JP3770701B2 - 高性能タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高性能タイヤトレッド用ゴム組成物、特に詳しくは、ウェット性能および高速操縦安定性を向上させた高性能タイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ウェット性能や高速操縦安定性を向上させたカーボンブラック配合系のタイヤトレッドゴム組成物は、例えば、特開平5−331316号公報、特開平7−258471号公報、特開平7−330959号公報および特公平8−53002号公報等に開示され、また、グリップダウンを抑制させたタイヤトレッドゴム組成物は、例えば特公平7−188468号公報等に開示されているように公知のものである。しかしながら、これらの技術による高速操縦安定性やグリップダウン抑制効果は、未だ十分満足できるものではなく、更なるこれら性能の向上が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、シリカを配合したタイヤトレッドゴム用組成物において、そのウェット性能およびドライ高速操縦安定性を格段に向上させた高性能タイヤトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明では、シリカを配合した特定のジエン系ゴム組成物に、特定量のチウラム系化合物/ベンゾチアゾール系加硫促進剤を組合せて配合することにより、優れたドライ高速操縦安定性とウェット性能が図れる高性能タイヤトレッド用ゴム組成物が得られることを見出したものである。
したがって、本発明に従えば、スチレン含量30〜45%のSBR1種又は2種以上を70重量部以上含んだジエン系ゴム100重量部に対して、(i)全充填剤90〜180重量部(但し、該充填剤配合量の1/4〜3/4がシリカであること)、(ii)(a)次式:
【化2】
(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 は、それぞれ独立して炭素数7〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基を表わす)で示されるチウラム化合物2.0〜6.0重量部および(b)ベンゾチアゾール系加硫促進剤1.0〜5.0重量部を配合してなる高性能タイヤトレッド用ゴム組成物が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の構成および作用効果について説明する。
本発明の高性能タイヤトレッド用ゴム組成物におけるゴム成分としては、特に、スチレン含量30〜45%のSBR1種又は2種以上を70重量部以上含むジエン系ゴムを使用することが必要である。該ゴム成分をかかる配合比で含有させることにより、トレッドゴムとしてのグリップ力の向上が図れる。本発明のジエン系ゴム成分に用いる他のジエン系ゴムには、例えば、天然ゴム(NR)、各種ブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等を使用することができる。
【0006】
また、本発明の高性能タイヤトレッド用ゴム組成物では、上記のジエン系ゴム100重量部に対して充填剤を全部で90〜180重量部の割合で配合するが、該充填剤のうち1/4〜3/4の配合量をシリカとすることが必要である。かかる配合量のシリカを用いないと所期のウェット性能およびドライ高速操縦安定性が得られない。シリカ以外の充填剤としては、一般にカーボンブラックが配合される。このシリカとしては、通常この種のゴム組成物に配合使用される任意のシリカ、例えば、湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを用いることができる。これらのシリカを用いるときには、ゴムとの補強性を高めるためにシランカップリング剤と併用することが好ましい。
【0007】
本発明の高性能タイヤトレッド用ゴム組成物では、更に、特定のチウラム化合物2.0〜6.0重量部(好ましくは、2.5〜5.0重量部)とベンゾチアゾール系加硫促進剤1.0〜5.0重量部(好ましくは、1.5〜3.0重量部)をこれらの組合せで配合することが必要である。当該加硫促進剤の配合量は、それぞれが所定の下限値未満であると所期の作用効果が得られず、また所定の上限値を超えるとヤケを生じるので好ましくない。
【0008】
前記特定のチウラム化合物としては、次式:
【化3】
(式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、それぞれ独立して炭素数7〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基を表わす)で示されるチウラム化合物が使用される。好ましくは、前記R1 〜R4 のいずれもがその炭素数8を有する2−エチルヘキシル基である、テトラ(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドが用いられる。
【0009】
