JP3779406B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3779406B2
JP3779406B2 JP32615196A JP32615196A JP3779406B2 JP 3779406 B2 JP3779406 B2 JP 3779406B2 JP 32615196 A JP32615196 A JP 32615196A JP 32615196 A JP32615196 A JP 32615196A JP 3779406 B2 JP3779406 B2 JP 3779406B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel data
conversion
image processing
data
error
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32615196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10155086A (ja
Inventor
裕之 和氣
信治 井上
悟 葉山
雅弘 大蘆
光子 藤田
裕樹 中村
達也 下地
亮 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP32615196A priority Critical patent/JP3779406B2/ja
Priority to US08/975,851 priority patent/US6134351A/en
Priority to EP97309371A priority patent/EP0844783B1/en
Priority to DE69727365T priority patent/DE69727365T2/de
Publication of JPH10155086A publication Critical patent/JPH10155086A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3779406B2 publication Critical patent/JP3779406B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/40Picture signal circuits
    • H04N1/405Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels
    • H04N1/4051Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels producing a dispersed dots halftone pattern, the dots having substantially the same size
    • H04N1/4052Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels producing a dispersed dots halftone pattern, the dots having substantially the same size by error diffusion, i.e. transferring the binarising error to neighbouring dot decisions
    • H04N1/4053Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels producing a dispersed dots halftone pattern, the dots having substantially the same size by error diffusion, i.e. transferring the binarising error to neighbouring dot decisions with threshold modulated relative to input image data or vice versa

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置および画像処理方法に関し、特に、多値画像の二値化装置、減色変換装置および二値化方法、減色変換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータの発達は、画像のディジタル処理を一般化させた。ディジタル化された画像は、通常、各標本点での光の明るさ(輝度:brightness)に即した値をもつ二次元の配列データにより表現されており、画像のディジタル処理は、これらそれぞれの値に対して数値計算等を行うことによって実現されている。
【0003】
ディジタル画像を処理する上での問題の一つに、個々の画像表示装置で表現できる明るさの精度が異なっていることが挙げられる。たとえば、高性能な CRTディスプレイに表示されている画像をプリンタに印刷する場合を例に挙げると、高性能なCRTディスプレイならば、赤青緑の光の三原色のそれぞれに対して、256階調の精度で画像データを表示することが可能であるが、プリンタではドットのあるかないの2階調しか表現できない。同様な問題が、高性能なCRTディスプレイに表示されているものを、精度が低い安価なディスプレイに表示させる場合にも発生する。このように画像表示装置で表現できる精度が低い場合には、原画像の階調を変換する画像処理を行う必要がある。
【0004】
このような階調を変換する画像処理方法として、一般に、誤差拡散方法が使用されている。この方法は、変換前の(x、y)点における画素データの階調値をI(x、y)、輝度の変換(階段)関数をG、変換結果をgで表すと、以下の数式で表現することができる。
【0005】
【数1】
Figure 0003779406
【0006】
【数2】
Figure 0003779406
【0007】
【数3】
Figure 0003779406
【0008】
【数4】
Figure 0003779406
【0009】
即ち、誤差拡散法では、変換する画素データの周囲の点の変換誤差eに重みづけをして足し合わせた誤差拡散値Eを変換する画素データに付加することで画素データの周囲の点における変換誤差を反映させるものである。このように周囲の誤差が反映されることによって画像全体の変換誤差を抑えることができる。
かかる誤差拡散方法を用いた画像処理装置の構成図を20に示す。かかる画像処理装置は画素データ格納部2001、画素データ読み出し部2002、画素データ修正部2003、拡散誤差算出部2004、画素データ変換部2005、誤差計算部2006よりなる。
【0010】
各構成部分の動作を簡単に説明すると、画素データ読み出し部2002が、画素データ格納部2001に格納された変換対象となる画素データを読み出し、画素データ修正部2003へ出力する。一方、拡散誤差算出部2004は、誤差計算部2006から出力される変換誤差eに基づいて拡散誤差Eを算出し、画素データ修正部2003へ伝える。図21に拡散誤差算出部2004で用いる誤差拡散係数aijを示す。ここでは式(1)において、m0 =−1、m1 =1、n0 =−1、n1 =0としてaijを構成している。この誤差拡散係数aijの値は処理方向によって変わるものとする。画素データ修正部2003は、画素データ読み出し部2002から出力された画素データに拡散誤差算出部2004により算出された拡散誤差Eを付加して画素データの階調値を修正する。画素データ変換部2005は修正された画素データの階調値を所定の関数に基づき目的とする二値又は多値の値に変換して端子Tに出力する。画素データ変換部2005で用いる変換関数の例を図22に示す。図22に示す変換関数は、256階調の輝度データを16階調の輝度データに変換するものであり、2つの関数f(I)とg(I)によって変換された値のうち、変換前の値に近い方を変換値とする。
【0011】
さらに詳しい動作を図23、24、25に示すフローチャートに基づき説明する。まず、図23のフローチャトを用いて動作の概要を説明する。最初に、各変換誤差の初期値を0にし、最初の走査位置としてy軸の座標値を0とする(s2301、s2302)。そして、画素データ読み出し部2002は画素データを読み出す際に、y軸の正の方向に、かつ、y軸の座標値が偶数のときはx軸の正の方向へ、y軸の座標値が奇数のときはx軸の負の方向へ走査して行き、画素データ変換部2005は画素データを変換して行く(s2303〜s2309)。なお、ここではy座標の遇奇によってx軸の走査方向を変化させているが、基本的には走査方向を変更する必要はない。
【0012】
s2304、s2307における動作を図24、25を用いてさらに詳述する。図24、25はそれぞれx軸の正の方向に走査する場合と、負の方向に走査する場合の画素データ変換の動作を示したフローチャートである。両者の動作は要部は同じであるので図24を用いて説明する。また、具体的に変換される数値の様子を図26に示す。図26の(a)は変換対象の画素データの変換方向および位置を表し、ここでは座標(x、y)の画素データが変換対象であるものとする。(b)は拡散誤差算出部2004で用いる誤差拡散係数aij、(c)は変換対象の各画素データの256階調による輝度I、(d)は変換した各画素データにおける変換誤差eを示している。
【0013】
