JPH1172129A - 車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方法 - Google Patents

車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方法

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JPH1172129A
JPH1172129A JP23375697A JP23375697A JPH1172129A JP H1172129 A JPH1172129 A JP H1172129A JP 23375697 A JP23375697 A JP 23375697A JP 23375697 A JP23375697 A JP 23375697A JP H1172129 A JPH1172129 A JP H1172129A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両の各車輪に装着されている車輪ブレーキに
おけるブレーキ摩擦材の温度を精度よく推定する。 【解決手段】今回のブレーキ摩擦材の温度をTn 、前回
のブレーキ摩擦材の温度をTn-1 、発熱係数をKU、放
熱係数をKD、ブレーキ圧をP、車輪速度をVWとした
ときに、今回のブレーキ摩擦材の温度Tn を、 Tn =(Tn-1 +KU・P・VW )・KD に基づいて推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の各車輪に装
着されている車輪ブレーキにおけるブレーキ摩擦材の温
度を推定するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非ブレーキ操作時に、ブレーキ力による
トラクション制御(以下、BTCSという)を実行可能
な車両において、BTCSの実行によりブレーキ摩擦材
の温度が過度に上昇すると、ブレーキ操作による通常の
ブレーキ時に車輪ブレーキの効きが悪くなる等の不具合
が生じるため、BTCSの実行頻度が設定回数以上にな
ったときに該BTCSの実行を禁止したり、ブレーキ摩
擦材の温度を直接検出する温度センサの検出値が設定温
度以上となったときにBTCSの実行を禁止したりする
ことが、従来から行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、BTCSの
頻度によってBTCSの実行可否を判断するものでは、
通常のブレーキ直後のBTCSでブレーキ摩擦材の温度
が上昇してしまうことには対応できず、またブレーキ圧
が大して増圧されておらず、したがってブレーキ摩擦材
の温度も大して上昇していないのにBTCSの実行が禁
止されてしまい、トラクション制御を行ないたいのにB
TCSが機能しないと言う不具合が生じる可能性があ
る。さらにブレーキ摩擦材の温度を温度センサで直接検
出するようにすれば、ブレーキ摩擦材の温度を精度よく
得ることが可能ではあるが、コストの増大を招くことに
なる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、コストの増大を招くことなくブレーキ摩擦材
の温度を高精度に推定可能とした車両におけるブレーキ
摩擦材の温度推定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、今回のブレーキ摩擦材の温
度をTn 、前回のブレーキ摩擦材の温度をTn-1 、発熱
係数をKU、放熱係数をKD、ブレーキ圧をP、車輪速
度をVW としたときに、今回のブレーキ摩擦材の温度T
n を、{Tn =(Tn-1 +KU・P・VW )・KD}に
基づいて推定することを特徴とする。
【0006】ブレーキがかけられている車輪の車輪速度
と、ブレーキ力とが判っていれば、車輪ブレーキが単位
時間に行なう仕事が判るので、その仕事の累積値として
ブレーキ摩擦材の温度を演算することが可能であり、ブ
レーキ力はブレーキ圧に比例するので、ブレーキ摩擦材
の温度Tは、次式に基づいて上昇する。
【0007】T=∫KU・P・VW dt 一方、発熱したブレーキ摩擦材は、その温度に応じた大
気中への放熱により冷却されるので、次式に基づいて温
度が降下する。
【0008】dT/dt=−KD・T 上記温度上昇および温度降下は同時に生じるものであ
り、上記2つの式を纏めて離散式に置き換えると、 Tn =(Tn-1 +KU・P・VW )・KD を得ることができ、この演算式に基づいてブレーキ摩擦
材の温度Tを得ることにより、温度センサを用いること
なく高精度でブレーキ摩擦材の温度を推定することが可
能となる。
【0009】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、車両の減速度をαX
とし、比例係数をK1としたときに、ブレーキ操作によ
る通常ブレーキ中の前記ブレーキ圧Pを、(P=K1・
αX )により求めることにより、ブレーキ圧Pを圧力セ
ンサで検出することなく推定することが可能となる。す
なわち通常ブレーキ中のブレーキ力すなわちブレーキ圧
は、車両の減速度に比例するものであるので、(P=K
1・αX )によりブレーキ圧Pを求めることが可能であ
る。
【0010】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明の構成に加えて、車両の減速度αX を、車
輪速度VW に基づいて求めることにより、減速度αX
直接検出するセンサを不要としてブレーキ圧を得ること
が可能となる。
【0011】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明の構成に加えて、アンチロックブレーキ制
御実行前のブレーキ圧Pを、該アンチロックブレーキ制
御でのブレーキ圧制御モードに基づいて補正して、アン
チロックブレーキ制御実行時のブレーキ圧Pを得ること
により、アンチロックブレーキ制御(以下、ABSと言
う)時のブレーキ圧Pを精度よく推定することができ
る。すなわちABSは、通常ブレーキに続いて実行され
るものであり、ABS実行開始時の初期ブレーキ圧を
(P=K1・αX )に基づいて推定することができ、さ
らにABSでは減圧・保持・増圧の制御モードが定まっ
ており、初期ブレーキ圧が定まっていれば、ABSでの
制御モードによりABS実行時のブレーキ圧の変化を簡
単に推定可能となる。
【0012】さらに請求項5記載の発明によれば、上記
請求項2記載の発明の構成に加えて、非ブレーキ操作状
態での自動ブレーキ制御実行時には、該自動ブレーキで
のブレーキ圧制御モードに基づいてブレーキ圧Pを得る
ことにより、自動ブレーキ制御時のブレーキ圧Pを精度
よく推定することができる。すなわち自動ブレーキ制御
では減圧・保持・増圧の制御モードが定まっているの
で、自動ブレーキ制御時の制御モードにより自動ブレー
キ制御実行時のブレーキ圧の変化を簡単に推定可能とな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0014】図1ないし図5は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1は車両の駆動系およびブレーキ系を示
す図、図2はブレーキ摩擦材の温度推定手順ならびに推
定温度に基づく制御比率変更手順を示すフローチャー
ト、図3はABS中のブレーキ圧推定手順を示すフロー
チャート、図4はBTCS中のブレーキ圧推定手順を示
すフローチャート、図5はトラクション制御でのブレー
キ力による制御比率を示す図である。
【0015】先ず図1において、車体1の前部には、エ
ンジンEおよび変速機Tから成るパワーユニットPが、
駆動輪である左前輪WFLおよび右前輪WFRを駆動すべく
搭載される。また左、右前車輪WFL,WFRには左、右前
輪ブレーキBFL,BFRが装着され、従動輪である左後輪
RLおよび右後輪WRRには左、右後輪ブレーキBRL,B
RRが装着され、各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRR
は、たとえばディスクブレーキである。
【0016】タンデム型のマスタシリンダMが備える第
1および第2出力ポート2A,2Bからはブレーキペダ
ル3の踏込み操作に応じたブレーキ液圧が出力されるも
のであり、両出力ポート2A,2Bはブレーキ液圧制御
装置4に接続され、該ブレーキ液圧制御装置4からのブ
レーキ液圧が各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRR
作用せしめられる。このブレーキ液圧制御装置4では、
制御ユニット5で制御されることにより各車輪ブレーキ
FL,BFR,BRL,BRRに作用せしめるブレーキ液圧が
調節されるものであり、該制御ユニット5には、各車輪
FL,WFR,W RL,WRRの車輪速度をそれぞれ検出する
車輪速度検出手段6FL,6FR,6RL,6 RR等の信号が入
力される。
【0017】制御ユニット5は、非ブレーキ操作時に
左、右前輪ブレーBFL,BFRのうち過剰スリップを生じ
そうになった前輪に対応する前輪ブレーキでブレーキ力
を発揮させるBTCSを実行すべくブレーキ液圧制御装
置4を制御することが可能であるとともに、ブレーキ操
作時に各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRのうちロ
ック状態に陥りそうになった車輪に対応する車輪ブレー
キのブレーキ圧を調節するABSを実行すべくブレーキ
液圧制御装置4を制御することが可能であり、さらに非
ブレーキ操作時に前輪で過剰スリップを生じそうになっ
たときにエンジンEの出力を調整してエンジン出力によ
るトラクション制御(以下、ETCSと言う)を実行す
べくエンジンEの出力を調節するためのアクチュエータ
たとえばスロットル駆動手段7を制御することが可能で
ある。
【0018】また制御ユニット5は、各車輪ブレーキB
FL,BFR,BRL,BRRにおけるブレーキ摩擦材の温度、
たとえば各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRがディ
スクブレーキであるときにはブレーキパッドの温度を推
定する機能を有するとともに、その推定温度に基づいて
BTCSおよびETCSの制御比率を変更せしめる機能
を有するものであり、そのような機能を発揮するため
に、制御ユニット5には図2,図3および図4で示すよ
うな手順が設定されている。
【0019】先ず図2のステップS1においては、各車
輪速度検出手段6FL,6FR,6RL,6RRによる検出値、
すなわち車輪速度VW を読込み、次のステップS2で
は、車輪速度VW に基づいて車両の減速度αX を推定す
る。この減速度αX の推定にあたっては、たとえば各車
輪速度検出手段6FL,6FR,6RL,6RRでそれぞれ検出
された車輪速度VW の平均値を車体速度と定め、その車
体速度を微分することにより減速度αX を求めることが
できる。
【0020】ステップS3ではABS中であるか否かを
判断し、非ABS中であるときには、ステップS4でB
TCS中であるか否かを判断する。而してステップS4
で非BTCS中であると判断したとき、すなわちブレー
キ操作による通常のブレーキ時には、通常ブレーキ中の
ブレーキ力すなわちブレーキ圧Pが車両の減速度αX
比例するものであることに基づいて、ステップS5にお
いて、 P=K1×αX …(1) と定める。ここで、K1は比例係数である。
【0021】ステップS5に続くステップS6では、今
回のブレーキ摩擦材の温度をTn 、前回のブレーキ摩擦
材の温度をTn-1 、発熱係数をKU、放熱係数をKDと
したときに、今回のブレーキ摩擦材の温度Tn を、 Tn =(Tn-1 +KU・P・VW )・KD…(2) に基づいて推定する。
【0022】ところで、ブレーキがかけられている車輪
の車輪速度VW と、ブレーキ力とが判っていれば、車輪
ブレーキが単位時間に行なう仕事が判るので、その仕事
の累積値としてブレーキ摩擦材の温度を演算することが
可能であり、ブレーキ力はブレーキ圧Pに比例するの
で、ブレーキ摩擦材の温度Tは、次式(3)に基づいて
上昇する。
【0023】T=∫KU・P・VW dt……(3) 一方、発熱したブレーキ摩擦材は、その温度に応じた大
気中への放熱により冷却されるので、次式(4)に基づ
いて温度が降下する。
【0024】dT/dt=−KD・T……(4) 上記式(3)による温度上昇ならびに上記式(4)によ
る温度降下は同時に生じるものであり、式(3),
(4)を纏めて離散式に置き換えると、上記式(2)を
得ることが可能である。
【0025】ステップS3においてABS中であると判
断したときには、ステップS7でABS時のブレーキ圧
推定処理を実行するものであり、このABS時のブレー
キ圧推定は、図3で示すような手順で処理される。すな
わち図3のステップS21では、ABS増圧中であるか
否かを判定し、非増圧中であったときにはステップS2
2でABS減圧中であるか否かを判定する。而してステ
ップS22において、非減圧中であると判定したとき、
すなわちブレーキ圧保持状態であると判定したときに
は、ステップS23で前回のブレーキ圧Pn-1 を今回の
ブレーキ圧Pn と定める。
【0026】またステップS21でABS増圧中である
と判定したときには、ステップS24において、前回の
ブレーキ圧Pn-1 に増圧分ΔPA1を加算したブレーキ圧
を今回のブレーキ圧Pn と定める。またステップS22
でABS減圧中であると判定したときには、ステップS
25において、前回のブレーキ圧Pn-1 に「1」未満で
ある所定の減圧比率RABS を乗じたブレーキ圧を今回の
ブレーキ圧Pn と定める。ところで、ABS実行時の増
圧モードでは、段階的ではあるが増圧モード全体として
は略一定となる増圧速度が定められるのが一般的であ
り、ステップS24での増圧分ΔPA1は、ABSでの略
一定の増圧速度に基づき演算処理サイクル1回でのブレ
ーキ圧の増圧分として定められている。またABS実行
時の減圧モードでは、減圧速度が指数関数的に定められ
るのが一線的であり、ステップS25での減圧比率R
ABS は、演算処理サイクル1回に見合った減圧比率とし
て定められている。
【0027】このようにして、ステップS21〜S25
では、ABS実行前のブレーキ圧Pを該ABSでのブレ
ーキ圧制御モードに基づいて補正して、ABS実行時の
ブレーキ圧Pを推定することになる。
【0028】図2のステップS4においてBTCS中で
あると判断したときには、ステップS8でBTCS時の
ブレーキ圧推定処理を実行するものであり、このBTC
S時のブレーキ圧推定は、図4で示すような手順で処理
される。すなわち図4のステップS31では、BTCS
増圧中であるか否かを判定し、非増圧中であったときに
はステップS32でBTCS減圧中であるか否かを判定
する。而してステップS32において、非減圧中である
と判定したとき、すなわちブレーキ圧保持状態であると
判定したときには、ステップS33で前回のブレーキ圧
n-1 を今回のブレーキ圧Pn と定める。
【0029】ステップS31でBTCS増圧中であると
判定したときには、ステップS34において、前回のブ
レーキ圧Pn-1 に増圧分ΔPB1を加算したブレーキ圧を
今回のブレーキ圧Pn と定める、ステップS32で減圧
中であると判定したときには、ステップS35におい
て、前回のブレーキ圧Pn-1 に「1」未満である所定の
減圧比率RBTCSを乗じたブレーキ圧を今回のブレーキ圧
n と定めるか、あるいは前回のブレーキ圧Pn-1 から
減圧分ΔPB2を減算したブレーキ圧を今回のブレーキ圧
n と定める。而して、BTCS実行時の増圧モードで
は、段階的ではあるが増圧モード全体としては略一定と
なる増圧速度が定められるのが一般的であり、ステップ
S34での増圧分ΔPB1は、BTCSでの略一定の増圧
速度に基づき演算処理サイクル1回でのブレーキ圧の増
圧分として定められている。またBTCS実行時の減圧
モードでは、減圧速度が指数関数的に定められるか、あ
るいは段階的ではあるが減圧モード全体としては略一定
となる減圧速度が定められるものであり、ステップS3
5での減圧比率RABS は、演算処理サイクル1回に見合
った減圧比率として定められ、また減圧分ΔPB2は、B
TCSでの略一定の減圧速度に基づき演算処理サイクル
1回でのブレーキ圧の減圧分として定められている。
【0030】このようにしてステップS31〜S35で
は、BTCSでのブレーキ圧制御モードに基づいて、B
TCS実行時のブレーキ圧Pを推定することになる。
【0031】ステップS7でABS時のブレーキ圧Pを
推定した後、あるいはステップS8でBTCS時のブレ
ーキ圧Pを推定した後には、ステップS6に進ことにな
り、このステップS6で、ABSあるいはBTCS時の
ブレーキ摩擦材の温度Tを推定する。
【0032】ステップS6で温度Tを推定した後には、
ステップS9に進み、このステップS9ではETCSを
実行する状態にあるのかどうかを判断し、ETCSを実
行しないときには、ステップS10でブレーキ摩擦材の
温度Tが設定温度T1を超えるか否かを判断し、T>T
1であったときには、ステップS11においてフェイル
処理を行なう。このフェイル処理としては、たとえばB
TCSの制御感度を低下させればよく、そうすれば、B
TCSを完全に停止してしまうのではなく、駆動輪の車
輪ブレーキである左、右前輪ブレーキBFL,BFRの効き
が悪くなるのを回避し得る程度に、BTCSを実行する
可能性を比較的小さくすることが可能となる。
【0033】またステップS10でT≦T1であると判
断したときには、ステップS11を迂回してステップS
12に進み、このステップS12では、トラクション制
御においてETCSに対するBTCSの制御比率を
「1」と定めるようにする。
【0034】ステップS9で、ETCSを実行する状態
であると判断したときには、ステップS13に進み、こ
のステップS13では、トラクション制御においてET
CSに対するBTCSの制御比率を温度Tの関数f
(T)として定める。而して該関数f(T)は、図5で
示すように設定されるものであり、温度Tが設定温度T
1以下の範囲で温度Tの増大に応じて低下するようにし
て「1」から「0」までの範囲で変化する。
【0035】ステップS13でBTCSの制御比率が定
まることに基づき、ステップS14では、ETCSの制
御比率が{1−f(T)}として定まることになる。
【0036】次にこの実施例の作用について説明する
と、ブレーキ摩擦材の温度Tを、 Tn =(Tn-1 +KU・P・VW )・KD} に基づいて推定することにより、温度センサを用いるこ
となく高精度でブレーキ摩擦材の温度Tを推定すること
が可能となる。しかも温度Tを高精度に得ることが可能
となるので、温度Tが設定温度T1を超えたときに左、
右前輪ブレーキB FL,BFRの効きが悪くなるのを回避し
得る程度にBTCSの制御感度を低下させ、BTCSが
完全に停止してしまうことを防止することができる。
【0037】またBTCSおよびETCSの併用による
トラクション制御を実行し得る場合には、高精度に推定
した温度Tに基づいてBTCSおよびETCSの制御比
率を変化させ、ブレーキ摩擦材への影響を最少限に抑え
たトラクション制御を実行することが可能となる。
【0038】しかも上記演算式で用いるブレーキ圧P
を、ブレーキ操作による通常ブレーキ時には、車両の減
速度αX および比例係数K1を用いて、(P=K1・α
X )として得ることにより、ブレーキ圧Pを圧力センサ
で検出することなく推定することができ、ブレーキ圧セ
ンサを不要としてコスト低減を図ることができ、さらに
車両の減速度αX を、車輪速度VW に基づいて求めるよ
うにしたので、減速度α X を直接検出する減速度センサ
を不要としてブレーキ圧を得ることが可能であり、これ
によってもコスト低減を図ることができる。
【0039】またABS実行時には、ABS実行前のブ
レーキ圧PをABSでのブレーキ圧制御モードに基づい
て補正して、ABS実行時のブレーキ圧Pを得るように
したので、ABS実行時のブレーキ圧Pを精度よくかつ
簡単に推定することができ、さらに非ブレーキ操作状態
でのBTCS実行時には、該BTCSでのブレーキ圧制
御モードに基づいてブレーキ圧Pを得ることにより、B
TCS時のブレーキ圧Pを精度よく推定することができ
る。
【0040】上記実施例では、車両の減速度αX を車輪
速度VW に基づいて演算するようにしたが、前後方向の
加・減速度を検出する加・減速度センサが搭載されてい
る車両では、該加・減速度センサの検出値を用いてブレ
ーキ圧Pを得るようにしてもよい。この場合、ABS時
のブレーキ圧を加・減速度センサの検出値に基づくブレ
ーキ圧Pの平均値として用いることも可能である。
【0041】また上記実施例において、自動ブレーキ制
御としてトラクション制御を取り上げて説明したが、先
行車両との衝突を回避するための自動ブレーキ制御に本
発明を適用することも可能である。
【0042】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0043】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、ブレーキがかけられている車輪の車輪速度と、ブレ
ーキ力とが判っていれば、車輪ブレーキが単位時間に行
なう仕事が判ることに基づく演算式により、ブレーキ摩
擦材の温度を推定するようにしたことにより、温度セン
サを用いることなく高精度でブレーキ摩擦材の温度を推
定することが可能となる。
【0044】また請求項2記載の発明によれば、(P=
K1・αX )なる演算式でブレーキ圧Pを推定すること
により、圧力センサを用いることなくブレーキ圧を求め
ることが可能である。
【0045】請求項3記載の発明によれば、車両の減速
度αX を、車輪速度VW に基づいて求めることにより、
加・減速度センサを不要としてブレーキ圧を得ることが
可能となる。
【0046】請求項4記載の発明によれば、ABS実行
時のブレーキ圧を簡単にかつ精度よく推定することがで
きる。
【0047】さらに請求項5記載の発明によれば、自動
ブレーキ制御時のブレーキ圧を簡単にかつ精度よく推定
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の駆動系およびブレーキ系を示す図であ
る。
【図2】ブレーキ摩擦材の温度推定手順ならびに推定温
度に基づく制御比率変更手順を示すフローチャートであ
る。
【図3】ABS中のブレーキ圧推定手順を示すフローチ
ャートである。
【図4】BTCS中のブレーキ圧推定手順を示すフロー
チャートである。
【図5】トラクション制御でのブレーキ力による制御比
率を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 今回のブレーキ摩擦材の温度をTn 、前
    回のブレーキ摩擦材の温度をTn-1 、発熱係数をKU、
    放熱係数をKD、ブレーキ圧をP、車輪速度をVW とし
    たときに、今回のブレーキ摩擦材の温度Tn を、 Tn =(Tn-1 +KU・P・VW )・KD に基づいて推定することを特徴とする車両におけるブレ
    ーキ摩擦材の温度推定方法。
  2. 【請求項2】 車両の減速度をαX とし、比例係数をK
    1としたときに、ブレーキ操作による通常ブレーキ中の
    前記ブレーキ圧Pを、 P=K1・αX により求めることを特徴とする請求項1記載の車両にお
    けるブレーキ摩擦材の温度推定方法。
  3. 【請求項3】 車両の減速度αX を、車輪速度VW に基
    づいて求めることを特徴とする請求項2記載の車両にお
    けるブレーキ摩擦材の温度推定方法。
  4. 【請求項4】 アンチロックブレーキ制御実行前のブレ
    ーキ圧Pを、該アンチロックブレーキ制御でのブレーキ
    圧制御モードに基づいて補正して、アンチロックブレー
    キ制御実行時のブレーキ圧Pを得ることを特徴とする請
    求項2記載の車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方
    法。
  5. 【請求項5】 非ブレーキ操作状態での自動ブレーキ制
    御実行時には、該自動ブレーキでのブレーキ圧制御モー
    ドに基づいてブレーキ圧Pを得ることを特徴とする請求
    項2記載の車両におけるブレーキ摩擦材の温度推定方
    法。
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