JP3777040B2 - 増幅器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯で使用されるMMIC(マイクロ波モノリシック集積回路)におけるマイクロ波増幅器に関し、特にパルスで動作させる増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、マイクロ波帯通信及びレーダシステム等に使用する送受信モジュールで使われる送受信兼用増幅器では、送信時と受信時での信号の切り替え等の目的で該増幅器のパルス駆動が行われている。このようなパルス駆動が行われる増幅器の内部回路について、図11を用いて説明する。
図11は、マイクロ波の増幅を行う増幅器の従来例を示した回路図である。図11において、マイクロ波増幅器200は、高周波信号の増幅を行うノーマリオンのFET201と、入力側の整合回路を形成する入力整合回路202と、出力側の整合回路を形成する出力整合回路203と、上記FET201に対するドレインバイアス回路204及びゲートバイアス回路205とで構成されている。
【0003】
FET201のゲートは、入力整合回路202を介して入力端子206に接続されると共にゲートバイアス回路205を介してゲートバイアス端子207に接続されている。FET201において、ドレインは、出力整合回路203を介して出力端子208に接続されると共にドレインバイアス回路204を介してドレインバイアス端子209に接続され、ソースは接地されている。なお、入力整合回路202は、RF伝送線路に形成されインピーダンスの整合を行う整合回路210,211を備え、出力整合回路203においても同様に、整合回路212,213を備えている。
【0004】
このような構成において、ゲートバイアス端子207には、FET201のゲートにバイアス電圧を印加するための所定の負電圧が印加されている。また、ドレインバイアス端子209にはパルス電圧が印加され、FET201のドレイン電圧Vdは図12の(a)で示すようなパルス波形となり、ドレインバイアス端子209に印加されたパルス電圧によって、増幅器200の動作のオン・オフが行われる。出力端子208からは、図12の(b)で示すように、ドレインバイアス端子209に印加されたパルス電圧と同期したパルス波形の電力Pを得ることができる。
【0005】
図13は、FET201の特性を示した図であり、FET201の出力特性であるドレイン電流電圧特性を示している。なお、図13では、ドレイン電流をId、ドレイン電圧をVdとしている。図13において、ドレイン電流電圧特性はゲート・ソース間電圧Vgsによって変わる。FET201は、バイアス条件により動作が異なるため、増幅器によっては動作が不安定になる領域があり、図13の曲線kに沿って斜線で示した不安定領域を通過しバイアス点に到達する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図14は、ドレインバイアス端子209から入力されたパルス信号の立ち上がり時におけるFET201のドレイン電圧Vdの変化を示しており、図15は、ドレインバイアス端子209に印加されたパルス電圧の立ち上がり時における、出力端子208から出力される電力Pの波形を示した図である。ドレイン電圧Vdの立ち上がり時における図14の斜線で示した部分では、FET201は、図13で示した不安定領域にあり動作が不安定となる。すなわち、ドレインバイアス端子209に印加されるパルス電圧によるドレイン電圧Vdの立ち上がり時に、FET201の動作が不安定となり、図15で示すように出力端子208から出力される高周波信号の波形は、FET201が動作不安定となったときに乱れ、該出力端子208から出力される信号を使用するシステムに影響を及ぼす。
【0007】
特に、出力端子208から出力されるパルス信号の立ち上がり時に発生する発振等は、一定期間続くこともあり、出力端子208から出力される信号を使用するシステムにおいて、運営上問題が起こる場合があった。このような現象を回避するために、すべてのバイアス点で発振等が起こらないように回路設計を行っていたが、このような回路設計には多くの時間を要すると共に、増幅器の性能を低下させなければ発振等を回避できない場合があった。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、パルス駆動を行う際に、高周波信号の増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作が得られる増幅器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る増幅器は、ドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、高周波信号の増幅を行うFETと、外部から入力されるパルスを用いて該FETのドレインバイアスを行うドレインバイアス回路と、外部から入力される負電圧を用いてFETのゲートバイアスを行うゲートバイアス回路と、ドレインバイアス回路に入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路とを備え、該パルス生成回路は、ドレインバイアス回路に入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスをゲートバイアス回路に出力してゲートバイアスを変え、FETの出力特性を一時的に変えるものである。
【0010】
また、この発明に係る増幅器は、高周波信号の増幅を行うFETを有し、該FETに対して、負電圧のゲートバイアスを行うと共にドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路と、該パルス生成回路から出力されたパルスに応じて増幅器の利得を低下させる利得制御回路とを備え、パルス生成回路は、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスを利得制御回路に出力し、利得制御回路は、パルス生成回路からパルスが入力されると増幅器の利得を一時的に低下させるものである。
【0011】
また、この発明に係る増幅器は、請求項2において、上記利得制御回路は、増幅器の出力端子に接続されるバイパス回路であり、パルス生成回路からパルスが入力されると増幅器の出力端子に一時的に抵抗を接続して増幅器の出力をバイパスし、増幅器の利得を一時的に低下させるものである。
【0012】
また、この発明に係る増幅器は、請求項2において、上記利得制御回路は、FETのドレインとゲートとの間に接続される帰還回路であり、パルス生成回路からパルスが入力されるとFETのドレイン電圧を一時的にゲートに帰還させて、増幅器の利得を一時的に低下させるものである。
【0013】
