JP3769937B2 - 液晶注入方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は液晶注入方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルは、一般に、相対向する面にそれぞれ透明電極が設けられたガラスや樹脂等からなる2枚の透明基板をシール材を介して貼り合わせ、シール材の内側における両透明基板間に液晶を封入した構造となっている。
【0003】
ところで、このような液晶表示パネルの製造に際して液晶を注入する場合には、一例として、まず2枚の透明基板をシール材を介して貼り合わせてなるもの、つまり液晶が封入されていない液晶セルを用意する。この場合、シール材の所定の個所には液晶注入口が形成されている。そして、液晶セルを減圧容器内に配置し、減圧容器内を減圧することにより、液晶注入口を介して液晶セル内を減圧し、次いで減圧容器内に設けられた液晶皿内の液晶中に下部を浸漬された布やスポンジ等からなる液晶注入具の上部に液晶セルの液晶注入口の部分を接触させ、次いで減圧容器内を大気圧とすることにより、液晶セル内外の気圧差と毛管現象により、液晶皿内の液晶を液晶注入具及び液晶注入口を介して液晶セル内に注入している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこのような液晶注入方法では、連続生産する場合、減圧容器内を減圧状態としたり大気圧状態としたりすることを繰り返すことになるので、液晶皿内の液晶中に気体が徐々に溶解していくことになる。そして、液晶皿内の液晶中に溶解した気体が液晶注入具の上部に気泡として表われた場合には、液晶注入不良が発生することがある。一方、起泡性の悪い液晶の場合には、液晶皿内の液晶中に溶解した気体が液晶セル内に注入された後に気泡として顕在化することがある。そこで、従来では、生産途中で装置を一時的に停止し、減圧により消泡したり、バブリングにより脱気したりしているが、その分だけ生産効率が低下するという問題があった。
この発明の課題は、液晶注入を脱気しながら行うことができるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る液晶注入方法は、管壁を気体は通すが液体は通さない構造とされた細管を複数本束ねてなる液晶注入具の前記細管の径方向に沿う方向の下部を液晶皿内の液晶中に浸漬し、前記液晶注入具の上面に液晶セルの液晶注入口の部分を接触させ、前記細管内を減圧した状態で、前記液晶注入具の前記細管間の隙間及び前記液晶注入口を介して、前記液晶皿内の液晶を前記液晶セル内外の気圧差と毛管現象により前記液晶セル内に注入するようにしたものである。
請求項2記載の発明に係る液晶注入装置は、液晶皿内の液晶を液晶セル内に該液晶セル内外の気圧差と毛管現象により液晶注入口を介して注入するようにした液晶注入装置において、管壁を気体は通すが液体は通さない構造とされた細管を複数本束ねたものからなる液晶注入具と、前記細管内を減圧状態とするための減圧手段とを具備し、前記液晶注入具の管径方向で下の部分を前記液晶皿内の液晶中に浸漬させるとともに前記液晶注入具の上面に前記液晶セルの前記液晶注入口の部分を接触させ、前記減圧手段により前記細管内を減圧した状態で前記液晶皿内の液晶を前記液晶注入具の前記細管間の隙間及び前記液晶注入口を介して前記液晶セル内に注入するようにしたものである。
この発明によれば、管壁を気体は通すが液体は通さない構造とされた細管内を減圧した状態で、液晶皿内の液晶を液晶注入具の細管間の隙間及び液晶注入口を介して液晶セル内に注入しているので、液晶注入具の細管間の隙間を通過する液晶中に気体が溶解している場合には、この気体のみが細管の管壁を介して細管内に吸い込まれ、したがって液晶注入を脱気しながら行うことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施形態における液晶注入装置の概略構成の断面図を示し、図2は図1のA−A線に沿う断面図を示したものである。この液晶注入装置は減圧容器1を備えている。減圧容器1には配管2の一端部が接続されている。配管2の他端部は2つに分岐され、一方の分岐管2aには第1の電磁弁3を介して真空ポンプ4が接続され、他方の分岐管2bには第2の電磁弁5を介して窒素ガス供給源6が接続されている。減圧容器1内の所定の箇所には液晶皿7が設けられている。液晶皿7内には液晶8が収容されている。液晶皿7内には液晶注入具9が一体的にまたは取外し可能に設けられている。液晶注入具9は、気体は通すが液体は通さない材料例えばポリエチレンによって形成された細管10が複数本束ねられ、その両端部に束ね具11が設けられた構造となっている。この場合、細管10相互間には液晶8が毛管現象により通過し得る程度の隙間が形成されている。また、液晶注入具9における細管10の束の径方向に沿って下の部分は液晶皿7内の液晶8中に浸漬されている。そして、細管10の両端部は配管12を介して真空ポンプ13に接続されている。
【0007】
一方、液晶セル14は、図2に示すように、2枚の透明基板15、16をシール材17を介して貼り合わせた構造となっている。この場合、液晶セル14の下端部におけるシール材17の中央部には液晶注入口18が形成されている。そして、複数の液晶セル14は、その各間にスペーサ19が介在された状態で一体移動可能に纏められ、減圧容器1内の所定の箇所に設けられた昇降手段(図示せず)に保持されるようになっている。
【0008】
さて、この液晶注入装置によって液晶セル14内に液晶8を注入する場合には、まず、複数の液晶セル14等を減圧容器1内の昇降手段に保持させた後、図示しない扉を閉じて減圧容器1内を密閉状態とする。この状態では、第1及び第2の電磁弁3、5は共に閉じている。次に、第1の電磁弁3を開けて真空ポンプ4の駆動により減圧容器1内を減圧することにより、液晶注入口18を介して液晶セル14内を減圧し、この後第1の電磁弁3を閉じる。次に、昇降手段の駆動により液晶セル14等を下降させ、液晶セル14の液晶注入口18の部分を液晶注入具9の細管10の束の上面に接触させる。
【0009】
次に、真空ポンプ13の駆動により、複数の細管10内を減圧状態とする。また、第2の電磁弁5を開けて窒素ガス供給源6からの窒素ガスを減圧容器1内に導入し、減圧容器1内を大気圧とし、この後第2の電磁弁5を閉じる。すると、液晶セル14内外の気圧差と毛管現象により、液晶皿7内の液晶8が複数の細管10間の隙間を這い上がった後に液晶注入口18を介して液晶セル14内に注入される。このとき、複数の細管10間の隙間を通過する液晶7中に気体が溶解している場合には、内部を減圧状態とされた細管10の管壁が気体は通すが液体は通さない構造となっているので、液晶7中の気体のみが細管10の管壁を介して細管10内に吸い込まれ、配管12及び真空ポンプ13を介して大気中に放出される。このように、液晶皿7内の液晶8中に気体が溶解していても、液晶注入を脱気しながら行うことができ、したがって装置を一時的に停止させる必要はなく、生産効率を向上することができる。次に、昇降手段の駆動により液晶セル14等を上昇させる。次に、減圧容器1の扉を開けて減圧容器1内から液晶セル14等を取り出し、次いで各液晶セル14の液晶注入口18を封止材(図示せず)で封止すると、液晶注入が終了する。
【0010】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、管壁を気体は通すが液体は通さない構造とされた細管内を減圧した状態で、液晶皿内の液晶を液晶注入具の細管間の隙間及び液晶注入口を介して液晶セル内に注入しているので、液晶注入具の細管間の隙間を通過する液晶中に気体が溶解している場合には、この気体のみが細管の管壁を介して細管内に吸い込まれ、したがって液晶注入を脱気しながら行うことができ、ひいては生産効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態における液晶注入装置の概略構成を示す断面図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 減圧容器
7 液晶皿
8 液晶
9 液晶注入具
10 細管
13 真空ポンプ
14 液晶セル
18 液晶注入口
Claims (2)
- 管壁を気体は通すが液体は通さない構造とされた細管を複数本束ねてなる液晶注入具の前記細管の径方向に沿う方向の下部を液晶皿内の液晶中に浸漬し、前記液晶注入具の上面に液晶セルの液晶注入口の部分を接触させ、前記細管内を減圧した状態で、前記液晶注入具の前記細管間の隙間及び前記液晶注入口を介して、前記液晶皿内の液晶を前記液晶セル内外の気圧差と毛管現象により前記液晶セル内に注入することを特徴とする液晶注入方法。
- 液晶皿内の液晶を液晶セル内に該液晶セル内外の気圧差と毛管現象により液晶注入口を介して注入するようにした液晶注入装置において、管壁を気体は通すが液体は通さない構造とされた細管を複数本束ねたものからなる液晶注入具と、前記細管内を減圧状態とするための減圧手段とを具備し、前記液晶注入具の管径方向で下の部分を前記液晶皿内の液晶中に浸漬させるとともに前記液晶注入具の上面に前記液晶セルの前記液晶注入口の部分を接触させ、前記減圧手段により前記細管内を減圧した状態で前記液晶皿内の液晶を前記液晶注入具の前記細管間の隙間及び前記液晶注入口を介して前記液晶セル内に注入するようにしたことを特徴とする液晶注入装置。
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JP16584598A JP3769937B2 (ja) | 1998-06-01 | 1998-06-01 | 液晶注入方法及びその装置 |
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JPH11344718A JPH11344718A (ja) | 1999-12-14 |
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JP (1) | JP3769937B2 (ja) |
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1998
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