JP3780337B2 - 窒化ガリウム粉体の製造方法、及び窒化ガリウム粉体の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化ガリウム粉体の製造方法及び窒化ガリウム粉体の製造装置に関し、詳しくは光学ディスプレイなどの蛍光体粉末などとして好適に用いることのできる、窒化ガリウム粉体の製造方法、及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、窒化ガリウム系III族窒化物半導体の優れた発光特性を利用した短波長半導体レーザや発光ダイオードなどが実用化されてきており、さらには、窒化ガリウムの蛍光特性を利用した光学ディスプレイなどへの応用が盛んに行われている。
【0003】
窒化ガリウムを光学ディスプレイなどに適用するに際しては、窒化ガリウムを粉末化する必要があるが、このような窒化ガリウム粉末は、例えば、特開平10−373540号公報に記載されているように、硝酸ガリウム水和物にアンモニアを滴下させてガリウム水酸化物を得、水分除去を行って多孔性の酸化ガリウムを得る。その後、酸化ガリウムをアンモニア雰囲気中で加熱処理することによって得ることができる。
【0004】
または、J. Americam Ceramic Society, 79, 2309-2312(1996)に記載されているように、金属ガリウムを900−1000℃で加熱溶融させてガリウム融液を生成し、このガリウム融液とアンモニアガスとを化学的に反応させて窒化ガリウム粉末を得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような窒化ガリウム粉末の製造方法は、数時間から数日を要する化学反応に基づくとともに、バッチプロセスで行うものであるため、極めて生産効率が悪く、大量生産には適さない。したがって、現状においては、実用に足る窒化ガリウム粉末の製造方法及びその製造装置を提供することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、大量生産を可能とし、実用に供することのできる窒化ガリウム粉末の製造方法を提供するとともに、その製造装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、窒化ガリウム結晶核を生成させる結晶核生成工程と、
前記窒化ガリウム結晶核上でハロゲン化ガリウムとアンモニアガスとを反応させ、前記窒化ガリウム結晶核から窒化ガリウム結晶を成長させて窒化ガリウム粉体を作製する、前記結晶核生成工程と連続させた粒子成長工程と、
を含むことを特徴とする、窒化ガリウム粉体の製造方法に関する。
【0008】
本発明者らは、比較的短時間で窒化ガリウム粉末を製造することができ、もって大量生産に適用できる実用的な窒化ガリウム粉末の製造方法を見出すべく、鋭意検討を行った。その結果、窒化ガリウム粉末の成長を従来の一段から、二段に変更することによって、この二段の反応を連続させることによって、比較的短時間で大量の窒化ガリウム粉末が得られることを見出した。
【0009】
すなわち、従来の製造方法においては、特開平10−373540号公報に記載されている方法においても、多孔性の酸化ガリウムから窒化ガリウム粉末を一段で直接的に得ている。これに対して、本願発明は、一段目の工程において、窒化ガリウム結晶核を成長させた後、二段目の工程において、前記窒化ガリウム結晶核上でハロゲン化ガリウムとアンモニアガスとを反応させて、目的とする窒化ガリウム粉末を得るものである。
【0010】
本発明の製造方法においては、窒化ガリウム粉末を製造する際の反応が多段階となってしまうが、各段の反応が比較的短時間であるとともに、これらの反応を連続させて行うので、窒化ガリウム粉末全体の製造工程は極めて短縮化されるものである。したがって、窒化ガリウム粉末の大量生産など実用的な生産方法として好適に用いることができる。
【0011】
なお、本発明においては、前記結晶核生成工程及び前記粒子成長工程は、それぞれ独立して設けられた反応管中で独立的に行うことができる。これによって、前記結晶核生成工程及び前記粒子成長工程の操作性が向上し、パラメータ制御などを簡易に行うことができる。
【0012】
また、本発明の窒化ガリウム粉末の製造装置は、上記窒化ガリウム粉末の製造方法に対して好適に用いることのできるものであり、窒化ガリウム結晶核を生成させる結晶核生成手段と、
前記窒化ガリウム結晶核上でハロゲン化ガリウムとアンモニアガスとを反応させて、前記窒化ガリウム結晶核から窒化ガリウム結晶を成長させて窒化ガリウム粉体を作製する粒子成長手段と、
