JP3773306B2 - 被破壊物の破壊方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電による衝撃エネルギーを用いた被破壊物の破壊方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放電による衝撃エネルギーを用いてコンクリート構造物や岩石などの被破壊物を破壊する方法は、金属細線を介して互いに接続した一対の電極をコンデンサーに接続し、被破壊物に装着孔を穿ち、この装着孔に水や油などの破壊用物質を注入するとともに電極を装着し、コンデンサーに充電蓄積した電気エネルギーを短時間で金属細線に放電供給することにより、金属細線を急激に溶融蒸発させるとともに破壊用物質を気化させ、その際の膨張力で被破壊物を破壊させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記被破壊物の破壊方法では、被破壊物の破壊時に、装着孔の開口端部は自由面となっているので、破壊用物質を気化の際の衝撃力が逃げ、従って、破壊効率の低下が生じてしまっていた。
【0004】
そこで本発明は、上記課題を解決し得る被破壊物の破壊方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題を解決するための手段は、金属細線を介して互いに接続した一対の電極をコンデンサーに接続し、被破壊物に装着孔を穿ち、金属細線を装着孔に装着するとともに破壊用物質中に浸漬し、装着孔に、その径方向に拡大可能な円柱状の弾性蓋部材を装着し、この弾性蓋部材を押圧装置で装着孔の深さ方向に押圧した状態で、コンデンサーに充電蓄積した充電電圧による電気エネルギーを金属細線に短時間で放電供給することにより金属細線を急激に溶融蒸発させて破壊用物質を気化させ、その際の衝撃圧力および当該衝撃圧力による弾性蓋部材の装着孔の径方向への拡大により、被破壊物を破壊させるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
本発明の実施の形態に係る破壊方法は、宅地造成地の岩盤破壊および岩石の小割り作業、あるいはトンネルの仕上げ破壊やコンクリート構造物などの被破壊物H1の解体に用いられるものである。
【0007】
そしてこの破壊方法に用いる破壊装置1における破壊プローブ1Aは、図4に示すように、プラスチックゴム(合成ゴム)や防水処理紙あるいはガラスから形成され被破壊物H1に形成した装着孔20aに装着する破壊容器2に、発生衝撃力伝達用の破壊用物質(例えば水などが用いられる)3が充填され、破壊容器2の封入栓2aに、一対の電極4の端子5に接続した導線6が挿通され、電極4どうしの途中は、保持具7によって、離間距離を一定に保持され、先端部どうしに金属細線(例えばCuからなる)8が溶接などにより接続され、前記破壊用物質3に浸漬されている。
【0008】
また破壊装置1には、図3に示すように、金属細線8に電極4を介して電気エネルギーを供給するための、エネルギー供給装置9が設けられている。
このエネルギー供給装置9は、電極4の端子5間に接続された電源装置10と、この電源装置10と端子5間に並列接続されたコンデンサー13と、コンデンサー13と電源装置10との間に接続して図示しない充電スイッチおよび充電抵抗器を備えた充電制御用の制御装置11と、この制御装置11とコンデンサー13および端子5の間に接続された放電スイッチ12とから構成されている。
【0009】
また、図1に示すように、本発明の実施の形態では、装着孔20aの入口部に嵌合する合成ゴムなどから形成される封入部材(弾性蓋部材)25が設けられ、この封入部材25は、負荷のない状態で装着孔20aよりわずかに小径に形成した円柱状に形成され、この封入部材25を装着孔20aの深さ方向に押圧するための押圧装置(例えばエアシリンダ装置、油圧シリンダ装置などが用いられる)が設けられ、この押圧装置には封入部材25に当接するロッド部26が設けられている。
【0010】
上記のように構成した破壊装置1において、予め所定のドリルで装着孔20aを形成しておき、一方で破壊容器2の内部に破壊用物質3を注入し、電極4間に金属細線8を取付け、金属細線8を破壊用物質3に浸漬する。
【0011】
このようにした破壊プローブ1Aを、装着孔20aに装着し、その後封入部材25で装着孔20aに蓋をする。
一方で、金属細線8の端子5に接続したエネルギー供給装置9のコンデンサー13に、制御装置11の充電スイッチをオンすることにより電気エネルギーを蓄積しておく。
【0012】
そして、押圧装置を駆動してロッド部26を封入部材25に当接して、所定の押圧力で封入部材25を装着孔20aの深さ方向に押圧した状態を維持しておく。
【0013】
続いて、コンデンサー13に蓄積した電気エネルギーを放電スイッチ12をオンして金属細線8に供給すると、電気エネルギーが短時間で金属細線8に供給され、金属細線8が急激に溶融気化するとともに、破壊用物質3が急激に気化し、その際に発生する衝撃圧力で被破壊物H1が破壊されたり脆弱化する。
【0014】