また、この発明に係る増幅器は、高周波信号の増幅を行うFETを有し、該FETに対して、負電圧のゲートバイアスを行うと共にドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路と、該パルス生成回路から出力されたパルスに応じて、上記FETで増幅された信号の外部への出力を制御する出力制御回路とを備え、パルス生成回路は、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスを出力制御回路に出力し、出力制御回路は、パルス生成回路からパルスが入力されるとFETで増幅された信号の外部への出力を一時的に遮断するものである。
【0014】
また、この発明に係る増幅器は、高周波信号の増幅を行うFETを有し、該FETに対して、負電圧のゲートバイアスを行うと共にドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路と、該パルス生成回路から出力されたパルスに応じて、上記FETで増幅を行う信号における外部からの入力を制御する入力制御回路とを備え、パルス生成回路は、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスを入力制御回路に出力し、入力制御回路は、パルス生成回路からパルスが入力されるとFETで増幅を行う外部からの信号の入力を一時的に遮断するものである。
【0015】
また、この発明に係る増幅器は、高周波信号の増幅を行うFETを有し、該FETに対して、負電圧のゲートバイアスを行うと共にドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路と、該パルス生成回路から出力されたパルスに応じて、外部から入力されたFETで増幅を行う信号の移相量を変える移相器とを備え、パルス生成回路は、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスを移相器に出力し、移相器は、パルス生成回路からパルスが入力されると、外部から入力されたFETで増幅を行う信号の移相量を一時的に変えるものである。
【0016】
また、この発明に係る増幅器は、高周波信号の増幅を行うデュアルゲートFETを有し、該デュアルゲートFETの第1ゲートに対して、負電圧のゲートバイアスを行うと共にドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路と、該パルス生成回路から出力されたパルスに応じて、デュアルゲートFETの第2ゲートに負電圧を印加する第2ゲートバイアス回路とを備え、パルス生成回路は、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスを第2ゲートバイアス回路に出力し、第2ゲートバイアス回路は、パルス生成回路からパルスが入力されるとデュアルゲートFETの第2ゲートに一時的に負電圧を印加してデュアルゲートFETの利得を一時的に低下させるものである。
【0017】
また、この発明に係る増幅器は、請求項1から請求項8のいずれかにおいて、パルス生成回路は、抵抗及びコンデンサの直列回路で構成されるものである。
【0018】
また、この発明に係る増幅器は、請求項9において、パルス生成回路は、抵抗及びコンデンサの直列回路に信号反転回路を更に接続して構成されるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における増幅器の例を示した回路図である。図1において、増幅器1は、高周波信号の増幅を行うノーマリオンのFET2と、入力側の整合回路を形成する入力整合回路3と、FET2に対するゲートバイアス回路4と、出力側の整合回路を形成する出力整合回路5と、外部からパルス電圧が印加される、FET2に対するドレインバイアス回路6と、該ドレインバイアス回路6に印加されるパルス電圧に同期してゲートバイアス回路4に所定のパルス電圧を印加するパルス生成回路7で構成されている。
【0020】
FET2のゲートは、入力整合回路3を介して、増幅を行う高周波信号が入力される入力端子8に接続されると共に、ゲートバイアス回路4を介してゲートバイアス端子9に接続されている。FET2において、ドレインは、出力整合回路5を介して出力端子10に接続されると共にドレインバイアス回路6を介してドレインバイアス端子11に接続され、ソースは接地されている。また、パルス生成回路7は、ゲートバイアス端子9及びドレインバイアス端子11に接続されている。ゲートバイアス端子9は、直流電源13が接続されており、該直流電源13から所定の負電圧が印加されている。
【0021】
入力整合回路3は、高周波伝送線路に形成されインピーダンスの整合を行う整合回路15,16及びコンデンサ17で形成されている。FET2のゲートと入力端子8との間には、整合回路15とコンデンサ17との直列回路が接続され、入力端子8側に接続されたコンデンサ17は、入力端子8からの直流信号を遮断するものである。整合回路15とコンデンサ17との接続部には、更に整合回路16が接続されている。また、ゲートバイアス回路4は、抵抗20及びコンデンサ21で形成されている。FET2のゲートとゲートバイアス端子9との間に抵抗20が接続され、ゲートバイアス端子9はコンデンサ21を介して接地されている。
【0022】
出力整合回路5は、高周波伝送線路に形成されインピーダンスの整合を行う整合回路25,26及びコンデンサ27で形成されている。FET2のドレインと出力端子10との間には、整合回路25とコンデンサ27との直列回路が接続され、出力端子10側に接続されたコンデンサ27は、直流信号を遮断して出力端子10から直流信号が出力されないようにしている。整合回路25とコンデンサ27との接続部には、更に整合回路26が接続されている。
【0023】
ドレインバイアス回路6は、インダクタ30及びコンデンサ31で形成されている。FET2のドレインとドレインバイアス端子11との間にインダクタ30が接続され、ドレインバイアス端子11はコンデンサ31を介して接地されている。また、パルス生成回路7は、抵抗35及びコンデンサ36で形成され、ドレインバイアス端子11とゲートバイアス端子9との間には抵抗35及びコンデンサ36との直列回路が接続されている。
【0024】
図2は、上記のような構成の増幅器1における各部の波形を示した図である。なお、図2では、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧における1パルス分の各波形を示している。図2において、(a)はドレインバイアス端子11の波形を、(b)はゲートバイアス端子9の波形を示している。図2で示しているように、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時に、ゲートバイアス端子9に印加されている負電圧が急峻に上昇した後、基の所定電圧に戻り、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち下がり時には、ゲートバイアス端子9に印加されている負電圧が急峻に低下した後、基の所定電圧に戻っている。
【0025】
このように、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時及び立ち下がり時に、パルス生成回路7によって、それぞれゲートバイアス端子8に印加される負電圧の電圧値を変えることにより、ゲートバイアスを変化させている。図3は、図1で示した増幅器1におけるFET2の特性を示した図であり、FET2の出力特性であるドレイン電流電圧特性を示している。図3において、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時にゲートバイアスが上昇することにより、曲線gのように特性が変わり、不安定領域Aを通らずにバイアス点Bに到達する。また、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち下がり時にゲートバイアスが低下することにより、曲線hのように特性が変わり、不安定領域を通らずにバイアス点からドレイン電流Id及びドレイン電圧Vdがゼロとなる点に戻る。
【0026】
上記実施の形態1の説明では、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時に、FET2の出力特性は図3の曲線gになり、パルス電圧の立ち下がり時に、FET2の出力特性は図3の曲線hになるようにしたが、図4で示すように、パルス生成回路7におけるコンデンサ36をインバータ39を介してゲートバイアス端子9に接続してもよい。このようにすることにより、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時に、FET2の出力特性は図3の曲線hになり、パルス電圧の立ち下がり時に、FET2の出力特性は図3の曲線gになるようにすることができる。
【0027】
なお、本実施の形態1においては、ドレインバイアス端子11にパルス電圧が印加されると、該印加されたパルス電圧の立ち上がり時と立ち下がり時とでは、パルス生成回路7は、ゲートバイアス端子9に印加される負電圧を上昇させる方向と低下させる方向といった相反する方向に変化させたが、同じ方向に変化させるようにしてもよい。この場合、図3で示したFET2の出力特性は、曲線g又は曲線hのいずれか一方になる。
【0028】
上記のように、本実施の形態1における増幅器は、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がりに応じてゲートバイアス端子9に印加されるゲートバイアスを一時的に変えるようにした。このことから、ドレインバイアス端子11にパルス電圧を印加した際に、FET2の出力特性において、発振等が発生する不安定領域を通ることなくバイアス点に到達し、更にバイアス点から不安定領域を通ることなくドレイン電流Id及びドレイン電圧Vdがゼロとなる点に戻すことができる。このため、簡単な回路構成で、パルス駆動を行う際に、増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態1においては、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時にそれぞれ対応させてゲートバイアスを変えるようにした。これに対して、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時に、増幅器の出力端子を一時的に抵抗を介して接地するようにし増幅器の利得を一時的に落とすようにして不要な発振等が生じないようにしてもよく、このようにしたものを本発明の実施の形態2とする。
【0030】
図5は、本発明の実施の形態2における増幅器の例を示した回路図である。なお、図5では、図1と同じものは同じ符号で示しており、ここではその説明を省略すると共に図1との相違点のみ説明する。
図5における図1との相違点は、バイパス回路41を追加したことと、パルス生成回路7をゲートバイアス端子9に接続せずに、バイパス回路41に接続したことにあり、これらに伴って図1の増幅器1を増幅器45としたことにある。
【0031】
図5において、増幅器45は、FET2と、入力整合回路3と、ゲートバイアス回路4と、出力整合回路5と、ドレインバイアス回路6と、パルス生成回路7と、バイパス回路41とで構成されている。パルス生成回路7は、ドレインバイアス端子11に接続されると共にバイパス回路41に接続され、更に、バイパス回路41は出力端子10に接続されている。
【0032】
バイパス回路41は、ノーマリオンのFET51、インダクタ52、コンデンサ53、抵抗54,55及び直流電源56で形成されている。出力端子10とFET51のドレインとの間にコンデンサ53が接続され、FET51のソースと接地との間に抵抗54が接続されている。また、FET51のゲートには抵抗55を介して直流電源56の負電極が接続され、直流電源56の正電極は接地されている。FET51のドレインとソースとの間にはインダクタ52が接続され、FET51とインダクタ52は、高周波信号のスイッチングを行う高周波スイッチ57を形成している。直流電源56は、FET51のゲートに負のバイアス電圧を印加しており、高周波スイッチ57は通常オフ状態となっている。パルス生成回路7のコンデンサ36は、FET51のゲートに接続されている。
【0033】
パルス生成回路7は、FET51の動作制御を行い、ドレインバイアス端子11にパルス電圧が印加されていないときは、FET71は遮断状態となり高周波スイッチ57は遮断状態にある。一方、ドレインバイアス端子11にパルス電圧が印加され、該印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、上記実施の形態1で説明したゲートバイアス端子9に入力されたようなパルスがFET51のゲートに入力される。このことから、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、高周波スイッチ57が一時的に導通状態となり、出力端子10と接地との間に抵抗54が挿入された状態となり、増幅器45の利得を低下させる。このため、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時における不要な発振が起きる間は、増幅器45の利得を低下させることにより、不要な発振の発生を防止する。
【0034】
このように、本実施の形態2における増幅器は、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時における一定期間、増幅器45の出力端子10と接地との間に抵抗54が挿入されるようにした。このことから、特に問題となるドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時における増幅器45の不要な発振をなくすことができる。このため、簡単な回路構成で、パルス駆動を行う際に、利得を一時的に低下させるだけで増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0035】
実施の形態3.
