JP3773357B2 - 温水洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は温水洗浄装置に関し、特に瞬間式加熱手段を備えた温水洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な温水洗浄装置においては、所定水量の温水を貯えるとともに内蔵した加熱ヒータにて所定の水温に制御可能に構成された温水タンクを備え、洗浄時には給水手段にて温水タンク内に給水することによって温水タンク内の温水を押し出してノズル手段に向けて圧送するように構成されている。また、その温水タンク内に、水温を検知して加熱ヒータを制御するためのサーミスタや、異常水温発生時に速やかに検知して給水手段を緊急停止させる感温センサを設けたものも知られている。
【0003】
これに対して、近年は温水洗浄装置のコンパクト化と、熱効率の向上による省エネルギーを達成するために瞬間式加熱手段を備えた温水洗浄装置が提案されている。この種の温水洗浄装置としては、図4に示すような構成のものが知られている。図4において、水道端末から逆止弁61、定流量弁62を介して止水電磁弁63に給水され、洗浄時に止水電磁弁63から真空破壊弁64、水ポンプ65、流量センサ66を介して瞬間式加熱手段67に送給され、所定温度に加温された洗浄水がノズルユニット68にて局部に向けて噴射される。瞬間式加熱手段67では、その出口での湯温をサーミスタで検出してヒータ制御を行い、さらにサーモスイッチを設けて湯温が一定温度以上になるとヒータと水ポンプ65を停止させるようにして異常時にも高温の洗浄水が局部に噴射されないようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成の温水洗浄装置では、サーモスイッチが作動しない程度の短時間だけの湯温の変化によって、火傷等の恐れはないが、瞬間的に比較的高い温度の温水が噴射されることが起こり得るため、使用者に不安感や不快感を与える恐れがあるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、瞬間的な湯温の変化を緩衝して常に適切な湯温の洗浄水を噴射でき、使用者に不安感や不快感を与えることのない温水洗浄装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の温水洗浄装置は、洗浄水を局部に噴出するノズル手段と、ノズル手段に向けて洗浄水を供給する給水手段と、供給された水を瞬間的に温水に加熱する瞬間式加熱手段と、瞬間式加熱手段の出口から送出された温水を攪拌して湯温の急変を緩和する湯温緩衝手段とを備え、湯温緩衝手段のインポートの近傍に異常温度を感知する感温センサを内蔵させたものであり、ノズル手段の手前で温水が攪拌されて湯温の急変が緩和されるので、瞬間的に比較的高い温度の温水が噴射されて使用者に不安感や不快感を与えるような恐れをなくすことができ、さらにその緩衝作用では快適な湯温にできないような湯温の温水が流入したときには、直ちに感温センサにて検知でき、その検知に基づいて給水手段や加熱手段を停止するようにすることで、高い温度の温水がノズル手段から噴出されるのを確実に防止でき、常に快適かつ安全に使用できる。
【0007】
好適には、湯温緩衝手段は、インポートとアウトポートの間に緩衝室を有し、緩衝室は、適当な大きさの容積室とその入口又は出口又はその両方に形成された狭隘通路とを有し、感温センサとアウトポートの間に少なくとも1つの容積室と狭隘通路を有する構成とされ、それによって簡単でコンパクトな構成で温水が効果的に攪拌されて瞬間的な湯温の変化を確実に緩衝できるとともに、温水は感温センサにて湯温検知後に容積室で攪拌されてからノズル手段に送給されるので、高い温度の温水がノズル手段から噴出されるのを確実に防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の温水洗浄装置の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0009】
図1において、1は水道端末に接続された逆止弁で、その入口部にはストレーナ(図示せす)が内蔵され、また水抜き栓2が設けられている。逆止弁1の出口部は定流量弁3を介して止水電磁弁4に接続されている。止水電磁弁4の出口は真空破壊弁5を介してポンプモータ7にて駆動される水ポンプ6の入口に接続されている。真空破壊弁5は水ポンプ6の入口側が負圧になったときエアを導入するように構成され、またオーバーフロー水を水タンクに分岐排出するように構成されている。水ポンプ6の出口は流量センサ8を介して瞬間式加熱手段10の入口10aに接続され、流量センサ8による検出流量によってポンプモータ7を駆動制御することにより、精度良く一定流量の洗浄水を瞬間式加熱手段10に送給するように構成されている。上記逆止弁1〜流量センサ8にて給水手段9が構成されている。
【0010】
