JP2000323944A - 高周波利得可変増幅器 - Google Patents

高周波利得可変増幅器

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JP2000323944A
JP2000323944A JP11129182A JP12918299A JP2000323944A JP 2000323944 A JP2000323944 A JP 2000323944A JP 11129182 A JP11129182 A JP 11129182A JP 12918299 A JP12918299 A JP 12918299A JP 2000323944 A JP2000323944 A JP 2000323944A
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input
frequency
impedance
circuit
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Noriyuki Tanba
憲之 丹波
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力電力の大小に応じて利得制御を行って
も、入力インピーダンスを変化させることなく、信号を
線形に増幅し、かつ回路の利得を連続的に変化させるこ
とができる高周波利得可変増幅器を提供する。 【解決手段】 入力端子1から入力された高周波信号の
電力の大きさによって、高周波増幅回路4の利得を制御
するために利得制御端子7に印加される利得制御電圧が
変化する。この変化に伴って高周波増幅回路4の入力イ
ンピーダンスが変化し、MOSFETなどではゲート・
ソース間の容量値が増減する。入力整合回路2と高周波
増幅回路4との間に設けた可変容量3は、利得制御電圧
に応じて容量が変化し、高周波増幅回路における容量値
の増減分を相殺するようになっている。これにより、入
力端子1から内部側を見た高周波利得可変増幅器31の
インピーダンスを一定に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は信号増幅に線形性が
必要とされる携帯無線電話機等で使用される高周波増幅
回路の利得を制御する高周波利得可変増幅器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】携帯用無線電話機等の受信機では、まず
高周波増幅回路において受信アンテナからの入力信号を
増幅し、後段の混合回路等へ高周波信号を出力するが、
受信機に大信号が入力された場合、高周波増幅回路で増
幅された高周波信号をそのままのレベルで後段回路へ出
力すると、後段回路が飽和して信号増幅の線形性が損な
われる。逆に微小な高周波信号が入力された場合に一定
の利得で増幅しただけでは充分なレベルの高周波信号が
得られない。そこで従来から高周波増幅回路には高周波
利得可変増幅の機能を持たせ、受信機への入力信号の大
小に応じて高周波増幅回路の利得を制御するようにして
いる。
【0003】図4に、従来例としての高周波利得可変増
幅器51の構成を示す。この例では高周波増幅回路とし
てFET20を使用している。FET20は、入力端子
1からゲートに入力された信号を、ソース接地かつドレ
インバイアス端子13からのバイアスで動作させること
により増幅し、ドレインから高周波の出力信号として取
り出して出力端子6から後段に送る。なお、高周波回路
においては各回路の入出力インピーダンスを50Ωにす
ることが求められており、そのために入力端子1と高周
波増幅用のFET20のゲートとの間には、容量8a・
8bとインダクタ9とからなる入力整合回路2が接続さ
れている。また、FET20のドレインと出力端子6と
の間には、容量16・12cとインダクタ14とからな
る出力整合回路5が接続されている。
【0004】抵抗15はFET20のゲートに入力され
る高周波信号に対するバイアス印加用の抵抗であり、こ
れが接続される回路のインピーダンスに影響を与えない
よう高いインピーダンスに設定されている。容量12b
はバイパスコンデンサーであり、バイアス給電点を高周
波的に接地するため、設計されている周波数において充
分低いインピーダンスとなるように容量値が設定されて
いる。
【0005】上記の高周波利得可変増幅器51では、入
力端子1から入力される信号の大きさに応じてFET2
0のゲートに利得制御端子7から加える利得制御電圧の
