JP3585707B2 - 車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方法 - Google Patents

車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の各車輪に装着されている車輪ブレーキにおけるブレーキ摩擦材の温度を推定するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
非ブレーキ操作時に、ブレーキ力によるトラクション制御(以下、BTCSという)を実行可能な車両において、BTCSの実行によりブレーキ摩擦材の温度が過度に上昇すると、ブレーキ操作による通常のブレーキ時に車輪ブレーキの効きが悪くなる等の不具合が生じるため、BTCSの実行頻度が設定回数以上になったときに該BTCSの実行を禁止したり、ブレーキ摩擦材の温度を直接検出する温度センサの検出値が設定温度以上となったときにBTCSの実行を禁止したりすることが、従来から行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、BTCSの頻度によってBTCSの実行可否を判断するものでは、通常のブレーキ直後のBTCSでブレーキ摩擦材の温度が上昇してしまうことには対応できず、またブレーキ圧が大して増圧されておらず、したがってブレーキ摩擦材の温度も大して上昇していないのにBTCSの実行が禁止されてしまい、トラクション制御を行ないたいのにBTCSが機能しないと言う不具合が生じる可能性がある。さらにブレーキ摩擦材の温度を温度センサで直接検出するようにすれば、ブレーキ摩擦材の温度を精度よく得ることが可能ではあるが、コストの増大を招くことになる。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、コストの増大を招くことなくブレーキ摩擦材の温度を高精度に推定可能とした車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、今回のブレーキ摩擦材の温度をT、前回のブレーキ摩擦材の温度をTn−1 、発熱係数をKU、放熱係数をKD、ブレーキ圧をP、車輪速度をVとしたときに、今回のブレーキ摩擦材の温度Tを、ブレーキがかけられているときの該ブレーキ摩擦材の発熱による温度上昇と大気中への放熱による温度降下とが同時に生じるものとして得られる次の式{T=(Tn−1 +KU・P・V)・KD}に基づいて推定することを特徴とする。
【0006】
ブレーキがかけられている車輪の車輪速度と、ブレーキ力とが判っていれば、車輪ブレーキが単位時間に行なう仕事が判るので、その仕事の累積値としてブレーキ摩擦材の温度を演算することが可能であり、ブレーキ力はブレーキ圧に比例するので、ブレーキ摩擦材の温度Tは、次式に基づいて上昇する。
【0007】
T=∫KU・P・Vdt
一方、発熱したブレーキ摩擦材は、その温度に応じた大気中への放熱により冷却されるので、次式に基づいて温度が降下する。
【0008】
dT/dt=−KD・T
上記温度上昇および温度降下は同時に生じるものであり、上記2つの式を纏めて離散式に置き換えると、
=(Tn−1 +KU・P・V)・KD
を得ることができ、この演算式に基づいてブレーキ摩擦材の温度Tを得ることにより、温度センサを用いることなく高精度でブレーキ摩擦材の温度を推定することが可能となる。
【0009】
また請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、車両の減速度をαとし、比例係数をK1としたときに、ブレーキ操作による通常ブレーキ中の前記ブレーキ圧Pを、(P=K1・α)により求めることにより、ブレーキ圧Pを圧力センサで検出することなく推定することが可能となる。すなわち通常ブレーキ中のブレーキ力すなわちブレーキ圧は、車両の減速度に比例するものであるので、(P=K1・α)によりブレーキ圧Pを求めることが可能である。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、車両の減速度αを、車輪速度Vに基づいて求めることにより、減速度αを直接検出するセンサを不要としてブレーキ圧を得ることが可能となる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、アンチロックブレーキ制御実行前のブレーキ圧Pを、該アンチロックブレーキ制御でのブレーキ圧制御モードに基づいて補正して、アンチロックブレーキ制御実行時のブレーキ圧Pを得ることにより、アンチロックブレーキ制御(以下、ABSと言う)時のブレーキ圧Pを精度よく推定することができる。すなわちABSは、通常ブレーキに続いて実行されるものであり、ABS実行開始時の初期ブレーキ圧を(P=K1・α)に基づいて推定することができ、さらにABSでは減圧・保持・増圧の制御モードが定まっており、初期ブレーキ圧が定まっていれば、ABSでの制御モードによりABS実行時のブレーキ圧の変化を簡単に推定可能となる。
