JPWO2010101212A1 - 銅−亜鉛合金電気めっき浴およびこれを用いためっき方法 - Google Patents
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Abstract
つきまわりが向上した銅−亜鉛合金めっき被膜を形成することができる銅−亜鉛合金電気めっき浴およびこれを用いためっき方法を提供する。下記式(I)〜(III)(ここで、R1は低級アルキレン基、R2はHまたは低級アルキル基であり、重量平均分子量が103〜105である。)で表わされる化合物からなる群から選択される少なくとも一種を添加剤として含む銅−亜鉛合金電気めっき浴である。これら添加物を単独で用いてもよいが、2種以上を併用することもできる。
Description
本発明は銅−亜鉛合金電気めっき浴およびこれを用いためっき方法に関し、詳しくは、つきまわりが向上した銅−亜鉛合金めっき被膜を形成することができる銅−亜鉛合金電気めっき浴およびこれを用いためっき方法に関する。
現在、銅−亜鉛合金めっきは、金属製品、プラスチック製品、セラミック製品等に真鍮色の金属光沢および色調を与えるため、装飾めっきとして工業的に広く用いられている。しかし、従来のめっき浴はシアン化合物を多量に含んでいるため、その毒性が大きな問題となっており、また、含シアン化合物廃液の処理負担も大きなものであった。
かかる解決手段として、今日、シアン化合物を用いない銅−亜鉛合金めっき方法が多数報告されている。例えば、逐次めっきは、黄銅めっきを被めっき製品に施すための実際的な方法であり、かかる方法においては、電着によって銅めっき層と亜鉛めっき層が被めっき製品表面に順次めっきされ、ついで、熱拡散工程が施される。逐次黄銅めっきの場合、ピロりん酸銅めっき溶液と酸性の硫酸亜鉛めっき溶液が通常使用されている(例えば、特許文献1)。
一方、銅−亜鉛を同時にめっきする方法として、シアン化合物を含まない銅−亜鉛合金電気めっき浴も報告されており、酒石酸浴や錯化剤としてヒスチジン添加のピロりん酸カリウム浴が提案されている(例えば、特許文献2)。
上述のシアン化合物を含まないピロリン酸浴は、銅めっきにおいてはつきまわりがよいことが知られているが、銅−亜鉛合金めっきにおいては十分なつきまわりを得ることができなかった。すなわち、銅−亜鉛合金めっき被膜を得ることはできるが、めっき被膜にやけが発生しやすく、つきまわりが悪いため(ムラが発生しやすいため)、微小な領域ではめっきが付着していないという問題があった。
そこで本発明の目的は、つきまわりが向上した銅−亜鉛合金めっき被膜を形成することができる銅−亜鉛合金電気めっき浴およびこれを用いためっき方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、酸性電気銅めっきに多く利用されている添加剤を添加することで、ピロリン酸めっき浴においてもつきまわりが改善され、表面粗さを低減することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴は、下記式(I)〜(III)
(ここで、R1は低級アルキレン基、R2はHまたは低級アルキル基であり、重量平均分子量が103〜105である。)
で表わされる化合物からなる群から選択される少なくとも一種を添加剤として含むことを特徴とするものである。
(ここで、R1は低級アルキレン基、R2はHまたは低級アルキル基であり、重量平均分子量が103〜105である。)
で表わされる化合物からなる群から選択される少なくとも一種を添加剤として含むことを特徴とするものである。
本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴においては、前記式(I)と、前記式(II)および/または前記式(III)で表わされる化合物を添加剤として含むことが好ましく、また、ハロゲンイオンを含有することが好ましく、さらに、銅塩と、亜鉛塩と、ピロリン酸アルカリ金属塩と、アミノ酸およびその塩から選ばれた少なくとも一種とを含むことが好ましく、さらにまた、アルカリ金属水酸化物塩およびアルカリ土類金属水酸化物塩から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。また、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴においては、前記添加剤の添加量が1〜5000mg/Lであることが好ましく、さらに、pHが8〜14の範囲であることが好ましく、さらにまた、前記アミノ酸がヒスチジンであることが好ましく、さらにまた、硝酸イオンを含むことが好ましい。
また、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき方法は、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴を用いて、陰極電流密度を0.5A/dm2〜14A/dm2の範囲内で電気めっき処理をおこなうことを特徴とするものである。
