JP3776183B2 - 絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法 - Google Patents

絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3776183B2
JP3776183B2 JP30744296A JP30744296A JP3776183B2 JP 3776183 B2 JP3776183 B2 JP 3776183B2 JP 30744296 A JP30744296 A JP 30744296A JP 30744296 A JP30744296 A JP 30744296A JP 3776183 B2 JP3776183 B2 JP 3776183B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
film
semiconductor layer
gate
protective film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30744296A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10135474A (ja
Inventor
宏勇 張
憲司 大塚
志郎 磯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP30744296A priority Critical patent/JP3776183B2/ja
Publication of JPH10135474A publication Critical patent/JPH10135474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3776183B2 publication Critical patent/JP3776183B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明で開示する発明は、半導体装置、特にその基本素子である絶縁ゲイト型電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の絶縁ゲイト型電界効果トランジスタ(以下IGFETと略)の一例として、低不純物領域を有するN型IGFETの構成を図1(A)に示す。
【0003】
従来の低不純物領域を有するN型IGFETの作製工程は、まず、基板001の上に半導体層とゲイト絶縁膜009を形成する。
そして、そのゲイト絶縁膜009の上にゲイト電極010を形成する。ゲイト電極010に陽極酸化法を用いて陽極酸化膜を形成する。この陽極酸化膜は、耐腐食性に優れている緻密な陽極酸化膜012と耐腐食性に劣っている多孔性の陽極酸化膜の2層構造からなり、ゲイト電極の内部に緻密な陽極酸化膜012、外側に多孔性の陽極酸化膜を形成する。
【0004】
そして、陽極酸化したゲイト電極をマスクとしてP(リン)を高濃度にドーピングする。こうして、ソースおよびドレイン領域004を形成する。次に多孔性の陽極酸化膜を選択的にエッチングする。この時、緻密な陽極酸化膜012はエッチングされずに残存する。
【0005】
そして、再びリンを低濃度にドーピングをし、低不純物領域005を形成する。この低不純物領域のドレイン側は、LDD(Lightly Doped Drain)とよばれる領域である。
【0006】
この工程で、低不純物領域に挟まれたチャネル領域003が形成される。そして、層間絶縁膜008を形成する。最後にソースおよびドレイン領域の引出し電極014を形成する。
【0007】
こうして低不純物領域を有するN型IGFETを作製する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
IGFETにおいて、ソースおよびドレイン領域と電極のコンタクト領域は、オーミックコンタクトを形成する必要がある。そのため、ソースおよびドレイン領域のコンタクト領域に不純物を高濃度にドーピングする必要がある。
【0009】
図1(C)に示すように、1の範囲にソースおよびドレイン領域004を形成するためのドーピングを高濃度に行うと、不純物が、4に示される領域まで回り込んで、不純物が添加される。その結果、ソースおよびドレイン領域004に近接する低不純物領域005または/及びオフセット領域、更にはチャネル領域003まで不純物の回り込みによって汚染されてしまう。そしてそのことに起因して、そのTFT特性の劣化、ばらつきが起きてしまう。
【0010】
上記問題点を解決するには、ソースおよびドレイン領域にドーピングする不純物量をチャネル領域まで回り込みが広がらないよう減らせばよい。しかし、そうすると、電極とソースおよびドレイン領域とのオーミックコンタクトが形成されず、非線形なコンタクトが形成されてしまう。
【0011】
更に、レジストマスクを設けた基体に高濃度の不純物イオンをドーピングすると、レジストマスクが硬質化してしまうという問題がある。
【0012】
一般にレジストマスクを除去する際に、硬化した部分を酸素を用いてアッシングを行う。その後、柔らかい部分のレジストマスクを剥離液を用いて除去する。しかし、硬化したレジストマスクが厚いときは、保護している下地膜にまで酸素プラズマによって損傷を与えることがあり、酸素プラズマ処理のプロセスマージンが取れなくなるという工程上の問題が生じる。
【0013】
本明細書で開示する発明は、上述した各種問題を解決することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願発明では、従来のソースおよびドレイン領域を、機能別に二つの領域に分離する構成を採る。つまり、電極とコンタクトを取るための領域には、オーミックコンタクトを形成するに足る量の不純物を添加し、チャネル領域と近接して設けられたソースおよびドレインとして機能する領域においては、回り込みが少なくなるように不純物のドーズ量を減らしたことを特徴とする。
【0015】
本願発明で開示する発明の一つは、図1(B)にその具体的な構成を示すように、
絶縁性表面を有する基板001の上に半導体層が形成され、半導体層は、チャネル003領域と、ソースおよびドレインとして機能する領域006と、チャネル領域003とソースおよびドレインとして機能する領域006との間に低不純物領域005と、高濃度に不純物が添加されたソースおよびドレイン領域と電極とがオーミックコンタクトを形成するコンタクト領域007とが形成されていることを特徴とする。
【0016】
