JP3776486B2 - 立体紙片入り封書 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は封筒を開封することにより立体紙片を取出すことができる立体紙片を一体に形成した封書に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、立体紙片が封書に一体的に形成されたものは知られておらず、立体紙片入り封書を作製する場合には、立体紙片を別工程にて作製しておき、その立体紙片を封筒に封入することにより作製する以外に方法はなかつた。しかしながら、立体紙片を別の工程にて作製する場合には工程が増えるためにコスト高になる上に、立体紙片に個人情報等をデータ出力プリントする場合には、封筒の表面に送付先の住所等をデータ出力プリントする工程とは別に、データ出力プリントする工程が必要になると共に、送付先の住所等がプリントされた封筒と個人情報等がプリントされた立体紙片とを個人別に照合する必要があるので、丁合に手間が掛かると共に、丁合ミスの発生するおそれがあるという欠点があつた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、封書の3辺を切取り開封することにより立体紙片を取出すことができると共に、1回のデータ出力により必要な個人情報等を全てプリントすることができる、一体化された立体紙片入り封書を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本願請求項1の発明は、折目線(7a)を介して連接する封筒裏紙片(1)と封筒表紙片(2)とからなる紙片を前記折目線(7a)から折り曲げ対向させてなる封筒を構成する前記紙片の対向する3辺には切取ミシン目(8)が設けられ、少なくとも前記紙片の両側端には前記切取ミシン目(8)に延設する封筒糊代(6)が設けられ、前記切取りミシン目(8)を切取り開封するようにした封筒により構成される封書において、
封筒を構成する前記紙片の内、切取りミシン目のない辺の一つに対して、
底面糊代片(5a)と立体前面片(3)と立体上面片(4)と側面糊代片(5b)とが順に折目線(7b、7c、7d、7e)を介して連接されてなる立体紙片の内の底面糊代片(5a)を連接させ、
封筒を構成する前記紙片の間に前記立体紙片を折り曲げ、
さらに前記底面糊代片(5a)と前記側面糊代片(5b)のそれぞれを、封筒を構成する前記紙片に接着させることにより、封筒と立体紙片とが一体に形成されるようにしたことを特徴とする立体紙片入り封書である。
【0005】
本願請求項2の発明は、前記請求項1の発明において、前記封筒裏紙片、前記封筒表紙片、前記底面糊代片、前記立体前面片、前記立体上面片、前記側面糊代片の両側端に切取ミシン目を介して封筒糊代を延設したことを特徴とするものである。
【0006】
本願請求項3の発明は、前記請求項1または2何れかの発明において、前記立体上面片ないしは前記立体上面片と前記側面糊代片に切込を形成することにより、前記立体前面片の上端に突出片が形成されることを特徴とするものである。
【0007】
本願請求項4の発明は、前記請求項1〜3何れかの発明において、前記立体前面片の上部ないしは突出片に粘着剤層を設けたことを特徴とするものである。これにより、突出片にカード等を貼付けることができる。
【0008】
本願請求項5の発明は、前記請求項1〜3何れかの発明において、前記立体前面片の上部ないしは突出片に擦り取り可能な隠蔽層を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の立体紙片入り封書の実施例を示す図、図2は立体紙片入り封書を展開した状態の平面図、図3は立体紙片入り封書の他の実施例を示す展開した状態の平面図、図4は立体紙片入り封書を開封して組み立てた状態を示す図、図5は封書を開封して組み立てた状態の他の例を示す斜視図、図6は本発明の立体紙片入り封書を作製するための連続帳票を示す図で、1は封筒裏紙片、2は封筒表紙片、3は立体前面片、4は立体上面片、5aは底面糊代片、5bは側面糊代片、6a, 6bは封筒糊代、7a, 7b, 7c, 7d,7eは折目線、8a, 8bは切取ミシン目、9は切込、10は突出片、11a, 11bはカツト線をそれぞれ表す。
