JP3781336B2 - ビデオゲームにおける能力値制御方法、能力値制御プログラムを記憶した記録媒体及びゲーム装置 - Google Patents

ビデオゲームにおける能力値制御方法、能力値制御プログラムを記憶した記録媒体及びゲーム装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、個別の難易度が設定された複数のステージをクリアしていくことでゲームを進行させるビデオゲームにおける能力値制御方法、能力値制御プログラムを記録した記録媒体及びゲーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオゲームの1つとしてロール・プレイング・ゲーム(以下、RPGという)がある。RPGは、画面上のプレイヤキャラクタを操作し、プレイヤキャラクタと他のキャラクタとの間で会話させたり、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの間で戦闘を行わせたりしながら、物語を進めていくゲームである。このようなRPGでは、プレイヤキャラクタに敵との戦闘を繰り返し行わせることでプレイヤキャラクタに付与された能力値を増加させることができる。増加する能力値としては、ヒットポイント(HP)の最大値(HPmax)や攻撃力などがある。プレイヤキャラクタに付与さらた能力値が増加すれば、そのプレイヤキャラクタを操作して、強い敵キャラクタを倒せるようになり、物語を先に進めることが可能となる 。
【0003】
一般的なRPGでは、ゲーム上の戦闘によって敵キャラクタを倒した場合その戦闘に使用されたプレイヤキャラクタに経験値が与えられる。経験値の量は、倒した敵の強さによって決定される。経験値が蓄積され所定の値を超えると、プレイヤキャラクタに設定されたレベルがあがり、レベルがあがると、プレイヤキャラクタの各種能力値が向上する。能力値が向上すれば、それ以降の戦闘に勝利するための難易度が下がる。したがって、RPGのステージとして設定されたダンジョンの最後に登場するボスキャラクタのような極めて強い敵と対戦する場合には、弱い敵キャラクタと多く対戦してプレイヤキャラクタのレベルを上げておけば簡単にボスキャラクタを倒せることとなる。ただし、弱い敵キャラクタとの対戦をこなすのには時間がかかる。そこで、なるべく早くゲームをクリアしたいプレイヤは、弱い敵キャラクタとの対戦をあまりせずにボスキャラクタとの対戦に挑むこととなる。すると、プレイヤキャラクタのレベルが低い分だけ苦戦を強いられる。この場合、戦闘を有利に運ぶために各種アイテムを使い分けたり、敵キャラクタの弱点を突いた攻撃を行うことで、ボスキャラクタを倒すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、敵の強さに応じて経験値を与える方法では、RPGのステージであるダンジョンの最後のボスキャラクタを倒した後にプレイヤキャラクタに与えられる経験値は、ボスキャラクタの強さのみによって決定される。この場合、能力の低いプレイヤキャラクタで極めて強いボスキャラクタを倒し、ダンジョンをクリアしたという成果に対し、見返りが不十分である。すなわち、高度な戦略を駆使して、より早くゲームをクリアしたいというプレイヤの遊戯意欲を持続させるためにも、困難な戦闘に勝った場合には、その困難性に応じてプレイヤキャラクタの能力を上げる必要がある。1つのダンジョンをクリアすることで十分な成長が得られれば、さらに強い敵のいるダンジョンを、同様の方法で迅速に攻略することができる。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、クリアしたステージの困難性に応じてプレイヤキャラクタの能力を上昇させること、逆説的にいうならば、クリアしたステージの困難性に応じて難易度を緩和することで、高度な戦略を駆使すればゲーム全体を迅速に攻略できるように難易度を制御できるビデオゲームにおける能力値制御制御方法、能力値制御プログラムを記録した記録媒体及びゲーム装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1記載の発明にあっては、仮想的な戦闘においてその値が大きいほど有利に作用するプレイヤキャラクタの能力値を変化させながら、複数のステージから選択されたいずれかのステージ上で、操作入力に応じてプレイヤキャラクタに敵キャラクタとの間で仮想的な戦闘を実行させて当該ステージをクリアしたか否かを判断し、当該ステージをクリアしたと判断した場合に、次のステージを選択させることでゲームを進行させるビデオゲームにおける能力値制御方法において、前記敵キャラクタを、前記各ステージの最終到達地点に配置されたボスキャラクタとこれ以外の一般キャラクタとで構成し、ゲーム開始時に、プレイヤキャラクタのステージをクリアした直後の能力値に加算する幅である上げ幅を設定するとともに、この上げ幅を前記ステージをクリアした直後の能力値に加算して、前記次に選択されるステージにおいてステージをクリアした直後の能力値とすべき次能力値を算出する第1の算出ステップと、前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタに対して一定の範囲内に近接した場合、前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタと遭遇したものと判断する遭遇判断ステップと、この遭遇判断ステップで前記プレイヤキャラクタが敵キャラクタと遭遇したものと判断された場合に実行される戦闘処理ステップと、この戦闘処理ステップで前記プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘により倒された敵キャラクタが、前記ボスキャラクタと一般キャラクタのいずれであるかを判断する判断ステップと、この判断ステップで、倒された敵キャラクタが一般キャラクタであると判断された場合、該一般キャラクタを倒す毎に、前記プレイヤキャラクタの現在の能力値に加算する値を決定して前記現在の能力値に加算するとともに、前記決定に際して前記加算する値の当該ステージにおける累算値を前記上げ幅以下である範囲に制限する第1の能力値制御ステップと、前記判断ステップで、倒された敵キャラクタがボスキャラクタであると判断された場合、当該ステージがクリアされたものと判断するとともに、前記プレイヤキャラクタの能力値を前記次能力値にする第2の能力値制御ステップと、この第2の能力値制御ステップ実行後、前記上げ幅を設定するとともに、前記次能力値を算出する第2の算出ステップとを含む。
【0007】
プレイヤが操作入力によってプレイヤキャラクタを移動させ、敵キャラクタに接近した場合にのみ敵キャラクタとの間で戦闘処理ステップが実行される。したがって、当該選択ステージにおいてプレイヤキャラクタが敵キャラクタとの戦闘を勝利するための難易度を徐々に緩和したい場合には、一般キャラクタにプレイヤキャラクタを接近させればよい。一方、一般キャラクタとの対戦を避け、早くボスキャラクタと対戦したい場合には、プレイヤキャラクタと一般キャラクタとの距離を一定以上に保ち、一般キャラクタの脇をすり抜けるようにプレイヤキャラクタを移動させればよい。すなわち、プレイヤキャラクタをどのように移動させるかによって、一般キャラクタと対戦するというイベントに挑戦するか否かを任意に選択することができる。