実施の形態1においては、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時にそれぞれ対応させてゲートバイアスを変えるようにした。これに対して、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時に、一時的にFET2のドレイン電圧をゲートに帰還させるようにして増幅器の動作を安定させ不要な発振等が生じないようにしてもよく、このようにしたものを本発明の実施の形態3とする。
【0036】
図6は、本発明の実施の形態3における増幅器の例を示した回路図である。なお、図6では、図1と同じものは同じ符号で示しており、ここではその説明を省略すると共に図1との相違点のみ説明する。
図6における図1との相違点は、帰還回路61を追加したことと、パルス生成回路7をゲートバイアス端子9に接続せずに、帰還回路61に接続したことにあり、これらに伴って図1の増幅器1を増幅器65としたことにある。
【0037】
図6において、増幅器65は、FET2と、入力整合回路3と、ゲートバイアス回路4と、出力整合回路5と、ドレインバイアス回路6と、パルス生成回路7と、FET2のドレイン電圧をゲートに帰還させる帰還回路61とで構成されている。パルス生成回路7は、ドレインバイアス端子11に接続されると共に帰還回路61に接続され、更に、帰還回路61はFET2のドレインとゲートとの間に接続されている。
【0038】
帰還回路61は、ノーマリオンのFET71、インダクタ72、コンデンサ73,74、抵抗75〜77及び直流電源78で形成されている。FET2のドレインとFET71のドレインとの間にコンデンサ73と抵抗75との直列回路が接続されている。FET2のドレイン側に接続されたコンデンサ73は、FET2のドレイン電圧の直流成分はカットするためのものである。コンデンサ73と抵抗75との接続部と接地との間には抵抗76が接続されている。該抵抗76は、抵抗75とFET71のドレインとの接続部の電圧を決めるためのものである。
【0039】
FET71のソースとFET2のゲートとの間にはDCカットを行うコンデンサ74が接続され、FET71のドレインとソースとの間にはインダクタ72が接続されている。FET71とインダクタ72は、高周波信号のスイッチングを行う高周波スイッチ79を形成している。また、FET71のゲートには抵抗77を介して直流電源78の負電極が接続され、直流電源78の正電極は接地されている。直流電源78は、FET71のゲートに負のバイアス電圧を印加しており、高周波スイッチ79は通常オフ状態となっている。パルス生成回路7のコンデンサ36は、FET71のゲートに接続されている。
【0040】
パルス生成回路7は、FET71の動作制御を行い、ドレインバイアス端子11にパルス電圧が印加されていないときは、FET71は遮断状態となり高周波スイッチ79は遮断状態にある。一方、ドレインバイアス端子11にパルス電圧が印加され、該印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、上記実施の形態1で説明したゲートバイアス端子9に入力されたようなパルスがFET71のゲートに入力される。このことから、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、高周波スイッチ79が一時的に導通状態となり、FET2のドレインとゲートとの間に一時的に負帰還がかかった状態となって、FET2の利得を一時的に低下させて動作を安定させる。このため、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時における不要な発振の発生を防止する。
【0041】
このように、本実施の形態3における増幅器は、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、一時的にFET2のドレインとゲートとの間に負帰還がかかるようにした。このことから、特に問題となるドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時における増幅器65の利得を一時的に低下させ不要な発振をなくすことができる。このため、簡単な回路構成で、パルス駆動を行う際に、利得を一時的に低下させるだけで増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0042】
実施の形態4.
実施の形態1においては、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時にそれぞれ対応させてゲートバイアスを変えるようにした。これに対して、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時に、一時的に増幅器の出力端子及び/又は入力端子を遮断するようにして不要な発振等が出力されないようにしてもよく、このようにしたものを本発明の実施の形態4とする。
【0043】
図7は、本発明の実施の形態4における増幅器の例を示した回路図である。なお、図7では、実施の形態1と同じものは同じ符号で示しており、ここではその説明を省略すると共に図1との相違点のみ説明する。
図7における図1との相違点は、パルス生成回路7の回路構成を変えたことによりパルス生成回路81としたことと、出力端子10の遮断制御を行う遮断制御回路82を追加し、これらに伴って図1の増幅器1を増幅器85としたことにある。なお、この場合、遮断制御回路82は出力制御回路をなしている。
【0044】
図7において、増幅器85は、FET2と、入力整合回路3と、ゲートバイアス回路4と、出力整合回路5と、ドレインバイアス回路6と、パルス生成回路81と、該パルス生成回路81からのパルスに応じて出力端子10の遮断制御を行う遮断制御回路82とで構成されている。パルス生成回路81は、ドレインバイアス端子11に接続されると共に遮断制御回路82に接続されている。遮断制御回路82は、出力整合回路5と出力端子10との間に接続されている。
【0045】
パルス生成回路81は、抵抗35、コンデンサ36及びインバータ39で形成され、抵抗35の一端及びコンデンサ36の一端が接続され、更にコンデンサ36の他端にインバータ39の入力が接続されている。抵抗35の他端はドレインバイアス端子11に接続され、インバータ39の出力は遮断制御回路82に接続されている。
【0046】
遮断制御回路82は、ノーマリオフのFET91、インダクタ92、コンデンサ93及び抵抗94,95で形成されている。出力端子10とFET91のソースとの間にコンデンサ93が接続され、FET91のドレインと接地との間に抵抗94が接続されている。FET91のドレインと抵抗94との接続部は、出力整合回路10のコンデンサ27に接続され、FET91のゲートは抵抗95を介して接地されている。更に、FET91のゲートには、パルス生成回路81におけるインバータ39の出力が接続され、FET91のドレインとソースとの間にはインダクタ92が接続されている。FET91とインダクタ92は、高周波信号のスイッチングを行う高周波スイッチ98を形成している。
【0047】
パルス発生回路81は、FET91の動作制御を行い、ドレインバイアス端子11にパルス電圧が印加されていないときは、FET91は導通状態となり高周波スイッチ98は導通状態にある。一方、ドレインバイアス端子11にパルス電圧が印加され、該印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、高周波スイッチ98が一時的に遮断状態となり、出力整合回路5と出力端子10との接続を一時的に遮断する。このため、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時における不要な発振が起きる間は、出力整合回路5と出力端子10との接続を遮断することにより、不要な発振が出力されないようにする。
【0048】
なお、上記説明では、遮断制御回路82を出力整合回路5と出力端子10との間に接続したが、入力整合回路3と入力端子8との間に接続し、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時における不要な発振が起きる間は、入力整合回路3と入力端子8との接続を遮断することにより、不要な発振が発生しないようにしてもよい。このようにした場合の増幅器85の回路例を図8で示す。図8において、図7との相違点は、FET91のソースが入力整合回路3のコンデンサ17に接続され、FET91のドレインと抵抗94との接続部がコンデンサ93を介して入力端子8に接続されていることにある。なお、この場合、遮断制御回路82は入力制御回路をなす。また、遮断制御回路82を、入力整合回路3と入力端子8との間、及び出力整合回路5と出力端子10との間の両方に設けるようにしてもよい。
【0049】
このように、本実施の形態4における増幅器は、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時における一定期間、出力整合回路5と出力端子10との接続、及び/又は入力整合回路3と入力端子8との接続を遮断するようにした。このことから、特に問題となるドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時における増幅器85の不要な発振をなくすことができる。このため、簡単な回路構成で、パルス駆動を行う際に、増幅性能を低下させることなく不要な発振等が出力されないようにすることができ、安定した動作を得ることができる。
【0050】
実施の形態5.
増幅器の入力に移相器を設け、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時に、一時的に入力端子8から入力された高周波信号の移相量を変えることによって整合点をずらし発振領域を変化させて、不要な発振等を抑えるようにしてもよく、このようにしたものを本発明の実施の形態5とする。
【0051】
図9は、本発明の実施の形態5における増幅器の例を示した回路図である。なお、図9では、図1と同じものは同じ符号で示しており、ここではその説明を省略すると共に図1との相違点のみ説明する。
図9における図1との相違点は、移相器101を追加したことと、パルス生成回路7をゲートバイアス端子9に接続せずに、移相器101に接続したことにあり、これらに伴って図1の増幅器1を増幅器105としたことにある。
【0052】
図9において、増幅器105は、FET2と、入力整合回路3と、ゲートバイアス回路4と、出力整合回路5と、ドレインバイアス回路6と、パルス生成回路7と、入力整合を変える移相器101とで構成されている。パルス生成回路7は、ドレインバイアス端子11に接続されると共に移相器101に接続され、更に、移相器101は入力端子8と入力整合回路3との間に接続されている。
【0053】
移相器101は、ノーマリオンのFET111、ノーマリオフのFET112,113、遅延線路114、コンデンサ115、抵抗116及び直流電源117で形成されている。FET111及び112の各ドレインは接続され、該接続部はコンデンサ115を介して入力端子8に接続されている。FET112において、ゲートはドレインバイアス端子11に接続され、ソースは遅延線路114の一端に接続されている。FET111のソースは遅延線路114の他端に接続され、該接続部は、入力整合回路3のコンデンサ17に接続されている。
【0054】
FET111のゲートは、FET113のドレインに接続され、FET113のソースに直流電源117の負電極が接続され、直流電源117の正電極は接地されている。また、FET113のゲートとソースとの間には抵抗116が接続されており、FET113のゲートとドレインバイアス端子11との間にパルス生成回路7が接続されている。遅延線路114は、高周波信号の伝送において、目的とする遅延が生じるように設計された線路である。
【0055】
FET112は、ドレインバイアス端子11にパルス電圧が印加されるとオンして導通状態となるが、FET111がノーマリオンであることから遅延線路114はFET111によってバイパスされている。このことから、通常は、入力端子8と入力整合回路3との間に遅延線路114は接続されず、入力整合は、入力整合回路3によって行われている。ここで、パルス生成回路7は、FET113のゲートに印加するバイアス電圧の制御を行い、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、上記実施の形態1で説明したゲートバイアス端子9に入力されたようなパルスがFET113のゲートに入力される。
【0056】
このことから、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、FET113が一時的にオンして導通状態となり、これに伴ってFET111は一時的に遮断状態となる。一方、FET112は、ドレインバイアス端子11にパルス電圧が印加されるとオンして導通状態となることから、入力端子8と入力整合回路3との間に一時的に遅延線路114が接続される。このため、入力整合が入力整合回路3と遅延線路114とで行われるようになり、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時に、一時的に入力整合の整合点を変えることができる。
【0057】
ここで、FET2の出力特性において動作が不安定になる不安定領域は、該FET2を使用する増幅器の整合回路と深く関係している。例えばFET2の出力特性が不安定領域内にある場合でも、増幅器の整合を変えることによりFET2が発振しなくなる。このため、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時における不要な発振が起きる間は、入力整合の整合点を変えることにより、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時における不要な発振の発生を防止する。
【0058】
このように、本実施の形態5における増幅器は、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、遅延線路114を一時的に入力整合回路3に接続するようにした。このことから、特に問題となるドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時における増幅器105の入力整合を一時的に変え不要な発振をなくすことができる。このため、簡単な回路構成で、パルス駆動を行う際に、利得を一時的に低下させるだけで増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0059】
実施の形態6.
実施の形態1から実施の形態5においては、増幅器のFETにシングルゲートのFETを使用したが、増幅器のFETにデュアルゲートFETを使用し、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時に、一時的に増幅器の利得を低下させるようにして不要な発振等が生じないようにしてもよく、このようにしたものを本発明の実施の形態6とする。
【0060】
図10は、本発明の実施の形態6における増幅器の例を示した回路図である。なお、図10では、図1と同じものは同じ符号で示しており、ここではその説明を省略すると共に図1との相違点のみ説明する。
図10における図1との相違点は、図1のFET2の代わりにデュアルゲートFET121を使用したことと、該デュアルゲートFET121の第2ゲートに対するバイアス電圧の印加制御を行う第2ゲートバイアス回路122を追加したことにあり、これに伴って図1の増幅器1を増幅器125としたことにある。
【0061】
図10において、増幅器125は、デュアルゲートFET121と、入力整合回路3と、ゲートバイアス回路4と、出力整合回路5と、ドレインバイアス回路6と、パルス生成回路7と、デュアルゲートFET121の第2ゲートに対するバイアス電圧の印加制御を行う第2ゲートバイアス回路122とで構成されている。パルス生成回路7は、ドレインバイアス端子11に接続されると共に第2ゲートバイアス回路122に接続され、更に、第2ゲートバイアス回路122はデュアルゲートFET121の第2ゲートに接続されている。
【0062】
デュアルゲートFET121の第1ゲートと入力端子8との間には入力整合回路3が接続され、デュアルゲートFET121の第1ゲートとゲートバイアス端子9との間にはゲートバイアス回路4が接続されている。更に、デュアルゲートFET121のドレインと出力端子10との間には出力整合回路5が接続され、デュアルゲートFET121のドレインとドレインバイアス端子11との間にはドレインバイアス回路6が接続されている。
【0063】
第2ゲートバイアス回路122は、ノーマリオフのFET131、抵抗132及び直流電源133で形成されている。FET131のドレインはデュアルゲートFET121の第2ゲートに接続され、FET131のソースに直流電源133の負電極が接続され、直流電源133の正電極は接地されている。また、FET131のゲートとソースとの間には抵抗132が接続されており、FET131のゲートとドレインバイアス端子11との間にパルス生成回路7が接続されている。
【0064】
パルス生成回路7は、FET131の動作制御を行い、ドレインバイアス端子11にパルス電圧が印加されていないときは、FET131は遮断状態となりデュアルゲートFET121の第2ゲートはオープン状態にある。一方、ドレインバイアス端子11に印加され、該印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、上記実施の形態1で説明したゲートバイアス端子9に入力されたようなパルスがFET131のゲートに入力される。このことから、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、FET131が一時的にオンして導通状態となり、デュアルゲートFET121の第2ゲートに直流電源133からの負電圧が一時的に印加され、デュアルゲートFET121の利得を一時的に低下させて動作を安定させる。このため、ドレインバイアス端子11に印加されるパルス電圧の立ち上がり時における不要な発振の発生を防止する。
【0065】
このように、本実施の形態6における増幅器は、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時に、一時的にデュアルゲートFET121の第2ゲートに負電圧が印加するようにした。このことから、特に問題となるドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時における増幅器125の利得を一時的に低下させ不要な発振をなくすことができる。このため、簡単な回路構成で、パルス駆動を行う際に、利得を一時的に低下させるだけで増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0066】
なお、上記実施の形態2から実施の形態6において、特に問題となるドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり時における増幅器の不要な発信をなくすようにした。しかし、これは一例であり、本発明はこれに限定するものではなく、パルス生成回路7を、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時に、同一方向のパルスを生成して出力する回路構成にすることにより、ドレインバイアス端子11に印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下り時における増幅器の不要な発信をなくすようにすることができる。
【0067】
【発明の効果】
請求項1に係る増幅器は、パルス生成回路により、ドレインバイアスとして印加されるパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がりに応じてゲートバイアスを一時的に変えるようにした。このことから、ドレインバイアスとしてパルス電圧を印加した際に、FETの出力特性において、発振等が発生する不安定領域を通ることなくバイアス点に到達し、更にバイアス点からドレイン電流及びドレイン電圧がゼロとなる点に戻すことができる。このため、パルス駆動を行う際に、増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0068】
請求項2に係る増幅器は、利得制御回路により、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における一定期間、増幅器の利得を一時的に低下させるようにした。このことから、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における増幅器の不要な発振をなくすことができる。このため、パルス駆動を行う際に、利得を一時的に低下させるだけで増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0069】
請求項3に係る増幅器は、請求項2において、具体的には、利得制御回路が、パルス生成回路からパルスが入力されると増幅器の出力端子に一時的に抵抗を接続して増幅器の出力をバイパスし、増幅器の利得を一時的に低下させるようにした。このことから、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における増幅器の不要な発振をなくすことができる。このため、パルス駆動を行う際に、利得を一時的に低下させるだけで増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0070】
請求項4に係る増幅器は、請求項2において、具体的には、利得制御回路が、パルス生成回路からパルスが入力されるとFETのドレイン電圧を一時的にゲートに帰還させて、増幅器の利得を一時的に低下させるようにした。このことから、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における増幅器の不要な発振をなくすことができる。このため、パルス駆動を行う際に、利得を一時的に低下させるだけで増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0071】
請求項5に係る増幅器は、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における一定期間、FETで増幅された信号の外部への出力を一時的に遮断するようにした。このことから、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における増幅器の不要な発振をなくすことができる。このため、パルス駆動を行う際に、増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0072】
請求項6に係る増幅器は、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における一定期間、FETで増幅を行う信号における外部からの入力を一時的に遮断するようにした。このことから、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における増幅器の不要な発振をなくすことができる。このため、パルス駆動を行う際に、増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0073】
請求項7に係る増幅器は、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における一定期間、外部から入力されたFETで増幅を行う信号の移相量を変えるようにした。このことから、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における増幅器の入力整合を一時的に変え不要な発振をなくすことができる。このため、パルス駆動を行う際に、利得を一時的に低下させるだけで増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0074】
請求項8に係る増幅器は、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における一定期間、デュアルゲートFETの第2ゲートに負電圧を印加するようにした。このことから、ドレインバイアスとして印加されたパルス電圧の立ち上がり及び立ち下がり時における増幅器の利得を一時的に低下させて不要な発振をなくすことができる。このため、パルス駆動を行う際に、利得を一時的に低下させるだけで増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0075】
請求項9に係る増幅器は、請求項1から請求項8のいずれかにおいて、具体的には、パルス生成回路を、抵抗及びコンデンサの直列回路で構成した。このことから、簡単な回路構成で、増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【0076】
請求項10に係る増幅器は、請求項9において、抵抗及びコンデンサの直列回路に更に信号反転回路を接続してパルス生成回路を構成した。このことから、簡単な回路構成で、増幅性能を低下させることなく不要な発振等が起こらない安定した動作を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における増幅器の例を示した回路図である。
【図2】 図1で示した増幅器1における各部の波形を示したタイミングチャートである。
【図3】 図1におけるFET2の特性を示した図である。
【図4】 本発明の実施の形態1における増幅器の他の例を示した回路図である。
【図5】 本発明の実施の形態2における増幅器の例を示した回路図である。
【図6】 本発明の実施の形態3における増幅器の例を示した回路図である。
【図7】 本発明の実施の形態4における増幅器の例を示した回路図である。
【図8】 本発明の実施の形態4における増幅器の他の例を示した回路図である。
【図9】 本発明の実施の形態5における増幅器の例を示した回路図である。
【図10】 本発明の実施の形態6における増幅器の例を示した回路図である。
【図11】 マイクロ波の増幅を行う増幅器の従来例を示した回路図である。
【図12】 図11の増幅器における各部の波形を示した図である。
【図13】 図11におけるFET201の特性を示した図である。
【図14】 図11におけるFET201のドレイン電圧Vdの変化を示した図である。
【図15】 図11における出力端子208の電力波形を示した図である。
【符号の説明】
1,45,65,85,105,125 増幅器、 2 FET、 3 入力整合回路、 4 ゲートバイアス回路、 5 出力整合回路、 6 ドレインバイアス回路、 7,81 パルス生成回路、 8 入力端子、 9 ゲートバイアス端子、 10 出力端子、 11 ドレインバイアス端子、 13 直流電源、 35 抵抗、 36 コンデンサ、 39 インバータ、 41 バイパス回路、 61 帰還回路、 82 遮断制御回路、 101 移相器、 121 デュアルゲートFET、 122 第2ゲートバイアス回路
Claims (10)
- ドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、
高周波信号の増幅を行うFETと、
外部から入力されるパルスを用いて該FETのドレインバイアスを行うドレインバイアス回路と、
外部から入力される負電圧を用いて上記FETのゲートバイアスを行うゲートバイアス回路と、
上記ドレインバイアス回路に入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路とを備え、
該パルス生成回路は、上記ドレインバイアス回路に入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスをゲートバイアス回路に出力してゲートバイアスを変え、上記FETの出力特性を一時的に変えることを特徴とする増幅器。 - 高周波信号の増幅を行うFETを有し、該FETに対して、負電圧のゲートバイアスを行うと共にドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、
ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路と、
該パルス生成回路から出力されたパルスに応じて増幅器の利得を低下させる利得制御回路とを備え、
上記パルス生成回路は、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスを利得制御回路に出力し、上記利得制御回路は、パルス生成回路からパルスが入力されると増幅器の利得を一時的に低下させることを特徴とする増幅器。 - 上記利得制御回路は、増幅器の出力端子に接続されるバイパス回路であり、パルス生成回路からパルスが入力されると増幅器の出力端子に一時的に抵抗を接続して増幅器の出力をバイパスし、増幅器の利得を一時的に低下させることを特徴とする請求項2に記載の増幅器。
- 上記利得制御回路は、FETのドレインとゲートとの間に接続される帰還回路であり、パルス生成回路からパルスが入力されると上記FETのドレイン電圧を一時的にゲートに帰還させて、増幅器の利得を一時的に低下させることを特徴とする請求項2に記載の増幅器。
- 高周波信号の増幅を行うFETを有し、該FETに対して、負電圧のゲートバイアスを行うと共にドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、
ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路と、
該パルス生成回路から出力されたパルスに応じて、上記FETで増幅された信号の外部への出力を制御する出力制御回路とを備え、
上記パルス生成回路は、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスを出力制御回路に出力し、上記出力制御回路は、パルス生成回路からパルスが入力されると上記FETで増幅された信号の外部への出力を一時的に遮断することを特徴とする増幅器。 - 高周波信号の増幅を行うFETを有し、該FETに対して、負電圧のゲートバイアスを行うと共にドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、
ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路と、
該パルス生成回路から出力されたパルスに応じて、上記FETで増幅を行う信号における外部からの入力を制御する入力制御回路とを備え、
上記パルス生成回路は、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスを入力制御回路に出力し、上記入力制御回路は、パルス生成回路からパルスが入力されると上記FETで増幅を行う外部からの信号の入力を一時的に遮断することを特徴とする増幅器。 - 高周波信号の増幅を行うFETを有し、該FETに対して、負電圧のゲートバイアスを行うと共にドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、
ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路と、
該パルス生成回路から出力されたパルスに応じて、外部から入力されたFETで増幅を行う信号の移相量を変える移相器とを備え、
上記パルス生成回路は、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスを移相器に出力し、上記移相器は、パルス生成回路からパルスが入力されると、外部から入力された上記FETで増幅を行う信号の移相量を一時的に変えることを特徴とする増幅器。 - 高周波信号の増幅を行うデュアルゲートFETを有し、該デュアルゲートFETの第1ゲートに対して、負電圧のゲートバイアスを行うと共にドレインバイアスとしてパルス電圧を印加するパルス駆動が行われ、高周波信号の増幅を行う増幅器において、
ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスに応じて所定のパルスを生成して出力するパルス生成回路と、
該パルス生成回路から出力されたパルスに応じて、上記デュアルゲートFETの第2ゲートに負電圧を印加する第2ゲートバイアス回路とを備え、
上記パルス生成回路は、ドレインバイアスとして外部から入力されるパルスの立ち上がり及び立ち下がり時に、それぞれ所定の単一パルスを第2ゲートバイアス回路に出力し、上記第2ゲートバイアス回路は、パルス生成回路からパルスが入力されるとデュアルゲートFETの第2ゲートに一時的に負電圧を印加してデュアルゲートFETの利得を一時的に低下させることを特徴とする増幅器。 - 上記パルス生成回路は、抵抗及びコンデンサの直列回路で構成されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の増幅器。
- 上記パルス生成回路は、抵抗及びコンデンサの直列回路に信号反転回路を更に接続して構成されることを特徴とする請求項9に記載の増幅器。
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