JP3771210B2 - 電気複合めっき浴及び電気複合めっき方法 - Google Patents

電気複合めっき浴及び電気複合めっき方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気複合めっき浴及び電気複合めっき方法に関する。更に詳しくは、金属めっき皮膜中にフッ素樹脂等の水不溶性材料を複合共析させることが可能な電気複合めっき浴及び電気複合めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気めっき浴中に、フッ素樹脂、ナイロン、ポリエチレン、黒鉛、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素等の微粒子や短繊維を分散させて電気複合めっき浴とし、このめっき浴に被めっき体を浸漬させて電気めっきを行うことにより、電気的に金属皮膜を還元析出させるとともにこの金属皮膜中に微粒子や短繊維を共析させ、金属マトリックス中に上記微粒子等を分散させた複合めっき皮膜を得る手段が知られている。
【0003】
例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の微粒子を電気ニッケルめっき浴中に分散した複合めっき浴を用いることにより、ニッケルめっき皮膜中にPTFE微粒子が分散したニッケル/PTFE複合めっき皮膜を得ることができることが知られており、このニッケル/PTFE複合めっき皮膜は、ニッケル金属の諸物性とともに、PTFEの有する低摩擦性や非粘着性を併せ持っためっき皮膜となる。
【0004】
ところで、PTFEに代表されるフッ素樹脂や、黒鉛、フッ化黒鉛などの微粒子は、その高い撥水性や疎水性のために、直接一般のめっき浴中に分散させることができず、これら微粒子が均一に分散しためっき皮膜を得ることは非常に困難であった。そこで、めっき浴に上記微粒子の他、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤を分散助剤として配合し、微粒子を分散させた複合めっき浴が広く使用されている。
【0005】
例えば、PTFEに代表されるフッ素樹脂や、黒鉛、フッ化黒鉛等の、撥水性や疎水性が高い微粒子に対する分散助剤としては、フッ素含有カチオン性界面活性剤が好適とされてきた(特開昭49−5832号公報、特開昭52−56147号公報、特開昭52−56026号公報、特開昭54−159343号公報、特開昭50−21299号公報等)。この中でも、分子内にC−F結合のパーフルオロアルキル基(フルオロ炭素型)を持つフッ素含有カチオン性界面活性剤が分散助剤として高い性能を有しているとされ、当該界面活性剤が広く使用されていた。
【0006】
しかし、電気複合めっき浴においては、添加する界面活性剤の種類や添加量により、めっき時の液攪拌や揺動による影響を受けやすくなるため、めっき皮膜の部分的な外観の黒色化や未析出部が発生し、皮膜が不均一となって皮膜性能を低下させるという問題があった。また、界面活性剤の使用により、めっき皮膜の高電流密度部分にコゲが発生し易くなることから、めっき皮膜の性能を著しく低下させることもあった。従って、通常のめっき作業においては、めっき液循環等の液攪拌や液の流動方向及び流動速度に注意する必要があり、これが作業効率を大幅に低下させてしまう原因ともなっていた。特に、複雑な形状の被めっき物では、この問題が著しかった。
【0007】
前記したフッ素含有カチオン性界面活性剤を使用した場合においても、電気めっき時に高電流密度部分にコゲが発生し易く、皮膜性能を著しく低下させるという問題があり、液循環等の液攪拌や液の流動方向及び流動速度に注意して作業を行わなければならず、作業効率の低下は甘受せざるを得なかった。
【0008】
更に、フッ素含有カチオン性界面活性剤の多くは、次の式(II)で表される化合物、その塩またはその誘導体であるが、近年、式(II)の化合物が人体や環境に対して有害であるということが判明したため、かかる界面活性剤の使用及び製造は禁止されつつある。
【0009】
【化2】
Rf−SO −Y ……(II)
(式中、Rfはフッ素置換アルキル基またはアルケニル基、Yはアミド基、水酸基またはハロゲンをそれぞれ示す)
【0010】
一方、フッ素を含有しないカチオン性界面活性剤を用い、PTFEに代表されるフッ素樹脂や、黒鉛等の、撥水性、疎水性が強い微粒子を分散させた電気複合めっき浴が報告されている(特公平4−28797号公報等)。また、フッ素を含有しない界面活性剤と、フッ素樹脂等のフッ素化合物以外の水不溶性材料を使用した複合めっき浴も報告されている(特開昭52−130434号公報等)。この報告によれば、フッ素含有界面活性剤だけでなく、フッ素を含有しないカチオン性界面活性剤も微粒子の分散には有効であるとしている。更に、必要に応じて、水不溶性材料の微粒子を疎水性の有機化合物で被覆した後、前記疎水性の有機化合物に対し親和性を有するカチオン性界面活性剤を使用する手段等の報告もされていた(特公平52−25375公報、特公昭52−41733公報等)。
