JPS63203790A - シアン化合物を含まない光沢銅−亜鉛合金電気めつき浴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 Ｌｌ上立且ユ遣１ 本発明は、シアン化合物を含まない光沢銅−亜鉛合金電
気めっき浴（以下「電気めっき浴」を単に「めつき浴」
という）に関する。

従来の技術とその問題点 銅−亜鉛合金めっきは、黄銅めっき、真鍮めつきとも呼
ばれており、金属製品、プラスチック製品、セラミック
ス製品等に真鍮色の金属光沢及び色調を付与するための
装飾めっきとして広く使用されている。また、銅−亜鉛
合金めっきは、ラジアルタイヤ用スチールコードとゴム
との密着性を向上させる目的にも使われている。しかし
、現在、工業的に広く用いられている銅−亜鉛合金めっ
き浴は、全てシアン化合物を多量に含んでおり、その毒
性が大きな問題となっている。シアン化合物を含まない
銅−亜鉛めっき浴に関しては数多くの報告が成されてい
るが、何れも実用に至っていない。

例えば、錯化剤としてピロリン酸カリウム、オキシカル
ボン酸等を用いためつき浴が提案されている。ピロリン
酸カリウムを錯化剤とするめつき浴についてのティ・エ
ル・ラマチャーの研究（エレクトロプレイティング・ア
ンド・メタル・フィニツシング、１２．３２６　（１９
５９））は著名であるが、このどロリン酸カリウム浴に
は、得られる銅−亜鉛合金めっきの金色の光沢範囲が狭
い、陽極が不動態化し易い等の欠点がある。越浦らは、
ピロリン酸カリウム浴にアルカノールポリアミンとエビ
ハロヒドリンとの重合物を添加することによって上記の
欠点を解消しようとした（特開昭５９−２１５４９２号
）。しかしながら、この方法は、析出する合金の金属比
がＣｕ　：　Ｚｎ−７〜８：３〜２であるのに対し、め
っき浴中の金属濃度比はＣｕ：Ｚｎ−約１：９であるの
で、安定した連続作業を行なうための陽極の選定が困難
であるという欠点を有している。また、オキシカルボン
酸又はその塩を錯化剤とする浴としては、例えば、前科
らの酒石酸浴（特公昭４９−２６８１５号）、イー・エ
ッチ・マツコイのグルコヘプトン酸浴（特開昭５９−５
０１５１号）等が知られている。

しかし、上記酒石酸浴は、光沢剤として０．８〜８９７
Ｑのシアン化金属塩を含んでいるため、完全な非シアン
浴ではない。一方グルコヘプトン酸浴でめっきを施した
場合、光沢を出すためにめっき後に更にボール研摩を施
さなければならない。

、を　決するための手段 本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を
重ねた結果、銅塩及び亜鉛塩とともに、錯化剤としての
ピロリン酸のアルカリ金属塩又はポリリン酸のアルカリ
金属塩及びオキシカルボン酸又はその塩、並びにアミノ
酸又はその塩を含有し、シアン化合物を含まない無毒性
の浴を使゛用することによって、極めて優れた光沢を有
し、装飾価値の高い金色の銅−亜鉛合金めっき皮膜を幅
広い電流密度範囲で得られることを見い出し、本発明を
完成した。

即ち本発明は、ａ）銅塩及び亜鉛塩、ｂ）ピロリン酸の
アルカリ金属塩及びポリリン酸のアルカリ金属塩から選
ばれた少くとも１種、Ｃ）オキシカルボン酸及びその塩
から選ばれた少（とも１種並びにｄ）アミノ酸及びその
塩から選ばれた少くとも１種を含有することを特徴とす
る、シアン化合物を含まない光沢銅−亜鉛合金電気めっ
き浴に。