以上の構成を採ることによって、図1(D)に示されるように、その作製工程において、オーミックコンタクトを取るために高濃度に不純物をドーピングする範囲1は、チャネル領域003から離れている。そのため、不純物が回り込む領域4’は、その間にあるソースおよびドレインとして機能する領域006までしか伸長せず、チャネル領域003まで広がらない。
【0017】
そして、ソースおよびドレインとして機能する領域006を形成するためのドーピング2は、オーミックコンタクトを取るほどの不純物濃度は必要ではない。従って、このドーピングによる回り込み領域5は狭いため、チャネル領域に不純物が回り込むことを防ぐことができる。
当然、低不純物領域を形成するためのドーピング3は、更に低ドーズ量なのでチャネル領域まで回り込むことはない。
【0018】
なお、図2(C)、(D)以外の本明細書の図面において、不純物の回り込みは図面が煩雑となるため省略している。
【0019】
本明細書中でいうソースおよびドレインとして機能する領域とは、ソースおよびドレインとして機能できる程度の濃度に不純物が添加された領域のことを指す。つまり、シート抵抗が数100Ω/□〜10kΩ/□以下の領域を指す。そして、そのドーピングによって回り込む不純物が、チャネル領域まで広がらない程度のドーピングによって形成された領域を指す。
【0020】
本明細書中でいうコンタクト領域とは、電極とオーミックコンタクトを形成するために、高濃度に不純物が添加された領域である。つまり、シート抵抗が1kΩ/□以下の領域のことを指す。そして、コンタクト領域に接して、チャネル領域又は低不純物領域は存在しない。
【0021】
上記のソースおよびドレインとして機能する領域を形成するためのドーズ量は、その作製工程や、膜厚等によって変化する。
【0022】
本願発明の他の発明の構成は、
基板上に半導体層と、
半導体層上にゲイト絶縁膜を介して形成された二つ以上のゲイト電極とを有する絶縁ゲイト型電界効果トランジスタにおいて、
前記半導体層が、各ゲイト電極の下に形成された複数個のチャネル領域と、
チャネル領域に近接して設けられたソースおよびドレインとして機能する領域と、
ソースおよびドレインと電極とのコンタクト領域とからなり、
隣接する二つのチャネル領域に挟まれた領域中の不純物濃度が、前記コンタクト領域よりも低いことを特徴とする。
【0023】
また、他の発明の構成は、
同一基板上に画素マトリクス部と、Nチャネルドライバー部とPチャネルドライバー部からなる周辺駆動回路部とを配置した構成を有し、
Nチャネルドライバー部又はPチャネルドライバー部の一方或いは両方の半導体層に、
チャネル領域と、
ソースおよびドレインとして機能する領域と、
チャネル領域とソースおよびドレイン領域に挾まれた低濃度不純物領域と、
高濃度に不純物が添加されたコンタクト領域とが形成されていることを特徴とする。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕
図2に本願発明の実施例の作製工程の一つを示す。本実施例では、ガラス基板上にN型IGFETを形成した例を示す。
【0025】
図2(A)に示すように本実施例ではガラス基板001を利用するが、ガラス基板の代わりに石英基板、絶縁表面を有する半導体等を用いてもよい。
【0026】
まず、ガラス基板001の上に図示しない下地層を成膜する。ここでは下地層としてスパッタ法で200nm厚の酸化珪素を形成する。
【0027】
下地層を形成するのはスパッタ法に限定されるわけではなく、プラズマCVD法や熱CVD法等てもよい。下地膜は、基板からの不純物の拡散や応力緩和のために形成する。
【0028】
次に、プラズマCVD法によって活性層を形成する。本実施例では活性層は、珪素を主成分とする被膜を用いているが、他の半導体にも利用できる。
【0029】
活性層を形成する方法は、特にプラズマCVD法に限定されるものではなく、プラズマCVD法の代わりに減圧熱CVD法を利用してもよい。本実施例において活性層は真性又は実質的に真性(人為的に導電型を付与しないという意味)な非晶質珪素膜を成膜する。
【0030】
その後、非晶質珪素膜を結晶化させる。この結晶化は、熱やレーザー光等が利用できる。本実施例においては、レーザー光を利用して結晶化を行い多結晶珪素膜とする。
【0031】
次に、多結晶珪素膜にパターニングを施して、パターンを形成する。このパターンはN型IGFETの活性層となる。
【0032】
次に、図2(A)に示すように、レジストマスク013を形成する。そしてP(リン)のドーピングを行う。このドーピングは、N型IGFETのソースおよびドレイン領域と電極とがオーミックコンタクトを形成する条件で行う。
【0033】
つまり、コンタクト領域の表面の不純物濃度が1020cm−3以上となり、シート抵抗が1kΩ/□以下となるように形成する。
【0034】
不純物のドーピング方法としては、プラズマドーピング法と呼ばれる方法とイオン注入法と呼ばれる方法とがある。プラズマドーピング法は、PH3 やB2 H6 等のドーピングせんとする不純物元素を含んだガスを高周波電力等でプラズマ化し、そこから電界により、不純物イオンを引出し、更に電界により加速注入する方法である。
【0035】
他方、イオン注入法は、上記PH3 やB2 H6 等のガスをプラズマ化し、そこから引き出されたイオンを磁場を用いた質量分離により選別し、その選別された不純物イオンを加速注入する方法である。
【0036】
本実施例では、大面積への対応が可能なプラズマドーピング法を用いる。
【0037】
本実施例のこの工程では、次の条件でドーピングを行う。
ドーズ量 2×1014cm−2
加速電圧 50kV
RF電力 5W
【0038】
図2(A)に示すように本実施例では、この工程において、リンが高濃度に添加されたソースおよびドレイン領域と電極とのコンタクト領域007が形成される。また、この工程で形成された領域007を便宜上N++領域と表記する。本実施例では、このN++領域の表面のリン濃度は約1020cm−3で、シート抵抗は1kΩ/□以下となる。
【0039】
また、レジストマスク013の下に存在する半導体層は、リンがドーピングされないため、I型(真性または実質的に真性)領域015として残存する。
【0040】
このドーピングは非自己整合プロセスで行われる。非自己整合プロセスにおいては、マスク合わせ精度が重要となる。
【0041】
このようにして、図2(A)に示す工程を行った後に、レジストマスク013を除去する。
【0042】
レジストマスクの除去は、硬化したレジストマスクを酸素プラズマによるアッシングを行い、その後レジストマスク用の剥離液を用いて除去する。
【0043】
本実施例では、不純物の添加領域の表面に直接不純物を添加するベアドープで行うため、ドーピングが短時間で済む。そのため、レジストマスクの硬化する部分が薄くなる。従って、酸素プラズマによるアッシングが従来に比べ短時間、即ち、プロセスマージンを十分に取ることができる。