【0011】
しかしながら、これらの界面活性剤も、前記したフッ素含有カチオン性界面活性剤以上にめっき時の液攪拌や揺動による影響を受け易くなるため、黒色の外観ムラやめっき皮膜の未析出が発生し易く、また微粒子の分散安定性や皮膜中の微粒子共析量の安定性にも問題があった。更に、一般には、カチオン性界面活性剤は、腐蝕性が高くかつ生分解性も良くないという環境上の問題もあり、めっき浴の環境面への配慮も必要とされていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、めっき浴中にフッ素樹脂等の撥水性ないし疎水性の微粒子を添加しても、これらが電気めっき時の液攪拌や揺動による影響を受けにくくし、めっき皮膜の黒色化や外観ムラやめっき皮膜の未析出等の問題の発生を防止する手段の提供が求められていた。そしてこの手段は、同時に、めっき浴中においては微粒子分散を安定し、めっき皮膜中では微粒子共析量が安定で良好であり、高電流密度部分においてコゲが発生を防止できることや、人体に対する安全性が高く、環境面においても優れたものであるような電気複合めっき浴を提供するものであることが求められていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する化合物を電気複合めっき浴中に含有させることにより、かかる課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち本発明は、界面活性剤、金属イオン及び水不溶性材料を含有する複合めっき浴において、界面活性剤として下記式(I)で示される化合物を含有せしめたことを特徴とする電気複合めっき浴を提供するものである。
【化3】
Figure 0003771210
(式中、Rは炭素数7〜20のアルキル基を、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシル基を、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシル基を示し、nは1〜6の整数を示す)
【0015】
また本発明は、被めっき体を上記電気複合めっき浴に浸漬し、電気めっきすることを特徴とする電気複合めっき方法を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本明細書において、「電気複合めっき浴」とは、水不溶性材料を金属めっき浴中に分散させためっき浴のことをいい、また、「電気複合めっき」とは、電気めっきにより、該材料と金属を被めっき体の表面に共析せしめ、金属のもつ物性と水不溶性材料のもつ物性を同時に奏させることが可能なめっき皮膜を形成することをいう。
【0017】
本発明の電気複合めっき浴は、上記したように、特定の界面活性剤、金属イオン及び水不溶性物質を基本めっき浴組成として含有するものである。
【0018】
本発明の電気複合めっき浴において使用される界面活性剤は、下記式(I)で表される化合物である。
【化4】
Figure 0003771210
(式中、Rは炭素数7〜20のアルキル基を、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシル基を、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシル基を示し、nは1〜6の整数を示す)
【0019】
式(I)で表される化合物は、電気めっき浴中の酸性度が酸性から弱酸性の条件下において、実質的にカチオン性を示すという特徴をもつ両性界面活性剤である。
【0020】
この化合物(I)は、構造中に脂肪酸アミドアルキル基を有するものであるが、この脂肪酸部分(R−CO−)は、炭素数が8から21の脂肪酸から導かれたものであり、具体的な例としては、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸から導かれたものが挙げられる。
【0021】
この脂肪酸部分としては、Rで示されるアルキル部分が長いものの方が、電気めっき時における液攪拌や揺動による影響を受けにくくなるため、部分的な外観の黒色化やめっき皮膜の未析出部の発生、皮膜の不均一性の発生及び高電流密度部分におけるコゲの発生を防止ないし抑制することができるという点で好ましい。例えば、ラウリン酸から導いた脂肪酸部分を有するよりもアルキル鎖の長いミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸や、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等を含有するヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等から導いた脂肪酸部分を有するものを用いることにより、液攪拌や揺動による影響を受けにくくすることができる。
