JP3776394B2 - 用紙搬送装置及び画像記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は用紙搬送装置及び画像記録装置に関し、特に用紙を搬送するための帯電ベルトを備えた用紙搬送装置及び画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特許第2897960号公報
【特許文献2】
特開平7−53081号公報
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として、例えばインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、インク記録ヘッドから記録紙等の被記録媒体にインクを吐出して記録を行うものであり、高精細な画像を高速で記録することができ、ランニングコストが安く、騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
【0004】
特に、記録紙の記録幅方向の全幅に沿って多数の吐出口が配列されたインク記録ヘッドを使用したフルライン型インクジェット記録装置では、シリアル型インクジェット記録装置に比べて格段の記録の高速化が可能である。このようなフルライン型インクジェット記録装置では、高速記録の点から、記録紙の搬送方向に複数個配置されたインク記録ヘッドの直下を記録紙を一定速度で搬送し、インク滴を吐出し記録を行う。
【0005】
この場合、【特許文献1】や【特許文献2】に記載されているように、記録紙の平面性を維持するために、無端状の帯電ベルトを備え、帯電ベルト表面を帯電して記録紙を静電吸着させ、この状態で帯電ベルトを周回させることで記録紙を搬送することにより、記録紙の帯電ベルトからの浮き上がりを防止して、高い平面性を維持できるようにした用紙搬送装置を備えた画像記録装置や印刷装置が知られている。
【0006】
ここで、【特許文献1】には帯電ベルトの表面に電圧印加手段を接触させし、帯電ベルト表面に交番する電荷パターンを、例えば、帯状に形成する用紙搬送装置や画像記録装置が開示されている。また、【特許文献2】には帯電ベルトに常に安定した電位を得るために、除電ブラシで帯電ベルト上の電位を除電するようにした印刷装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、【特許文献1】に記載の用紙搬送装置や画像記録装置にあっては、帯電ベルト表面にプラス、マイナスの電荷パターンを帯状に形成する方法が開示されているが、記録紙分離後の帯電ベルト上には残留電荷が生じるため、後述するようにこの残留電荷を有する帯電ベルトへの帯電が繰り返されることになり、帯電ベルトの劣化が早くなるという課題がある。
【0008】
また、【特許文献2】に記載の印刷装置にあっては、常に安定した電位を得るために除電ブラシで帯電ベルト上の電位を除電しているが、除電ブラシによる除電では帯電ベルト上の電荷は完全に除去されない。そのため、初期の帯電電圧±Vに対して±Vsの帯状の残留電圧が帯電ベルト表面に残る結果となる。この状態で新たに帯電電圧±Vの帯電が行われることとなるが、帯状の残留電圧±Vsと、新規な帯電電圧±Vの位置関係に何ら考慮がなされていないため、絶対値で|Vs+V|の電圧が印加されることとなる。
【0009】
このように所定の帯電電圧以上の電圧印加が繰り返し行われることによって帯電ベルトの劣化が早まり、また、特に帯電ベルト上にゴミ等があった場合には、局部的な放電の原因となり、信頼性を著しく損ねる結果となる。
【0010】
また、記録紙を保持する吸着力から帯電電圧を決定するが、この吸着力は湿度、温度の環境条件や記録紙種類に大きく依存することが分かっている。そのため、単に一定の帯電電圧で記録紙を搬送した場合には、記録紙種類や環境条件変化で吸着力が低下し記録画像のゆがみ等の原因となるため、これら条件を考慮した帯電制御が必要である。