値を変化させ、最終的に出力端子6から後段へ送られる
高周波信号のレベルを所定の値に保つようにしている。
【0006】また、図5に特開平5−300040号公
報で開示された高周波利得可変増幅器61の構成を示
す。この高周波利得可変増幅器61は、入力端子1から
入力され、高周波増幅回路21で増幅された信号を、信
号の減衰度が互いに異なる2つの信号伝送回路からスイ
ッチ回路22・26によって選択した方に伝送して出力
端子6から出力するようになっている。これらの信号伝
送回路のうち一方は、減衰器23と出力整合回路24と
からなり、他方は出力整合回路25からなっており、そ
れぞれ50Ωに整合されている。上記高周波利得可変増
幅器61は、スイッチ回路22・26に選択信号を入力
してスイッチを切り換えることにより、高周波信号の利
得制御を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】携帯用無線電話機など
の受信機では、放送局と受信局との相対的位置が刻々と
変化するため、受信機に入力される信号のレベルの範囲
は広くなり、従って高周波増幅回路からの高周波信号の
レベルを所定の値に制御する高周波利得可変増幅回路に
おける利得の可変幅も当然大きくなる。上記従来の前者
の高周波利得可変増幅器51では、受信機への入力電力
の大小に応じて利得制御端子7に印加される利得制御電
圧が変化し、この変化に伴って増幅用のFET20の入
力インピーダンスも変化する。一方、入力整合回路2を
構成している容量8a・8bおよびインダクタ9といっ
た受動素子は印加電圧によらず一定のインピーダンスで
ある。
【0008】よって、入力端子1から見た高周波利得可
変増幅器51のインピーダンスが変化して電圧定在波比
が悪化してしまうという問題がある。高周波利得可変増
幅器51の前段に使用されているフィルタなどの回路
は、入出力インピーダンスが50Ωで接続されることを
前提に設計されており、高周波利得可変増幅器51の入
力インピーダンスが50Ωからずれた場合には所定の特
性を満足しない。
【0009】従来の後者の高周波利得可変増幅器61で
は、高周波増幅回路に上述したような利得制御電圧を用
いないため回路インピーダンスは変化しないものの、信
号伝送回路を選択する構成であるので、利得制御が不連
続になる。また、高周波増幅回路21で信号増幅を行っ
た後、後段の回路で信号を減衰させるので、高周波増幅
回路21が飽和し、信号の線形性が損なわれるといった
問題点があった。
【0010】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、入力電力の大小に応じて
利得制御を行っても、入力インピーダンスを変化させる
ことなく、信号を線形に増幅し、かつ回路の利得を連続
的に変化させることができる高周波利得可変増幅器を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の高
周波利得可変増幅器は、上記の課題を解決するために、
高周波入力信号の大小に応じて利得が制御される高周波
増幅回路と、上記高周波増幅回路よりも前段に設けられ
入力インピーダンスを所定値にする入力整合回路とを有
する高周波利得可変増幅器において、上記高周波増幅回
路と上記入力整合回路との間に、上記高周波増幅回路の
利得を制御する利得制御電圧の大きさに応じて上記高周
波増幅回路の入力インピーダンスの増減を相殺するイン
ピーダンス調整素子が設けられていることを特徴として
いる。
【0012】上記の発明によれば、受信機などに用いら
れる高周波増幅回路は高周波入力信号の大小に応じて変
化する利得制御電圧により入力インピーダンスが増減す
るため、それよりも前段にある入力整合回路との間にイ
ンピーダンス調整素子を設ける。インピーダンス調整素
子は、高周波増幅回路の入力インピーダンスが増加した
場合にはその増加分だけ所定値より減少させたインピー
ダンスを付加し、高周波増幅回路の入力インピーダンス
が減少した場合にはその減少分だけ所定値より増加させ
たインピーダンスを付加するものであり、例えば可変容
量素子などからなる。
【0013】これにより、入力整合回路から高周波増幅
回路側を見たインピーダンスは一定になる。従って、高
周波利得可変増幅器全体の入力インピーダンスは、利得
制御電圧が変化して高周波増幅回路の入力インピーダン
スが増減したとしても一定に保たれる。また、従来のよ
うにインピーダンス調整の手間を省くために、高周波増
幅回路において一律の利得で増幅してから減衰度ごとに