【0012】
さらに請求項5記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、非ブレーキ操作状態での自動ブレーキ制御実行時には、該自動ブレーキでのブレーキ圧制御モードに基づいてブレーキ圧Pを得ることにより、自動ブレーキ制御時のブレーキ圧Pを精度よく推定することができる。すなわち自動ブレーキ制御では減圧・保持・増圧の制御モードが定まっているので、自動ブレーキ制御時の制御モードにより自動ブレーキ制御実行時のブレーキ圧の変化を簡単に推定可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0014】
図1ないし図5は本発明の一実施例を示すものであり、図1は車両の駆動系およびブレーキ系を示す図、図2はブレーキ摩擦材の温度推定手順ならびに推定温度に基づく制御比率変更手順を示すフローチャート、図3はABS中のブレーキ圧推定手順を示すフローチャート、図4はBTCS中のブレーキ圧推定手順を示すフローチャート、図5はトラクション制御でのブレーキ力による制御比率を示す図である。
【0015】
先ず図1において、車体1の前部には、エンジンEおよび変速機Tから成るパワーユニットPが、駆動輪である左前輪WFLおよび右前輪WFRを駆動すべく搭載される。また左、右前車輪WFL,WFRには左、右前輪ブレーキBFL,BFRが装着され、従動輪である左後輪WRLおよび右後輪WRRには左、右後輪ブレーキBRL,BRRが装着され、各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRは、たとえばディスクブレーキである。
【0016】
タンデム型のマスタシリンダMが備える第1および第2出力ポート2A,2Bからはブレーキペダル3の踏込み操作に応じたブレーキ液圧が出力されるものであり、両出力ポート2A,2Bはブレーキ液圧制御装置4に接続され、該ブレーキ液圧制御装置4からのブレーキ液圧が各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRに作用せしめられる。このブレーキ液圧制御装置4では、制御ユニット5で制御されることにより各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRに作用せしめるブレーキ液圧が調節されるものであり、該制御ユニット5には、各車輪WFL,WFR,WRL,WRRの車輪速度をそれぞれ検出する車輪速度検出手段6FL,6FR,6RL,6RR等の信号が入力される。
【0017】
制御ユニット5は、非ブレーキ操作時に左、右前輪ブレーBFL,BFRのうち過剰スリップを生じそうになった前輪に対応する前輪ブレーキでブレーキ力を発揮させるBTCSを実行すべくブレーキ液圧制御装置4を制御することが可能であるとともに、ブレーキ操作時に各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRのうちロック状態に陥りそうになった車輪に対応する車輪ブレーキのブレーキ圧を調節するABSを実行すべくブレーキ液圧制御装置4を制御することが可能であり、さらに非ブレーキ操作時に前輪で過剰スリップを生じそうになったときにエンジンEの出力を調整してエンジン出力によるトラクション制御(以下、ETCSと言う)を実行すべくエンジンEの出力を調節するためのアクチュエータたとえばスロットル駆動手段7を制御することが可能である。
【0018】
また制御ユニット5は、各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRにおけるブレーキ摩擦材の温度、たとえば各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRがディスクブレーキであるときにはブレーキパッドの温度を推定する機能を有するとともに、その推定温度に基づいてBTCSおよびETCSの制御比率を変更せしめる機能を有するものであり、そのような機能を発揮するために、制御ユニット5には図2,図3および図4で示すような手順が設定されている。
【0019】
