JP3581460B2 - 画像処理方法とその装置 - Google Patents
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- G06T3/00—Geometric image transformation in the plane of the image
- G06T3/40—Scaling the whole image or part thereof
- G06T3/403—Edge-driven scaling
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法とその装置、特に、低解像度で多階調の画像情報を2値化する処理方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、入力した低解像の多階調情報を高解像情報の2値情報に変換する方法として、様々な方法が提案されている。
最も、一般的なのは、濃度パターン法と呼ばれるもので、入力した1画素の階調情報を、2値化した場合の”1”になる画素の数によって所定の領域で階調を表現する方法である。
【0003】
この方法では、画素数が増加するために、画像サイズが大きくなり、入力解像度と異なる出力解像度を実現できる。しかし、この方法では、複数の画素を1画素の階調性を向上させるために用いているだけで、実際の解像性が向上するわけではない。
そこで、この濃度パターン法を改良して、解像性を向上させようとする提案が古くよりなされてきた。
【0004】
そのうち主な方法として、ディザ法で用いられている方法と同様に、濃度パターンに対する変換パターンを適応的に切り替える方法がある。例えば、平坦部では、”1”となる画素を中央から埋めていく、いわゆる集中型のパターンを用い、エッジ部では、解像性を向上させるために”1”となる画素を散らせて配置させる、いわゆる分散型のパターンを用いる方法などがある。
【0005】
また、濃度パターン法とは異なるが、エッジ部での拡大、及び2値化処理では、USP4355337にて提案されているように、隣接画素の情報から、”1”となる画素をうまく配置させて、スムーズなジャギーのないエッジを作成する方法や、USP4742399にて提案されているように、LUTを用いて隣接画素の状態から斜線等が滑らかになるように設定する方法がある。
【0006】
また、濃度パターンを用いない方法では、多階調の情報のまま、何らかの方法で解像度変換した後に、ディザ法や誤差拡散法などの拡大処理を伴わない等倍の擬似中間調処理を施す方法が一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例では、以下に示す欠点があった。
まず、濃度パターン法でのパターンの適応型での目的は、濃度パターンによる擬似中間調処理時でのサブマトリクスを利用したときに生じる情報の損失を救う目的のものであり、もともとの低解像の情報から、なんら解像性が向上するものではない。
【0008】
例えば、入力した低解像度の画像中に斜線があったとしても、この方法では高解像度でジャギーのない斜線の作成は望めない。サブマトリクスを利用した時に、階調性と解像性が背反条件になるが、これを適応的に切り替えるにすぎない。
また、前述した低解像度での値を基に”1”になる画素を、演算やLUTを用いてうまく配置させる方法であるが、例えば、自然画像などの中間調で、このような処理をしてしまうと、”1”の画素がかたまるために、自然画像の有する滑らかなエッジが全て縁取りされた画像になってしまう。
【0009】
また、前述の従来例では、イメージスキャナなどの画像読み取り装置や、FAX等を通してエッジに対してMTF特性(Modulation transfer function)のかかった情報を考慮しているが、例えば、プリンタ等で用いられる場合には、ホストコンピュータから直に情報が送信されることになる。コンピュータで人工的に作成された文字、線画像などではエッジに鈍りがない、いわゆるナイフエッジのために、低解像度中の注目画素値自体を変化させなくてはジャギーの生じない高解像への解像度変換は難しい。
【0010】
また、多階調の状態での解像度変換後に、擬似中間調処理をすること自体は、画質的には問題がないが、高解像にした後では画像サイズが数倍から数十倍にもなるため、コスト的、処理速度的に非常に負荷がかかり効率的ではない。
例えば、1200dpi×1200dpiで出力可能な1色あたり2値のカラープリンタを想定する。このプリンタがA4サイズの画像を出力しようとした場合には、1200dpi×1200dpiで1色あたり8bitの画像情報を入力した場合、数百Mバイトの情報量が必要となり現実的ではない。そこで、低解像度の画像情報を入力し、解像度変換、及び2値化処理をして出力する構成を取る。
【0011】
ここで例えば、75dpi×75dpiで1色あたり8bitの画像情報の入力を考える。この場合、入力情報量は、1200dpi×1200dpi入力の(1/16)×(1/16)の情報量で済み、現実的である。この入力画像を(16×16)倍に解像度変換して、2値化処理をした値で出力するわけであるが、前述した実施の形態の様に、階調数を減らさずに全て解像度変換した後に、擬似中間調処理を施すとなると、結局は、大量の情報を扱わなくてはならず、処負荷は非常に重くなる。
【0012】
