレフィン系絶縁被覆電線によれば、絶縁被覆電線の電線被覆材に、安価で、耐摩耗性、破断伸びなどの機械的特性に優れた難燃性樹脂組成物を用いているので、この電線被覆材を用いたポリオレフィン系絶縁被覆電線は、十分な耐摩耗性、機械的特性、難燃性を備え、しかもコストパフォーマンスに優れるという効果がある。
【0041】
また、本発明に係るポリオレフィン系絶縁被覆電線によれば、絶縁被覆電線の電線被覆材にハロゲンを含有していないので、自動車や電気機器などの配線に用いた場合、火災時や焼却廃棄時に有毒なハロゲンガスを発生することがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る絶縁被覆電線の断面図である。
【符号の説明】
10 絶縁被覆電線
12 導体
14 電線被覆材

Claims (6)

  1. 融点が100℃以上180℃以下の低融点側ポリオレフィン系樹脂と融点が200℃以上の高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンドポリマーに金属水酸化物を配合し、前記低融点側ポリオレフィン系樹脂と前記高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンド比が95/5から40/60の範囲にある難燃性樹脂組成物を電線被覆材とすることを特徴とするポリオレフィン系絶縁被覆電線。
  2. 前記金属水酸化物は、前記低融点側ポリオレフィン系樹脂と前記高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンドポリマー100重量部に対して、50重量部以上150重量部以下の範囲で配合されていることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系絶縁被覆電線。
  3. 前記ブレンドポリマーには、カルボン酸又は酸無水物変性ポリマーがブレンドされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフィン系絶縁被覆電線。
  4. 前記ブレンドポリマーのいずれか一方、又は両方がカルボン酸又は酸無水物により変性されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフィン系絶縁被覆電線。
  5. 前記低融点側ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンであり、前記高融点側ポリオレフィン系樹脂がポリメチルペンテンであることを特徴とする請求項1乃至4に記載のポリオレフィン系絶縁被覆電線。
  6. 前記金属水酸化物が水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1乃至5に記載のポリオレフィン系絶縁被覆電線。
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