先ず図2のステップS1においては、各車輪速度検出手段6FL,6FR,6RL,6RRによる検出値、すなわち車輪速度Vを読込み、次のステップS2では、車輪速度Vに基づいて車両の減速度αを推定する。この減速度αの推定にあたっては、たとえば各車輪速度検出手段6FL,6FR,6RL,6RRでそれぞれ検出された車輪速度Vの平均値を車体速度と定め、その車体速度を微分することにより減速度αを求めることができる。
【0020】
ステップS3ではABS中であるか否かを判断し、非ABS中であるときには、ステップS4でBTCS中であるか否かを判断する。而してステップS4で非BTCS中であると判断したとき、すなわちブレーキ操作による通常のブレーキ時には、通常ブレーキ中のブレーキ力すなわちブレーキ圧Pが車両の減速度αに比例するものであることに基づいて、ステップS5において、
P=K1×α…(1)
と定める。ここで、K1は比例係数である。
【0021】
ステップS5に続くステップS6では、今回のブレーキ摩擦材の温度をT、前回のブレーキ摩擦材の温度をTn−1 、発熱係数をKU、放熱係数をKDとしたときに、今回のブレーキ摩擦材の温度Tを、
=(Tn−1 +KU・P・V)・KD…(2)
に基づいて推定する。
【0022】
ところで、ブレーキがかけられている車輪の車輪速度Vと、ブレーキ力とが判っていれば、車輪ブレーキが単位時間に行なう仕事が判るので、その仕事の累積値としてブレーキ摩擦材の温度を演算することが可能であり、ブレーキ力はブレーキ圧Pに比例するので、ブレーキ摩擦材の温度Tは、次式(3)に基づいて上昇する。
【0023】
T=∫KU・P・Vdt……(3)
一方、発熱したブレーキ摩擦材は、その温度に応じた大気中への放熱により冷却されるので、次式(4)に基づいて温度が降下する。
【0024】
dT/dt=−KD・T……(4)
上記式(3)による温度上昇ならびに上記式(4)による温度降下は同時に生じるものであり、式(3),(4)を纏めて離散式に置き換えると、上記式(2)を得ることが可能である。
【0025】
ステップS3においてABS中であると判断したときには、ステップS7でABS時のブレーキ圧推定処理を実行するものであり、このABS時のブレーキ圧推定は、図3で示すような手順で処理される。すなわち図3のステップS21では、ABS増圧中であるか否かを判定し、非増圧中であったときにはステップS22でABS減圧中であるか否かを判定する。而してステップS22において、非減圧中であると判定したとき、すなわちブレーキ圧保持状態であると判定したときには、ステップS23で前回のブレーキ圧Pn−1 を今回のブレーキ圧Pと定める。
【0026】
またステップS21でABS増圧中であると判定したときには、ステップS24において、前回のブレーキ圧Pn−1 に増圧分ΔPA1を加算したブレーキ圧を今回のブレーキ圧Pと定める。またステップS22でABS減圧中であると判定したときには、ステップS25において、前回のブレーキ圧Pn−1 に「1」未満である所定の減圧比率RABS を乗じたブレーキ圧を今回のブレーキ圧Pと定める。ところで、ABS実行時の増圧モードでは、段階的ではあるが増圧モード全体としては略一定となる増圧速度が定められるのが一般的であり、ステップS24での増圧分ΔPA1は、ABSでの略一定の増圧速度に基づき演算処理サイクル1回でのブレーキ圧の増圧分として定められている。またABS実行時の減圧モードでは、減圧速度が指数関数的に定められるのが一線的であり、ステップS25での減圧比率RABS は、演算処理サイクル1回に見合った減圧比率として定められている。
【0027】
このようにして、ステップS21〜S25では、ABS実行前のブレーキ圧Pを該ABSでのブレーキ圧制御モードに基づいて補正して、ABS実行時のブレーキ圧Pを推定することになる。
【0028】
図2のステップS4においてBTCS中であると判断したときには、ステップS8でBTCS時のブレーキ圧推定処理を実行するものであり、このBTCS時のブレーキ圧推定は、図4で示すような手順で処理される。すなわち図4のステップS31では、BTCS増圧中であるか否かを判定し、非増圧中であったときにはステップS32でBTCS減圧中であるか否かを判定する。而してステップS32において、非減圧中であると判定したとき、すなわちブレーキ圧保持状態であると判定したときには、ステップS33で前回のブレーキ圧Pn−1 を今回のブレーキ圧Pと定める。
【0029】
