JP3772233B2 - 凍結解凍耐性ゼリー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、凍結解凍耐性に優れたゼリーに関するものである。
【0002】
本発明のゼリーは、冷凍後解凍しても弾力性及び保型性が保持され、また解凍後の離水が実質的に認められず、更に冷凍時の食感にも優れ、解凍すると凍結前の元の食感と変わらぬゼリーの食感を回復するものである。
【0003】
【従来の技術】
従来のゼリーの多くは、常温、又は0〜10℃の低温で流通されており、この冷蔵状態での流通販売においては日持ちが悪く、冷凍輸送・冷凍販売できるゼリーの開発が求められている。
【0004】
また、消費者のニーズの多様性に伴い、冷凍時でも喫食できるゼリーというものも求められており、冷凍・解凍後も離水・ゲルの破壊が起こらないゼリーの開発が求められていた。
【0005】
ところが、多くのゼリーは一旦凍らせると氷結晶が析出してザクザクとした食感が伴い、ゼリーとしての食感を著しく失ってしまう。また、これらの製品は、寒天、ゼラチン、カラギナン等を用いて製品化されているが、これらのゼリーは、一旦凍結し、再び解凍するとゲル組織中に包含されていた水がゲル組織を破壊し、凍結前の弾力性及び保型性を失わせてしまう。その結果、離水が生じると共に、ゼリーの強度は減少し、著しい場合にはゲルの破壊を引き起こしてしまう。
【0006】
そこで、耐冷凍性を有するゼリー配合として、種々のものが報告されているが、(特公昭48−7785号公報、特公昭48−15631号公報、特開昭50−36666号公報、特公昭61−21058号公報等)が、これらのゼリーは解凍時の離水は抑制されているものの、弾力性と保型性に欠け、ゼリーとしての食感を失ってしまうという欠点がある。また、その他にも冷凍時の食感を改善するために種々の検討がなされているが、十分な結果が得られていない状況である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたもので、冷凍解凍によっても離水がなく、弾力性、保型性が保持され、冷凍時、解凍時の両方で良好な食感を維持する凍結解凍耐性のゼリーを提供することを目的とする。別の観点から、本発明は、ネイティブジェランガムの、ゼリー等のゲル状組成物に対する凍結解凍耐性付与剤としての用途を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、ネイティブジェランガムをゲル化剤として使用することにより、得られたゼリーが優れた凍結解凍耐性を有し、上記目的を解決することを見出して本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明はネイティブジェランガムを含むことを特徴とする凍結解凍耐性ゼリーである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるネイティブジェランガムは、グルコース2分子、グルクロン酸1分子及びラムノース1分子を構成単位とする多糖類(分子量約60〜70万)であるジェランガム(特開昭55−79397号)の脱アシル処理前の前駆体として得られる微生物起源の高分子多糖類(融点及び固化点:65〜70℃)である。
【0011】
当該ネイティブジェランガムは、一般に微生物の培養によって生産される。
【0012】
具体的には、シュードモナス・エロデア(Pseudomonas elodea:ATCC31461)又はその同等の菌株を、例えばグルコース3%、KH4NO3 0.05%、MgSO4・7H2O 0.01%、NH4NO3 0.09%及び窒素源として有機成分を少量含む液体培地に接種し、これを好気的条件下で30℃程度、約50時間培養して得られる培養物から菌体表面に生産された粘質物を、脱アシル処理することなくそのまま単離・回収することによって製造する方法が例示される。
【0013】
ネイティブジェランガムは天然に起源を有するものであるため、用いる産生微生物や精製条件によっては、その構造も微妙に変わりうる。従って、本発明で用いられるネイティブジェランガムは、特定の構造式(Sanderson,G.R., FOOD GELS, ed. Peter Harris, Elsevier Science Publishers LTD., England, 1990, p.204)に基づいて一義的に限定されることなく、上記方法に従って微生物(ATCC31461)により産生されるネイティブジェランガムの性質を有するものであればよい。
【0014】
本発明のゼリーは、上記ネイティブジェランガムをゼリー全重量(100重量部)に対して、通常0.1〜3重量%、好ましくは0.15〜2重量%含むことが望ましい。
【0015】
本発明のゼリーの調製方法は、特に制限されないが、例えば、水にネイティブジェランガムの全量を入れ80℃で10分間撹拌しながら溶解させた後、10℃に冷却してゼリーを調製する方法が例示される。
【0016】
本発明のゼリーは、凍結・解凍によって内部に包含される水分含量は殆ど変わらない。このため、内部に含まれる成分の濃度(例えば、糖濃度)も変化せず、凍結・解凍によってそれらの成分が溶けきれなくなり析出するということは殆どない。従って、本発明のゼリーには、糖類や果汁、乳成分、ワイン、カカオ成分等の種々のフレーバーを添加することにより、製品に甘み、風味及び香気を付けることができ、また必要に応じて果肉や煮た小豆等を配合することもできる。
【0017】
かくして得られたゼリーは、冷凍した状態であってもシャリシャリとした良好な食感を保持しているため、好みに応じて冷凍後そのまま食することも可能である。また、凍結保存によって品質を長期間保持することができる上に、その後解凍しても、ゼリー強度、外観、食感、保水性等において凍結前と殆ど変わらない性質を有しているので、凍結状態で保存し或いは流通させ、次いで凍結のまま若しくは解凍して市場に提供することが可能である。
【0018】
尚、凍結方法及び解凍方法には特に限定されず、ゼリーを−18℃のフリーザーに入れて凍結させる方法、室温放置や電子レンジで急速解凍する方法等、通常の方法を広く用いることができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例及び比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0020】
実施例1
水80重量部にネイティブジェランガム1重量部、砂糖12重量部、クエン酸0.2重量部を入れ、80℃で10分間撹拌して溶解させ全量を100重量部に調整した後、容器に注入し、10℃に冷却してゼリーを調製した。
【0021】
このゼリーを−18℃のフリーザーに1晩入れて凍結させた後、室温で放置して解凍する、という凍結・解凍工程を10回繰り返したが、凍結前と比較して、ゼリーの強度、食感に変化はなく、離水もほとんど認められなかった。
【0022】
比較例1
実施例1において、ネイティブジェランガムの代わりにジェランガム0.5重量部、乳酸カルシウム0.3重量部を用いて、同様にゼリーを調製し、1回だけ凍結・解凍工程を実施したところ、全重量の3分の1以上の多量の離水があり、ゼリーの組織がぼろぼろになって、もろくなり、食感に著しい劣化が認められた。
【0023】
比較例2
実施例1において、ネイティブジェランガムの代わりにカッパカラギナン1重量部を用いて、同様にゼリーを調製し、1回だけ凍結・解凍工程を実施したところ、全重量の4分の1以上の多量の離水があり、ゼリーの組織がぼろぼろになって、もろくなり、食感に著しい劣化が認められた。
Claims (3)
- ネイティブジェランガムを含むゼリーを凍結して調製される凍結解凍耐性ゼリー。
- ネイティブジェランガムを含むゼリーを凍結後、解凍して調製される凍結解凍耐性ゼリー。
- ネイティブジェランガムを含むことを特徴とする、ゼリーに対する凍結解凍耐性付与剤。
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JP2007185187A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-07-26 | Sanei Gen Ffi Inc | 低カロリーゼリーの調製方法 |
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1996
- 1996-12-27 JP JP34941796A patent/JP3772233B2/ja not_active Expired - Lifetime
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