JP4075385B2 - 窒化ガリウム単結晶の種結晶およびその成長方法 - Google Patents

窒化ガリウム単結晶の種結晶およびその成長方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体単結晶の種結晶の製造方法に関し、さらに詳しくは高品質なGaN単結晶の種結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
III族窒化物半導体を用いた、LED、LD、受光デバイス、そして電子デバイス等の種々のデバイスは、サファイヤ基板上に成長させたGaNの単結晶膜上に形成されている。しかし、サファイヤ基板上に成長させたGaNには多くの結晶欠陥が存在し、発光素子の特性、例えば、信頼性やInGaN混晶の組成の均一性に影響を与える。また、サファイヤ基板は絶縁性であるため基板側から電極を取出すことができないので、窒化物半導体側から電極を取出す必要があり、デバイスの面積が大きくなる。また、サファイヤ基板は劈開が困難で、LDで必要とされる共振器端面を劈開で形成するのは容易ではない。
【0003】
これに対し、ハイドライド気相成長法によりサファイヤ基板上に成長させた窒化ガリウムの厚膜をサファイヤ基板から剥離して窒化物半導体の成長基板に用いることが提案されている(例えば、特開2001−102307号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
発光素子の内、特に転位が信頼性に影響を与えるLDの場合、電流注入ストライプの面積は10−5cmのオーダであり、この中に転位の無いLDを作製するためには、10個/cm未満の低転位密度の基板が要求される。しかしながら、上記の方法で得られた窒化ガリウム基板の(0001)面の転位密度は10個/cm程度である。サファイヤ基板を用いた場合の10〜1010個/cmよりも低減されているが、まだLD用の基板としては不十分である。また、窒化ガリウム厚膜を厚くするほど基板との応力により、成長中又は降温中にクラックが発生しやすく大型の結晶を得るのが原理的に困難であるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、各種デバイスの特性向上のため、結晶欠陥の少ない高品質の窒化ガリウム単結晶を作製可能な窒化ガリウム単結晶の種結晶の成長方法を提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは、気相成長法を用い、所定の条件で原料ガスを反応容器内に供給すると、反応容器内に発生した窒化ガリウムの結晶核が〈000−1〉方向に成長し、六角錘台状又は六角錘状の先端部を有する六角柱状の結晶の種結晶が得られることを見出して本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の窒化ガリウム単結晶の種結晶の成長方法は、反応容器内にガリウム源含有ガスと窒素源含有ガスとを供給し、窒化ガリウム単結晶の種結晶を気相成長させる方法であって、水素ガス存在下で、上記ガリウム源の分圧を30.4Pa以下、成長温度950℃以上とし、〈000−1〉方向にSiC上で成長させ、(000−1)面内の転位密度が10 個/cm 未満の窒化ガリウム単結晶の種結晶を得ることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、反応容器内に導入された原料ガスが反応し反応容器内に結晶核が形成されるが、水素ガス存在下で、上記ガリウム源の分圧を3×10−4atm以下、成長温度950℃以上の条件で反応を行うことにより、結晶核の発生密度を抑制し、隣合う結晶核同士が合体して多結晶膜を形成するのを防いで、単結晶とすることができる。
【0008】
ここで、結晶下部より成長方向に伸びてきた転位は、先端部を構成する(000−1)面以外の6つのファセット面のいずれかに到達した後、進行方向をファセット面にほぼ垂直な方向に変え、成長が進行すると共にファセット面上で伸び、最終的には六角柱部分の側面で終端されるため、〈000−1〉方向に貫通する転位を減らすことができる。すなわち、結晶内部の転位は、内部から外に向かって伸び、側面で終端され、結晶が大きくなると共に減少する。そのため、先端部の中心には、成長初期からの貫通転位が残るものの、結晶の成長と共に内部の転位を減らすことができる。これにより、(000−1)面の転位密度が10個/cm未満の窒化ガリウム単結晶を得ることが可能となる。
【0009】
また、本発明の成長方法において、ガリウム源にはガリウムのハロゲン化物及びガリウムのアルキル化合物のいずれかを用いることができる。
【0010】
