JP3782331B2 - アースドリル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば地中に立坑を掘削するのに好適に用いられるアースドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ビル等の建設現場においては、地中深く掘削した立坑内にコンクリート等を流し込むことにより地盤を固める作業が行われ、地中に立坑を掘削する作業にはアースドリルが好適に用いられている(例えば特開平6−346677号公報、特開平9−165989号公報等)。
【0003】
ここで、この種の従来技術によるアースドリルは、通常、自走可能な車体と、該車体を構成するメインフレームに基端側が起伏可能に取付けられたブームと、ブームの先端側から垂下したロープに回転可能に吊下げられ下端側に掘削バケットが取付けられるケリーバと、基端側がメインフレームに起伏可能に取付けられ先端側にケリーバを駆動するドライブ装置が設けられたフロントフレームとにより大略構成されている。
【0004】
そして、このアースドリルは、ブームの先端側から吊下げたケリーバをドライブ装置によって回転させることにより、ケリーバの下端側に取付けた掘削バケットによって地中に立坑を掘削するものである。
【0005】
また、このアースドリルは、ケリーバとは別に、ブームの先端側からワイヤロープを用いて吊荷フックが吊下げられており、この吊荷フックを用いて、例えば掘削した立坑内に鉄筋かご(コンクリート杭の骨組み)等を挿入するための吊荷作業(クレーン作業)を行うことができる構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるアースドリルは、フロントフレームの基端側(下端側)が、メインフレームに回動可能にピン結合され、フロント装置の先端側(上端側)が、ブームから垂下したワイヤロープによって吊下げられる構成となっている。
【0007】
このため、立坑の掘削時に掘削バケットに反力(掘削反力)が作用すると、この掘削反力がケリーバ、ドライブ装置等を介してフロントフレームに伝わり、フロントフレームの先端側が、メインフレームとのピン結合部を中心として浮上がるように回動してしまう。
【0008】
従って、上述のアースドリルにおいては、立坑の掘削時に掘削バケットに作用する反力(掘削反力)をメインフレームによって充分に受けることができない。このため、例えば地中に硬い地盤等がある場合には、上述のアースドリルを用いて地中深く立坑を掘削するのが困難であるという問題がある。
【0009】
また、フロントフレームの先端側が回動した場合には、ドライブ装置を介してフロントフレームに支持されたケリーバが垂直方向に対して斜めに傾斜してしまい、垂直な立坑を掘削することができなくなるという問題がある。
【0010】
一方、アースドリルを用いて吊荷作業を行う場合には、フロントフレームをブームに保持することにより、フロントフレームを吊荷作業の邪魔にならない位置に退避さた状態でブームを起伏させる必要がある。
【0011】
しかし、ブームの基端側とフロントフレームの基端側とが、互いに異なる位置でメインフレームにピン結合されている場合には、ブームを起伏させたときに、このブームの起伏動作にフロントフレームが適正に追従できず、フロントフレームを保持した状態でブームを起伏させる操作が難しいという不具合がある。
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、掘削作業時における掘削反力をメインフレームで確実に受けることができ、かつ、吊荷作業におけるブームの起伏動作にフロント装置を適正に追従させることができるようにしたアースドリルを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、請求項1の発明に係るアースドリルは、車体を構成するメインフレームと、基端側が前記メインフレームに起伏可能に取付けられたブームと、前記ブームの先端側から垂下したロープに回転可能に吊下げて設けられ、下端側に掘削具が取付けられるケリーバと、第1の取付位置が前記ブームと同一の起伏中心をもって前記メインフレームに起伏可能に取付けられ、第2の取付位置が前記メインフレームに着脱可能に取付けられたフロント支持アームと、基端側が前記フロント支持アームまたはブームに取付けられると共に先端側に前記ケリーバを駆動するドライブ装置が設けられたフロント装置とにより構成してなる。
【0014】
このように構成したことにより、フロント支持アームを、メインフレームに起伏可能に取付けられる第1の取付位置と、この第1の取付位置とは異なる第2の取付位置とによってメインフレームに固定することができ、フロント装置の先端側が掘削時の反力によって浮上がるように回動するのを抑えることができる。このため、フロント装置に伝わった掘削反力をフロント支持アームからメインフレームに伝え、該メインフレームによって確実に受けることにより、効率良く立坑を掘削することができる。また、フロント装置の先端側が回動するのを抑え、該フロント装置に支持されたケリーバを垂直な姿勢に保つことにより、垂直な立坑を掘削することができる。
【0015】
また、フロント支持アームの第2の取付位置をメインフレームから取外し、フロント支持アームを第1の取付位置だけでメインフレームに支持したときには、フロント支持アームは、ブームと同一の起伏中心をもってメインフレームに対して起伏することができるので、吊荷作業時においてブームを起伏させたときに、フロント支持アームまたはブームに取付けられたフロント装置を、ブームの起伏動作に適正に追従させることができる。
【0016】
請求項2の発明は、フロント支持アームは、メインフレームからケリーバ側に延びる第1アームと、該第1アームに対してある角度をもって上方に延びる第2アームとにより形成し、第1の取付位置は第1アームの長さ方向途中部位または先端部位に設け、第2の取付位置は第1アームと第2アームとの交差部位に設ける構成としたことにある。
【0017】
このように構成したことにより、フロント支持アームを構成する第1アームの途中部位または先端部位に設けた第1の取付位置と、第1,第2アームの交差部位に設けた第2の取付位置とにより、フロント支持アームをメインフレームに対して強固に固定することができる。
【0018】