係る。

本発明では、銅塩及び亜鉛塩とともに、錯化剤としての
ピロリン酸の金属塩又はポリリン酸のアルカリ金属塩及
びオキシカルボン酸又はその塩、並びにアミノ酸又はそ
の塩の３種の化合物を併用する場合にのみ、本発明の所
期の効果を達成できる。銅塩、亜鉛塩及びピロリン酸又
はポリリン酸のアルカリ金属塩のみからなる浴を使用す
ると、得られるめっき皮膜は、低電流密度では銅が優先
的に析出して赤銅色になり、高電流密度ではヤケが生じ
る。その間の電流密度、即ち浴の組成によって決まる最
適電流密度±０．１Ａ／ｄｍ２程度の非常に狭い範囲で
は、金色（真鍮色）のめっき皮膜が得られるが、ガス跡
が激しく、その光沢は不充分である。銅塩、亜鉛塩及び
オキシカルボン酸又はその塩からなる浴では、めっき皮
膜が暗緑色となり、金色のめっき塗膜は得られない。ピ
ロリン酸又はポリリン酸のアルカリ金属塩及びオキシカ
ルボン酸又はその塩の２種を使用すると、低電流密度で
の銅の優先的な析出がなくなり、かなり広い電流密度範
囲で光沢のある銅−亜鉛合金めっき皮膜が得られる。し
かし、その色調は、電流密度の上昇に従って、黄緑→黄
金色→真鍮色と変化して色ムラを生じるため、装飾めっ
きとしての実用化には不充分である。ところが、前記２
種の錯化剤としての化合物とともにアミノ酸又はその塩
を添加すると、非常に広い電流密度で、完全に均質な金
色の色調を有する光沢銅−亜鉛合金めっき皮膜を得るこ
とができる。本発明では、浴組成を適宜変更することに
よって、０．０５〜５Ａ／ｄｍ２程度の著るしく広い電
流密度範囲において、極めて優れた光沢を有する金色の
銅−亜鉛合金めっき皮膜を得ることが、できる。

銅塩としては、公知のものが何れも使用でき、例えば、
ピロリン酸銅、硫酸銅、塩化第２銅、スルファミン酸銅
、臭酸銅、酢酸第２銅、塩基性炭酸銅、臭化第２銅、ギ
酸銅、水酸化銅、酸化第２銅、リン酸銅、ケイフッ化銅
、ステアリン酸銅、クエン酸第２銅等を挙げることがで
きる。

亜鉛塩としては、公知のものが何れも使用でき、例えば
、ピロリン酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、スルファミン
酸亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、塩基性炭酸亜
鉛、シュウ酸亜鉛、リンａ亜鉛、ケイフッ化亜鉛、ステ
アリン醒亜鉛、乳酸亜鉛等を挙げることができる。銅塩
及び亜鉛塩は、夫々２種以上のものを併用してもかまわ
ない。

ピロリン酸のアルカリ金属塩及びポリリン酸のアルカリ
金属塩としては、公知のものが何れも使用でき、例えば
、そのナトリウム塩、カリウム塩等を挙げることができ
る。

オキシカルボンｉＨしては、公知のものが何れも使用で
き、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸
、酒、６酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸等を挙げる
ことができる。またその塩としては、リチウム塩、ナト
リウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等を挙げることが
できる。更に酒石酸塩としては、前記塩以外にも、吐酒
石（酒石酸アンチモニルカリウム）、ロッシェル塩（酒
石酸ナトリウムカリウム）等をも使用できる。

またアミノ酸としては、公知のものが何れも使用でき、
例えば、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラ
ギン酸、トレオニン、セリン、プロリン、トリプトフア
ン、ヒスチジン等のα−アミノ酸もしくはそのＭＡＳ塩
、ナトリウム塩等を挙げることができる。本発明では、
上記ピロリン酸のアルカリ金属塩、ポリリン酸のアルカ
リ金属塩、オキシカルボン酸並びにアミノ酸及びその塩
についても、夫々２種以上のものを併用してもかまわな
い。

本発明浴における上記各成分の配合層は特に制限されず
、適宜選択すればよいが、工業的な取り扱いの容易さを
考慮すると、銅塩を銅分換算で２〜４０ｇ／Ｑ程度、亜
鉛塩を亜鉛分換算で０．５〜３０　’Ｊ／Ｑ程度、ピロ
リン酸のアルカリ金ｊＩ塩及び／又はポリリン酸のアル
カリ金属塩を１５０〜４００’Ｊ／Ｑ程度、オキシカル
ボン酸及び／又はその塩を５０〜４００！ｊ／Ｑ程度及
びアミノ酸及び／又はその塩を０．５〜５０　ｇ／Ｑ程
度配合すればよい。めっき浴中のＣｕとｚｎとの濃度比
（Ｃｕ：Ｚｎ）は特に制限されず適宜選択できるが、通
常９〜１：１程度とすればよく、これによって金色（真
鍮色）のめつき皮膜を得ることができる。但し、安定し
た連続作業を行うことを考慮に入れると、銅塩を銅分換
算で５〜１５ｇ／Ｑ程度、亜鉛塩を亜鉛分換算で１〜１
０ｇ／Ｑ程度添加し、濃度比を５〜１．５：１程度とす
ることが好ましい。また、銅塩、亜鉛塩としてピロリン
酸塩を使用する場合には、このどロリン酸塩をも含めた
全ピロリン酸塩８１度が上記範囲に入るようにしてもよ
い。