信号ラインを選択するような方法をとる必要がないの
で、増幅時の線形性および利得変化の連続性を犠牲にし
なくてもすむ。以上により、入力電力の大小に応じて利
得制御を行ったとしても、入力インピーダンスを変化さ
せることなく、線形性を保ったまま連続的な利得変化を
得ることができる。
【0014】請求項2に係る発明の高周波利得可変増幅
器は、上記の課題を解決するために、請求項1に記載の
高周波利得可変増幅器において、上記高周波増幅回路は
電界効果型トランジスタであり、上記インピーダンス調
整素子は、上記電界効果型トランジスタのゲートと上記
入力整合回路との間の信号ラインに直列に挿入され、上
記電界効果型トランジスタのゲートに印加される上記利
得制御電圧の大きさに応じて容量値が変化して上記電界
効果型トランジスタの容量値の増減を相殺するMOS容
量であることを特徴としている。
【0015】上記の発明によれば、高周波増幅回路を電
界効果型トランジスタとしたときに、そのゲートに印加
される利得制御電圧の大きさによるゲート・ソース間な
どにおける容量値の増減を、該ゲートと入力整合回路と
の間に直列に挿入したMOS容量の容量値の変化で相殺
する。
【0016】例えば電界効果型トランジスタをソース接
地で用いた場合、入力電力が大きくなると電界効果型ト
ランジスタの利得を減少させるために利得制御電圧を低
下させるが、その際ゲート・ソース間容量が小さくな
る。そこで、ゲートと入力整合回路との間に、金属側が
正バイアスとなるように、また半導体基板側がゲートに
接続されるようにMOS容量を直列に挿入すると、利得
制御電圧の低下に伴って半導体基板側の電位が低下して
MOS容量の容量値が増加するので、インピーダンスの
増減を相殺することによって入力整合回路から電界効果
型トランジスタ側を見た入力インピーダンスを一定にす
ることができる。入力電力が小さくなるときには上記と
逆の動作となり、同様に入力整合回路から電界効果型ト
ランジスタ側を見た入力インピーダンスを一定にするこ
とができる。
【0017】このように、利得制御電圧の大きさに応じ
て容量が変化する電界効果型トランジスタのような高周
波増幅回路に対しては、MOS容量という簡単な構成の
素子を用いるだけで入力インピーダンスの変化を相殺す
ることができる。
【0018】請求項3に係る発明の高周波利得可変増幅
器は、上記の課題を解決するために、請求項1に記載の
高周波利得可変増幅器において、上記高周波増幅回路は
電界効果型トランジスタであり、上記インピーダンス調
整素子は、上記電界効果型トランジスタのゲートと上記
入力整合回路との間の信号ラインに並列に挿入され、上
記電界効果型トランジスタのゲートに印加される上記利
得制御電圧の大きさに応じて容量値が変化して上記電界
効果型トランジスタの容量値の増減を相殺するMOS容
量であることを特徴としている。
【0019】上記の発明によれば、高周波増幅回路を電
界効果型トランジスタとしたときに、そのゲートに印加
される利得制御電圧の大きさによるゲート・ソース間な
どにおける容量値の増減を、該ゲートと入力整合回路と
の間に並列に挿入したMOS容量の容量値の変化で相殺
する。
【0020】例えば電界効果型トランジスタをソース接
地で用いた場合、入力電力が大きくなると電界効果型ト
ランジスタの利得を減少させるために利得制御電圧を下
げるが、その際ゲート・ソース間容量が小さくなる。そ
こで、ゲートと入力整合回路との間に、金属側が正バイ
アスとなるように、また半導体基板側がゲートに接続さ
れるようにMOS容量を並列に挿入すると、利得制御電
圧の低下に伴って半導体基板側の電位が低下してMOS
容量の容量値が増加するので、インピーダンスの増減を
相殺することによって入力整合回路から電界効果型トラ
ンジスタ側を見た入力インピーダンスを一定にすること
ができる。入力電力が小さくなるときには上記と逆の動
作となり、同様に入力整合回路から電界効果型トランジ
スタ側を見た入力インピーダンスを一定にすることがで
きる。
【0021】このように、利得制御電圧の大きさに応じ
て容量が変化する電界効果型トランジスタのような高周
波増幅回路に対しては、MOS容量という簡単な構成の
素子を用いるだけで入力インピーダンスの変化を相殺す
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の高周波
利得可変増幅器における実施の一形態について図1およ
び図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0023】図1に、本実施の形態の高周波利得可変増