【0022】
一方、化合物(I)の基R、R における、炭素数1〜6のアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等が、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基の例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル等が、炭素数1〜6のアルコキシル基の例としては、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、ブトキシル、ペンチルオキシル、ヘキシルオキシル等がそれぞれ挙げられるが、化合物が容易に入手できる等の理由から、低級アルキル基、特にメチル基であることが好ましい。
【0023】
本発明の電気複合めっき浴における界面活性剤としての化合物(I)の使用濃度は、めっき浴の組成において、5000mg/L以下であることが好ましく、20〜1000mg/Lであることがより好ましい。
【0024】
また、本発明の電気複合めっき浴には、化合物(I)のほか、本発明の効果を損なわない範囲で他の種類の界面活性剤、例えばカチオン性界面活性剤や、めっき浴の水素イオン条件下で実質的にカチオン性を示す両性界面活性剤を添加することができる。このような界面活性剤としては、具体的にはラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(例えば、コータミン24:花王(株)製)やジメチルアルキルベタイン(例えば、ニッサンアノンBF:日本油脂(株)製)等が挙げられ、その一種を単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
更に、本発明の電気複合めっき浴には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤(例えばエマルゲン109P:花王(株)製)等の非イオン性界面活性剤や、アルキルアリルポリエーテルスルホン酸ナトリウム(例えばTRITON X−200:UNION CARBIDE社製)等のアニオン性界面活性剤等のそれぞれ一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】
本発明の電気複合めっき浴においては、界面活性剤としての上記化合物(I)のほか、通常の電気複合めっき浴に配合される金属イオンや水不溶性材料が使用される。
【0027】
本発明の電気複合めっき浴で使用することができる金属イオンとしては、ニッケルイオン、コバルトイオン、銅イオン、金イオン、銀イオン、鉄イオン、パラジウムイオン、白金イオン、スズイオン、タングステン、亜鉛イオン、クロムイオン及びロジウムイオン等が挙げられる。これらの金属イオン源としては、スルファミン酸塩、硫酸塩や塩化物等、水溶性の金属塩を用いることができる。電気複合めっき浴中のこれら金属イオンの濃度は、通常使用されうる濃度とすればよいが、一般に、めっき浴組成において0.1〜1000g/Lが好ましく、1.0〜500g/Lがより好ましい。
【0028】
また、本発明の電気複合めっき浴に用いられる水不溶性材料としては、一般に複合めっきに使用されるものであれば特に制限はなく、電気複合めっき浴の種類や該めっきにより得られるめっき皮膜の用途に応じて適宜選定することができ、これらの水不溶性材料は、一種類を単独で使用してもよく、また、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0029】
本発明は、特に、撥水性ないし疎水性の水不溶性材料を使用する場合において有効である。このような、撥水性ないし疎水性の水不溶性材料としては、例えばPTFE、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ピッチ等のフッ素樹脂や、フッ素化合物、ナイロン、ポリエチレン、黒鉛、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、酸化チタン、二酸化ケイ素、アルミナ、炭化ケイ素等を例示することができる。
【0030】