そして、第1の能力値制御ステップにおいては、一般キャラクタを倒せば、プレイヤキャラクタの現在の能力値に加算する値が決定されて現在の能力値に加算されるが、前記決定に際しては、前記加算する値の当該ステージにおける累算値が前記上げ幅以下である範囲に制限される。よって、一般キャラクタを倒しても、その見返りは少ないものとなる。
しかし、第2の能力値制御ステップにおいては、倒された敵キャラクタが前記各ステージの最終到達地点に配置されたボスキャラクタであると判断された場合、当該ステージがクリアされたものと判断されるとともに、前記プレイヤキャラクタの能力値を前記次能力値にする。
したがって、第1の能力値制御ステップにおける累算値が少ない状態で、選択ステージをクリアすれば、前記上げ幅と、前記第1の能力値制御ステップにおける累算値との差分は、大きな値となる。よって、第1の能力値制御ステップにおける累算値が少ない状態で、ステージの最終到達地点に配置されたボスキャラクタを倒して選択ステージをクリアすることより、十分な見返りが得られる。よって、十分な見返りにより、高度な戦略を駆使して、より早くステージをクリアしたいというプレイヤの遊戯意欲を持続させることができるとともに、1つのステージをクリアすることで他のステージの難易度が緩和されれば、迅速に攻略することができ、これによってもプレイヤの遊戯意欲を持続させることができる。
【0012】
また、請求項記載の発明によれば、記録媒体に含まれるプログラムをコンピュータに読み込ませることでゲーム装置を実現できる。したがって、記録媒体によってこれをソフトウェア商品として装置と独立して容易に配布、販売することができるようになる。また、汎用コンピュータや汎用ゲーム装置などのハードウェアを用いてこのソフトウェアを使用することにより、これらのハードウェアで本発明のゲーム技術が容易に実施できるようになる。
【0013】
また、請求項記載の発明によれば、ゲーム装置として請求項1記載の発明と同様の効果を得ることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に従って説明する。なお、以下の説明では、一例として本発明を家庭用ゲーム機に適用した場合について述べる。
また、以下の実施の形態で例示するRPGでは、図1に示すようなダンジョン(ステージ)20が99個用意されている。各ダンジョン20には、敵キャラクタである複数の一般キャラクタ21と単一のボスキャラクタ22とが存在し、よって、ボスキャラクタは99体用意されている。そして、プレイヤは、図示しない複数のプレイヤキャラクタのいずれかを操作し、これら一般キャラクタ21あるいはボスキャラクタ22と戦闘させることによりゲームを進行させる。また、プレイヤはゲーム開始時にいずかのダンジョンを選択することができるとともに、当該ダンジョン20のボスキャラクタ22を倒すことにより、次に進むダンジョンを選択することができる。
【0016】
図2は、本実施の形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。図示のように、このゲーム装置1は、例えば、ゲーム機本体2と、入力装置3と、メモリカード5と、CD−ROM4と、出力装置6とを含む。
【0017】
ゲーム機本体2は、例えば、バス18を介して互いに接続された制御部11、RAM(Random Access Memory)12、インターフェース部13、サウンド処理部14、グラフィック処理部15,CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ドライブ16、着脱自在なCD−ROM4及び通信インターフェース17から構成されている。
【0018】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ブートプログラムやOS(Operating System)等の基本プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)等を含み、RAM12に記憶されたプログラムを順次実行して、ゲームを進行するための処理を行う。制御部11は、また、ゲーム機本体2内の各部12〜17の動作を制御する。
【0019】
RAM12は、ゲーム機本体2のメインメモリとして使用されるもので、CD−ROM4から転送された、ゲーム進行のために必要となるプログラムやデータを記憶する。RAM12は、また、プログラム実行時におけるワークエリアとしても使用される。RAM12に割り付けられる領域及び各領域に記憶されたデータについては、詳しく後述する。
【0020】
インターフェース部13には、着脱自在な入力装置3とメモリカード5とが接続される。このインターフェース部13では、入力装置3及びメモリカード5と制御部11やRAM12との間のデータの授受を制御する。なお、入力装置3は、方向キーや各種のボタンを備えている。これらのキーやボタンをプレイヤが操作することで、自キャラクタへの移動の指示や動作の指示などのゲームの進行のための必要となる入力が行われる。また、メモリカード5は、ゲームの進行状態を示すデータをセーブしておくものである。
【0021】
サウンド処理部14は、制御部11からの指示に従って、ゲームの進行状態に応じたBGM(Back Ground Music)や効果音などのサウンドデータを再生するための処理を行い、音声信号として出力装置6に出力する。
【0022】
グラフィック処理部15は、制御部11からの指示に従って3次元グラフィック処理を行い、ゲームの進行状態に応じて画像データを生成する。グラフィック処理部15は、生成した画像データに所定の同期信号を付加して、ビデオ信号として出力装置6に出力する。
【0023】
CD−ROMドライブ16は、制御部11からの指示に従って、ゲーム機本体2にセットされたCD−ROM4を駆動し、CD−ROM4に格納されているプログラムやデータをバス18を介してRAM12に転送する。
【0024】
通信インターフェース17は、通信回線19を介して外部のネットワーク20に接続されており、制御部11からの指示に従って、外部のネットワーク20との間でプログラムやデータを授受するための処理を行う。
【0025】
CD−ROM4は、ゲームの進行に必要となるプログラムやデータを格納している。CD−ROM4は、CD−ROMドライブ16によって駆動されて、格納しているプログラムやデータが読み出される。CD−ROM4から読み出されたプログラムやデータは、CD−ROMドライブ16からバス18を介してRAM12に転送される。
【0026】
出力装置6は、グラフィック処理部15からのビデオ信号に対応する画像を表示するCRT(Cathode Ray Tube)等からなる表示画面61と、サウンド処理部14からの音声信号に対応する音声を出力するスピーカ(図示せず)とを備えている。通常は、出力装置6としてテレビジョン受信器が用いられる。