幅器31の構成を示す。高周波利得可変増幅器31は、
入力端子1、入力整合回路2、可変容量3、高周波増幅
回路4、出力整合回路5、出力端子6、および利得制御
端子7から構成される。入力整合回路2と高周波増幅回
路4との間に可変容量3が設けられていることが本実施
の形態の特徴であって、入力端子1から入力された高周
波信号の電力の大きさによって、高周波増幅回路4の利
得を制御するために利得制御端子7に印加される利得制
御電圧の変化に伴う高周波増幅回路4の入力インピーダ
ンスの変化を相殺するようになっている。高周波増幅回
路4で増幅された高周波信号は出力整合回路5を経て出
力端子6から出力される。
【0024】図1の高周波利得可変増幅器31の構成を
具体的に回路図で示したのが図2の高周波利得可変増幅
器32である。入力整合回路2は、入力端子1からの信
号ライン上に設けられた容量8aと、容量8aの後段側
から信号ラインと並列に設けられたインダクタ9と、イ
ンダクタ9と直列に設けられるとともに一端が接地され
た容量12aとからなる。入力整合回路2は、これら容
量8a・12aおよびインダクタ9の合成インピーダン
スにより、入力端子1の前段の回路と例えば50Ωでイ
ンピーダンス整合をとるようになっている。
【0025】インピーダンス調整素子としての可変容量
3は金属/酸化膜/半導体基板接合を用いた容量素子で
あるN型のMOS(Metal Oxide Semiconductor )容量
10からなり、入力整合回路2と後述するMOSFET
11のゲートとの間に、金属が入力整合回路2側に、ま
た半導体基板側が該ゲート側に接続されるようにして直
列に挿入されている。上記金属には入力整合回路2のイ
ンダクタ9と容量12aとの接続点に設けられた電圧印
加端子18から正のバイアスが印加されるようになって
いる。
【0026】高周波増幅回路4はNチャンネル型のMO
SFET(電界効果型トランジスタ)11からなり、ゲ
ートがMOS容量10に接続されるとともに、ソースは
接地され、ドレインは出力整合回路5に接続されてい
る。出力整合回路5は、MOSFET11のドレインか
ら出力端子6に至る信号ライン上に設けられた容量16
と、容量16の前段側から信号ラインと並列に設けられ
たインダクタ14と、インダクタ14と直列に設けられ
るとともに一端が接地された容量12cとからなる。出
力整合回路5は、これら容量16・12cおよびインダ
クタ14の合成インピーダンスにより、出力端子6の後
段の回路と例えば50Ωでインピーダンス整合をとるよ
うになっている。また、インダクタ14と容量12cと
の接続点にはドレインバイアス端子13が設けられ、M
OSFET11のドレインに正のバイアスを印加するよ
うになっている。
【0027】利得制御端子7は、バイアス印加用の抵抗
17を介してMOSFET11のゲートに接続されてお
り、さらに抵抗17の利得制御端子7側には、該ゲート
を高周波的に接地するために一端が接地された容量12
bが接続されている。なお、抵抗17は、入力整合回路
2からMOSFET11側を見たときのインピーダンス
が変化しないように非常に大きな値に設定されている。
【0028】上記の構成の高周波利得可変増幅器32に
おいて、入力端子1への入力電力が大きくなると、MO
SFET11の利得を減少させるために利得制御端子7
に印加する利得制御電圧を低下させる。その際、MOS
FET11のゲート・ソース間容量が小さくなるので、
MOSFET11の入力インピーダンスが変化する。こ
こで、MOSFET11のゲートと入力整合回路2との
間に直列にMOS容量10が挿入されており、MOS容
量10の金属が電圧印加端子18から正バイアスを印加
されていることから、利得制御電圧が低下した場合にM
OS容量10の半導体基板側の電位が低下して容量値が
増加する。
【0029】従って、MOS容量10のサイズを適切に
選んでおけば、MOSFET11のゲート・ソース間容
量の減少分をMOS容量10の容量値の増加分で相殺す
ることができる。これにより、入力整合回路2からMO
SFET11側を見たときのインピーダンスは一定に保
たれ、すなわち高周波利得可変増幅器32の入力端子1
から内部を見たときのインピーダンス(入力インピーダ
ンス)が一定に保たれることになる。
【0030】一方、入力端子1への入力電力が小さくな
ると、MOSFET11の利得を増加させるために利得
制御端子7に印加する利得制御電圧を上昇させる。その
際、MOSFET11のゲート・ソース間容量が大きく
