JP3781339B2 - 廃棄物の乾留熱分解反応器及び乾留熱分解方法 - Google Patents

廃棄物の乾留熱分解反応器及び乾留熱分解方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみ等の廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼処理に用いられるものであり、廃棄物を間接加熱したあとドラム本体から排出された加熱ガスの一部をドラム本体内の廃棄物内へ噴出し、廃棄物を直接加熱・乾燥させることにより乾留熱分解用の加熱ガスの生成に必要とする化石燃料の消費量を大幅に削減できるようにした廃棄物の乾留熱分解反応器と乾留熱分解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従前の廃棄物の乾留熱分解溶融燃焼装置の一例を示すものであり、供給装置1により乾留熱分解反応器2内へ供給された廃棄物Cは、ここで空気の遮断下に於いて300℃〜600℃の温度に加熱され、熱分解ガスGと熱分解残渣Dに分解される。
【0003】
前記乾留熱分解反応器2内の熱分解生成物は、搬出装置3に於いて熱分解ガスGと熱分解残渣Dに分離され、前者の熱分解ガスGは溶融燃焼装置4へ送られて燃焼される。又、後者の熱分解残渣Dは分離装置5へ送られ、この中から比較的粗い不燃性固形物が除去されると共に、残った可燃性の固形物Iは粉砕装置6に於いて微粉砕された後、前記溶融燃焼装置4へ供給され、前記熱分解ガスGや廃熱ボイラ7及び集塵器8からのダストEと一緒に1200℃以上の温度下で溶融燃焼される。更に、前記溶融燃焼装置4内に形成された溶融スラグFは水砕スラグとして順次取り出されて行くと共に、溶融燃焼装置4からの燃焼排ガスGO は廃熱ボイラ7、集塵器8、ガス浄化装置9、煙突10を通して大気中へ排出されて行く。
【0004】
また、前記乾留熱分解反応器2は、図5に示すように回転式の円筒状のドラム本体26内にその軸線方向に沿って複数本の加熱管29を配設することにより構成されており、各加熱管29内へは、廃棄物Cを加熱する為の加熱ガスKが循環流通されている。
尚、図4及び図5に於いて、11は誘引ファン、12は蒸気加熱器、13は蒸気タービン発電装置、14は冷却コンベア、15は選別装置、16は可燃性微粉貯留槽、17は通風機、18は廃棄物ピット、19は供給クレーン、20は加熱ガス通路、21は循環ファン、22は空気予熱器、23は送風機、24は熱風発生炉、25はバーナである。また、26はドラム本体、27は加熱ガス入口ケーシング、28は加熱ガス出口ケーシング、29は加熱管、30は支持ローラ、30aは回転用リング、31は回転駆動装置、31aは歯車作動機構、32はシール機構、33は排出側パイプ、34は導入側パイプ、35は温度制御器、36は燃料制御弁、37は燃料供給配管、38は温度制御器、39は余剰ガス排出管、40はスクリュー羽根、Aは燃焼用空気、Hは化石燃料、QO は余剰排出ガスである。
【0005】
ところで、乾留熱分解反応器2内の廃棄物Cを加熱する為のエネルギー源としては、溶融燃焼装置4からの高温の燃焼排ガスGO を用い、これを直接に乾留熱分解反応器2へ供給するのが熱経済上最も好ましい方策である。
しかし、溶融燃焼装置4からの高温の燃焼排ガスGO 内には、廃棄物Cに含まれている有機塩素化合物の燃焼により生じた塩化水素(HCl)ガスが多量に含有されており、その高温に於ける激しい腐食性の故に、燃焼排ガスGO を直接に乾留熱分解反応器2の加熱用熱源として利用することはできない。
【0006】
そのため、前記廃棄物Cの加熱ガスKは、図5に示すように熱風発生炉24で化石燃料(オイル又はガス)Hを燃焼させることにより発生されており、加熱ガス入口ケーシング27、加熱管29、加熱ガス出口ケーシング28を通して循環流通されている。化石燃料Hを燃料とする熱風発生炉24の燃焼ガス(加熱ガスK)は、所謂クリーンなガスであって腐食性物質を殆んど含有しておらず、腐食によるトラブルを避け得るからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、熱風発生炉24を用いる乾留熱分解反応器は、装置の運転中にオイルやガス等の化石燃料Hを常時必要とするため、燃料消費量が莫大な量になり、ランニングコストが必然的に上昇して廃棄物Cの処理費の大幅な引き下げを図り難いと云う問題がある。特に、水分の多い廃棄物Cの場合には、廃棄物Cの乾燥に多くの熱量を必要とすることになり、ドラム本体26内の温度を所定温度に維持するために多くの熱供給量が必要となり、熱風発生炉24の燃料消費量が必然的に増加することになる。