【0011】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、安定した帯電が可能で、信頼性に優れた用紙搬送装置及び画像記録装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る用紙搬送装置は、絶縁層を有する無端状の帯電ベルトを周回自在に配設し、この帯電ベルト表面を交番する帯電電圧パターンで帯電させる帯電手段を備え、帯電ベルトは常に同じ極性の帯電電圧パターンで同じ領域が帯電される構成とした。なお、本明細書において、「用紙」とは画像が記録される媒体、あるいは、画像が記録された媒体を含み、材質が紙に限定されるものではない。
【0013】
本発明に係る用紙搬送装置は、絶縁層を有する無端状の帯電ベルトを周回自在に配設し、この帯電ベルト表面を交番する帯電電圧パターンで帯電させる帯電手段を備え、帯電ベルトの長さをLb、帯電ベルトの周回方向に沿う一方の極の帯電電圧パターンの長さをLp、他方の極の帯電電圧パターンの長さをLmとしたとき、Lb/(Lp+Lm)=N(Nは整数)の関係が成り立つ構成とした。
【0014】
本発明に係る用紙搬送装置は、絶縁層を有する無端状の帯電ベルトを周回自在に配設し、この帯電ベルト表面を交番する帯電電圧パターンで帯電させる帯電手段を備え、帯電ベルトの長さをLb、帯電ベルトの周回方向に沿う一方の極の帯電電圧パターンの長さをLp、他方の極の帯電電圧パターンの長さをLmとしたとき、帯電ベルトの長さ(Lp+Lm)×(N−1)の領域ではLb/(Lp+Lm)=(N−1)の関係が成り立ち、前記帯電ベルトの(Lp+Lm)×(N−1)を越える長さLk(Lk=Lb−(Lp+Lm)×(N−1))の領域では一方の極の帯電電圧パターンの長さをLpn、他方の極の帯電電圧パターンの長さをLmnとしたとき、Lk/(Lpn+Lmn)=2の関係が成り立つ構成とした。
【0015】
これらの各本発明に係る用紙搬送装置において、帯電ベルト表面の帯電情報を検出する帯電検出手段を有し、この帯電検出手段の検出結果に基づいて帯電ベルトに対する帯電を制御することが好ましい。この場合、帯電検出手段は光学センサ又は表面電位計を用いることができる。
【0016】
また、用紙の種別を検出する紙種検出手段を備え、この紙種検出手段の検出結果に基づいて帯電ベルトに対する帯電を制御することが好ましい。さらに、環境温度及び/又は湿度を検出する環境条件検出手段を備え、この環境条件検出手段の検出結果に基づいて帯電ベルトに対する帯電を制御することが好ましい。
【0017】
本発明に係る画像記録装置は、本発明に係る用紙搬送装置をそなえたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。本発明に係る用紙搬送装置を含む画像記録装置の第1実施形態について図1を参照して説明する。なお、同図は同実施形態に係る画像記録装置としてのフルライン型インクジェット記録装置の要部概略構成図である。
【0019】
このフルライン型インクジェット記録装置は、用紙に向けてインクを吐出して印字を行うフルラインヘッド1a〜1dで構成されるフルラインヘッド系、フルラインヘッド1a〜1dのそれぞれに対応し、かつ、上面にフルラインヘッド1a〜1dをキャップをする機能を有するキャップ体2a〜2dで構成される保守回復系、用紙を吸着して搬送する帯電ベルト4及びこの帯電ベルト4を駆動するメインローラ6及び従動ローラ7で構成される用紙搬送系、帯電ベルト4上に用紙8を送り込む給紙ローラ9、10で構成される給紙系、帯電ベルト4を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ11、この帯電ローラ11に対して帯電電圧を印加する高圧回路12及びこの高圧回路12よる電圧の印加を制御する制御回路13等からなる帯電制御系などを備えている。
【0020】
先ず、フルラインヘッド系及び保守回復系について説明する。