ステップS31でBTCS増圧中であると判定したときには、ステップS34において、前回のブレーキ圧Pn−1 に増圧分ΔPB1を加算したブレーキ圧を今回のブレーキ圧Pと定める、ステップS32で減圧中であると判定したときには、ステップS35において、前回のブレーキ圧Pn−1 に「1」未満である所定の減圧比率RBTCSを乗じたブレーキ圧を今回のブレーキ圧Pと定めるか、あるいは前回のブレーキ圧Pn−1 から減圧分ΔPB2を減算したブレーキ圧を今回のブレーキ圧Pと定める。而して、BTCS実行時の増圧モードでは、段階的ではあるが増圧モード全体としては略一定となる増圧速度が定められるのが一般的であり、ステップS34での増圧分ΔPB1は、BTCSでの略一定の増圧速度に基づき演算処理サイクル1回でのブレーキ圧の増圧分として定められている。またBTCS実行時の減圧モードでは、減圧速度が指数関数的に定められるか、あるいは段階的ではあるが減圧モード全体としては略一定となる減圧速度が定められるものであり、ステップS35での減圧比率RABS は、演算処理サイクル1回に見合った減圧比率として定められ、また減圧分ΔPB2は、BTCSでの略一定の減圧速度に基づき演算処理サイクル1回でのブレーキ圧の減圧分として定められている。
【0030】
このようにしてステップS31〜S35では、BTCSでのブレーキ圧制御モードに基づいて、BTCS実行時のブレーキ圧Pを推定することになる。
【0031】
ステップS7でABS時のブレーキ圧Pを推定した後、あるいはステップS8でBTCS時のブレーキ圧Pを推定した後には、ステップS6に進ことになり、このステップS6で、ABSあるいはBTCS時のブレーキ摩擦材の温度Tを推定する。
【0032】
ステップS6で温度Tを推定した後には、ステップS9に進み、このステップS9ではETCSを実行する状態にあるのかどうかを判断し、ETCSを実行しないときには、ステップS10でブレーキ摩擦材の温度Tが設定温度T1を超えるか否かを判断し、T>T1であったときには、ステップS11においてフェイル処理を行なう。このフェイル処理としては、たとえばBTCSの制御感度を低下させればよく、そうすれば、BTCSを完全に停止してしまうのではなく、駆動輪の車輪ブレーキである左、右前輪ブレーキBFL,BFRの効きが悪くなるのを回避し得る程度に、BTCSを実行する可能性を比較的小さくすることが可能となる。
【0033】
またステップS10でT≦T1であると判断したときには、ステップS11を迂回してステップS12に進み、このステップS12では、トラクション制御においてETCSに対するBTCSの制御比率を「1」と定めるようにする。
【0034】
ステップS9で、ETCSを実行する状態であると判断したときには、ステップS13に進み、このステップS13では、トラクション制御においてETCSに対するBTCSの制御比率を温度Tの関数f(T)として定める。而して該関数f(T)は、図5で示すように設定されるものであり、温度Tが設定温度T1以下の範囲で温度Tの増大に応じて低下するようにして「1」から「0」までの範囲で変化する。
【0035】
ステップS13でBTCSの制御比率が定まることに基づき、ステップS14では、ETCSの制御比率が{1−f(T)}として定まることになる。
【0036】
次にこの実施例の作用について説明すると、ブレーキ摩擦材の温度Tを、
=(Tn−1 +KU・P・V)・KD}
に基づいて推定することにより、温度センサを用いることなく高精度でブレーキ摩擦材の温度Tを推定することが可能となる。しかも温度Tを高精度に得ることが可能となるので、温度Tが設定温度T1を超えたときに左、右前輪ブレーキBFL,BFRの効きが悪くなるのを回避し得る程度にBTCSの制御感度を低下させ、BTCSが完全に停止してしまうことを防止することができる。
【0037】
またBTCSおよびETCSの併用によるトラクション制御を実行し得る場合には、高精度に推定した温度Tに基づいてBTCSおよびETCSの制御比率を変化させ、ブレーキ摩擦材への影響を最少限に抑えたトラクション制御を実行することが可能となる。
【0038】
しかも上記演算式で用いるブレーキ圧Pを、ブレーキ操作による通常ブレーキ時には、車両の減速度αおよび比例係数K1を用いて、(P=K1・α)として得ることにより、ブレーキ圧Pを圧力センサで検出することなく推定することができ、ブレーキ圧センサを不要としてコスト低減を図ることができ、さらに車両の減速度αを、車輪速度Vに基づいて求めるようにしたので、減速度αを直接検出する減速度センサを不要としてブレーキ圧を得ることが可能であり、これによってもコスト低減を図ることができる。
【0039】
