JP3778784B2 - 留守番電話機能を有するテレビ電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声とともに画像でも相手側と通信が可能で、相手側からの呼出しに自動応答することも可能な留守番電話機能を有するテレビ電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、音声通信を行う電話装置には、留守番電話機能を備える電話装置が広く用いられている。留守番電話機能で自動応答した相手側からの通信内容は、磁気テープなどに記憶される。また、相手側の電話番号である発信者番号を受信可能な場合には、発信者の電話番号も相手側からの通信内容とともに記憶したり、相手側が自動応答に応答しないで通信を終了した場合でも、発信者番号だけは記憶することが行われている。留守番電話機能を有する電話番号の利用者は、留守番電話機能で記憶している着信情報の内容を、後から再生することができる。磁気テープなどに複数の着信情報が記憶されているときに、順次再生すると時間がかかるので、着信記録を一覧表示可能な表示器を備え、選択された着信情報を、磁気テープの早送りなどによって迅速に再生可能にする場合もある。表示器には、発信者の電話番号や、電話装置が留守番電話機能とともに電話帳機能を備えていれば、電話帳機能でその電話番号に関連付けて記録されている氏名なども表示器に表示させることができる。電話装置の利用者は、表示器の表示内容を見て、再生する着信情報を選択することができる。
【0003】
電話通信を音声とともに画像も送受信して行うテレビ電話装置に関しては、たとえば特開平7−30873号公報に、留守番電話機能を備え、自動応答した着信情報を、画像も含めて再生可能な先行技術が開示されている。この先行技術では、留守中に発呼局から受信した留守番メッセージと画像とを、ランダムアクセス可能なハードディスクなどに記憶する。画像を連続的に記憶すると、大量の記憶領域を必要とするので、画像は記憶しないで音声のみを記憶するモードや、初期画面のみを記憶するモードや、発呼局からの指示操作信号に関連する特定画面を記憶するモードや、所定時間毎の画面を記憶するモードや、最終画面のみを記憶するモードなどを選択して動作させる。この先行技術では、留守番電話機能で自動応答中に受信する相手側からの画像や音声を記憶するようにしているけれども、記憶内容の再生については音声通話用の電話装置の留守番電話機能と同様である。すなわち、予め指定されるスイッチ操作で留守番再生機能を開始すると、留守番記録メッセージが一覧表示される。一覧表示は、相手先の電話番号や人名、時刻、および音声のみか音声と画像かを示す記憶モードがリストの形式で表示される。利用者が一覧表示で番号を選択すると、その番号に対応する記憶内容が再生される。画像が記憶されていれば、記憶されている画像も再生される。この先行技術では直接記載されていないけれども、一般の留守番電話機能を備える音声用の電話装置では、留守番電話機能による自動応答で記憶したメッセージがある場合には、電話装置に設けられているランプなどを点灯するようにしている。留守から帰宅した利用者がランプを見れば、留守中にメッセージが記憶されているか否かを容易に知ることができ、記憶内容を再生する操作を行うか否かの判断も可能となる。
【0004】
なお、特開昭63−316966号公報には、電話帳機能を備えるテレビ電話装置の先行技術が開示されている。この先行技術では、登録されている多くの相手先を選択するために、表示画面を分割して多数の画像を表示することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来からの留守番電話機能を有する電話装置では、特開平7−30873号公報に関連して説明したように、利用者が再生操作を行うまでは留守中に受けた電話の相手を確認することができない。テレビ電話装置ではなく、音声機能のみの電話装置では、相手側からの音声を留守応答後も再生し続けるようにしておくと、利用者が再生操作を行わないでも、既に知っている相手であれば、声からだけでも相手を確認することができる。しかしながら、音声を再生し続けて留守中の着信情報内容を表示すると、周囲に聞かれたり騒音となるなどの欠点があるので、実用化されてはいない。
【0006】
発信者番号を受信可能な電話装置の場合には、表示される電話番号から相手を確認したり、予め電話番号に関連付けられた名前を記憶しておいて、合致する発信者番号に対して名前を表示することもできる。このため、一般に留守番電話機能では、利用者が再生操作を行うと、留守中に受けた電話の一覧表示が行われている。ただし、電話番号はあくまでも相手側の電話装置に対して付与されているものであり、特定の個人に対して対応付けられているものではない。携帯電話機などでは、特定の個人と電話番号とが密接に結びついている可能性は高くなるけれども、既に知っている相手であれば、声を聞いた方が早く確認することができる。しかも一般の電話装置では、たとえば家族に1つの電話回線を引いている場合、その電話番号が表示されてその家族からの電話番号の可能性が高くなっても、たとえば3人家族の父親からか母親からか子供からかは、電話番号やそれに関連付けられた氏名などの情報を表示しても特定することはできない。
【0007】
また特開昭63−316966号公報に開示されているように、電話帳機能として指定された分割数で画面を分割し、メモリに記憶されている画像を複数同時に表示している。しかしながら、分割数が変更可能であるか否か、変更可能であるとすればどのようにして変更するかなどについては全く記載されていない。したがって、表示する静止画像の数に比較して分割数が多すぎれば、各画像は小さく表示しなくてはならず、空き領域が存在するにも拘わらず、見にくくなってしまう。また分割数が小さい場合には、表示可能な画像の全部を表示することができず、一覧性に欠けてしまう。
【0008】
本発明の目的は、テレビ電話装置が有する機能を有効に利用して留守番電話機能で応答した相手を容易に確認することができる留守番電話機能を有するテレビ電話装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、着信に自動応答し、少なくとも相手側からの画像を再生可能に記憶する留守番電話機能を有するテレビ電話装置において、
相手側からの画像を表示する表示手段と、
自動応答時の通信中に相手側から受信する画像を記憶する表示記憶手段と、
テレビ電話通信の終了後も継続して表示記憶手段に記憶した画像を前記表示手段に表示するように、表示記憶手段を制御する表示継続手段と、
前記自動応答が複数回行われて、前記継続する画像表示に追加すべき画像が生じ、前記表示記憶手段の記憶内容に基づく表示領域に空きがない場合に、前回までの自動応答で受信した画像を情報量が減少するように加工して表示記憶手段に表示可能領域を作り出し、その領域に今回受信した画像を記憶表示することを順次行う表示加工手段とを含むことを特徴とする留守番電話機能を有するテレビ電話装置である。
【0010】
本発明に従えば、留守番電話機能を有するテレビ電話装置は、着信に自動応答し、少なくとも相手側からの画像を再生可能に記憶することができ、表示手段と表示記憶手段と表示継続手段とを含む。表示手段は、相手側からの画像を表示する。表示記憶手段には、自動応答時の通信中に相手側から受信する画像が記憶される。表示継続手段は、テレビ電話通信の終了後も継続して表示記憶手段に記憶した画像を表示手段に表示するように、表示記憶手段を制御する。留守番電話機能でのテレビ電話通信の終了後も表示手段での画像表示が継続されているので、画像を見れば相手側を容易に確認することができる。画像を継続して表示しているだけであるので、音声を継続的に再生する場合のような通信内容を周囲に聞かれてしまったり、騒音となるなどの問題を避けることができる。また、電話番号だけからでは家族を特定することはできても、そのうちの誰であるか個人を特定することができない場合であっても、画像表示で相手の顔などが表示されれば、容易に個人を特定することができる。
【0011】
また本発明で前記表示継続手段は、受信した画像の最終フレームを前記表示記憶手段に記憶して画像表示するように制御することを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、表示継続手段が受信した画像の最終フレームを記憶して画像表示するように制御するので、テレビ電話通信の終了時の画像をそのまま表示すればよく、継続表示のための制御を簡単に行うことができる。
【0014】
また、留守番電話機能に基づく自動応答を複数回行っても、複数回分の画像を表示記憶手段に記憶して表示を継続することができる。表示記憶手段の記憶内容に基づく表示領域に空きがない場合には、表示加工手段によって前回までの自動応答で受信した画像を情報量が減少するように加工して表示記憶手段に表示可能領域を作り出し、今回受信した画像を記憶表示するので、複数回分の画像を一覧表示させることができる。
【0015】
また本発明で前記表示加工手段は、前記表示記憶手段に記憶されている画像データを直接間引くことによって前記情報量の減少を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、表示加工手段は、表示記憶手段に記憶されている画像データを直接間引いて情報量を減少させ、新たな表示可能領域を作り出すので、間引きによる表示画像の縮小も併せて行うことができる。
【0017】
また本発明で前記表示加工手段は、前記情報量の減少後に表示する画像を並べ換えることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、表示加工手段が既に表示記憶手段に記憶されている画像データの情報量を減少させるときに、表示する画像を並べ換えるので、情報量の減少に合わせて複数の画像を判りやすく表示することができる。
【0019】
また本発明で前記表示加工手段は、複数mの画像を、前記表示領域を縦または横のうち予め定める方向にn分割して表示し、次に1つの画像を追加する場合に、各画像をn/(n+1)に圧縮することで、該方向に(n+1)分割してm+1番目の画像を表示可能にすることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、表示する画像の数を増やす際に、既に表示記憶手段に記憶されて継続的に表示されている画像の圧縮を必要最小限に留め、表示画面を有効に利用して表示画像を確認しやすく、かつ全ての画像を同時に表示可能なように継続して表示することができる。
【0021】
また本発明で前記表示加工手段は、予め設定される最大分割表示数を超える数の分割を行わないことを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、表示加工手段は、予め設定される最大分割表示数を超える数の分割は行わないので、継続表示する画像が小さすぎて画像を見ただけでは相手側を確認することができないような小さな画像表示を避け、画像表示による相手の確認などが有効な状態を保つようにすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施の一形態としてのテレビ電話装置1の概略的な電気的構成を示す。テレビ電話装置1は、電話回線インタフェース2、モデム3、分離回路4、表示切換スイッチ5、表示記憶部6、画像表示部7、画像入力部8、カメラ記憶部9、送出切換部10、多重回路11、画像記憶部12、着信検出部13、留守応答制御部14、留守応答有無記憶部15、表示継続指示部16、音声処理部/音声記憶部30およびハンドセット31を含む。
【0024】
電話回線インタフェース2は、2線4線変換を行う。モデム3は、半導体集積回路で構成され、回線上のアナログ信号をデジタルデータに変換したり、デジタルデータをアナログ信号に変換して電話回線に送出する。分離回路4は、論理用の半導体集積回路とDSPと略称されるデジタル信号プロセッサなどで構成され、モデム3から出力されるデジタルデータを同期信号やデータ種別フラグを参照しながら受信画像データと受信音声データと制御信号とに分離し、チャネルデコーダや、誤り訂正回路、画像デコーダ、音声デコーダなども含む。表示切換スイッチ5は、分離回路4のDSP内部で処理され、分離回路4や画像記憶部12からの画像データを選択して出力する。表示記憶部6は、RAMで構成され、画像データを1画面分記憶し、画像表示部7に出力することができる。画像表示部7は、LCDと略称される液晶表示器や、LCDドライバとしての半導体集積回路、およびバックライトなどから構成される。画像入力部8は、CCDカメラなどから構成され、テレビ電話装置1でテレビ電話通信を行う利用者などの画像を撮像する。カメラ記憶部9は、画像入力部8からの画像を記憶するRAMで構成される。送出切換部10も分離回路4内のDSP内で処理され、カメラ記憶部9や画像記憶部12からの画像データを選択出力する。
【0025】
多重回路11は、送出切換部10から入力される送信画像となる画像データをエンコードし、音声処理部/音声記憶部30から入力される音声データをエンコードし、誤り訂正符号を付加し、データ種別フラグや制御信号や同期信号とともに多重化し、モデム3へ出力するチャネルエンコーダである。画像記憶部12は、画像入力部8からカメラ記憶部9を経由して画像を録画したり、電話回線から電話回線インタフェース2、モデム3および分離回路4を経由して受取った相手画像を録画したりするための記憶手段であり、RAMやフラッシュROMによって構成され、分離回路4のDSPによって制御される。画像記憶部12からの出力は、表示切換スイッチ5、表示記憶部6および画像表示部7を経由して画像表示され、あるいは送出切換部10、多重回路11、モデム3および電話回線インタフェース2を介して電話回線へ送出される。
【0026】
音声処理部/音声記憶部30は、音声情報を記憶するメモリ、記憶されるデジタル情報をアナログ信号に変換するD/A変換器、アナログ信号をデジタル情報に変換するA/D変換器、アンプおよびスイッチから成り、前述の分離回路4のDSPで分離された音声データが入力され、メモリに記憶され、あるいはD/A変換されてアンプを経由してハンドセット31から音として出力される。ハンドセット31から入力される音声は、音声処理部/音声記憶部30に入力され、アンプおよびA/D変換器を経由して記憶され、あるいは多重回路11に送られ、モデム3および電話回線インタフェース2を介して電話回線へ送出される。また、音声処理部/音声記憶部30は、電話回線インタフェース2との間にアナログ信号経路を有し、ハンドセット31からのアナログ信号をアンプで増幅した後、スイッチを経由して通常のアナログ公衆電話網への音声信号として処理する。また、アナログ公衆電話網からの音声信号を、アンプで増幅した後、ハンドセット31から再生するような処理も可能である。したがって通常のアナログ方式の音声電話としても動作可能である。
【0027】
着信検出部13は、フォトカプラを含む回路部品から成り、電話回線の着信信号を検出する。留守応答制御部14は、マイクロコンピュータで実現され、着信検出部13からの出力が入力され、着信信号の有無を判定し留守応答を行うために必要な各部の制御を行う。留守応答有無記憶部15は、留守応答制御部14のマイクロコンピュータ内の記憶回路で構成され、留守応答を行ったか否かを記憶する。表示継続指示部16は、留守応答制御部14のマイクロコンピュータのプログラム動作で実現され、留守応答有無記憶部15が留守応答を行ったことを示すときに、画像表示を継続するように、I/Oポートからの出力を変えて、表示切換スイッチ5、表示記憶部6および画像表示部7を制御する。
【0028】
図2は、留守応答制御部14のマイクロコンピュータによる留守応答動作の手順を示す。留守番電話機能が設定されると、ステップa1からの留守着信動作が定期的に実行される。先ずステップa2で、着信検出部13によって着信信号が検出され、マイクロコンピュータに入力される。マイクロコンピュータでは、その回数を計数し、連続して規定回数を超える着信信号が検出されるまで待つ。着信検出が規定回数以上発生すると、ステップa3で、電話回線インタフェース2に回線の閉結であるオフフックを指示するとともに、モデム3を動作させる。モデム3は、テレビ電話装置を示す信号が検出されると、相手がテレビ電話装置であるとマイクロコンピュータに通知する。マイクロコンピュータは、ステップa4で、モデム3からの通知に従って、テレビ電話装置としての留守応答を行うか、音声のみの留守応答を行うかを判定する。
【0029】
テレビ電話装置としての留守応答を行うときには、先ずステップa5で、表示切換スイッチ5によって、分離回路4からの出力が表示記憶部6へ入力されるように接続する。また、ステップa6で、送出切換部10によって、画像記憶部12に記憶している留守番電話応答時に相手端末へ送出する画像を、多重回路11に入力するように接続する。また、ステップa7で、従来の留守番電話で行われているように、応答音声が出力されるように、音声処理部/音声記憶部30から、「ただいま留守にしています…」などという応答音声が出力されるように制御する。
【0030】
ステップa8では、これらの応答音声や応答画像の送出の後、留守録音録画を開始する。留守録音録画は、ステップa9で相手が終話していると判断されるか、ステップa10で予め定めた時間が経過すると判断されるまで続けられる。なお、ステップa9の終話検出は、モデム3が終話信号音を検出することでマイクロコンピュータに通知される。
【0031】
ステップa9で相手が終話と判断されるとき、またはステップa10で時間経過と判断されるときには、ステップa11で電話回線インタフェース2が電話回線を開放する。ステップa8で留守録音と録画が行われているので、ステップa12では、留守応答有無記憶部15に、留守応答が「有」であることを記憶する。これに従って、ステップa13では、表示継続指示部16として表示切換の入力を切断し、表示記憶部6に記憶している受信画像を消去しないようにする。また、ステップa14で、画像表示部7に、表示記憶部6に記憶している受信画像の表示を止めないように設定し、ステップa15で手順を終了する。
【0032】
次に新たに第2の着信があった場合は、同様にしてその着信の最終フレームが表示記憶部6に記憶され、画像表示部7に表示され続ける。このとき第1の着信の画像は、第1の着信時点で表示記憶部6に記憶されるとともに、画像記憶部12にも記憶されており、帰宅した利用者が他の着信画像を表示するためのキー操作を行えば、マイクロプロセッサがそのキー操作を認識するたびに、それぞれの着信で記憶した最終フレーム画像を画像記憶部12から読出して表示する。
【0033】
以上説明したような動作とともに、以下に示すように受信した画像を一旦画像記憶部12に記憶して、後で任意の画像を表示することもできる。すなわち、分離回路4の出力は画像記憶部12に接続されており、通信中に画像記憶部12に記憶することができる。この画像記憶部12の出力の任意の画像フレームを選択し、表示切換スイッチ5へ出力し、表示記憶部6に記憶させることができる。したがって、通信中に受信した任意の画像フレームを、通信終了後表示記憶部6に転送することによって、画像表示部7に任意の画像フレームを表示することができる。
【0034】
しかし、通信の最後に受信したフレームを表示するようにすれば、画像記憶部12に通信途中の画像を記憶する必要もないので、必要となるメモリが表示記憶部6のみでよく、メモリが少なくて済み、安価に構成することができる利点がある。極端に言えば、留守応答する場合に画像伝送を行わないか、あるいは単一色の画像を送るか、あるいはカメラで撮像した画像を送るようにすれば、画像を記憶しておく画像記憶部12は不要となる。留守応答で受信した画像は、必ず表示記憶部6に記憶されるからである。
【0035】
本発明の他の実施形態として、テレビ電話装置に着信が複数回あった場合に、複数回分の画像を表示記憶部6に記憶し、画像表示部7に同時に表示する構成について以下説明する。たとえば4回の着信に対して、画像面積を4分の1に間引き、縦2枚×横2枚の4枚の画像を並べて表示記憶部6に記憶し、画像表示部7に表示する。このようにすることによって、表示記憶部6の記憶容量を増やさずに複数回の着信を同一画面に表示し、着信の一覧性を増すことができる。
【0036】
図3は本実施形態の主要部分の構成を示し、図4は間引きの概要を示す。4枚の画像を1画面に表示するためには、4分の1画面への画像の間引き表示操作のような画像データの縮小による空き領域の形成と、形成された空き領域への画像の記憶とを新たな留守録画着信毎に行う。縮小と縮小によって空いた領域への記憶とを繰返すことによって、着信毎の最終フレームを画面分割数だけ記憶することが可能となり、1つの表示記憶部6で複数の留守録画像を残すことができる。
【0037】
図3に示すように、本実施形態では表示切換スイッチ5と表示記憶部6との間に表示加工部40を設ける。表示加工部40は、分離回路4に備えられるDSP内のプログラム制御によって実現される。図4(a)は、第1の着信による画像を表示した状態を示す。この状態は、表示記憶部6内に記憶されている画像データを模式的に示している。第2の着信があって、テレビ電話装置の相手側からの着信であると判断されると、DSPは表示記憶部6の表示内容を左上から右上に「1234567890」の順に読みながら、2つに1つのデータを読込む。書込んだデータについて、下線を付して示すと、表示記憶部6内の画像データは順に、
【0038】
【表1】
【0039】
となり、さらに右半分を表示上消去するため空白を書込む。
【0040】
【表2】
【0041】
このようにして1行分の画像データが左右の半分に圧縮される。このような操作を全ての行で行うと、図4(b)の状態になる。なお、上述の下線は説明の都合上便宜的に示すものであり、表示記憶部6の記憶内容ではない。この空白を書込む作業は省略し、以下に示す第2の画像を直接書込むこともできる。図4(c)は、第2の画像が入力され、画像データを間引きながら空白を書込んだ位置に、さらに第2の画像データを書込んだ状態を示す。
【0042】
図4(d)は、さらに着信があって、画像を書込む必要が生じ、画像を縦半分に圧縮している状態を示す。これは行をたとえば上から下に1行おきに間引き、下の行を間引いた後に順次移動し、移動した行の後には空白行で埋めることによって行われる。これによって、2つの空き領域が生じる。図4(e)は、受信した画像を縦横半分に圧縮しながら、図4(d)で生じた空き領域のうちの一方に書込んでいる状態を示す。図4(f)は、さらにもう1つの画像を空き領域に書込んだ状態を示す。
【0043】
図4(a)から図4(f)まででは、2分の1に圧縮しているけれども、3つの対象に対して1つを書込むことで3分の1に圧縮することもできる。また、3つの対象に対して2つを書込むことで3分の2に圧縮することもできる。すなわち任意の分数に圧縮可能である。図4(f)の状態からさらに着信があれば、図4(g)に示すように横3分の2に圧縮していくことで、6画面を作り出し、可能な限り画像を大きく表示しながら記憶する画像の数を増やすことができる。この場合、m=4の画像を横方向にn=2分割して表示しているところを、横方向にn/(n+1)=2/3に圧縮してn+1=3分割し、新たに生じる空き領域にm+1=5番目の画像を記憶することになる。
【0044】
図4(g)では、図4(f)の状態の画像を横3分の2に圧縮して6つの画像用の表示領域を形成し、2つの画像用の空き領域を形成している状態を示す。縦2枚×横3枚の表示領域のうち、左側と中側とに画像が表示され、右側が空いているので、このままだと新たな画像は右側に表示されることになる。しかしながら、既に記憶されている画像が、左上、中上、左下、中下となるので、新たな画像を右上に表示するようにすると、着信した順番が判りにくくなってしまう。このとき、矢印で示すように、着信した時系列に従って、左上から右下に向かって並べ直すようにすれば、利用者に示す画像の着信に関する時系列に混乱を生じさせることなく、判りやすく利用者に認識させることができる。すなわち、3番目に着信した左下の画像を右上に移し、4番目に着信した中下の画像を左下に移し、中下の位置に空白を埋めるように加工した結果を図4(h)に示す。次に第5の着信の画像は、図4(i)に示すように中下の位置に表示するように記憶される。
【0045】
このように順次分割数を増やして表示すると、1つ1つの画像が小さくなっていくために、無制限に多数の分割を行うと、一覧性が損なわれるおそれがある。これを防ぐためには、予め分割数の上限を定めておき、その上限以上には分割を行わないようにすればよい。
【0046】
図5および図6は、本実施形態での処理手順を示す。図5は図4に示すような画面分割を行いながら新たな着信画像を表示記憶する手順を示し、図6は空き領域を作るために画像を圧縮する手順を示す。
【0047】
図5の画像書込みの手順は、ステップb1から開始され、ステップb2で書込む場所が空いているか否かを判断する。空いていないと判断されるときには、ステップb3で画像の圧縮が行われる。ステップb2で書込む場所が空いていると判断されるとき、またはステップb3で圧縮の結果空きの場所が形成されるとき、ステップb4で書込む場所についての縦と横の圧縮比に合わせて受信画像の間引きを行う。ステップb5では、表示記憶部6へ位置を合わせて間引いた受信画像を書込む。ステップb6では、全画面の受信が完了しているか否かを判断する。完了していないと判断されるときには、ステップb4に戻る。ステップb6で全画面の受信が完了していると判断した後は、ステップb7で次回書込みを行う空き位置を記憶し、ステップb8で手順を終了する。
【0048】
図6は、図5のステップb3の圧縮処理の手順を示す。ステップc1から手順を開始し、ステップc2では圧縮方向を決める。ステップc3で圧縮方向が縦か横かを判断する。圧縮方向が横のときには、ステップc4で各行あたりn個の画像データを読込み、n−1個の画像データを書込む。また、ステップc3で圧縮方向が縦と判断されるときには、ステップc5でn行のうちの1行を詰めて転送する。ステップc4では横方向の(n−1)/n倍の圧縮が行われ、ステップc5では縦方向について(n−1)/n倍の圧縮が行われる。圧縮が行われた後、ステップc6では、画面全体についての圧縮が終了しているか否かを判断する。終了していないと判断されるときには、ステップc3に戻る。ステップc6で画面全体の圧縮が終了していると判断されるときには、ステップc7で図4(g)で説明したような位置の順序を整える処理を行う。次にステップc8で、図4(h)に示すように位置の変更で空いた位置に空白の書込みを行う。ステップc9で圧縮後の画像書込み領域の縦と横の圧縮比をそれぞれ記憶し、ステップc10で圧縮の手順を終了する。
【0049】
以上説明した各実施形態では、留守中に着信して記憶した画像を、留守録音録画通話終了後も画像表示部7に表示し続けることができ、誰からの着信があったかを利用者が特別な操作することなく表示し、帰宅した利用者が即座に確認することができる。なお、利用者が不在などのときには、画像表示部7を動作させないで画面表示を消しておき、利用者がスイッチ操作で画像表示部7の表示を再開させれば、そのときに留守番電話機能で記憶した画面を表示するようにすることもできる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、留守番電話機能で自動応答して着信し記憶した相手側からの画像を、自動応答によるテレビ電話通信の終了後も表示手段に表示し続けることができるので、誰からの着信があったかを、利用者の操作なしに表示することができ、留守にしていた利用者が帰宅したような場合に即座に確認することができる。
【0051】
また本発明によれば、留守番電話機能の自動応答でテレビ電話の通信を行った相手側からの画像の最終フレームが継続して表示されるので、テレビ電話機能で表示した内容を、通信終了後もそのまま継続して表示すればよく、制御を簡略化することができる。
【0052】
また、複数回にわたって自動応答が行われても、画像を表示記憶手段に記憶し、継続して表示することができる。
【0053】
また本発明によれば、表示記憶手段に記憶されている画像データを直接間引いて新たな表示可能領域を作り出して、複数の相手先の画像を表示するので、表示数を増加すると同時に表示する画像データを削減し、複数の画像を同一の画面に収めて一覧性のよい表示を行うことができる。
【0054】
また本発明によれば、複数の画面を表示する際に情報量の減少とともに並べ換えも行うので、情報量の減少に合わせた配置で複数の相手を確認することができる。
【0055】
また本発明によれば、複数の相手の画像を表示している状態で1つの画像を追加する際には、新たに1つ分の画像を追加するのに必要な圧縮を行うので、表示領域を有効に利用して複数の画像を表示することができる。
【0056】
また本発明によれば、最大分割数を超える数の分割は行わないので、一覧性を損なうような多数の画像表示を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としてのテレビ電話装置1の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1の留守応答制御部14に設けられるマイクロコンピュータによる制御手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の他の形態としてのテレビ電話装置の主要部分の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図3の実施形態で複数の着信を同一画面に表示するために先に受信した画像の間引き等を行う状態を示す図である。
【図5】図4のような画面の表示を行うための画像の書込み手順を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップb3の画像圧縮手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 テレビ電話装置
3 モデム
4 分離回路
5 表示切換スイッチ
6 表示記憶部
7 画像表示部
12 画像記憶部
13 着信検出部
14 留守応答制御部
15 留守応答有無記憶部
16 表示継続指示部
40 表示加工部
Claims (6)
- 着信に自動応答し、少なくとも相手側からの画像を再生可能に記憶する留守番電話機能を有するテレビ電話装置において、
相手側からの画像を表示する表示手段と、
自動応答時の通信中に相手側から受信する画像を記憶する表示記憶手段と、
テレビ電話通信の終了後も継続して表示記憶手段に記憶した画像を前記表示手段に表示するように、表示記憶手段を制御する表示継続手段と、
前記自動応答が複数回行われて、前記継続する画像表示に追加すべき画像が生じ、前記表示記憶手段の記憶内容に基づく表示領域に空きがない場合に、前回までの自動応答で受信した画像を情報量が減少するように加工して表示記憶手段に表示可能領域を作り出し、その領域に今回受信した画像を記憶表示することを順次行う表示加工手段とを含むことを特徴とする留守番電話機能を有するテレビ電話装置。 - 前記表示継続手段は、受信した画像の最終フレームを前記表示記憶手段に記憶して画像表示するように制御することを特徴とする請求項1記載の留守番電話機能を有するテレビ電話装置。
- 前記表示加工手段は、前記表示記憶手段に記憶されている画像データを直接間引くことによって前記情報量の減少を行うことを特徴とする請求項1記載の留守番電話機能を有するテレビ電話装置。
- 前記表示加工手段は、前記情報量の減少後に表示する画像を並べ換えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の留守番電話機能を有するテレビ電話装置。
- 前記表示加工手段は、複数mの画像を、前記表示領域を縦または横のうち予め定める方向にn分割して表示し、次に1つの画像を追加する場合に、各画像をn/(n+1)に圧縮することで、該方向に(n+1)分割してm+1番目の画像を表示可能にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の留守番電話機能を有するテレビ電話装置。
- 前記表示加工手段は、予め設定される最大分割表示数を超える数の分割を行わないことを特徴とする請求項5記載の留守番電話機能を有するテレビ電話装置。
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