さらに、本発明の金属コードは、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき方法によりめっき処理された金属ワイヤからなることを特徴とするものである。
本発明によれば、つきまわりが向上した銅−亜鉛合金めっき被膜を形成することができる銅−亜鉛合金電気めっき浴およびこれを用いためっき方法を提供することが可能となり、また、銅−亜鉛合金めっき被膜の表面粗さパラメータが低減した金属コードを得ることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴は、下記式(I)〜(III)
(ここで、R1は低級アルキレン基、R2はHまたは低級アルキル基であり、重量平均分子量が103〜105である。)
(以下、「ポリオキシアルキレン誘導体」とも称する。)
(ビス(3−スルフォプロピル)ジスルフィドジナトリウム、以下、「SPS」とも称する。)で表わされる化合物のうち少なくとも一種を添加剤として含むことが肝要である。JGB、ポリオキシアルキレン誘導体またはSPSを銅−亜鉛合金電気めっき浴の添加剤として用いることにより、銅−亜鉛合金めっき被膜のつきまわりを向上させることが可能となる。なお、ポリオキシアルキレン誘導体としては、例えば、ポリエチレングリコールを好適に用いることができる。また、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、3000〜8000であることが好ましい。
本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴は、下記式(I)〜(III)
(ここで、R1は低級アルキレン基、R2はHまたは低級アルキル基であり、重量平均分子量が103〜105である。)
(以下、「ポリオキシアルキレン誘導体」とも称する。)
(ビス(3−スルフォプロピル)ジスルフィドジナトリウム、以下、「SPS」とも称する。)で表わされる化合物のうち少なくとも一種を添加剤として含むことが肝要である。JGB、ポリオキシアルキレン誘導体またはSPSを銅−亜鉛合金電気めっき浴の添加剤として用いることにより、銅−亜鉛合金めっき被膜のつきまわりを向上させることが可能となる。なお、ポリオキシアルキレン誘導体としては、例えば、ポリエチレングリコールを好適に用いることができる。また、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、3000〜8000であることが好ましい。
これら添加剤は単独で用いてもよいが、2種以上を併用することもできる。例えば、JGBとポリオキシアルキレン誘導体および/またはSPSを同時に添加することができる。
上記添加剤の添加量は、好適には、それぞれ1〜5000mg/Lである。添加剤の添加量が1mg/L未満であると、添加剤を加えた効果を得ることができず、一方、5000mg/Lを超えると、銅−亜鉛合金めっき被膜のつきまわりがかえって悪化してしまうためである。より好適には、JGBの場合は100〜1000mg/Lの範囲であり、ポリオキシアルキレン誘導体およびSPSの場合は10〜1000mg/Lの範囲である。
また、ポリオキシアルキレン誘導体を添加剤として用いる場合には、ハロゲンイオンを含有していることが好ましい。ハロゲンイオンを添加することにより、本発明の効果を良好に得ることができる。ハロゲンイオンとしては塩化物イオンが好ましく、その添加量は5mg/L〜500mg/Lである。
上記添加剤は、銅塩と、亜鉛塩と、ピロリン酸アルカリ金属塩と、アミノ酸およびその塩から選ばれた少なくとも一種とを含む銅−亜鉛合金電気めっき浴に好適に適用することができる。
銅塩としては、めっき浴の銅イオン源として公知のものであればいずれも使用可能であり、例えば、ピロりん酸銅、硫酸銅、塩化第2銅、スルファミン酸銅、酢酸第2銅、塩基性炭酸銅、臭化第2銅、ギ酸銅、水酸化銅、酸化第2銅、りん酸銅、ケイフッ化銅、ステアリン酸銅、クエン酸第2銅等を挙げることができ、これらのうち1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
亜鉛塩としては、めっき浴の亜鉛イオン源として公知のものであればいずれも使用可能であり、例えば、ピロりん酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、スルファミン酸亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、りん酸亜鉛、ケイフッ化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、乳酸亜鉛等を挙げることができ、これらのうち1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
なお、めっき浴に溶解している銅および亜鉛の和は0.03〜0.30mol/Lの範囲であることが好ましい。0.03mol/L未満であると銅の析出が優先されてしまい、良好な銅−亜鉛合金めっき被膜を得ることが難しくなる。一方、0.30mol/Lを超えるとめっき被膜の表面に光沢が得られなくなってしまう。
また、ピロりん酸アルカリ金属塩としては、公知のものであればいずれでも使用可能であり、例えば、ピロりん酸カリウムやピロリン酸ナトリウム等が挙げられる。
さらに、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴に使用するアミノ酸またはその塩の濃度は0.08mol/L〜0.22mol/Lであり、好ましくは0.10mol/L〜0.13mol/Lの範囲である。アミノ酸またはその塩の濃度が0.08mol/L未満であると、高電流密度とした場合、均一な銅−亜鉛合金めっき被膜が得られず、一方、アミノ酸またはその塩の濃度が0.22mol/Lを超えると合金めっき被膜の銅の組成が高くなってしまい、やはり目的とする組成の均一な銅−亜鉛合金めっき被膜が得られなくなる。
アミノ酸としては、公知のものであればいずれでも使用可能であり、例えば、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トレオニン、セリン、プロリン、トリプトファン、ヒスチジン等のα−アミノ酸若しくはその塩酸塩、ナトリウム塩等を挙げることができ、好ましくはヒスチジンである。なお、これらのうち1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
さらにまた、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴には、硝酸イオンが含まれていることも好ましい。めっき浴中においては下記式(IV)、(V)
2H++2e− → H2 (IV)
NO3 −+H2O+2e− → NO2 −+2OH− (V)
に表される反応が起こっているものと考えられる。硝酸イオンが存在しない条件では、式(IV)の反応が金属の析出と競争的に進行するため、水素ガスが発生し電極表面に付着する。その結果、その部位への金属イオンの供給が阻害されることとなり、所定時間めっき処理しためっき層では表面のラフネスが増大し、めっき層の内部も疎となり、均一なめっき被膜が得られなくなる。一方、硝酸イオンがめっき浴中に存在すると、式(IV)の反応よりも、式(V)の反応が優先して金属の析出とともに進行する。ここで、式(V)の生成物はNO2 −であることから速やかに電極表面から脱離するため、金属の析出を妨げることはない。そのため、所定時間めっき処理を施した被めっき対象物の表面は平滑であり、得られるめっき被膜も密なものとなると考えられる。なお、本発明においては、用いられる硝酸塩は特に制限されるものではなく、公知の硝酸塩であれば、いずれでも用いることができる。
2H++2e− → H2 (IV)
NO3 −+H2O+2e− → NO2 −+2OH− (V)
に表される反応が起こっているものと考えられる。硝酸イオンが存在しない条件では、式(IV)の反応が金属の析出と競争的に進行するため、水素ガスが発生し電極表面に付着する。その結果、その部位への金属イオンの供給が阻害されることとなり、所定時間めっき処理しためっき層では表面のラフネスが増大し、めっき層の内部も疎となり、均一なめっき被膜が得られなくなる。一方、硝酸イオンがめっき浴中に存在すると、式(IV)の反応よりも、式(V)の反応が優先して金属の析出とともに進行する。ここで、式(V)の生成物はNO2 −であることから速やかに電極表面から脱離するため、金属の析出を妨げることはない。そのため、所定時間めっき処理を施した被めっき対象物の表面は平滑であり、得られるめっき被膜も密なものとなると考えられる。なお、本発明においては、用いられる硝酸塩は特に制限されるものではなく、公知の硝酸塩であれば、いずれでも用いることができる。
本発明のめっき浴における硝酸イオンの濃度は、0.001〜0.050mol/Lの範囲であることが好ましい。硝酸イオン濃度が0.050mol/Lを超えると、硝酸イオンの還元反応によって電流が多く消費されてしまい、めっき被膜形成に利用される電流が減少してしまうため、めっき被膜の生産性が低下してしまう。一方、硝酸イオン濃度が0.001mol/L未満では、水素発生の抑制が十分でなくなり、硝酸イオン添加の効果を良好に得ることができなくなってしまう。
さらにまた、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴は、pHを8〜14とすることが好ましい。pHが8未満であると、光沢のある均一な銅−亜鉛合金被膜が得られず、一方、pHが14を超えると電流効率が低下してしまう。また、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴のpH調整には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物および水酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物を好適に用いることができ、好ましくは水酸化カリウムである。
次に本発明の銅−亜鉛合金電気めっき方法について説明する。
本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴を用いためっき方法は、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴を使用し、0.5A/dm2〜14A/dm2という広範な電流密度にてめっき処理をおこなうものである。本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴を使用して、銅−亜鉛合金電気めっきを施すに際しては、通常の電気めっき方法を採用することができる。例えば、浴温20〜40℃程度で、無攪拌下あるいは機械攪拌下又は空気攪拌下で電気めっきをすればよい。この際、陽極としては、通常の銅−亜鉛合金の電気めっきに用いられるものであれば、いずれも使用できる。本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴を用いることにより、0.5A/dm2〜14A/dm2以下という広範な電流密度にてめっき処理をおこなうことが可能となり、従来よりも生産性よく光沢のある均一な銅−亜鉛合金めっき被膜を形成することが可能となる。
本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴を用いためっき方法は、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴を使用し、0.5A/dm2〜14A/dm2という広範な電流密度にてめっき処理をおこなうものである。本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴を使用して、銅−亜鉛合金電気めっきを施すに際しては、通常の電気めっき方法を採用することができる。例えば、浴温20〜40℃程度で、無攪拌下あるいは機械攪拌下又は空気攪拌下で電気めっきをすればよい。この際、陽極としては、通常の銅−亜鉛合金の電気めっきに用いられるものであれば、いずれも使用できる。本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴を用いることにより、0.5A/dm2〜14A/dm2以下という広範な電流密度にてめっき処理をおこなうことが可能となり、従来よりも生産性よく光沢のある均一な銅−亜鉛合金めっき被膜を形成することが可能となる。
上記電気めっき処理をおこなう前に、被めっき体には、常法に従ってバフ研磨、脱脂、希酸浸漬等の通常の前処理を施すことができ、あるいは光沢ニッケルめっき等の下地めっきを施すことも可能である。また、めっき後には、水洗、湯洗、乾燥等の通常行われている操作をおこなってもよく、さらに必要に応じて、重クロム酸希薄溶液への浸漬、クリヤー塗装等を行ってもよい。
本発明では、被めっき体としては特に制限されず、通常、銅−亜鉛合金電気めっき被膜を施されるものいずれでも使用でき、例えば、ゴム物品補強用スチールコードに使用する金属ワイヤをはじめとした金属製品、プラスチック製品、セラミックス製品等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。
下記の表1〜3にそれぞれ示す銅−亜鉛合金電気めっき浴の組成に従い、実施例1〜10および比較例1〜3の銅−亜鉛合金電気めっき浴を調製し、めっき浴作製後、直ちに下記の同表中のめっき条件に従って、銅−亜鉛合金電気めっき処理をおこなった。なお、被めっき体として、鉄線を用いた。得られた銅−亜鉛合金めっき被膜について、めっきの付着量および合金組成を分析した。また、得られた銅−亜鉛合金めっき被膜の表面粗さ、および得られた鉄線とゴムとの密着性の耐久性について評価した。評価方法を下記する。また、被めっき体を鉄板として、同条件において陰極電流密度のみを変化させ、光沢のある均一なめっき被膜を得ることができる陰極電流密度範囲を確認した。得られた結果を同表に併記する。
下記の表1〜3にそれぞれ示す銅−亜鉛合金電気めっき浴の組成に従い、実施例1〜10および比較例1〜3の銅−亜鉛合金電気めっき浴を調製し、めっき浴作製後、直ちに下記の同表中のめっき条件に従って、銅−亜鉛合金電気めっき処理をおこなった。なお、被めっき体として、鉄線を用いた。得られた銅−亜鉛合金めっき被膜について、めっきの付着量および合金組成を分析した。また、得られた銅−亜鉛合金めっき被膜の表面粗さ、および得られた鉄線とゴムとの密着性の耐久性について評価した。評価方法を下記する。また、被めっき体を鉄板として、同条件において陰極電流密度のみを変化させ、光沢のある均一なめっき被膜を得ることができる陰極電流密度範囲を確認した。得られた結果を同表に併記する。
(表面粗さ)
銅−亜鉛合金めっき被膜の表面粗さを、レーザー顕微鏡を用いて観察し、粗さパラメータRa、Rv、Rzを得た。得られた結果を銅表に併記する。
銅−亜鉛合金めっき被膜の表面粗さを、レーザー顕微鏡を用いて観察し、粗さパラメータRa、Rv、Rzを得た。得られた結果を銅表に併記する。
<Ra>
Raはめっき対象物の表面の中心線平均粗さ(Ra)