最初に、最初の走査位置としてx軸の座標値を0とする(s2401)。そして、画像の幅分だけ以下の処理を行う(s2402、s2411)。まず、画素データ修正部2005は座標(x、y)での画素データである輝度I(x、y)を変数zに代入し(s2403)、拡散誤差算出部2004は式(2)に基づいて図26(b)の誤差拡散係数aij、(d)の変換誤差eを用いて、拡散誤差Eを算出する(s2404)。図26の(d)から拡散誤差Eを計算すると「24」となる。それから、画素データ修正部2003は式(1)に基づいて、画素データである輝度が代入された変数zに算出された拡散誤差Eを付加し画素データを修正する(s2405)。図26の(c)の座標(x、y)の画素データである輝度値「50」は、これにより図26の(e)に示すように「74」に修正される。さらに、画素データ変換部2005は式(3)に基づき、修正された画素データを図22に示す2つの関数へ代入し、修正された画素データにより近い方を変換値として出力する(s2406、s2407、s2408)。この結果、図26の(e)で修正された画素データ”74”は、図26の(f)のように「80」に変換される。そして、誤差計算部2006は式(4)に基づき座標(x、y)における変換誤差を算出する(s2409)。図26の(e)および図26の(f)からは、(g)のように変換誤差として「−6」が算出される。
【0014】
図26の変換においては、例えば、変換値「80」は本来の要求した値より大きいため変換誤差は「−6」となり、次の値の修正時にはこの変換誤差が反映され、今度は輝度値を減らす方向に働く。このように誤差拡散法では、こうした処理が繰り返されることで、画像全体での変換誤差を他の方法に比べて小さく押さえることができる。
【0015】
このように優れた性質をもつ誤差拡散法であるが、誤差拡散法には二つの問題点がある。一つはこの方法が誤差を帰還させるための誤差拡散係数に非常に敏感であり、値のとりかたにより変換値に周期的な繰り返しが生じ、これが表示時にモアレとなって、画質を低下させることである。
この問題を改善させる方法としては、特開平5−37781に示されるような、各変換処理の方向をランダムに切り替える方法や、画像電子学会誌1991年第20巻第5号第443頁から第449頁に記載されているような、係数の組合せをランダムに切り替える方法、特開平7−288689に示されるような、読み出した画像信号の一部に乱数による雑音を加えて、モアレの生成を防止する方法などが提案されている。即ち、これらの方法は変換過程において確率過程による修正を加えることによって、周期的な変換値の繰り返しを乱すものである。
【0016】
なお、ここにいう確率過程とは離散型確率過程であり、確率過程による修正を加えるとは、上述したように偶然量を含む雑音を変換前または変換後のデータに付加したり、複数の変換値からランダムに1つの変換値を選択する等、偶然的要素をそれぞれの変換値に何らかの形で反映させることをいうものとする。
誤差拡散方法のもう一つの問題点は、処理方向に、薄い線があった場合、これらの線の位置がずれたり消えてしまったりすることである。例えば図27(a)に示すように、y軸が偶数の座標値をもつ幅1の線が輝度が「9」の値をもち、(b)のような変換誤差値をもっていた場合、上述した画像処理装置によって変換処理を行っていくと、(d)、(g)のように輝度が”0”に変換されていき、もとの輝度データは輝度0に変換され、消去されてしまう。このことは仮にこの輝度9の線が、文字を構成する線の一部であるとすると、文字が読めなくなってしまうことを表す。
【0017】
消去された輝度データは誤差データとして残るため、次回の処理に悪影響を与え、明るさを異常に明るい方向に変更し画質を低下させる。この線が消えるという現象は、図28に示すような一般によく使用されるFloyd型のフィルタ係数でも、図29に示すように、誤差の残り方により常に発生する可能性があり、この現象が起きにくくなるように係数を選択すると、今度は強烈なモアレが発生するといった、厄介な問題を生じる。
【0018】
この問題点も、変換データに比較的大きな雑音を低輝度の画素データに加えることによって、周期的な変換の繰り返しを乱すことによって防ぐことが可能である。
このような、変換データに雑音を加える、つまり、確率過程による修正を加える方法を用いた装置の例として、図30に、特開平7−288689号の記載に基づく画像処理装置の構成図を示す。この画像処理装置は図20に示す画像処理装置に対して、重み付け係数発生部3007a、乱数発生部3007b、乗算部3007c、加算部3007dよりなるデータ変換修正部3007を設けたものである。
【0019】
データ変換修正部3007を簡単に説明すると、重み付け係数発生部3007aは画素データ読み出し部3002が読み出した画素データの輝度値に応じて定められる重み付け係数を発生させる。例えば、図31(a)に示すようにモアレが現れやすい中輝度で雑音の大きさが最大になるように重み付け係数を発生させるようにする。もっとも、図31(b)、(c)に示すように、すべて同じ重み付け係数を出力するように設定しても構わない。なお、図31における乱数の重み付け係数h(I)は、各輝度を変換した際の階段関数のステップ幅(g(I)−f(I)との比を表している。
【0020】
乱数発生部3007bは乱数を発生させ、乗算部3007cは重み付け係数発生部3007aが発生させた重み付け係数と乱数発生部3007cが発生させた乱数を掛け合わせる。加算部3007dは画素データ修正部3003により修正された画素データに乗算部3007cで得られた値を加える。これらの動作によって、画素データ修正部3003の値に読み出した画素データの値に影響を受ける雑音が付加される。このように、雑音が適度に加わることにより変換値が確率的に分散され、モアレの発生を防ぐことができ、処理方向の薄い線の位置がずれたり消えたりすることを防ぐことができる。
【0021】
この画像処理装置の動作も前記の画像処理装置の動作とほぼ同じであり図23に示すように原画像を走査して画素データを変換していく。図32、図33にこの画像処理装置の、図24、図25に対応するフローチャートを示す。これらのフローチャートにおいて、図24、図25と相違しているのは、重み付け係数発生部3007a、乱数発生部3007b、乗算部3007cによって雑音rを発生するs3205、s3305、加算部307dによって発生した雑音rを修正した画素データにさらに付加するs3206、s3306であり、これらのステップによって適度に変換値が分散される。なお、本明細書では、このように雑音を付加する誤差拡散法を雑音付加型誤差拡散法と呼ぶ。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記雑音付加型誤差拡散方法では、処理方向の薄い線の位置がずれたり消えたりすることを防止しようとすると低輝度で強い雑音をかける必要があるが、低輝度部分で強い雑音がかかると低輝度部分でざらつき感が増大し画質が低下するという問題が生じる。一方、ざらつき感を低下させるために雑音を低くすると薄い線が消えやすくなり、同時にモアレが生成される可能性も高くなる。即ち、上記雑音付加型誤差拡散方法では、ざらつき感を低下させながら、モアレの生成を防止し、さらに、処理方向の薄い線の位置のずれや消滅を防止するという要求を満たすことは極めて困難である。
【0023】
本発明は、かかる問題点を解決するものであり、モアレの生成を防止し、処理方向に沿った薄い線が消えるという問題も解決すると同時に、画像のざらつきの少ない、高性能な多値画像の二値化もしくは減色変換する画像処理方法および画像処理装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
また、上記課題を解決するために本発明に係る画像処理装置は、画素データ読み出し手段と、画素データ変換手段と、条件判断手段と、乱数発生手段と、変換データ選択手段と、誤差計算手段と、拡散誤差計算手段と、画素データ修正手段よりなる画像処理装置であって、画素データ読み出し手段は、画素データを読み出し、拡散誤差計算手段は、誤差計算手段が算出した変換誤差から所定の演算式に基づいて拡散誤差を算出し、画素データ修正手段は、算出された拡散誤差を付加することによって、画素データ読み出し手段が読み出す変換対象の画素データの階調値を修正し、画素データ変換手段は、修正された画素データの階調値を所定の2以上の関数に基づき変換し、変換候補データとして各関数ごとに出力し、条件判断手段は、変換対象の画素データが所定の条件を満たすか否かを判断し、乱数発生手段は乱数を発生させ、変換データ選択手段は、前記条件判断手段で所定の条件を満たすと判断された場合には、前記乱数発生手段で発生した乱数に基づき前記変換候補データの中から1つの変換候補データを変換データとして選択して出力し、前記条件判断手段で所定の条件を満たさないと判断された場合には、前記変換候補データの中から修正された画素データの階調値により近い階調値をもつ変換候補データを変換データとして選択して出力し、誤差計算手段は、変換データ選択手段より出力された変換データの階調値と、画素データ修正手段によって修正された画素データの階調値との変換誤差を計算して出力する。
【0027】
上記画像処理装置においては、さらに、処理対象画像中の領域を指定する領域指定手段を設け、前記条件判断手段が判断する条件が変換対象の画素データがこの領域指定手段で指定した領域内に含まれるという条件であるようにすると好適である。
また、前記条件判断手段が判断する条件が、前記誤差計算手段で算出した変換誤差が所定の値以下であるという条件とすることもでき、さらに、前記条件判断手段が判断する条件が、前記拡散誤差算出手段で算出した拡散誤差が所定の値以下であるという条件とすれば効果的である。
【0028】
さらに上記画像処理装置には、前記所定の値を変換対象の画素データおよび当該画素データの周囲の画素データの内の少なくとも1つから所定の演算式によって算出する判断値算出手段を設けることが望ましい。
【0029】