フルラインヘッド1a〜1dは、用紙の略幅方向に複数の吐出口を有しており、図示しないヘッド枠体に係合されている。これらのフルラインヘッド1a〜1dは、ヘッド枠体に設けられたラック歯車及びモータにより矢印A方向(用紙面に対して垂直方向)に移動可能としている。また、フルラインヘッド1a〜1dは、帯電ベルト4の用紙搬送方向に沿って順に配列されている。
【0021】
フルラインヘッド1a〜1dに対応するキャップ体2a〜2dは、図示しないキャップ枠体に係合されており、その上面には、フルラインヘッド1a〜1dの下面に形成された吐出口をキャップするためのキャップ部材が設けられている。また、このキャップ枠体は、モータにより矢印B方向(用紙搬送方向と平行な方向)に移動可能に設けている。
【0022】
これにより、フルラインヘッド1a〜1dは記録時には帯電ベルト4上の用紙に近接してインク滴を吐出することで用紙8に記録を行う。また、非記録時にはフルラインヘッド1a〜1dを上昇し、キャップ体2a〜2dをフルラインヘッド1a〜1d直下に移動させた後、更にフルラインヘッド1a〜1dを下降することによりキャッピング状態とし、フルラインヘッド1a〜1dの吐出口からのインク蒸発によるインク粘度増加を防止する。
【0023】
さらに、キャップ体2a〜2dにブレードを配置することにより吐出口をクリーニングしたり、キャッピング状態で予備吐出を行うことにより、正常なインク吐出動作を維持することができる。
【0024】
次に、給紙系及び本発明に係る用紙搬送装置(搬送系)について説明する。
用紙8は給紙ローラ9、10により帯電ベルト4上に給紙される。この帯電ベルト4は、絶縁層を有し、メインローラ6と従動ローラ7との間に掛け渡されており、矢印C方向に周回するように構成している。また、帯電ベルト4の内側には、フルラインヘッド1a〜1dに対応する位置に、用紙8の平面性を保持するためのプラテン(ガイド部材)3を配置している。
【0025】
この帯電ベルト4に接して帯電ローラ11を設け、帯電ローラ11は帯電ベルト4に対して従動する構成としている。帯電ローラ11は導電ゴムを主体としており、高圧回路12によって高圧が印加されることで帯電ベルト4を所定の極性、パターンに帯電させる。制御回路13は、高圧回路12の出力をプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すよう、つまり交番する電圧が出力されるように制御することで、帯電ベルト4を交番する帯電電圧パターンで帯電させる。また、帯電ベルト4に接して残留電圧を除去するための除電ブラシ14を配置している。
【0026】
その結果、図2に示すように、帯電ベルト4上の帯電パターン15は、用紙8の周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した帯電ベルト4上に用紙8が給紙ローラ9、10により給紙されると、用紙8内で帯電パターンと反対の電荷に分極するので、平行接続されたコンデンサが形成されたこととなり、用紙8が帯電ベルト4に吸着され、帯電ベルト4の周回移動によって用紙8が搬送される。
【0027】
そこで、このような帯電ベルトを用いた用紙搬送における帯電ベルトの残留電圧について説明する。
帯電ローラ11で帯電された帯電ベルト4上の電位は時間tと共に初期電位Voより減衰し、その表面電位は帯電ベルト4の体積抵抗をR,比誘電率をε、真空の誘電率をεとした場合、V=Vexp(−t/εεR)となる。
【0028】
用紙8を保持する吸着力や、用紙8を帯電ベルト4から分離するための分離性能から帯電ベルト4の体積抵抗Rや比誘電率εが決定されるが、帯電ベルト4上の電圧は完全には除去できずに残留電圧として残り、再び帯電ローラ11による帯電が行われる。このとき、帯電ローラ11の上流には、常に安定した帯電を行うことを目的として、帯電ベルト4の除電を行うため除電ブラシ14が設けているが、除電ブラシ14による残留電圧の除去は完全には行うことができない。
【0029】