【0027】
次に、図1のRAM12に割り付けられる領域及び各領域に記憶されるデータについて、詳細に説明する。
【0028】
図3は、RAM12に割り付けられる領域を示す図である。図示するように、RAM12には、プログラム記憶領域121、関連データ記憶領域122、画像記憶領域123等が割り付けられる。これらの領域121〜123に記憶されるプログラム、データは、制御部11の制御に従ってCD−ROMドライブ16がCD−ROM4から読み出し、RAM12に転送するものである。
【0029】
プログラム記憶領域121には、後述するフローチャートに示すプログラムなどの、ゲームの実行に必要となるプログラムが記憶される。
【0030】
関連データ記憶領域122には、プレイヤキャラクタデータ格納部124、敵キャラクタデータ格納部125、倒したボスキャラクタ数格納部126、レベル別戦闘関連情報格納部127、重さテーブル格納部128、及び能力算出用変数格納部129が形成される。
【0031】
プレイヤキャラクタデータ格納部124には、プレイヤキャラクタのID、NAME(名前)、HP(ヒットポイント)が格納されるとともに、能力情報格納部124aが形成される。IDは、各キャラクタに付与されている識別情報である。NAMEは、そのキャラクタのゲーム上の名前である。HPは、キャラクタの残りの耐久力を示している。HPの値は、そのキャラクタが他のキャラクタから攻撃された際に、ダメージ量に応じて減算される。HPの値が0になると、そのキャラクタは戦闘不能の状態になる。HPの値は、ゲーム内に設定された特定の場所にキャラクタを移動させること等で、後述するHPmaxの値まで増加させることができる。敵キャラクタデータ格納部125には、敵キャラクタのID、NAME、HP、boss flg(ボスフラグ)が格納されるとともに、能力情報格納部125aが形成される。boss flg(ボスフラグ)は、“1”により当該敵キャラクタがボスキャラクタであることを示し、“0”により一般キャラクタであることを示すフラグである。
【0032】
プレイヤキャラクタの能力情報格納部124aには、図4(a)に示すように、当該プレイヤキャラクタの「初期能力値」「最終能力値」「現能力値」が、「最大ヒットポイント(HPmax)」「攻撃力(Atk)」「命中率(Hit)」「防御力(Def)」「回避能力(Eva)」「魔法攻撃力(MAtk)」「魔法防御力(MDef)」毎に格納される。
【0033】
各能力値は、ゲーム上において次のような意味を有する。最大ヒットポイントは、そのキャラクタに設定可能なHPの最大値である。攻撃力は、そのキャラクタに攻撃動作を行わせた場合に、敵キャラクタに与えるダメージ量の計算に使用される。攻撃力の値が大きいほど、敵キャラクタに与えるダメージ量が大きくなる。命中率は、そのキャラクタに攻撃動作を行わせた場合に、敵キャラクタにダメージを与えるか否かの計算に使用される。命中率の値が大きいほど、敵キャラクタにダメージを与える確率が大きくなる。
【0034】
防御力は、敵キャラクタから攻撃を受けたときの、そのキャラクタが受けるダメージ量の算出に用いられる。防御力の値が大きいほど、受けるダメージは少なくなる。回避能力は、敵キャラクタから攻撃を受けたときに、ダメージを受けるか否かの算出に用いられる。回避能力の値が大きいほど、ダメージを受ける確率が小さくなる。
【0035】
魔法攻撃力は、そのキャラクタに魔法による攻撃を行わせた場合に、敵キャラクタに与えるダメージ量の計算に使用される。魔法攻撃力の値が大きいほど、敵キャラクタに与えるダメージ量が大きくなる。魔法防御力は、敵キャラクタから魔法による攻撃を受けたときの、そのキャラクタが受けるダメージ量の算出に用いられる。魔法防御力の値が大きいほど、受けるダメージは少なくなる。
【0036】
このように、各キャラクタに設定される能力値は、その値が大きいほど、戦闘の際にそのキャラクタにとって有利に作用する。したがって、プレイヤキャラクタの能力値が増加することは、プレイヤが各ダンジョンをクリアするための難易度が緩和されることを意味する。
【0037】
なお、以下の説明では、プレイヤキャラクタの能力値の代表例としてHPmaxに注目し、ゲームの進行に伴いHPmaxがどのように変化するかについて説明する。HPmax以外の能力値に関しても、値を増加させる際の処理手順はHPmaxと同様である。
【0038】
最大ヒットポイントの「初期能力値」=50は、ゲーム開始時におけるHPmaxの値であって固定である。最大ヒットポイントの最終能力値(End_HPmax)=750は、プレイヤキャラクタが全てのボスキャラクタ(99体)を倒した後の能力値であって、これも固定である。最大ヒットポイントの現能力値(HPmax)は、現時点における当該プレイヤキャラクタの最大ヒットポイントであって、ゲームの進行に伴って逐次変化する値である。なお、図中の現能力値(HPmax)=50は、ゲーム開始直後の値を示している。最大ヒットポイントのレベルアップ直後の能力値(Base_HPmax)は、プレイヤキャラクタが現在のレベルにレベルアップした直後の最大ヒットポイントである。図中のレベルアップ直後の能力値(Base_HPmax)=50は、ゲーム開始直後の値を示している。
【0039】
敵キャラクタの能力情報格納部125aには、図5に示すように、当該敵キャラクタの現能力値が「最大ヒットポイント(HPmax)」「攻撃力(Atk)」「命中率(Hit)」「防御力(Def)」「回避能力(Eva)」「魔法攻撃力(MAtk)」「魔法防御力(MDef)」毎に格納される。
【0040】
また、前記倒したボスキャラクタ数格納部126には、プレイヤキャラクタが倒したボスキャラクタの数が格納され、ボスキャラクタの数が99体である本実施の形態においては、0〜99までの値が格納される。
【0041】
前記レベル別戦闘関連情報格納部127には、図6に示すように、レベル1〜99に対応して、「倒したボスキャラクタの数」「想定戦闘回数」「一般キャラクタ比重」が格納される。すなわち、この実施の形態にかかるゲームにおいては、ゲーム開始時のレベルが“1”であり、ボスキャラクタを倒す毎に1ランクずつレベルアップする。したがって、「レベル」と「倒したボスキャラクタの数」とは、1ずつずれた対応関係となっている。「一般キャラクタ比重」は、後述するレベルアップ時のヒットポイント向上量(α)のうち、一般キャラクタを倒すことで増加可能な向上量の占める割合を“10”に対する割合で示したものである。したがって、「一般キャラクタ比重」=5とは、レベルアップ時のヒットポイント向上量(α)のうち5/10が一般キャラクタを倒すことで増加させ得るヒットポイントの最大幅である。つまり、プレイヤキャラクタのレベルが上がらない限りそれ以上一般キャラクタを倒してもヒットポイントは増加しない。また、「想定戦闘回数」は、一般キャラクタを倒した場合に増加させ得るヒットポイントの最大幅に到達するまでに、プレイヤキャラクタが一般キャラクタと行う必要がある戦闘回数を示す。