なるので、MOSFET11の入力インピーダンスが変
化する。この場合、利得制御電圧の上昇に伴ってMOS
容量10の半導体基板側の電位が上昇するので、MOS
容量10の容量値が減少する。
【0031】従って、MOS容量10のサイズを適切に
選んでおけば、MOSFET11のゲート・ソース間容
量の増加分をMOS容量10の容量値の減少分で相殺す
ることができる。これにより、入力電力が大きくなる場
合と同様に、高周波利得可変増幅器32の入力端子1か
ら内部を見たときのインピーダンス(入力インピーダン
ス)は一定に保たれることになる。
【0032】以上のように、利得制御電圧の変化によっ
てMOSFET11の入力インピーダンスが変化して
も、MOS容量10という簡単な構成の素子を用いるこ
とでその変化分を相殺することができるため、高周波利
得可変増幅器32の入力インピーダンスを利得制御電圧
によらず容易に一定とすることができる。また、従来の
ようにインピーダンス調整の手間を省くために、高周波
増幅回路において一律の利得で増幅してから減衰度ごと
に信号ラインを選択するような方法をとる必要がないの
で、増幅時の線形性および利得変化の連続性を犠牲にし
なくてもすむ。以上により、入力電力の大小に応じて利
得制御を行ったとしても、入力インピーダンスを変化さ
せることなく、線形性を保ったまま連続的な利得変化を
得ることができる。
【0033】〔実施の形態2〕本発明の高周波利得可変
増幅器における他の実施の形態について図3を用いて説
明すれば、以下の通りである。なお、前記実施の形態1
で述べた構成要素と同一の機能を有する構成要素につい
ては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0034】図3に、本実施の形態の高周波利得可変増
幅器33の構成を示す。これは、実施の形態1と同様
に、図1に示す構成の高周波利得可変増幅器31を具体
的に示すものである。入力整合回路2は、入力端子1か
らの信号ライン上に設けられた容量8aおよびインダク
タ9と、容量8aとインダクタ9との接続点から信号ラ
インと並列に設けられ一端が接地された容量19とから
なる。入力整合回路2は、これら容量8a・19および
インダクタ9の合成インピーダンスにより、入力端子1
の前段の回路と例えば50Ωでインピーダンス整合をと
るようになっている。
【0035】可変容量3は実施の形態1と同一のMOS
容量10からなり、入力整合回路2とMOSFET11
のゲートとの接続点に半導体基板側が接続されるように
信号ラインに並列に挿入されている。そして、MOS容
量10の金属側は一端が接地された容量12bに接続さ
れており、その接続点に設けられた電圧印加端子18か
ら正のバイアスが印加されるようになっている。高周波
増幅回路4は実施の形態1と同様にMOSFET11か
らなり、出力整合回路5も実施の形態1と同様に容量1
6・12cおよびインダクタ14からなる。また、利得
制御端子7は、入力整合回路2とMOSFET11のゲ
ートとの接続点に抵抗17を介して設けられている。
【0036】上記の構成の高周波利得可変増幅器33に
おいて、入力端子1への入力電力が大きくなると、MO
SFET11の利得を減少させるために利得制御端子7
に印加する利得制御電圧を低下させる。その際、MOS
FET11のゲート・ソース間容量が小さくなるので、
MOSFET11の入力インピーダンスが変化する。こ
こで、MOSFET11のゲートと入力整合回路2との
間に並列にMOS容量10が挿入されており、MOS容
量10の金属が電圧印加端子18から正バイアスを印加
されていることから、利得制御電圧が低下した場合にM
OS容量10の半導体基板側の電位が低下して容量値が
増加する。
【0037】従って、MOS容量10のサイズを適切に
選んでおけば、MOSFET11のゲート・ソース間容
量の減少分をMOS容量10の容量値の増加分で相殺す
ることができる。これにより、入力整合回路2からMO
SFET11側を見たときのインピーダンスは一定に保
たれ、すなわち高周波利得可変増幅器33の入力端子1
から内部を見たときのインピーダンス(入力インピーダ
ンス)が一定に保たれることになる。
【0038】一方、入力端子1への入力電力が小さくな
ると、MOSFET11の利得を増加させるために利得
制御端子7に印加する利得制御電圧を上昇させる。その
際、MOSFET11のゲート・ソース間容量が大きく
なるので、MOSFET11の入力インピーダンスが変
化する。この場合、利得制御電圧の上昇に伴ってMOS
容量10の半導体基板側の電位が上昇するので、MOS
容量10の容量値が減少する。
【0039】従って、MOS容量10のサイズを適切に
選んでおけば、MOSFET11のゲート・ソース間容
量の増加分をMOS容量10の容量値の減少分で相殺す
ることができる。これにより、入力電力が大きくなる場
合と同様に、高周波利得可変増幅器33の入力端子1か
ら内部を見たときのインピーダンス(入力インピーダン
ス)は一定に保たれることになる。
【0040】以上のように、利得制御電圧の変化によっ
てMOSFET11の入力インピーダンスが変化して
も、MOS容量10という簡単な構成の素子を用いるこ
とでその変化分を相殺することができるため、高周波利
得可変増幅器33の入力インピーダンスを利得制御電圧
によらず容易に一定とすることができる。また、従来の
ようにインピーダンス調整の手間を省くために、高周波
増幅回路において一律の利得で増幅してから減衰度ごと
に信号ラインを選択するような方法をとる必要がないの
で、増幅時の線形性および利得変化の連続性を犠牲にし
なくてもすむ。以上により、入力電力の大小に応じて利
得制御を行ったとしても、入力インピーダンスを変化さ
せることなく、線形性を保ったまま連続的な利得変化を
得ることができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1に係る発明の高周波利得可変増
幅器は、以上のように、高周波増幅回路と入力整合回路
との間に、高周波増幅回路の利得を制御する利得制御電
圧の大きさに応じて高周波増幅回路の入力インピーダン
スの増減を相殺するインピーダンス調整素子が設けられ
ている構成である。
【0042】それゆえ、高周波増幅回路の利得制御電圧
が変化して高周波増幅回路の入力インピーダンスが増減
したとしても、その増減分をインピーダンス調整素子の
インピーダンスを変化させることにより相殺する。これ
により、高周波利得可変増幅器の入力インピーダンスは
一定に保たれる。また、高周波増幅回路において一律の
利得で増幅してから減衰度ごとに信号ラインを選択する
ような方法をとる必要がないので、増幅時の線形性およ
び利得変化の連続性を犠牲にしなくてもすむ。
【0043】以上により、入力電力の大小に応じて利得
制御を行ったとしても、入力インピーダンスを変化させ
ることなく、線形性を保ったまま連続的な利得変化を得
ることができるという効果を奏する。
【0044】請求項2に係る発明の高周波利得可変増幅
器は、以上のように、請求項1に記載の高周波利得可変
増幅器において、高周波増幅回路は電界効果型トランジ
スタであり、インピーダンス調整素子は、電界効果型ト
ランジスタのゲートと入力整合回路との間の信号ライン
に直列に挿入され、電界効果型トランジスタのゲートに
印加される利得制御電圧の大きさに応じて容量値が変化
して電界効果型トランジスタの容量値の増減を相殺する
MOS容量である構成である。
【0045】それゆえ、電界効果型トランジスタのゲー
トに印加される利得制御電圧が変化することによりゲー
ト・ソース間などにおいて容量値が増減しても、該ゲー
トと入力整合回路との間に直列に挿入したMOS容量の
容量値の変化で相殺する。電界効果型トランジスタをソ
ース接地で用いた場合、ゲート・ソース間容量が小さく
(大きく)なるような低い(高い)利得制御電圧が印加
されても、金属側に正バイアスを印加し、半導体基板側
がゲートに接続されるようにMOS容量を直列に挿入し
ておけばMOS容量の容量値が増加(減少)するので、
インピーダンスの増減を相殺することができる。
【0046】このように、利得制御電圧の大きさに応じ
て容量が変化する電界効果型トランジスタのような高周
波増幅回路に対しては、MOS容量という簡単な構成の
素子を用いるだけで入力インピーダンスの変化を相殺す
ることができるという効果を奏する。
【0047】請求項3に係る発明の高周波利得可変増幅
器は、以上のように、請求項1に記載の高周波利得可変
増幅器において、高周波増幅回路は電界効果型トランジ
スタであり、インピーダンス調整素子は、電界効果型ト
ランジスタのゲートと入力整合回路との間の信号ライン
に並列に挿入され、電界効果型トランジスタのゲートに
印加される利得制御電圧の大きさに応じて容量値が変化
して電界効果型トランジスタの容量値の増減を相殺する
MOS容量である構成である。
【0048】それゆえ、電界効果型トランジスタのゲー
トに印加される利得制御電圧が変化することによりゲー
ト・ソース間などにおいて容量値が増減しても、該ゲー
トと入力整合回路との間に並列に挿入したMOS容量の
容量値の変化で相殺する。電界効果型トランジスタをソ
ース接地で用いた場合、ゲート・ソース間容量が小さく
(大きく)なるような低い(高い)利得制御電圧が印加
されても、金属側に正バイアスを印加し、半導体基板側
がゲートに接続されるようにMOS容量を並列に挿入し
ておけばMOS容量の容量値が増加(減少)するので、
インピーダンスの増減を相殺することができる。
【0049】このように、利得制御電圧の大きさに応じ
て容量が変化する電界効果型トランジスタのような高周
波増幅回路に対しては、MOS容量という簡単な構成の
素子を用いるだけで入力インピーダンスの変化を相殺す
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における高周波利得可変
増幅器の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の高周波利得可変増幅器の具体的な一構成
例を示す回路図である。
【図3】本発明の他の実施の形態において、図1の高周
波利得可変増幅器の具体的な他の構成例を示す回路図で
ある。
【図4】従来の高周波利得可変増幅器の構成を示す回路
図である。
【図5】従来の他の高周波利得可変増幅器の構成を示す
回路図である。
【符号の説明】
2 入力整合回路 3 可変容量(インピーダンス調整素子) 4 高周波増幅回路 5 出力整合回路 7 利得制御端子 10 MOS容量(インピーダンス調整素子) 11 MOSFET(高周波増幅回路) 31 高周波利得可変増幅器 32 高周波利得可変増幅器 33 高周波利得可変増幅器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波入力信号の大小に応じて利得が制御
    される高周波増幅回路と、上記高周波増幅回路よりも前
    段に設けられ入力インピーダンスを所定値にする入力整
    合回路とを有する高周波利得可変増幅器において、 上記高周波増幅回路と上記入力整合回路との間に、上記
    高周波増幅回路の利得を制御する利得制御電圧の大きさ
    に応じて上記高周波増幅回路の入力インピーダンスの増
    減を相殺するインピーダンス調整素子が設けられている
    ことを特徴とする高周波利得可変増幅器。
  2. 【請求項2】上記高周波増幅回路は電界効果型トランジ
    スタであり、上記インピーダンス調整素子は、上記電界
    効果型トランジスタのゲートと上記入力整合回路との間
    の信号ラインに直列に挿入され、上記電界効果型トラン
    ジスタのゲートに印加される上記利得制御電圧の大きさ
    に応じて容量値が変化して上記電界効果型トランジスタ
    の容量値の増減を相殺するMOS容量であることを特徴
    とする請求項1に記載の高周波利得可変増幅器。
  3. 【請求項3】上記高周波増幅回路は電界効果型トランジ
    スタであり、上記インピーダンス調整素子は、上記電界
    効果型トランジスタのゲートと上記入力整合回路との間
    の信号ラインに並列に挿入され、上記電界効果型トラン
    ジスタのゲートに印加される上記利得制御電圧の大きさ
    に応じて容量値が変化して上記電界効果型トランジスタ
    の容量値の増減を相殺するMOS容量であることを特徴
    とする請求項1に記載の高周波利得可変増幅器。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002217660A (ja) * 2001-01-17 2002-08-02 Hitachi Kokusai Electric Inc 可変利得増幅回路
KR20030096861A (ko) * 2002-06-18 2003-12-31 엘지전자 주식회사 전압제어를 통한 주파수 변경 가능한 고주파 증폭기
JPWO2007043122A1 (ja) * 2005-09-30 2009-04-16 富士通株式会社 可変利得増幅器及びその制御方法
US7816990B2 (en) 2003-03-17 2010-10-19 Panasonic Corporation Variable gain amplification circuit
CN114094953A (zh) * 2021-11-03 2022-02-25 深圳飞骧科技股份有限公司 功率放大器和射频芯片

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