【0010】
本発明の立体紙片入り封書の実施例は図1に示すとおり、封筒裏紙片1と封筒表紙片2と底面糊代片5aと立体前面片3と立体上面片4と側面糊代片5bとが連接されると共に、封筒裏紙片1と封筒表紙片2の両側端に切取ミシン目8aを介して封筒糊代6aが延設された、図2に示す形状の帳票を、折目線7dと折目線7bと折目線7aにて順次裏面側に巻くように折り曲げて、底面糊代片5a及び側面糊代片5bにて対向する紙片と接着すると共に、封筒糊代6bにて封筒裏紙片1と封筒表紙片2の両側端を接着して封書とし、封書の両側端に沿つて切取ミシン目8aが、また封書の下端に沿つて切取ミシン目8bがそれぞれ形成された、図1(イ)に示す構成からなる。
【0011】
断面構成は図1(ロ)、(ハ)に示すように、側面糊代片5bは封筒表紙片2の折目線7b側の端縁に沿つて接着され、底面糊代片5aは封筒裏紙片1の折目線7aと対向する端縁に沿つて接着されている。立体上面片4と側面糊代片5bの左右方向の中央部に切込9が設けられているので、折目線7dにて立体前面片3と立体上面片4とを折り曲げることにより、立体前面片3の上端に突出片10が形成された形状である。
【0012】
本発明の立体紙片入り封書を展開した状態は図2に示すとおり、封筒裏紙片1と封筒表紙片2と底面糊代片5aと立体前面片3と立体上面片4と側面糊代片5bとがそれぞれミシン目からなる折目線7a,7b,7c,7d,7eを介して連接された形状からなり、封筒裏紙片1と封筒表紙片2との両側端には切取ミシン目8aが設けられ、切取ミシン目8aより外側が封筒糊代6bとされると共に、折目線7aの両側には切取ミシン目8bが設けられており、立体上面片4と側面糊代片5bには突出片10を形成するための切込9が設けられている。上記展開した状態で表面となる、封筒表紙片2の表面には送付先の住所、氏名が、また立体前面片3の表面には送付する各個人宛のメツセージがデータ出力によりプリントされている。送付先の住所、氏名及び各個人宛のメツセージが同一面にプリントされるので、片面への1回のデータ出力プリントにより全ての個人情報を印字することができる。
【0013】
図2に示す帳票を、立体上面片4と側面糊代片5bとを折目線7dにて立体前面片3と底面糊代片5aとの裏面に重なるように折り重ね、次いで、折目線7bにて立体前面片3と底面糊代片5aとを封筒表紙片2の裏面に重なるように折り重ね、更に折目線7aにて封筒裏紙片1を封筒表紙片2の裏面に重なるように折り重ねて、底面糊代片5aと側面糊代片5bにてそれぞれ対向する紙片面と接着すると共に、両側端の封筒糊代6bにて封筒裏紙片1と封筒表紙片2の両端縁を接着することにより図1(イ)に示す立体紙片入り封書が得られる。上記構成の場合には封筒糊代6bが封筒裏紙片1と封筒表紙片2の両側端のみに設けられており、封書の開封に際して切取ミシン目8aにて封筒裏紙片1と封筒表紙片2の2枚の紙片のみを切り取ることになるので封書の開封が容易である。
【0014】
本発明の立体紙片入り封書の他の実施例の展開した状態は図3に示すとおりであり、基本的には図2に示す形状と同じであるが、封筒裏紙片1と封筒表紙片2と底面糊代片5aと立体前面片3と立体上面片4と側面糊代片5bとの両側端にそれぞれ切取ミシン目8aを介して封筒糊代6aが設けられた形状である。図3に示す状態から折目線7d,7b,7aにて順に内側に折り曲げて、封筒糊代6aにて封筒裏紙片1と封筒表紙片2と底面糊代片5aと立体前面片3と立体上面片4と側面糊代片5bとの両側端を接着して封書が形成する。完成した立体紙片入り封書は図1に示すものと同一であるが、封書の開封に際しては封書の両側端の切取ミシン目8aにて、4枚重ねの状態で紙片を切り取ることになるが、封書の製造工程を簡略化できるメリツトがある。
【0015】