【0042】
重さテーブル格納部128には、図7に示すように、各ダンジョン毎に付されている「ダンジョン番号」に対応して、「想定クリアレベル」と「敵の重さ」とが格納される。「想定クリアレベル」は、対応するダンジョンの難易度が高いほど、大きな値が設定されている。難易度の高いダンジョンとは、配置されたボスキャラクタの能力値の高いダンジョンである。「敵の重さ」は対応するダンジョンにおいて一般キャラクタを倒した場合に得られるポイントを示す。
【0043】
能力算出用変数格納部129には、図8に示すように、獲得済み戦闘ポイント(Party_Exp)、想定される戦闘ポイント(Next_Point)、プレイヤキャラクタのレベル値S、HP計算用変数であるNext_HPmax、delta_HPmax、dHP、Sが格納される。獲得済み戦闘ポイント(Party_Exp)は、プレイヤキャラクタが一般キャラクタを倒したことにより蓄積された現時点のポイントである。想定される戦闘ポイント(Next_Point)は、各レベルにおける前記「想定戦闘回数」に前記「敵の重さ」を乗じた値である。Sは、初期値(ゲーム開始直後)が“1”であって、ボスキャラクタが倒される毎に1ずつカウントアップされる値である。
【0044】
HP計算用変数は戦闘が終了した時点でHPを計算する際に用いる変数であって、Next_HPmaxは、次にレベルアップした際にプレイヤキャラクタに付与されるHPmaxである。また、delta_HPmaxはその上げ幅であり、dHPは一般キャラクタを倒すことでHPをどれだけ増加可能かを示す上限値である。これら各変数が図4に示した「攻撃力」「命中率」・・・毎に格納される。
なお、能力算出用変数格納部129に格納される変数は全て自然数の値である。
【0045】
以上の構成にかかる本実施の形態において、ゲームが開始されると制御部11は、RAM12に情報を格納する領域を確保し、これにより図3に示したように、RAM12にプログラム領域121、関連データ領域122、画像記憶領域123等が確保されることとなる。そして、ゲーム開始要求があると、開始するゲームに必要な情報をCD−ROM4からRAM12に読み込み、制御部11は、この読み込まれたゲームプログラムに基づき、画像を表示画面61に表示させる。プレイヤは、表示画面61に画像を基にして入力装置3のキー及びボタンを操作し、ゲームを進行させていく。
【0046】
次に、本発明の実施の形態にかかるゲームの処理手順について説明する。なお、以下に示す処理は、CD−ROM4に記憶されたゲームプログラムに基づき、制御部11がゲーム装置内の他の構成要素を制御することで実施される処理である。
【0047】
図9は、ゲーム全体の処理を示すフローチャートである。ゲーム機本体2の電源が投入されると、ゲーム開始前処理が行われる(ステップS11)。この処理には、CD−ROM4からゲームプログラムを読み込み、ゲーム上のフィールドにプレイヤキャラクタを配置し、画面に表示する処理が含まれる。このとき、プレイヤキャラクタの能力値として、図4に示す初期能力値が設定される。そして、レベルアップ時能力値計算処理が行われる(ステップS12)。なお、フィールド内には、複数のダンジョンが配置されている。
【0048】
次に、入力装置3でのキー操作による移動指令が入力されたか否かの検出処理が行われる(ステップS13)。この処理は、移動指令が入力されるまで繰り返される。移動指令が入力されたら、入力された移動指令に従って、プレイヤキャラクタの移動処理が行われる(ステップS14)。すると、プレイヤキャラクタが移動されたことで、フィールド上に設定されてダンジョンの位置に到達したか否かの判断処理が行われる(ステップS15)。このように、プレイヤは、入力装置3からのキー操作により、プレイヤキャラクタをフィールドの任意の位置に移動させることができる。そして、フィールド内に配置された任意のダンジョンの位置にプレイヤキャラクタを移動すれば、そのダンジョンが選択され。ダンジョン内の処理に移行する。すなわち、プレイヤキャラクタを移動させることで、任意のダンジョンを選択することができる。
【0049】
プレイヤキャラクタがダンジョンの位置に到達したら、ダンジョンに突入処理が実施される(ステップS16)。ダンジョン内の処理の詳細は図10に示しており、具体的内容は後述する。ステップS15の処理において、ダンジョンに突入していないと判断された場合にはステップS13の処理に移行し、移動指令の検出処理が行われる。
【0050】
ステップS16のダンジョン内処理が終了すると、すべてのダンジョンがクリアされたか否かの判断処理が行われる(ステップS17)。すべてのダンジョンがクリアされたと判断されればゲームが終了する。クリアされてないダンジョンがあると判断されれば、ステップS13の処理に移行し、移動指令の検出処理が行われる。
【0051】
図10は、ダンジョン内処理の詳細を示すフローチャートである。ダンジョン内処理に移行すると、まずダンジョン内前処理が行われる(ステップS21)。ダンジョン内処理には、ダンジョン内の画像を表示する処理や、ダンジョン内に配置された敵キャラクタを表示する処理が含まれる。
【0052】
前処理が終了したら、入力装置3でのキー操作による移動指令が入力されたか否かの検出処理が行われる(ステップS22)。この処理は、移動指令が入力されるまで繰り返される。移動指令が入力されたら、入力された移動指令に従って、プレイヤキャラクタの移動処理が行われる(ステップS23)。
【0053】
次に、プレイヤキャラクタが移動されたことで、ダンジョン内に配置された敵キャラクタに遭遇したか否かの判断処理が行われる(ステップS24)。この処理では、画面に表示されている敵キャラクタとプレイヤキャラクタとの距離が一定の範囲内に接近した場合には、その敵キャラクタと遭遇したものと見なされる。敵キャラクタに遭遇した場合には、戦闘処理が実施される(ステップS25)。戦闘処理の詳細は図11に示しており、その具体的内容は後述する。敵に遭遇していない場合には、ステップS22の処理に移行し、移動指令が入力されたか否かの検出処理が行われる。
【0054】
ステップS25の戦闘処理が終了すると、ダンジョンがクリアされたか否かの判断処理が行われる(ステップS26)。ダンジョンがクリアされたか否かは、ダンジョンの最終到達地点に配置されたボスキャラクタが倒されたか否かによって判断される。ダンジョンがクリアされた場合には、ダンジョン外への移動処理が行われる(ステップS27)。ダンジョンがクリアされていない場合には、ステップS22の処理に移行し、移動指令が入力されたか否かの検出処理が行われる。
【0055】
このように、プレイヤがキー操作によってプレイヤキャラクタを移動させ、敵キャラクタに接近した場合にのみ敵キャラクタとの間で戦闘処理が実行される。したがって、一般キャラクタとの戦闘を行いプレイヤキャラクタの能力値を上げておきたい場合には、画面に表示されている一般キャラクタにプレイヤキャラクタを接近させればよい。一方、一般キャラクタとの対戦を避け、早くボスキャラクタと対戦したい場合には、プレイヤキャラクタと一般キャラクタとの距離を一定以上に保ち、一般キャラクタの脇をすり抜けるようにプレイヤキャラクタを移動させればよい。すなわち、プレイヤキャラクタをどのように移動させるかによって、一般キャラクタと対戦するというイベントに挑戦するか否かを任意に選択することができる。