【0008】
本願発明は、従前の廃棄物の乾留熱分解反応器に於ける上述の如き問題、即ち熱風発生炉24に於ける燃料消費量が増大し、廃棄物処理コストの引下げを図れないと云う問題を解決せんとするものであり、高水分含有率の廃棄物Cであっても、加熱ガスKの発生用燃料消費量の大幅な増大を招くことなしに、高効率で安定した廃棄物Cの乾留熱分解ができるようにした廃棄物乾留熱分解反応器と乾留熱分解方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
従前の廃棄物乾留熱分解反応器2に於いては、ドラム本体26内に於ける廃棄物Cの燃焼を避けるため、ドラム本体26内は無酸素状態に保持されねばならないと考えられていた。
そのため、ドラム本体26内の廃棄物Cの加熱は、殆んどが加熱ガスKによる間接加熱方式によって行なわれており、ドラム本体26内へ直接に加熱用ガスKを供給すると云うシステムは、全く考慮の外に置かれていた。
そこで、本願発明者等は従前の発想を全く離れ、ドラム本体26の加熱ガス出口ケーシング28から排出されてくる温度が約300℃前後の加熱ガスKの一部をドラム本体26へ導入し、廃棄物C内へ噴出することにより廃棄物Cを直接乾燥・加熱することを着想すると共に、ドラム本体26内に於ける廃棄物Cの燃焼の発生や乾留熱分解上の熱バランス等について、実稼働の廃棄物乾留熱分解反応器を用いて多くの実証試験を積み重ねた。
【0010】
本願発明は、上記各種の実証実験の結果を基にして創作されたものであり、請求項1の発明は、回転自在に支持されると共に内部に加熱管29がその軸方向に配設され、廃棄物Cを乾留熱分解して熱分解ガスGと熱分解残渣Dにするドラム本体26と,ドラム本体26の上流側に設けられ、ドラム本体26内へ廃棄物Cを搬入する廃棄物供給装置Iと,ドラム本体26の下流側に設けられ、ドラム本体26内からの排出物を熱分解ガスGと熱分解残渣Dとに分離する搬出装置3と,化石燃料Hを燃焼させ、発生した燃焼ガスCを廃棄物Cの加熱ガスKとしてドラム本体26の下流側から内部の加熱管29へ供給する熱風発生炉24と,前記加熱管内を流通してドラム本体26の上流側から排出した加熱ガスKの一部をK1ドラム本体26の上流側から内方へ向けて噴出する通風機44と,ドラム本体26の上流側から排出した加熱ガスKの残部を熱風発生炉24へ循環流通させる通風機21とから成り、前記ドラム本体26内へ噴出した加熱ガスKにより廃棄物Cを乾燥、加熱すると共に、当該加熱ガスKとドラム本体26内の熱分解ガスGとの反応により生じた反応熱を廃棄物Cの加熱に用いることを発明の基本構成とするものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、酸素濃度が4%以下の加熱ガスKを発生する熱風発生炉とすると共に、ドラム本体26の上流側から排出した加熱ガスKの一部K1を廃棄物供給装置Iの先端からドラム本体26内部の廃棄物Cへ向けて噴出する構成としたものである。
【0012】
請求項3の発明は、回転するドラム本体26内へ廃棄物Cを供給すると共に、熱風発生炉24で化石燃料Hを燃焼することにより生成した加熱ガスKをドラム本体26内の加熱管29内へ流通させ、廃棄物Cを間接加熱することにより乾留熱分解して熱分解ガスGと熱分解残渣Dにする廃棄物Cの乾留熱分解反応器2に於いて、前記加熱管内を流通してドラム本体26の上流側から排出した加熱ガスKの一部K1をドラム本体26の上流側から内部の廃棄物C内へ噴出し、加熱ガK1により廃棄物Cを直接乾燥、加熱すると共に、加熱ガスK 1 とドラム本体26内の熱分解ガスGとの反応により生じた反応熱を用いて廃棄物Cを加熱する構成としたことを発明の基本構成とするものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3の発明に於いて、ドラム本体26内へ噴出する加熱ガスK1 の酸素濃度を4%以下とするようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明に係る乾留熱分解反応器2の縦断面概要図であり、熱風発生炉24への燃焼用空気Aの空気予熱器22の系統及びドラム本体26から排出した加熱ガスKの一部をドラム本体26内の廃棄物C内へ導入する系統を除いて、その他の主要な構成は前記図5に示した従前の乾留熱分解反応器2の場合と全く同一である。