本発明は、上記従来例に鑑みてなされたもので、低解像度で多階調画像をジャギーがなくエッジのはっきりした画質の2値画像に、低コスト、低負荷で、効率よく変換できる画像処理方法とその装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明の画像処理方法は、多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する画像処理方法であって、入力される多値画像のエッジ勾配と前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定するパラメータ決定工程と、前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する解像度変換工程と、前記解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する濃度パタン変換工程とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、別の発明は、多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する画像処理方法であって、入力される多値画像の濃度の最大値と最小値の差Cと前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定するパラメータ決定工程と、前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する解像度変換工程と、前記解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する濃度パタン変換工程とを備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の画像処理装置は、多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する画像処理装置であって、入力される多値画像のエッジ勾配と前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定するパラメータ決定手段と、前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する解像度変換手段と、前記解像度変換手段により解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する濃度パタン変換手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
また、別の発明は、 多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する画像処理装置であって、入力される多値画像の濃度の最大値と最小値の差Cと前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定するパラメータ決定手段と、前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する解像度変換手段と、前記解像度変換手段により解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する濃度パタン変換手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
また、別の発明は、コンピュータプログラム製品であって、画像処理装置において、多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する、コンピュータ読み取り可能なプログラムコード手段を有する媒体を備え、前記コンピュータプログラム製品は、入力される多値画像のエッジ勾配と前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定する、コンピュータ読み取り可能な第1のプログラムコード手段と、前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する、コンピュータ読み取り可能な第2のプログラムコード手段と、前記解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する、コンピュータ読み取り可能な第3のプログラムコード手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
また、別の発明は、コンピュータプログラム製品であって、画像処理装置において、多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する、コンピュータ読み取り可能なプログラムコード手段を有する媒体を備え、前記コンピュータプログラム製品は、入力される多値画像の濃度の最大値と最小値の差Cと前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定する、コンピュータ読み取り可能な第1のプログラムコード手段と、前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する、コンピュータ読み取り可能な第2のプログラムコード手段と、前記解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する、コンピュータ読み取り可能な第3のプログラムコード手段とを備えることを特徴とする。
【0027】