【0056】
次に、戦闘処理の詳細について説明する。図11は、戦闘処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
図11のフローチャートに示すように、先ず戦闘前処理を実行して、敵キャラクタの各種パラメータの設定処理が行われるとともに、画面の切り換え処理が行われる。(ステップS101)。次に、入力装置3でのキー及びボタンの操作による動作項目が選択されるまで待機し(ステップS102)、動作項目が選択されたならば、その種類の判別処理が行われる(ステップS103)。この判別した結果に基づき、動作項目が攻撃であれば攻撃処理が実行され(ステップS104)、防御であれば防御処理が実行され(ステップS105)、逃避であれば逃避処理が実行される(ステップS106)。さらに、敵キャラクタの処理を実行した後(ステップS107)、戦闘が終了したか否かの判別処理が行われ(ステップS108)、戦闘が終了するまでステップS102からの処理が繰り返され、戦闘が終了した時点で能力値更新処理が実行される(ステップS109)。
【0058】
この能力値更新処理(ステップS109)におけるHPmax更新処理は、図12に示すフローチャートに従って行われる。先ず、戦闘処理によって倒された敵キャラクタがボスキャラクタであるか否かの判別処理が行われる(ステップS201)、ボスキャラクタではなく一般キャラクタであった場合には、後述するフローチャートに従ってHPmax計算及び更新処理が実行される(ステップS202)。また、倒した敵キャラクタがボスキャラクタであった場合には、Next_HPmaxをアップしたレベルにおけるHPmaxとする設定処理が行われる(ステップS203)。引き続き、さらに次のレベルにアップした際にプレイヤキャラクタに付与されるHPmaxであるNext_HPmaxを計算するためのNext_HPmax計算処理が、後述するフローチャートに従って実行される(ステップS204)。
【0059】
ステップS202においてHPmaxの更新が行われることで、プレイヤキャラクタに突入されているダンジョン内のボスキャラクタを倒すための難易度が緩和される。すなわち、一般キャラクタとの対戦を繰り返すことで、ボスキャラクタを倒すための難易度は徐々に緩和されていく。一方、ステップS203にいおてHPmaxの更新が行われることで、他のダンジョンをクリアするための難易度が緩和される。このとき、HPmaxに対して、予め算出されているNext_HPmaxが設定される。そのため、Next_HPmaxの値から、ボスキャラクタを倒す直前のHPmaxの値を減算した値が、難易度の緩和量を示している。
【0060】
ただし、ボスキャラクタが倒されずに一般キャラクタを倒すだけでは、dHPに設定されている値以上に能力値が増加することはない。すなわち、同一レベルでの難易度の緩和の総量が、dHPによって制限されている。
【0061】
Next_HPmax計算処理は、図9のステップS12において先ずゲーム開始時に行われ、その後はボスキャラクタが倒された毎に行われる。
【0062】
このNext_HPmax計算処理(図9のステップS12及び図12のステップS204)は、図13に示すフローチャートに従って行われる。すなわち、先ず式α=(End_HPmax−Base_HPmax)/(100−S)により、αが算出される(ステップS301)。
【0063】
ここで、
End_HPmax:最大ヒットポイント(HPmax)の最終能力値、本実施の形態においては“750”(図4(a)参照)
Base_HPmax:ダンジョンクリア直後のHPmax
S:初期値(ゲーム開始直後)が“1”であって、ボスキャラクタが倒される毎に1ずつカウントアップされる値
である。
【0064】
したがって、前記式において(End_HPmax−Base_HPmax)は、図14(a)に示すように、ゲーム開始直後のHPmaxであるBase_HPmaxと最大レベルでのHPmaxであるEnd_HPmaxとの差の値、又は図15(a)に示すように、ダンジョンをクリアした直後のHPmaxであるBase_HPmaxと最大レベルでのHPmaxであるEnd_HPmaxとの差の値である。
【0065】
また、Sは初期値が“1”であって、ボスキャラクタが倒される毎に1ずつカウントアップされる値であるから、(100−S)は、残りのレベルアップ回数を示す。よって、αは最終能力値(End_HPmax)と現能力値(Base_HPmax)との差を、残りのレベルアップ回数(100−S)で除した値であり、レベルアップ時のヒットポイント向上量が最終レベルまで同じであるとした場合の、ヒットポイント向上量を示すこととなる。
【0066】
したがって、図14に示すように、ゲーム開始時のHPmaxは“50”であるから(図4参照の初期能力値、最大ヒットポイント“50”参照)、レベルアップ時のヒットポイント向上量αが最終レベルまで同じであるとした場合、クリアしたダンジョンの数とクリア後のHPmaxの値とは、クリアしたダンジョン数=0、HPmax=50の点とクリアしたダンジョン数=99、HPmax=750(最終能力値)の点とを結んだ変化直線A1により示される。また、ゲーム開始後ボスキャラクタを1体倒して1つのダンジョンをクリアし、このときHPmax(=Base_HPmax)が“56”であったとする。そして、以後のレベルアップ時のヒットポイント向上量αが最終レベルまで同じだった場合、図15に示すように、クリアしたダンジョンの数とクリア後のHPmaxの値は、前記変化直線A1とは異なり、クリアしたダンジョン数=1、HPmax=56の点とクリアしたダンジョン数=99、HPmax=750(最終能力値)の点とを結んだ変化直線A2により示される。
【0067】
次に、0.75〜1.25のランダムな値Rが生成され(ステップS302)、delta_HPmax=α×Rが演算され、その小数点以下が四捨五入されることにより、次回レベルアップ時までのヒットポイント向上量(delta_HPmax)が求められる(ステップS303)。したがって、0.75〜1.25のランダムな値Rを用いたdelta_HPmax=α×Rの演算により、delta_HPmaxはαの値から±25%の範囲内のいずれかの値となる。
【0068】