また、上記課題を解決するために、画像処理装置の 画素データ読み出しステップと、画素データ変換ステップと、条件判断ステップと、乱数発生ステップと、変換データ選択ステップと、誤差計算ステップと、拡散誤差計算ステップと、画素データ修正ステップとを有する画像処理方法であって、画素データ読み出しステップは、画素データを読み出し、拡散誤差計算ステップは、誤差計算ステップが算出した変換誤差から所定の演算式に基づいて拡散誤差を算出し、画素データ修正ステップは、算出された拡散誤差を付加することによって、画素データ読み出しステップが読み出す変換対象の画素データの階調値を修正し、画素データ変換ステップは、修正された画素データの階調値を所定の2以上の関数に基づき変換し、変換候補データとして各関数ごとに出力し、条件判断ステップは、変換対象の画素データが所定の条件を満たすか否かを判断し、乱数発生ステップは、乱数を発生させ、変換データ選択ステップは、前記条件判断ステップで所定の条件を満たすと判断された場合には、前記乱数発生ステップで発生した乱数に基づき前記変換候補データの中から1つの変換候補データを変換データとして選択して出力し、前記条件判断ステップで所定の条件を満たさないと判断された場合には、前記変換候補データの中から修正された画素データの階調値により近い階調値をもつ変換候補データを変換データとして選択して出力し、誤差計算ステップは、変換データ選択ステップにより出力された変換データの階調値と、画素データ修正ステップによって修正された画素データの階調値との変換誤差を計算して出力することを実行することとしている。
【0030】
また、上記画像処理方法において、さらに、処理対象画像中の領域を指定する領域指定ステップを含み、前記条件判断ステップが判断する条件が変換対象の画素データが前記領域指定ステップで指定した領域内に含まれるという条件が選ばれる。
さらに、前記条件判断ステップが判断する条件が、前記誤差計算ステップで算出した変換誤差が所定の値以下であるという条件としてもよい。
【0031】
さらに、前記条件判断ステップが判断する所定の条件が、前記拡散誤差算出ステップで算出した拡散誤差が所定の値以下であるという条件とすると効果的である。そして、上記画素データ処理方法において、前記所定の値を変換対象たる前記画素データおよび当該画素データの周囲の画素データの少なくとも1つから所定の演算により算出した値とすると非常に有用な効果を奏する。
さらに前記所定の値を変換対象の画素データおよび当該画素データの周囲の画素データの内の少なくとも1つから所定の演算式によって算出する判断値算出ステップを含むこととしてもよい。

【0032】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る画像処理装置のハードウエア構成図である。図1に示す画像処理装置はCPU101、メインメモリ102、I/Oコントローラ103、ディスプレイコントローラ104、CRT105、キーボード106、マウス107、ディスク108、バス109によって構成される。なお、以下の実施の形態に係る画像処理装置も同様のハードウエア構成を有するものを用いる。
【0033】
図2に本実施の形態に係る画像処理装置のブロック図を示す。この画像処理装置は画素データ格納部201、画素データ読みだし部202、画素データ修正部203、拡散誤差算出部204、画素データ変換部205、比較部206、選択確率計算部207、条件判断部208、領域指定部209、データ変換修正部210Aと乱数発生部210Bよりなるデータ変換修正部210、誤差計算部211により構成される。
【0034】
画素データ格納部201、画素データ読みだし部202、画素データ修正部203、拡散誤差算出部204、誤差計算部211は図20に示す画像処理装置と同様なので説明を省略する。
画素データ変換部205は、画素データ修正部203により修正された画素データの階調値z’を所定の2以上の関数に基づき変換し、変換候補データとして各関数ごとに出力する。ここでは、256階調の画素データを2階調に変換するものとし、関数として前記図22に示すg(I)とf(I)を用いることとする。
【0035】
比較部206は、画素データ変換部205により出力される2つの変換値の差および画素データ出力部からの出力される画素データの階調値と上記2つの変換値の内の小さい方の値との差をとり、選択確率計算部207は以下の式により変換値の選択確率Δzを計算する。
【0036】
【数5】
Figure 0003779406
【0037】
なお、このΔzは変換値g(z’)の選択確率を表している。
領域指定部209は、画像処理装置の使用者によって予め定められる処理対象画像中の領域を指定する部分であり、ここでは図3に示す処理対象画像(a)の文字等、線が消えては問題がある部分を含む矩形の領域を、当該矩形の左上と右下の座標値(x0、y0)(x1、y1)によって指定するものとし、領域指定部209には、図3の(b)に示すように、この対角の座標が格納されているものとする。なお、領域指定部209における領域の指定はオペレータ等の操作、もしくは外部記憶媒体等により、外部から領域を指定するデータを供給するようにしてもよい。
【0038】
条件判断部208は、変換対象の画素データが所定の条件を満たすか否かを判断する。ここでは所定の条件として領域指定部209に格納された領域内に変換対象となっている画素データが含まれているか否かという条件を判断する。なお、条件判断部208では上記条件を満たしていないと判断したときは、上記Δzの値が0.5より大きいときにはΔzの値を「1.0」に置き換え、Δzの値が0.5以下の場合はΔzの値を「0」に置き換える。
【0039】
データ変換修正部210は所定の条件を満たすと判断された場合には、前記画素データ変換部205による変換に確率過程による修正を加える部分であり、変換データ選択部210Aと、乱数発生部210Bよりなる。乱数発生部210Bは乱数r、詳しくいうと、ここでは[0、1)の一様乱数を発生する。なお、一様乱数の算術的な発生方法については、本発明の本質とは関係ないので、ここでは割愛する。そして、変換データ選択部210Aは前記条件判断部208で条件を満たすと判断された場合には、乱数発生部210Bで発生した乱数に基づき前記2つの変換候補データの中から1つの変換候補データを変換データとして選択して出力し、前記条件判断部208で所定の条件を満たさないと判断された場合には、前記2つ変換候補データの中から修正された画素データの階調値により近い階調値をもつ変換候補データを変換データとして選択して出力する。
【0040】
具体的には、変換データ選択部210Aは乱数発生部210Bで発生した乱数値rと上記変換値g(z’)の選択確率Δzを比較して、Δzの値の方が大きければg(z’)が変換データとして出力され、Δzの値の方が小さければf(z’)が変換データとして出力する。
つまり、条件判断部208で条件を満たすと判断された場合は、g(z’)は選択確率Δzで選択され、f(z’)は選択確率1−Δzで選択されることになる。
【0041】
一方、条件判断部208で条件を満たさないと判断された場合は、Δzの値が0.5より大きいとき、つまり、画素データ修正部203の出力値に変換値g(z’)の方がより近いときには、Δzは「1.0」となっているので、全ての乱数rより大きくなるため、必ず画素データ修正部203の出力値に近い変換値g(z’)が変換値として出力される。反対に、変換値f(z’)の方が画素データ修正部203の出力値により近く、Δzの値が0.5より小さくなるときには、Δzは「0」となっているので、全ての乱数rより小さくなるため、必ず画素データ修正部203の出力値に近い変換値f(z’)が変換値として出力されることとなる。
【0042】
以上のような構成を有する画像処理装置の動作を以下に説明する。
この画像処理装置の動作は図20に示す画像処理装置の動作とほぼ同様であり、図23に示すフローチャートと同様の動作によって、画素データを走査して変換していく。図4、5に、本実施の形態の画像処理装置の、図23に示すフローチャートのs2304、s2307に対応する動作を表すフローチャートを示す。図4、5のフローチャートにおいて、図24、25のフローチャートと異なるのは、条件判断部208およびデータ変換修正部210が行う、乱数を利用して2つの変換値を選択するステップ(s407)である。 6は図4のs407および図5のs507の部分の詳細をフローチャートで表したものである。

【0043】
図4、図5に示すフローチャートは要部は同様なので、図4に示すフローチャートに基づいて本画像処理装置の動作を説明する。図4に示すフローチャートはx軸の正の方向に走査する場合を示している。最初に、最初の走査位置としてx軸の座標値を0とし(s401)、画像の幅分だけ以下の処理を行う(s402、s410)。まず、画素データ読み出し部202は画素データ格納部201に格納された二次元配列の画素データを読み出し、画素データ修正部203に伝達し、画素データ修正部203は座標(x、y)での画素データの輝度I(x、y)を変数zに代入する(s403)。一方、拡散誤差算出部204は誤差計算部211により算出された誤差変換値から式(2)を用いて拡散誤差Eを算出し画素データ修正部に出力する(s404)。それから、画素データ修正部203は変数zに拡散誤差Eを加えることによって、変数zに代入されている画素データの輝度I(x、y)の修正値z’を算出する(s405)。
【0044】
画素データ変換部205は図3に示す変換関数をもちいて、f(z’)、g(z’)を変換候補データとして算出し、信号線a1、a2を通してデータ変換修正部210へ出力する(s406)。データ変換修正部210は乱数を利用してf(z’)とg(z’)のいずれかを選択する(s407)。なお、s407の動作については後にさらに詳述する。そして、データ変換修正部210はs407によって選択した変換候補データを変換値zcとして端子Tより出力する(s408)。最後に、誤差計算部211は変換値zcと画素データ修正部203より出力される画素データの修正値z’との差をとり変換誤差e(x、y)として算出する。
【0045】