【0044】
次に、図2(B)に示すように、ゲイト絶縁膜009を50〜400nm、本実施例ではプラズマCVD法により120nmの厚さに形成する。
【0045】
次にゲイト電極を構成するためのアルミニウム膜を400nmの厚さにスパッタ法によって成膜する。
【0046】
アルミニウム膜を成膜したら、酒石酸を用いて陽極酸化法によりアルミニウム膜の上に陽極酸化膜を形成する。ここでは、陽極酸化膜の膜厚は10nmとする。この陽極酸化膜は、後の工程においてヒロックやウィスカの発生を抑制するために機能する。また、この陽極酸化膜は、ゲイト電極から延在したゲイト線がその上に配置される配線との間で上下間ショートを起こしてしまうことを防ぐ機能もある。
【0047】
なお、ヒロックやウィスカというのは、アルミニウムの異常成長により発生する針状あるいは刺状の突起物のことである。このヒロックやウィスカは、加熱処理やレーザー光の照射、さらに不純物元素のドーピングにおいて発生する。
【0048】
次に、レジストマスク017を配置する。このレジストマスクは、ゲイト電極を形成するためのもので、図2(A)、(B)からも判るように、コンタクト領域を形成する際に用いたレジストマスク013よりも幅の短いことを特徴としている。
【0049】
次に、レジストマスク017を利用してパターニングを行う。こうして図2(B)に示す状態を得る。
【0050】
図2(B)に示す状態において、010がN型IGFETのゲイト電極である。016が該ゲイト電極の上部に残存した陽極酸化膜である。
【0051】
次に、レジストマスク017を除去する。
【0052】
次に、再度の陽極酸化を行う。この工程は、電解溶液としてシュウ酸を用いた陽極酸化法で、図2(C)の011で示される多孔性の膜質を有する陽極酸化膜が形成される。
【0053】
次に、図2(C)の012で示される陽極酸化膜を形成する。この陽極酸化膜012は、電解溶液として酒石酸を用いた陽極酸化を行うことにより、緻密な膜質の陽極酸化膜となる。
【0054】
そして、再びリンイオンの注入を行う。ここでは、ゲイト絶縁膜が存在するため図2(A)に示す工程において添加されたドーズ量よりも高ドーズ量でもってリンを添加する。
【0055】
本実施例のこの工程では、次の条件でドーピングを行う。
ドーズ量 5×1014cm−2
加速電圧 80kV
RF電力 20W
【0056】
この工程は、ゲイト絶縁膜を通して不純物を添加するスルードープのため、実質的に半導体層に添加される不純物の量は、ゲイト絶縁膜の厚さにより減少する。従って、この工程によって形成されるN+ 領域006は、N++領域よりも低濃度である。一般的には、この工程によってN+ 領域006のシート抵抗が数100Ω/□〜10kΩ/□以下となるようにする。
【0057】
また、この工程は、スルードープで行っているため、ゲイト絶縁膜の膜厚によってそのドーズ量は変化する。
【0058】
この工程において形成されたN+ 領域006は、N型IGFETのソースおよびドレインとして機能する領域となる。また、このN+ 領域006の幅は、図2(A)の工程で用いたレジストマスク013と、図2(B)の工程で用いたレジストマスク017との大きさの違いと、位置関係とによって決まる。
【0059】
次に、図2(C)で形成したゲイト電極の陽極酸化膜において、外側に形成された多孔性の陽極酸化膜011をエッチングする。
【0060】
このエッチングは、酢酸、硝酸、リン酸、水を混合したエッチャントによって行う。このエッチャントは、多孔性の陽極酸化膜011は浸食するが、緻密な陽極酸化膜012は侵されず、残存する。
【0061】
次に、再びリンをドーピングする。この工程では、前工程でエッチングされた陽極酸化膜の下の活性層に低不純物領域を形成する条件で添加する。
【0062】
即ち、低不純物領域のシート抵抗が105 〜107 Ω/□となるようにドーピングを行う。
【0063】
本実施例では次の条件でドーピングを行う。
ドーズ量 1.5×1013cm−2
加速電圧 80kV
RF電力 5W
【0064】
こうして図2(D)の005で示される低不純物領域が形成される。また、ゲイト電極によってリンが添加されなかった半導体層が、チャネル領域003となる。
【0065】
この低不純物領域005の幅は、多孔性の陽極酸化膜011の膜厚によって決まる。低不純物領域005の幅は0.5〜2.0μm、本実施例では0.7μmとする。
【0066】
本実施例では、図示されていないが、図2(D)に示される003には、チャネル領域だけではなくオフセット領域も形成されている。このオフセット領域は陽極酸化膜012の膜厚を利用して、自己整合的に形成される。
【0067】
このオフセット領域はチャネル領域とソース領域との間、及びチャネル領域とドレイン領域とのあいだに配置された高抵抗領域として機能する。このオフセット領域はチャネル領域と同じ、I型の導電型を有している。
【0068】
また、このオフセット領域はチャネル領域への不純物の回り込みを防ぐマージンとしての効果も有する。
【0069】
こうして図2(D)に示す状態を得たら、不純物が添加された領域005、006、007は、ドーピングにより非晶質となるので、活性化及び結晶化するためにレーザー光を照射する。このレーザー光の照射は、
・注入されたリンの活性化
・リンのドーピングによって損傷(イオンの衝撃により生じる)した部分のアニール
といった作用を有している。
【0070】
このようにして形成されたN型IGFETに、層間絶縁膜008を形成する。本実施例では、層間絶縁膜として窒化珪素を用いる。ここでは、層間絶縁膜はプラズマCVDを用いて300nmの厚さに形成する。
【0071】
そして、ソースおよびドレイン領域のコンタクト領域007にコンタクトホールを形成する。そして、引出し電極014を形成する。コンタクト領域007は、高濃度にリンが添加されているので、電極014とオーミックコンタクトを形成することができる。
【0072】
本実施例では、この電極として、チタン膜とアルミニウム膜とチタン膜との3層膜をスパッタ法により成膜する。そしてこの金属膜(積層膜)をパターニングすることにより014で示される電極を形成する。
【0073】
最後に350℃の水素雰囲気中において、1時間の加熱処理を行い、半導体中の欠陥の終端を行う。
【0074】
こうして図2(E)に示す状態を得る。このN型IGFETは、コンタクトを形成するために多量にリンがドーピングされた領域007が、チャネル領域003から離れて形成されているため、007を形成する際に不純物が低不純物領域005、或いはチャネル領域003まで回り込むことを防ぐことができる。
【0075】