を含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、上述した本発明の窒化ガリウム粉末の製造方法の、好ましい態様において用いる製造装置を概略的に示す構成図である。図1に示す本発明の窒化ガリウム粉末の製造装置は、窒化ガリウム結晶核生成部10及び窒化ガリウム粒子成長部30からなる2段階の反応炉構成を採っている。
【0014】
窒化ガリウム結晶核生成部10は、反応管1と、この反応管1の外周部に設けられた管状電気炉2及び3とを具えている。そして、反応管1の下方においては、BNなどから構成される坩堝4が設けられるとともに、この坩堝4の外周部には加熱用のコイル5が設けられている。さらに、反応管1の下方には、ガス導入口6及び7が設けられている。
【0015】
窒化ガリウム粒子成長部30は、反応管11と、この反応管11の外周部に設けられた管状電気炉12〜15とを具えている。また、反応管11内部には、予備反応管21が設けられ、この予備反応管21内には、同じくBNなどから構成される坩堝16が設けられるともに、その上方部において、ガス導入口17〜19が設けられている。また、反応管11の下方にはフィルタ25が設けられるとともに、ガス排気口26が設けられている。
【0016】
窒化ガリウム結晶核生成部10と窒化ガリウム粒子成長部30とは、所定の管状部材20で接続されている。
【0017】
本発明の窒化ガリウムの製造方法では、最初に窒化ガリウム結晶核生成部10において、窒化ガリウム結晶核を生成する。
坩堝4に金属ガリウムを設置し、加熱用コイル5で、例えば1400℃以上に加熱してガリウム蒸気を生成する。次いで、ガス導入口6より、アンモニアガスを窒素キャリアガスなどとともに反応管1内に導入するとともに、ガス導入口7より窒素キャリアガスなどを導入し、前記アンモニアガスを前記ガリウム蒸気と化学的に反応させ、窒化ガリウム結晶核を生成させる。
【0018】
前記ガリウム蒸気と前記アンモニアガスとの反応温度は特には限定されないが、管状電気炉2及び3を制御することによって1050〜1100℃の温度範囲に設定して行うことが好ましい。これによって、窒化ガリウム結晶核の結晶性をより向上させることができる。
【0019】
なお、前述したように、この「ガリウム蒸気」とは完全に気化した状態のもののみならず、微少な液滴から構成されているものをも含む。また、窒化ガリウム結晶核は、必ずしもガリウム蒸気とアンモニアガスとを反応させて作製する必要はなく、その他の方法を用いて作製することもできる。
【0020】
次いで、上述のようにして生成した窒化ガリウム粉末を管状部材20を通じて、窒化ガリウム粒子成長部30に輸送する。この輸送は、上述した窒素キャリアガスなどによって行う。
【0021】
窒化ガリウム粒子成長部30においては、予備反応管21内の坩堝16内に金属ガリウム15を充填するとともに、これを加熱溶融させる。次いで、ガス導入口18よりハロゲン化水素ガスを窒素キャリアガスなどとともに予備反応管21内に導入するとともに、ガス導入口17からも窒素キャリアガスを導入して、前記ガリウム蒸気と化学的に反応させ、ハロゲン化ガリウムを生成させる。生成したハロゲン化ガリウムは上述した窒素キャリアガスなどによって下方に輸送され、反応管11側へ放出される。
【0022】
一方、反応管11内には、ガス導入口19より窒素キャリアガスが導入されるとともに、窒化ガリウム結晶核生成部10より窒化ガリウム結晶核及びアンモニアガスが輸送されて存在している。そして、この窒化ガリウム結晶核上において、前記ハロゲン化ガリウムと前記アンモニアガスとが化学的に反応させられ、前記窒化ガリウム結晶核上で窒化ガリウム結晶が成長し、目的とする窒化ガリウム粉末が生成されるものである。
【0023】
生成された窒化ガリウム粉末は、上述した窒素キャリアガスなどによって下方に輸送され、フィルタ25で選別され収集される。反応に供さずに残留したアンモニアガス及び塩化水素ガス、並びにこれらガスの反応によって生成された副生成物としてのNH4Clガスなどは、ガス排気口26より反応管11外へ排出される。
【0024】
窒化ガリウム結晶の成長は、管状電気炉12〜14を適宜に制御することによって、900〜1100℃の温度に加熱して行うことが好ましい。これによって、最終的に得る窒化ガリウム粉末の結晶性をより向上させることができる。
【0025】
なお、管状電気炉15は、主として上述したNH4Clガスなどの副生成物がフィルタ25に付着しないように、加熱し気化させておくために設けられているものである。したがって、通常は、管状電気炉15によってフィルタ25近傍を約500℃程度に加熱する。
【0026】
図1に示す製造装置においては、予備反応管21を設け、この予備反応管21内でガリウム融液とハロゲン化水素とを化学的に反応させてハロゲン化ガリウムを生成し、後の窒化ガリウム粒子成長に供している。また、予備反応管21などを設けることなく、反応管11内に外部よりハロゲン化ガリウムを直接的に導入することもできる。
【0027】