に従って算出した。中心線平均粗さの算出については、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長Lの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、上記式で与えられるRaの値をマイクロメートル単位(μm)で表したものである。
Raはめっき対象物の表面の中心線平均粗さ(Ra)
に従って算出した。中心線平均粗さの算出については、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長Lの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、上記式で与えられるRaの値をマイクロメートル単位(μm)で表したものである。
<Rv>
最大谷深さ(Rv)の算出については、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長Lの部分を抜き取り、粗さ曲線の谷深さZvの最大値をマイクロメートル単位(μm)で表したものである。
最大谷深さ(Rv)の算出については、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長Lの部分を抜き取り、粗さ曲線の谷深さZvの最大値をマイクロメートル単位(μm)で表したものである。
<Rz>
最大高さ粗さ(Rz)の算出については、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長Lの部分を抜き取り、粗さ曲線の山高さZpの最大値と谷深さZvとの最大値との和で表した値をマイクロメートル単位(μm)で表したものである。
最大高さ粗さ(Rz)の算出については、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長Lの部分を抜き取り、粗さ曲線の山高さZpの最大値と谷深さZvとの最大値との和で表した値をマイクロメートル単位(μm)で表したものである。
(耐久性)
銅−亜鉛合金めっき処理を施した鉄線を12.5mm間隔で平行に並べ、上下からゴム組成物でコーティングし、これを160℃で、20分間加硫して、幅12.5mmのゴム−鉄線複合体を作製した。これを70℃、相対湿度100%で2日、3日、4日間劣化させた後、ASTMD−2229に準拠して、各サンプルから鉄線を引き抜き、鉄線に付着しているゴムの被覆率を0〜100%で表示して、耐久性の指標とした。数値が大きいほど耐久性が高く、良好である。結果を表1〜3に併記する。
銅−亜鉛合金めっき処理を施した鉄線を12.5mm間隔で平行に並べ、上下からゴム組成物でコーティングし、これを160℃で、20分間加硫して、幅12.5mmのゴム−鉄線複合体を作製した。これを70℃、相対湿度100%で2日、3日、4日間劣化させた後、ASTMD−2229に準拠して、各サンプルから鉄線を引き抜き、鉄線に付着しているゴムの被覆率を0〜100%で表示して、耐久性の指標とした。数値が大きいほど耐久性が高く、良好である。結果を表1〜3に併記する。
表1〜3の結果より、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴によれば、つきまわりのよい銅−亜鉛合金電気めっき被膜を得ることができることがわかる。また、電流密度が0.5A/dm2〜14A/dm2の範囲で、光沢のある均一な銅−亜鉛合金めっき被膜を得ることができることがわかる。また、本発明の銅−亜鉛合金電気めっき浴を用いた場合、めっき被膜のつきまわりがよいため、得られた被めっき体とゴムとの密着性が優れていることもわかる。
Claims (11)
- 前記式(I)と、前記式(II)および/または前記式(III)で表わされる化合物を添加剤として含む請求項1記載の銅−亜鉛合金電気めっき浴。
- 前記式(II)で表わされる化合物とハロゲンイオンを含む請求項1記載の銅−亜鉛合金電気めっき浴。
- 銅塩と、亜鉛塩と、ピロリン酸アルカリ金属塩と、アミノ酸およびその塩から選ばれた少なくとも一種とを含む請求項1記載の銅−亜鉛合金電気めっき浴。
- アルカリ金属水酸化物塩およびアルカリ土類金属水酸化物塩から選ばれる少なくとも一種を含む請求項1記載の銅−亜鉛合金電気めっき浴。
- 前記添加剤の添加量が1〜5000mg/Lである請求項1記載の銅−亜鉛合金電気めっき浴。
- pHが8〜14の範囲である請求項1記載の銅−亜鉛合金電気めっき浴。
- 前記アミノ酸がヒスチジンである請求項4記載の銅−亜鉛合金電気めっき浴。
- 硝酸イオンを含む請求項1記載の銅−亜鉛合金電気めっき浴。
- 請求項1記載の銅−亜鉛合金電気めっき浴を用いて、陰極電流密度を0.5A/dm2〜14A/dm2の範囲内で電気めっき処理をおこなうことを特徴とする銅−亜鉛合金電気めっき方法。
- 請求項10記載の銅−亜鉛合金電気めっき方法によりめっき処理された金属ワイヤからなることを特徴とする金属コード。
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