また、本発明の成長方法において、気相成長時に、シラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、そして四塩化ケイ素から成る群から選択された少なくとも1種を含む不純物原料ガスを供給して不純物添加を行うことができる。成長時に上記のn型不純物を添加することにより、窒化ガリウム単結晶の導電性を高めることができる。
【0011】
また、種結晶を成長させる成長装置は、ホットウォール型の反応容器から成り、原料ガスを種結晶に供給して窒化ガリウム単結晶を成長させる成長装置であって、反応容器は原料ガスであるガリウム源含有ガスと窒素源含有ガスとを互いに分離して結晶保持部に供給可能に形成され、結晶保持部は種結晶を回転可能に保持して成る成長装置を用いることができる。
【0012】
また、本発明の窒化ガリウム単結晶の種結晶は、請求項1からのいずれか一つに記載の方法により気相成長させた窒化ガリウム単結晶の種結晶であって、〈000−1〉方向に成長し、成長方向の先端部に(000−1)面を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
(気相成長装置)
本実施の形態に用いる気相成長装置は、少なくとも2種類の原料ガスを混合させて、基板上に窒化ガリウムを成長させるものである。図1は、本発明の成長方法に用いる気相成長装置Aの構成の一例を示す模式図である。気相成長装置Aは、石英製のガラスチューブ1と横長の石英製の反応管2とから成り、電気炉3内に配置されている。反応管2は上下2段に分かれた原料ガスの流路を有し、一端には導入口5と6から成る原料ガス導入部4が配設されている。導入口5の下流には、ガリウム金属8を入れたグラファイト製のボート9は配置したハロゲン化物生成部7が設けられている。反応管2の他端には、原料ガスの吹出口10と11とが配設されている。12と13は、それぞれ、不純物原料ガスの導入口と吹出口であり、ドーピングされた窒化ガリウム単結晶を成長させる場合に用いる。反応管2内に導入された2種類の原料ガスは、混合部14で混合されて反応する。反応後、ガスは排気口15より排気され、図示しない粉塵除去フィルター及び図示しない除害装置を通過させて処理される。
【0014】
(成長方法)
窒化ガリウム単結晶は、上記の気相成長装置を用い、例えば、以下の方法で成長させることができる。
電気炉3に電力を投入し、成長装置内部を加熱し、反応管2に水素ガスを常圧で流す。導入口5に、水素をキャリアガスとして水素化ハロゲンガス、例えば、塩化水素ガスを流す。導入口6には、窒素源含有ガス、例えば、水素をキャリアガスとし窒素源としてアンモニアを含むガスを流す。
【0015】
導入口5より導入された塩化水素ガスは、800〜900℃に加熱されたハロゲン化物生成部7においてガリウム金属8反応し、以下に示す反応式に従い塩化ガリウムガスを生成する。
Ga + HCl → GaCl + 1/2H (1)
この時、反応(1)により生成した塩化ガリウムガスのモル数は、導入した塩化水素ガスのモル数と同じである。塩化ガリウムガスはキャリアガスによりハロゲン化物生成部7より下流に運ばれ、吹出口10より混合部14へ移動する。ここで、塩化ガリウムガスの供給量すなわち塩化水素ガスの供給量は、混合部14での塩化ガリウムの分圧が3×10−4atm以下となるように設定する。
【0016】
吹出口10と11より出た塩化ガリウムガスとアンモニアガスは、混合部14で合流して混合し、以下に示す反応式に従い窒化ガリウムを生成し、混合部14の内壁上に窒化ガリウム結晶を成長させる。
GaCl + NH → GaN + HCl + H (2)
この時、発生し成長する窒化ガリウム結晶の結晶軸方向は、混合部14の内壁材の結晶軸方向に影響されず、〈000−1〉方向に成長した。
【0017】
塩化ガリウムの分圧が3×10−4atmよりも大きいと単結晶が得られない。これは、塩化ガリウムの分圧が3×10−4atmよりも大きいと反応(2)の反応速度が上がりすぎ、高密度に窒化ガリウムの結晶核が発生し、結晶核同士の距離が近いため、結晶核が少し成長した時点で結晶核同士が合体して多結晶となるためと考えられる。塩化ガリウムの分圧を下げることにより、発生する結晶核の間隔をあけることにより単結晶を成長させるわけであるが、下げ過ぎると、反応(2)の逆反応とバランスし成長が進まなくなるため、また当然その結果成長に要する時間が長くなり現実的でなくなるため、塩化ガリウムの分圧が3×10−4atm以下、好ましくは2×10−5〜3×10−4atmとなるように原料ガスを供給するのが好ましい。
【0018】
