JP4627772B2 - 温水洗浄装置 - Google Patents

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本発明は温水洗浄装置に関し、特に瞬間式加熱手段を備えた温水洗浄装置に関するものである。
従来の一般的な温水洗浄装置においては、所定水量の温水を貯えるとともに内蔵した加熱ヒータにて所定の水温に制御可能に構成された温水タンクを備え、洗浄時には給水手段にて温水タンク内に給水することによって温水タンク内の温水を押し出してノズル手段に向けて圧送するように構成されている。また、その温水タンク内に、水温を検知して加熱ヒータを制御するためのサーミスタや、異常水温発生時に速やかに検知して給水手段を緊急停止させる感温センサを設けたものも知られている。
これに対して、近年は温水洗浄装置のコンパクト化と、熱効率の向上による省エネルギーを達成するために瞬間式加熱手段を備えた温水洗浄装置が提案されている。この種の温水洗浄装置としては、図5に示すような構成のものが知られている。図5において、水道端末から逆止弁61、定流量弁62を介して止水電磁弁63に給水され、洗浄時に止水電磁弁63から真空破壊弁64、水ポンプ65、流量センサ66を介して瞬間式加熱手段67に送給され、所定温度に加温された洗浄水がノズルユニット68にて局部に向けて噴射される。瞬間式加熱手段67では、その出口での湯温をサーミスタで検出してヒータ制御を行い、さらにサーモスイッチを設けて湯温が一定温度以上になるとヒータと水ポンプ65を停止させるようにして異常時にも高温の洗浄水が局部に噴射されないようにされている。
しかしながら、上記従来の構成の温水洗浄装置では、サーモスイッチが作動しない程度の高温の温水がノズルユニットに供給されて、火傷等の恐れはないが比較的高い温度の温水が噴射されることが起こり得るため、使用者に不安感や不快感を与える恐れがあるという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、常に適切な湯温の洗浄水を噴射でき、使用者に不安感や不快感を与えることのない温水洗浄装置を提供することを目的としている。
発明の温水洗浄装置は、洗浄水を局部に噴出するノズル手段と、前記ノズル手段に向けて洗浄水を供給する給水手段と、供給された水を瞬間的に温水に加熱する瞬間式加熱手段と、前記瞬間式加熱手段の出口から送出された温水を攪拌して湯温の急変を緩和する湯温緩衝手段と、前記湯温緩衝手段に内蔵され前記ノズル手段に供給される温水の異常温度を感知する感温センサと、前記瞬間式加熱手段から出る温水の温度を検出するサーモスイッチと、前記瞬間式加熱手段の過熱を防止する温度ヒューズと、を備え、前記感温センサとサーモスイッチと温度ヒューズの何れかが絶たれた場合、前記給水手段と前記瞬間式加熱手段を停止するものであり、感温センサとサーモスイッチと温度ヒューズの何れが絶たれても給水手段と瞬間式加熱手段が停止されるので、3段階で安全が確保され、常に快適かつ安全に使用することができる。さらに温水は湯温感知後に湯温緩衝手段で撹拌されてからしかノズル手段に送給されないので、ノズル手段から高い温度の温水が噴出されるのを確実に防止して、常に適切な湯温の洗浄水を噴射できて使用者に不安感や不快感を与える恐れをなくすことができ、常に快適な使用感が得られる。
本発明の温水洗浄装置によれば、以上の説明から明らかなように、ノズル手段に供給される温水の異常温度を感知する感温センサと、瞬間式加熱手段から出る温水の温度を検出するサーモスイッチと、瞬間式加熱手段の過熱を防止する温度ヒューズを備え、感温センサとサーモスイッチと温度ヒューズの何れかが絶たれた場合、給水手段と瞬間式加熱手段を停止するようにしたので、3段階で安全が確保され、かつ温水は温水緩衝手段により攪拌してからしかノズル手段に給送されないようにしたので、常に快適かつ安全に使用することができる。
以下、本発明の温水洗浄装置の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1において、1は水道端末に接続された逆止弁で、その入口部にはストレーナ(図示せす)が内蔵され、また水抜き栓2が設けられている。逆止弁1の出口部は定流量弁3を介して止水電磁弁4に接続されている。止水電磁弁4の出口は真空破壊弁5を介してポンプモータ7にて駆動される水ポンプ6の入口に接続されている。真空破壊弁5は水ポンプ6の入口側が負圧になったときエアを導入するように構成され、またオーバーフロー水を水タンクに分岐排出するように構成されている。水ポンプ6の出口は流量センサ8を介して瞬間式加熱手段10の入口10aに接続され、流量センサ8による検出流量によってポンプモータ7を駆動制御することにより、精度良く一定流量の洗浄水を瞬間式加熱手段10に送給するように構成されている。上記逆止弁1〜流量センサ8にて給水手段9が構成されている。