引き続き、Next_HPmax=Base_HPmax+delta_HPmaxが演算され、次回レベルアップ後の最大ヒットポイント(Next_HPmax)が求められる(ステップS304)。したがって、現時点がゲーム開始直後であって、Base_HPmax=50であったとすると、図14(b)に示した変化直線A1のクリアしたダンジョン数“1”上で交差する許容直線B1の範囲内の自然数の値がNext_HPmaxとして算出される。このNext_HPmaxは、クリアしたダンジョンの数が“1”となった際に設定されるHPmaxである。また、ダンジョンを1つクリアした直後であって、Base_HPmax=56であったとすると、図15(b)に示した変化直線A2のクリアしたダンジョン数“2”上で交差する許容直線B1の範囲内の自然数の値がNext_HPmaxとして算出される。このNext_HPmaxは、クリアしたダンジョンの数が“2”となった際に設定されるHPmaxの値である。そして、Next_HPmaxを算出したならば、後述する獲得済み戦闘ポイント(Party_Exp)をリセットして(ステップS305)、このNext_HPmax計算処理を終了する。
【0069】
したがって、図12のステップS204で、次にボスキャラクタが倒されたとき、つまりレベルアップする際のHPmaxが、Next_HPmaxとして予め算出されており、ボスキャラクタが倒されたときには、ステップS203の処理により予め算出されているNext_HPmaxが、レベルアップした際のHPmaxとして、プレイヤキャラクタに与えられることとなる。
【0070】
一方、HPmax計算処理(ステップS202)は、図16に示すフローチャートに従って行われる。すなわち、先ずβ=delta_HPmax×(一般キャラクタ比重/10)により、βの算出処理が行われる(ステップS401)。ここで、delta_HPmaxは前述のように、次回レベルアップ時までのヒットポイント向上量である。また、例えば現時点がレベル1であれば一般キャラクタ比重は“5”であるから、次回レベルアップ時までのヒットポイント向上量(delta_HPmax)の5割がβの値となる。また、現時点がレベル2であれば一般キャラクタ比重は“7”であるから、次回レベルアップ時までのヒットポイント向上量(delta_HPmax)の7割がβの値となる。引き続き、このβを四捨五入した値を、ボスキャラクタ以外のキャラクタ(一般キャラクタ)を倒すことで向上させることのできるHPmaxの最大増加量dHPとする設定処理が行われる(ステップS402)。
【0071】
次に、重さテーブル格納部128(図7)に格納されている現時点におけるプレイヤキャラクタのレベルが想定クリアレベルとして設定されたダンジョンに対応する「敵の重さ」の値と、レベル別戦闘関連情報格納部128(図5)に格納されている現時点におけるプレイヤキャラクタのレベルに対応する「想定戦闘回数」の値との乗算処理が行われ、次のレベルまでに必要な戦闘ポイントNext_Pointが計算される(ステップS403)。したがって、現時点のプレイヤキャラクタのレベルが1であるとすると、想定クリアレベルが1であるダンジョンの番号“1”の「敵の重さ」は“1”であり、レベル1の「想定戦闘回数」は“5”であるから、Next_Point=1×5=5となる。
【0072】
さらに、獲得済み戦闘ポイント(Party_Exp)に、倒した一般キャラクタの値(Get_Point)を加算して、Party_Expを更新する(ステップS404)。ここで、Get_Pointは、倒した一般キャラクタの配置されていたダンジョンの「敵の重さ」の値である。Party_Expは前述のステップS305(図13)で、ボスキャラクタを倒した際、つまりレベルアップする際にリセットされることから、現時点におけるレベルのみで一般キャラクタを倒したことにより得られた戦闘ポイントであり、当該レベルで一般キャラクタを倒す毎にParty_Expは増加していく。
【0073】
しかし、次にParty_ExpがNext_Pointを超えたか否かの判断処理が行われ(ステップS405)、超えた場合にはParty_ExpがNext_Pointの値として設定される(ステップS406)。したがって、当該レベルにおいて、早期にボスキャラクタを倒すことなく、地道に複数の一般キャラクタを倒した場合、Party_Exp>Next_Pointとなるまでは、倒す毎にParty_Expが増加するが、最大値はNext_Pointに限定される。
【0074】
そして、次のステップS407では、次式▲1▼によりγの算出処理が行われる。
Figure 0003781336
【0075】
さらに、このγを四捨五入した値がγ1として設定され(ステップS408)、このγ1を元の最大ヒットポイントHPmaxに加算した値が、戦闘後のヒットポイントHPmaxとして設定される(ステップS409)。このとき、前述のステップS305及びステップS306での処理により、Party_Exp>Next_Pointとなれば、Party_Exp=Next_Pointとされる。よって、Party_Exp>Next_Pointとなった後は、前記式▲1▼における(Party_Exp/Next_Point)が“1”となることから、一般キャラクタを倒しても、γ、γ1、及びHPmaxの値の変化はなくなる。
【0076】
つまり、図17に示したプレイヤAのように、地道に第1から第9の一般キャラクタを倒していった場合、第6の一般キャラクタを倒した時点で、Party_Exp>Next_Pointとなれば、以降第7、第8、第9の一般キャラクタを倒しても、HPmaxは増加せず、HPmaxはdHPの範囲内で増加するに過ぎない。
【0077】
また、このプレイヤAのように地道に第1から第9の一般キャラクタを倒し、その後ボスキャラクタを倒した場合であっても、プレイヤBのように、一般キャラクタと戦闘を行うことなく、ボスキャラクタを倒した場合であっても、ボスキャラクタを倒した後次のレベルでは、前記ステップS203(図12)の処理より、同じ値のNext_HPmaxがHPmaxとして与えられることとなる。したがって、一般キャラクタを倒すことなくHPmaxを増加させずに、高度な戦略を駆使して直接ボスキャラクタを倒し、困難な戦闘に勝ったプレイヤBには、十分な見返りとなるHPmaxが与えられることとなる。よって、十分な見返りにより、高度な戦略を駆使して、より早くゲームをクリアしたいというプレイヤBの遊戯意欲を持続させることができるとともに、1つのダンジョンをクリアすることで十分な見返りが得られれば、さらに強い敵のいるダンジョンを、同様の方法で迅速に攻略することができ、これによってもプレイヤBの遊戯意欲を持続させることができる。
【0078】
また、実施の形態では、各ダンジョンを任意に選択できるものとしているが、ゲームの内容によっては、プレイヤキャラクタがクリアすべきダンジョンの順番が決まっているいる場合もある。その場合、定められた順でダンジョンをクリアすることとなる。
【0079】
なお、本実施の形態では、家庭用ゲーム機をプラットホームとして本発明を実現した場合に付いて述べたが、本発明は、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータやアーケードゲーム機をプラットホームとして実現してもよい。
【0080】
また、本実施の形態では、本発明を実現するためのプログラムやデータをCD−ROMに格納し、このCD−ROMを記録媒体として用いた。しかしながら、記録媒体はCD−ROMに限定されるものではなくDVD(Digital Versatile Disc)、コンピュータが読み取り可能なその他の磁気的、光学的記録媒体あるいは半導体メモリであってもよい。さらには、ゲーム機やコンピュータの記憶装置にあらかじめプリインストールしておく形態で本発明を実現するためのプログラムやデータを提供するものとしてもよい。
【0081】
また、本発明を実現するためのプログラムやデータは、図1に示す通信インタフェース17により、通信回線19を介して接続されたネットワーク20上の他の機器からダウンロードして使用する形態であってもよい。また、通信回線19上の他の機器側のメモリに前記プログラムやデータを記録し、このプログラムやデータを通信回線19を介して必要に応じて順次RAM12に格納して使用する形態であってもよい。
【0082】
また、本発明を実現するためのプログラムやデータの提供形態は、ネットワーク20上の他の機器から搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として提供されるものであってもよい。この場合、通信インターフェース17から通信回線19を介してネットワーク20上の他の機器にコンピュータデータ信号の送信を要求し、送信されたコンピュータデータ信号を受信してRAM12に格納させる。このようにしてRAM12に格納したプログラムやデータを使用してゲーム装置1で本発明を実現することも可能である。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、プレイヤが操作入力によってプレイヤキャラクタを移動させ、敵キャラクタに接近した場合にのみ敵キャラクタとの間で戦闘処理ステップが実行される。したがって、当該選択ステージにおいてプレイヤキャラクタが敵キャラクタとの戦闘を勝利するための難易度を徐々に緩和したい場合には、一般キャラクタにプレイヤキャラクタを接近させればよい。一方、一般キャラクタとの対戦を避け、早くボスキャラクタと対戦したい場合には、プレイヤキャラクタと一般キャラクタとの距離を一定以上に保ち、一般キャラクタの脇をすり抜けるようにプレイヤキャラクタを移動させればよい。すなわち、プレイヤキャラクタをどのように移動させるかによって、一般キャラクタと対戦するというイベントに挑戦するか否かを任意に選択することができる。
そして、第1能力値制御ステップにおいては、一般キャラクタを倒した場合に、プレイヤキャラクタの現在の能力値に加算する値が決定されて現在の能力値に加算されるが、前記決定に際しては、前記加算する値の当該ステージにおける累算値が予め設定された上げ幅以下である範囲に制限される。よって、一般キャラクタを倒しても、その見返りは少ないものとなる。
しかし、ボスキャラクタを倒せば、当該ステージがクリアされたものと判断されるとともに、前記上げ幅と前記第1の能力値制御ステップでの累算値との差分の能力値を増加させて、次に選択されるステージにおいてプレイヤキャラクタが敵キャラクタとの戦闘を勝利するための難易度を緩和する。
したがって、第1の能力値制御ステップにおける累算値が少ない状態で、選択ステージをクリアすれば、前記上げ幅と前記第1の能力値制御ステップでの累算値との差分は、大きな値となる。よって、第1の能力値制御ステップにおける累算値が少ない状態で、ステージの最終到達地点に配置されたボスキャラクタを倒して選択ステージをクリアすることより、十分な見返りが得られる。よって、十分な見返りにより、高度な戦略を駆使して、より早くステージをクリアしたいというプレイヤの遊戯意欲を持続させることができるとともに、1つのステージをクリアすることで他のステージの難易度が緩和されれば、迅速に攻略することができ、これによってもプレイヤの遊戯意欲を持続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を適用したゲーム装置によって実行されるゲームにおけるダンジョンの構成を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態を適用したゲーム装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図2のRAMに割り付けられる領域を示す図である。
【図4】プレイヤキャラクタの能力情報格納部の詳細を示す概念図である。
【図5】敵キャラクタの能力情報格納部の詳細を示す概念図である。
【図6】レベル別戦闘関連情報格納部の詳細を示す概念図である。
【図7】重さテーブル格納部の詳細を示す概念図である。
【図8】能力算出用変数格納部の詳細を示す概念図である。
【図9】ゲーム開始時の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】ダンジョン内処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】戦闘処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】HPmax更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】Next_HPmax計算処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】(a)はゲーム開始直後においてNext_HPmaxを算出する際の、クリアしたダンジョン数とHPmaxとの関係を示すグラフ、(b)はその部分拡大図である。
【図15】(a)はレベル1においてNext_HPmaxを算出する際の、クリアしたダンジョン数とHPmaxとの関係を示すグラフ、(b)はその部分拡大図である。
【図16】HPmax計算処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】プレイヤAとプレイヤBとのゲーム進行の相違に伴うHPmaxの変化の相違を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
3 入力装置
11 制御部
12 RAM
122 関連データ記憶領域
124 プレイヤキャラクタデータ格納部
125 敵キャラクタデータ格納部
126 倒したボスキャラクタ数格納部
127 レベル別戦闘関連情報格納部
128 重さテーブル格納部
129 能力算出用変数格納部

Claims (3)

  1. 仮想的な戦闘においてその値が大きいほど有利に作用するプレイヤキャラクタの能力値を変化させながら、複数のステージから選択されたいずれかのステージ上で、操作入力に応じてプレイヤキャラクタに敵キャラクタとの間で仮想的な戦闘を実行させて当該ステージをクリアしたか否かを判断し、当該ステージをクリアしたと判断した場合に、次のステージを選択させることでゲームを進行させるビデオゲームにおける能力値制御方法において、
    前記敵キャラクタを、前記各ステージの最終到達地点に配置されたボスキャラクタとこれ以外の一般キャラクタとで構成し、