s407の動作を図6を用いてさらに詳述する。図6は図4のs407および図5のs507の動作を示すフローチャートである。まず、比較部206が画素データ変換部205によって算出される変換候補データf(z’)とg(z’)および画素データ修正部203から出力される画素データの修正値z’とから、”z’−f(z’)””g(z’)−f(z’)”をとり、選択確率計算部207は式(5)より選択確率Δzを算出する(s601)。次に、領域指定部209は変換対象の画素データが領域指定部209で指定された領域、ここでは図3(a)(b)に示す領域に含まれるという条件を、条件判断部208が判断する(s602)。ここで、条件判断部208により条件を満たすと判断された場合は、データ変換修正部210の変換データ選択部210Aは乱数発生部210Bが発生させた一様乱数rと前記選択確率Δzの大小を比較し、選択確率Δzが乱数r以下であれば、変換値zcとしてf(z’)を端子Tに出力し、選択確率Δzの方が乱数rよりも大きければ、変換値zcとしてg(z’)を端子Tに出力する(s604〜s606)。一方、s602で条件判断部208によって条件を満たさないと判断された場合には、前述した動作の結果、変換値候補データf(z’)、g(z’)の内、修正された画素データz’の値に近い方の値を変換値zcとして出力する(s607)。なお、この場合は、通常の誤差拡散法を実施した場合と同様の値が得られる。
【0046】
このような動作を行う本実施形態に係る画像処理装置および方法では、選択確率計算部207もしくは図6のs601による選択確率Δzの設定方法および一様乱数の性質より、乱数が使用される場合でも階調は確率的に保存される。例えば図27(a)のような対象画像が指定領域に含まれている場合において、図27(c)のように修正輝度が15となったならば、図22の変換関数より変換値が大きい方の変換値候補である40となる確率は0にはならない。即ち、図6のs601において計算される式(5)および乱数は一様に発生することより、g(z’)(大きい方の変換値候補)=40が変換値となる確率はΔzに等しく、(15−0)/(40−0)=0.375となる。また、修正輝度が15の点が3つ並んでいた場合に、どの点も0に変換される確率は、
【0047】
【数6】
Figure 0003779406
【0048】
であり、またどの点も40に変換される確率は、
【0049】
【数7】
Figure 0003779406
【0050】
であり、すべて0に変換されていた従来の誤差拡散法と比べて改善されていることが確認される。また、雑音付加型誤差拡散法と比べても、条件判断部208、および領域指定部209により、乱数の使用による確率過程を付加して画素データの階調値を変換する領域と、確率過程を付加しないで画素データの階調値を変換する領域を分けることができるので、不必要な部分に乱数の効果がかからなくなり、指定していない領域における画像のざらつき感をおさえることができる。
【0051】
以上のように本発明の第一の実施の形態による方法では、画像の全体的なざらつき感をおさえつつ、薄い線が消えてしまうという問題を改善することができる。
なお、上記画像処理装置は汎用コンピュータに上記構成および動作を実現させることできる当該コンピュータで作動するプログラムを格納することによって実現可能であり、かかるプログラムは上記コンピューターで読み出し可能なフロッピーディスク等の記録媒体に記録することができる。この点は以下の実施の形態においても同様である。
【0052】
(実施の形態2)
以下本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図7は本実施の形態に係る画像処理装置のブロック図である。かかる画像処理装置が実施の形態1に係る画像処理装置と異なるのは、領域指定部209がない点、条件判断部708の構成が実施の形態1に係るものと異なる点、および、これに伴い条件判断部708が拡散誤差算出部704からの出力値をも用いている点である。
【0053】
即ち、条件判断部708は、変換対象の画素データに対する拡散誤差算出部709で算出された拡散誤差Eの大きさが所定の値Emax 以下であるか否かを判断するように構成してある。この所定の値Emax は実験等によって最適の結果が出るように定められた値であって、ここでは、Emax =(g(I)−f(I))/3=40/3=13.3を用いるものとする。
【0054】
このような構成を有する画像処理装置において、以下その動作について説明する。かかる画像処理装置の動作において、実施の形態1に係る画像処理装置の動作と異なるのは、実施の形態1の動作を示すフローチャート図4、図5における乱数を利用して変換値候補データの中から変換値を選択するステップ(s407、s507)の具体的動作のみである。かかる動作を表すフローチャートを図8に示す。このフローチャートを用いて具体的な動作を説明すると、まず、比較手段706、選択確率計算部707が選択確率Δzを計算する(s801)。つぎに、条件判断部708は拡散誤差算出部704が算出した拡散誤差Eの値が所定の値Emax 以下か否かを判断する(s802)。
【0055】
後の動作は実施の形態1に係る画像処理装置と同様であり、s802において、条件判断部708により条件を満たすと判断された場合は、データ変換修正部710の変換データ選択部710Aは乱数発生部710Bが発生させた一様乱数rと前記選択確率Δzの大小を比較し、選択確率Δzが乱数r以下であれば、変換値zcとしてf(z’)を端子Tに出力し、選択確率Δzの方が乱数rよりも大きければ、変換値zcとしてg(z’)を端子Tに出力する(s804〜s806)。一方、s802で条件判断部708によって条件を見たさないと判断された場合には、f(z’)とg(z’)の内、修正された画素データz’の値に近い方を変換値zcとして出力する(s807)。
【0056】
さて本発明の第二の実施の形態でも本発明の第一の実施の形態と同じく、選択確率の設定方法および一様乱数の性質より、乱数が使用される場合であっても階調は確率的に保存される。また、拡散誤差Eの値が小さな場合に乱数を用いた確率過程を付加して画素データを変換するようにしたので、変換誤差が小さく誤差拡散法による誤差の拡散が適切に働かない場合に、画素データの変換を分散させることができるので、薄い線が消えるといる問題点を改善することができる。また、拡散誤差の小さな場合のみ確率過程を付加して画素データを変換し、拡散誤差の大きな場合には確率過程を付加することがないので、変換誤差の大きなところではいわゆる雑音が付加されないので、雑音付加型誤差拡散法と比べて、画像のざらつき感をおさえることができる。また本発明の第二の実施の形態の方法では、第一の実施の形態のように、変換する画像ごとに予め領域を指定しておく必要もない。
【0057】
以上のように本発明の第二の実施の形態による方法でも、画像の全体的なざらつき感をおさえつつ、薄い線が消えてしまうという問題を改善することができる。
(実施の形態3)
以下、本発明の第3の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0058】
図は本実施の形態に係る画像処理装置のブロック図である。かかる画像処理装置が実施の形態1に係る画像処理装置と異なるのは、判断値算出部912を設けている点、領域指定部209がない点、条件判断部908の構成が実施の形態1に係るものと異なる点、および、これに伴い条件判断部908が拡散誤差算出部904の出力値をも用いている点である。
【0059】
判断値算出部912は、実施の形態2におけるEmax に当たる評価値Cを変換対象画素ごとに算出する部分であり、変換対象である画素データおよび、この画素データの周囲の画素データの内の少なくとも1つから所定の演算式によって当該値を算出する。具体的にここでは、図10に示すラプラシアン行列を用いて、変換対象の画素データおよび周囲の画素データから以下の式、
【0060】
【数8】
Figure 0003779406
【0061】
および、式
【0062】
【数9】
Figure 0003779406
【0063】
より評価値Cを計算する。なお、a、bは実験等によって最適の結果をもたらすものとして定められる定数である。なお、ここでは後述するように画像の輪郭を抽出するためにラプラシアンを用いているが、これを二次元のパワスペクトルに基づく演算式に変更しても、同様の結果を得ることができるのは自明である。また平均値や中央値フィルタによる結果を利用しても、同等の効果が得られる。
【0064】
また、条件判断部908は、変換対象の画素データに対する拡散誤差算出部904で算出された拡散誤差Eの大きさが、前記判断値算出部912で算出された評価値C以下であるか否かを判断するように構成してある。
このような構成を有する画像処理装置において、以下その動作について説明する。かかる画像処理装置の動作において、実施の形態1に係る画像処理装置の動作と異なるのは、実施の形態2と同様、実施の形態1の動作を示すフローチャート図4、図5における乱数を利用して変換値候補データの中から変換値を選択するステップ(s407、s507)の具体的動作のみである。かかる動作を表すフローチャートを図11に示す。このフローチャートを用いて具体的な動作を説明すると、まず、比較手段906、選択確率計算部907が選択確率Δzを計算する(s1101)。つぎに、判断値算出部912が画素データ読み出し部902が読み出した、変換対象の画素データおよびこの画素の周囲の画素データより上記式(7)(8)より評価値Cを算出する(s1102、s1103)。それから、条件判断部908は拡散誤差算出部904が算出した拡散誤差Eの値が評価値C以下か否かを判断する(s1104)。
【0065】
後の動作は実施の形態1に係る画像処理装置と同様であり、s1104において、条件判断部908により条件を満たすと判断された場合は、データ変換修正部910の変換データ選択部910Aは乱数発生部910Bが発生させた一様乱数rと前記選択確率Δzの大小を比較し、選択確率Δzが乱数r以下であれば、変換値zcとしてf(z’)を端子Tに出力し、選択確率Δzの方が乱数rよりも大きければ、変換値zcとしてg(z’)を端子Tに出力する(s1106〜s1108)。一方、s1104で条件判断部908によって条件を満たさないと判断された場合には、f(z’)とg(z’)の内、修正された画素データz’の値に近い方を変換値zcとして出力する(s1109)。