図1に示す立体紙片入り封書を切取ミシン目8a,8b にて封書の3辺を切取り、封筒表紙片2を持ち上げて封筒裏紙片1と直交する位置まで広げて、折目線7cにて立体前面片3を垂直に折り曲げると共に折目線7eにて立体上面片4を水平に折り曲げることにより、図4に示すような組み立てられた立体紙片が得られる。立体紙片を組み立てることにより、立体上面片4と側面糊代片5bに設けられた切込9により突出片10が形成され、立体前面片3の上端に突出片10が延設された形状となる。突出片10に各種の印刷や表示を施こしたり、突出片10に粘着剤を塗布しておき写真やカード等を剥離可能に貼着して添付することができるので、視覚的に優れた効果が得られる上に、立体前面片3に個人宛のメツセージが印字されていることで顧客に近親感を与えることができる。上記実施例は、ゴルフ用品店における販促キヤンペーン用にイメージしたものであり、突出部10にゴルフボールの絵が表示されている。
【0016】
本発明の立体紙片入り封書の利用方法としては、例えば図5に示すような用途が考えられる。図5(イ)は電器量販店等における販売促進キヤンペーンDMをイメージしたものであり、突出片10に新製品の写真を立体的に表示して視覚的な効果を狙つたものである。突出片10を含む領域に商品の写真を表示することにより、封書を開封して立体紙片を組み立てることにより、商品の写真がポツプアツプしてくるので視覚的な効果が大である。図5(ロ)は流通、ガソリンスタンド、通信販売、外食産業、量販店等におけるポイント満期報告での利用をイメージしたものである。隠蔽層をコイン等で擦り取ることによりその下に印刷された得点を視認できる、いわゆるスクラツチ印刷12を突出片10に設けたものである。図5(ハ)は損害保険会社におけるオートダイヤルカード、フリーダイヤルカードや、通信販売、ガソリンスタンド、電器量販店等における会員カードを送付するのに使用したものである。立体前面片3の一部ないしは突出片10に再剥離可能な粘着剤を塗布しておき剥離可能にカード13を貼着したものである。
【0017】
本発明の展開した状態が図3に示すような立体紙片入り封書の製造は下記の方法で行うことができる。用紙としてはロール紙を使用して、オフセツト印刷により固定事項の印刷を行うと共にロール紙の両側端に送り孔を穿設してロール状に巻き取る。次いで、送り孔が形成され固定事項が印刷されたロール紙をレーザプリンタ等にかけて、データ出力により送付先住所、氏名、個人宛メツセージ等の個人情報を連続でプリントしてロール状に巻き取る。上記個人情報等のデータ出力プリントは片方の紙面への1回のプリントにより全て行うことができるのできわめて効率的である。データ出力プリントが完了したロール紙を、HUNKELER社製の加工機(HUNKELER Web Finishing System)にかけて、ダイカツトによる切込9、用紙の流れ方向のミシン目からなる折目線7a, 7b, 7c, 7d,7e及び切取ミシン目8a、用紙の流れ方向に直交する切取ミシン目8bをそれぞれ形成して、図6に示す連続帳票の状態とする。その際に必要により、スクラツチ印刷層の形成、粘着剤の塗布、カードの貼付け等の加工をインラインで施す。その後、底面糊代片5a、側面糊代片5b、封筒糊代6a,6b に接着剤を塗布してから、両側端の送り孔部をカツト線11a にてカツトして除去し、次いで、カツト線11b にて個々の帳票に切り離し、折目線7d,7b,7a, にて順に内側に巻くようにして折り曲げ、底面糊代片5a、側面糊代片5b、封筒糊代6a,6b にて接着することにより封書が完成する。
【0018】
本発明の展開した状態が図2に示すような立体紙片入り封書を製造する場合にて、固定事項が印刷され送り孔が穿設され固定事項が印刷され個人情報等のデータ出力プリントが完了したロール紙を、HUNKELER社製の加工機を使用して、ダイカツトにより切込9を形成する際に、図6に示す連続帳票の状態における底面糊代片5aと立体前面片3と立体上面片4と側面糊代片5bとの両側端の隣接する2本の切取ミシン目8a間の封筒糊代の部分を切欠いて除去する。その後の加工は上記と同様にして行うことで立体紙片入り封書を作製することができる。
【0019】
【発明の効果】
