JPH111396A - 窒化物系化合物半導体の製造方法 - Google Patents

窒化物系化合物半導体の製造方法

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JPH111396A
JPH111396A JP16655697A JP16655697A JPH111396A JP H111396 A JPH111396 A JP H111396A JP 16655697 A JP16655697 A JP 16655697A JP 16655697 A JP16655697 A JP 16655697A JP H111396 A JPH111396 A JP H111396A
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nitride
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reaction tube
gallium
gan
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JP16655697A
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Kensaku Motoki
健作 元木
Katsushi Akita
勝史 秋田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応管内の材質をpBNとすることにより、
所望波長にのみ単一発光ピークが存在するPL特性を備
えるエピタキシャル成長層を得ること。 【解決手段】本発明では、石英を基材とする反応管
(1)において、窒素(N)含有原料ガス(NH3 )が
高温状態で接触するおそれがある内面、つまり、側壁の
内面及びノズル(31)の内面がpBN被覆(1C,3
C)で構成される。そして、原料ガス(NH3 )が反応
管(1)内に導入され、MOCVPE法やHVPE法等
のホットウォール法によって、窒化物系化合物半導体
(GaN)が基板の上にエピタキシャル成長させられ
る。その際、所定部位のpBN化(1C,3C)によっ
て、原料ガスと石英との反応が回避され、エピタキシャ
ル成長層には、所望波長にのみ単一の発光ピークが存在
するPL特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物系化合物半
導体の製造方法、より詳細には、窒化ガリウム(Ga
N)等の窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長さ
せるための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、現在市販されているサファイア
基板を用いた窒化ガリウム(GaN)系の青色および緑
色の発光素子(LED)の構造を示す断面図を示してい
るが、このような発光素子は、例えば、「日経サイエン
ス」1994年10月号、第44〜55頁に記載されている。
【0003】この青色および緑色発光素子は、サファイ
ア基板SBと、基板SB上に形成されたGaNバッファ
層BFと、GaNバッファ層BF上に形成された六方晶
のGaNエピタキシャル層EP1とから構成されたエピ
タキシャルウェハを備えている。この青色および緑色発
光素子は、さらに、このエピタキシャルウェハの上に、
クラッド層CL1、発光層LE、クラッド層CL2およ
びGaNエピタキシャル層EP2が、順次形成され、G
aNエピタキシャル層EP1,EP2上には、オーミッ
ク電極ER1,ER2がそれぞれ形成されている。ま
た、GaNバッファ層BFは、この青色および緑色発光
素子において、サファイア基板SBとGaNエピタキシ
ャル層EP1との格子定数の差による歪を緩和するため
に設けらるものである。
【0004】また、このような欠点を有するサファイア
に代えて、導電性のGaAsを基板として使用するとい
う試みもなされている。すなわち、MOCVPE法(me
talorganic chloride vapor phase epitaxy:有機金属
クロライド気相エピタキシャル法)を用いてGaAs
(砒化ガリウム)基板上にGaNを成長させる方法であ
って、GaNの成長速度を従来のOMVPE法(organo
metallic vapor phase epitaxy:有機金属気相エピタキ
シャル法)での成長速度と比べても十分に早いものであ
るものが検討されている。
【0005】このMOCVPE法は、周期表の III族原
料Al、Ga、Inを塩化物(クロライド化合物)とし