更に、これらの水不溶性材料は、微粒子状であっても短繊維状であっても良いが、微粒子状の形態であることが好ましい。微粒子状である場合の粒子径も、電気複合めっき浴中で適度に分散し、めっき皮膜において金属マトリックス中に共析しうる程度の粒子径のものであれば特に制限はないが、一般には100μm以下、好ましくは0.1〜10μmの大きさのものを使用すればよい。また、短繊維状である場合は、長さが100μm以下、好ましくは5〜100μm程度であることが好ましい。
【0031】
なお、PTFEの微粒子としては、ルブリカントL−170J、L−172J(ともに旭硝子(株)製)、ルブロンL−2、L−5(ともにダイキン工業(株)製)、ゾニールMP−1100、MP−1200、TLP−10F−1(全てデュポン社製)等の商品名で市販されているので、これらを用いることもできる。
【0032】
本発明の電気複合めっき浴における上記水不溶性材料の含有量は、めっき浴の組成において1000g/L以下であることが好ましく、1〜300g/Lであることがより好ましい。
【0033】
本発明の電気複合めっき浴の調製は、上記した各成分を混合する等、通常の手段を用いて行えばよい。
【0034】
なお、本発明の電気複合めっき浴には、上記した基本成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲において、電気複合めっきに使用される添加剤を任意成分として適宜加えることができる。
【0035】
この添加剤としては、例えば、光沢化剤、平滑化剤、湿潤剤、応力減少剤などが挙げられ、スルホン酸基等を有する硫黄化合物や、単結合または多重結合を有し、かつヒドロキシ基やカルボニル基、カルボキシル基等を有する有機化合物(例えば、ブチンジオールに代表される多価アルコール類等や、ポリエチレングリコールに代表されるポリエーテル化合物等)、単結合または多重結合を有し、かつアミノ基、ニトロ基またはアゾ基等の一種若しくは二種以上を有する窒素化合物(例えば、ヤヌスグリーンBに代表されるフェナンジン系染料等)が、上記した金属イオンの用途に応じて使用される。例えば、ニッケルめっきを実施する場合にあっては、サッカリンやブチンジオールなど、通常電気めっきに使用されているめっき光沢剤を使用することができる。
【0036】
また、金属めっき皮膜の電気的還元において、金属の還元雰囲気および金属めっき界面でめっき皮膜を効率的かつ均一に析出させることができるpH緩衝剤を必要に応じて使用することができる。具体的には、ホウ酸やホウ砂等のホウ素化合物、クエン酸やマロン酸等の有機酸等の、通常電気めっきに使用されているpH緩衝剤等が挙げられる。
【0037】
更に、亜りん酸、亜りん酸ナトリウム、次亜りん酸、次亜りん酸ナトリウム等のリン供与物質を、めっき皮膜の外観向上、内部応力緩和、硬さ物性向上などのめっき皮膜の物性向上を目的として適宜使用することができる。
【0038】
かくして調製される本発明の電気複合めっき浴を用いて電気複合めっきを実施するには、通常の電気めっきで用いられる手段に従えばよく、例えば、水不溶性材料が均一に分散された電気複合めっき浴に、被めっき体を浸漬させ、電気めっきすることにより、被めっき体の表面に、水不溶性材料が均一に分散された複合めっき皮膜を形成させることができる。
【0039】
電気複合めっきを実施するにあたっては、被めっき体に対して、油分除去のための脱脂や酸化皮膜除去のための酸活性等の前処理を施しておくことが好ましい。特に、被めっき体が導電性を有しないものである場合等には、エッチングやキャタライジング等による触媒付与や、無電解めっき、スパッタリングや蒸着等の前処理を施し、被めっき体に導電性を付与しておくことが好ましい。
【0040】
電気複合めっきを実施する場合のめっき条件は、特に制約はなく、通常の複合めっきの場合と同様にすればよい。
【0041】
例えば、めっき時の陰極電流密度は、めっき浴中の金属イオンの濃度やその種類により適宜決定され、該金属めっき浴で通常設定される電流密度を用いればよいが、一般に、0.05〜20A/dm程度とし、1〜10A/dmとすることが好ましい。また、めっき浴のpHを1〜7程度とし、3〜5とすることが好ましい。更に、めっき浴の浴温を、10〜80℃程度とすればよく、20〜60℃とすることがより好ましい。
【0042】
更にまた、必要により電気複合めっき浴を攪拌したり、被めっき体を揺動等させることにより、電気複合めっきを効率よく行なうことができ、また、めっき皮膜の外観及び物性を優れたものとして、本発明の効果を十分に発揮させることができるので好ましい。これらの電気複合めっき浴の攪拌手段や被めっき体の揺動手段等に関しては、通常用いられる手段を適宜行なえばよい。
【0043】
以上説明した本発明の電気複合めっき方法において、好ましい態様の一つとしては、例えば、水不溶性材料としてPTFEを含有する下記組成の電気ニッケル複合めっき浴を使用した電気めっき方法が挙げられる。