また、混合部14の温度は、950〜2000℃が好ましい。950℃より低いと高密度に窒化ガリウムの結晶核が発生し、結晶核同士の距離が近くなり、結晶核が少し成長した時点で結晶核同士が合体し多結晶となり、単結晶が得られないからである。また、2000℃より高いと窒化ガリウムが分解するからである。
【0019】
また、水素ガスをキャリアガスに含有させることが好ましい。キャリアガスに水素ガスが含まれない場合、例えばキャリアガスに窒素ガスのみを用いた場合、反応(2)が進み過ぎる結果、高密度に窒化ガリウムの結晶核が発生し、結晶核同士の距離が近くなり、結晶核が少し成長した時点で結晶核同士が合体し多結晶となり、単結晶が得られないからである。
【0020】
また、混合部14の内壁は、石英ガラス、炭化ケイ素、サファイヤ、グラファイト、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化ホウ素、そしてモリブデン等の高融点金属を組合せて用いることができる。すなわち、混合部14をこれらの材料で作製することもでき、あるいは混合部14の内壁の表面をこれら材料からなる層で形成することもできる。ここで、内壁の表面は、すべて平坦である必要はない。平坦な表面と微細な凹凸のある表面が適度に混在している方が好ましい。発生する結晶核の間隔を空けることができるからである。
【0021】
また、ガリウムのハロゲン化物を生成させるための水素化ハロゲンガスには、塩化水素ガスのみならず、臭化水素ガスやヨウ化水素ガスも用いることができるが、塩化水素ガスを用いることが好ましい。蒸気圧が高く、反応管への導入が容易だからである。
【0022】
なお、本実施の形態の成長方法で得られた単結晶を種結晶に用い、さらに大型の窒化ガリウム単結晶を成長させることもできる。種結晶の成長方法には、HVPE法や有機金属化学気相成長法(MOCVD法)や分子線結晶成長法(MBE法)等の従来公知の気相成長法のみならず、Na−Ga融液法等の液相成長法を用いることができる。
【0023】
実施の形態2.
本実施の形態は、ガリウム源としてガリウムのハロゲン化物に代えてガリウムのアルキル化合物を用いることができる。成長装置には、通常のMOCVD装置を用いることができる。ガリウム単結晶を成長させるには、例えば、反応管内に、キャリアガスとして水素、原料ガスにガリウムのアルキル化合物とアンモニアを用い、成長温度を950〜2000℃とする。ここで、ガリウムのアルキル化合物の分圧が3×10−4atm以下、好ましくは2×10−5〜3×10−4atmとなるように原料ガスを供給するのが好ましい。また、ガリウムのアルキル化合物には、トリメチルガリウムやトリエチルガリウム等を用いることができる。
【0024】
実施の形態3.
(気相成長装置)
図3は、本発明の成長方法に用いる別の気相成長装置Bの構造を示す模式図である。反応管2の下流側に種結晶支持機構19を着脱可能に取付けるとともに、種結晶の表面に原料ガスを供給可能なように混合部14′を設けた以外は、実施の形態1の気相成長装置Aと同様な構造を有している。すなわち、本実施の形態に係る気相成長装置Bは、石英製のガラスチューブ1と横長の石英製の反応管2とから成り、電気炉3内に配置されている。反応管2は上下2段に分かれた原料ガスの流路を有し、一端には導入口5と6から成る原料ガス導入部4が配設されている。導入口5の下流には、ガリウム金属8を入れたグラファイト製のボート9を配置したハロゲン化物生成部7が設けられている。反応管2の他端には、原料ガスの吹出口10と11が配設されると共に、種結晶支持機構19が着脱可能に取り付けられている。
【0025】
種結晶支持機構19は、種結晶35を保持する支持部20と、外周に従動用かさ歯車を有する回転ステージ21と、従動用かさ歯車を駆動させる駆動用かさ歯車から成る駆動伝達部22と、その駆動伝達部22を軸支する軸受23部と、継手を介して駆動伝達部22を駆動させる図示しない駆動部とを有している。種結晶35は支持部20の上に図示しない固定用治具を用いて固定する。これにより、駆動部からの回転が、駆動伝達部22、回転ステージ21、支持部20の順に伝達されて種結晶35を回転させることができる。ここで、吹出口10と11は、原料ガスが種結晶35を挟んで並行に流れるように配置されている。
【0026】
また、12と13は、それぞれ、不純物原料ガスの導入口と吹出口であり、不純物された窒化ガリウム単結晶を成長させる場合に用いる。反応管2内に導入された2種類の原料ガスは、混合部14で混合されて種結晶の表面に供給される。その後、原料ガスは排気口15より排気され、図示しない粉塵除去フィルター及び図示しない除害装置を通過させて処理される。
【0027】
(気相成長方法)
電気炉3に電力を投入し、ハロゲン化物生成部7と混合部14′を加熱する。ハロゲン化物生成部7の温度は800〜900℃が好ましい。また、混合部14′の温度は、950〜2000℃が好ましい。なお、種結晶の分解を防止するため、窒素ガスとアンモニアガスを導入口6より、加熱する前に予め流しておくことが好ましい。