て供給し、GaNの高速成長を可能とし、発光素子の活
性層となるInGaN(窒化インジウムガリウム)の成
長をも可能としたものである。このMOCVPE方法の
一つとして、本出願人は、平成6年12月26日の特許
出願「エピタキシャルウェハおよびその製造方法」(特
開平8−181070号)等で既に提案しているが、こ
の方法では、例えば、周期表の III族原料を含む有機金
属原料としてトリメチルガリウム(TMGa:C3H9Ga)
を用い、このTMGaと塩化水素(HCl)から塩化ガ
リウム(GaCl)を合成し、これらの塩化物にV族原
料であるアンモニアガス(NH3 )を反応させてGaA
s等の基板上にGaNを成長させている。
【0006】このような方法により製造されるエピタキ
シャルウェハは、図2に示されるように、例えば、砒化
ガリウム(GaAs)等の基板2A上に、GaN(窒化
ガリウム)バッファ層2Bが形成され、このGaNバッ
ファ層2B上に、さらに、GaNエピタキシャル層2C
が形成された高品質のエピタキシャルウェハであって、
工業的に十分に製造可能である。
【0007】そして、このようなGaNエピタキシャル
ウェハを製造するための気相成長装置には、例えば、図
3に示されるような構造の反応管が用いられる。この反
応管は、基板サセプタSSを内蔵する反応チャンバーR
Cに対して、キャリアガスCGと共にアンモニア(NH
3 )ガスを導入するための第1のガス導入口MI1、キ
ャリアガスCGと共にトリメチルガリウムTMGa(tr
imethylGallium;C39 Ga)ガスを導入するための
第2のガス導入口MI2、及び、キャリアガスCGと共
に塩化水素(HCl)ガスを導入するための第3のガス
導入口MI3等の導入口や、ガス排気口GO等を備えて
いる。
【0008】第1のガス導入口MI1は、管中央に位置
し基板サセプタSSの上部に至るノズルNに連通してお
り、第2及び第3のガス導入口MI2,MI3は、管路
P2に通じている。反応チャンバーRCには、また、外
部に抵抗加熱ヒータRHが備えられている。
【0009】このような装置における製造工程の一例を
示すと、先ず、反応チャンバーRC内の底部に設けられ
た基板サセプタSSに、例えば、GaAs製の基板2A
が設置され、この基板2Aは、抵抗加熱ヒーターRHか
らのチャンバーRC内の加熱によって第1の所定温度に
保持される。
【0010】この状態で、第2のガス導入口MI2から
のTMGaガス及び第3のガス導入口MI3からのHC
lガスは、管路Pを経て互いに混合され反応して塩化ガ
リウム(GaCl)となって反応管内に導入される。一
方、第1のガス導入口MI1からは、NH3 ガスがキャ
リアガスCGによって、ノズルNを通して導入されるの
で、GaAs基板2Aの上では、GaClガス及びNH
3 ガスが反応する。所定の時間、このエピタキシャル成
長を行わせることによって、図2に示されるGaNバッ
ファ層2Bが基板2A上に形成される。
【0011】次に、このようにGaNからなるバッファ
層2Bが形成された基板2Aの温度を、抵抗加熱ヒータ
ーRHにより第2の所定温度にまで昇温した後、再び、
TMGaガス、HClガス及びNH3 ガスを導入して、
所定の時間、エピタキシャル成長させる。その結果、G
aNバッファ層2B上にGaNエピタキシャル層2Cを
形成される。
【0012】しかしながら、このようにして得られたエ
ピタキシャルウェハについては、レーザ光を照射して発
光させ、絶対温度 4.2KにおけるPL(photo luminesc
ence:光ルミネセンス)特性を観測しそのプロファイル
を見ると、図4に示すように、所望波長 357nmのバン
ド端のピークの他に、 550nm付近にも発光のピークが
見られ、必ずしも良好な特性が得られるとはいい難い。
つまり、この長波長領域でのピークは、このエピタキシ
ャルウェハを光デバイスに使用する場合、光デバイスの
単色性を阻害する要因となるので、好ましくない。ま
た、このように不要ピークが派生するという問題点は、
上述の成長装置によるMOCVPE法だけでなく、従来
のOMVPE法においても、指摘されていた。
【0013】この 550nm付近のピークは、“yellow b
and ”とも呼ばれており、その生成原因は、はっきりと
は分かっておらず、一説によると、窒素(N)の空格子
点(vacancy )のような格子欠陥によるものであるとさ
れているが、不純物に起因するともいわれている。何れ
にしても、このような不所望の長波長領域ピークが存在
しない所望バンド端のみで発光する特性を得ることがで
きるエピタキシャルウェハの製造方法を実現することが