瞬間式加熱手段10は、加熱ケース11内に洗浄水が流通する蛇行水路12が設けられるとともにこの蛇行水路12に臨ませて平板状のセラミックヒータ13が配設され、出口10bに温水の温度を検出するサーミスタ14と安全用のサーモスイッチ15とが配設されている。そして、サーミスタ14の検出信号に応じてセラミックヒータ13に対する通電制御を行うことにより所定温度の温水を得るように構成されている。また、加熱ケース11の過熱を防止するため、後述の温度ヒューズ16(図3参照)が配設されている。
【0011】
瞬間式加熱手段10の出口10bから送出された温水は湯温緩衝手段17を通ってノズルユニット18に送給され、このノズルユニット18にて局部に噴射される。
【0012】
次に、湯温緩衝手段17の詳細構成を図2を参照して説明すると、インポート19とアウトポート20の間に緩衝室21が設けられている。緩衝室21は下面開放のケース22と底板23にて構成され、ケース22の一側部には筒塔部24が立設されてその上端にインポート19が設けられ、ケース22の他側部に上面にアウトポート20が設けられている。底板23の筒塔部24に対応する位置にはセンサ取付穴25が設けられるとともにシール材26が配設され、感温センサ27がセンサ取付穴25を貫通して筒塔部24内に挿入配置され、取付ビス28にて固定されている。
【0013】
感温センサ27は、磁性体のリードを有するリードスイッチの外周に互いに間隔をあけて一対のフェライトマグネット29a、29bを配設するとともにそれらの間に感温フェライト30を配設して構成されており、周囲温度に応じて感温フェライト30の飽和磁束密度が急激に変化することによってリードスイッチの接点がオンオフするように構成されており、感温動作点の精度が高くかつ感温部である感温フェライト30が直接温水に接するので応答性に優れている。
【0014】
ケース22内において、筒塔部24に連続させて感温センサ27の外周との間に適当な隙間をあけた状態で導入管31が垂下され、その下端と底板23との間の隙間によって第1の狭隘通路32が形成され、またアウトポート20のケース22内の開口をケース22側壁とで略取り囲むように横断面形状円弧状の仕切板33がケース22の上壁から垂下され、この仕切板33の両側縁及び下端とケース22の側壁及び底板23との間に形成した隙間によって第2の狭隘通路34が形成され、緩衝室21内の第1と第2の狭隘通路32、34間の空間にて第1の容積室35が、第2の狭隘通路34とアウトポート20間の空間にて比較的小さい第2の容積室36が構成されている。
【0015】
次に、上記感温センサ27及びサーモスイッチ15等による安全制御構成を図3を参照して説明すると、電源37に対して温水噴出スイッチ及びセラミックヒータ13に対する通電と連動するトライアック38と止水電磁弁4と感温センサ27と温度ヒューズ16とサーモスイッチ15が直列に接続されており、感温センサ27と温度ヒューズ16とサーモスイッチ15の何れが絶たれても止水電磁弁4に対する通電が停止して直ちに給水が停止されるように構成されている。さらに、止水電磁弁4の両端電圧を検出する検出手段39が設けられ、その検出信号によってポンプモータ7に対して通電制御するトランジスタ40がオンし、両端電圧が無くなるとトランジスタ40がオフし、従って止水電磁弁4が開くとポンプモータ7が駆動され、閉じるとポンプモータ7も同時に停止するように構成されている。
【0016】
なお、感温センサ27とサーモスイッチ15と温度ヒューズ16の作動温度は、この順に順次高くなるように設定されており、最も感度のよい感温センサ27がまず作動し、二次安全装置としてサーモスイッチ15が作動してセラミックヒータ13への通電を停止し、最終安全装置として温度ヒューズ16が切れるように構成されている。
【0017】
以上の構成において、温水噴出スイッチがオンされると、止水電磁弁4が開くとともに水ポンプ6が作動して瞬間式加熱手段10に洗浄水が送給され、瞬間式加熱手段10でサーミスタ14による検出温度に応じてて通電制御されるセラミックヒータ13にて洗浄水が所定温度に加温され、さらに湯温緩衝手段17を介してノズルユニット18から局部に噴出される。その際に、湯温緩衝手段17にてノズルユニット18の手前で温水が攪拌されて湯温の急変が緩和されるので、瞬間的に比較的高い温度の温水が噴射されて使用者に不安感や不快感を与えるような恐れをなくすことができ、常に快適な使用感が得られる。
【0018】
特に、その湯温緩衝手段17において、インポート19とアウトポート20の間の緩衝室21室に、第1の狭隘通路32と、第1の容積室35と、第2の狭隘通路34と、第2の容積室36を順次設けているので、簡単でコンパクトな構成で温水が2段階で効果的に攪拌され、瞬間的な湯温の変化を確実に緩衝することができる。
【0019】