【実施の形態】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明にかかる第1の実施の形態を表すブロック図である。
本発明にかかる実施の形態の画像処理装置は、主としてプリンタ等の画像出力装置内部に具備することが効率的であるが、画像出力装置以外の画像処理装置、ホストコンピュータ内のアプリケーションソフト、または、プリンタドライバソフトとして内蔵することも可能である。
【0028】
図1のブロック図に沿って本実施の形態の動作手順を説明していく。本実施の形態では、入力した1画素あたり多値の画像情報を、縦N倍、横M倍の2値の画像情報に変換する例について述べる。
図1中、100は入力端子を示し、低解像の画像情報が入力される。この低解像情報は、ラインバッファ101により、数ライン分格納、保持される。この数ライン分の画像情報を基に、102は、ウインドウ作成部であり、注目画素を中心とした(X×Y)画素単位の参照画素であるウインドウを作成する。103は、解像度変換部であり、ウインドウ内の画素値を用いて注目1画素を複数画素に拡張する。
【0029】
ここで、解像度変換部103での拡大率を縦n倍、横m倍とすると、注目1画素が、(n×m)画素に変換される。この変換は、注目画素がAビットの階調数を有する情報と仮定すると、階調数はAビットのままで、(n×m)画素分の情報に変換をする。また、n,mはそれぞれ、N,Mの整数分の1であり、n≠N,m≠Mとする。
【0030】
104は濃度パターン部であり、解像度変換後の多値の1画素から、複数画素の2値情報を作成する手段である。尚、この濃度パターン法は公知の為、詳細説明は省略する。既に入力情報は、解像度変換部103で、(n×m)倍されている為に、濃度パターン法により作成する2値情報は、縦(N/n)倍、横(M/m)倍で十分となる。
【0031】
解像度変換部103、及び濃度パターン部104により、結果的にN×M倍された画像情報は、出力端子105に送信され、2値出力のプリンタエンジンなどにて出力される。
以上の構成において、本発明の一つの特徴は、解像度変換と2値化の為の濃度パターン法を合わせ持つ点にある。
【0032】
濃度パターン法は、2値である画素を複数画素持つことにより、領域で階調を表現するものである。即ち、解像度変換部103では、解像性を向上させ、濃度パターン部104では階調性を表現する。
図2に、解像度変換部103の処理構成の一例を示す。
図2において、破線でかこんだ部分が解像度変換部に相当する。図中200は低解像度情報の入力端子であり、201に示したウインドウ情報が入力される。
【0033】
201において、画素Eが注目画素で、一点鎖線で囲んだ部分が注目画素の近傍画素を含むウインドウである。
入力端子200から入力した情報は、線形補間部202に送信される。線形補間された情報の例を図3に示す。線形補間処理は、注目画素と近傍画素と、その間の距離に基づいて線形補間を行えばよい。例えば、図3の例では、中心画素Eと近傍画素A,B,Dとその間の距離によって、E,A,B,Dに囲まれた領域の各補間画素の補間値を求めればよい。
【0034】
図3において、破線は各低解像画素を中心としたブロック境界を示し、実線で囲まれた部分が、注目画素Eに対するブロックである。また、○印は低解像度情報の画素(観測画素)を、×印は補間画素を示している。
また、入力端子200から入力した低解像度情報は、MAX/MIN検出部203によりウインドウ内の最大値(MAX)、最小値(MIN)が検出される。検出された最大値情報、最小値情報は閾値決定部204に送信され、2種の階調レベルに量子化するための閾値が決定される。本実施の形態では、閾値(TH)を例えば以下の式により決定する。
【0035】
TH=(MAX+MIN)/2
決定された閾値情報と、最大値情報、最小値情報は2値化部205に送信され、線形補間の施された注目画素Eを中心とするブロックの補間情報を2値化する。2値化結果は代入部206に送信され、2値化結果が”1”である補間画素(閾値よりも大きな補間画素)には最大値を割り当て、”0”である補間画素(閾値よりも小さい補間画素)には最小値を割り当てる。207は出力端子を示し、208に示したように、前述した最大値、最小値を2値とする画像が出力される。
【0036】
以上の処理は、主にエッジ部分に対して実行される処理であるが、自然画像等の平坦部分では、前述の最大値、最小値で割り当てた2階調の画像のままでは、階調性の少ない絵画調の画質になってしまう。
この場合、線形補間情報(線形補間部202からの出力情報)と、この最大値、最小値で割り当てた2階調の画像情報(代入部206からの出力情報)との適応的な配分比率による合成により、補間ぼけのない良好な解像度変換を実現することができる。尚、この適応的な配分比率による合成方法の詳細な処理方法は、特願平5ー244737に記載されている方法を用いればよい。
【0037】
尚、この解像度変換は、演算により算出してもよいし、また、LUT(ルックアップテーブル)により求めてもよい。
さて、入力画像をn×m倍に解像度変換した画像情報は、解像性が向上する。そして、次に、階調性を表現するために擬似中間調の処理を行う。画像サイズが、解像度変換により、既にn×m倍されているために、濃度パターン法による拡大は(N/n)×(M/m)倍で十分である。濃度パターン法によるマトリクスサイズは、拡大率と異ならなくてもよく、サブマトリクスを利用した公知の方法でも階調性向上の為に有効である。
【0038】
このように、入力解像度よりも高解像のプリンタエンジンを有する2値のプリンタなどでは、本実施の形態を用いれば、解像度変換部103と、階調性表現部とを切り離して考えることが可能になり、プリンタエンジン特性、及び人間の視覚特性に応じたn,mの値の最適化設計が実現できる。また、コスト、スピード等の因子を考慮した設計も可能である。
【0039】
本実施の形態で注意したい点は、解像度変換部では、n×m倍にした画素において、入力解像度よりも解像性が向上しなくてはならない点である。もし、解像度変換部の代わりに、ただ、n×m倍に画素数を増すだけの0次補間を用いたと仮定すると、N×M倍の濃度パターン法と全く等価になってしまうからである。
<第2の実施の形態>
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す要部ブロック図である。尚、本実施の形態を説明する各図面では、図1と同一部には対しては同一番号を付している。
【0040】
まず、入力端子100から入力した画像情報を一時的にラインバッファ101に格納させ、処理対象である注目画素周辺の画素群からなるウインドウをウインドウ作成部102にて作成する。
400は、ウインドウ内の画素値の状態からウインドウ内の画像にエッジ部分を含むか平坦部分であるのかを評価する評価部である。この評価部400は、従来より用いられているエッジ検出フィルタを用いる。
【0041】
本実施の形態では、この評価結果に基づいて解像度変換部による倍率であるn’,m’の値を動的に変化させることが特徴である。
n’,m’の取りうる範囲は以下の通りである。
1≦n’≦N
1≦m’≦M
また、図1の実施の形態と同様に、n’,m’はそれぞれN,Mの整数分の1であることが必要である。
【0042】
解像度変換部401は、評価部400により決定されたn’,m’の値を入力して、n’×m’倍に解像度変換を施す。濃度パターン部402は、解像度変換部401と同様に、n’,m’の値を入力して、((N/n’)×(M/m’))倍での濃度パターン法に基づく変換処理を施す。
本実施の形態での処理において、図1の実施の形態と異なる点は、、階調性を表現する為の拡大率の比を画像の性質により、解像度変換に伴う拡大率を任意に可変できることに特徴がある。
【0043】
つまり、エッジ部では、階調性は多少犠牲になっても、解像性に伴う拡大率(n’,m’)を大きく取り、また、平坦部では解像度が軽視される為に(n’,m’)の値が小さくなるようにする。
次に、この実際の処理例を図5、図6を基づき説明する。
一例として、入力画像を16倍×16倍に拡大して出力する場合(N=M=16)で説明する。これは、例えば、1200dpi×1200dpiの2値プリンタのエンジンに、75dpi×75dpi相当の画像情報を入力した場合が対応する。
【0044】
図5(a)は、低解像情報のウインドウを示し、中央部の二重枠で囲んだ画素が注目画素を示している。この注目画素の処理は、評価部400の評価結果により、エッジ部分を含むと判定され、n’=4,m’=4と決定されたとする。
図5(b)は、4×4のサイズに解像度変換された注目画素を示している。
低解像度の入力画像での注目画素値は”20”であるが、解像度変換部401により、図5(b)に示すように、1つの近接画素値である”170”の値を持つ画素を複数含みエッジを形成している。
【0045】
図5(c)は、(b)で作成された画素に対して(N/n’)倍×(M/m’)倍、即ち4倍×4倍で濃度パターン部402での処理が実行された結果を示している。
図6(a)は、同様に低解像度のウインドウを示す。ここで、評価部400がこのウインドウの注目画素に関する評価結果により、平坦部と判定し、n’=1,m’=1と決定したとする。この場合は、解像度変換部401での処理を実行せずに、濃度パターン法により、(N/n’)倍×(M/m’)倍、即ち16倍×16倍の濃度パターン部での処理が実行され、結果として図6(b)の画像が生成される。
【0046】
図5(c)、図6(b)を比較しても明らかなように出力結果は大きく異なる。
従来より提案されている濃度パターンのマトリクスを適応型にするだけでは、このような図5(c)の画像を出力することは不可能である。
<第2の実施の形態の変形>
図7は、第2の実施の形態の変形例であり、図4の評価部401の内部を示すブロック図である。本例では、前述の実施の形態よりも、より精度良く評価して、n’,m’の値の算出に反映しているものである。
【0047】
図7において、破線で囲んである部分が、評価部401を示す。
701は入力部を示し、低解像情報の注目画素を囲むウインドウ情報が入力される。702はMAX/MIN検出部を示し、ウインドウ内の最大値、最小値を検出する。703はコントラスト算出部を示し、検出された最大値,最小値の差分値を算出する。704はn’,m’決定部を示し、算出された差分値に応じたn’,m’の値を決定する。
【0048】
本例では、差分値が大きくなる程、n’,m’の値を大きくする点が特徴である。
図8は、コントラストと、決定するn’の関係例を示す。前述したように1≦n’≦Nとなる為、コントラストが大きくなるほど、n’は1からNまで変化するような設定にする。すなわち、エッジが大きくなるほど、解像度変換の重要性が増し、階調性の向上よりも解像性を優先させるものである。
【0049】
また、コントラストの小さい中間調のエッジであれば、解像度変換により高解像のエッジを作成したとしても、その後の擬似中間調処理のために、作成したエッジ情報が完全には反映されなくなる為、本実施の形態のように段階的に解像性、階調性の重みを変化させることは有効である。
<第3の実施の形態>
図9は、本発明の第3の実施の形態を示すブロック図である。本実施の形態は図4の実施の形態を簡略化したものであり、同一部には同一番号を付してあり、異なる部分のみ説明する。
【0050】
900は、N倍×M倍固定での解像度変換を行う解像度変換部を示す。前述したように、入力情報がAビット/画素であれば、解像度変換後もAビット/画素になる。
901はディザ部を示し、解像度変換後のAビット/画素の情報をディザ法により2値化する。902はN倍×M倍固定の濃度パターン部を示している。
【0051】
903はスイッチを示し、評価部904からのウインドウの画素値の評価結果としてエッジ部分を含むと判定されればA端子を、平坦部分と判定されればB端子を選択する。すなわち、エッジ部分を含めば解像度変換+ディザ法、平坦部分であれば濃度パターン法を選択する。
本実施の形態では、前述の実施の形態のn’,m’の値を用いて言い換えると、n’,m’の値を2通りのみとしている点に特徴がある。すなわち、評価部904がエッジ部分を含むと判定すれば、n’=N、かつ、m’=M、また平坦部ならn’=1、m’=1と決定する。
【0052】
本実施の形態によれば、処理速度が速く、エッジ部分にはジャギーの発生しない良好な画質が実現できる。
以上、解像度変換+擬似中間調処理について説明してきたが、本実施の形態は単色のプリンタにでも、カラーのプリンタにでも適用できることは言うまでもない。カラープリンタの場合には、各色成分毎に本実施の形態を適用して実行すれば良い。
【0053】
次に、図10を参照して、上述した各実施の形態を実行するハードウエア構成の実施形態を説明する。
図10は、本画像処理装置のハードウエアの概要を示し、ここで、1200はCPUであり、画像処理装置全体の制御を行う。また、1202は、上述した各処理部の処理手順を記述した画像処理プログラム等が格納されているROMを含み、CPU1200によって読み出され解釈されて実行される。また、メモリ1202には、RAMも含み、前記プログラム実行のための作業領域としてや、画像データや処理結果を格納するために用いられる。また、ラインバッファ101は、このRAM領域の一部に割り当てられている。
【0054】
キーボード1203やポインテイングデバイス1204は、本画像処理装置に対するコマンドやデータを入力する入力端末である。
ディスプレイモニタ1201は、入力コマンドや処理結果が表示される。
次に、図11を参照して、メモリ1202に格納されている各処理プログラムのレイアウトの一例を説明する。これら各処理プログラムは、CPU1200によって、読み出され、解釈され、実行される。
【0055】
ウインドー作成プログラム1101は、図1と図9のウインドウ作成部102での元の多値画像からウインドウサイズの画像を切り出す処理を行うプログラムである。
解像度変換プログラム1102は、図1、図2の解像度変換部103と、図4の解像度変換部401と、図9の解像度変換部900での上述した各処理を実行する手順を記述したプログラムである。
【0056】
濃度パターン変換プログラム1103は、図1の濃度パターン変換部104と図4の濃度パターン変換部402と図9の濃度パターン変換部902での上述した各処理を実行する手順を記述したプログラムである。
評価処理プログラム1104は、図4の評価部400と図7の評価部401と図9の評価部904での上述した各処理を実行する手順を記述したプログラムである。
【0057】
ディザ処理プログラム1105は、図9のディザ部での上述した各処理を実行する手順を記述したプログラムである。
MIN/MAX検出プログラム1106は、図7のMIN、MAX検知部での上述した各処理を実行する手順を記述したプログラムである。
コントラスト算出プログラム1107は、図7のコントラスト算出部での上述した各処理を実行する手順を記述したプログラムである。
【0058】
n’、m’決定プログラム1108は、n’、m’決定部での上述した各処理を実行する手順を記述したプログラムである。
尚、このレイアウトは、一例であり、その構成順序が異なっても良いことは言うまでもない。
尚、本発明は、ホストコンピュータ、インターフェイス、プリンタ等の複数の機器から構成されるシステムに適用しても、複写機等の1つの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システム或は装置に記憶媒体に格納されたプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることは言うまでもない。この場合、本発明に係るプログラムを格納した記録媒体が、本発明を構成することになる。そして、該記録媒体からそのプログラムをシステム或いは装置に読み出すことによって、そのシステム或いは装置が、予め定められたし方で動作する。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態によれば、入力した低解像度の多階調画像情報から高解像度の2値画像情報に変換する際に、コスト、及び処理速度での点で負荷が少なく、また、ジャギーがなくエッジのはっきりした画質の良い変換を効率よく処理できる。また、プリンタエンジンの特性、及び視覚特性に合わせた最適化設計が可能になる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、低解像度で多階調画像を、ジャギーがなくエッジのはっきりした画質の2値画像に、低コスト、低負荷で、効率よく変換できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の解像度変換部を示すブロック図である。
【図3】図2の線形補間を示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】第2の実施の形態でのエッジ部分の処理例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態での平坦部分の処理例を示す図である。
【図7】図2の実施の形態の変形例の評価部を示すブロック図である。
【図8】コントラストと決定するn’の関係の一例を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態の画像処理装置のハードウエア構成を示す図である。
【図11】メモリ1202に格納されている各処理プログラムのレイアウトを示す図である。
【符号の説明】
101 ラインバッファ
102 ウインドウ作成部
103 解像度変換部
104 濃度パターン部
Claims (18)
- 多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する画像処理方法であって、
入力される多値画像のエッジ勾配と前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定するパラメータ決定工程と、
前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する解像度変換工程と、
前記解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する濃度パタン変換工程とを備えることを特徴とする画像処理方法。 - 前記パラメータn、mは、前記エッジ勾配が大きければ、前記N、Mに対して相対的に大きくそれぞれ決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
- 前記パラメータn、mは、前記エッジ勾配の増加方向に対して、階段状に増加するように決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
- 前記解像度変換工程は、
前記入力される多値画像の最大濃度値と最小濃度値を検出する最大値/最小値検出工程と、
前記検出された最大濃度値と最小濃度値に基づき、画素値変換のための閾値を生成する閾値生成工程と、
前記入力される多値画像を補間して、縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像を生成する多値画像生成工程と、
前記多値画像生成工程で生成された多値画像を、前記閾値に基づき、前記検出された最大濃度値と最小濃度値で画素値変換する画素値変換工程と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 - 多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する画像処理方法であって、
入力される多値画像の濃度の最大値と最小値の差Cと前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定するパラメータ決定工程と、
前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する解像度変換工程と、
前記解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する濃度パタン変換工程とを備えることを特徴とする画像処理方法。 - 前記パラメータn、mは、前記差Cが大きければ、前記N、Mに対して相対的に大きくそれぞれ決定されることを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
- 前記パラメータn、mは、前記差Cの増加方向に対して、階段状に増加するように決定されることを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
- 前記解像度変換工程は、
前記入力される多値画像の最大濃度値と最小濃度値を検出する最大値/最小値検出工程と、
前記検出された最大濃度値と最小濃度値に基づき、画素値変換のための閾値を生成する閾値生成工程と、
前記入力される多値画像を補間して、縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像を生成する多値画像生成工程と、
前記多値画像生成工程で生成された多値画像を、前記閾値に基づき、前記検出された最大濃度値と最小濃度値で画素値変換する画素値変換工程と
を備えることを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。 - 多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する画像処理装置であって、
入力される多値画像のエッジ勾配と前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定するパラメータ決定手段と、
前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する解像度変換手段と、