同時に本実施例では、図2(A)に示す工程で、リンを添加する際に絶縁層や中間層を挟まないで行うベアドープのため、中間層を通して添加を行うスルードープよりも短時間且つ低ドーズ量で形成することができる。
【0076】
従来レジストマスクを除去するために、硬化した部分を酸素を用いてアッシングを行い、その後柔らかい部分のレジストマスクを剥離液で除去していたが、硬化したレジストマスクが厚いときは、保護している下地膜にまで酸素プラズマによって損傷を与えることがあった。
【0077】
この硬化した部分は、ドーピングを行う際にイオンの衝突により、レジストマスクが200℃以上の高温状態になり、さらに、不純物が高濃度添加されるためにレジストマスクが硬化する。
【0078】
本実施例では、短時間で添加が終了するため、レジストマスクが200℃以上の高温となる時間が短く、さらに低濃度でドーピングが終了するため、レジストマスクの硬化を緩和することができる。
【0079】
そのため本実施例では、レジストマスクの硬化した部分が薄くなり、柔らかい部分が厚くなるためアッシングする際のプロセスマージンを多く取ることができ、下地膜への影響を抑制できる。
【0080】
本実施例では、N型IGFETの場合を示したが、本発明の構成を採ることはP型IGFETにおいても有効である。
【0081】
本実施例では、プレーナ型のIGFETで示したが、本発明の構成は逆プレーナ型、スタガ型、逆スタガ型に用いても有効である。
【0082】
本実施例では、活性層に多結晶半導体を用いたが、アモルファス、微結晶を有するアモルファス等に用いることも適宜成しえる。
【0083】
〔実施例2〕
本実施例は、実施例1に示す工程を一部変更したものである。詳しくは、実施例1の図2(A)の工程を図3に変更したものである。
【0084】
まず、実施例1と同様の条件で、ガラス基板001の上に下地保護膜と非晶質珪素膜を形成する。次に、非晶質珪素膜の上にマスク酸化珪素膜018を形成する。
【0085】
このマスク酸化珪素膜018は、
・イオン注入の衝突によって、半導体層表面が荒れるのを保護する。
・活性層にレジストマスクの不純物が拡散することを防止する。
・レジストマスクを剥離する際の酸素プラズマから活性層を保護する。
・レジストマスクを剥離する際、剥離液に活性層を曝さない。
という効果がある。
【0086】
マスク酸化珪素膜を成膜する方法としてはプラズマCVD法、スパッタ法、活性層の熱酸化による成膜等から適宜選択できる。
【0087】
また、マスク酸化珪素膜をCVD法で成膜する際に用いる原料ガスは、シランと酸化物気体、TEOS、またはTEOSと酸化物気体との混合ガス等から適宜選択できる。
【0088】
ここでいう酸化物気体とは、酸素、オゾン、亜酸化窒素のように、活性化した酸素を供給することができる気体、又はそれらの混合気体をいう。本実施例では、TEOSと酸素を原料に用いたプラズマCVD法によって10〜100nm、本実施例では約50nmの厚さにマスク酸化珪素膜018を形成する。
【0089】
次に、実施例1と同様の条件で非晶質珪素膜を結晶化し、パターニングを行い、レジストマスク013を成膜する。
【0090】
そして、リンをドーピングする。このドーピングはソースおよびドレイン領域のコンタクト領域を形成するための条件で行われる。
【0091】
本実施例では、次の条件でドーピングを行う。
ドーズ量 5×1014cm−2
加速電圧 80kV
RF電力 20W
【0092】
本実施例では、このリンを添加する工程は、マスク酸化珪素膜018を通したスルードープで行うため、実施例1に比べて高ドーズ量で行う。また、マスク酸化珪素膜018の膜厚により、上記条件は適宜変化する。
【0093】
こうして、図3に示すように、リンが添加されたソースおよびドレイン領域のコンタクト領域007と、レジストマスク013によって不純物の添加されなかった領域015が形成される。このソースおよびドレイン領域のコンタクト領域007のシート抵抗は1kΩ/□以下とする。
【0094】
次に、レジストマスク013を酸素を用いたアッシング処理と、剥離液でのウェットエッチングで除去した後に、マスク酸化珪素を除去する。
【0095】
残りの工程は、実施例1と同様の条件で行う。
【0096】
本実施例では、半導体層015、特にチャネル領域となる活性層に、レジストから不純物等の拡散による汚染をマスク酸化珪素膜018によって抑制することができる。
【0097】
また、不純物の添加の際、イオンの衝撃等によって半導体層の表面が荒れるのを防止することができる。従って、信頼性の高いIGFETを作製することができる。
【0098】
〔実施例3〕
本実施例は、実施例1をダブルゲイト型のN型IGFETに応用したものである。図4にその工程を示す。
【0099】
まず、実施例1と同様の方法で、ガラス基板001の上に図示しない下地保護膜と島状の珪素半導体層を形成する。次に、珪素半導体層の上にレジストマスク013をパターニングする。そして、実施例1の図2(A)の工程と同じ条件でリンの添加を行い、ソースおよびドレイン領域のコンタクト領域となる領域007を形成する。
【0100】
こうして、図4(A)に示す状態を得たら、レジストマスク013を除去して、ゲイト絶縁膜009を実施例1と同じ条件で形成する。
【0101】
その後、実施例1と同様にアルミニウム膜を全面に塗布し、その表面を陽極酸化する。そして、パターニングを施して、ゲイト電極010、010’を形成する。そして、実施例1と同様に、ゲイト電極10、010’を陽極酸化して多孔性の陽極酸化膜011と、緻密な陽極酸化膜012を形成する。
【0102】
そして、実施例1の図2(C)の工程と同様の条件でリンをドーピングする。そして、図4(B)に示すように、ソースおよびドレインとして機能する領域006、006’、006”を形成する。
【0103】
次に、多孔性の陽極酸化膜011をエッチングして、再び、実施例1の図2(D)の工程と同じ条件でリンをドーピングする。
【0104】
こうして、図4(C)に示すように、電極010の下に形成されたチャネル領域003と、チャネル領域003に隣接して形成された低不純物領域005とが形成される。同時に、電極010’の下に形成されたチャネル領域003’と、チャネル領域003’に隣接して形成された低不純物領域005’とが形成される。
【0105】
残りの工程も実施例1と同様の条件で行う。こうして、層間絶縁膜008と引出し電極014とが形成され、図4(D)に示すように、ダブルゲイト型のN型IGFETが作製される。
【0106】
このダブルゲイト型のN型IGFETの半導体層の構成は、
各ゲイト電極010、010’の下に形成されたチャネル領域003、003’と、
各チャネル領域に接して設けられた低不純物領域005、005’と、