瞬間式加熱手段10は、加熱ケース11内に洗浄水が流通する蛇行水路12が設けられるとともにこの蛇行水路12に臨ませて平板状のセラミックヒータ13が配設され、出口10bに温水の温度を検出するサーミスタ14と安全用のサーモスイッチ15とが配設されている。そして、サーミスタ14の検出信号に応じてセラミックヒータ13に対する通電制御を行うことにより所定温度の温水を得るように構成されている。また、加熱ケース11の過熱を防止するため、後述の温度ヒューズ16(図3参照)が配設されている。
瞬間式加熱手段10の出口10bから送出された温水は湯温緩衝手段17を通ってノズルユニット18に送給され、このノズルユニット18にて局部に噴射される。
次に、湯温緩衝手段17の詳細構成を図2を参照して説明すると、インポート19とアウトポート20の間に緩衝室21が設けられている。緩衝室21は下面開放のケース22と底板23にて構成され、ケース22の一側部には筒塔部24が立設されてその上端にインポート19が設けられ、ケース22の他側部に上面にアウトポート20が設けられている。底板23の筒塔部24に対応する位置にはセンサ取付穴25が設けられるとともにシール材26が配設され、感温センサ27がセンサ取付穴25を貫通して筒塔部24内に挿入配置され、取付ビス28にて固定されている。
感温センサ27は、磁性体のリードを有するリードスイッチの外周に互いに間隔をあけて一対のフェライトマグネット29a、29bを配設するとともにそれらの間に感温フェライト30を配設して構成されており、周囲温度に応じて感温フェライト30の飽和磁束密度が急激に変化することによってリードスイッチの接点がオンオフするように構成されており、感温動作点の精度が高くかつ感温部である感温フェライト30が直接温水に接するので応答性に優れている。
ケース22内において、筒塔部24に連続させて感温センサ27の外周との間に適当な隙間をあけた状態で導入管31が垂下され、その下端と底板23との間の隙間によって第1の狭隘通路32が形成され、またアウトポート20のケース22内の開口をケース22側壁とで略取り囲むように横断面形状円弧状の仕切板33がケース22の上壁から垂下され、この仕切板33の両側縁及び下端とケース22の側壁及び底板23との間に形成した隙間によって第2の狭隘通路34が形成され、緩衝室21内の第1と第2の狭隘通路32、34間の空間にて第1の容積室35が、第2の狭隘通路34とアウトポート20間の空間にて比較的小さい第2の容積室36が構成されている。
次に、上記感温センサ27及びサーモスイッチ15等による安全制御構成を図3を参照して説明すると、電源37に対して温水噴出スイッチ及びセラミックヒータ13に対する通電と連動するトライアック38と止水電磁弁4と感温センサ27と温度ヒューズ16とサーモスイッチ15が直列に接続されており、感温センサ27と温度ヒューズ16とサーモスイッチ15の何れが絶たれても止水電磁弁4に対する通電が停止して直ちに給水が停止されるように構成されている。さらに、止水電磁弁4の両端電圧を検出する検出手段39が設けられ、その検出信号によってポンプモータ7に対して通電制御するトランジスタ40がオンし、両端電圧が無くなるとトランジスタ40がオフし、従って止水電磁弁4が開くとポンプモータ7が駆動され、閉じるとポンプモータ7も同時に停止するように構成されている。
なお、感温センサ27とサーモスイッチ15と温度ヒューズ16の作動温度は、この順に順次高くなるように設定されており、最も感度のよい感温センサ27がまず作動し、二次安全装置としてサーモスイッチ15が作動してセラミックヒータ13への通電を停止し、最終安全装置として温度ヒューズ16が切れるように構成されている。