望まれている。
【0014】それ故、図3のような成長装置を用いる窒
化物系の化合物半導体の製造方法について検討したとこ
ろ、このような製造方法では反応管の材料に石英(Si
2:二酸化ケイ素)が用いられていることが原因にな
っていることが分かった。つまり、このような石英製の
成長装置では、例えば、反応管(RC)の外壁、内壁及
びノズル(N)等の反応管内の主たる構成部品がすべて
石英製であって、この石英は、高温状態で、窒素(N)
を含む原料ガスとの間で、次式(1)で示される反応を
生起する: SiO2 + NH3 → Si3 4 + H2 O (1) そして、この反応(1)による反応生成物(即ち、窒化
ケイ素Si3 4 及び水蒸気H2 O、特に、水蒸気H2
O)が原因になって、反応管の内壁だけでなく、基板2
Aに不純物が付着されたり、空格子点が生成されたりし
ているものと考えられるのである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の主た
る目的は、反応室の内壁を構成する材料を考慮すること
により石英がこのような反応を生じことがないようにし
て、長波長領域での不要ピークの派生がなく所望のピー
クのみを有するPL特性を備えることができるGaN等
の窒化物系化合物半導体を基板の上に形成するための製
造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によると、少なく
とも窒素(N)を含む原料ガスを反応管内に導入して、
MOCVPE法やHVPE(hydride vapor phase epit
axy )法等のホットウォール(hot wall)法によって、
窒化物系化合物半導体を基板の上にエピタキシャル成長
させる窒化物系化合物半導体の製造方法において、少な
くとも前記原料ガスが高温状態で接触するおそれがある
反応管内の壁面を、pBN(pyroliticboron nitride
:熱分解窒化ホウ素)で構成するようにした窒化物系
化合物半導体の製造方法が提供される。
【0017】本発明の好適な実施態様に従うと、反応管
の所定の内部壁面をpBNで構成して窒化物系化合物半
導体を製造する方法において、砒化ガリウム(GaA
s)、燐化ガリウム(GaP)、砒化インジウム(In
As)、燐化インジウム(InP)、サファイア、窒化
アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、炭
化ケイ素(SiC)、スピネル等の材料から成る基板の
上に、窒化物系化合物半導体がエピタキシャル成長させ
られる。
【0018】本発明のさらに好適な実施態様において
は、反応管の所定の内部壁面をpBNで構成して窒化物
系化合物半導体を製造する方法において、砒化ガリウ
ム、燐化ガリウム、砒化インジウム及び燐化インジウム
からなる群から選ばれた材料から成る基板を反応管内に
設置するステップ、外部から反応管内全体を加熱しなが
ら、ガリウム(Ga)を含んだ有機金属原料及び塩化水
素(HCl)を含む第1のガス並びにアンモニア(NH
3 )を含む第2のガスを反応管内に導入して、第1の温
度で、窒化ガリウム(GaN)から成るバッファ層を基
板上に形成するステップ、及び、外部から反応管内全体
を加熱しながら、ガリウム(Ga)を含んだ有機金属原
料及び塩化水素(HCl)を含む第1のガス並びにアン
モニア(NH3 )を含む第2のガスを反応管内に導入し
て、第1の温度より高い第2の温度で、窒化ガリウム
(GaN)から成るエピタキシャル層をバッファ層上に
形成するステップが備えられる。
【0019】本発明の方法によると、少なくとも窒素
(N)含有ガスが高温状態で接触する反応管内壁面の材
質がpBNから成る窒化物で構成され、このように構成
された反応管内に、少なくとも窒素(N)を含む原料ガ
スが導入されて、比較的高温の下で窒化物系化合物半導
体がエピタキシャル成長させられ、このpBNによって
良好なピーク特性を達成することができる。即ち、本発
明の方法によれば、反応管の所定の内部壁面を石英から
pBNに変更することによって、単色性に優れたエピタ
キシャル成長層を得ることができるという大きな効果が
得られることが確認された。
【0020】本発明では、反応管の少なくとも内壁の材
質として、石英(SiO2 )に替えて、成長物質と同じ
窒化物であり、且つ、原料物質との反応性が低いpBN
が用いられる。このようなpBNの機能によって、先
ず、従来例に見られる(1)式のような反応が生起され
ることがなく、特に、水蒸気H2 Oの発生を防止するこ
とができ、これが不純物として、エピタキシャル成長層