この破壊の際の衝撃圧力は、装着孔20aの開口端部に向けても働き、封入部材25を押し出そうとするが、封入部材25は、押圧装置のロッド部26により装着孔20aの深さ方向に押圧されているので押し出されず、封入部材25は衝撃圧力によって装着孔20aの径方向に拡大し、衝撃圧力が装着孔20aの開口端部から逃げるのを防止し、封入部材25が装着孔20aの径方向に拡大する際に、その膨張力が装着孔20aの径方向に働き、衝撃圧力と相まって、被破壊物H1を確実に破壊したり脆弱化させたりすることができる。
【0015】
また、従来のように、衝撃圧力が装着孔20aの開口端部から逃げる場合は破壊時の騒音が増大するが、本発明の実施の形態によると、衝撃圧力が装着孔20aの開口端部から逃げるのを防止することができるので、破壊時の騒音の低下を実現することができた。
【0016】
具体的には、従来の破壊時の騒音が100dBだったのを、本発明の実施の形態によれば、90dB以下に低下させることができた。
このように、本発明の実施の形態によれば、被破壊物H1の破壊時に、破壊プローブ1Aを装着した装着孔20aの開口端部で、封入部材25を装着孔20aの深さ方向に押圧しているので、衝撃圧力が装着孔20aの開口端部から逃げるのを確実に防止することができ、従って、破壊効率を向上させることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明は、コンデンサーに充電蓄積した電気エネルギーを金属細線に短時間で放電供給することにより金属細線を急激に溶融蒸発させて破壊用物質を気化させ、その際の膨張力で被破壊物を破壊させる際に、円柱状の弾性蓋部材を装着孔の開口端部に嵌めて、これを押圧装置で装着孔の深さ方向に押圧するようにしたので、衝撃圧力の発生時に弾性蓋部材が装着孔の径方向に拡大して装着孔を密閉するので、衝撃圧力が装着孔の開口端部から逃げるのを確実に防止して、しかもその衝撃圧力と当該衝撃圧力による弾性蓋部材の装着孔の径方向に働く力とによって、被破壊物の破壊を確実にしたり脆弱化させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す破壊装置の破壊プローブを装着して封入部材をロッド部で装着孔の深さ方向に押圧した状態の断面図である。
【図2】同じく衝撃圧力発生時に封入部材が拡大した状態の断面図である。
【図3】同じく破壊装置の全体構成図である。
【図4】同じく破壊プローブの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 破壊装置
1A 破壊プローブ
2 破壊容器
3 破壊用物質
4 電極
8 金属細線
9 エネルギー供給装置
10 電源装置
11 制御装置
12 放電スイッチ
13 コンデンサー
20a 装着孔
25 封入部材
26 ロッド部
H1 被破壊物
Claims (1)
- 金属細線を介して互いに接続した一対の電極をコンデンサーに接続し、被破壊物に装着孔を穿ち、金属細線を装着孔に装着するとともに破壊用物質中に浸漬し、装着孔に、その径方向に拡大可能な円柱状の弾性蓋部材を装着し、この弾性蓋部材を押圧装置で装着孔の深さ方向に押圧した状態で、コンデンサーに充電蓄積した充電電圧による電気エネルギーを金属細線に短時間で放電供給することにより金属細線を急激に溶融蒸発させて破壊用物質を気化させ、その際の衝撃圧力および当該衝撃圧力による弾性蓋部材の装着孔の径方向への拡大により、被破壊物を破壊させることを特徴とする被破壊物の破壊方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP22192896A JP3773306B2 (ja) | 1996-08-23 | 1996-08-23 | 被破壊物の破壊方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JPH1061209A JPH1061209A (ja) | 1998-03-03 |
JP3773306B2 true JP3773306B2 (ja) | 2006-05-10 |
Family
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Family Applications (1)
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JP22192896A Expired - Fee Related JP3773306B2 (ja) | 1996-08-23 | 1996-08-23 | 被破壊物の破壊方法 |
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JP (1) | JP3773306B2 (ja) |
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1996
- 1996-08-23 JP JP22192896A patent/JP3773306B2/ja not_active Expired - Fee Related
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