【0044】
この方法では、被めっき体として、常法により前処理が施された鋼板(例えば、ブライト鋼板(SPCC−SB))を用意し、これを浴温30〜70℃、pHを4〜5とした下記組成の電気ニッケル複合めっき浴に浸漬し、陰極の電流密度を0.5〜10A/dmとして10分程度めっきすることにより、被めっき体の表面部に、厚さが1ないし20μmのNi/PTFEの複合めっき皮膜を形成することができる。また、その際におけるPTFEの共析量は、めっき皮膜に対して数ないし約40容量%となる。
【0045】
( 電気複合めっき浴組成 )
成 分 濃 度
スルファミン酸ニッケル 350〜600g/L
塩化ニッケル 5〜90g/L
ホウ酸(pH緩衝剤) 30〜50g/L
光沢剤 適 量
脂肪酸アミドプロピルベタイン 20〜1000mg/L
(界面活性剤)
PTFE 1〜100g/L
(水不溶性材料:平均粒子径約0.3μm)
【0046】
なお、本発明の電気複合めっき浴を用いて電気複合めっきを行なうにあたっては、めっきの進行によって水不溶性材料がめっき皮膜中に共析するにつれて、電気複合めっき浴中の水不溶性材料の濃度が低下することとなる。従って、本発明の効果を十分に発揮させるように電気めっきを行うには、連続的に、または適当な間隔ごとに該水不溶性材料を補給して、めっき浴中の水不溶性材料の濃度を上記した一定範囲内に保つようにすることが好ましい。
【0047】
【実施例】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0048】
実 施 例 1
めっき浴に対するPTFEの分散性の確認:
下記の電気複合めっき浴組成において、表1に示される11種類の界面活性剤(参考品1〜11)をそれぞれ添加して、本発明品1〜6及び比較品1〜5の電気複合めっき浴を調製した。
【0049】
( 電気複合めっき浴組成 )
成 分 濃 度
スルファミン酸ニッケル 400g/L
塩化ニッケル 40g/L
ホウ酸 40g/L
サッカリン(光沢剤) 適量
表1に記載の界面活性剤 500mg/L
PTFE*1 20g/L
(平均粒子径:約0.3μm)
*1:ゾニールMP−1100(デュポン社製)
【0050】
( 使用した界面活性剤 )
【表1】
Figure 0003771210
【0051】
これらの11種類の電気複合めっき浴について、スルファミン酸水溶液あるいは炭酸ニッケルを用いて、めっき浴のpHを4.2に調整した後、めっき浴の温度を50℃(このめっき浴の使用温度に相当する)まで上昇させた。このめっき浴を1L容のビーカーに取り、30分間放置した後の、水不溶性材料であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の分散状態を比較・評価した。結果を表2に示す。
【0052】
( 結 果 )
【表2】
Figure 0003771210
【0053】
表2の結果より、本発明品1〜6及び比較品1〜3の電気複合めっき浴中のPTFEは、めっき浴を50℃まで加温した場合であっても良好な分散を示すことが示された。一方、比較品4及び5の電気複合めっき浴では、めっき浴の調整後間もなくPTFEの凝集が発生し、めっき浴に対するPTFEの分散性が悪いことが確認された。
【0054】
実 施 例 2
電気複合めっき試験(1):
被めっきサンプルとして、真鍮板(サイズ:60mm×100mm×0.3mm)を用いた。このサンプルに対し、マーベライトMプロセス(荏原ユージライト(株))を用いて、下記の条件に従い下地めっきとして電気光沢ニッケルめっきを施した。
【0055】
( 下地めっき条件 )
めっき浴のpH(注) : 4.5(注)
めっき浴の温度 : 55℃
めっき時間 : 10分
攪拌条件 : 空気攪拌
陰極電流密度 : 4A/dm
(注)硫酸水溶液もしくは炭酸ニッケルを用いてpHを調整した
【0056】
上記のようにしてサンプルに対して下地めっきを施した後、実施例1で調製した本発明品1〜6及び比較品1〜3の電気複合めっき浴を用いて、下記のめっき条件にてハルセル試験を行い、めっき皮膜の外観と高電流密度部のコゲの発生状態を観察した。
【0057】
Figure 0003771210
【0058】
実 施 例 3
電気複合めっき試験(2):
被めっきサンプルとして、ステンレス板(サイズ:60mm×100mm×0.3mm)を用いた。このサンプルに対し、まず、実施例2で示した手段により下地めっきを施した後、実施例1で調製した本発明品1〜6及び比較品1〜3の電気複合めっき浴を用いて、下記のめっき条件にて電気複合めっきを行い、めっき皮膜のPTFE共析量を測定した。
【0059】
Figure 0003771210
【0060】
実施例2及び3により得られた電気複合めっき後のサンプルに対し、めっき皮膜の外観、高電流密度部分でのコゲの発生状態、PTFEの共析量について、それぞれ下記の評価基準により判定した。結果を表3に表す。
【0061】
( 評価基準:めっき皮膜外観)
ハルセル試験後のサンプル外観を目視にて確認した。
Figure 0003771210
【0062】
( 評価基準:高電流密度部分のコゲの発生 )
ハルセル試験後のサンプルの下から30mmの位置での、高電流密度側端面からのコゲの発生距離を測定した。
Figure 0003771210
【0063】
(評価基準:PTFEの共析量)
Figure 0003771210
【0064】
( 結 果 )
【表3】
Figure 0003771210
【0065】
表3の結果からわかるように、本発明品1〜6の複合めっき浴を使用しためっきサンプルの皮膜外観は良好であり、また、高電流密度部分でのコゲの発生も防止ないし抑制されているものであった。さらに、めっき皮膜のPTFE共析量も十分なレベルであった。
【0066】
一方、比較品1の複合めっき浴を用いてめっきを行ったサンプルは、皮膜の外観及びPTFE共析量は良好であるが、高電流密度部分でのコゲの発生が著しかった。また、比較品2及び3は、高電流密度部分でのコゲの発生は抑制されてはいるが、皮膜外観は不均一であり、かつ、十分なPTFE共析量が得られなかった。
【0067】
【発明の効果】
本発明の電気複合めっき浴は、めっき浴中に水不溶性材料の微粒子が均一に分散し、また、めっきにおけるめっき皮膜中の微粒子の共析量も優れたものであり、かつ、高電流密度部分のコゲの発生を防止ないし抑制することができるものである。従って、本発明の電気複合めっき浴によれば、めっき皮膜に良好な外観を与えるとともに優れた機能性を付与することができる。更に、使用される界面活性剤は易生分解性を示し、刺激性も少ないため、人体や環境に配慮したものであり、安全面や環境面にも優れたものである。
【0068】
従って、本発明の電気複合めっき浴及び電気複合めっき方法は、シャフト、軸受け、メタルマスク、スライドレール、ベアリング、ボルト、ナット、金型、アイロンベース、アイロン台、鋸、鋏、カッターや包丁等の工業用または家庭用品、天板等の調理器具用部材、キッチンバッグ等の台所用品並びに台所部材、水道蛇口などの水洗金具全般、水道やガスのコック部品全般等の電気複合めっきとして、有利に使用することができる。
以 上

Claims (7)

  1. 界面活性剤、金属イオン及び水不溶性材料を含有する複合めっき浴において、界面活性剤として下記式(I)で示される化合物を含有せしめたことを特徴とする電気複合めっき浴。
    Figure 0003771210
    (式中、Rは炭素数7〜20のアルキル基を、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシル基を、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシル基を示し、nは1〜6の整数を示す)
  2. 式(I)で示される化合物が、ヤシ油脂肪酸及び/またはパーム核油脂肪酸から選ばれる脂肪酸から導かれた化合物である請求項第1項記載の電気複合めっき浴。
  3. 水不溶性材料が、撥水性ないし疎水性の微粒子である請求項第1項ないし第2項記載の電気複合めっき浴。
  4. 水不溶性材料が、フッ素樹脂もしくはフッ素化合物、ナイロン、ポリエチレン、黒鉛、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、酸化チタン、二酸化ケイ素、アルミナ及び炭化ケイ素からなる群より選ばれた材料で形成された微粒子である請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載の電気複合めっき浴。
  5. 水不溶性材料が、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子である請求項第1項ないし第4項の何れかの項記載の電気複合めっき浴。
  6. 金属イオンが、ニッケルイオン、コバルトイオン、銅イオン、金イオン、銀イオン、鉄イオン、パラジウムイオン、白金イオン、スズイオン、タングステンイオン、亜鉛イオン、クロムイオン及びロジウムイオンよりなる群から選ばれた一種または二種以上である請求項第1項ないし第5項の何れかの項記載の電気複合めっき浴。
  7. 被めっき体を請求項第1項ないし第6項の何れかの項記載の電気複合めっき浴に浸漬し、電気めっきすることを特徴とする電気複合めっき方法。
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