請求項3の発明は、フロント装置は、フロント支持アームとケリーバとの間に設けられ先端側に前記ドライブ装置が取付けられたフロントフレームと、フロントフレームを起伏するためフロント支持アームとフロントフレームとの間に設けられた起伏シリンダとにより構成したことにある。
【0019】
このように構成したことにより、フロント支持アーム、フロントフレーム、起伏シリンダにより略三角形の枠構造体を形成し、フロント装置をフロント支持アームに対して強固に支持することができる。
【0020】
請求項4の発明は、フロント支持アームは、メインフレームからケリーバ側に延びる第1アームと、該第1アームに対してある角度をもって上方に延びる第2アームとにより形成し、第1の取付位置は第1アームの長さ方向途中部位または先端部位に設け、第2の取付位置は第1アームと第2アームとの交差部位に設ける構成とし、フロント装置は、フロント支持アームの第1アームとケリーバとの間に設けられ先端側にドライブ装置が取付けられたフロントフレームと、フロントフレームを起伏するためフロント支持アームの第2アームとフロントフレームとの間に設けられた起伏シリンダとにより構成したことにある。
【0021】
このように構成したことにより、フロント支持アームを、互いに異なる取付位置でメインフレームに対して強固に固定することができ、かつ、フロント支持アーム、フロントフレーム、起伏シリンダにより略三角形の枠構造体を形成し、フロント装置をフロント支持アームに対して強固に支持することができる。
【0022】
請求項5の発明は、フロント支持アームは、メインフレームからケリーバ側に延びる第1アームと、該第1アームに対してある角度をもって上方に延びる第2アームとにより形成し、第1の取付位置は第1アームの長さ方向途中部位または先端部位に設け、第2の取付位置は第1アームと第2アームとの交差部位に設ける構成とし、フロント装置は、基端側が第1アームに回動可能に支持された下フレームと、該下フレームの先端側に回動可能に支持され先端側にドライブ装置が取付けられた上フレームと、第2アームと下フレームとの間に設けられ該下フレームを起伏する下起伏シリンダと、下フレームと上フレームとの間に設けられ該上フレームを起伏する上起伏シリンダとにより構成したことにある。
【0023】
このように構成したことにより、下起伏シリンダを伸縮させると、下フレームと上フレームとがフロント支持アームに対して起伏し、ドライブ装置を介して上フレームに支持されたケリーバをブームに対して接近、離間させることができる。また、上起伏シリンダを伸縮させると、上フレームが下フレームに対して起伏し、ドライブ装置を介して上フレームに支持されたケリーバを垂直な姿勢に保つことができる。
【0024】
請求項6の発明は、フロント支持アームは、メインフレームに取付けられる第1アームと、該第1アームに対してある角度をもって上方に延びる第2アームとにより構成し、フロント装置は、基端側がブームに回動可能に支持された下フレームと、該下フレームの先端側に回動可能に支持され先端側にドライブ装置が取付けられた上フレームと、第2アームと下フレームとの間に設けられ該下フレームを起伏する下起伏シリンダと、下フレームと上フレームとの間に設けられ該上フレームを起伏する上起伏シリンダとにより構成したことにある。
【0025】
このように構成したことにより、フロント装置をブームとの取付部位を中心として回動させることができる。このため、吊荷作業時にフロント装置をブーム側に引き寄せて該ブームに連結するときに、両者の位置合わせを容易に行うことができる。
【0026】
請求項7の発明は、ブームとフロント装置との間には、ブームに対してフロント装置を取付け、取外し可能に連結する連結装置を設ける構成としたことにある。
【0027】
このように構成したことにより、例えば吊荷作業時に連結装置を用いてブームにフロント装置を連結するだけで、フロント装置、及び該フロント装置にドライブ装置を介して支持されたケリーバ等を、吊荷作業の邪魔にならないようにブームの近傍に固定しておくことができる。
【0028】
請求項8の発明は、連結装置は、ブームに固着されたブーム側ブラケットと、フロント装置に固着されたフロント側ブラケットと、各ブラケット間に抜差し可能に設けられたピンとにより構成したことにある。
【0029】
このように構成したことにより、ブーム側ブラケットとフロント側ブラケットに対してピンを抜差しするだけで、ブームに対するフロント装置の取付け、取外しを容易に行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るアースドリルの実施の形態について、図1ないし図14を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1ないし図8は第1の実施の形態によるアースドリルを示している。
【0031】
図中、1はアースドリルの車体で、この車体1は、クローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4とにより構成されている。そして、上部旋回体4は、旋回装置3に旋回可能に取付けられたメインフレーム5と、メインフレーム5の前部側に設けられたキャブ6と、キャブ6の後側に設けられた建屋カバー7と、建屋カバー7の後側に設けられたカウンタウエイト8とにより大略構成されている。
【0032】
ここで、メインフレーム5は、図3及び図4に示すように、前,後方向に延びる平板状の底板5Aと、この底板5A上に立設されて前,後方向に延びる左,右の外側縦板5B,5Bと、これら外側縦板5B,5Bの内側に位置して底板5A上に立設された左,右の内側縦板5C,5Cと、各外側縦板5B上に突設された左,右のブラケット5D,5Dとを備えている。そして、各外側縦板5Bには、後述のブーム9が起伏可能に取付けられ、各内側縦板5C及び各ブラケット5Dには、後述のフロント支持アーム24が取付けられる構成となっている。
【0033】
9はメインフレーム5に起伏可能に取付けられたブームで、このブーム9は強固な骨組み構造をもって上,下方向に伸長している。そして、ブーム9の基端側(下端側)には、左,右のフート部9A,9Aが設けられ、ブーム9の先端側(上端側)には、後述の主巻ロープ12、補巻ロープ14を地面側へと案内するシーブ9B,9Cが回転可能に設けられている。そして、ブーム9は、左,右のフート部9Aとメインフレーム5の各外側縦板5Bとの間をブーム連結ピン10を用いて連結することにより、該ブーム連結ピン10を中心として起伏するものである。