そのため、例えば、帯電ローラ11により±2.3KVの帯電を行った場合、除電ブラシ14による除電後に±300V程度の残留電圧が帯電ベルト4上に残る。ここで、この残留電圧のパターンは帯電ローラ11の帯電電圧パターンと同期がとられない場合、新たに帯電ローラ11により±2.3KVの帯電を行うと、絶対値で最悪2.6KVが帯電ベルト4に印加されることとなる。このような、所期の帯電電圧以上の電圧印加を行うと、帯電ベルト4の劣化を早めたり、特に帯電ベルト4上にゴミ等があった場合には、局部的な放電の原因となり、信頼性を著しく損ねる結果となる。
【0030】
そこで、このインクジェット記録装置においては、帯電電圧パターンの同期が取れるようにして、帯電電圧パターンが常に同一の帯電電圧パターンになるようにしている。
【0031】
まず、本発明による帯電制御の第1例について図3を参照して説明する。同図(a)は高圧回路12から帯電ローラ11に印加する印加電圧を示すものであり、パルス幅Tpのプラス電圧とパルス幅Tmのマイナス電圧を連続して交互に出力して、帯電ベルト4を帯電する。
【0032】
この印加電圧で帯電ベルト4を帯電したときに、帯電ベルト4表面の帯電状態(帯電電圧パターン)は、同図(b)に示すようになる交番する帯電電圧パターンとなる。なお、同図(b)は帯電ベルト4を説明を簡単にするために切断して展開した状態で示している。
【0033】
ここで、帯電ベルト4の長さLbとプラスの帯電幅(帯電幅:周回方向の帯電長さ)Lp及びマイナスの帯電幅Lmとは、Lb/(Lp+Lm)=N(N:整数)の関係、すなわち帯電ベルト4の長さLbをプラスの帯電幅Lpとマイナスの帯電幅Lmの和の整数倍になる関係が成り立つように、帯電ベルトLbの長さ、及び/又はプラスの帯電幅Lp(プラスの電圧のパルス幅Tp)とマイナスの帯電幅Lm(マイナスの電圧のパルス幅Tm)を設定している。同図(b)の例では、Lb/(Lp+Lm)=Nの式において、N=5になる関係に設定した場合を示している。
【0034】
したがって、帯電ベルト4は初期の帯電電圧±Vで帯電され、除電ブラシ14による除電後に、表面に±Vsの帯状の残留電圧がある状態で再度帯電が開始されるが、この帯電電圧パターンと残留電圧のパターンが一致するため、帯電ベルト4に印加される電圧は初期帯電電圧|V|を越えない。
【0035】
これに対して、同図(c)に示すように、帯電ベルト4´の長さLb´がプラスの帯電幅Lpとマイナスの帯電幅Lmの和の整数倍から外れた場合には、例えば帯電ベルト4は初期の帯電電圧+Vと−Vで交互に帯電され、除電ブラシ14による除電後に、表面に±Vsの帯状の残留電圧がある状態で再度帯電が開始されることになり、+Vで帯電された領域に再帯電が−Vで行われると、残留電圧が+Vsであることから、帯電ベルト4´に印加される電圧は絶対値で|V+Vs|なり、帯電ベルト4´には初期帯電電圧|V|を越える電圧が印加される。
【0036】
このように、帯電ベルト4をプラスとマイナスを所定の幅で帯状に交互に帯電させる場合に、帯電ベルト4の長さLbをプラスの帯電幅Lpとマイナスの帯電幅Lmの和の整数(N)倍となる関係が成り立つようにすることで、帯電ベルト4に印加される電圧が絶対値で初期帯電電圧Vを越えないようにすることができ、帯電ベルトの劣化を防止することができ、信頼性が向上する。
【0037】
次に、第2例について図4を参照して説明する。この例は、帯電ベルトの長さと帯電幅の関係がそもそも上記条件を満たさない場合、或いは、初期設定時には上記条件を満たしたが、用紙の安定搬送のために帯電幅Lpとマイナスの帯電幅Lmを変更した場合に、帯電ベルト4の一部の帯電幅を調整するようにした例である。
【0038】
同図(a)は高圧回路12から帯電ローラ11に印加する印加電圧を示すものであり、パルス幅Tpのプラス電圧とパルス幅Tmのマイナス電圧を連続して交互に出力するとともに、所定のタイミングで、パルス幅を切り替えて、パルス幅Tpnのプラス電圧とパルス幅Tmnのマイナス電圧を連続して交互に出力することで、帯電ベルト4を帯電させる。