ソースおよびドレインとして機能する領域006、006’、006”と、
ソースおよびドレイン領域と電極とのコンタクト領域007とからなっている。
【0107】
そして、二つのチャネル領域003、003’に挟まれたソースおよびドレインとして機能する領域006’におけるリンの不純物濃度は、当然ながら、他のソースおよびドレインとして機能する領域006、006”の不純物濃度と概略等しく、ソースおよびドレインと電極とのコンタクト領域007の不純物濃度よりも低い。
【0108】
本実施例では、ダブルゲイト型を示したが、ゲイト電極の数が二つ以上の電界効果トランジスタにも応用できる。
【0109】
また、本実施例では、マスク酸化珪素膜を用いずに作製したが、実施例2の如く、コンタクト領域を形成するためのドーピングの前にマスク酸化珪素膜を形成してもよい。
【0110】
〔実施例4〕
本実施例は、LCDモジュールの周辺回路の薄膜トランジスタに応用したものである。
図5〜図9にその工程を示す。
【0111】
本実施例では、ガラス基板上に画素マトリクス部と、該画素マトリクス部を駆動するための駆動回路(バッファー回路)を構成するP及びNチャネル型の薄膜トランジスタを同時に作製する工程を示す。
【0112】
本実施例では、薄膜トランジスタの形式としてゲイト電極は活性層の上方に存在するトップゲイト型のものを示す。
【0113】
まず、実施例1と同様に、ガラス基板001上に図示しない下地膜と非晶質珪素膜を成膜する。そして、非晶質珪素膜の結晶化を行う。
【0114】
次に、多結晶珪素膜にパターニングを施すことにより、図5(A)の002、002’、002”で示すパターンを形成する。このパターンは、それぞれ薄膜トランジスタの活性層となる。
【0115】
即ち、002が画素マトリクス部に配置される薄膜トランジスタの活性層であり、002’がNチャネルドライバー部に配置される薄膜トランジスタの活性層であり、002”がPチャネルドライバー部に配置される薄膜トランジスタの活性層である。
【0116】
次に図5(B)に示すようにレジストマスク013、013’、013”を配置する。そして、実施例1の図2(A)の工程と同様の条件でリンのドーピングを行う。この工程で、Nチャネルドライバー部にソースおよびドレインと電極とのコンタクトを形成するためのN++領域007’が形成される。同時に、画素マトリクス部の活性層にソースおよびドレイン領域004を形成する。
【0117】
そして、図5(B)に示すように、半導体層上に形成されたレジストマスク013、013’、013”により保護された真性な領域015、015’、002”が残存する。
【0118】
このドーピング工程は、非自己整合プロセスで行われる。非自己整合プロセスにおいては、マスク合わせ精度が重要となる。
【0119】
このようにして、図5(B)に示す工程を行ったら、レジストマスク013、013’013”を除去する。
【0120】
次に、新たなレジストマスク017、017’、017”を、図5(C)に示すように配置する。
【0121】
そして、Pチャネルドライバー部の活性層にP++領域を形成するためボロンを添加する。この工程で、図5(C)の007”で示すP++型のソースおよびドレイン領域と電極とのコンタクト領域が形成される。
【0122】
また、レジストマスク017、017’によって保護されていた画素マトリクス部とNチャネルドライバー部には、ボロンは添加されない。そして、レジストマスク017、017’、017”を除去する。
【0123】
次に、図6(A)に示すように、ゲイト絶縁膜009を実施例1と同様に形成する。
【0124】
次に、図6(B)に示すように、ゲイト電極を構成するために、アルミニウム膜019を成膜する。そして、実施例1と同様にアルミニウム膜019に、陽極酸化法により陽極酸化膜016を形成する。
【0125】
次に、レジストマスク020、020’、020”を配置する。このレジストマスクは、ゲイト電極を形成するためのものである。このようにして、図6(B)に示す状態を得る。
【0126】
次に、レジストマスクを利用してパターニングを行う。そして、レジストマスク020、020’、020”を除去することにより、図6(C)に示す状態を得る。
【0127】
図6(C)に示す状態において、010が画素マトリクス部の薄膜トランジスタのゲイト電極である。016が該ゲイト電極の上部に残存した陽極酸化膜である。
【0128】
また、画素マトリクス部は、図5(B)の工程で用いたレジストマスク013と、図6(B)で用いたレジストマスク020との大きさの違いと位置関係とによって決定されるオフセット領域022が形成される。
【0129】
図示されていないが、ゲイト電極からはソース線とともに格子状に配置されるゲイト線が延在する。
【0130】
同様に、010’がNチャネルドライバー部の薄膜トランジスタのゲイト電極である。016’が該ゲイト電極の上部に残存した陽極酸化膜である。
【0131】
同様に、010”がPチャネルドライバー部の薄膜トランジスタのゲイト電極である。016”が該ゲイト電極の上部に残存した陽極酸化膜である。
【0132】
次に、図7(A)に示すように、、再度レジストマスク021を形成する。そして、実施例1と同様に、再度の陽極酸化をゲイト電極010’、010”に行う。この陽極酸化によって、図7(A)の011’、011”、012’、012”で示される陽極酸化膜を形成する。ここで、内側に形成された陽極酸化膜012’、012”は、緻密な膜質を有している。また、外側に形成された陽極酸化膜011’、011”は多孔性の膜質を有している。
【0133】
本実施例では,レジストマスク021によって、画素マトリクス部には陽極酸化膜が形成されない。このレジストマスク021は、画素マトリクス部にとって不必要な工程から保護するために形成されている。
【0134】
次に、Pチャネルドライバー部を覆ってレジストマスク021”を形成する。そして、再びリンのドーピングを行う。ここでは、Nチャネルドライバー部のソースおよびドレインとして機能するN+ 領域を形成する条件でリンを添加する。
【0135】
この添加により図7(B)に示すように、ソースおよびドレインとして機能するN+ 領域006’を形成する。
【0136】
次に、Nチャネルドライバー部のゲイト電極010’の外側に形成された多孔性の陽極酸化膜011’を実施例1と同様に除去する。そして、もう一度リンを添加して、N− 型の低不純物領域005’を形成する。同時に、この工程でゲイト電極によって不純物が添加されなかったチャネル領域003’も同時に形成される。
【0137】
このようにして、図7(C)に示すように、Nチャネルドライバー部の半導体層にチャネル領域から順に、N− 型の低不純物領域005’と、ソースおよびドレインとして機能するN+ 領域006’と、電極とのコンタクトを形成するためのN++領域007とが形成される。