またABS実行時には、ABS実行前のブレーキ圧PをABSでのブレーキ圧制御モードに基づいて補正して、ABS実行時のブレーキ圧Pを得るようにしたので、ABS実行時のブレーキ圧Pを精度よくかつ簡単に推定することができ、さらに非ブレーキ操作状態でのBTCS実行時には、該BTCSでのブレーキ圧制御モードに基づいてブレーキ圧Pを得ることにより、BTCS時のブレーキ圧Pを精度よく推定することができる。
【0040】
上記実施例では、車両の減速度αを車輪速度Vに基づいて演算するようにしたが、前後方向の加・減速度を検出する加・減速度センサが搭載されている車両では、該加・減速度センサの検出値を用いてブレーキ圧Pを得るようにしてもよい。この場合、ABS時のブレーキ圧を加・減速度センサの検出値に基づくブレーキ圧Pの平均値として用いることも可能である。
【0041】
また上記実施例において、自動ブレーキ制御としてトラクション制御を取り上げて説明したが、先行車両との衝突を回避するための自動ブレーキ制御に本発明を適用することも可能である。
【0042】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、ブレーキがかけられている車輪の車輪速度と、ブレーキ力とが判っていれば、車輪ブレーキが単位時間に行なう仕事が判ることに基づく演算式により、ブレーキ摩擦材の温度を推定するようにしたことにより、温度センサを用いることなく高精度でブレーキ摩擦材の温度を推定することが可能となる。
【0044】
また請求項2記載の発明によれば、(P=K1・α)なる演算式でブレーキ圧Pを推定することにより、圧力センサを用いることなくブレーキ圧を求めることが可能である。
【0045】
請求項3記載の発明によれば、車両の減速度αを、車輪速度Vに基づいて求めることにより、加・減速度センサを不要としてブレーキ圧を得ることが可能となる。
【0046】
請求項4記載の発明によれば、ABS実行時のブレーキ圧を簡単にかつ精度よく推定することができる。
【0047】
さらに請求項5記載の発明によれば、自動ブレーキ制御時のブレーキ圧を簡単にかつ精度よく推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の駆動系およびブレーキ系を示す図である。
【図2】ブレーキ摩擦材の温度推定手順ならびに推定温度に基づく制御比率変更手順を示すフローチャートである。
【図3】ABS中のブレーキ圧推定手順を示すフローチャートである。
【図4】BTCS中のブレーキ圧推定手順を示すフローチャートである。
【図5】トラクション制御でのブレーキ力による制御比率を示す図である。

Claims (5)

  1. 今回のブレーキ摩擦材の温度をT、前回のブレーキ摩擦材の温度をTn−1 、発熱係数をKU、放熱係数をKD、ブレーキ圧をP、車輪速度をVとしたときに、今回のブレーキ摩擦材の温度Tを、
    ブレーキがかけられているときの該ブレーキ摩擦材の発熱による温度上昇と大気中への放熱による温度降下とが同時に生じるものとして得られる次の式
    =(Tn−1 +KU・P・V)・KD
    に基づいて推定することを特徴とする車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方法。
  2. 車両の減速度をαとし、比例係数をK1としたときに、ブレーキ操作による通常ブレーキ中の前記ブレーキ圧Pを、
    P=K1・α
    により求めることを特徴とする請求項1記載の車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方法。
  3. 車両の減速度αを、車輪速度Vに基づいて求めることを特徴とする請求項2記載の車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方法。
  4. アンチロックブレーキ制御実行前のブレーキ圧Pを、該アンチロックブレーキ制御でのブレーキ圧制御モードに基づいて補正して、アンチロックブレーキ制御実行時のブレーキ圧Pを得ることを特徴とする請求項2記載の車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方法。
  5. 非ブレーキ操作状態での自動ブレーキ制御実行時には、該自動ブレーキでのブレーキ圧制御モードに基づいてブレーキ圧Pを得ることを特徴とする請求項2記載の車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方法。
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