しかしながら、上述のように窒化ガリウムの粒子成長を行う反応管内に直接的にハロゲン化水素ガスを導入し、前記反応管内で直接的にハロゲン化ガリウムを生成させることによって、窒化ガリウム結晶核生成部10で反応に寄与せずに残留し、窒素キャリアガスなどによって窒化ガリウム粒子成長部30に輸送されてきたガリウム蒸気をも前記ハロゲン化水素ガスとの反応に供することができ、収支効率をさらに増大させることができる。
【0028】
ハロゲン化ガリウムとしては、塩化ガリウム及び臭化ガリウムなどを例示することができ、特に高い反応性を示すとともに、入手が容易であることから塩化ガリウムを用いることが好ましい。
【0029】
図2は、本発明の窒化ガリウム粉末の製造方法の、好ましい態様において用いる他の製造装置を概略的に示す構成図である。なお、図1と同様の構成要素については同様の参照符号を用いて表している。
【0030】
図2に示す本発明の窒化ガリウム粉末の製造装置は、図1に示す製造装置同様に、窒化ガリウム結晶核生成部10及び窒化ガリウム粒子成長部30からなる2段階の反応炉構成を採っている。図1に示す製造装置同様に、窒化ガリウム結晶核生成部10は、反応管1と、この反応管1の外周部に設けられた管状電気炉2及び3とを具えている。そして、反応管1の下方においては、BNなどから構成される坩堝4が設けられるとともに、この坩堝4の外周部には加熱用のコイル5が設けられている。さらに、反応管1の下方には、ガス導入口6及び7が設けられている。
【0031】
窒化ガリウム粒子成長部30は、反応管11と、この反応管11の外周部に設けられた管状電気炉12〜15とを具えている。また、反応管11内部には、予備反応管21が設けられ、この予備反応管21内には、同じくBNなどから構成される坩堝16が設けられるともに、その上方部において、ガス導入口18が設けられている。また、反応管11の上方部においては、ガス導入口19が設けられている。さらに、反応管11の下方にはフィルタ25が設けられるとともに、ガス排気口26が設けられている。
【0032】
窒化ガリウム結晶核生成部10と窒化ガリウム粒子成長部30とは、所定の管状部材20で接続されている。
【0033】
図2に示す製造装置においても、図1に示す製造装置で説明した場合と同様の方法で、窒化ガリウム結晶核生成部10において、窒化ガリウム結晶核を生成する。但し、図2に示す製造装置においては、ガス導入口6からアンモニアガスを導入し、ガス導入口7から窒素キャリアガスを導入する。生成した窒化ガリウム粉末は、前述したように、管状部材20を通じて窒化ガリウム粒子成長部30に輸送する。この輸送は、上述した窒素キャリアガスなどによって行う。
【0034】
窒化ガリウム粒子成長部30においても、基本的には図1に示す製造装置において説明したようにして、予備反応管21内で、坩堝16で加熱溶融して生成させたガリウム蒸気と、ガス導入口18より導入したハロゲン化水素とを化学的に反応させてハロゲン化ガリウムを生成し、反応管11内で窒化ガリウム結晶核生成部10より輸送されて存在している窒化ガリウム結晶核及びアンモニアガスと化学的に反応させて、前記窒化ガリウム結晶核上で窒化ガリウム結晶を成長させ、目的とする窒化ガリウム粉末を生成する。
【0035】
但し、図2に示す製造装置においては、予備反応管21及び反応管11間に形成された空間にガス導入口19より窒素ガスを流す。これによって、窒化ガリウムの収率を向上させることができる。また、窒化ガリウム粉末の製造速度を増大させることができる。さらには、反応管11の内壁面上における窒化ガリウム膜の堆積を抑制することができ、装置のメンテナンスを軽減することができる。
【0036】
なお、図1において説明したように、予備反応管21を用いることなく反応管11内に外部より直接的にハロゲン化ガリウムを導入することができる。この場合は、前記窒素ガスを反応管11の内壁に沿うようにして流す。また、窒素ガスの代わりに他の不活性ガス、例えば水素ガスなどを用いることもできる。
【0037】
生成された窒化ガリウム粉末は、上述した窒素キャリアガスなどによって下方に輸送され、フィルタ25で選別され収集される。反応に供さずに残留したアンモニアガス及び塩化水素ガス、並びにこれらガスの反応によって生成された副生成物としてのNH4Clガスなどは、ガス排気口26より反応管11外へ排出される。この場合においても、副生成物がフィルタ25内に付着しないように管状電気炉15によってフィルタ25近傍を約500℃に加熱する。
【0038】
反応管11における上記化学的な反応は、上述したように管状電気炉12〜14を適宜に制御することによって、900〜1100℃の温度に加熱して行うことが好ましい。これによって、最終的に得る窒化ガリウム粉末の結晶性をより向上させることができる。その他の適用条件などについては図1に示す製造装置を用いた場合と同様である。