【0066】
本発明の第3の実施の形態でも本発明の第1および第2の実施の形態と同じく、選択確率の設定方法および一様乱数の性質より、乱数が使用される場合でも階調は確率的に保存される。また、本実施の形態では、拡散誤差がラプラシアンを元にした評価値C以下の場合に限り画素データの階調値を確率過程を付加して変換している。ラプラシアンは一種の高域強調フィルタであるので、画像に関しては、文字や線、顔の輪郭などに選択的に反応し、絶対値が大きな値を出力する。したがって、本実施の形態に係る画像処理装置では階調のなだらかな部分に関しては、評価値Cの値が小さくなり、結果として、ざらつきを抑制するために通常の誤差拡散法が優先され、線や文字に対しては、評価値Cの値が大きくなり、結果として、これを正しく変換するように確率過程が変換において付加される。従って、薄い線に関する問題点が改善されるだけでなく、変換画像のざらつきも減少させることができる。後述するように実験では雑音付加型誤差拡散法はもちろんのこと、さらに第2の実施の形態に比べても、画像のざらつき感をおさえることができた。
【0067】
以上のように本発明の第三の実施の形態による方法でも、画像の全体的なざらつき感をおさえつつ、薄い線が消えてしまうという問題を改善することができる。
なお、実施の形態2および3では条件判断部708、908は誤差拡散係数の値の大小を判断するようにしているが、これは、誤差計算部711、911で算出される変換誤差eを用いることができる。即ち、変換対象の画素データの周囲における変換済みの画素の変換誤差eの少なくとも1つ、もしくは、これらから所定の演算式によって算出される値の大小を判断するようにしてもよい。この場合は、実施の形態2におけるEmax の値や実施の形態3における式(8)のa、bの値を適切なものに変更すれば足りる。
【0068】
また、上記各実施例では変換値候補を2つだけとしているが、これは2つに限られず、複数の変換値候補を算出して選択するようにしてもよい。
さらに、上記各実施の形態では、データ変換修正部210等は一様乱数を用いているが、各変換値の各々のうち、二つ以上の変換値が0でない選択確率をもつのであるならば、ガウス乱数等、任意の分布をもつ乱数を採用することができ、また乱数発生がぞれぞれ独立である必要がないことも自明である。
【0069】
そして、上記各実施の形態では、画素データ変換部205等による変換に、確率過程による修正を加えるということを、画素データの階調値変換後の2つ変換値候補を乱数を用いて選択することで実現しているが、これは、図30に示す従来の雑音付加型の画像処理装置と同様に、画素データ変換部205等に入力される前の画素データに雑音を付加する等の方法で実現してもよい。この場合は、条件判断部208等の判断結果により、画素データ変換部205等に入力される前の画素データに雑音を付加するか否かが定められることになる。
【0070】
また、上記画像処理装置はRGBの各値に対して階調変換する場合にも用いることができ、色彩のある画像に対しても適用できることは言うまでもない。
次に、従来技術の画像処理装置による階調変換と本発明の各実施の形態に係る画像処理装置による階調変換の比較結果を以下に示す。
まず、モアレの発生やざらつき感の相違について比較するため、図12に示すような、I(x、y) = x/2 で表される輝度分布をもつ、縦90ドット、横512ドットの画像を、図13に示すような変換関数を用いて二値化変換処理を行った。図14に従来の画像処理装置によって二値化変換処理を行った結果を示し、図15に本発明の画像処理装置によって二値化変換処理を行った結果を示す。詳しく説明すると、図14(a)は、図20に示す従来の誤差拡散法を用いた画像処理装置で変換したもの、図14(b)は図31(b)に示す重み付け係数関数を用いて、輝度に関係なく、階段関数のステップと同程度の100%の雑音を付加するように設定された、図30に示す従来の雑音付加型誤差拡散法を用いた画像データ処理装置で変換したもの、図14(c)は図31(c)に示す重み付け係数関数を用いて、輝度に関係なく、階段関数のステップ比で10%の雑音を付加するように設定された、図30に示す従来の雑音付加型誤差拡散法を用いた画像変換装置で変換したものである。一方、図15(a)は実施の形態1に係る画像処理装置により変換したものであり、図15(b)は実施の形態2に係る画像処理装置により変換したものであり、図15(c)は実施の形態3に係る画像処理装置により変換したものである。なお、図15(a)では、矩形の下辺側のijklで囲まれた矩形領域が領域指定部209により指定される指定領域である。また、図15(b)ではEmax の値は(g(I)−f(I))/3=85としてあり、図15(c)ではaの値は0.5、bの値は20としてある。
【0071】
図14を観察すると、図14(a)ではモアレが目立ち、図14(b)ではざらつきが目立つ。図14(c)がこの中では比較的良好であるが、やはり、モアレが認められる。
さらに、図15を観察すると、図15(a)では、領域指定部209により指定される矩形領域ijklの部分で、表示されているパターンが変化しており、矩形領域ijkl内ではモアレがなくなっていることが確認できる。図15(b)では、条件判断部708およびデータ変換修正部710の効果により、原理的には同程度の雑音がかかっている図14(b)の結果に比較して、ざらつき感が減少していることが確認でき、また、モアレの生成も抑えられている。さらに、図15(c)では、判断値算出部912、条件判断部908、データ変換修正部910の効果により、原理的には同程度の雑音がかかっている図14(b)とはもちろんのこと、図15(b)に比較してもさらにざらつき感が減少し、図27(c)の結果に近くなっている。そして、モアレの生成は図14(c)よりもさらに抑えられていることがわかる。
【0072】
次に、薄い線分が消える度合を比較するために、図16に示すように、x軸方向に輝度が64の薄い直線が16本引かれている縦横256ドットの画像データを、前記と同様にして二値化変換処理を行った。
図17に従来の画像処理装置によって二値化変換処理を行った結果を示し、図18に本発明の画像処理装置によって二値化変換処理を行った結果を示す。図17(a)、図17(b)、図17(c)はそれぞれ図14(a)、図14(b)、図14(c)で用いた画像データ処理装置で変換したものを示し、図18(a)、図18(b)、図18(c)はそれぞれ、実施の形態1、2、3に係る画像処理装置により変換したものである。なお、図18(a)では、中央のijklで囲まれた矩形領域が領域指定部209により指定される指定領域である。
【0073】
図17を観察すると、100%の雑音を付加した図17(b)を除いて、図17(a)も図17(c)も線が消えて16本の線が8本になってしまっている。
一方、図18を観察すると、図18(a)では指定領域である矩形領域ijkl内部では、乱数による選択操作が行われた結果、線が消えることなく正しく表示されていることが確認できる。図18(b)および図18(c)では、線が消えることなく正しく表示され、16本の線がすべて確認できる。
【0074】
最後に、線が表示されないことによる表示階調の影響を確認するために、図19(a)に示すような階調値が上方から下方に向かって小さな値から徐々に大きな値となるような原画像を上記と同様にして二値化変換処理を行った。図19(b)が図14(c)および図17(c)と同じ10%の雑音を付加するように設定された、従来の雑音付加型誤差拡散法による画像処理装置で変換したものであり、図19(c)は本発明の実施の形態3に係る画像処理装置により変換したものである。図19(b)、図19(c)をそれぞれ観察すると、原画像では階調が15から255の水平線が順に描画されているが、図19(b)では変換像の輝度63の線と輝度79の線の階調が逆転している。これは輝度15から48の線が描画されないことで蓄積された変換誤差が輝度63の線の輝度値を異常に高くするように作用したした結果として生じたものである。一方図19(c)の本発明の第三の実施の形態ではこのような階調の逆転現象は起きず、それぞれの輝度が正しく再現されていることが確認できる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、画素データ読み出し手段と、画素データ変換手段と、条件判断手段と、乱数発生手段と、変換データ選択手段と、誤差計算手段と、拡散誤差計算手段と、画素データ修正手段よりなる画像処理装置であって、画素データ読み出し手段は、画素データを読み出し、拡散誤差計算手段は、誤差計算手段が算出した変換誤差から所定の演算式に基づいて拡散誤差を算出し、画素データ修正手段は、算出された拡散誤差を付加することによって、画素データ読み出し手段が読み出す変換対象の画素データの階調値を修正し、画素データ変換手段は、修正された画素データの階調値を所定の2以上の関数に基づき変換し、変換候補データとして各関数ごとに出力し、条件判断手段は、変換対象の画素データが所定の条件を満たすか否かを判断し、乱数発生手段は乱数を発生させ、変換データ選択手段は、前記条件判断手段で所定の条件を満たすと判断された場合には、前記乱数発生手段で発生した乱数に基づき前記変換候補データの中から1つの変換候補データを変換データとして選択して出力し、前記条件判断手段で所定の条件を満たさないと判断された場合には、前記変換候補データの中から修正された画素データの階調値により近い階調値をもつ変換候補データを変換データとして選択して出力し、誤差計算手段は、変換データ選択手段より出力された変換データの階調値と、画素データ修正手段によって修正された画素データの階調値との変換誤差を計算して出力する。
【0079】
このような動作によって、条件判断手段が判断する、変換対象の画素データに関する条件に応じて、画素データ変換候補が出力した2以上の変換候補データから、乱数によって変換データを選択するか、変換前の修正された画素データの階調値により近い階調値をもつ変換データを選択するか2通りの動作を行わせることができるので、条件の設定によって、モアレの発生や線の消滅を防ぐべき画素に対しては乱数によって変換データを選択するようにすることで、これらの不都合を防止することができ、それ以外の画素に対しては、通常の誤差拡散法による階調値の変換がなされることになるのでざらつき感を抑えることができる。また、上記のような構成とすることにより、雑音を付加することで確率過程による修正を加える装置に比較して、雑音を発生させる部分をなくすことができるので、構成を簡単にすることができる。
【0080】
そして、上記画像処理装置において、さらに処理対象画像中の領域を指定する領域指定手段を設け、前記条件判断手段が判断する条件が変換対象の画素データが前記領域指定手段で指定した領域内に含まれるという条件であるようにすれば、確率過程による修正を加える変換を行う画素データを、対象画像の任意の領域を設定することで指定することができるので、画像の中の薄い文字等だけ確率過程による修正の効果を及ぼすことで当該文字が消えることを防ぐことができ、一方で画像の全体的なざらつき感をおさえることも可能となる。
【0081】
さらに、上記条件判断手段が判断する条件が、前記拡散誤差算出手段で算出した拡散誤差が所定の値以下であるという条件としたり、条件判断手段が判断する条件が、前記拡散誤差算出手段で算出した拡散誤差が所定の値以下であるという条件とすれば、変換対象である画素近傍の変換誤差が小さく、誤差拡散法による効果が得られ難い部分については、変換に確率過程による修正を加えることによって、誤差の拡散を適切に行わせることができ、また、変換誤差が大きく誤差拡散法による効果が適切に得られる部分に関しては、確率過程による修正を加えないのでざらつき感を抑えることができるようになる。
【0082】
さらに上記の所定の値を変換対象の画素データおよび当該画素データの周囲の画素データの内の少なくとも1つから所定の演算式によって算出する判断値算出手段を設けることによって、変換する画素データおよび周囲の状況に応じて変換誤差や拡散誤差に対する閾値を変えることができるようになるので、例えば階調の変化率の大きな部分については閾値を大きくするような演算式を用いることによって、線の存在する所等では階調の変化率が大きくなるので閾値が大きくなり、結果として、このような部分では変換に確率過程による修正が加えられ、線分が消えることを防ぐことが可能となる一方、階調変化率の小さなところでは閾値が小さくなり確率過程による修正は加えられないので、ざらつき感が抑えられることになる。
【0083】
また、本願発明に係る画像処理方法では、画素データ呼び出しステップが画素データを呼び出し、条件判断ステップが呼び出した画素データが所定の条件を満たすか否かを判断する。そして、確率データ変換ステップでは画素データが所定の条件を満たすと判断された場合には、当該画素データの階調を確率過程による修正を加えて変換し、非確率データ変換ステップでは画素データが所定の条件を満たさないと判断された場合には、当該画素データの階調を確率過程による修正を加えずに変換する。
【0084】
このような動作により、条件判断ステップで判断する条件に応じて、変換する画素データに確率過程による修正を加えたり、加えなかったりすることができるので、条件の設定により、確率過程による変換の修正によってモアレの発生や線の消滅を防ぐことができ、また、必要でない部分には確率過程による変換の修正を加えないことで画像全体としてざらつき感を抑えることができる。
【0085】
また、上記確率データ変換ステップおよび非確率データ変換ステップで、誤差拡散法を用いて画素データの階調を変更するようにすれば、変換精度を向上させることができる。
さらに、上記条件判断ステップが判断する所定の条件を、前記画素データが予め定められた画像領域に存するという条件とすると、確率過程を用いて変換すべき画像領域をそうでない画像領域を定めることで、モアレや線の消去を防ぐとともに、画像全体のざらつき感を抑えることができる。
【0086】
それから、上記画像処理装置において、さらに前記画素データ呼び出しステップで呼び出した画素データの階調値もしくはこれに準じる値と、前記確率データ変換ステップまたは非確率データ変換ステップによる変換後の画素データの階調値を変換誤差として計算する変換誤差算出ステップを設け、前記条件判断ステップが判断する所定の条件を、前記変換誤差算出ステップで算出した変換誤差が所定の値以下であるという条件とすると、変換対象である画素近傍の変換誤差の大小に応じて、適切にモアレや線の消滅、ざらつき感の発生を防ぐことができる。
【0087】
また、上記条件判断ステップが判断する所定の条件を、前記誤差拡散法における拡散誤差の値が所定の値以下であるという条件にすると、誤差拡散法の効果の現れ難い拡散誤差の小さな画素データに対する変換に確率過程による修正を加え、誤差拡散法が適切に作用する拡散誤差の大きな画素データの変換に関しては通常の誤差拡散法による変換を行うので、誤差拡散法や単なる雑音付加型誤差拡散法に比較して優れた階調値変換が可能となる。
【0088】
そして、上記所定の値を、変換対象たる前記画素データおよび当該画素データの周囲の画素データの少なくとも1つから所定の演算により算出された値であるとすると、変換対象の周囲の画素データの状態に応じて、変換誤差や拡散誤差に対する閾値を変更していくことができるのでよりきめの細かい階調変換の修正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る画像処理装置のハードウエア構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は実施の形態1におけるの領域指定部で指定する画像領域を指定する図であり、(b)は領域指定部に格納されるデータを示す図である。
【図4】実施の形態に係る画像処理装置のxの正方向に変換処理をする動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態に係る画像処理装置のxの負方向に変換処理をする動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係る画像処理装置の変換候補の選択処理を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2に係る画像処理装置の変換候補の選択処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】二次元のラプラシアン行列を表す図である。
【図11】実施の形態3に係る画像処理装置の変換候補の選択処理を示すフローチャートである。
【図12】図14および図15の変換結果に対する原画像の輝度分布を示す図である。
【図13】実施の形態のおける実験で使用した2値変換用の階段関数を示す図である。
【図14】従来の画像処理装置で図12に示す輝度分布を持つ原画像を変換した結果を示す図であって、(a)は従来の誤差拡散法を用いた画像処理装置で変換した結果を示す図であり、(b)は10%の雑音を付加した、従来の雑音付加型の誤差拡散法を用いた画像処理装置で変換した結果を示す図であり、(c)は100%の雑音を付加した、従来の雑音付加型の誤差拡散法を用いた画像処理装置で変換した結果を示す図である。
【図15】各実施の形態に係る画像処理装置で図12に示す輝度分布を持つ原画像を変換した結果を示す図であって、(a)は実施の形態1に係る画像処理装置で変換した結果を示す図であり、(b)は実施の形態2に係る画像処理装置で画像を変換した結果を示す図であり、(c)は実施の形態3に係る画像処理装置で変換した結果を示す図である。
【図16】図17および図18の変換結果に対する原画像の輝度分布を示す図である。
【図17】従来の画像処理装置で図16に示す輝度分布を持つ原画像を変換した結果を示す図であって、(a)は従来の誤差拡散法を用いた画像処理装置で変換した結果を示す図であり、(b)は10%の雑音を付加した、従来の雑音付加型の誤差拡散法を用いた画像処理装置で変換した結果を示す図であり、(c)は100%の雑音を付加した、従来の雑音付加型の誤差拡散法を用いた画像処理装置で変換した結果を示す図である。
【図18】各実施の形態に係る画像処理装置で図16に示す輝度分布を持つ原画像を変換した結果を示す図であって、(a)は実施の形態1に係る画像処理装置で変換した結果を示す図であり、(b)は実施の形態2に係る画像処理装置で画像を変換した結果を示す図であり、(c)は実施の形態3に係る画像処理装置で変換した結果を示す図である。
【図19】(a)は輝度が異なる水平線を含む原画像の輝度分布を示す図であり、(b)は10の雑音を付加した、従来の雑音付加型の誤差拡散法を用いた画像処理装置で(a)に示す輝度分布を持つ原画像を変換したものである。(c)は本発明の第三の実施の形態に係る画像処理装置で(a)に示す輝度分布を持つ原画像を変換したものである。
【図20】従来の誤差拡散法を用いた画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図21】誤差拡散法に用いる拡散係数および拡散係数による処理の一例を示す説明図である。
【図22】減色変換用の階段関数を表す図である。
【図23】一般的な誤差拡散法の処理方向を示すフローチャートである。
【図24】従来の誤差拡散法を用いた画像処理装置のxの正方向に変換処理をする動作を示すフローチャートである。
【図25】従来の誤差拡散法を用いた画像処理装置のxの負方向に変換処理をする動作を示すフローチャートである。