    ゲーム開始時に、プレイヤキャラクタのステージをクリアした直後の能力値に加算する幅である上げ幅を設定するとともに、この上げ幅を前記ステージをクリアした直後の能力値に加算して、前記次に選択されるステージにおいてステージをクリアした直後の能力値とすべき次能力値を算出する第1の算出ステップと、
    前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタに対して一定の範囲内に近接した場合、前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタと遭遇したものと判断する遭遇判断ステップと、
    この遭遇判断ステップで前記プレイヤキャラクタが敵キャラクタと遭遇したものと判断された場合に実行される戦闘処理ステップと、
    この戦闘処理ステップで前記プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘により倒された敵キャラクタが、前記ボスキャラクタと一般キャラクタのいずれであるかを判断する判断ステップと、
    この判断ステップで、倒された敵キャラクタが一般キャラクタであると判断された場合、該一般キャラクタを倒す毎に、前記プレイヤキャラクタの現在の能力値に加算する値を決定して前記現在の能力値に加算するとともに、前記決定に際して前記加算する値の当該ステージにおける累算値を前記上げ幅以下である範囲に制限する第1の能力値制御ステップと、
    前記判断ステップで、倒された敵キャラクタがボスキャラクタであると判断された場合、当該ステージがクリアされたものと判断するとともに、前記プレイヤキャラクタの能力値を前記次能力値にする第2の能力値制御ステップと、
    この第2の能力値制御ステップ実行後、前記上げ幅を設定するとともに、前記次能力値を算出する第2の算出ステップと
    を含むことを特徴とする能力値制御方法。
  2. 仮想的な戦闘においてその値が大きいほど有利に作用するプレイヤキャラクタの能力値を変化させながら、複数のステージから選択されたいずれかのステージ上で、操作入力に応じてプレイヤキャラクタに敵キャラクタとの間で仮想的な戦闘を実行させて当該ステージをクリアしたか否かを判断し、当該ステージをクリアしたと判断した場合に、次のステージを選択させることでゲームを進行させる能力値制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
    前記敵キャラクタを、前記各ステージの最終到達地点に配置されたボスキャラクタとこれ以外の一般キャラクタとで構成し、
    ゲーム開始時に、プレイヤキャラクタのステージをクリアした直後の能力値に加算する幅である上げ幅を設定するとともに、この上げ幅を前記ステージをクリアした直後の能力値に加算して、前記次に選択されるステージにおいてステージをクリアした直後の能力値とすべき次能力値を算出する第1の算出手順と、
    前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタに対して一定の範囲内に近接した場合、前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタと遭遇したものと判断する遭遇判断手順と、
    この遭遇判断手順で前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタと遭遇したものと判断された場合に実行される戦闘処理手順と、
    この戦闘処理手順で前記プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘により倒された敵キャラクタが、前記ボスキャラクタと一般キャラクタのいずれであるかを判断する判断手順と、
    この判断手順で、倒された敵キャラクタが一般キャラクタであると判断された場合、該一般キャラクタを倒す毎に、前記プレイヤキャラクタの現在の能力値に加算する値を決定して前記現在の能力値に加算するとともに、前記決定に際して前記加算する値の当該ステージにおける累算値を前記上げ幅以下である範囲に制限する第1の能力値制御手順と、
    前記判断手順で、倒された敵キャラクタがボスキャラクタであると判断された場合、当該ステージがクリアされたものと判断するとともに、前記プレイヤキャラクタの能力値を前記次能力値にする第2の能力値制御手順と、
    この第2の能力値制御手順実行後、前記上げ幅を設定するとともに、前記次能力値を算出する第2の算出手順と
    をコンピュータに実行させるための能力値制御プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
  3. 仮想的な戦闘においてその値が大きいほど有利に作用するプレイヤキャラクタの能力値を変化させながら、複数のステージから選択されたいずれかのステージ上で、操作入力に応じてプレイヤキャラクタに敵キャラクタとの間で仮想的な戦闘を実行させて当該ステージをクリアしたか否かを判断し、当該ステージをクリアしたと判断した場合に、次のステージを選択させることでゲームを進行させるゲーム装置において、
    前記敵キャラクタを、前記各ステージの最終到達地点に配置されたボスキャラクタとこれ以外の一般キャラクタとで構成し、
    前記プレイヤキャラクタのステージをクリアした直後の能力値に加算する幅である上げ幅を設定するとともに、この上げ幅を前記ステージをクリアした直後の能力値に加算して、前記次に選択されるステージにおいてステージをクリアした直後の能力値とすべき次能力値を算出する算出手段と、
    前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタに対して一定の範囲内に近接した場合、前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタと遭遇したものと判断する遭遇判断手段と、
    この遭遇判断手段で前記プレイヤキャラクタが前記敵キャラクタと遭遇したものと判断された場合に実行される戦闘処理手段と、
    この戦闘処理手段で前記プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘により倒された敵キャラクタが、前記ボスキャラクタと一般キャラクタのいずれであるかを判断する判断手段と、
    この判断手段で、倒された敵キャラクタが一般キャラクタであると判断された場合、該一般キャラクタを倒す毎に、前記プレイヤキャラクタの現在の能力値に加算する値を決定して前記現在の能力値に加算するとともに、前記決定に際して前記加算する値の当該ステージにおける累算値を前記上げ幅以下である範囲に制限する第1の能力値制御手段と、
    前記判断手段で、倒された敵キャラクタがボスキャラクタであると判断された場合、当該ステージがクリアされたものと判断するとともに、前記プレイヤキャラクタの能力値を前記次能力値にする第2の能力値制御手段と、
    を備えることを特徴とするゲーム装置。
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