【0028】
次いで、電気炉内の温度が安定した後、導入口5よりキャリアガスに水素ガスを用い水素化ハロゲンガスである塩化水素ガスを、導入口6よりキャリアガスである水素ガスと窒素源であるアンモニアガスを、そして導入口12より不純物原料ガスである四塩化ケイ素を供給する。
【0029】
導入口5より導入された塩化水素ガスは、ハロゲン化物生成部7で金属ガリウム8と反応式(1)に従い反応し塩化ガリウムガスを生成する。塩化ガリウムガスはキャリアガスの水素ガスとともに吹出口10から出て混合部14′に入り、種結晶35の表面に供給される。この時、反応(2)の逆反応とバランスし結晶の成長が進まなくなるため、また当然その結果成長に要する時間が長くなり現実的でなくなるため、塩化ガリウムの分圧が3×10−4atm以下、好ましくは2×10−5〜3×10−4atmとなるように原料ガスを供給するのが好ましい。
【0030】
導入口6より導入されたアンモニアガスは、吹出口11から出て混合部14′に入り、種結晶35の表面に供給される。
【0031】
ここで、本実施の形態では、ガリウム源含有ガスと窒素源含有ガスを種結晶35を挟むように並行に流す構成を用いているが、必ずしもガス流の配置はこれに限定されない。ガス流の配置は、種結晶への原料ガスの分子の供給が気相中の拡散により行われる配置であれば良い。ガス流が種結晶に衝突するような配置では、ガスの衝突による衝撃で小さな結晶が種結晶の表面に無数に発生し多結晶となるためである。また、種結晶を回転させることができるので、種結晶の表面に均一に原料ガスや不純物ガスを供給することができるので、均整のとれた結晶を成長させることができる。これにより、後工程での加工が容易になる。
【0032】
また、導入口12より導入された四塩化ケイ素は、不純物原料ガスの吹出口13から出て混合部14′に入り、熱分解してケイ素と塩素となり、ケイ素は不純物として窒化ガリウム中に取り込まれる。ケイ素は、窒化ガリウム中で伝導帯の底から約20meVの浅い不純物準位を形成し、室温で十分活性化し、窒化ガリウムにn型の電気伝導性を持たせることができる。n型の不純物としては、シラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、そして四塩化ケイ素を用いるのが好ましい。窒化ガリウム中にケイ素以外の余分な不純物が入り込むのを防止できるからである。例えば、n型不純物原料ガスとして四塩化ケイ素を用い、供給量を5×10−8mol/minとした場合、窒化ガリウム中の電子濃度として1×1018cm−3程度が得られる。
【0033】
なお、本実施の形態では気相成長装置Bを用いて種結晶を成長させる方法について説明したが、反応管から種結晶支持機構を取り外すことにより、実施の形態1の場合と同様に、気相成長装置Bを窒化ガリウム単結晶の成長装置として使用することもできる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
実施例1.
図1の気相成長装置Aを用い、混合部14の上面にCVDによりグラファイト上に付着させたSiC膜(厚さ約0.1mm)を配置した。
【0035】
成長は、反応管に水素ガスを常圧で流した状態で、電気炉を1050℃まで昇温した後、原料ガス流路の下段にはアンモニアガスと水素ガスを、一方、原料ガス流路の上段には塩化水素ガスと水素ガスを流して行った。ここで、アンモニアガスの分圧は0.23atm、供給量は5.8×10−2mol/min、塩化ガリウムガスの分圧は2.9×10−4atm、供給量は7.1×10−5mol/minとした。
【0036】
数十時間後、原料ガスを止め、反応管内に窒素を流して冷却した。SiC膜上に付着した窒化ガリウムの単結晶は最大で5mm程度の大きさを有していた。図2aは、得られた窒化ガリウムの単結晶30の形状を示す模式図である。この単結晶30は、先端部が六角錐台状の形状を有する六角柱で、先端の中心に(000−1)面31を有していた。この単結晶を研磨加工し(000−1)面をエッチングし、SEM観察したところ、図4の写真に示すようにエッチピットは疎らであり、転位密度は5×10個/cm程度であった。これは、図2bに示すように、結晶の下部から伸びてきた転位33が、先端部を構成する(000−1)面以外の6つのファセット面32のいずれかに到達した後、進行方向をファセット面にほぼ垂直な方向に変え、成長の進行とともにファセット面上で伸び、最終的に六角柱の側面で終端されるため、〈000−1〉方向に貫通する転位を減らすことができたことの結果と考えられる。
【0037】
実施例2.