内に混入するのを防止することができる。
【0021】またさらに、1000℃以上の高温になると、
SiO2 のSiがエピタキシャル膜内にも、混入するこ
とが判っており、この点、pBNを使用した場合、Si
の不純物がエピタキシャル膜内への混入がないことも判
明した。
【0022】さらには、AlGaNのようなAlを含む
窒化物のエピタキシャル成長においては、成長プロセス
中に、原料ガスであるトリメチルガリウム(TMGa)
や、三塩化アルミニウム(AlCl3 )から分解したA
lが、反応管内壁の石英(SiO2 )と反応してSiO
2 を還元し、結局、SiがAlGaN中に混入するとい
う問題があったが、pBNを使用することによって、こ
の点をも解決することことができる。
【0023】また、石英(SiO2 )に替えて用いられ
るpBNは、窒化物であって触媒効果を有していること
から、本発明では、原料ガスと反応管内壁面との間で触
媒効果が得られ、これによって、原料ガスの分解及び分
解された成分の間の反応を促進させ、反応系に変化を生
じて不純物の取込み量を減少させる結果、PL特性及び
電気特性に好ましい影響を与えることができる。
【0024】本発明による製造方法は、これらの観点か
ら反応管の材質の変更を試みた結果得られたものであ
り、本発明に従って石英(SiO2 )からpBNに反応
管材質を変更するに当たっては、次の2点に留意すべき
である: 〔1〕反応管構成部品の内部にまで材質変更を行う必要
はなく、NH3 原料系ガスが接触する表面のみに施すだ
けでもよい。即ち、pBNは、石英(SiO2 )等の別
種材質製の構成部品の表面にpBNを被覆するなどの方
法によって、反応管構成部品の表面層のみをpBN化す
るだけでも十分に効果がある。もちろん、製造上の問題
や原材料の入手事情等の理由によっては、内部までpB
Nで構成してもよい。 〔2〕材質変更は、また、反応管構成部品の全てに適用
する必要はなく、特に、窒化物系化合物半導体の成長に
大きな影響を及ぼすおそれのある箇所のみ、例えば、成
長のための反応が行われる空間の近傍部分、及び、高温
のNH3 原料系ガスが接触するおそれのある部分をpB
N化するだけでも効果がある。もちろん、製造上の問題
や原材料の入手事情等の理由によっては、全ての部位を
pBN化して構成してもよい。
【0025】本発明は、窒素(N)を含む原料ガスが、
反応管内に原料ガスの一つとして導入され、MOCVP
E法やHVPE法等のホットウォール法などのように、
比較的高温の下で反応させられて、窒化物系化合物半導
体を基板の上にエピタキシャル成長させられる種々の製
造方法に適用することができる。従って、本発明におい
ては、このような製造方法であれば、例えば、図3のよ
うな装置によって図2に示される構造のGaAs基板2
Aを用いてエピタキシャルウェハを製造することはもち
ろん、さらに、GaP、InAs、InP、SiC等の
半導体基板の他に、サファイア、AlN、GaN等の基
板を使用することができる。本発明においては、また、
これらの基板の上にピタキシャル成長させる窒化物を、
GaNの他、InNやInGaN等の種々の窒化物系化
合物半導体とすることもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を種々の実施例につ
いて更に詳しく説明するが、以下の開示は、本発明の単
なる実施例に過ぎず、本発明の技術的な範囲を何ら限定
するものではない。
【0027】図5には、GaAs基板の上に窒化物系化
合物半導体としてGaNをエピタキシャル成長させる本
発明の製造方法の一実施例に好適な製造装置が示されて
いる。この製造装置は、外観的には図3の製造装置とほ
ぼ同様の構造を呈しており、反応チャンバー1内の下部
のほぼ中央に基板サセプタ2を内蔵し、上部には、第1
乃至第3のガス導入口3〜5を備えている。反応チャン
バー1内には、基板サセプタ2の周辺に反応空間11が
形成され、外部にはチャンバー内全体を加熱するための
抵抗加熱ヒータ12が設けられており、底部にはガス排
気口6が設けられている。
【0028】第1のガス導入口3は、V族原料としてア
ンモニア(NH3 )ガスを導入するために設けられ、第
1のガス導入口3に連通するノズル31が反応チャンバ
ー1のほぼ中心軸に沿って配置されている。このノズル
31は、基板サセプタ2の上で開口する。
【0029】第2のガス導入口4は、 III族原料として
トリメチルガリウムTMGa(trimethylgallium;C3
9 Ga)ガスを導入するために設けられ、第3のガス
導入口5は、塩化水素(HCl)ガスを導入するために
設けられる。両ガス導入口4,5に連通する管路41は