【0034】
11はキャブ6の後側に位置してメインフレーム5に設けられた主巻ウインチで、該主巻ウインチ11には主巻ロープ12の基端側が巻回されている。そして、主巻ロープ12の先端側は、シーブ9B,9Cを介してブーム9の先端側から地面側へと垂下し、その先端部には後述のケリーバ22が回転可能に吊下げられる構成となっている。
【0035】
13は主巻ウインチ11の後側に位置してメインフレーム5に設けられた補巻ウインチで、該補巻ウインチ13には補巻ロープ14の基端側が巻回されている。そして、補巻ロープ14の先端側は、シーブ9B,9Cを介してブーム9の先端側から地面側へと垂下し、その先端部には吊荷フック15が取付けられている。
【0036】
16は補巻ウインチ13の後側に位置してメインフレーム5に設けられた起伏ウインチで、該起伏ウインチ16には起伏ロープ17の基端側が巻回され、起伏ロープ17は、メインフレーム5に立設されたA型フレーム18のシーブ18Aを介して、ブームハンガ19及びブームブライドル20の各シーブ(図示せず)に巻回されている。そして、ブームブライドル20とブーム9の上端側とは、ペンダントロープ21によって連結されている。従って、起伏ウインチ16によって起伏ロープ17を巻取り、巻出すことにより、ブームハンガ19とブームブライドル20との間隔が変化し、ペンダントロープ21を介してブーム9が起伏する構成となっている。
【0037】
22は主巻ロープ12の先端部にスイベルジョイント22Aを介して回転可能に吊下げて設けられたケリーバで、このケリーバ22は、互いに口径の異なる複数の筒体を同軸状に重合わせることにより軸方向に伸縮可能に構成されている。そして、各筒体のうち最も内側に位置する筒体(インナケリーバ)の上端部が、スイベルジョイント22Aを介して主巻ロープ12に回転可能に吊下げられ、各筒体のうち最も外側に位置する筒体(アウタケリーバ)が、後述するドライブ装置46によって回転駆動されることにより、このアウタケリーバの回転が、各筒体を介してインナケリーバに伝達される構成となっている。
【0038】
23はケリーバ22(インナケリーバ)の下端側に取付けられた掘削具としての掘削バケットで、この掘削バケット23は、中空円筒状の土砂収容筒部23Aと、この土砂収容筒部23Aの下側に位置するドリル部23Bとを備えている。そして、掘削バケット23は、ケリーバ22と一体に回転することにより、ドリル部23Bによって地中を掘削し、掘削した土砂を土砂収容筒部23A内に収容しつつ立坑を掘り進むものである。
【0039】
24はメインフレーム5の前部側に取付けられたフロント支持アームで、このフロント支持アーム24は、図3ないし図5に示すように、メインフレーム5からケリーバ22側へと前方に延びる左,右の第1アーム25,25と、第1アーム25と略直交するように上方に延びる左,右の第2アーム26,26とにより、側方からみて略L字状に構成されている。また、左,右の第1アーム25間は箱状の連結部材25Aにって一体的に連結され、左,右の第2アーム26の上端側は円筒状の連結部材26Aによって連結され、該連結部材26Aの両端側には、後述する下起伏シリンダ39を取付けるための二又状のブラケット27,27が突設されている。
【0040】
ここで、図5に示すように、第1アーム25の長さ方向途中部位には、後述の前側ピン32が挿通される第1のピン挿通穴28が穿設され、第1アーム25と第2アーム26とが交差する部位には、ピン挿通穴28から後方に離間して後述の後側ピン33が挿通される第2のピン挿通穴29が穿設されている。また、第1アーム25の先端側には、後述の下フレーム35を取付けるためのピン36が挿通されるピン挿通穴30が穿設され、第2アーム26の上端側に突設されたブラケット27には、後述の下起伏シリンダ39を取付けるためのピン40が挿通されるピン挿通穴31が穿設されている。
【0041】
32,32はフロント支持アーム24の第1のピン挿通穴28に挿通され、フロント支持アーム24をメインフレーム5に対して起伏可能に取付ける左,右の前側ピンで、これら前側ピン32は、フロント支持アーム24とメインフレーム5の内側縦板5Cとの間を回動可能に連結するものである。従って、この前側ピン32の位置が、メインフレーム5に対するフロント支持アーム24の第1の取付位置となっている。
【0042】
ここで、各前側ピン32は、図4に示すように、ブーム9の起伏中心O−Oと同心上に配置される構成となっている(図2及び図3では、前側ピン32はブーム連結ピン10と同じ位置にある)。従って、フロント支持アーム24を前側ピン32のみを用いてメインフレーム5にピン結合したときには、メインフレーム5に対するブーム9の起伏動作と、メインフレーム5に対するフロント支持アーム24の起伏動作とが一致する構成となっている。
【0043】
33,33は上述の前側ピン32から後方に離間した位置でフロント支持アーム24の第2のピン挿通穴29に挿通され、フロント支持アーム24をメインフレーム5に対して着脱可能に取付ける左,右の後側ピンで、これら後側ピン33は、フロント支持アーム24とメインフレーム5のブラケット5Dとの間を取付け、取外し可能に連結するものである。従って、この後側ピン33の位置が、メインフレーム5に対するフロント支持アーム24の第2の取付位置となっている。
【0044】
そして、フロント支持アーム24は、図1に示す立坑の掘削作業時には、図2に示す如く前側ピン32及び後側ピン33を用いてメインフレーム5にピン結合されることにより、メインフレーム5に対して強固に固定されるものである。
【0045】
一方、フロント支持アーム24は、図6に示す吊荷作業時には、図7に示す如く前側ピン32のみを用いてメインフレーム5にピン結合されることにより、該前側ピン32(第1の取付位置)を中心としてメインフレーム5に対して起伏することができる構成となっている。
【0046】
34はフロント支持アーム24とケリーバ22との間に設けられたフロント装置で、該フロント装置34は、基端側がフロント支持アーム24に取付けられ、先端側に後述のドライブ装置46が取付けられるものである。そして、フロント装置34は、後述する下フレーム35、上フレーム37、下起伏シリンダ39、上起伏シリンダ42等により構成されている。
【0047】