【0039】
この印加電圧で帯電ベルト4を帯電したときに、帯電ベルト4表面の帯電状態(帯電電圧パターン)は、同図(b)に示すようになる交番する帯電電圧パターンとなる。なお、同図(b)は帯電ベルト4を説明を簡単にするために切断して展開した状態で示している。
【0040】
ここで、帯電ベルト4の長さLbは(Lp+Lm)の整数(N)倍を越える長さになっている。この例では、上述したLb/(Lp+Lm)=Nの式に当てはめると、N=4で、余りが生じる長さになっている。
【0041】
そこで、帯電ベルト4の長さ(Lp+Lm)×(N−1)の領域では、前述したのと同様にして、Lb/(Lp+Lm)=(N−1)の関係が成り立つようにする。そして、帯電ベルト4の長さが(Lp+Lm)×(N−1)を越える領域、すなわち帯電ベルト4の長さLk(Lk=Lb−(Lp+Lm)×(N−1))の領域では、交番印加電圧のパルス幅を変化させることで、プラスの新規な帯電幅をLpn、マイナスの新規な帯電幅をLmnとしたとき、Lk/(Lpn+Lmn)=2の関係が成り立つように交番する帯電電圧パターンの帯電幅を変化させる。この帯電幅の切替は、制御回路13から高圧回路12に与える制御信号を切り替えることによって、帯電ローラ11に対する印加電圧のパルス幅をパルス幅Tp、Tmからパルス幅Tpn、Tmnに切り替えることで行う。
【0042】
このように、帯電ベルト4の長さが(Lp+Lm)の整数倍でない場合、あるいは、初期設定時には上記条件を満たしたが、用紙の安定搬送のために帯電幅Lpとマイナスの帯電幅Lmを変更した場合に、帯電ベルト4の一部の帯電幅を調整するようにしたので、帯電ベルト4に印加される電圧が初期帯電電圧|V|を越えないようにすることができ、帯電ベルト4の劣化を防止でき、信頼性が向上する。
【0043】
次に、本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。この実施形態では、除電ブラシ14と帯電ローラ11との間に、帯電ベルト4の帯電情報を検出する帯電検出手段16を配置し、この帯電検出手段16の出力を検出回路17を介して制御回路13に入力し、制御回路13は検出回路17からの検出結果に基づいて、高圧回路12に対する制御信号を変化させて帯電ベルト4の帯電を制御するようにしている。
【0044】
この実施形態の帯電制御について図6を参照して説明する。なお、同図は使用される帯電ベルト4の長さと帯電パターンの長さを説明するもので、説明を容易にするため、帯電ベルト4を切断し展開した状態を示している。
【0045】
帯電ベルト4の長さLb内には長さLcの帯電電圧パターン15が形成されている。非帯電領域の長さ(Ls+Le)は連続記録時の用紙間距離に相当するように設定している。ここでは、帯電検出手段16として、光学センサを使用し、帯電ベルト4上の一部に反射率の高い反射部材18を設け、センサで読み取った帯電ベルト4の反射量を検出回路17に送ることにより、帯電ベルト4上の反射部材18の位置を検出することができる。
【0046】
そこで、制御回路13は、反射部材18の位置情報をもとに帯電ローラ11により帯電ベルト4に帯電電圧±Vで帯状の帯電を行う。除電ブラシ14による除電が行われた後の帯電ベルト4は帯状の残留電圧±Vsの状態で再度帯電ローラ11により帯電される。このとき、再び反射部材18の位置が光学センサ(帯電検出手段16)で読み取られ、この位置情報をもとに初期の帯電時と同じ位置に、同じ極性で、帯電電圧パターン長さLcにわたる帯電が行われる。
【0047】
また、除電ブラシ14と帯電ローラ11との間の帯電検出手段16としては、例えば表面電位計を用いることもできる。表面電位計は、帯電ベルト4の電圧値、極性、及び帯状パターン幅(帯電幅)の検出が可能である。表面電位計と帯電ローラ11間の距離と帯電ベルト4の搬送速度を考慮することにより、帯電情報を得ることができる。
【0048】