【図26】誤差拡散法の処理の詳細を示す、説明図であって、(a)は変換処理の処理方向を表す図であり、(b)は使用する拡散係数を表す図であり、(c)は原画像の輝度を表す図であり、(d)は変換位置までの処理における、変換誤差を表した図であり、(e)は原画像の輝度が修正された状態を表した図であり、(f)は変換画像の輝度を表した図であり、(g)は変換処理の結果、更新された変換誤差を表した図である。
【図27】誤差拡散法の処理において変換方向の線分が消える過程を示す説明図であって、(a)は原画像の輝度を表す図であり、(b)は変換位置までの処理における、変換誤差を表した図であり、(c)は原画像の輝度が修正された状態を表した図であり、(d)は変換画像の輝度を表した図であり、(e)は変換処理の結果、更新された変換誤差を表した図であり、(f)は(e)の変換誤差により、原画像の輝度が修正された状態を表した図であり、(g)は(f)で変更された輝度により変換された、変換画像の輝度を表した図であり、(h)は二回目の変換処理により、更新された変換誤差を表した図であり、(i)は(f)、(g)、(h)が繰り返された結果、変換された変換画像の輝度を表す図であり、(j)は(i)と同様に、(f)、(g)、(h)が繰り返された結果、更新された変換誤差誤を表した図である。
【図28】 Floyd型の拡散係数を示す図である。
【図29】 Floyd型の拡散係数で誤差拡散法の処理を行った場合に変換方向の線分が消える過程を示す説明図であって、(a)は原画像の輝度を表す図であり、(b)は変換位置までの処理における、変換誤差を表した図であり、(c)は原画像の輝度が修正された状態を表した図であり、(d)は変換画像の輝度を表した図であり、(e)は変換処理の結果、更新された変換誤差を表した図である。
【図30】従来の雑音付加型の誤差拡散法を用いた画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図31】従来の雑音付加型の誤差拡散法による画像処理装置に使用される重み係数関数の例を表す図であって、(a)は中輝度で100%の雑音を付加する重み係数関数を示す図であり、(b)は輝度にかかわりなく100%の雑音を付加する重み係数関数を示す図であり、(c)は輝度にかかわりなく10%の雑音を付加する重み係数関数を示す図である。
【図32】従来の雑音付加型の誤差拡散法を用いた画像処理装置のxの正方向に変換処理をする動作を示すフローチャートである。
【図33】従来の誤差拡散法を用いた画像処理装置のxの負方向に変換処理をする動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101 CPU
102 メインメモリ
103 I/Oコントローラ
104 ディスプレイコントローラ
105 CRT
106 キーボード
107 マウス
108 ディスク
109 バス
201、701、901 画素データ格納部
202、702、902 画素データ読み出し部
203、703、903 画素データ修正部
204、704、904 拡散誤差算出部
205、705、905 画素データ変換部
206、706、906 比較部
207、707、907 選択確率計算部
208、708、908 条件判断部
209 領域指定部
210、710、910 データ変換修正部
210A、710A、910A 変換データ選択部
210B、710B、910B 乱数発生部
211、711、911 誤差計算部
912 判断値算出部

Claims (12)

  1. 画素データ読み出し手段と、画素データ変換手段と、条件判断手段と、乱数発生手段と、変換データ選択手段と、誤差計算手段と、拡散誤差計算手段と、画素データ修正手段よりなる画像処理装置であって、
    画素データ読み出し手段は、画素データを読み出し、
    拡散誤差計算手段は、誤差計算手段が算出した変換誤差から所定の演算式に基づいて拡散誤差を算出し、
    画素データ修正手段は、算出された拡散誤差を付加することによって、画素データ読み出し手段が読み出す変換対象の画素データの階調値を修正し、
    画素データ変換手段は、修正された画素データの階調値を所定の2以上の関数に基づき変換し、変換候補データとして各関数ごとに出力し、
    条件判断手段は、変換対象の画素データが所定の条件を満たすか否かを判断し、
    乱数発生手段は乱数を発生させ、
    変換データ選択手段は、前記条件判断手段で所定の条件を満たすと判断された場合には、前記乱数発生手段で発生した乱数に基づき前記変換候補データの中から1つの変換候補データを変換データとして選択して出力し、
    前記条件判断手段で所定の条件を満たさないと判断された場合には、前記変換候補データの中から修正された画素データの階調値により近い階調値をもつ変換候補データを変換データとして選択して出力し、
    誤差計算手段は、変換データ選択手段より出力された変換データの階調値と、画素データ修正手段によって修正された画素データの階調値との変換誤差を計算して出力する画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置において、
    さらに、処理対象画像中の領域を指定する領域指定手段を設け、
    前記条件判断手段が判断する条件が変換対象の画素データが前記領域指定手段で指定した領域内に含まれるという条件である、画像処理装置。
  3. 前記条件判断手段が判断する条件が、前記誤差計算手段で算出した変換誤差が所定の値以下であるという条件である請求項記載の画像処理装置。
  4. 前記条件判断手段が判断する条件が、前記拡散誤差算出手段で算出した拡散誤差が所定の値以下であるという条件である請求項記載の画像処理装置。
  5. 請求項記載の画像処理装置において、さらに前記所定の値を変換対象の画素データおよび当該画素データの周囲の画素データの内の少なくとも1つから所定の演算式によって算出する判断値算出手段を設けた画像処理装置。
  6. 請求項4記載の画像処理装置において、さらに前記所定の値を変換対象の画素データおよび当該画素データの周囲の画素データの内の少なくとも1つから所定の演算式によって算出する判断値算出手段を設けた画像処理装置。
  7. 画像処理装置の 画素データ読み出しステップと、画素データ変換ステップと、条件判断ステップと、乱数発生ステップと、変換データ選択ステップと、誤差計算ステップと、拡散誤差計算ステップと、画素データ修正ステップとを有する画像処理方法であって、
    画素データ読み出しステップは、画素データを読み出し、
    拡散誤差計算ステップは、誤差計算ステップが算出した変換誤差から所定の演算式に基づいて拡散誤差を算出し、
    画素データ修正ステップは、算出された拡散誤差を付加することによって、画素データ読み出しステップが読み出す変換対象の画素データの階調値を修正し、
    画素データ変換ステップは、修正された画素データの階調値を所定の2以上の関数に基づき変換し、変換候補データとして各関数ごとに出力し、
    条件判断ステップは、変換対象の画素データが所定の条件を満たすか否かを判断し、
    乱数発生ステップは、乱数を発生させ、
    変換データ選択ステップは、前記条件判断ステップで所定の条件を満たすと判断された 場合には、前記乱数発生ステップで発生した乱数に基づき前記変換候補データの中から1つの変換候補データを変換データとして選択して出力し、
    前記条件判断ステップで所定の条件を満たさないと判断された場合には、前記変換候補データの中から修正された画素データの階調値により近い階調値をもつ変換候補データを変換データとして選択して出力し、
    誤差計算ステップは、変換データ選択ステップにより出力された変換データの階調値と、画素データ修正ステップによって修正された画素データの階調値との変換誤差を計算して出力することを実行する画像処理方法。
  8. 請求項7記載の画像処理方法において、さらに、
    処理対象画像中の領域を指定する領域指定ステップを含み、
    前記条件判断ステップが判断する条件が変換対象の画素データが前記領域指定ステップで指定した領域内に含まれるという条件である、画像処理方法。
  9. 前記条件判断ステップが判断する条件が、前記誤差計算ステップで算出した変換誤差が所定の値以下であるという条件である請求項7記載の画像処理方法。
  10. 前記条件判断ステップが判断する条件が、前記拡散誤差算出ステップで算出した拡散誤差が所定の値以下であるという条件である請求項7記載の画像処理方法。
  11. 請求項9記載の画像処理方法において、さらに前記所定の値を変換対象の画素データおよび当該画素データの周囲の画素データの内の少なくとも1つから所定の演算式によって算出する判断値算出ステップを含む画像処理方法。
  12. 請求項10記載の画像処理方法において、さらに前記所定の値を変換対象の画素データおよび当該画素データの周囲の画素データの内の少なくとも1つから所定の演算式によって算出する判断値算出ステップを含む画像処理方法。
JP32615196A 1996-11-20 1996-11-20 画像処理装置および画像処理方法 Expired - Fee Related JP3779406B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32615196A JP3779406B2 (ja) 1996-11-20 1996-11-20 画像処理装置および画像処理方法
US08/975,851 US6134351A (en) 1996-11-20 1997-11-20 Image processing device performing the conversion of gradation value by means of error diffusion method