35は後述の上フレーム37と共にフロントフレームを構成する下フレームで、該下フレーム35の基端側には、左,右のフート部35A,35Aが設けられ、下フレーム35の先端側には、三角形状をなす左,右のブラケット35B(右側のみ図示)が固着して設けられている。そして、下フレーム35の各フート部35Aは、フロント支持アーム24を構成する第1アーム25のピン挿通穴30に挿通されたピン36により、該第1アーム25の先端側に回動可能に支持されている。
【0048】
37は下フレーム35の先端側に回動可能に支持された上フレームで、該上フレーム37は、その先端側に後述のドライブ装置46が設けられるものである。ここで、上フレーム37の基端側にはフート部37Aが設けられ、このフート部37Aは下フレーム35のブラケット35Bにピン38を用いて回動可能に支持されている。また、上フレーム37の先端側には、後述の上起伏シリンダ42を取付けるためのブラケット37Bと、スラストシリンダ47を取付けるためのブラケット37Cとが固着して設けられている。
【0049】
39,39はフロント支持アーム24を構成する第2アーム26と下フレーム35の上端側との間を連結する下起伏シリンダで、該下起伏シリンダ39は、ブーム9を挟んだ状態で左,右に離間して2本設けられている(図4参照)。ここで、下起伏シリンダ39は、チューブ39Aと、該チューブ39A内に設けられたピストン(図示せず)と、該ピストンに取付けられチューブ39Aから突出したロッド39Bとにより構成されている。
【0050】
そして、基端側となるロッド39Bは、第2アーム26の先端側に設けたブラケット27のピン挿通穴31に挿通されたピン40により、第2アーム26の先端側に回動可能にピン結合され、先端側となるチューブ39Aは、下フレーム35の先端側に設けたブラケット35Bにピン41を用いて回動可能にピン結合されている。これにより、フロント支持アーム24、下フレーム35、下起伏シリンダ39は、略三角形の枠構造体を形成し、フロント装置34をフロント支持アーム24に対して強固に支持することができる構成となっている。
【0051】
そして、下起伏シリンダ39は、ロッド39Bを伸縮することにより、下フレーム35及び上フレーム37を、図2に示す掘削作業の姿勢と図7に示す吊荷作業用の姿勢との間で起伏させ、これら各フロントフレーム35,37を、作業内容に応じてブーム9に対して接近、離間させるものである。
【0052】
42は下フレーム35と上フレーム37との間に設けられた上起伏シリンダで、該上起伏シリンダ42は、左,右に離間して2本設けられている(1本のみ図示)。ここで、上起伏シリンダ42は、チューブ42Aと、該チューブ42A内に設けられたピストン(図示せず)と、該ピストンに取付けられチューブ42Aから突出したロッド42Bとにより構成されている。そして、基端側となるロッド42Bは、下フレーム35のブラケット35Bにピン43を用いて回動可能にピン結合され、先端側となるチューブ42Aは、上フレーム37に設けたブラケット37Bにピン44を用いて回動可能にピン結合されている。
【0053】
そして、上起伏シリンダ42は、ロッド42Bを伸縮させることにより、ピン41を中心として下フレーム35上で上フレーム37を起伏させ、下フレーム35が図2に示す掘削作業用の姿勢となったときに、上フレーム37を地面に対して略垂直な姿勢に保つものである。
【0054】
45は上フレーム37の先端側に上,下方向に移動可能に取付けられた可動ブラケット、46は可動ブラケット45に取付けられたドライブ装置で、ドライブ装置46は、例えば油圧モータ等により構成され、ケリーバ22(アウタケリーバ)の外周側に上,下方向に移動可能に係合している。そして、ドライブ装置46は、ケリーバ22に回転力を付与することにより、該ケリーバ22を介して掘削バケット23を回転させるものである。
【0055】
47は上フレーム37と可動ブラケット45との間に設けられたスラストシリンダで、該スラストシリンダ47は、上フレーム37のブラケット37Cに取付けられたチューブ47Aと、このチューブ47A内に設けられたピストン(図示せず)と、このピストンに取付けられチューブ47Aから突出したロッド47Bとにより構成され、ロッド47Bの先端側は可動ブラケット45に取付けられている。
【0056】
そして、ドライブ装置46によってケリーバ22を回転駆動しているときに、スラストシリンダ47のロッド47Bを伸長させることにより、可動ブラケット45、ドライブ装置46を介してケリーバ22に下向きの押圧力が作用し、この押圧力によって掘削バケット23を地中に押込むことにより、掘削力を増大させることができる構成となっている。
【0057】
48はブーム9とフロント装置34の下フレーム35との間に設けられた連結装置で、該連結装置48は、図7及び図8に示すように、ブーム9に固着して設けられた左,右のブーム側ブラケット49,49と、下フレーム35に固着して設けられた左,右のフロント側ブラケット50,50と、これら各ブラケット49,50間を抜差し可能に連結する連結ピン51,51とにより構成されている。
【0058】
ここで、フロント側ブラケット50は、左,右方向で対面する一対の板体50A,50Aをもった二又状のブラケットとして形成され、板体50A間にブーム側ブラケット49を挟込むことにより、各ブラケット49,50に連結ピン51を容易に挿通することができる構成となっている。
【0059】
そして、連結装置48は、図1及び図2に示す掘削作業時には、連結ピン51を各ブラケット49,50から抜取ることにより、下フレーム35とブーム9とを離間させる。一方、連結装置48は、図6及び図7に示す吊荷作業時には、連結ピン51を用いて各ブラケット49,50間を連結することにより、下フレーム35をブーム9に連結し、フロント装置34全体をブーム9に一体的に固定するものである。
【0060】
本実施の形態によるアースドリルは上述の如き構成を有するもので、以下、その作動について説明する。
【0061】
まず、図1に示す如くアースドリルを用いて地中に立坑を掘削する場合には、図2ないし図4に示すように、前側ピン32及び後側ピン33を用いて、フロント支持アーム24を前,後方向に離間した第1,第2の取付位置でメインフレーム5に支持することにより、フロント支持アーム24を掘削作業用の姿勢に固定する。
【0062】
そして、下起伏シリンダ39のロッド39Bを伸長させて下フレーム35及び上フレーム37を起伏させると共に、上起伏シリンダ42のロッド42Bを伸縮させて上フレーム37を起伏させ、該上フレーム37を地面に対して垂直な姿勢に保持する。これにより、ドライブ装置46等を介して上フレーム37に支持されたケリーバ22が、地面に対して垂直な姿勢となる。
