JP3578878B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の階調補間を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、製版用スキャナなどには、階調を有する画像原稿を読みとって得られる画像データの階調値変換を行うための階調値変換装置、いわゆるルックアップテーブル(以下、「LUT」とする)が設けられている。そして、この階調値変換は、オペレータが原稿上のハイライト点とシャドウ点とを選択し、それらの点の階調値に基づいて階調値変換曲線を設定し、当該階調値変換曲線に従って入力階調値(読みとられた階調値)を変換するという工程を通じて行われる。
【0003】
ところで、階調値変換を行った場合に、LUTから出力される出力階調値の分布が連続しておらず、特定の階調値が欠落する現象が見られることがある。この現象を以下に示す図6を用いて説明する。
【0004】
図6は、LUTの階調値変換曲線の一例を示す図である。この図において、横軸がLUTに入力される入力階調値、縦軸が変換されて出力される出力階調値を示している。LUTに入力される入力階調値は量子化されたディジタル信号であり、また、LUTから出力される出力階調値もディジタル信号である。ここで、LUTに入力される入力階調値が量子化されたディジタル信号であるがゆえに、例えば、入力階調値が図中の範囲Bに含まれるような値である場合には、出力階調値が比較的密な分布となるのに対して、範囲Aに含まれるような値の場合には、出力階調値が疎な分布となり、特定の出力階調値の欠落が発生する。なお、図6は、階調値欠落現象に対する理解を容易にするために極端に描いているが、実際のLUTにおいても同様の原理により階調値の欠落が発生する場合がある。
【0005】
図7は、1枚の画像に含まれる画素のLUTによる処理後の階調値度数分布の一例を示す図である。図示の如く、複数の特定階調値の度数が”0”となっており、本来あるべき階調値が欠落した状態となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような問題は、LUTにおいて扱う信号がディジタル信号であるために起こる本質的な問題であり、以下に述べるような不具合の原因となる。
【0007】
即ち、まず、図7に示すように、本来あるべき階調値が欠落した状態となっているため、原稿において平滑であった部分が不自然な濃度変化となる可能性がある。また、図7に示すような階調値度数分布を有する画像に対してシャープネス処理(輪郭強調処理)を施した場合、本来平滑であるのにも係わらず特定の階調値が欠落しているために、その階調値の前後の階調値を有する部分が輪郭部分と誤認され、その部分に対して強調処理が行われる可能性がある。そして、本来輪郭でない部分が輪郭として強調されると、画像全体の画質が著しく低下することとなる。
【0008】
このような課題を解決する方法として、「局所移動平均」を利用することが考えられる。例えば、連続する3つの画素の階調値が「108、108、110」(この場合、109の階調値が欠落している)となっている場合に、それらの平均値を注目画素(真ん中の画素)の階調値に置換することにより、それぞれの階調値が「108、109、110」となり、階調値の欠落を改善することができる。ところが、「局所移動平均」では、画像の輪郭部分をも平滑にしてしまうため、いわゆるエッジがぼやけた状態となり、画像の鮮鋭度が失われることとなる。
【0009】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、画像の鮮鋭度を維持しつつ、階調値の補間を行うことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、階調値が欠落した第1の階調を有する画像の階調補間を行う画像処理装置において、(a) 前記第1の階調の画像を前記第1の階調よりも大きい第2の階調に拡張する階調拡張手段と、(b) 前記第2の階調に拡張された画像上の注目画素の周辺画素階調値の平均値を算出する周辺画素平均値算出手段と、(c) 前記第1の階調と前記第2の階調との階調比に応じてしきい値を決定するしきい値決定手段と、(d) 前記第2の階調に拡張された画像上の前記注目画素の階調値と前記平均値との階調値差を前記しきい値と比較する比較手段と、(e) 前記比較の結果、前記階調値差が前記しきい値未満であることが判明した場合には、前記注目画素の階調値を前記平均値に置換する置換手段と、(f) 前記置換手段による置換後の画像を前記第1の階調に圧縮する階調圧縮手段とを備えている。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像処理装置において、前記第1の階調をnビットとし、前記第2の階調をmビットとしたときに、前記しきい値決定手段に前記しきい値を2(m−n)とさせている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明するが、それに先立って本明細書中で使用する用語の意味について明確にしておく。
【0013】
まず、「階調値」とは、画像を構成する各画素が有する濃度情報を表現する値であり、グレースケール画像の場合白黒の濃淡を示す値であり、また、カラー画像の場合、例えば「R、G、B」のそれぞれの濃度を示す値である。なお、以下の本実施形態中においては、カラー画像を取り扱う場合について説明する。
【0014】
また、「階調」とは、階調値がとり得る段階を表現する用語であり、例えば8ビットの階調では28段階の階調値が存在し得るし、16ビットの階調では216段階の階調値が存在し得る。
【0015】
【A.画像処理装置の構成】
図1は、本発明に係る画像処理装置の要部概略構成を示すブロック図である。この画像処理装置100には装置外部に画像入力部50と画像出力部60とが接続されている。
【0016】
画像入力部50は、写真やフィルムなどの原稿を光学的に読み取り、その読み取った情報を画像データとして画像処理装置100に与える機能を有する。この機能を実現するため、画像入力部50は、撮像部51とA/D変換部52とフレームメモリ53とLUT54とインターフェイス55とを備えている。撮像部51は、原稿の情報をR、G、Bの各成分ごとにアナログ信号として読み取りA/D変換部52に伝達する。そして、読み取られた情報はディジタル信号に変換されて、フレームメモリ53に格納される。従って、フレームメモリ53に格納されているデータは、画像を構成する各画素のR、G、Bのそれぞれについての量子化された階調値である。そして、上述したように、画像入力部50はこれらの階調値に階調値変換を行うべく、LUT54による処理を行った後、インターフェイス55を介して画像処理装置100にデータ転送する。
【0017】
画像処理装置100は、画像入力部50から受け取った画像データに対して種々の画像処理を行う装置であり、記憶部10と制御部20とを備えている。記憶部10は、原画像保持部11と、画像情報保持部12と、出力画像保持部13とを備えており、画像入力部50から転送された画像データを記憶するとともに、画像処理に必要なソフトウェアやパラメータなどを記憶している。
【0018】
制御部20は、画像処理や装置全体の管理を行う処理部であり、階調拡張手段21と、しきい値決定手段24と、比較分析手段25と、画素置換処理手段26と、階調圧縮手段27とを有している。階調拡張手段21は、さらに注目画素処理部22と周辺画素処理部23とを備えている。制御部20に備えられたこれら各手段や上記記憶部10内の各保持部は、画像処理用ソフトウェアに応じて実行される処理内容を表わしており、その処理内容については、さらに後述する。
【0019】
また、画像処理装置100は、インターフェイス40を備えており、当該インターフェイス40を介して画像出力部60に接続されている。画像出力部60は、処理済みの画像データを画像処理装置100から受け取ってフィルムなどに出力する装置である。
【0020】
【B.画像処理装置の動作および処理内容】
次に、上記構成を有する画像処理装置100の動作および処理内容について説明する。図2は、画像処理装置100が行う画像処理手順を示すフローチャートである。
【0021】
まず、処理対象となる画像の原稿が画像入力部50の撮像部51によって読み取られ(ステップS1)、その読み取られた画像データはLUT54による階調値変換を経た後(ステップS2)、画像処理装置100に転送され、原画像保持部11に記憶される。また、同時に、原画像の階調ビット数(本実施形態においては8ビットとする)が画像情報保持部12に記憶される。この画像情報保持部12には、後述する階調拡張後の階調ビット数(本実施形態においては10ビットとする)も予め格納されている。なお、ここで示す例においては、R、G、Bのそれぞれについて8ビットの階調を有するカラー画像データが転送され、記憶されるものとする。
【0022】
ここで、上述したように、LUT54による階調値変換を経た画像データは、特定の階調値が欠落している。そこで、以下に説明するように、本発明に係る画像処理装置100の特徴である階調値補間処理が行われる。
【0023】
階調値補間処理は、フィルタリング処理、即ち、画像に対して局所画素群であるフィルタを走査させることによって行われる。図3は、フィルタリング処理を説明するための概念図である。3×3の画素行列で構成され、図中において太線で示されたフィルタFが原画像保持部11に記憶されている画像データを有する画像上を走査することによって、局所画素群は選択されることとなる。このときに、フィルタFは、画像の左上隅を出発点として図中のX方向(主走査方向)に走査し、カラー画像の右上隅に達すると、次に、Y方向(副走査方向)に隣接した左端の画素からX方向に走査し、以下フィルタFが画像の右下隅に達するまで同様の手順が繰り返されることとなる。そして、ある時点でのフィルタFによって走査されている局所画素群が選択された局所画素群となり、当該局所画素群の中央の画素FPが注目画素として、階調値補間処理の対象となる。なお、カラー画像の場合は、R、G、Bの3つのプレーンを有しており、それぞれのプレーンについてフィルタリング処理が行われる。図4および図5は、フィルタFの走査によって選択された局所画素群の処理過程の一例を示す図であり、以下、これらの例を適宜参照しつつ階調値補間処理について説明する。
【0024】
図2に戻って、上記局所画素群が選択されているときに、階調拡張手段21が画像情報保持部12に記憶されている拡張前後の階調ビット数を参照しつつ当該局所画素群に対して階調拡張を行う(ステップS3)。ここで、階調拡張とは、階調値がとり得る段階を拡げること、すなわち階調表現段階において高密度とすることであり、本実施形態では、8ビットの階調を有する画像データを10ビットの階調を有する画像データにする。このときに、階調の拡張に対応して、局所画素群を構成する画素の階調値も2(10−8)倍され、具体的には、8ビットの階調を有する局所画素群の階調値が図4(a)に示すような場合、10ビットの階調に拡張すると、注目画素処理部22が注目画素の階調値”128”を2(10−8)=4倍にするとともに、周辺画素処理部23が注目画素に隣接する周辺4画素の階調値を同様にそれぞれ4倍にする。そして、その結果、局所画素群の階調値は、図4(b)に示すような値となる。なお、この例における周辺4画素は、図示のように注目画素の上下左右に隣接する4画素である。
【0025】
次に、ステップS4に進み、周辺画素処理部23が、上記乗算された周辺4画素の階調値の平均値を算出する。すなわち、周辺画素処理部23は、階調の拡張に対応して、周辺画素の乗算を行うとともに、その乗算された結果の平均値を算出する機能をも有している。なお、図4(b)の場合、周辺4画素の階調値の平均値は”509”となる。そして、ステップS5に進み、上記乗算された注目画素の階調値と周辺4画素の階調値の平均値との差の絶対値を算出する。この例では、その絶対値の値は”3”となる。
【0026】
一方、このときしきい値決定手段24が、後述する「比較」に用いるためのしきい値を決定する。そして、しきい値は、階調拡張前後の階調比に応じて決定される。即ち、しきい値決定手段24は、画像情報保持部12に記憶されている階調拡張前後の階調ビット数を参照し、拡張前のビット数をn拡張後のビット数をm(ここでm、nはm>nを満たす整数)としたときに、しきい値を2(m−n)として決定する。従って、この例では、2(10−8)=4がしきい値として決定される。
【0027】
そして、次に、ステップS6に進み、比較分析手段25は、上記差の絶対値がしきい値未満となるか否かを判別する。この例では、差の絶対値”3”がしきい値”4”未満であるため、ステップS7に進み、画素置換処理が行われる。
【0028】
画素置換処理は、画素置換処理手段26が上記乗算された注目画素の階調値を周辺4画素の階調値の平均値に置換することにより行われる。この例では、図4(c)に示すように、注目画素の階調値が周辺4画素の階調値の平均値”509”に置換される。そして、ステップS7aに進み、階調圧縮手段27が階調圧縮を行う。階調圧縮は、上記階調拡張と逆の処理であり、即ち、階調値がとり得る段階を狭めることであり、本実施形態では、10ビットの階調を有する画像データを元の8ビットの階調を有する画像データにする。このときに、階調の圧縮に対応して、局所画素群を構成する画素の階調値も2(8−10)倍される。その結果、この例では、図4(d)に示すような値となる。
【0029】
図4(a)と図4(d)とを比較すると明らかなように、上記階調値補間処理の結果、局所画素群の注目画素の階調値が”128”から”127”に置換されており、この結果、欠落した階調値が補間されることとなる。
【0030】
一方、図5に示す例においても、上記と同様に、局所画素群に対して8ビットから10ビットに階調拡張が行われ(図5(b)の状態)、乗算された周辺4画素の階調値の平均値が算出される。ここでの平均値は、”483”となる。従って、乗算された注目画素の階調値と周辺4画素の階調値の平均値との差の絶対値は”155”となり、しきい値”4”以上となる。この場合は、図2に示すように、画素置換処理を行うことなく、元の注目画素の階調値のまま階調圧縮処理が行われることとなる(図5(c)の状態)。
【0031】
図5(a)に示す例では、局所画素群内の階調値が急峻な変化をしており、フィルタFが画像の輪郭部分を走査しているときに対応している。このような場合は、周辺画素の階調値の平均値と注目画素の階調値との差の絶対値がしきい値以上となるため、画素置換処理が行われず、その結果、処理前の画像が有する輪郭部分の鮮鋭度が失われることはない。
【0032】
図2に戻り、階調圧縮処理の後、その処理済み画素の階調値は出力画像保持部13に格納される。そして、ステップS8に進み、画像上の全ての画素について上記処理が終了したか否かが判断される。そして、全ての画素について処理が終了していない場合には、ステップS9に進み、フィルタFが1画素分走査された後、ステップS3〜ステップS7aの一連の処理が繰り返して行われることとなる。
【0033】
一方、画像上の全ての画素について処理が終了している場合には、出力画像保持部13に蓄積された画像データがインターフェイス40を介して画像出力部60から出力されて画像処理が終了する。なお、ここでの画像出力は必須のものではなく、必要に応じて行えばよい。また、本実施形態においては、カラー画像を処理対象としているため、上記階調値補間処理がR、G、Bの3つのプレーンのそれぞれについて行われることとなる。
【0034】
以上のようにすれば、周辺画素の階調値の平均値と注目画素の階調値との差の絶対値がしきい値未満の場合には、画素置換処理が行われ、欠落した階調値の補間が行われるとともに、しきい値以上の場合には、画素置換処理が行われず、処理前の画像が有する鮮鋭度が維持されることとなる。すなわち、輪郭部分などの鮮鋭度を維持しつつ、必要な箇所のみ階調値の補間を行うことができる。
【0035】
なお、以上において、しきい値を”2(m−n)”としているのは、階調拡張前の元の階調で考えた場合、注目画素の階調値と周辺画素の階調値の平均値との差が”20=1”未満となるか否かを判別するのと同じ意味である。本発明に係る画像処理装置100における階調値補間処理は、LUTによる処理の結果欠落した階調値の補間を目的としており、また、LUTによる処理の結果欠落する階調値の幅は通常”1”未満である。従って、この目的に鑑みた場合、注目画素の階調値と周辺画素の階調値平均値との差が”1”未満のときのみ階調値補間を行えば十分であり、また、差が”1”以上のときに階調値補間を行うと画像の輪郭部分をも平滑にしてしまうなどの弊害が生じることとなる。そして、しきい値との比較を階調拡張後の階調において行うのは、画像処理装置100において扱う画像データが量子化されたディジタル信号であるため、”1”未満であるかの否かの判断が困難であるからである。従って、上記実施形態においては、8ビットの階調を10ビットの階調に拡張していたが、これに限定されるものではなく、他の階調に拡張するものであってもよい。そして、拡張前後の階調比が大きいほど、量子化による弊害が希釈され、正確な階調値補間が行える。
【0036】
【変形例】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記においては、カラー画像を対象としていたが、これがグレースケール画像であってもかまわない。この場合、白黒の濃淡を示す値を階調値とすることにより上記と同様に、画像の鮮鋭度を維持しつつ、必要な箇所のみ階調値の補間を行うことができる。
【0037】
また、上記実施形態においては、局所画素群における注目画素の周辺4画素の平均値を算出するようにしていたが、これを例えば周辺8画素の平均値を算出するようにしてもよい。もっとも、本実施形態のようにしても十分な効果が得られる上に、演算量が少なくて済むため処理速度が早い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、階調値が欠落した第1の階調の画像を第1の階調よりも大きい第2の階調に拡張する階調拡張手段と、第2の階調に拡張された画像上の注目画素の周辺画素階調値の平均値を算出する周辺画素平均値算出手段と、第1の階調と第2の階調との階調比に応じてしきい値を決定するしきい値決定手段と、第2の階調に拡張された画像上の注目画素の階調値と平均値との階調値差をしきい値と比較する比較手段と、比較の結果階調値差がしきい値未満であることが判明した場合には、注目画素の階調値を平均値に置換する置換手段と、置換手段による置換後の画像を第1の階調に圧縮する階調圧縮手段とを備えているため、階調値差がしきい値未満の場合には、画素置換処理が行われ、欠落した階調値の補間が行われるとともに、しきい値以上の場合には、画素置換処理が行われず、処理前の画像が有する鮮鋭度が維持され、その結果、輪郭部分などの鮮鋭度を維持しつつ、必要な箇所のみ階調値の補間を行うことができる。
【0039】
また、請求項2の発明によれば、第1の階調をnビットとし、第2の階調をmビットとしたときに、しきい値決定手段は、しきい値を2(m−n)としているため、画像の鮮鋭度を維持しつつも、LUTによる処理の結果欠落した階調値を確実に補間することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の要部概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置が行う画像処理手順を示すフローチャートである。
【図3】フィルタリング処理を説明するための概念図である。
【図4】フィルタの走査によって選択された局所画素群の処理過程の一例を示す図である。
【図5】フィルタの走査によって選択された局所画素群の処理過程の一例を示す図である。
【図6】LUTの階調値変換曲線の一例を示す図である。
【図7】1枚の画像に含まれる画素のLUTによる処理後の階調値度数分布の一例を示す図である。
【符号の説明】
21 階調拡張手段
22 注目画素処理部
23 周辺画素処理部
24 しきい値決定手段
25 比較分析手段
26 画素置換処理手段
27 階調圧縮手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の階調補間を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、製版用スキャナなどには、階調を有する画像原稿を読みとって得られる画像データの階調値変換を行うための階調値変換装置、いわゆるルックアップテーブル(以下、「LUT」とする)が設けられている。そして、この階調値変換は、オペレータが原稿上のハイライト点とシャドウ点とを選択し、それらの点の階調値に基づいて階調値変換曲線を設定し、当該階調値変換曲線に従って入力階調値(読みとられた階調値)を変換するという工程を通じて行われる。
【0003】
ところで、階調値変換を行った場合に、LUTから出力される出力階調値の分布が連続しておらず、特定の階調値が欠落する現象が見られることがある。この現象を以下に示す図6を用いて説明する。
【0004】
図6は、LUTの階調値変換曲線の一例を示す図である。この図において、横軸がLUTに入力される入力階調値、縦軸が変換されて出力される出力階調値を示している。LUTに入力される入力階調値は量子化されたディジタル信号であり、また、LUTから出力される出力階調値もディジタル信号である。ここで、LUTに入力される入力階調値が量子化されたディジタル信号であるがゆえに、例えば、入力階調値が図中の範囲Bに含まれるような値である場合には、出力階調値が比較的密な分布となるのに対して、範囲Aに含まれるような値の場合には、出力階調値が疎な分布となり、特定の出力階調値の欠落が発生する。なお、図6は、階調値欠落現象に対する理解を容易にするために極端に描いているが、実際のLUTにおいても同様の原理により階調値の欠落が発生する場合がある。
【0005】
図7は、1枚の画像に含まれる画素のLUTによる処理後の階調値度数分布の一例を示す図である。図示の如く、複数の特定階調値の度数が”0”となっており、本来あるべき階調値が欠落した状態となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような問題は、LUTにおいて扱う信号がディジタル信号であるために起こる本質的な問題であり、以下に述べるような不具合の原因となる。
【0007】
即ち、まず、図7に示すように、本来あるべき階調値が欠落した状態となっているため、原稿において平滑であった部分が不自然な濃度変化となる可能性がある。また、図7に示すような階調値度数分布を有する画像に対してシャープネス処理(輪郭強調処理)を施した場合、本来平滑であるのにも係わらず特定の階調値が欠落しているために、その階調値の前後の階調値を有する部分が輪郭部分と誤認され、その部分に対して強調処理が行われる可能性がある。そして、本来輪郭でない部分が輪郭として強調されると、画像全体の画質が著しく低下することとなる。
【0008】
このような課題を解決する方法として、「局所移動平均」を利用することが考えられる。例えば、連続する3つの画素の階調値が「108、108、110」(この場合、109の階調値が欠落している)となっている場合に、それらの平均値を注目画素(真ん中の画素)の階調値に置換することにより、それぞれの階調値が「108、109、110」となり、階調値の欠落を改善することができる。ところが、「局所移動平均」では、画像の輪郭部分をも平滑にしてしまうため、いわゆるエッジがぼやけた状態となり、画像の鮮鋭度が失われることとなる。
【0009】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、画像の鮮鋭度を維持しつつ、階調値の補間を行うことができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、階調値が欠落した第1の階調を有する画像の階調補間を行う画像処理装置において、(a) 前記第1の階調の画像を前記第1の階調よりも大きい第2の階調に拡張する階調拡張手段と、(b) 前記第2の階調に拡張された画像上の注目画素の周辺画素階調値の平均値を算出する周辺画素平均値算出手段と、(c) 前記第1の階調と前記第2の階調との階調比に応じてしきい値を決定するしきい値決定手段と、(d) 前記第2の階調に拡張された画像上の前記注目画素の階調値と前記平均値との階調値差を前記しきい値と比較する比較手段と、(e) 前記比較の結果、前記階調値差が前記しきい値未満であることが判明した場合には、前記注目画素の階調値を前記平均値に置換する置換手段と、(f) 前記置換手段による置換後の画像を前記第1の階調に圧縮する階調圧縮手段とを備えている。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る画像処理装置において、前記第1の階調をnビットとし、前記第2の階調をmビットとしたときに、前記しきい値決定手段に前記しきい値を2(m−n)とさせている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明するが、それに先立って本明細書中で使用する用語の意味について明確にしておく。
【0013】
まず、「階調値」とは、画像を構成する各画素が有する濃度情報を表現する値であり、グレースケール画像の場合白黒の濃淡を示す値であり、また、カラー画像の場合、例えば「R、G、B」のそれぞれの濃度を示す値である。なお、以下の本実施形態中においては、カラー画像を取り扱う場合について説明する。
【0014】
また、「階調」とは、階調値がとり得る段階を表現する用語であり、例えば8ビットの階調では28段階の階調値が存在し得るし、16ビットの階調では216段階の階調値が存在し得る。
【0015】
【A.画像処理装置の構成】
図1は、本発明に係る画像処理装置の要部概略構成を示すブロック図である。この画像処理装置100には装置外部に画像入力部50と画像出力部60とが接続されている。
【0016】
画像入力部50は、写真やフィルムなどの原稿を光学的に読み取り、その読み取った情報を画像データとして画像処理装置100に与える機能を有する。この機能を実現するため、画像入力部50は、撮像部51とA/D変換部52とフレームメモリ53とLUT54とインターフェイス55とを備えている。撮像部51は、原稿の情報をR、G、Bの各成分ごとにアナログ信号として読み取りA/D変換部52に伝達する。そして、読み取られた情報はディジタル信号に変換されて、フレームメモリ53に格納される。従って、フレームメモリ53に格納されているデータは、画像を構成する各画素のR、G、Bのそれぞれについての量子化された階調値である。そして、上述したように、画像入力部50はこれらの階調値に階調値変換を行うべく、LUT54による処理を行った後、インターフェイス55を介して画像処理装置100にデータ転送する。
【0017】
画像処理装置100は、画像入力部50から受け取った画像データに対して種々の画像処理を行う装置であり、記憶部10と制御部20とを備えている。記憶部10は、原画像保持部11と、画像情報保持部12と、出力画像保持部13とを備えており、画像入力部50から転送された画像データを記憶するとともに、画像処理に必要なソフトウェアやパラメータなどを記憶している。
【0018】
制御部20は、画像処理や装置全体の管理を行う処理部であり、階調拡張手段21と、しきい値決定手段24と、比較分析手段25と、画素置換処理手段26と、階調圧縮手段27とを有している。階調拡張手段21は、さらに注目画素処理部22と周辺画素処理部23とを備えている。制御部20に備えられたこれら各手段や上記記憶部10内の各保持部は、画像処理用ソフトウェアに応じて実行される処理内容を表わしており、その処理内容については、さらに後述する。
【0019】
また、画像処理装置100は、インターフェイス40を備えており、当該インターフェイス40を介して画像出力部60に接続されている。画像出力部60は、処理済みの画像データを画像処理装置100から受け取ってフィルムなどに出力する装置である。
【0020】
【B.画像処理装置の動作および処理内容】
次に、上記構成を有する画像処理装置100の動作および処理内容について説明する。図2は、画像処理装置100が行う画像処理手順を示すフローチャートである。
【0021】
まず、処理対象となる画像の原稿が画像入力部50の撮像部51によって読み取られ(ステップS1)、その読み取られた画像データはLUT54による階調値変換を経た後(ステップS2)、画像処理装置100に転送され、原画像保持部11に記憶される。また、同時に、原画像の階調ビット数(本実施形態においては8ビットとする)が画像情報保持部12に記憶される。この画像情報保持部12には、後述する階調拡張後の階調ビット数(本実施形態においては10ビットとする)も予め格納されている。なお、ここで示す例においては、R、G、Bのそれぞれについて8ビットの階調を有するカラー画像データが転送され、記憶されるものとする。
【0022】
ここで、上述したように、LUT54による階調値変換を経た画像データは、特定の階調値が欠落している。そこで、以下に説明するように、本発明に係る画像処理装置100の特徴である階調値補間処理が行われる。
【0023】
階調値補間処理は、フィルタリング処理、即ち、画像に対して局所画素群であるフィルタを走査させることによって行われる。図3は、フィルタリング処理を説明するための概念図である。3×3の画素行列で構成され、図中において太線で示されたフィルタFが原画像保持部11に記憶されている画像データを有する画像上を走査することによって、局所画素群は選択されることとなる。このときに、フィルタFは、画像の左上隅を出発点として図中のX方向(主走査方向)に走査し、カラー画像の右上隅に達すると、次に、Y方向(副走査方向)に隣接した左端の画素からX方向に走査し、以下フィルタFが画像の右下隅に達するまで同様の手順が繰り返されることとなる。そして、ある時点でのフィルタFによって走査されている局所画素群が選択された局所画素群となり、当該局所画素群の中央の画素FPが注目画素として、階調値補間処理の対象となる。なお、カラー画像の場合は、R、G、Bの3つのプレーンを有しており、それぞれのプレーンについてフィルタリング処理が行われる。図4および図5は、フィルタFの走査によって選択された局所画素群の処理過程の一例を示す図であり、以下、これらの例を適宜参照しつつ階調値補間処理について説明する。
【0024】
図2に戻って、上記局所画素群が選択されているときに、階調拡張手段21が画像情報保持部12に記憶されている拡張前後の階調ビット数を参照しつつ当該局所画素群に対して階調拡張を行う(ステップS3)。ここで、階調拡張とは、階調値がとり得る段階を拡げること、すなわち階調表現段階において高密度とすることであり、本実施形態では、8ビットの階調を有する画像データを10ビットの階調を有する画像データにする。このときに、階調の拡張に対応して、局所画素群を構成する画素の階調値も2(10−8)倍され、具体的には、8ビットの階調を有する局所画素群の階調値が図4(a)に示すような場合、10ビットの階調に拡張すると、注目画素処理部22が注目画素の階調値”128”を2(10−8)=4倍にするとともに、周辺画素処理部23が注目画素に隣接する周辺4画素の階調値を同様にそれぞれ4倍にする。そして、その結果、局所画素群の階調値は、図4(b)に示すような値となる。なお、この例における周辺4画素は、図示のように注目画素の上下左右に隣接する4画素である。
【0025】
次に、ステップS4に進み、周辺画素処理部23が、上記乗算された周辺4画素の階調値の平均値を算出する。すなわち、周辺画素処理部23は、階調の拡張に対応して、周辺画素の乗算を行うとともに、その乗算された結果の平均値を算出する機能をも有している。なお、図4(b)の場合、周辺4画素の階調値の平均値は”509”となる。そして、ステップS5に進み、上記乗算された注目画素の階調値と周辺4画素の階調値の平均値との差の絶対値を算出する。この例では、その絶対値の値は”3”となる。
【0026】
一方、このときしきい値決定手段24が、後述する「比較」に用いるためのしきい値を決定する。そして、しきい値は、階調拡張前後の階調比に応じて決定される。即ち、しきい値決定手段24は、画像情報保持部12に記憶されている階調拡張前後の階調ビット数を参照し、拡張前のビット数をn拡張後のビット数をm(ここでm、nはm>nを満たす整数)としたときに、しきい値を2(m−n)として決定する。従って、この例では、2(10−8)=4がしきい値として決定される。
【0027】
そして、次に、ステップS6に進み、比較分析手段25は、上記差の絶対値がしきい値未満となるか否かを判別する。この例では、差の絶対値”3”がしきい値”4”未満であるため、ステップS7に進み、画素置換処理が行われる。
【0028】
画素置換処理は、画素置換処理手段26が上記乗算された注目画素の階調値を周辺4画素の階調値の平均値に置換することにより行われる。この例では、図4(c)に示すように、注目画素の階調値が周辺4画素の階調値の平均値”509”に置換される。そして、ステップS7aに進み、階調圧縮手段27が階調圧縮を行う。階調圧縮は、上記階調拡張と逆の処理であり、即ち、階調値がとり得る段階を狭めることであり、本実施形態では、10ビットの階調を有する画像データを元の8ビットの階調を有する画像データにする。このときに、階調の圧縮に対応して、局所画素群を構成する画素の階調値も2(8−10)倍される。その結果、この例では、図4(d)に示すような値となる。
【0029】
図4(a)と図4(d)とを比較すると明らかなように、上記階調値補間処理の結果、局所画素群の注目画素の階調値が”128”から”127”に置換されており、この結果、欠落した階調値が補間されることとなる。
【0030】
一方、図5に示す例においても、上記と同様に、局所画素群に対して8ビットから10ビットに階調拡張が行われ(図5(b)の状態)、乗算された周辺4画素の階調値の平均値が算出される。ここでの平均値は、”483”となる。従って、乗算された注目画素の階調値と周辺4画素の階調値の平均値との差の絶対値は”155”となり、しきい値”4”以上となる。この場合は、図2に示すように、画素置換処理を行うことなく、元の注目画素の階調値のまま階調圧縮処理が行われることとなる(図5(c)の状態)。
【0031】
図5(a)に示す例では、局所画素群内の階調値が急峻な変化をしており、フィルタFが画像の輪郭部分を走査しているときに対応している。このような場合は、周辺画素の階調値の平均値と注目画素の階調値との差の絶対値がしきい値以上となるため、画素置換処理が行われず、その結果、処理前の画像が有する輪郭部分の鮮鋭度が失われることはない。
【0032】
図2に戻り、階調圧縮処理の後、その処理済み画素の階調値は出力画像保持部13に格納される。そして、ステップS8に進み、画像上の全ての画素について上記処理が終了したか否かが判断される。そして、全ての画素について処理が終了していない場合には、ステップS9に進み、フィルタFが1画素分走査された後、ステップS3〜ステップS7aの一連の処理が繰り返して行われることとなる。
【0033】
一方、画像上の全ての画素について処理が終了している場合には、出力画像保持部13に蓄積された画像データがインターフェイス40を介して画像出力部60から出力されて画像処理が終了する。なお、ここでの画像出力は必須のものではなく、必要に応じて行えばよい。また、本実施形態においては、カラー画像を処理対象としているため、上記階調値補間処理がR、G、Bの3つのプレーンのそれぞれについて行われることとなる。
【0034】
以上のようにすれば、周辺画素の階調値の平均値と注目画素の階調値との差の絶対値がしきい値未満の場合には、画素置換処理が行われ、欠落した階調値の補間が行われるとともに、しきい値以上の場合には、画素置換処理が行われず、処理前の画像が有する鮮鋭度が維持されることとなる。すなわち、輪郭部分などの鮮鋭度を維持しつつ、必要な箇所のみ階調値の補間を行うことができる。
【0035】
なお、以上において、しきい値を”2(m−n)”としているのは、階調拡張前の元の階調で考えた場合、注目画素の階調値と周辺画素の階調値の平均値との差が”20=1”未満となるか否かを判別するのと同じ意味である。本発明に係る画像処理装置100における階調値補間処理は、LUTによる処理の結果欠落した階調値の補間を目的としており、また、LUTによる処理の結果欠落する階調値の幅は通常”1”未満である。従って、この目的に鑑みた場合、注目画素の階調値と周辺画素の階調値平均値との差が”1”未満のときのみ階調値補間を行えば十分であり、また、差が”1”以上のときに階調値補間を行うと画像の輪郭部分をも平滑にしてしまうなどの弊害が生じることとなる。そして、しきい値との比較を階調拡張後の階調において行うのは、画像処理装置100において扱う画像データが量子化されたディジタル信号であるため、”1”未満であるかの否かの判断が困難であるからである。従って、上記実施形態においては、8ビットの階調を10ビットの階調に拡張していたが、これに限定されるものではなく、他の階調に拡張するものであってもよい。そして、拡張前後の階調比が大きいほど、量子化による弊害が希釈され、正確な階調値補間が行える。
【0036】
【変形例】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記においては、カラー画像を対象としていたが、これがグレースケール画像であってもかまわない。この場合、白黒の濃淡を示す値を階調値とすることにより上記と同様に、画像の鮮鋭度を維持しつつ、必要な箇所のみ階調値の補間を行うことができる。
【0037】
また、上記実施形態においては、局所画素群における注目画素の周辺4画素の平均値を算出するようにしていたが、これを例えば周辺8画素の平均値を算出するようにしてもよい。もっとも、本実施形態のようにしても十分な効果が得られる上に、演算量が少なくて済むため処理速度が早い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、階調値が欠落した第1の階調の画像を第1の階調よりも大きい第2の階調に拡張する階調拡張手段と、第2の階調に拡張された画像上の注目画素の周辺画素階調値の平均値を算出する周辺画素平均値算出手段と、第1の階調と第2の階調との階調比に応じてしきい値を決定するしきい値決定手段と、第2の階調に拡張された画像上の注目画素の階調値と平均値との階調値差をしきい値と比較する比較手段と、比較の結果階調値差がしきい値未満であることが判明した場合には、注目画素の階調値を平均値に置換する置換手段と、置換手段による置換後の画像を第1の階調に圧縮する階調圧縮手段とを備えているため、階調値差がしきい値未満の場合には、画素置換処理が行われ、欠落した階調値の補間が行われるとともに、しきい値以上の場合には、画素置換処理が行われず、処理前の画像が有する鮮鋭度が維持され、その結果、輪郭部分などの鮮鋭度を維持しつつ、必要な箇所のみ階調値の補間を行うことができる。
【0039】
また、請求項2の発明によれば、第1の階調をnビットとし、第2の階調をmビットとしたときに、しきい値決定手段は、しきい値を2(m−n)としているため、画像の鮮鋭度を維持しつつも、LUTによる処理の結果欠落した階調値を確実に補間することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の要部概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置が行う画像処理手順を示すフローチャートである。
【図3】フィルタリング処理を説明するための概念図である。
【図4】フィルタの走査によって選択された局所画素群の処理過程の一例を示す図である。
【図5】フィルタの走査によって選択された局所画素群の処理過程の一例を示す図である。
【図6】LUTの階調値変換曲線の一例を示す図である。
【図7】1枚の画像に含まれる画素のLUTによる処理後の階調値度数分布の一例を示す図である。
【符号の説明】
21 階調拡張手段
22 注目画素処理部
23 周辺画素処理部
24 しきい値決定手段
25 比較分析手段
26 画素置換処理手段
27 階調圧縮手段
Claims (2)
- 階調値が欠落した第1の階調を有する画像の階調補間を行う画像処理装置であって、
(a) 前記第1の階調の画像を前記第1の階調よりも大きい第2の階調に拡張する階調拡張手段と、
(b) 前記第2の階調に拡張された画像上の注目画素の周辺画素階調値の平均値を算出する周辺画素平均値算出手段と、
(c) 前記第1の階調と前記第2の階調との階調比に応じてしきい値を決定するしきい値決定手段と、
(d) 前記第2の階調に拡張された画像上の前記注目画素の階調値と前記平均値との階調値差を前記しきい値と比較する比較手段と、
(e) 前記比較の結果、前記階調値差が前記しきい値未満であることが判明した場合には、前記注目画素の階調値を前記平均値に置換する置換手段と、
(f) 前記置換手段による置換後の画像を前記第1の階調に圧縮する階調圧縮手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置において、
前記第1の階調をnビットとし、前記第2の階調をmビットとしたときに、
前記しきい値決定手段は、前記しきい値を2(m−n)とすることを特徴とする画像処理装置。
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