【0039】
【実施例】
(実施例1)
図1に示す製造装置を用いて、窒化ガリウム粉末の連続的な製造を試みた。なお、窒化ガリウム結晶核生成部10における反応温度は1100℃とし、窒化ガリウム粒子成長部30における反応温度は900℃、1000℃、及び1100℃の三段階で行った。
【0040】
また、窒化ガリウム結晶核生成部10におけるガス導入口6からのアンモニアガス供給量は500sccmとし、同じくガス導入口6からの窒素キャリアガス供給量は500sccmとした。また、ガス導入口7からの窒素キャリアガス供給量は3000sccmとした。また、窒化ガリウム粒子成長部30におけるガス導入口17窒素キャリアガス供給量は500sccmとし、ガス導入口18からの塩化水素ガス供給量は8sccm、窒素キャリアガス供給量は500sccmとした。また、ガス導入口19からの窒素キャリアガス供給量は500sccmとした。
【0041】
このときのガリウム供給レート(g/hr)と得られた窒化ガリウム粉末の平均粒径との関係を図3に示す。図3から明らかなように、ガリウム供給レートが増大するにつれて窒化ガリウム粉末の平均粒径が増大する。得られた窒化ガリウム粉末は実用に足る大きさの平均粒径を有しており、本発明によって窒化ガリウム粉末を連続的に製造できることが確認された。したがって、窒化ガリウム粉末の製造時間が著しく短縮され、本発明の製造方法が極めて実用的であることが分かる。
【0042】
なお、本実施例における収率は10%であり、窒化ガリウム粉末の製造速度は0.04g/hであった。
【0043】
図4は、上述した三段階の反応温度で生成して得た窒化ガリウム粉末のX線回折スペクトルである。図4から明らかなように、2θ=30〜70度の間に窒化ガリウム結晶に基づく回折ピークが確認され、本発明に従って得た窒化ガリウム粉末は良好な結晶性を有することが判明した。
【0044】
(実施例2)
本実施例においては、図2に示す製造装置を用いて、窒化ガリウム粉末の連続的な製造を試みた。なお、窒化ガリウム結晶核生成部10における反応温度は1100℃とし、窒化ガリウム粒子成長部30における反応温度は900℃、1000℃、及び1100℃の三段階で行った。
【0045】
また、窒化ガリウム結晶核生成部10におけるガス導入口6からのアンモニアガス供給量は500sccmとし、ガス導入口7からの窒素キャリアガス供給量は1000sccmとした。また、窒化ガリウム粒子成長部30におけるガス導入口18からの塩化水素ガス供給量は2sccm〜15sccm、窒素キャリアガス供給量は25sccm〜60sccmとした。また、ガス導入口19からの窒素キャリアガス供給量は3800sccmとした。
【0046】
このときの塩化水素ガス供給速度(sccm)と得られた窒化ガリウム粉末の平均粒径との関係を図5に示す。図5から明らかなように、塩化水素ガスの供給速度が増大するにつれて窒化ガリウム粉末の平均粒径が増大し、窒化ガリウム結晶核上で粒子成長が生じて窒化ガリウム粉末が生成されていることが分かる。
【0047】
また、収率は25%であり、窒化ガリウム粉末の製造速度は0.14g/hであった。すなわち、図2に示すような製造装置を用いた場合は、図1に示すような製造装置を用いた場合と比較して、収率及び窒化ガリウム粉末の製造速度が増大していることが判明した。
【0048】
以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。例えば、上記具体例においては、2つの独立した反応管を準備し、それぞれの反応管内で結晶核生成工程及び粒子成長工程を独立させて実施したが、例えば開管型の、単一の反応管を用い、この反応管内で前記結晶核生成工程及び前記粒子成長工程を独立させて行うこともできる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の窒化ガリウム粉末の製造方法及び製造装置によれば、窒化ガリウム粉末を連続的に製造することができる。したがって、従来のバッチタイプの製造方法と異なり、窒化ガリウム粉末の製造時間を著しく短縮することができ、大量生産などの実用的な生産技術に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の窒化ガリウム粉末の好ましい態様に用いることのできる製造装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】 本発明の窒化ガリウム粉末の好ましい態様に用いることのできる他の製造装置の構成を概略的に示す図である。
【図3】 本発明の窒化ガリウム粉末の製造方法に従って得た窒化ガリウム粉末の、平均粒径とガリウム供給レートとの関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の窒化ガリウム粉末の製造方法に従って得た窒化ガリウム粉末の、X線回折スペクトルを示す図である。