EP97309371A EP0844783B1 (en) 1996-11-20 1997-11-20 Image processing device performing the conversion of gradation values by means of error diffusion method
DE69727365T DE69727365T2 (de) 1996-11-20 1997-11-20 Bildverarbeitungsvorrichtung zur Umwandlung von Gradationswerten mittels des Verfahrens der Fehlerdiffusion

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32615196A JP3779406B2 (ja) 1996-11-20 1996-11-20 画像処理装置および画像処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10155086A JPH10155086A (ja) 1998-06-09
JP3779406B2 true JP3779406B2 (ja) 2006-05-31

Family

ID=18184629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32615196A Expired - Fee Related JP3779406B2 (ja) 1996-11-20 1996-11-20 画像処理装置および画像処理方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6134351A (ja)
EP (1) EP0844783B1 (ja)
JP (1) JP3779406B2 (ja)
DE (1) DE69727365T2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001136402A (ja) * 1999-11-10 2001-05-18 Minolta Co Ltd 色変換装置
US6452247B1 (en) 1999-11-23 2002-09-17 Intel Corporation Inductor for integrated circuit
JP2002156962A (ja) * 2000-11-21 2002-05-31 Fuji Photo Film Co Ltd 画像表示方法及び装置
JP3945976B2 (ja) * 2000-11-21 2007-07-18 富士フイルム株式会社 画像表示方法及び装置
US20030206662A1 (en) * 2002-05-03 2003-11-06 Avinash Gopal B. Method and apparatus for improving perceived digital image quality
JP2003338928A (ja) * 2002-05-21 2003-11-28 Nec Corp 画像信号の誤差拡散処理回路
CN100501813C (zh) * 2003-12-26 2009-06-17 松下电器产业株式会社 图像信号处理装置以及图像信号处理方法
KR100646293B1 (ko) * 2004-04-14 2006-11-23 엘지전자 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널의 화상처리 방법
TWI317106B (en) * 2006-08-04 2009-11-11 Primax Electronics Ltd Image processing method and device
CN112233614B (zh) * 2020-11-03 2021-09-17 卡莱特云科技股份有限公司 图像摩尔纹消除方法、装置及led显示屏校正方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4734770A (en) * 1986-03-13 1988-03-29 Hitachi, Ltd. Image data processing method and device therefor
US4955065A (en) * 1987-03-17 1990-09-04 Digital Equipment Corporation System for producing dithered images from continuous-tone image data
JPH0360576A (ja) * 1989-07-28 1991-03-15 Minolta Camera Co Ltd 2値化処理装置
JPH03187677A (ja) * 1989-12-18 1991-08-15 Canon Inc 画像処理装置
JP3011464B2 (ja) * 1991-02-25 2000-02-21 沖電気工業株式会社 画像処理方法
JPH06152947A (ja) * 1992-11-12 1994-05-31 Oki Electric Ind Co Ltd 画像処理装置
JP3437226B2 (ja) * 1993-10-20 2003-08-18 キヤノン株式会社 画像処理方法及び装置
JP3603906B2 (ja) * 1994-04-15 2004-12-22 富士写真フイルム株式会社 画像信号2値化処理装置および方法
US5745660A (en) * 1995-04-26 1998-04-28 Polaroid Corporation Image rendering system and method for generating stochastic threshold arrays for use therewith
WO1996037785A1 (en) * 1995-05-23 1996-11-28 Philips Electronics N.V. Image quality improvement on raster display
US5838462A (en) * 1996-04-01 1998-11-17 Xerox Corporation Hybrid imaging system
US5859955A (en) * 1997-01-21 1999-01-12 Xerox Corporation Stochastically clustered dot halftoning system

Also Published As

Publication number Publication date
EP0844783B1 (en) 2004-01-28
JPH10155086A (ja) 1998-06-09
US6134351A (en) 2000-10-17
DE69727365D1 (de) 2004-03-04
DE69727365T2 (de) 2004-07-01
EP0844783A3 (en) 2000-10-04
EP0844783A2 (en) 1998-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0173456B1 (ko) 디더 처리방법
JP2997423B2 (ja) 確率ディザリングを最小密度分散と共に使用するハーフトーン化方法
US6373990B1 (en) Image processing utilizing luminance-density conversion
JPH0630244A (ja) 2値画像ビットマップの予備補償方法
JP4121631B2 (ja) 画像データ処理システム及び画像データ処理方法
JPH05308515A (ja) 画像中のピクセル値を量子化する方法
JP3779406B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JPH11239275A (ja) 画像処理方法および装置
JP5013805B2 (ja) プロセッサ読取可能記憶媒体
US6025930A (en) Multicell clustered mask with blue noise adjustments
US7081972B2 (en) Image processing apparatus and image processing method
JP3119150B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
US6628427B1 (en) Method and apparatus for image processing which improves performance of gray scale image transformation
JP2003069819A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JPH0998290A (ja) 画像記録装置及び画像記録方法
JP3581460B2 (ja) 画像処理方法とその装置
JP2006074809A (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP4280473B2 (ja) 画像処理装置および方法
JP2004048194A (ja) 画像処理装置及び方法
JP4587153B2 (ja) 画像処理装置及び方法
JP3431779B2 (ja) 閾値マトリックス誤差拡散法による2値化方法およびコンピュータシステム
JP2001086368A (ja) 画像処理装置
JP2003116014A (ja) 画像処理装置及び方法及びコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体
JP3708191B2 (ja) 画像処理装置
JPH10136205A (ja) 画像処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees