JP3777974B2 - 車両の制動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械式制動装置を用いた摩擦制動と車両の駆動力を発生する電動機を通じた回生制動とを併用しうる車両の制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気自動車では、油圧やエア圧等の流体圧を通じて車輪に摩擦力を与えて制動を行なう機械式制動装置(メカブレーキ)による摩擦制動力と、車両の駆動力を発生する電動機を発電機として機能させ車輪(駆動輪)にこの発電負荷を与えて制動を行なう回生制動装置による回生制動力とによって、制動を行なうことができる。
【0003】
摩擦制動力と回生制動力とを与えることのできる制動装置に、さらに、車輪のロックを防止するアンチロックブレーキ制御(ABS制御)を実行する機能を付与したものがある。しかし、ABS制御は、各車輪ごとに行なうのに対して、一般に回生制動は駆動輪全てを同様に制御するものなので、ABS制御と回生制動制御とはなじまない。そこで、例えば特開平6−171489号に開示されているように、ABSの作動時には回生制動力を0にするようにして対応している。
【0004】
また、特開2000−50409号公報には、制動時に車両の旋回性能が低下しないように、所定条件下の制動時には回生ブレーキを中止し、摩擦制動力のみにより制動を行なうようにする技術も開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、回生ブレーキをより有効に活用しようとすると、ブレーキ操作量(ブレーキペダル踏込量)に対して図3に示すように制動力を与えればよい。つまり、アクセルペダルを踏み込まなければ、ブレーキ操作量が0であってもエンジンブレーキ相当の制動力を回生ブレーキによって与え、ブレーキ操作量が与えられると、エンジンブレーキ相当の制動力にこのブレーキ操作量に応じた制動力を加える。このとき、加える制動力は、まず回生ブレーキによって与え、回生制動力で足りなくなったら、最大の回生ブレーキにメカブレーキによる摩擦制動力を加えるようにするのである。
【0006】
しかしながら、上述のように、ABSの作動時に回生制動力を0にしてしまうと、ブレーキ操作量に応じた制動力については、全てをメカブレーキによって与えることで対応できるが、図3に示すようなエンジンブレーキ相当の回生制動力分は0になってしまうため、制動力が急に抜けてしまい、いわゆる「G抜け感」が発生してしまう。
【0007】
例えば、車両の走行する路面が低μ路であって、路面μが例えば0.25であるとすると、ブレーキ操作による減速度が0.25Gを超えると車輪がスリップしてABSが効き始め、減速度が0.25Gに抑えられる。このように減速度が0.25Gに達してABSが効き始める直前において、回生制動力が0.15G分与えられそのうちの0.1Gがエンジンブレーキ相当の回生制動力であったとする。ここで、ABSが効き始めるとこれと同時にエンジンブレーキ相当の回生制動力0.1Gが突然消失してしまうことになるため、減速度は0.25Gから0.15G(=0.25G−0.1G)へと急減し、「G抜け感」が発生してしまうのである。
【0008】
特開2000−62590号公報には、ABS制御の実行時に回生制動力をゼロにすると、全制動力が減少し、十分な制動力を確保することができなくなる点や、ABS制御輪について回生制動力がゼロとされると、その車輪に付与される制動力が減少することでロック傾向が解消し、ABS制御を継続して実行することができなくなる点に鑑み、ABS制御の実行時に回生制動力を減少させた場合にも、回生制動力の減少に伴う制動性能の低下を防止し、ABS制御の実行状態を維持することを可能にする制動力制御装置が提案されている。しかしながら、この技術では、ABS制御の性能低下を防止するため基本的には回生制動力を0として、メカブレーキによる摩擦制動力によって回生制動力の消失を補うようにしており、必ずしも回生ブレーキを有効に活用しているとはいえない。
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、回生ブレーキを可能な限り有効に活用しながら、ブレーキフィーリングを低下させる「G抜け感」を招くことなく回生ブレーキによるアンチロックブレーキ制御の低下を防止できるようにした、車両の制動装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明の車両の制動装置では、車両の駆動力を発生する一方、減速及び制動時には回生制動力をも発生可能な電動機をそなえ、機械式制動装置を用いた摩擦制動と、該電動機を通じた回生制動とを併用することができ、作動開始検出手段が、アンチロックブレーキ制御の作動開始を検出すると、制御手段が、この作動開始検出手段からの検出情報に基づいて、ブレーキペダル操作量相当分の前記回生制動力を中止しエンジンブレーキ相当の回生制動力のみとする。これにより、回生制動がアンチロックブレーキ制御に干渉しないようにしながら、エンジンブレーキ相当の制動力を確保して、「G抜け感」の発生を防止することができる。
【0011】
請求項2記載の本発明の車両の制動装置では、車両の駆動力を発生する一方、減速及び制動時には回生制動力をも発生可能な電動機をそなえ、機械式制動装置を用いた摩擦制動と、該電動機を通じた回生制動とを併用することができ、作動開始検出手段が、アンチロックブレーキ制御の作動開始を検出すると、制御手段が、この作動開始検出手段からの検出情報に基づいて、ブレーキペダル操作量相当分の前記回生制動力を中止しエンジンブレーキ相当の回生制動力のみとする。この場合、さらに、スリップ率算出手段が算出した車輪スリップ率が所定値以上の場合には、制御手段は、前記エンジンブレーキ相当の回生制動力を中止又は減少させるように制御する。これにより、回生制動がアンチロックブレーキ制御に干渉しないようにしながら、エンジンブレーキ相当の制動力を確保して、「G抜け感」の発生を防止することができる。
【0012】
この場合、前記車両の走行する路面の路面μを検出又は推定する路面μ検出手段を更にそなえ、制御手段は、前記スリップ率算出手段からの車輪スリップ率が上記所定値未満の場合には、前記路面μ検出手段からの検出情報に基づいて、回生制動力が路面μに応じた大きさになるように制御することが好ましい(請求項3)。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明すると、図1,図2は本発明の一実施形態としての車両の制動装置を示すもので、図1はその模式的な構成図、図2はその制動制御の内容を説明するフローチャートである。
図1に示すように、この制動装置は、電動機(モータ)1によって駆動輪(この例では前輪)2,2を回転駆動して走行する電気自動車にそなえられており、モータ1を通じて回生制動力を与える回生制動装置(回生ブレーキ)3と、機械的に摩擦制動力を与える機械式制動装置(メカブレーキ)4とをそなえ、回生制動力と摩擦制動力とにより、車両の制動を行なうようになっている。
【0014】
回生ブレーキ3は、モータ1とモータコントローラ5とからなり、ドライバがアクセル操作(アクセルペダル11の踏込)を解除すると、この情報がアクセルポジションセンサ21等を介してモータコントローラ5に送られ、モータコントローラ5では、モータ1を発電機として機能するように制御し、この発電機としてのモータ1の発電負荷が、駆動輪2,2に加わってエンジンブレーキ相当の制動力を発揮するようになっている。
【0015】
さらに、メカブレーキ4は、ブレーキペダル12の踏み込みに応じて作動するマスタシリンダ(M/C)13と、各車輪2,2,6,6にそなえられたホイールシリンダ(図示略)と、マスタシリンダ13からの流体圧(ここでは油圧とするがエア圧でもよい)を各ホイールシリンダに供給する流体圧回路14に介装され上記流体圧を調整して出力するブレーキアクチュエータ15と、各車輪2,2,6,6にそなえられホイールシリンダによって駆動されてブレーキディスク16に接触するブレーキパッド17とをそなえている。
【0016】
そして、ドライバが制動操作(ブレーキペダル12の踏込)をすると、上記のエンジンブレーキ相当の制動力に加えてこの制動操作量に応じた制動力が与えられるが、このとき、駆動輪2,2には、上記のエンジンブレーキ相当の制動力にこの制動操作量に応じた制動力を加えたものが与えられ、従動輪(この例では後輪)6,6には、この制動操作に応じた制動力が与えられるようになっている。
【0017】
この場合、従動輪6,6に与えられる制動力については、全てメカブレーキ4を用いた摩擦制動力が用いられるが、駆動輪2,2に与えられる制動操作量に応じた制動力については、図3に示すように、できる限り回生制動力により与えて、回生制動力のみでは賄えなくなったら回生制動力にメカブレーキ4による摩擦制動力を加えるようにしている。
【0018】
このように、回生制動力と摩擦制動力とを協調させるために、この制動装置は、液圧センサ22で検出される制動操作量(ブレーキペダル12の踏込量)に対応したブレーキ液圧(流体圧)に基づいて、モータコントローラ5とブレーキアクチュエータ15とに制御信号を出力してこれらを統合して制御するブレーキコントローラ(制御手段)7がそなえられている。
【0019】
このブレーキコントローラ7では、制動操作時に、従動輪6,6には、制動操作量に応じた制動力を全てメカブレーキ4による摩擦制動力で与えるようにブレーキアクチュエータ15に制御信号を出力する。或いは、駆動輪の回生制動力で全て補える場合には、従動輪6,6にはメカブレーキ4による摩擦制動力を与えないようにブレーキアクチュエータ15に制御信号を出力する。また、駆動輪2,2には、回生制動力が最大限度になるまでは、制動操作量に応じた制動力を全て回生ブレーキ3による回生制動力で与え、回生制動力が最大限度になったら、回生ブレーキ3による最大回生制動力とメカブレーキ4による摩擦制動力とで制動操作量に応じた制動力を与えるように、モータコントローラ5とブレーキアクチュエータ15とに制御信号を出力する。
【0020】
ところで、この制動装置には、低μ路を走行している際の制動輪のロックを防止するためにアンチロックブレーキ装置(ABS)8が付設されている。このABS8は、各車輪2,2,6,6にそれぞれそなえられた車輪速センサ23と、車輪速センサ23のいずれかに基づいて車輪2,6のロック傾向が判定されると、ロック傾向にある車輪の制動力を個別に低減させるブレーキアクチュエータ15とからなり、制動輪のロックを未然に防ぐようになっている。
【0021】
ところで、モータ1は、駆動力や回生制動力を左右の駆動輪2,2に同時に与えるのに対して、ABS8では、各車輪2,2,6,6の制動力を個別に制御するため、回生制動とABSとは互いになじみにくい制御である。
上述のように、回生制動力には、エンジンブレーキ相当の制動力分とブレーキ操作量に応じた制動力分とがあり、ABSではブレーキ操作量に応じた制動力を各車輪対応で低減させるため、回生制動力のうちブレーキ操作量に応じた制動力分はABSと干渉する。しかし、エンジンブレーキ相当の制動力分は基本的にはABSと干渉しない。つまり、エンジン(内燃機関)で駆動輪を駆動される自動車では、ABS制御中にもエンジンブレーキは作用するため、このような自動車を基準にすればエンジンブレーキ相当の制動力分は基本的にはABSに影響しないといえる。
【0022】
そこで、この制動装置のブレーキコントローラ7では、制動操作時にABSが作動したら、基本的には、回生制動力のうちブレーキ操作量に応じた制動力分の付与は中止し、エンジンブレーキ相当の制動力分のみを与えるようにしている。この場合、回生制動力のうちブレーキ操作量に応じた制動力分が消失するが、これについてはメカブレーキで適宜補うようにしている。なお、ブレーキコントローラ7には、ABSの作動開始を判定する作動開始判定手段(作動開始検出手段)7Aがそなえられている。これに基づいて、ABSの作動を開始するようになっている。
【0023】
また、ABS作動時に、このエンジンブレーキ相当の回生制動力のみ与えただけでも車輪のロック傾向が収まらない極低μ路も考えられ、ブレーキコントローラ7では、では、車輪のスリップ状態に応じて、エンジンブレーキ相当の回生制動力の付与も中止したり、又は、エンジンブレーキ相当の回生制動力を低減させるようにしている。
【0024】
具体的には、ABS作動時に、車輪のスリップ率λが予め設定された所定値aに達したらABSの性能を確保するために、エンジンブレーキ相当の回生制動力の付与も中止(即ち、回生制動力を全て中止)し、車輪のスリップ率λが所定値aに達しない場合には、路面μを判定又は推定し、エンジンブレーキ相当の回生制動力が路面μに応じた制動力を超えないように(つまり車輪の滑りが抑えられるように)制御するようになっている。
【0025】
なお、スリップ率λは、スリップ率算出手段24により車体速Xvと車輪速Xwとから例えば次式により算出される。所定値aはABSの作動開始が想定されるスリップ率λ(例えば10パーセント程度)よりも大きな値(例えば20〜40パーセント程度)に設定される。
λ=(Xv−Xw)/Xv
また、車輪速Xwは車輪速センサ23により検出され、車体速Xvは車輪速センサ23により検出された車輪速Xwに基づいて推定される。例えば、車輪に滑りがなければ車輪速Xwは車体速Xvと一致するが、制動時には車輪に滑りが生じ易いためいう車輪速Xwは車体速Xvよりも低下する傾向となるので、4輪の各車輪速Xwのうち最も大きい値を採用すればよいが、ここでは、万一の外乱等によって異常に大きな最大値が出力された場合を想定して、あえて最大値は用いずに4輪の各車輪速Xwのうち大きい方から2番目の値を採用するようにしている。また、各車輪に滑りが生じた場合には、滑りが生じた直前の車体速Xvにその後の車両の前後加速度の時間積分値を加算したものとして推定しても良い。
【0026】
また、路面μ(路面摩擦係数μ)は、路面μ算出手段25により公知の手法で算出される。この路面μの算出(推定)には、従来から各種の方法が採用されており、その一例は例えば特開昭60−35646号公報及び特開平3−128755号公報に開示されている。これらの路面μ推定方法は何れも、制動時、車輪減速度が路面μに比例することに着目し、対象とする車輪の車輪減速度に基づき、路面μを演算して求めるようにしており、ここで、対象車輪としては、各輪の車輪速のうち、例えばその車輪速が2番目に速い車輪が一義的に選択されている。また、特開平7−40826号公報には、両前輪の平均前輪車輪速と、セレクトハイの原理に基づき選択された選択後輪車輪速とを求めて、これら平均前輪車輪速と選択後輪車輪速との高低関係を判別して、これら車輪速の一方を選択し、選択した車輪速の微分値に基づき、路面μを演算する路面路面μの推定方法が開示されている。路面μ算出手段25では、これらの技術を利用して路面μを算出する。
【0027】
路面μに応じた制動力とは、車両の前後加速度が路面μに応じたもの(即ち、μG)になる大きさであり、車両の前後加速度をフィードバックしてこれが実現するように回生制動力を制御すれば、エンジンブレーキ相当の回生制動力が路面μに応じた制動力を超えないように制御することができる。
本発明の一実施形態としての車両の制動装置は、上述のように構成されているので、例えば図2に示すように、回生制動が制御される。
【0028】
つまり、まず、制動操作中(ブレーキペダルの操作中)か否かを判定し(ステップS10)、制動操作中ならステップS20に進み回生ブレーキ制御中か否かが判定される。ここで、回生ブレーキ制御中でなければメカブレーキのみとなり回生ブレーキは行なわれず(ステップS90)、回生制動ならば、ABSが作動中か否かが判定される(ステップS30)。
【0029】
ABS作動中でなければ、通常の回生制動制御が行なわれる(ステップS80)。つまり、駆動輪2,2に、エンジンブレーキ相当の制動力と制動操作量に応じた制動力との和を可能な限り回生制動力を用いて与える。制動操作量に応じた制動力が、回生制動力のみで足りなければ、メカブレーキ4を用いた摩擦ブレーキ力で補う。
【0030】
一方、ABS作動中ならば、ステップS40に進み、回生制動力のうち制動操作量に応じた制動力分の付与は中止し、エンジンブレーキ相当の制動力分のみ与え、ABSはメカブレーキ4を用いた摩擦ブレーキ力の制御で行なう。したがって、ABSが作動しても、回生制動力によるエンジンブレーキ相当の制動力分は確保されることになり、「G抜け感」の発生を防止することができ、制動フィーリングを良好なものにすることができる。また、回生制動力が可能な限り有効活用されることになる。
【0031】
次に、車輪のスリップ率λが予め設定された所定値aに達したか否かを判定する(ステップS50)。スリップ率λが所定値aに達したら、ステップS100に進み、エンジンブレーキ相当の回生制動力の付与も中止(即ち、回生制動力を全て中止)し、制動力はメカブレーキを用いたABS制御のみによって与える。なお、所定値aは、ABSの作動が予想される値よりも十分に大きな値に設定されており、このような大きなスリップ率が生じると、エンジンブレーキ相当の回生制動力の付与により車輪のスリップ(制動時はロック)を促進してしまうため、即座に回生制動力を全て中止して、車輪のグリップ(即ち、ロック抑制)をABS制御に委ねることができる。
【0032】
一方、車輪のスリップ率λが所定値aに達しない場合には、路面μを判定又は推定し(ステップS60)、エンジンブレーキ相当の回生制動力が路面μに応じた制動力を超えないように制御する(ステップS70)。これにより、エンジンブレーキ相当の回生制動力が車輪にスリップ(ここではロック)を発生させないような範囲で与えられることになり、可能な限り回生制動を利用しながら、車輪のスリップ(ロック化)を抑制して、ABSとの干渉を回避することができる。
【0033】
すなわち、回生制動力をより有効活用しながら、回生制動のアンチロックブレーキ制御への干渉をより確実に回避することができる。
なお、上述の実施形態は本発明を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、かかる実施形態を適宜変更して実施することができる。
例えば、上記の実施形態では、車輪のスリップ率λが所定値aに達しない場合には、エンジンブレーキ相当の回生制動力が路面μに応じた制動力を超えないように制御しているが、所定値aを比較的小さく設定すれば、車輪のスリップ率λが所定値aに達しない場合には、ステップS40と同様にエンジンブレーキ相当の回生制動力のみを与えるように設定してもよい。これにより、制御がより簡素化される。
【0034】
図2のステップS50以降を削除し、単に、ABS作動中には、回生制動力のうち制動操作量に応じた制動力分の付与は中止し、エンジンブレーキ相当の制動力分のみ与えるように設定してもよい。これにより、制御がより一層簡素化される。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の車両の制動装置によれば、アンチロックブレーキ制御が開始すると、ブレーキペダル操作量相当分の前記回生制動力を中止しエンジンブレーキ相当の回生制動力のみとするので、回生制動のアンチロックブレーキ制御への干渉を回避しながら、エンジンブレーキ相当の制動力を確保して、「G抜け感」の発生を防止することができる。これにより、制動フィーリングを良好なものにすることができる。しかも、回生制動力が可能な限り有効活用されることになり、エネルギの有効利用が促進される。
【0036】
また、請求項2記載の本発明の車両の制動装置によれば、アンチロックブレーキ制御が開始すると、ブレーキペダル操作量相当分の前記回生制動力を中止しエンジンブレーキ相当の回生制動力のみとし、さらに、車輪スリップ率が所定値以上の場合には、エンジンブレーキ相当の回生制動力を中止又は減少させるので、回生制動のアンチロックブレーキ制御への干渉をより確実に回避しながら、エンジンブレーキ相当の制動力を確保して、「G抜け感」の発生を防止することができる。これにより、制動フィーリングを良好なものにすることができる。しかも、回生制動力が可能な限り有効活用されることになり、エネルギの有効利用が促進される。
【0037】
また、請求項3記載の本発明の車両の制動装置によれば、車輪スリップ率が上記所定値未満の場合には、回生制動力が路面μに応じた大きさになるように制御することにより、回生制動力をより有効活用しながら、回生制動のアンチロックブレーキ制御への干渉をより確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両の制動装置を示す模式的な構成図である。
【図2】本発明の一実施形態としての車両の制動装置による制動制御の内容を説明するフローチャートである。
【図3】従来の回生協調制御を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 電動機(モータ)
3 回生制動装置(回生ブレーキ)
4 機械式制動装置(メカブレーキ)
7 ブレーキコントローラ(制御手段)
7A 作動開始判定手段(作動開始検出手段)
8 アンチロックブレーキ装置(ABS)
24 スリップ率算出手段
25 路面μ算出手段
Claims (3)
- 車両の駆動力を発生する一方、減速及び制動時には回生制動力をも発生可能な電動機をそなえ、機械式制動装置を用いた摩擦制動と、該電動機を通じた回生制動とを併用しうる車両の制動装置において、
アンチロックブレーキ制御の作動開始を検出する作動開始検出手段と、
前記作動開始検出手段からの検出情報に基づいて、アンチロックブレーキ制御が作動を開始した場合には、ブレーキペダル操作量相当分の前記回生制動力を中止しエンジンブレーキ相当の回生制動力のみとする制御手段とを備えた
ことを特徴とする、車両の制動装置。 - 車両の駆動力を発生する一方、減速及び制動時には回生制動力をも発生可能な電動機をそなえ、機械式制動装置を用いた摩擦制動と、該電動機を通じた回生制動とを併用しうる車両の制動装置において、
アンチロックブレーキ制御の作動開始を検出する作動開始検出手段と、
車両の車輪スリップ率を算出するスリップ率算出手段と、
前記作動開始検出手段からの検出情報に基づいて、アンチロックブレーキ制御が作動を開始した場合には、ブレーキペダル操作量相当分の前記回生制動力を中止しエンジンブレーキ相当の回生制動力のみとすると共に、さらに前記スリップ率算出手段からの車輪スリップ率が所定値以上の場合には、前記エンジンブレーキ相当の回生制動力を中止又は減少させるように制御する制御手段を備えた
ことを特徴とする、車両の制動装置。 - 前記車両の走行する路面の路面μを検出又は推定する路面μ検出手段を更にそなえ、
前記制御手段は、前記スリップ率算出手段からの車輪スリップ率が上記所定値未満の場合には、前記路面μ検出手段からの検出情報に基づいて、前記回生制動力が前記路面μに応じた大きさになるように制御する
ことを特徴とする、請求項2記載の車両の制動装置。
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