【0138】
この工程で、画素マトリクス部とPチャネルドライバー部には、レジストマスク021、021”が形成されているためリンは添加されない。
【0139】
次に、Pチャネルドライバー部のレジストマスク021”を除去した後、Nチャネルドライバー部に、新たにその全面を覆うレジストマスク021’を配置する。そしてこの状態において、ボロンのドーピングを行う。ここでは、Pチャネルドライバー部のソースおよびドレインとして機能するP+ 領域を形成するために不純物を添加する。
【0140】
こうして図8(A)に示すように、Pチャネルドライバー部にソースおよびドレインとして機能するP+ 領域006”が形成される。
【0141】
そして、ゲイト電極010”の側面に形成されている、多孔質の陽極酸化膜011”を実施例1と同様に除去する。そして、再びボロンのドーピングを行う。この工程によって、図8(B)に示すようにP− 型の低不純物領域005”と、ゲイト電極の下に形成されたチャネル領域003”とが形成される。
【0142】
次に、レジストマスク021、021’を除去し、再度のレーザー光の照射を行い注入された不純物の活性化とドーピング時に生じた結晶構造の損傷のアニールとを行う。
【0143】
本実施例に示す構成においては、Nチャネルドライバー部とPチャネルドライバー部のゲイト電極の周囲に陽極酸化膜が形成されているので、その陽極酸化膜の厚みに相当する活性層は、オフセット領域となる。
【0144】
このオフセット領域は、チャネル領域とソース領域との間、及びチャネル領域とドレイン領域との間に配置された高抵抗領域として機能する。このオフセット領域は、チャネル領域と同じ、真性または実質的に真性な導電型を有している。そして、薄膜トランジスタの動作時においては、チャネルとしても機能せず、またソースおよびドレイン領域としても機能しない高抵抗領域として機能する。
【0145】
そして、実施例1と同様の条件で、層間絶縁膜008を成膜する。そして、コンタクトホールの形成を行い、引出し電極を形成する。
【0146】
こうして、図9に示す状態を得る。ここで、014は画素マトリクス部の薄膜トランジスタ(ここではNチャネル型の薄膜トランジスタ)のソースおよびドレイン領域にコンタクトした電極である。
【0147】
ここで、014’は、Nチャネルドライバー部の薄膜トランジスタのソースおよびドレインとして機能する領域の延長にある、不純物が高濃度に添加されたN++領域とコンタクトした電極である。
【0148】
ここで、014”は、Pチャネルドライバー部の薄膜トランジスタのソースおよびドレインとして機能する領域の延長にある、不純物が高濃度に添加されたP++領域とコンタクトした電極である。
【0149】
図示していないが、この後に第2の層間絶縁膜を形成する。第2の層間絶縁膜は、ここでは再びCVD法で形成した窒化珪素を用いた。そして、第3の層間絶縁膜をポリイミドでもって形成する。ここでは、スピンコート法でもって第3層間絶縁膜を形成する。
【0150】
そして、ITO膜を100nmの厚さにスパッタ法で成膜し、これをパターニングすることにより画素電極を形成する。
【0151】
最後に350℃の水素雰囲気中において、1時間の加熱処理を行い、半導体層中の欠陥の終端を行う。
【0152】
こうして、液晶パネルを構成するTFT基板を形成させた。この後、液晶を配向させるためのラビング膜や封止材を形成し、別に作製した対向基板と貼り合わせる。そして、TFT基板と配向基板との間に液晶を充填させることにより、液晶パネルを完成させる。
【0153】
本実施例に示す構成では、トップゲイト型の構成を採っているが、本発明をボトムゲイト型の構成に応用することも有効である。
【0154】
また、本実施例では、マスク酸化珪素膜を用いずに作製したが、実施例2の如く、コンタクト領域を形成するためのドーピングの前にマスク酸化珪素膜を形成してもよい。
【0155】
〔実施例5〕
本実施例は、1度のドーピング工程で、ソースおよびドレインとして機能する領域と、不純物が高濃度に添加されたコンタクト領域とを同時に作製する例の一つである。本実施例の作製工程を図10に示す。
【0156】
実施例1と同様にして、ガラス基板001の上に島状の多結晶半導体層002を形成する。その上にゲイト絶縁膜009を形成する。そして、ゲイト電極を構成するためのアルミニウム膜019を形成して、その表面を陽極酸化することによって陽極酸化膜016を形成する。そして、陽極酸化膜の上に第1のレジストマスク013を配置する。
【0157】
こうして、図10(A)に示す状態を得る。この状態で1度目のパターニングを行う。このパターニング工程では、陽極酸化膜016とアルミニウム膜019とゲイト絶縁膜009をエッチングする。
【0158】
そして、第2のレジストマスク017を配置する。この第2のレジストマスク017は、第1のレジストマスク013よりも狭い幅であることを特徴としている。また、第2のレジストマスク017を配置するのに、第1のレジストマスクをアッシングすることにより後退させて得ることは、非自己整合プロセスよりもマスク精度が良くなり有効である。
【0159】
こうして、図10(B)に示す状態を得たら、2度目のパターニングを行う。このパターニング工程は、ゲイト絶縁膜はエッチングせずに残存させ、陽極酸化膜とアルミニウム膜をエッチングする。
【0160】
こうして、ゲイト電極が形成される。このゲイト電極に実施例1と同様の陽極酸化を行うことによって、図10(C)に示されるゲイト電極010と、多孔性の陽極酸化膜011と、緻密な膜質の陽極酸化膜012を形成する。
【0161】
この状態で、不純物のドーピングを行う。このドーピングでは、半導体層中のゲイト絶縁膜に覆われていない領域007には、ベアードープで添加される。また、ゲイト絶縁膜に覆われている領域006は、ゲイト絶縁膜009を介して注入されるスルードープであるため、添加される量は007に比べて減少する。
【0162】
即ち、不純物の添加量が減少した領域006は、ソースおよびドレインとして機能する領域となり、高濃度に添加された領域007は、ソースおよびドレイン領域と電極とのコンタクト領域となる。
【0163】
このドーピングのドーズ量は、ゲイト絶縁膜を通したスルードープで、ソースおよびドレインとして機能する領域が形成される条件且つ、ベアドープによってソースおよびドレイン領域と電極とのコンタクト領域が形成される条件で行う。この条件はゲイト絶縁膜の厚さによっても変化する。本実施例では、ゲイト絶縁膜の厚さが100nm、ドーズ量が5×1014cm−2の条件で行う。
【0164】