すなわち、この表面電位計の帯電情報をもとに制御回路13は帯電ローラ11により帯電ベルト4に帯電電圧±Vで帯状の帯電を行う。除電ブラシ14による除電が行われた後の帯電ベルト4は帯状の残留電圧±Vsの状態で再度帯電ローラ11により帯電される。このとき、表面電位計で検出した帯電情報をもとに再度帯電を行うため、初期の帯電時と同じ帯電幅、極性で帯電を行うことができる。
【0049】
このように、光学センサや、表面電位計などの検出手段を用いて帯電ベルトの帯電情報を検出し、帯電ベルト上のプラス及びマイナスの残留電圧パターンに対して、帯電の極性が反対にならないように帯電制御することにより、常に安定した帯電が可能で、信頼性が向上する。この場合、前記第1実施形態と組み合せて適用してもよいし、本実施形態のみ独立して適用してもよい。
【0050】
次に、本発明の第3実施形態について図7を参照して説明する。用紙8を保持する吸着力や、用紙8を帯電ベルト4から分離するための分離性能から帯電電圧が決定されるが、この吸着力は湿度、温度の環境条件や用紙種類に大きく依存する。このため、一定の帯電電圧で用紙を搬送した場合には、用紙種類や環境条件変化で吸着力が低下し、記録画像のゆがみ等の原因となる。
【0051】
そこで、この実施形態では、用紙8の種別(種類)を検出する用紙種別検出手段21とその検出回路22、環境温度、ここでは特に帯電ローラ11近傍の温度を検出する温度検出手段23とその検出回路24、環境湿度、同じくここでは特に帯電ローラ11近傍の湿度を検出する湿度検出手段25とその検出回路26をそれぞれ設け、各検出回路22、24、26の検出信号を制御回路13に入力している。制御回路13は、前述した帯電情報のほか、これらの用紙種別、環境条件に基づいて高圧回路12による帯電ローラ11に対する印加電圧を制御することで、帯電ベルト4の帯電を制御する。
【0052】
ここで、用紙種別検出手段21としては、光学センサユニットを使用することができる。センサで読み取った用紙の反射量を検出回路22に送り、検出回路22では反射量から、白基準シートの反射量を基準とした反射率を求めるとともに、予め用紙の種類と反射率とを対応づけた判別テーブルを参照して、該当する用紙の種類を判別検出し、得られた用紙種類データを制御回路13に出力する。
【0053】
温度検出手段23、湿度検出手段25としては、通常の温度センサや湿度センサを使用することができる。検出回路23、25により帯電ローラ11近傍の温度、湿度を検出して制御回路13に出力する。
【0054】
制御回路13では、予めメモリーに記憶されている、用紙種、温度、及び湿度と帯電条件を対応づけたテーブルを参照して、帯電ローラ11への電圧印加条件を決定する。ここで、帯電ローラ11への電圧印加条件としては電圧値、帯電パターン幅、及び両者の組合せを用いることができる。
【0055】
このように、用紙種別や温湿度などの環境条件を検出する検出手段を設けて、用紙種別や環境条件に応じて帯電を制御することにより、用紙種別や環境条件が変化した場合でも、帯電ベルトに印加される電圧が初期帯電電圧を越えないようにすることができ、安定した帯電が可能で、信頼性が向上する。
【0056】
なお、上記実施形態においては、本発明をライン型インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、シャトル型(シリアル型)インクジェット記録装置やその他の記録装置にも同様に適用することができ、また、自動原稿読取装置、イメージスキャナなどに含まれる用紙搬送装置にも同様に適用することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る用紙搬送装置によれば、交番する帯電電圧パターンで帯電ベルトを帯電させるときに常に同じ領域を同じ極性のパターンで帯電するので、帯電ベルトの劣化を防止でき、信頼性が向上する。
【0058】
本発明に係る画像記録装置によれば、本発明に係る用紙搬送装置を備えているので、帯電ベルトの劣化を防止でき、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る用紙搬送装置を含む画像記録装置の第1実施形態を示す要部概略構成図
【図2】帯電電圧パターンの模式的説明図
【図3】本発明に係る用紙搬送装置における帯電電圧パターンの第1例の説明に供する模式的説明図
【図4】本発明に係る用紙搬送装置における帯電電圧パターンの第2例の説明に供する模式的説明図
【図5】本発明に係る用紙搬送装置を含む画像記録装置の第2実施形態を示す要部概略構成図
【図6】同実施形態における帯電電圧パターン及び帯電制御の説明に供する模式的説明図
【図7】本発明に係る用紙搬送装置を含む画像記録装置の第3実施形態を示す要部概略構成図
【符号の説明】
1a〜1d…フルラインヘッド、2a〜2d…キャップ体、4…帯電ベルト、8…用紙、11…帯電ローラ、13…制御回路。

Claims (8)

  1. 絶縁層を有する無端状の帯電ベルトを周回自在に配設し、この帯電ベルト表面を帯電させて、用紙を静電吸着して搬送する用紙搬送装置において、前記帯電ベルト表面を交番する帯電電圧パターンで帯電させる帯電手段を備え、前記帯電ベルトは常に同じ極性の帯電電圧パターンで同じ領域が帯電されること特徴とする用紙搬送装置。
  2. 絶縁層を有する無端状の帯電ベルトを周回自在に配設し、この帯電ベルト表面を帯電させて、用紙を静電吸着して搬送する用紙搬送装置において、前記帯電ベルト表面を交番する帯電電圧パターンで帯電させる帯電手段を備え、前記帯電ベルトの長さをLb、前記帯電ベルトの周回方向に沿う一方の極の帯電電圧パターンの長さをLp、他方の極の帯電電圧パターンの長さをLmとしたとき、Lb/(Lp+Lm)=N(Nは整数)の関係が成り立つこと特徴とする用紙搬送装置。
  3. 絶縁層を有する無端状の帯電ベルトを周回自在に配設し、この帯電ベルト表面を帯電させて、用紙を静電吸着して搬送する用紙搬送装置において、前記帯電ベルト表面を交番する帯電電圧パターンで帯電させる帯電手段を備え、前記帯電ベルトの長さをLb、前記帯電ベルトの周回方向に沿う一方の極の帯電電圧パターンの長さをLp、他方の極の帯電電圧パターンの長さをLmとしたとき、前記帯電ベルトの長さ(Lp+Lm)×(N−1)の領域ではLb/(Lp+Lm)=(N−1)の関係が成り立ち、前記帯電ベルトの(Lp+Lm)×(N−1)を越える長さLk(Lk=Lb−(Lp+Lm)×(N−1))の領域では一方の極の帯電電圧パターンの長さをLpn、他方の極の帯電電圧パターンの長さをLmnとしたとき、Lk/(Lpn+Lmn)=2の関係が成り立つこと特徴とする用紙搬送装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の用紙搬送装置において、前記帯電ベルト表面の帯電情報を検出する帯電検出手段を有し、この帯電検出手段の検出結果に基づいて前記帯電ベルトに対する帯電を制御することを特徴とする用紙搬送装置。
  5. 請求項4に記載の用紙搬送装置において、前記帯電検出手段は光学センサ又は表面電位計であることを特徴とする用紙搬送装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の用紙搬送装置において、前記用紙の種別を検出する紙種検出手段を備え、この紙種検出手段の検出結果に基づいて前記帯電ベルトに対する帯電を制御することを特徴とする用紙搬送装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の用紙搬送装置において、環境温度及び/又は湿度を検出する環境条件検出手段を備え、この環境条件検出手段の検出結果に基づいて前記帯電ベルトに対する帯電を制御することを特徴とする用紙搬送装置。
  8. 用紙に画像を記録する画像記録装置において、前記請求項1ないし7のいずれかに記載の用紙搬送装置を備えていることを特徴とする画像記録装置。
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