前記解像度変換手段により解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する濃度パタン変換手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記パラメータn、mは、前記エッジ勾配が大きければ、前記N、Mに対して相対的に大きくそれぞれ決定されることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
- 前記パラメータn、mは、前記エッジ勾配の増加方向に対して、階段状に増加するように決定されることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
- 前記解像度変換手段は、
前記入力される多値画像の最大濃度値と最小濃度値を検出する最大値/最小値検出手段と、
前記検出された最大濃度値と最小濃度値に基づき、画素値変換のための閾値を生成する閾値生成手段と、
前記入力される多値画像を補間して、縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像を生成する多値画像生成手段と、
前記多値画像生成手段により生成された多値画像を、前記閾値に基づき、前記検出された最大濃度値と最小濃度値で画素値変換する画素値変換手段と
を備えることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。 - 多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する画像処理装置であって、
入力される多値画像の濃度の最大値と最小値の差Cと前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定するパラメータ決定手段と、
前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する解像度変換手段と、
前記解像度変換手段により解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する濃度パタン変換手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記パラメータn、mは、前記差Cが大きければ、前記N、Mに対して相対的に大きくそれぞれ決定されることを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
- 前記パラメータn、mは、前記差Cの増加方向に対して、階段状に増加するように決定されることを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
- 前記解像度変換手段は、
前記入力される多値画像の最大濃度値と最小濃度値を検出する最大値/最小値検出手段と、
前記検出された最大濃度値と最小濃度値に基づき、画素値変換のための閾値を生成する閾値生成手段と、
前記入力される多値画像を補間して、縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像を生成する多値画像生成手段と、
前記多値画像生成手段により生成された多値画像を、前記閾値に基づき、前記検出された最大濃度値と最小濃度値で画素値変換する画素値変換手段と
を備えることを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。 - コンピュータプログラム製品であって、画像処理装置において、多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する、コンピュータ読み取り可能なプログラムコード手段を有する媒体を備え、前記コンピュータプログラム製品は、
入力される多値画像のエッジ勾配と前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定する、コンピュータ読み取り可能な第1のプログラムコード手段と、
前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する、コンピュータ読み取り可能な第2のプログラムコード手段と、
前記解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する、コンピュータ読み取り可能な第3のプログラムコード手段とを備えることを特徴とする。 - コンピュータプログラム製品であって、画像処理装置において、多値画像を縦方向にN倍、横方向にM倍の2値画像に変換する、コンピュータ読み取り可能なプログラムコード手段を有する媒体を備え、前記コンピュータプログラム製品は、
入力される多値画像の濃度の最大値と最小値の差Cと前記NとMに基づいて、パラメータn,mをそれぞれ決定する、コンピュータ読み取り可能な第1のプログラムコード手段と、
前記入力される多値画像を縦方向にn倍、横方向にm倍の多値画像に解像度変換する、コンピュータ読み取り可能な第2のプログラムコード手段と、
前記解像度変換された多値画像を、縦方向にN/n倍、横方向にM/m倍の複数画素の組み合わせで前記解像度変換された多値画像の濃度を表現した2値画像に変換する、コンピュータ読み取り可能な第3のプログラムコード手段とを備えることを特徴とする。
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