【0063】
この状態で、主巻ウインチ11から主巻ロープ12を巻出し、この主巻ロープ12に吊下げられたケリーバ22を下降させ、掘削バケット23のドリル部23Bを地面に当接させる。
【0064】
そして、ドライブ装置46によってケリーバ22を回転駆動すると共に、スラストシリンダ47のロッド47Bを伸長させ、掘削バケット23を回転させつつ地面に押込む。これにより、掘削バケット23は、ドリル部23Bによって地中を掘削し、掘削した土砂を土砂収容筒部23A内に収容しつつ地中深く立坑を掘削していく。
【0065】
ここで、上述した立坑の掘削時には、掘削バケット23に対して掘削反力が作用し、この掘削反力は、ケリーバ22、ドライブ装置46等を介してフロント装置34に伝わる。
【0066】
しかし、本実施の形態によるアースドリルは、フロント支持アーム24が、前側ピン32及び後側ピン33によってメインフレーム5に強固に固定され、ドライブ装置46を介してケリーバ22を支持するフロント装置34の下フレーム35は、フロント支持アーム24、下起伏シリンダ39と共に強固な三角形の枠構造体を形成している。
【0067】
このため、フロント装置34の先端側が掘削反力によって浮上がるよう回動するのを確実に抑えることができ、この掘削反力を、フロント支持アーム24を介してメインフレーム5に伝え、該メインフレーム5によって確実に受けることができる。これにより、例えば地中に硬い地盤等がある場合においても、効率良く立坑を掘削することができる。
【0068】
しかも、フロント装置34が回動するのを抑えることにより、ドライブ装置46を介してフロント装置34に支持されたケリーバ22を、地面に対して常時垂直な姿勢に保っておくことができる。このため、立坑の掘削時にケリーバ22が傾斜してしまうのを確実に抑えることができ、垂直な立坑を掘削することができる。
【0069】
また、フロント装置34の先端側をブーム9から垂下したロープ等によって吊下げる必要がないため、掘削反力がブーム9に伝わることがなく、掘削反力に対抗するためにブーム9に施す過剰な補強等を不要とすることができる。
【0070】
一方、例えば掘削した立坑内に鉄筋かご等を挿入するため、図6に示す吊荷作業を行う場合には、図7に示すように、ケリーバ22から掘削バケット23を取外した後、下起伏シリンダ39のロッド39Bを縮小させることにより、フロント装置34を起伏させてブーム9に接近させる。そして、連結装置48を用いてフロント装置34の下フレーム35をブーム9に連結し、フロント装置34、ドライブ装置46、ケリーバ22等を、吊荷作業の邪魔にならないようにブーム9に固定する。
【0071】
次に、フロント支持アーム24及びメインフレーム5から後側ピン33を抜取ることにより、フロント支持アーム24を前側ピン32のみによってメインフレーム5に支持する。これにより、フロント支持アーム24、フロント装置34、ケリーバ22等が、前側ピン32を中心として一体的に起伏(回動)できる状態となる。
【0072】
この状態で、起伏ウインチ16から起伏ロープ17を巻取り、巻出してブーム9を起伏させると共に、補巻ウインチ13から補巻ロープ14を巻取り、巻出して吊荷フック15を昇降させる。これにより、吊荷フック15によって鉄筋かご等の吊荷(図示せず)を吊上げ、この吊荷を所望の場所へと搬送することができる。
【0073】
ここで、本実施の形態によるアースドリルにおいては、フロント支持アーム24をメインフレーム5に連結する前側ピン32を、メインフレーム5に対するブーム9の起伏中心O−Oと同心上に設ける構成としているので、ブーム9をメインフレーム5に対して起伏させたときには、フロント支持アーム24、フロント装置34、ケリーバ22等は、前側ピン32を中心として、ブーム9と一体的に起伏動作を行うことができる。
【0074】
このため、従来技術のように、ブームの起伏動作に追従するようにフロント装置を起伏させる操作を行う必要がなくなり、この分、ブーム9を起伏させる操作を容易に行うことができるので、吊荷作業の作業性を大幅に向上させることができる。
【0075】
また、本実施の形態によるアースドリルは、ブーム9とフロント装置34との間に、ブーム側ブラケット49、フロント側ブラケット50、連結ピン51からなる連結装置48を設けている。このため、立坑の掘削作業時には、連結ピン51を各ブラケット49,50から抜取ることにより、フロント装置34とブーム9とを容易に分離することができ、吊荷作業時には、連結ピン51を用いて各ブラケット49,50間を連結することにより、フロント装置34をブーム9に容易に連結することができる。
【0076】
次に、図9ないし図13は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、フロント装置の基端側をブームに取付ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0077】
図中、61は第1の実施の形態によるブーム9に代えて本実施の形態に用いたブームで、このブーム61は、第1の実施の形態によるブーム9と同様に、強固な骨組み構造をもって上,下方向に伸長している。しかし、ブーム61の基端側(下端側)には、図10及び図11に示すように、ブーム61をメインフレーム5に起伏可能に取付けると共に、フロント装置34(下フレーム35)の基端側を取付けるための左,右のフート部62が設けられている点で、第1の実施の形態によるブーム9とは異なるものである。
【0078】
ここで、フート部62は全体として略三角形状に形成され、メインフレーム5に取付けられるメインフレーム取付部62Aと、ブーム61が溶接等によって接合されたブーム接合部62Bと、フロント装置34の下フレーム35が取付けられるフロント取付部62Cとを有している。そして、フート部62のメインフレーム取付部62Aは、メインフレーム5の外側縦板5Bにブーム連結ピン10を用いて回動可能に連結され、ブーム61は、メインフレーム5に対しブーム連結ピン10を中心として起伏する構成となっている。
【0079】
また、フート部62のフロント取付部62Cには、フロント装置34を構成する下フレーム35のフート部35Aが、ピン36を用いて回動可能にピン結合される構成となっている。
【0080】