ロール紙を使用して、オフセツト印刷により固定事項の印刷を行うと共にロール紙の両側端に送り孔を穿設し、次いで、ロール紙の一方の面にレーザプリンタ等にて送付先住所、氏名、個人宛メツセージ等の個人情報を連続でプリントした後に、折目線、切取ミシン目、切込等を形成して連続帳票を作製した後に、所定位置にて個々の帳票にカツトして、封筒裏紙片と封筒表紙片と底面糊代片と立体前面片と立体上面片と側面糊代片とがそれぞれ折目線を介して連接され且つ両端縁に切取ミシン目を介して封筒糊代を備えた形状の帳票とし、次いで、糊代部に接着剤を塗布してから、立体前面片と立体上面片間の折目線、封筒表紙片と底面糊代片間の折目線、封筒裏紙片と封筒表紙片間の折目線にて順次巻くようにして裏面側に折り曲げて接着することにより製造される、両側端と下端の3辺に切取ミシン目が形成された立体カード入り封書であり、切取ミシン目にて開封することにより、突出片を備えた立体紙片を取り出すことができる。立体前面片および突出片に表示された絵柄ないしは貼着された写真、カード等がポツプアツプして視覚的な効果がきわめて優れたものである。したがつて、電器量販店等における販売促進キヤンペーン用DMとして、ガソリンスタンド、通信販売、外食産業、量販店等におけるポイント満期報告用に、損害保険会社におけるオートダイヤルカード、フリーダイヤルカードや、通信販売、ガソリンスタンド、電器量販店等における会員カードを送付する用途等に効果的に利用できる。また、1回のデータ出力プリントにより、連続帳票の状態で必要な個人情報の全てを一纏めにしてプリントすることができるのでプリント工程が合理化できると共に、封筒と立体紙片を別々に作製する場合と比較して個人別に照合、丁合する手間がなくなるので安価な立体カード入り封書が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体紙片入り封書の実施例を示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)におけるI−I断面図、(ハ)は(イ)におけるII−II断面図である。
【図2】図1に示す立体紙片入り封書を展開した状態の平面図である。
【図3】本発明の立体紙片入り封書の他の実施例を示す展開した状態の平面図。
【図4】本発明の立体紙片入り封書を開封して組み立てた状態を示すもので、(イ)は斜視図、(ロ)は側面図である。
【図5】封書を開封して組み立てた状態の他の例を示す斜視図である。
【図6】本発明の立体紙片入り封書を作製するための連続帳票の平面図である。
【符号の説明】
1 封筒裏紙片
2 封筒表紙片
3 立体前面片
4 立体上面片
5a 底面糊代片
5b 側面糊代片
6a, 6b 封筒糊代
7a, 7b, 7c, 7d,7e 折目線
8a, 8b 切取ミシン目
9 切込
10 突出片
11a, 11b カツト線
Claims (5)
- 折目線を介して連接する封筒裏紙片と封筒表紙片とからなる紙片を前記折目線から折り曲げ対向させてなる封筒を構成する前記紙片の対向する3辺には切取ミシン目が設けられ、少なくとも前記紙片の両側端には前記切取ミシン目に延設する封筒糊代が設けられ、前記切取りミシン目を切取り開封するようにした封筒により構成される封書において、
封筒を構成する前記紙片の内、切取りミシン目のない辺の一つに対して、
底面糊代片と立体前面片と立体上面片と側面糊代片とが順に折目線を介して連接されてなる立体紙片の内の底面糊代片を連接させ、
封筒を構成する前記紙片の間に前記立体紙片を折り曲げ、
さらに前記底面糊代片と前記側面糊代片のそれぞれを、封筒を構成する前記紙片に接着させることにより、封筒と立体紙片とが一体に形成されるようにしたことを特徴とする立体紙片入り封書。 - 前記封筒裏紙片、前記封筒表紙片、前記底面糊代片、前記立体前面片、前記立体上面片、前記側面糊代片の両側端に切取ミシン目を介して封筒糊代を延設したことを特徴とする請求項1記載の立体紙片入り封書。
- 前記立体上面片ないしは前記立体上面片と前記側面糊代片に切込を形成することにより、前記立体前面片の上端に突出片が形成されることを特徴とする請求項1または2何れか記載の立体紙片入り封書。
- 前記立体前面片の上部ないしは突出片に粘着剤層を設けたことを特徴とする請求項1〜3何れか記載の立体紙片入り封書。
- 前記立体前面片の上部ないしは突出片に擦り取り可能な隠蔽層を設けたことを特徴とする請求項1〜3何れか記載の立体紙片入り封書。
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