【図5】 本発明の窒化ガリウム粉末の製造方法に従って得た窒化ガリウム粉末の、平均粒径と塩化水素ガス供給速度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、11 反応管
2、3、12、13、14、15 管状電気炉
4、16 坩堝
5 加熱用コイル
6、7、17、18、19 ガス導入口
10 窒化ガリウム結晶核生成部
20 管状部材
21 予備反応管
25 フィルタ
26 ガス排気口
30 窒化ガリウム粒子成長部
Claims (17)
- 窒化ガリウム結晶核を生成させる結晶核生成工程と、
前記窒化ガリウム結晶核上でハロゲン化ガリウムとアンモニアガスとを反応させ、前記窒化ガリウム結晶核から窒化ガリウム結晶を成長させて窒化ガリウム粉体を作製する、前記結晶核生成工程と連続させた粒子成長工程と、
を含むことを特徴とする、窒化ガリウム粉体の製造方法。 - 前記結晶核生成工程及び前記粒子成長工程は、それぞれ独立して設けられた反応管中で独立的に行うことを特徴とする、請求項1に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記結晶核生成工程及び前記粒子成長工程は、単一の反応管内で独立的に行うことを特徴とする、請求項1に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記窒化ガリウム結晶核は、ガリウム蒸気とアンモニアガスとを反応させることによって生成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記ハロゲン化ガリウムは、前記反応管中にガリウムとハロゲン化水素とを供給し、化学的に反応させて生成することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記ハロゲン化ガリウムは、前記反応管内部に設けられた予備反応管内で、ガリウム蒸気とハロゲン化水素とを反応させて、化学的に生成することを特徴とする、請求項5に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記反応管の内壁に沿って不活性ガスを流すことを特徴とする、請求項2〜6のいずれか一に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記反応管及び前記予備反応管間に形成された空間に、不活性ガスを流すことを特徴とする、請求項7に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記不活性ガスは窒素ガス又は水素ガスの少なくとも一つであることを特徴とする、請求項7又は8に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記ハロゲン化ガリウムは、塩化ガリウムであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記結晶核生成工程は、1050℃〜1100℃で行うことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記粒子成長工程は、900℃〜1100℃で行うことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 作製された前記窒化ガリウム粉体を、粉体選別収集手段を用いて選別及び収集する、粉体選別収集工程を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 前記粉体選別収集工程において、前記粉体選別収集手段の周囲を所定温度に加熱し、前記結晶核生成工程及び前記粒子成長工程の少なくとも一方において生成された副生成物が、前記粉体選別収集手段に付着するのを防止することを特徴とする、請求項13に記載の窒化ガリウム粉体の製造方法。
- 窒化ガリウム結晶核を生成させる結晶核生成手段と、
前記窒化ガリウム結晶核上でハロゲン化ガリウムとアンモニアガスとを反応させて、前記窒化ガリウム結晶核から窒化ガリウム結晶を成長させて窒化ガリウム粉体を作製する粒子成長手段と、
を含むことを特徴とする、窒化ガリウム粉体の製造装置。 - 作製された前記窒化ガリウム粉体を選別及び収集するための、粉体選別収集手段を具えることを特徴とする、請求項15に記載の窒化ガリウム粉体の製造装置。
- 前記結晶核生成手段は、ガリウム蒸気とアンモニアガスとを反応させることによって、前記窒化ガリウム結晶核を生成することを特徴とする、請求項15又は16に記載の窒化ガリウム粉体の製造装置。
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