前記特定のベンゾチアゾール系加硫促進剤としては、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(MBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−(4−モルフォリノジチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロ−フェニル)−メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾチアゾールとシクロヘキシルアミンの塩、N,N−ジエチルチオカルバモイル−2−ベンゾチアゾリルスルフィド等が使用されるが、この中でも、スルフェンアミド系のものが好ましく用いられる。
【0010】
本発明の高性能タイヤトレッド用ゴム組成物には、前記の必須成分および所望成分に加えて、更に、硫黄、老化防止剤、軟化剤、可塑剤などのタイヤ用に一般に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は、一般的な方法で加硫してタイヤトレッドを製造することができる。これらの配合量も一般的な量とすることができる。例えば、硫黄の配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部当り1.0重量部以上とするのが好ましく、1.2〜2.5重量部とするのが好ましい。
【0011】
【実施例】
以下、標準例、実施例および比較例の各例の配合に用いた配合成分は、以下の市販品を用いた。
SBR−1:Nipol 9520(スチレン含量35%の乳化重合SBR、37.5phr 油展)(日本ゼオン(株)製)
SBR−2:Nipol 1712(スチレン含量23.5%の乳化重合SBR、37.5phr 油展)(日本ゼオン(株)製)
カーボンブラック:ダイアブラックA(N2 SA=142m2 /g)(三菱化学(株)製)
シリカ:ニップシルAQ(日本シリカ(株)製)
シランカップリング剤:Si69(デグッサ(株)製)
活性剤:ジエチレングリコール
アロマチックオイル:プロセスオイルX−140(共同石油(株)製)
亜鉛華:亜鉛華3号(正同化学(株)製)
ステアリン酸:(日本油脂(株)製)
老化防止剤:アンチゲン6C(N−フェニル−N′−(1,3−ジメチル)−p−フェニレンジアミン)(住友化学(株)製)
CZ:加硫促進剤、ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリル−スルフェンアミド)(大内新興化学(株)製)
TOT−N:加硫促進剤、ノクセラーTOT−N(テトラ(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)(大内新興化学(株)製)
イオウ:油処理イオウ
【0012】
サンプルの調製
加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.8リットルの密封型ミキサーで3〜5分間混練したマスターバッチに前記2種の加硫促進剤と硫黄を8インチのオープンロール混練したゴム組成物を得た。次に、この組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃、20分間プレス加硫して目的とする試験片(ゴムシート)を調製し、これを加硫物性の「300%モジュラス」および「JIS硬度:0℃および60℃」を測定、評価した。
更に、上記ゴム組成物をトレッド部に使用したサイズ225/50R15のパターン付タイヤを作製し、ドライ操縦安定性試験およびウェット性能試験に供した。
【0013】
各例における測定、評価方法は、以下のとおりである。
1)300%モジュラス:JIS K6301に準拠して測定。
2)JIS硬度(0℃および60℃):JIS K6301のスプリング式硬さ試験A型に基づいて測定。
3)Δ硬度:硬度(0℃)と硬度(60℃)の差を標準例1を100として指数表示した。
この値が大きい程、硬度温度依存性が小。
4)ドライ操縦安定性:作製したサイズ225/50R15のパターン付タイヤを車に装備し、乾燥路面を高速走行したときのフィーリングを評価した。
値が大きい程、ドライ操縦安定性が良好。
5)ウェット性能:作製したサイズ225/50R15のパターン付タイヤを車に装備し、ウェット路面(水深1mm)にした半径30m の円旋回路を可能限界スピードで走行したときの平均ラップ タイムで評価した。
値が大きい程、ウェット性能が良好。
なお、上記測定、評価は、全て標準例1を100として指数表示した。
【0014】
標準例1、実施例1〜2および比較例1〜7
これらの例は、シリカ配合SBR−1およびSBR−1/SBR−2系ゴム組成物に、前記のCZおよびTOT−Nを配合したゴム組成物についての測定、評価結果を示すものである。各例における配合およびその結果を表Iに示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】
表Iの結果からみられるように、本発明に従ったゴム組成物は、ドライ高速操縦安定性およびウェット性能が極めて良好であることがわかる。
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