一方、ブーム61の長さ方向途中部位には、連結装置48を構成するブーム側ブラケット49が固着して設けられ、このブーム側ブラケット49とフロント装置34の下フレーム35に設けたフロント側ブラケット50とに連結ピン51を挿通することにより、図13に示すように、ブーム61とフロント装置34とを連結装置48を介して一体に連結することができる構成となっている。
【0081】
この場合、フロント装置34は、ブーム61のフート部62(フロント取付部62C)に対しピン36を中心として回動可能に取付けられているので、連結装置48を用いてブーム61とフロント装置34とを連結するときに、ブーム側ブラケット49とフロント側ブラケット50との位置合わせを容易に行うことができ、連結ピン51を用いて両者間を連結するときの作業性を向上することができる。
【0082】
63はメインフレーム5の前部側に取付けられたフロント支持アームで、このフロント支持アーム63は、上述の如くフロント装置34の下フレーム35をブーム61のフート部62に取付ける構成としたことにより、第1の実施の形態によるフロント支持アーム24に代えて本実施の形態に用いたものである。
【0083】
ここで、フロント支持アーム63は、図10ないし図12に示すように、メインフレーム5に取付けられる左,右の第1アーム64,64と、第1アーム64と略直交するように上方に延びる左,右の第2アーム65,65とにより構成されている。また、左,右の第1アーム64間は箱状の連結部材64Aにって一体的に連結され、左,右の第2アーム65の上端側は円筒状の連結部材65Aによって連結され、この連結部材65Aの両端側には、下起伏シリンダ39を取付けるための二又状のブラケット66,66が突設されている。
【0084】
ここで、図12に示すように、第1アーム64の下端側(先端部位)には前側ピン32が挿通される第1のピン挿通穴67が穿設され、第1アーム64と第2アーム65とが交差する部位には、後側ピン33が挿通される第2のピン挿通穴68が穿設されている。また、第2アーム65の上端側に突設されたブラケット66には、下起伏シリンダ39を取付けるためのピン40が挿通されるピン挿通穴69が穿設されている。
【0085】
そして、フロント支持アーム63は、前側ピン32によってメインフレーム5の内側縦板5Cに取付けられると共に、後側ピン33によってメインフレーム5のブラケット5Dに取付けられている。従って、前側ピン32の位置がメインフレーム5に対するフロント支持アーム63の第1の取付位置となり、後側ピン33の位置がメインフレーム5に対するフロント支持アーム63の第2の取付位置となっている。
【0086】
ここで、図11に示すように、前側ピン32はブーム61の起伏中心O−Oと同心上に配置されており、フロント支持アーム63を前側ピン32のみを用いてメインフレーム5にピン結合したときには、メインフレーム5に対するブーム61の起伏動作と、メインフレーム5に対するフロント支持アーム63の起伏動作とが一致する構成となっている。
【0087】
本実施の形態によるアースドリルは上述の如き構成を有するもので、このアースドリルを用いて立坑の掘削作業を行うときには、図9に示すように、前側ピン32及び後側ピン33を用いてフロント支持アーム63をメインフレーム5に取付けた状態で、フロント装置34に設けたドライブ装置46によってケリーバ22を回転させることにより、掘削バケット23によって地中深く立坑を掘削していく。
【0088】
この場合、フロント支持アーム63は、前側ピン32及び後側ピン33によってメインフレーム5に強固に固定されているので、フロント装置34の先端側が掘削反力によって浮上がるよう回動するのを確実に抑えることができ、この掘削反力を、フロント支持アーム63からメインフレーム5に伝え、該メインフレーム5によって確実に受けることができる。これにより、例えば地中に硬い地盤等がある場合においても、効率良く立坑を掘削することができる。
【0089】
一方、アースドリルを用いて吊荷作業を行う場合には、図13に示すように、下起伏シリンダ39のロッド39Bを縮小させることにより、フロント装置34をブーム61に接近させる。そして、連結装置48を構成するブーム側ブラケット49とフロント側ブラケット50とに連結ピン51を挿通し、該連結装置48を介してフロント装置34の下フレーム35をブーム61に連結することにより、フロント装置34、ドライブ装置46、ケリーバ22等を、吊荷作業の邪魔にならないようにブーム61に固定する。
【0090】
この場合、本実施の形態では、フロント装置34の下フレーム35を、ブーム61の基端側に設けたフート部62のフロント取付部62Cに、ピン36を用いて回動可能に取付ける構成としている。このため、下起伏シリンダ39によってフロント装置34をブーム61側に引き寄せたときに、ブーム側ブラケット49とフロント側ブラケット50との位置合わせを容易に行うことができ、両者間に連結ピン51を挿通するときの作業性を向上することができる。
【0091】
そして、フロント装置34とブーム61とを連結装置48を用いて連結した状態で、フロント支持アーム63及びメインフレーム5から後側ピン33を抜取ることにより、フロント支持アーム63を前側ピン32のみによってメインフレーム5に支持する。これにより、フロント支持アーム63、フロント装置34、ケリーバ22等が、前側ピン32を中心として一体的に起伏動作を行うことができ、吊荷作業の作業性を向上させることができる。
【0092】
なお、上述した第1の実施の形態では、第2のピン挿通穴29を、フロント支持アーム24を構成する第1アーム25と第2アーム26の交差部位に設けた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば図5中に二点鎖線で示す位置に第2のピン挿通穴29′を設ける構成としてもよい。
【0093】
また、上述した第1の実施の形態では、フロント支持アーム24の第2アーム26を、第1アーム25の側方に配設した板体により構成した場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば図14に示す変形例のように、第1アーム25と第2アーム26′とが一体的に連続したフロント支持アーム24′を構成してもよい。
【0094】
また、上述した第1の実施の形態では、メインフレーム5(外側縦板5B)とブーム9(フート部9A)との間をブーム連結ピン10によって連結し、メインフレーム5(内側縦板5C)とフロント支持アーム24との間を前側ピン32によって連結し、これらブーム連結ピン10と前側ピン32とを同心上に配置した場合を例に挙げている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばメインフレーム5とブーム9との間、メインフレーム5とフロント支持アーム24との間を、共通な1本のピンによって連結する構成としてもよい。このことは、第2の実施の形態に用いたメインフレーム5、ブーム61、フロント支持アーム63についても同様である。
【0095】
また、上述した第1の実施の形態では、前側ピン32及び後側ピン33を用いて、フロント支持アーム24を前,後方向に離間した2つの位置でメインフレーム5に取付けた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、例えば前,後方向に離間した3以上の位置でフロント支持アーム24をメインフレームに取付ける構成としてもよい。このことは、第2の実施の形態に用いたメインフレーム5、フロント支持アーム63についても同様である。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、第1の取付位置がブームと同一の起伏中心をもってメインフレームに起伏可能に取付けられ、この第1の取付位置とは異なる第2の取付位置がメインフレームに着脱可能に取付けられたフロント支持アームを設け、このフロント支持アームまたはブームに、ケリーバを駆動するドライブ装置が設けられたフロント装置を取付ける構成としたので、フロント装置の先端側が、掘削時の反力によって浮上がるように回動するのを抑えることができる。このため、フロント装置に伝わった掘削反力をフロント支持アームからメインフレームに伝え、メインフレームによって掘削反力を確実に受けることにより、効率良く立坑を掘削することができる。また、掘削反力によってフロント装置が回動するのを抑えることにより、掘削時にケリーバを常時垂直な姿勢に保つことができ、垂直な立坑を掘削することができる。
【0097】
一方、吊荷作業時においては、フロント支持アームの第2の取付位置をメインフレームから取外すことにより、フロント支持アームは、ブームと同一の起伏中心をもった第1の取付位置を中心としてメインフレームに対して起伏することができるので、フロント支持アームまたはブームに取付けられたフロント装置を、ブームの起伏動作に適正に追従させることができ、吊荷作業の作業性を向上させることができる。
【0098】
また、請求項2の発明によれば、フロント支持アームを、第1,第2アームにより形成し、第1の取付位置を第1アームの長さ方向途中部位または先端部位に設け、第2の取付位置を第1アームと第2アームとの交差部位に設ける構成としたので、フロント支持アームを、互いに異なる取付位置でメインフレームに対して強固に固定することができる。
【0099】
また、請求項3の発明によれば、フロント装置を、フロント支持アームとケリーバとの間に設けられたフロントフレームと、フロント支持アームとフロントフレームとの間に設けられた起伏シリンダとにより構成したので、フロント支持アーム、フロントフレーム、起伏シリンダにより略三角形の枠構造体を形成することができ、フロント装置をフロント支持アームに対して強固に支持することができる。また、起伏シリンダによってフロントフレームを起伏させ、該フロントフレームをブームに対して接近、離間させることにより、ドライブ装置を介してフロントフレームに支持されたケリーバを、掘削作業、吊荷作業に応じて適宜にブームに対して接近、離間させることができる。
【0100】
また、請求項4の発明によれば、フロント支持アームを、第1,第2アームにより形成し、第1の取付位置を第1アームの長さ方向途中部位または先端部位に設け、第2の取付位置を第1アームと第2アームとの交差部位に設ける構成とし、フロント装置を、フロント支持アームの第1アームとケリーバとの間に設けられたフロントフレームと、フロント支持アームの第2アームとフロントフレームとの間に設けられた起伏シリンダとにより構成している。これにより、フロント支持アームを、互いに異なる取付位置でメインフレームに対して強固に固定することができる。また、フロント支持アーム、フロントフレーム、起伏シリンダにより略三角形の枠構造体を形成し、フロント装置をフロント支持アームに対して強固に支持することができる。
【0101】
また、請求項5の発明によれば、フロント支持アームを、第1,第2アームにより形成し、フロント装置を、第1アームに回動可能に支持された下フレームと、該下フレームに回動可能に支持された上フレームと、下フレームを起伏する下起伏シリンダと、上フレームを起伏する上起伏シリンダとにより構成している。このため、下起伏シリンダによって下フレームと上フレームとを起伏することにより、ドライブ装置を介して上フレームに支持されたケリーバをブームに対して適宜に接近、離間させることができる。また、上起伏シリンダによって上フレームを適宜に起伏することにより、ドライブ装置を介して上フレームに支持されたケリーバを常時垂直な姿勢に保つことができる。
【0102】
また、請求項6の発明によれば、フロント装置を、基端側がブームに回動可能に支持された下フレームと、該下フレームの先端側に回動可能に支持された上フレームと、フロント支持アームの第2アームと下フレームとの間に設けられた下起伏シリンダと、下フレームと上フレームとの間に設けられた上起伏シリンダとにより構成したので、フロント装置をブームとの取付部位を中心として回動させることにより、吊荷作業時にフロント装置をブーム側に引き寄せて該ブームに連結するときに、両者の位置合わせを容易に行うことができる。
【0103】
また、請求項7の発明によれば、ブームとフロント装置との間に、両者間を取付け、取外し可能に連結する連結装置を設ける構成としたので、例えば吊荷作業時に連結装置を用いてブームにフロント装置を連結するだけで、フロント装置、及び該フロント装置にドライブ装置を介して支持されたケリーバ等を、吊荷作業の邪魔にならないようにブームの近傍に固定しておくことができる。
【0104】
さらに、請求項8の発明によれば、連結装置を、ブームに固着されたブーム側ブラケットと、フロント装置に固着されたフロント側ブラケットと、各ブラケット間に抜差し可能に設けられたピンとにより構成したので、ブーム側ブラケットとフロント側ブラケットに対してピンを抜差しするだけで、ブームに対するフロント装置の取付け、取外しを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるアースドリルを掘削作業を行う状態で示す正面図である。
【図2】図1中のメインフレーム、ブーム、フロント支持アーム、フロント装置等を拡大して示す拡大正面図である。
【図3】メインフレームとブームとの取付部、メインフレームとフロント支持アームとの取付部等の要部を示す要部拡大図である。
【図4】メインフレームとブームとの取付部、メインフレームとフロント支持アームとの取付部等を図3中の矢示IV−IV方向からみた右側面図である。
【図5】フロント支持アーム単体の斜視図である。
【図6】アースドリルを吊荷作業を行う状態で示す正面図である。
【図7】図6中のメインフレーム、ブーム、フロント支持アーム、フロント装置等を拡大して示す拡大正面図である。
【図8】連結装置を図7中の矢示VIII−VIII方向からみた拡大断面図である。
【図9】第2の実施の形態によるアースドリルのメインフレーム、ブーム、フロント支持アーム、フロント装置等を掘削作業を行う状態で示す拡大正面図である。
【図10】メインフレームとフロント支持アームとの取付部、ブームとフロント装置との取付部等の要部を示す要部拡大図である。
【図11】メインフレームとフロント支持アームとの取付部、ブームとフロント装置との取付部等を図10中の矢示XI−XI方向からみた右側面図である。
【図12】第2の実施の形態に用いたフロント支持アーム単体の斜視図である。
【図13】アースドリルのメインフレーム、ブーム、フロント支持アーム、フロント装置等を吊荷作業を行う状態で示す拡大正面図である。
【図14】フロント支持アームの変形例を示す図5と同様の斜視図である。
【符号の説明】
1 車体
5 メインフレーム
9,61 ブーム
10 ブーム連結ピン
22 ケリーバ
23 掘削バケット(掘削具)
24,24′,63 フロント支持アーム
25,64 第1アーム
26,65 第2アーム
32 前側ピン
33 後側ピン
34 フロント装置
35 下フレーム
37 上フレーム
39 下起伏シリンダ
42 上起伏シリンダ
46 ドライブ装置
48 連結装置
49 ブーム側ブラケット
50 フロント側ブラケット
51 連結ピン

Claims (8)

  1. 車体を構成するメインフレームと、基端側が前記メインフレームに起伏可能に取付けられたブームと、前記ブームの先端側から垂下したロープに回転可能に吊下げて設けられ、下端側に掘削具が取付けられるケリーバと、第1の取付位置が前記ブームと同一の起伏中心をもって前記メインフレームに起伏可能に取付けられ、第2の取付位置が前記メインフレームに着脱可能に取付けられたフロント支持アームと、基端側が前記フロント支持アームまたはブームに取付けられると共に先端側に前記ケリーバを駆動するドライブ装置が設けられたフロント装置とにより構成してなるアースドリル。
  2. 前記フロント支持アームは、前記メインフレームからケリーバ側に延びる第1アームと、該第1アームに対してある角度をもって上方に延びる第2アームとにより形成し、前記第1の取付位置は前記第1アームの長さ方向途中部位または先端部位に設け、前記第2の取付位置は前記第1アームと第2アームとの交差部位に設ける構成としてなる請求項1に記載のアースドリル。
  3. 前記フロント装置は、前記フロント支持アームとケリーバとの間に設けられ先端側に前記ドライブ装置が取付けられたフロントフレームと、前記フロントフレームを起伏するため前記フロント支持アームとフロントフレームとの間に設けられた起伏シリンダとにより構成してなる請求項1または2に記載のアースドリル。
  4. 前記フロント支持アームは、前記メインフレームからケリーバ側に延びる第1アームと、該第1アームに対してある角度をもって上方に延びる第2アームとにより形成し、前記第1の取付位置は前記第1アームの長さ方向途中部位または先端部位に設け、前記第2の取付位置は前記第1アームと第2アームとの交差部位に設ける構成とし、
    前記フロント装置は、前記フロント支持アームの第1アームとケリーバとの間に設けられ先端側に前記ドライブ装置が取付けられたフロントフレームと、前記フロントフレームを起伏するため前記フロント支持アームの第2アームとフロントフレームとの間に設けられた起伏シリンダとにより構成してなる請求項1に記載のアースドリル。
  5. 前記フロント支持アームは、前記メインフレームからケリーバ側に延びる第1アームと、該第1アームに対してある角度をもって上方に延びる第2アームとにより形成し、前記第1の取付位置は前記第1アームの長さ方向途中部位または先端部位に設け、前記第2の取付位置は前記第1アームと第2アームとの交差部位に設ける構成とし、
    前記フロント装置は、基端側が前記第1アームに回動可能に支持された下フレームと、該下フレームの先端側に回動可能に支持され先端側に前記ドライブ装置が取付けられた上フレームと、前記第2アームと前記下フレームとの間に設けられ該下フレームを起伏する下起伏シリンダと、前記下フレームと上フレームとの間に設けられ該上フレームを起伏する上起伏シリンダとにより構成してなる請求項1,2,3または4に記載のアースドリル。
  6. 前記フロント支持アームは、前記メインフレームに取付けられる第1アームと、該第1アームに対してある角度をもって上方に延びる第2アームとにより構成し、
    前記フロント装置は、基端側が前記ブームに回動可能に支持された下フレームと、該下フレームの先端側に回動可能に支持され先端側に前記ドライブ装置が取付けられた上フレームと、前記第2アームと前記下フレームとの間に設けられ該下フレームを起伏する下起伏シリンダと、前記下フレームと上フレームとの間に設けられ該上フレームを起伏する上起伏シリンダとにより構成してなる請求項1に記載のアースドリル。
  7. 前記ブームとフロント装置との間には、前記ブームに対してフロント装置を取付け、取外し可能に連結する連結装置を設ける構成としてなる請求項1,2,3,4,5または6に記載のアースドリル。
  8. 前記連結装置は、前記ブームに固着されたブーム側ブラケットと、前記フロント装置に固着されたフロント側ブラケットと、前記各ブラケット間に抜差し可能に設けられたピンとにより構成してなる請求項7に記載のアースドリル。
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