気相成長装置として、通常の縦型MOCVD装置を用いた。ガリウム源としてトリメチルガリウム、窒素源としてアンモニア、そしてキャリアガスには水素を用いた。トリメチルガリウムの分圧は6.0×10−5atm、供給量は8.1×10−5mol/minとし、アンモニアガスの分圧は0.12atm、供給量は1.6×10−1mol/minとし、1050℃の成長温度で窒化ガリウムの結晶を成長させた。
【0038】
図5は、数十時間成長させて得られた窒化ガリウム単結晶の〈000−1〉方向から観察した顕微鏡写真である。結晶の大きさは約0.3mmである。この単結晶は、階段状の斜面を有する六角錘状の先端部形状を呈し、その階段状斜面の平坦部に(000−1)面31を有していた。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の窒化ガリウム単結晶の種結晶の成長方法によれば、水素ガス存在下で、ガリウム源の分圧を3×10−4atm以下、成長温度950℃以上とし、〈000−1〉方向に成長させるようにしたので、(000−1)面における貫通転位を10個/cm未満まで低減させることが可能となる。
【0040】
また、本発明の成長方法を用いて成長させた窒化ガリウム単結晶は、転位が少ないので窒化物半導体デバイスの成長用基板として用いることが可能となる。これにより、長寿命で高性能のデバイスを提供することが可能となる。また、劈開が容易なので、LDで必要とされる共振器端面を複雑な工程を経ることなく形成することができ、製造コストの低減が可能となる。
【0041】
また、本発明の成長方法は、n型不純物をドーピングするようにしたので、窒化ガリウム単結晶の導電性を高めることができる。これにより、窒化ガリウム基板の電気抵抗を低減することができ、デバイスの駆動電圧を小さくすることが可能となる。また、基板側から電極を取出すことができるのでデバイスの面積を小さくすることが可能となり、同一面積の基板からより多くのデバイスを取出すことができ、デバイスの製造コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成長方法に用いる気相成長装置の一例を示す模式図である。
【図2】 (a)は本発明の成長方法を用いて得られた窒化ガリウム単結晶の外形の一例を示す模式図である。(b)は、(a)の窒化ガリウム単結晶の断面の状態を示す模式図である。
【図3】 本発明の成長方法に用いる気相成長装置の別の例を示す模式図である。
【図4】 本発明の成長方法を用いて得られた窒化ガリウム単結晶の(000−1)面の表面状態の一例を示すSEM写真である。
【図5】 本発明の成長方法を用いて得られた窒化ガリウム単結晶の外形の一例を示す写真である。
【符号の説明】
1 石英ガラスチューブ、2 反応管、3 電気炉、4 原料ガス導入部、5,6 原料ガス導入口、7 ハロゲン化物生成部、8 ガリウム金属、9 ボート、9 原料ガス吹出部、10,11 原料ガス吹出口、12 不純物原料ガス導入口、13 不純物原料ガス吹出口、14, 14′ 混合部、15 排気口、19 種結晶支持機構、20、支持部、21 回転ステージ、22 駆動伝達部、23 軸受部、30 窒化ガリウム単結晶、31 (000−1)面 32 ファセット面、33 転位、35 種結晶、A,B 気相成長装置。

Claims (5)

  1. 反応容器内にガリウム源含有ガスと窒素源含有ガスとを供給し、窒化ガリウム単結晶の種結晶を気相成長させる方法であって、
    水素ガス存在下で、上記ガリウム源の分圧を30.4Pa以下、成長温度950℃以上とし、〈000−1〉方向にSiC上で成長させ、(000−1)面内の転位密度が10 個/cm 未満の窒化ガリウム単結晶の種結晶を得ることを特徴とする成長方法。
  2. 上記ガリウム源にガリウムのハロゲン化物及びガリウムのアルキル化合物のいずれかを用いる請求項1記載の成長方法。
  3. 気相成長時に、シラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、そして四塩化ケイ素から成る群から選択された少なくとも1種を含む不純物原料ガスを供給して不純物添加を行う請求項1又は2に記載の成長方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の方法により気相成長させた窒化ガリウム単結晶の種結晶であって、〈000−1〉方向に成長し、成長方向の先端部に(000−1)面を有する窒化ガリウム単結晶。
  5. 請求項1から3のいずれか一つに記載の方法により気相成長させた窒化ガリウム単結晶の種結晶であって、前記種結晶は先端部が六角錘台状の形状を有する六角柱でかつ先端の中心に(000−1)面を有する窒化ガリウム単結晶の種結晶。
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