チャンバー1内の上部に開口している。
【0030】この製造装置は、反応チャンバー1を構成
するほとんど全ての部品が石英を基材として構成され
る。しかしながら、所定の構成部品には、本発明の第1
の特徴に沿ってpBN化処理が施されている。つまり、
反応チャンバー1の側壁の内面及びノズル31の内面に
は、GaN成長のための反応が行われる空間の近傍部
分、及び、高温のNH3 原料ガスが接触するおそれのあ
る部分として、基材となる石英上にpBN被覆1C,3
Cがコーティングされている。
【0031】さて、このように構成された装置を使用し
本発明に従う製造方法の一実施例を説明しよう。なお、
以下に説明される工程は、工程操作要件がより具体的に
説明されているだけで、図4に示されるPL特性を得た
場合と実質的に同一の内容であるが、反応チャンバー1
内の所定の内壁にpBN被覆1C,3Cを設けた状態で
成長が行われる点において、従来方法と大きく異なる。
【0032】先ず、基板サセプタ2には、基板2A、例
えば、硫酸(H2 SO4 )系の通常のエッチング液で前
処理した砒化ガリウムGaAs[(100)基板或いは (111)
A面] のような基板2Aが設置される。抵抗加熱ヒータ
12により外部からチャンバー1内全体を加熱すること
によって、この基板2Aは、比較的低い第1の所定温
度、例えば、 400℃〜 600℃に 470℃に加熱され、好適
には、 470℃に加熱され、この第1の温度状態に保持さ
れる。
【0033】この温度状態で、第1のガス導入口3から
ノズル31を通して、水素(H2 )ガスをキャリアガス
として、V族原料としてNH3 ガスが、所定の温度及び
分圧、例えば、 280℃, 1.6×10-1atm で反応空間11
に導入される。一方、第2及び第3のガス導入口4,5
からは、同様にH2 ガスをキャリアガスとして、 III属
原料としてのTMGa及びHClガスが、それぞれ所定
の分圧、例えば、 6.4×10-4atm で、管路41を介して
導入される。これらの分圧は、ガスの温度による飽和蒸
気圧と流量により管理される。そして、TMGa及びH
Clは互いに反応して塩化ガリウム(GaCl)となっ
て反応空間11に導入される。
【0034】このような条件の下で、GaAs基板2A
の上でGaCl及びNH3 を反応させて、所定の時間、
例えば、15分間、窒化ガリウム(GaN)をエピタキシ
ャル成長を行わせることによって、図2に示されるGa
Nバッファ層2Bが数十nmオーダの所定の厚さで形成
される。
【0035】次に、このようにしてGaNバッファ層2
Bを形成した後、NH3 ガス、TMGa及びHClの導
入を一旦停止し、GaNからなるバッファ層2Bが形成
された基板2Aの温度を、抵抗加熱ヒーター13によっ
て比較的高い第2の所定温度、例えば 800℃以上、特に
好適な態様として、この例では 870℃に加熱され、この
第2の温度状態に保持される。
【0036】このようにして基板2Aを 870℃にまで昇
温した状態で、第1乃至第3のガス導入口3〜5から、
同様の条件でH2 キャリアガスによって、再度、NH
3 、TMGa及びHClが導入される。これによって、
所定の時間、例えば、60分間、反応空間11においてG
aCl及びNH3 を反応させ、GaNバッファ層2B上
には、GaNをエピタキシャル成長させる。
【0037】その結果、バッファ層2B上には、図2に
示されるGaNエピタキシャル層2Cが、エピタキシャ
ル成長面にムラや不均一性がなく、μmオーダの所定の
膜厚で形成されていることが確認された。このようにし
て得られた鏡面状の高品質なエピタキシャル層2Cは、
X線回折測定によると、GaAs(111) A面上に成長し
た場合六方晶となり、GaAs(100) 面上に成長した場
合立方晶を示した。光共振器として使用するための劈開
に適した立方晶構造は、レーザダイオードを製造するの
に好適である。
【0038】また、図6には、本発明の上記実施例によ
り得られたエピタキシャルウェハについて、レーザ光を
照射して発光させることにより観測されたPL特性のプ
ロファイルが、図4の従来方法による特性と対照的に示
されている。この図に示されるように、反応管1の所定
の内壁にpBN被覆1C,3Cを設けてエピタキシャル
成長を行った場合には、 550nm付近の長波長領域にあ
った発光はもはや観測されず消滅している(b)。つま
り、所望波長 357nmのバンド端にのみピークを有し
(a)単色性が著しく改善されたPL特性を得ることが
できることが分かる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