本発明浴を使用して、光沢銅−亜鉛合金めっきを施すに
当っては、通常の電気めっき方法が何れも採用でき、例
えば被めっき体を、浴ＷＡ１０〜５０℃程度、浴のｐＨ
１０，０〜１４．０程度、陰極電流密度０．１〜５Ａ／
ｄｍ２程度のめつき条件で、無撹拌下或いは機械撹拌下
又は空気撹拌下に電気めっきすればよい。この際陽極と
しては、通常の銅−亜鉛合金の電気めっきに用いられる
ものが何れも使用できる。被めっき体には、上記電気め
っきを行う前に常法に従ってパフ研摩、脱脂、希酸浸漬
等の通常の前処理を施してもよく、或いは光沢ニッケル
めっき等の下地めっきを施してもよい。まためっき後に
は、水洗、湯洗、乾燥等の通常行なわれている操作を行
ってもよく、更に必要に応じて、重クロム酸希薄溶液へ
の浸漬、クリアー塗装等を行ってもよい。

本発明では、被めっき体としては特に制限されず、通常
鋼−亜鉛合金めっき皮膜を施されるものが何れも使用で
き、例えば、金属製品、プラスチック製品、セラミック
ス製品等を挙げることができ、これらには、通常本発明
浴によるめっきを施す前に、常法に従って、下地めっき
を施すのが好ましい。

発明の効果 本発明浴によれば、極めて優れた光沢を有し、装飾価値
の高い金色の銅−亜鉛合金めっき皮膜を幅広い電流密度
範囲で得ることができる。また、本発明浴は、シアン化
合物を含有しないので、有毒ガス等が発生せず、しかも
沈殿物の生成等もなく無害の安定したものとなっている
。陽極に銅−亜鉛合金を用いた場合には、溶解は均一で
あり、めっき浴組成は安定に保たれる。更にめっき浴中
のＣｕ：Ｚｎ濃度比がほぼめっき皮膜の組成に近い２〜
１．５：１程度の範囲においても金色のめっき皮膜が得
られるので、カーボン、白金めっきチタン等の不溶性陽
極を使用した場合にも、銅塩、亜鉛塩の一定組成の混合
物の補給のみで安定した連続作業が可能である。

実　　施　　例 以下に実施例及び比較例を掲げて、本発明の特徴をより
一層明らかにする。

実施例１〜５及び比較例１〜３ 第１表（実施例１〜５）及び第２表（比較例１〜３）に
記載のめっき浴組成（各成分の添加量は全てｇ／Ｑ　）
並びにめっき条件で電気めっきを行い、得られためっき
皮膜の外観・色調を観察した。

結果を第３表に示す。尚、第１表及び第２表中、銅塩及
び亜鉛塩の項で、０内に示した数値は、夫々の金属分換
算Ｍｌ　（ｇ／Ｑ）である。

第　　２　　表 第　　３　　表 第３表から、本発明光沢銅−亜鉛合金めっき浴において
は、１）ピロリン酸のアルカリ金属塩及び／又はポリリ
ン酸のアルカリ金属塩、２）オキシカルボン酸及び／又
はその塩、並びに３）アミノ酸及び／又はその塩の３者
の相乗作用によって、装飾価値が高く、極めて優れた光
沢のある銅−亜鉛合金めつき皮膜を、幅広い電流密度範
囲で得られることが判る。

（以　上）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ａ）銅塩及び亜鉛塩、ｂ）ピロリン酸のアルカリ
   金属塩及びポリリン酸のアルカリ金属塩から選ばれた少
   くとも１種、ｃ）オキシカルボン酸及びその塩から選ば
   れた少くとも１種並びにｄ）アミノ酸及びその塩から選
   ばれた少くとも１種を含有することを特徴とする、シア
   ン化合物を含まない光沢銅−亜鉛合金電気めっき浴。