また、ソースおよびドレインとして機能する領域006の幅は、第1のレジストマスク013と、第2のレジストマスク17との大きさの違いと位置関係とによって決まる。
【0165】
こうして、図10(C)に示す状態を得る。その後、実施例1と同様に、ゲイト電極の側部に形成されている多孔性の陽極酸化膜011を除去する。そして、再び不純物の添加を行い図10(D)に示すように、低不純物領域005と、チャネル領域003とを形成する。
【0166】
そして、層間絶縁膜008を実施例1と同じ条件で形成する。そして、コンタクトホールを形成し、引出し電極014を形成して、図10(E)に示すように、低不純物領域を持つ絶縁ゲイト型電界効果トランジスタを形成する。
【0167】
本実施例では、ソースおよびドレインとして機能する領域006と、ソースおよびドレインと電極とのコンタクト領域007が一つの工程で作製できるため、歩留りを上げることができる。
【0168】
【発明の効果】
本明細書で開示する発明を利用することで、活性層中で、チャネル領域に近い範囲に形成されたソースおよびドレインとして機能する領域に添加する不純物を少なくできるため、不純物の回り込みによるチャネル領域の汚染を防ぐことができ、同一基板で作られたトランジスタの特性のばらつきを抑えることができる。
【0169】
さらに、同一基板の面内均一性が必要な液晶パネルに本発明の構成を用いることにより、信頼性の高いパネルを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の構成と本発明の構成の絶縁ゲイト型トランジスタの断面図。
【図2】 発明を利用した絶縁ゲイト型トランジスタの作製方法を示す図。
【図3】 発明を利用した絶縁ゲイト型トランジスタの作製方法を示す図。
【図4】 発明を利用した絶縁ゲイト型トランジスタの作製方法を示す図。
【図5】 発明を利用した絶縁ゲイト型トランジスタの作製方法を示す図。
【図6】 発明を利用した絶縁ゲイト型トランジスタの作製方法を示す図。
【図7】 発明を利用した絶縁ゲイト型トランジスタの作製方法を示す図。
【図8】 発明を利用した絶縁ゲイト型トランジスタの作製方法を示す図。
【図9】 発明を利用した絶縁ゲイト型トランジスタの作製方法を示す図。
【図10】 発明を利用した絶縁ゲイト型トランジスタの作製方法を示す図。
【符号の説明】
001 基板
002、002’、002” 活性層
003、003’、003” チャネル領域
004 ソースおよびドレイン領域
005、005’、005” 低不純物領域
006、006’、006” ソースおよびドレインとして機能する領域
007、007’、007” コンタクト領域
008 層間絶縁膜
009 ゲイト絶縁膜
010、010’、010” ゲイト電極
011、011’、011” 多孔性の陽極酸化膜
012、012’、012” 緻密な陽極酸化膜
013、013’、013” レジストマスク
014、014’、014” 引出し電極
015、015’、015” I型層
016、016’、016” 上部陽極酸化膜
017、017’、017” レジストマスク
018 マスク酸化珪素膜
019 アルミニウム膜
020、020’、020” レジストマスク
021、021’、021” レジストマスク
022 オフセット領域

Claims (8)

  1. 基板上に半導体層を形成し、
    前記半導体層上にレジストマスクを形成し、
    前記レジストマスクに覆われていない前記半導体層に不純物を添加してコンタクト領域を形成し、
    前記半導体層上にゲイト絶縁膜を形成し、
    前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成し、
    前記ゲイト電極の側面に第1の保護膜と第2の保護膜を形成し、
    前記ゲイト電極前記第1の保護膜および前記第2の保護膜をマスクとして、前記半導体層に不純物を添加してソースとして機能する領域およびドレインとして機能する領域を形成し、
    前記第2の保護膜を除去し、前記ゲイト電極および前記第1の保護膜をマスクとして、前記半導体層に不純物を添加して低濃度不純物領域を形成することを特徴とする絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法。
  2. 請求項1において、
    前記コンタクト領域を形成する際に、前記半導体層上にマスク酸化珪素膜を形成し、前記マスク酸化珪素膜を通して前記半導体層に不純物を添加することを特徴とする絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記ゲイト電極をアルミニウムで形成することを特徴とする絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法。
  4. 基板上に半導体層を形成し、
    前記半導体層上にゲイト絶縁膜を形成し、
    前記ゲイト絶縁膜上にアルミニウム膜を形成し、
    前記アルミニウム膜と前記ゲイト絶縁膜をエッチングして前記半導体層の一部を露出させ、
    前記エッチングされたアルミニウム膜をエッチングしてゲイト電極を形成し、
    前記ゲイト電極の側面に第1の保護膜と第2の保護膜を形成し、
    前記ゲイト電極、前記第1の保護膜および前記第2の保護膜をマスクとして、前記半導体層に不純物を添加してソースとして機能する領域、ドレインとして機能する領域およびコンタクト領域とを同時に形成し、
    前記第2の保護膜を除去し、前記ゲイト電極および前記第1の保護膜をマスクとして、前記半導体層に不純物を添加して低濃度不純物領域を形成することを特徴とする絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
    前記第1の保護膜および第2の保護膜は、陽極酸化膜で形成することを特徴とする絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法。
  6. 請求項5において、
    前記第1の保護膜は多孔性の膜質を有する陽極酸化膜で形成し、且つ前記第2の保護膜は緻密な膜質の陽極酸化膜で形成することを特徴とする絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
    前記コンタクト領域のシート抵抗を、1kΩ/□以下に形成することを特徴とする絶縁 ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、
    前記ソース領域として機能する領域および前記ドレイン領域として機能する領域のシート抵抗を、10kΩ/□以下に形成することを特徴とする絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法。