少なくとも窒素(N)を含む原料ガスを反応管内に導入
して、MOCVPE法やHVPE法等のホットウォール
法によって、窒化物系化合物半導体を基板の上にエピタ
キシャル成長させる窒化物系化合物半導体の製造方法に
おいて、少なくとも窒素(N)含有原料ガスが高温状態
で接触する反応管内の壁面をpBNで構成した上で、窒
化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させるように
している。従って、pBNのもつ低反応性及び触媒効果
によって、高温状態の窒素(N)含有原料ガスと石英と
の反応による不純物の混入を回避すると共に、不純物の
取込み効率を低下させるような反応系の変化を生じる。
その結果、不純物の混入等に起因する不要吸収ピークが
派生することなく所望波長のバンド端にのみ単一の発光
ピークが存在するPL特性を備えるエピタキシャル成長
層を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】青色および緑色の発光素子の一例の構造を示す
断面図である。
【図2】本発明による成長方法によって得られる化合物
半導体エピタキシャルウェハの構造例を示す断面図であ
る。
【図3】従来技術における反応管の概略構成を示す図で
ある。
【図4】従来技術による成長方法により得られるエピタ
キシャル成長層のPL特性を示す図である。
【図5】本発明の一実施例による方法を実施するのに使
用される反応管を概略的に示す図である。
【図6】本発明の一実施例による方法により得られるエ
ピタキシャル成長層のPL特性を示す図である。
【符号の説明】
1:内部に反応空間11が形成される反応チャンバー、 1C:チャンバー側壁の内面にコーティングされたpB
N被覆、 2:基板サセプタ、 2A:GaAs基板、 2B:GaNバッファ層、 2C:GaNエピタキシャル層、 3:第1のガス導入口、 31:内面がpBN被覆3Cでコーティングされたノズ
ル、 4,5:第2及び第3のガス導入口、 6:ガス排出口。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも窒素(N)を含む原料ガスを反
    応管内に導入して、MOCVPE法やHVPE法等のホ
    ットウォール法によって、窒化物系化合物半導体を基板
    の上にエピタキシャル成長させる窒化物系化合物半導体
    の製造方法において、少なくとも前記原料ガスが高温状
    態で接触するおそれのある反応管内の壁面の材質を、p
    BNから成る窒化物で構成することを特徴とする窒化物
    系化合物半導体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記基板は、砒化ガリウム(GaAs)、
    燐化ガリウム(GaP)、砒化インジウム(InA
    s)、燐化インジウム(InP)、サファイア、窒化ア
    ルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、炭化
    ケイ素(SiC)、スピネル等の材料から成り、窒化物
    系化合物半導体をこの基板の上にエピタキシャル成長さ
    せることを特徴とする請求項1に記載の窒化物系化合物
    半導体の製造方法。
  3. 【請求項3】砒化ガリウム(GaAs)、燐化ガリウム
    (GaP)、砒化インジウム(InAs)及び燐化イン
    ジウム(InP)からなる群から選ばれた材料から成る
    基板を反応管内に設置するステップ、 外部から反応管内全体を加熱しながら、ガリウム(G
    a)を含んだ有機金属原料及び塩化水素(HCl)を含
    む第1のガス並びにアンモニア(NH3 )を含む第2の
    ガスを反応管内に導入して、第1の温度で、窒化ガリウ
    ム(GaN)から成るバッファ層を前記基板上に形成す
    るステップ、及び、 外部から反応管内全体を加熱しながら、ガリウム(G
    a)を含んだ有機金属原料及び塩化水素(HCl)を含
    む第1のガス並びにアンモニア(NH3 )を含む第2の
    ガスを反応管内に導入して、第1の温度より高い第2の
    温度で、窒化ガリウム(GaN)から成るエピタキシャ
    ル層を前記バッファ層上に形成するステップを具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の窒化物系化合物半導
    体の製造方法。
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