更に、湯温緩衝手段17において、異常温度を感知する感温センサ27をインポート19と第1の狭隘通路32の間に配設しているので、上記のような緩衝作用では快適な湯温にできないような湯温の温水が流入したときに、直ちにこれを検知してその検知に基づいて給水手段9や瞬間式加熱手段10を停止することができ、快適かつ安全に使用でき、さらに温水は湯温検知後に第1と第2の容積室35、36で攪拌されてからしかノズルユニット18に送給されないので、ノズルユニット18から高い温度の温水が噴出されるのを確実に防止できる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の温水洗浄装置によれば、以上の説明から明らかなように、瞬間式加熱手段とノズル手段との間に温水を攪拌して湯温の急変を緩和する湯温緩衝手段を介装するとともに、その湯温緩衝手段のインポートの近傍に異常温度を感知する感温センサを内蔵させたので、ノズル手段の手前で温水を攪拌して湯温の急変を緩和でき、瞬間的に比較的高い温度の温水が噴射されて使用者に不安感や不快感を与えるような恐れをなくすことができ、さらにその緩衝作用では快適な湯温にできないような湯温の温水が流入したときには、直ちに感温センサにて検知でき、その検知に基づいて給水手段や加熱手段を停止するようにすることで、高い温度の温水がノズル手段から噴出されるのを確実に防止でき、常に快適かつ安全に使用できる。
【0021】
また、湯温緩衝手段をインポートとアウトポートの間に適当な大きさの容積室とその入口又は出口又はその両方に形成された狭隘通路とを有する緩衝室を設けて構成し、感温センサとアウトポートの間に少なくとも1つの容積室と狭隘通路を有する構成とすると、簡単でコンパクトな構成で温水を効果的に攪拌して瞬間的な湯温の変化を確実に緩衝できるとともに、温水は感温センサにて湯温検知後に容積室で攪拌されてからノズル手段に送給されるので、高い温度の温水がノズル手段から噴出されるのを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温水洗浄装置の一実施形態の全体概略構成図である。
【図2】同実施形態の湯温緩衝手段を示し、(a)は平面図、(b)は(c)のB−B矢視断面図、(c)は(a)のA−A矢視断面図である。斜視図である。
【図3】同実施形態における要部の制御回路図である。
【図4】従来例の温水洗浄装置の概略構成図である。
【符号の説明】
9 給水手段
10 瞬間式加熱手段
17 湯温緩衝手段
18 ノズルユニット
19 インポート
20 アウトポート
21 緩衝室
27 感温センサ
32 第1の狭隘通路
34 第2の狭隘通路
35 第1の容積室
36 第2の容積室
Claims (2)
- 洗浄水を局部に噴出するノズル手段と、ノズル手段に向けて洗浄水を供給する給水手段と、供給された水を瞬間的に温水に加熱する瞬間式加熱手段と、瞬間式加熱手段の出口から送出された温水を攪拌して湯温の急変を緩和する湯温緩衝手段とを備え、湯温緩衝手段のインポートの近傍に異常温度を感知する感温センサを内蔵させたことを特徴とする温水洗浄装置。
- 湯温緩衝手段は、インポートとアウトポートの間に緩衝室を有し、緩衝室は、適当な大きさの容積室とその入口又は出口又はその両方に形成された狭隘通路とを有し、感温センサとアウトポートの間に少なくとも1つの容積室と狭隘通路を有することを特徴とする請求項1記載の温水洗浄装置。
Priority Applications (1)
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JP17074998A JP3773357B2 (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | 温水洗浄装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17074998A JP3773357B2 (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | 温水洗浄装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000001897A JP2000001897A (ja) | 2000-01-07 |
JP3773357B2 true JP3773357B2 (ja) | 2006-05-10 |
Family
ID=15910684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17074998A Expired - Lifetime JP3773357B2 (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | 温水洗浄装置 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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JP4701602B2 (ja) * | 2003-11-12 | 2011-06-15 | パナソニック株式会社 | トイレ装置 |
-
1998
- 1998-06-18 JP JP17074998A patent/JP3773357B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2000001897A (ja) | 2000-01-07 |
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