以上の構成において、温水噴出スイッチがオンされると、止水電磁弁4が開くとともに水ポンプ6が作動して瞬間式加熱手段10に洗浄水が送給され、瞬間式加熱手段10でサーミスタ14による検出温度に応じてて通電制御されるセラミックヒータ13にて洗浄水が所定温度に加温され、さらに湯温緩衝手段17を介してノズルユニット18から局部に噴出される。その際に、湯温緩衝手段17にてノズルユニット18の手前で温水が攪拌されて湯温の急変が緩和されるので、瞬間的に比較的高い温度の温水が噴射されて使用者に不安感や不快感を与えるような恐れをなくすことができ、常に快適な使用感が得られる。
特に、その湯温緩衝手段17において、インポート19とアウトポート20の間の緩衝室21室に、第1の狭隘通路32と、第1の容積室35と、第2の狭隘通路34と、第2の容積室36を順次設けているので、簡単でコンパクトな構成で温水が2段階で効果的に攪拌され、瞬間的な湯温の変化を確実に緩衝することができる。
更に、湯温緩衝手段17において、異常温度を感知する感温センサ27をインポート19と第1の狭隘通路32の間に配設しているので、上記のような緩衝作用では快適な湯温にできないような湯温の温水が流入したときに、直ちにこれを検知してその検知に基づいて給水手段9や瞬間式加熱手段10を停止することができ、快適かつ安全に使用でき、さらに温水は湯温検知後に第1と第2の容積室35、36で攪拌されてからしかノズルユニット18に送給されないので、ノズルユニット18から高い温度の温水が噴出されるのを確実に防止できる。
上記実施形態では、湯温緩衝手段17に感温センサ27を内蔵した例を示したが、例えば図4に示すように感温センサを設けていない構成を参考例として挙げることができる。図4の湯温緩衝手段においては、上面開放の略直方体状の箱体43とその上面開口を閉鎖する蓋板44にて緩衝室42が構成され、その蓋板44にインポート45とアウトポート46が並列して立設されている。蓋板44にはインポート45に連続させて導入管47が垂下され、その下端と箱体43の内底面との間の隙間によって第1の狭隘通路48が形成され、またアウトポート46の緩衝室42内の開口を箱体43角部側壁とで略取り囲むように横断面形状L字状の仕切板49が蓋板44から垂下され、この仕切板49の両側縁及び下端と箱体43の側壁及び内底面との間に形成した隙間によって第2の狭隘通路50が形成され、緩衝室42内の第1と第2の狭隘通路48、50間の空間にて第1の容積室51が、第2の狭隘通路50とアウトポート46間の空間にて比較的小さい第2の容積室52が構成されている。
以上の構成においても、インポート45から流入した温水は、第1の狭隘通路48から第1の容積室51に流出する際に温水が攪拌され、更に第2の狭隘通路50を通って第2の容積室52に流出する際に再度攪拌された後アウトポート46から流出するので、瞬間的に比較的高い温度の温水が流入してもその前後の温水と攪拌混合されて流出することによって湯温の急変が確実に緩和され、ノズルユニット18から瞬間的に比較的高い温度の温水が噴射されて使用者に不安感や不快感を与えるような恐れをなくすことができ、常に快適な使用感を得ることができる。
本発明の温水洗浄装置の一実施形態の全体概略構成図である。 同実施形態の湯温緩衝手段を示し、(a)は平面図、(b)は(c)のB−B矢視断面図、(c)は(a)のA−A矢視断面図である。斜視図である。 同実施形態における要部の制御回路図である。 本発明の温水洗浄装置の参考例の湯温緩衝手段を示し、(a)は平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は縦断面図である。 従来例の温水洗浄装置の概略構成図である。
符号の説明
9 給水手段
10 瞬間式加熱手段
15 サーモスイッチ
16 温度ヒューズ
18 ノズルユニット
27 感温センサ

Claims (1)

  1. 洗浄水を局部に噴出するノズル手段と、
    前記ノズル手段に向けて洗浄水を供給する給水手段と、
    供給された水を瞬間的に温水に加熱する瞬間式加熱手段と、
    前記瞬間式加熱手段の出口から送出された温水を攪拌して湯温の急変を緩和する湯温緩衝手段と、
    前記湯温緩衝手段に内蔵され前記ノズル手段に供給される温水の異常温度を感知する感温センサと、
    前記瞬間式加熱手段から出る温水の温度を検出するサーモスイッチと、
    前記瞬間式加熱手段の過熱を防止する温度ヒューズと、
    を備え、
    前記感温センサとサーモスイッチと温度ヒューズの何れかが絶たれた場合、前記給水手段と前記瞬間式加熱手段を停止することを特徴とする温水洗浄装置。
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