従って、ここでは、前記図5と異なる構成部分のみを説明するものとする。
【0015】
図1を参照して、熱風発生炉24へ供給する燃焼用空気Aは、送風機23から供給されており、廃熱ボイラ7からの蒸気Sを熱源とする空気予熱器22に於いて予熱されたあと、バーナー25へ供給されている。
【0016】
また、ドラム本体26の加熱ガス出口ケーシング28より排出された温度約300℃前後の加熱ガスKの一部K1 は、通風機44によって加熱ガス導入配管41、加熱ガスK1 の制御ダンパ45、加熱ガス導入通路42を通してドラム本体26内の廃棄物C内へ導入されており、ドラム本体26の導入パイプ34の内周面に形成した加熱ガス導入通路42の先端から、ドラム本体26内の廃棄物C内へ加熱ガスK1 が噴出されている。
【0017】
即ち、本実施形態に於いては、ドラム本体26内の加熱管29を通って廃棄物Cを間接加熱したあと、加熱ガス出口ケーシング28側へ排出されて来た加熱ガスKの一部K1 が、通風機44を通してドラム本体26内へ直接噴出され、これによって廃棄物Cが直接加熱・乾燥されることになる。
尚、図1に於いて、46は温度制御器である。
また、図1の実施形態に於いては、ドラム本体26の導入側パイプ34の内周面に加熱ガス導入通路42を形成し、当該通路42を通して加熱ガスK1 をドラム本体26内へ噴出するようにしているが、加熱ガスK1 の導入用通路はどのような経路であってもよいことは勿論である。
【0018】
前記廃棄物供給装置1の先端からドラム本体26内へ噴出された加熱ガスK1 は、ドラム本体26内で発生した熱分解ガスGと共に搬出装置3を通して排出され、溶融燃焼炉4へ供給される。
また、ドラム本体26内へ噴出される加熱ガスK1 のO2 濃度は、熱風発生炉24側の燃焼制御によって約4(%)以下に調整されており、これにより後述するように、熱分解ドラム本体26の内部で廃棄物Cの急激な燃焼の発生が防止され、ドラム本体26内の温度が部分的にも600(℃)以上の高温になることがないうえ、熱分解ドラム本体26の出口に於ける熱分解ガスDの酸素濃度もほぼ0(%)となる。
【0019】
【実施例】
図2は、従前のこの種廃棄物乾留熱分解反応器2に於ける代表的な熱バランスの概要を示すものである。
乾留熱分解反応器2内へは、2000(kcal/kg)の保有熱量の廃棄物Cを1ton投入している。また、熱風発生炉24からは、加熱ガス配管20を通して530℃の加熱ガスK(530℃の比熱0.35kcal/Nm3 ℃、5700Nm3 )が供給されており、これによって約460,000(kcal)の熱量が乾留熱分解反応器2内へ投入されている。
【0020】
廃棄物Cは加熱ガスKにより加熱され、乾留熱分解されることにより800(kg)の熱分解ガス(約500℃、2075kcal/Nm3 、比重1kg/Nm3 )Gと、200kgの熱分解残渣(約500℃、4000kcal/kg)Dとに変換される。
また、この時の熱風発生炉24への燃料(灯油、発熱量8200kcal/l、発生排ガス量14Nm3 /l)Hの供給量は約61(l/ton)ごみであり、更に、燃焼用空気Aの供給量は16Nm3 /kg灯油(約20℃)、余剰ガス排出管39からの余剰排出ガスQO の排出量は約855(Nm3 /hr・150℃)である。
【0021】
一方、図3は本発明の実施例に係る熱バランスの概要を示すものである。
乾留熱分解反応器2内へは保有熱量2000(kcal/kg)の廃棄物(都市ごみ)Cが1(ton)投入され、また、熱風発生炉24からは、温度530(℃)の加熱ガスKが供給されている。尚、加熱ガスKによる投入熱量は後述するように約363000(kcal)となっている。
【0022】
乾留熱分解反応器2へは、乾留熱分解反応器2内の加熱管29を通して排出されてきた約300(℃)の加熱ガスKの一部K1 が、廃棄物Cを直接乾燥・加熱するための加熱ガスK1 として導入されており、この加熱ガスK1 の供給量G1 は、後述するように619(Nm3 )、酸素濃度は約4(%)となっている。
また、前記熱風発生炉24へは、燃料Hとして灯油(発熱量8200kcal/l、燃焼排ガス量14Nm3 /l)と、燃焼用空気Aと、循環ガス(加熱ガスKの残部)とが供給されており、燃料Hの供給量は後述する如く44(l)となっている。
更に、廃棄物Cが乾留熱分解されることにより、乾留熱分解反応器2からは、保有熱量4000(kcal/kg)の熱分解残渣Dが200(kg)と、熱分解ガスG(800kg、500℃)及び加熱ガス燃焼排ガスK2 (643kg、500℃)とが、排出されることになる。
【0023】
いま、G1 (Nm3 )の加熱ガスK1 (酸素濃度4%、300℃)が乾留熱分解反応器2内へ供給され、これがごみの熱分解により発生したCOと反応したとすると、G1 (Nm3 )の加熱ガスK1 により発生する熱量Q1 は、下記の反応式から
2 +2CO→2CO2 +6000(kcal)
1 =G1 ×0.04×6000=240G1 (kcal)………▲1▼となる。
また、G1 (Nm3 )の加熱ガスK1 がCOと反応することにより生成される加熱ガス燃焼排ガスK2 の発生量G2 (Nm3 )は、
2 =G1 (1−0.04)+G1 ×0.04×2=1.04G1 (Nm3 )………▲2▼となる。
更に、このG2 (Nm3 )の加熱ガス燃焼排ガスK2 を500(℃)まで昇温させるのに必要な熱量Qは、
2 =1.04G1 ×0.35×500−G1 ×0.33×300=83G1 (kcal)………▲3▼となる。但し、0.35は500℃の燃焼排ガスK2 の比熱(kcal/Nm3 ℃)、0.33は300℃の加熱ガスK1 の比熱(kcal/Nm3 ℃)である。
【0024】
而して、熱風発生炉24からの加熱ガスKにより乾留熱分解反応器2へ投入される熱量の削減を図るためには、前記加熱ガスK1 の投入により発生する熱量Q1 が、投入した加熱ガスK1 を500℃まで昇温するのに必要とする熱量Q2 よりも大となることが必要であり、この場合Q1 (240G1 )>Q2 (83G1 )であるから、投入熱量を157G1 (kcal)分削減できる。
1 −Q2 =157G1 (kcal)………▲4▼
【0025】
いま、乾留熱分解反応器2内の廃棄物C内へ直接噴出する加熱ガスK1 の供給量G1 を、熱風発生炉24に於ける灯油の燃焼排ガス量Gwに等しくし、且つ灯油発熱量を8200(kcal/l)、灯油の燃焼排ガス量を14(Nm3 /l)とすると、熱風発生炉24における灯油燃焼量Wは
Figure 0003781339
また、灯油の燃焼排ガス量Gw=G1
Gw=G1 =灯油排ガス量×灯油燃焼量
=14×(460000−157G1 )/8200(Nm3 )………▲6▼
となり、前記▲5▼式及び▲6▼式よりG1 =619(Nm3 )、W=44(l)となる。
【0026】
その結果、熱風発生炉24に於ける灯油の削減量ΔWは
ΔW=61−44=17(l)、削減率は17/61×100≒28(%)となる。但し、61(l)は従前の熱風発生炉に於ける灯油燃焼量(l/tonごみ)である。
【0027】
一方、乾留熱分解反応器2から排出される熱分解ガスG3 (G+K2 )は、下流側の溶融燃焼炉4で溶融燃焼される。この溶融燃焼を安定なものとするためには、熱分解ガスG3 の発熱量として約1000(kcal/Nm3 )以上を必要とする。熱分解ガスG3 の発熱量をHe(kcal/Nm3 )とすると、
Figure 0003781339
ここで、熱ガスK1 の供給量G1 を619(Nm3 )に、加熱ガス燃焼排ガスK2 の比重を1とすると、
He=1083(kcal/Nm3 )となり、溶融燃焼炉4に於ける安定燃焼を確保することができる。
また、乾留熱分解反応器2の加熱源系統からの余剰排ガスQO はほぼ零となり、排熱損失が減少する。
【0028】
【発明の効果】
本発明に於いては、ドラム本体26の加熱管29を通して廃棄物Cを間接加熱したあとドラム本体26から排出した加熱ガスKの一部K1 を、廃棄物Cの直接乾燥・加熱用ガスとしてドラム本体26内へ導入する構成としている。
その結果、加熱ガスKによるドラム本体26への投入熱量が減少することになり、加熱ガスKを発生する熱風発生炉24の化石燃料消費量を従前の消費量に比して約28%減少させることができる。
また、廃棄物C内へ直接噴出する加熱ガスK1 の酸素濃度が約4(%)であるため、ドラム本体26内で廃棄物Cが急激に燃焼することもなく、ドラム本体内部の温度が600(℃)以上になることは全く生じない。
更に、加熱ガスKの一部を加熱ガスK1 としてドラム本体26内へ噴出することにより、これまで外部へ排出されていた加熱ガスKの余剰分が殆んど零となり、排ガス熱損失が略零となる。
本発明は上述の通り、優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾留熱分解反応器の実施形態を示す縦断面概要図である。
【図2】従前の乾留熱分解反応器に於ける熱バランスの一例を示すものである。
【図3】本発明の実施形態に係る乾留熱分解反応器に於ける熱バランスの一例を示すものである。
【図4】従前の乾留熱分解溶融燃焼装置の一例を示す全体系統図である。
【図5】従前の乾留熱分解反応器の断面概要図である。
【符号の説明】
Aは燃焼用空気、Cは廃棄物、Dは熱分解残渣、Kは加熱ガス、K1 は直接乾燥・加熱用の加熱ガス、Q2 は余剰排出ガス、Hは化石燃料、1は廃棄物供給装置、2は乾留熱分解反応器、3は搬出装置、20は加熱ガス通路、21は循環ファン、22は空気予熱器、23は送風機、24は熱風発生炉、25はバーナである。また、26はドラム本体、27は加熱ガス入口ケーシング、28は加熱ガス出口ケーシング、29は加熱管、30は支持ローラ、30aは回転用リング、31は回転駆動装置、31aは歯車作動機構、32はシール機構、33は排出側パイプ、34は導入側パイプ、35は温度制御器、36は燃料制御弁、37は燃料供給配管、38は温度制御器、39は余剰ガス排出管、40はスクリュー羽根、41は加熱ガスK1 の導入配管、42は加熱ガス導入通路、43は余剰ガス排出管、44は通風機、45は加熱ガスK1 の制御用ダンパ、46は温度制御器である。

Claims (4)

  1. 回転自在に支持されると共に内部に加熱管がその軸方向に配設され、廃棄物を乾留熱分解して熱分解ガスと熱分解残渣にするドラム本体と,ドラム本体の上流側に設けられ、ドラム本体内へ廃棄物を搬入する廃棄物供給装置と,ドラム本体の下流側に設けられ、ドラム本体内からの排出物を熱分解ガスと熱分解残渣とに分離する搬出装置と,化石燃料を燃焼させ、発生した燃焼ガスを廃棄物の加熱ガスとしてドラム本体の下流側から内部の加熱管へ供給する熱風発生炉と,前記加熱管内を流通してドラム本体の上流側から排出した加熱ガスの一部をドラム本体の上流側から内方へ向けて噴出する通風機と,ドラム本体の上流側から排出した加熱ガスの残部を熱風発生炉へ循環流通させる通風機とから成り、前記ドラム本体内へ噴出した加熱ガスにより廃棄物を乾燥、加熱すると共に、当該加熱ガスとドラム本体内の熱分解ガスとの反応により生じた反応熱を廃棄物の加熱に用いる構成としたことを特徴とする廃棄物の乾留熱分解反応器。
  2. 酸素濃度が4%以下の加熱ガスを発生する熱風発生炉とすると共に、ドラム本体の上流側から排出した加熱ガスの一部を廃棄物供給装置の先端からドラム本体内部の廃棄物へ向けて噴出する構成とした請求項1に記載の廃棄物の乾留熱分解反応器。
  3. 回転するドラム本体内へ廃棄物を供給すると共に、熱風発生炉で化石燃料を燃焼することにより生成した加熱ガスをドラム本体内の加熱管内へ流通させ、廃棄物を間接加熱することにより乾留熱分解して熱分解ガスと熱分解残渣にする廃棄物の乾留熱分解反応器に於いて、前記加熱管内を流通してドラム本体の上流側から排出した加熱ガスの一部をドラム本体の上流側から内部の廃棄物内へ噴出し、加熱ガスにより廃棄物を直接乾燥、加熱すると共に、加熱ガスとドラム本体内の熱分解ガスとの反応により生じた反応熱を用いて廃棄物を加熱する構成としたことを特徴とする廃棄物の乾留熱分解方法。
  4. ドラム本体内へ噴出する加熱ガスの酸素濃度を4%以下とするようにした請求項3に記載の廃棄物の乾留熱分解方法。
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