JP30744296A 1996-10-31 1996-10-31 絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法 Expired - Fee Related JP3776183B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30744296A JP3776183B2 (ja) 1996-10-31 1996-10-31 絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30744296A JP3776183B2 (ja) 1996-10-31 1996-10-31 絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10135474A JPH10135474A (ja) 1998-05-22
JP3776183B2 true JP3776183B2 (ja) 2006-05-17

Family

ID=17969127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30744296A Expired - Fee Related JP3776183B2 (ja) 1996-10-31 1996-10-31 絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3776183B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4982918B2 (ja) * 2000-10-13 2012-07-25 日本電気株式会社 液晶表示用基板及びその製造方法
JP3522216B2 (ja) * 2000-12-19 2004-04-26 シャープ株式会社 薄膜トランジスタおよびその製造方法ならびに液晶表示装置
JP4535921B2 (ja) * 2005-03-31 2010-09-01 東芝モバイルディスプレイ株式会社 薄膜トランジスタおよびその製造方法
US7696024B2 (en) 2006-03-31 2010-04-13 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10135474A (ja) 1998-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3274081B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法および液晶表示装置の製造方法
JPH07321338A (ja) 半導体集積回路およびその作製方法
JPH10144928A (ja) 半導体装置及びその作製方法
KR101051594B1 (ko) 표시 장치 및 표시 장치의 제조 방법
KR100928490B1 (ko) 액정표시패널 및 그 제조 방법
KR0173692B1 (ko) 박막트랜지스터의 제조방법
KR100492727B1 (ko) 포토레지스트의 잔사불량이 방지된 반도체 도핑방법 및이를 이용한 액정표시소자 제조방법
US7643101B2 (en) Polycrystalline liquid crystal display device and fabrication method thereof
JP2007311453A (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
KR100653298B1 (ko) 박막 트랜지스터의 제조 방법
JP3776183B2 (ja) 絶縁ゲイト型電界効果トランジスタの作製方法
US20030003616A1 (en) Method of manufacturing thin-film transistor, and liquid-crystal display
US6534350B2 (en) Method for fabricating a low temperature polysilicon thin film transistor incorporating channel passivation step
KR20060099870A (ko) 캡핑막을 구비하는 박막 트랜지스터 및 그 제조 방법
JP3622492B2 (ja) 薄膜半導体装置の製造方法
KR100425159B1 (ko) 폴리실리콘 박막트랜지스터의 제조방법 및 이를 적용한액정표시소자
JPH06169086A (ja) 多結晶シリコン薄膜トランジスタ
JP3358284B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP4197270B2 (ja) 半導体集積回路の作製方法
JPH07115205A (ja) 多結晶SiTFTの製造方法
JPH09133928A (ja) 液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板およびその製造方法
JPH07321337A (ja) 半導体集積回路およびその作製方法
JP4249512B2 (ja) 絶縁ゲイト型半導体装置
JP3949650B2 (ja) アクティブマトリクス型表示装置の作製方法
JP2001036097A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110303

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110303

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120303

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120303

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120303

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130303

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130303

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140303

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees