JP3767890B2 - 装飾シートの圧着用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トリム本体に装飾シートを圧着する際に使用する装飾シートの圧着用金型に係り、特に、装飾シートの薄手仕様、厚手仕様に対応して同一の金型で良好な圧着固定が図れる装飾シートの圧着用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、車両のドアパネルの室内側には、自動車用ドアトリムが内装されており、乗員の安全保護を図るとともに、室内の外観意匠性を高める機能を備えている。
【0003】
例えば、図12、図13に示すように、自動車用ドアトリム1は、所望の曲面形状に成形されたドアトリム本体2の表面所定箇所にクロス、不織布、合成樹脂シート等から適宜選択された装飾シート3が圧着されており、この装飾シート3の周縁端末3aは、ドアトリム本体2に凹設された木目込み溝2a内に圧入処理されて装飾シート3の周縁部の見栄えを向上させている。
【0004】
従来、ドアトリム本体2に装飾シート3を圧着固定する場合には、装飾シート3の素材により、以下に示す二通りの方法が実施されている。
【0005】
例えば、薄手仕様の装飾シート3を使用する場合には、図14に示すように、圧着用金型4は、所定ストローク上下動可能な圧着上型5と、これに対応する圧着下型6とから構成されており、圧着下型6は、装飾シート3の装着エリアに相当する占有面積を有する圧着中子6aが下型ベース6bに緩衝用スプリング6cを介して取り付けられており、圧着中子6aの外周に沿って下型ベース6bに直接木目込みバー6dが固定されている。
【0006】
従って、図14に示す圧着用金型4を使用して、ドアトリム本体2に装飾シート3の圧着加工を行なう場合には、圧着上型5にドアトリム本体2をセットする一方、圧着下型6における圧着中子6aの上面に装飾シート3の接合面側を上に向けてセットした後、圧着上型5を下降操作して、まず、圧着上型5と圧着中子6aとの間でドアトリム本体2と装飾シート3とを所定のプレス圧で圧着固定する。
【0007】
その後、更に圧着上型5を下降操作すれば、緩衝用スプリング6cが圧縮変形することにより、圧着中子6aは下降するが、木目込みバー6dが圧着中子6aに対して相対的に上昇することになるため、ドアトリム本体2の木目込み溝2a内に装飾シート3の周縁端末3aを木目込みバー6dにより圧入処理することができる。
【0008】
このときのタイムチャート図を図15に示すが、トリム本体2と装飾シート3との圧着過程の途中で木目込みバー6dによる木目込み処理が行なわれることになり、トータル時間は12〜13秒である。
【0009】
次いで、クロス裏面にウレタンフォーム等を裏打ちした厚手仕様の装飾シート3を使用する場合には、図16、図17に示す圧着用金型4´が使用されている。
【0010】
すなわち、圧着中子6aは昇降用シリンダ6eにより上下動可能に支持され、圧着中子6aの上昇位置で装飾シート3とトリム本体2との間に所定のプレス圧を付加できるように圧着中子6aを保持するストッパー6f並びにストッパー6fを駆動させるシリンダ6gが設けられている。
【0011】
従って、図18に示すタイムチャート図のように、圧着上型5にトリム本体2をセットするとともに、圧着中子6aの上面に装飾シート3(厚手仕様)を載置した後、圧着上型5が所定ストローク下降する。このとき圧着中子6aはストッパー6fにより上昇位置で保持されているため、圧着上型5と圧着中子6aとの間でトリム本体2と装飾シート3との間に適切なプレス圧がかかり、確実な圧着加工がなされる。
【0012】
その後、シリンダ6gが動作して、ストッパー6fが後退して、圧着中子6aが下降可能な状態となれば、昇降用シリンダ6eが動作して、圧着中子6aは圧着上型5の下降と追随して下降するため、相対的に圧着中子6a外周の木目込みバー6dが上昇することになり、装飾シート3の周縁端末3aの木目込み処理が行なわれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の装飾シート3の圧着加工方法においては、装飾シート3の材質が、例えば平織りクロス等の薄手仕様のものと、クロス裏面にポリウレタンフォーム等のクッション層を裏打ちした厚手仕様のものとでは、異なる圧着用金型4、4´を使用しているのが実情であり、緩衝用スプリング6cを使用した圧着用金型4は、型費は安いけれども、プレス圧が強くかかり、厚手仕様の装飾シート3に適用した場合、過度のプレス圧により表面外観を損なう恐れがある等、装飾シート3の材質に制限を受けるという不具合がある。
【0014】
また、昇降用シリンダ6eやストッパー6fを使用する圧着用金型4´においては、金型設備費が嵩むけれども、比較的材料の適用範囲が広いという傾向にある。
【0015】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、緩衝用スプリングにより圧着中子を支持する比較的金型費用が廉価な圧着用金型とシリンダにより上下動可能に圧着中子を支持する圧着用金型の双方の金型の利点を生かし、一つの金型で薄手仕様、厚手仕様等、あらゆるタイプの装飾シートの圧着加工に適用できるようにした装飾シートの圧着用金型を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この出願の請求項1に記載の発明は、トリム本体の表面所定箇所に装飾シートを圧着固定する圧着用金型であって、トリム本体をセットする上下動可能な圧着上型と、装飾シートをセットする圧着下型と、装飾シートの周縁端末をトリム本体の木目込み溝内に圧入処理する木目込みバーとから構成される装飾シートの圧着用金型において、前記圧着下型は、装飾シートをセットする圧着中子が下型ベースに上下動可能に支持されるとともに、この圧着中子の外周に沿って木目込みバーが下型ベースに固定され、前記圧着中子を支持するガイドシャフトとシリンダ駆動されるエジェクタピンとの間に緩衝用スプリングが取外し可能に装着され、この緩衝用スプリングの弾性作用により圧着中子を上下動可能に支持する一方、緩衝用スプリングを取り外し、エジェクタピンを介して、シリンダ駆動により圧着中子を上下動可能としたことを特徴とする。
【0017】
そして、請求項1に記載の発明によれば、圧着下型の構成としては、下型ベースに上下動可能に支持されている圧着中子の外周に沿って木目込みバーが下型ベースに固定されているため、圧着上型が下降して、トリム本体と装飾シートとを圧着上型と圧着中子との間で圧着加工した後、更に、圧着上型が下降するのに伴ない、圧着中子がそれに追随して下降すれば、木目込みバーが圧着中子に対して相対的に上昇することになり、圧着加工後、所望の木目込み処理がなされることになる。
【0018】
そして、圧着中子の支持構造としては、圧着中子の下面複数箇所にこれを支持するガイドシャフトが設けられており、このガイドシャフトは、それに対応するエジェクタピンにより支持され、かつガイドシャフトとエジェクタピンとの間に取外し可能な緩衝用スプリングが着脱自在に装着されるという構成であるため、例えば、平織りクロス等、薄手仕様の装飾シートを圧着加工する際には、ガイドシャフトとエジェクタピンとの間に緩衝用スプリングを介在させ、エジェクタピンを固定した状態で装飾シートの圧着加工を施せば、緩衝用スプリングの弾性作用により、トリム本体と装飾シートとを所定のプレス圧で圧着加工できるとともに、装飾シート周縁端末の木目込み処理ができる。
【0019】
これに対して、クロス裏面にウレタンフォーム等のクッション層を裏打ちした厚手仕様の装飾シートをトリム本体に圧着加工するには、緩衝用スプリングを取り外し、圧着中子下面のガイドシャフトに対してエジェクタピンを当接させ、エジェクタピン駆動用シリンダを上下動作させることにより、圧着中子の上下動作を行なう。
【0020】
従って、過度のプレス圧が装飾シートに付加されるのを抑え、圧着上型と圧着中子との間でトリム本体と装飾シートを圧着する際のプレス圧を制御しながら圧着中子をエジェクタピン駆動用シリンダによりシリンダ動作させるため、表面外観を損なうことなく厚手仕様の装飾シートをトリム本体の表面に良好に圧着でき、かつ周縁端末を木目込み処理できる。
【0021】
次いで、この出願の請求項2に記載の発明は、圧着中子のガイドシャフトに対応して配設されるエジェクタピンは、エジェクタプレートにより支持され、エジェクタプレートの昇降用シリンダにより一括駆動されるとともに、エジェクタプレートの上昇位置でエジェクタプレートを保持するストッパーが設けられていることを特徴とする。
【0022】
そして、請求項2に記載の発明によれば、複数のエジェクタピンを1枚のエジェクタプレートで受け、このエジェクタプレートを一基の昇降用シリンダで動作させるとともに、エジェクタプレートの上昇位置をストッパーにより保持してこのストッパーをストッパー駆動用シリンダ等により後退させてエジェクタプレートの下降操作を行なうというものであるから、エジェクタピンの駆動機構である昇降用シリンダを小型化することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る装飾シートの圧着用金型における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1、図2は本発明方法を適用して製作した自動車用ドアトリムを示す正面図並びに断面図、図3、図4は本発明に係る圧着用金型の第1実施形態の全体構成を示す概要図並びに要部説明図、図5乃至図7は上記圧着用金型を使用した薄手仕様の装飾シートのセット工程、圧着工程、木目込み工程を各示す説明図、図8乃至図10は同圧着用金型を使用した厚手仕様の装飾シートのセット工程、圧着工程、木目込み工程を各示す説明図、図11は本発明に係る装飾シートの圧着用金型の第2実施形態の要部を示す説明図である。
【0025】
図1、図2において、自動車用ドアトリム10は、タルク等のフィラーを混入したポリプロピレン樹脂(以下PP樹脂という)の合成樹脂成形体からなるドアトリム本体11の表面に意匠性を高めるために、中接部分に装飾シート20、30が装着されている。
【0026】
更に詳しくは、ドアトリム本体11は、本実施形態では、トリムアッパー11aとトリムロア11bの上下2分割体から構成されており、トリムアッパー11a、トリムロア11bは、射出成形、又はモールドプレス成形により所望の曲面形状に成形されている。
【0027】
そして、トリムアッパー11aに装飾シート20、30が装着される一方、トリムロア11bには、中央に車室内側に膨出し、乗員が肘を掛けて休めるようにアームレスト12、下側にドアポケット13及びそれと隣接してスピーカグリル14が形成されている。また、装飾シート20の周縁部に沿ってトリムアッパー11aには、木目込み溝15が形成されている。
【0028】
尚、ドアトリム本体11は、上述した上下2分割体に限定されるものではなく、単一成形体でも良いため、以下、装飾シート20、30を装着する対象は、ドアトリム本体11として説明する。
【0029】
上記装飾シート20、30は、平織りクロス等、薄手仕様の装飾シート20を適用した断面構造を図2(a)に示し、クロス31裏面にポリウレタンフォーム等のクッション層32を裏打ちした厚手仕様の装飾シート30を適用した断面構造を図2(b)に示す。
【0030】
すなわち、薄手仕様の装飾シート20は、ドアトリム本体11の表面に粘着剤層21を介して接着一体化され、周縁端末22がドアトリム本体11の木目込み溝15内に圧入処理されている。
【0031】
同様に、厚手仕様の装飾シート30においても、粘着剤層33を介してドアトリム本体11の表面所定箇所に圧着固定され、周縁端末34がドアトリム本体11の木目込み溝15内に圧入処理され、双方共、装飾シート20、30の周縁部分が体裁良く仕上げられている。
【0032】
ところで、本発明は、上記薄手仕様の装飾シート20及び厚手仕様の装飾シート30の双方に同一の圧着用金型40を適用して、良好な木目込み処理ができるようにしたもので、この圧着用金型40の全体構成並びに特徴部分について、図3の全体図及び図4の要部説明図を基に説明すると、図3に示すように、圧着用金型40は、ドアトリム本体11を仮セットする所定ストローク上下動可能な圧着上型50と、装飾シート20、30をセットする圧着下型60とから大略構成されている。
【0033】
圧着上型50は、昇降用シリンダ51により所定ストローク上下動可能であり、それに対して圧着下型60は、下型ベース61に圧着中子62が上下動可能に支持され、この圧着中子62の外周には、下型ベース61の上面に木目込みバー63が固定されている。
【0034】
次いで、圧着中子62を上下動可能に支持する支持構造としては、圧着中子62の下面複数箇所にガイドシャフト62aが取り付けられ、このガイドシャフト62aは、下型ベース61の挿通孔61aに挿入されるようにリニヤブッシュ62bによりガイドされている。
【0035】
更に、図4に示すように、このガイドシャフト62aの下面には、下型ベース61の挿通孔61a内に緩衝用スプリング64が介装され、更に、エジェクタピン65が挿入されている。尚、エジェクタピン65は、専用の駆動用シリンダ66により上下動可能に駆動され、駆動用シリンダ66は、油圧回路66aと接続している。
【0036】
そして、この圧着用金型40の構成上の特徴は、緩衝用スプリング64が取外し可能な構成になっていることにより、圧着中子62の支持構造をバネ系とシリンダ系の2系統から選択できることにある。すなわち、エジェクタピン65を固定して、上記緩衝用スプリング64の緩衝作用により、圧着中子62を上下動可能に支持できる機能を有するバネ系と、緩衝用スプリング64を取り外し、ガイドシャフト62aとエジェクタピン65を当接させて、駆動用シリンダ66の上下動作により、エジェクタピン65、ガイドシャフト62aを介して圧着中子62を上下動作させる機能をもつシリンダ系の2系統である。
【0037】
従って、上記バネ系、シリンダ系を適切に選択することにより、薄手仕様の装飾シート20、厚手仕様の装飾シート30の双方の圧着加工を良好に行なえることを主眼としている。
【0038】
まず初めに、薄手仕様の装飾シート20の圧着加工並びに木目込み処理を行なう場合について、図5乃至図7を基に説明すると、まず図5に示すように、圧着上型50にドアトリム本体11をセットするとともに、圧着下型60の圧着中子62の型面に薄手仕様の装飾シート20をその表面を下側に向けて載置する。
【0039】
このとき、圧着下型60における圧着中子62の支持構造としては、図4に示すように、圧着中子62下面のガイドシャフト62aとエジェクタピン65との間に緩衝用スプリング64が介装されており、エジェクタピン65はロックされた状態である。
【0040】
そして、圧着用金型40にドアトリム本体11及び薄手仕様の装飾シート20をセットした後、圧着上型50が昇降用シリンダ51の動作により所定ストローク下降すれば、図6(a)に示すように、圧着上型50と圧着下型60における圧着中子62との間でドアトリム本体11と薄手仕様の装飾シート20との間に所定のプレス圧が付加される。尚、このとき、圧着中子62外周に設けられている木目込みバー63は、ドアトリム本体11の木目込み溝15内に挿入されていない。
【0041】
このとき、図6(b)に示すように、緩衝用スプリング64が圧縮変形することにより、圧着中子62は、圧着上型50の下降に追随して所定ストローク下降する。
【0042】
更に、圧着上型50が下降動作を継続して行なえば、図7(a),(b)に示すように、圧着中子62は、緩衝用スプリング64がプレス圧により更に圧縮されるため、圧着上型50と共に圧着中子62も下降して、この圧着中子62の下降動作に連れて、木目込みバー63は相対的に上昇することになり、薄手仕様の装飾シート20の周縁端末22をドアトリム本体11の木目込み溝15内に圧入処理することにより、薄手仕様の装飾シート20の周縁端末22の木目込み処理が完了する。
【0043】
このように、緩衝用スプリング64の弾性作用を利用して、薄手仕様の装飾シート20のドアトリム本体11に対する圧着加工並びに周縁端末22の木目込み処理を簡単かつ良好に行なえる。
【0044】
次いで、図2(b)に示す厚手仕様の装飾シート30の圧着加工並びに木目込み処理について、図8乃至図10を基に説明すると、図8に示すように、圧着上型50にドアトリム本体11をセットする工程は、薄手仕様の装飾シート20の場合と同様であるが、厚手仕様の装飾シート30を適用する際は、圧着下型60における圧着中子62の支持構造を変更する。すなわち、緩衝用スプリング64を取り外し、圧着中子62のガイドシャフト62aの下面には、対応するエジェクタピン65の上面65aを当接させ、エジェクタピン65で直接圧着中子62を支持する構成とする。
【0045】
尚、エジェクタピン65に支持される圧着中子62の上面に厚手仕様の装飾シート30をセットするが、クロス31を圧着中子62側に向け、クッション層32をドアトリム本体11側に向けた状態でセットを行なう。
【0046】
次いで、圧着用金型40にドアトリム本体11及び厚手仕様の装飾シート30のセットが完了すれば、圧着上型50が所定ストローク下降動作を行ない、図9(a)に示すように、圧着上型50と圧着下型60における圧着中子62との間でドアトリム本体11と厚手仕様の装飾シート30を圧着する。尚、圧着中子62外周に設置されている木目込みバー63は、ドアトリム本体11の木目込み溝15内にまだ挿入されてはいない。
【0047】
このとき、図9(b)に示すように、圧着上型50の下降動作と追随して、駆動用シリンダ66の駆動により、エジェクタピン65も下降するため、装飾シート30に適切なプレス圧がかかるようになる。
【0048】
そして、更に圧着上型50の下降動作が継続して行なわれ、このときに厚手仕様の装飾シート30に過度のプレス圧が加わることがないように、エジェクタピン65を駆動させる駆動用シリンダ66が動作して、エジェクタピン65が下降することにより、圧着中子62が圧着上型50と同期して下降し、厚手仕様の装飾シート30に対する所望のプレス圧を確保するとともに、相対的に木目込みバー63を上昇させて、図10(a),(b)に示すように厚手仕様の装飾シート30の周縁端末34を木目込み溝15内に圧入処理することで木目込み処理が完了する。
【0049】
このように、厚手仕様の装飾シート30を使用した場合においても、過度のプレス圧が装飾シート30に加わることがないように、エジェクタピン65を駆動用シリンダ66の動作タイミング及び下降ストロークを精密に制御することにより、外観意匠性を損なうことがなく、良好に厚手仕様の装飾シート30の圧着加工並びに木目込み処理を行なうことができる。
【0050】
次に、図11は、本発明に係る圧着用金型の第2実施形態を示すもので、この第2実施形態における圧着用金型41では、圧着中子62の支持構造が異なるだけであるため、この支持構造部分についてのみ図面に基づいて説明する。
【0051】
この第2実施形態においては、圧着中子62のガイド用シャフト62aは、取外し可能な緩衝用スプリング64を介してその下側にエジェクタピン65が設置されており、このエジェクタピン65は、個々のガイド用シャフト62aに対応して複数箇所に設けられているが、複数のエジェクタピン65を一括して1枚のエジェクタプレート67により支持するとともに、このエジェクタプレート67を一基の昇降用シリンダ68により上下動作を行ない、エジェクタピン65の駆動を行なうというものである。
【0052】
更に、エジェクタプレート67をその上昇位置で保持するためにストッパー69が設けられ、このストッパー69は、ストッパー駆動用シリンダ69aにより進退動作可能で、ストッパー駆動用シリンダ69aが収縮状態となったとき、ストッパー69が図中右方向に動作して、エジェクタプレート67の下降が可能となる。
【0053】
従って、この圧着用金型41を使用して、薄手仕様の装飾シート20の圧着加工並びに木目込み処理を行なうには、図示するように、ストッパー69により、エジェクタプレート67を保持した状態を維持して、緩衝用スプリング64の弾性作用を利用して、圧着中子62の上下動作を行なうようにすれば良い。
【0054】
また、厚手仕様の装飾シート30を使用する場合には、緩衝用スプリング64を取り外し、圧着中子62のガイドシャフト62aとエジェクタピン65とを当接させて、圧着上型50の下降動作により、圧着上型50と圧着中子62との間のプレス圧により、ドアトリム本体11に厚手仕様の装飾シート30を圧着する。
【0055】
その後、ストッパー駆動用シリンダ69aを動作させてストッパー69を後退させ、同時に昇降用シリンダ68を動作させることで、エジェクタプレート67を下降させて、エジェクタピン65及び圧着中子62を下降させることにより、厚手仕様の装飾シート30にかかるプレス圧を適切に調整することができる。
【0056】
そして、第2実施形態の圧着用金型41は、複数のエジェクタピン65を1枚のエジェクタプレート67で支持するとともに、このエジェクタプレート67を上下動作させる昇降用シリンダ68は小型なもので済むため、エジェクタピン65の駆動源を小型化でき、昇降用シリンダ68によりエジェクタピン65の一括駆動が可能なため、個々のシリンダを動作させるのに比べ制御も簡単に行なえるという利点がある。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る装飾シートの圧着用金型によれば、緩衝用スプリングのバネ圧により圧着中子を上下動可能に支持することができるとともに、この緩衝用スプリングを取り外せば、エジェクタピンにより直接シリンダ駆動を行なうことができるというものであるから、薄手仕様の装飾シートを使用する際は緩衝用スプリングの弾性作用を利用し、また、厚手仕様の装飾シートの圧着加工には緩衝用スプリングを取り外し、シリンダ駆動により圧着中子を上下動させれば良いため、同一の圧着用金型を使用して、薄手仕様、厚手仕様、あらゆるタイプの装飾シートの圧着加工、木目込み処理を良好に行なうことができ、製品外観の優れた製品を簡単かつ廉価に製作できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を使用して製作した自動車用ドアトリムを示す正面図である。
【図2】図1中II−II線断面図であり、(a)は薄手仕様の装飾シートを使用した場合の断面図、(b)は厚手仕様の装飾シートを使用した場合の断面図である。
【図3】本発明に係る圧着用金型の第1実施形態の全体構成を示す説明図である。
【図4】図3に示す圧着用金型における圧着中子の支持構造の要部説明図である。
【図5】図3に示す圧着用金型を使用した薄手仕様の装飾シートのセット工程を示す説明図である。
【図6】図3に示す圧着用金型を使用した薄手仕様の装飾シートの圧着工程を示す(a)全体図、(b)要部説明図である。
【図7】図3に示す圧着用金型を使用した薄手仕様の装飾シートの木目込み工程を示す(a)全体図、(b)要部説明図である。
【図8】図3に示す圧着用金型を使用した厚手仕様の装飾シートのセット工程を示す説明図である。
【図9】図3に示す圧着用金型を使用した厚手仕様の装飾シートの圧着工程を示す(a)全体図、(b)要部説明図である。
【図10】図3に示す圧着用金型を使用した厚手仕様の装飾シートの木目込み工程を示す(a)全体図、(b)要部説明図である。
【図11】本発明に係る圧着用金型の第2実施形態における圧着中子の支持構造を示す説明図である。
【図12】従来の自動車用ドアトリムを示す正面図である。
【図13】図12中XIII −XIII 線断面図である。
【図14】従来の薄手仕様の装飾シートの圧着用金型を示す説明図である。
【図15】図14に示す従来の圧着用金型を使用した圧着加工と木目込み加工のタイムチャート図である。
【図16】従来の厚手仕様の装飾シートの圧着用金型を示す全体図である。
【図17】図16に示す圧着用金型における圧着中子の支持構造を示す説明図である。
【図18】図16に示す従来の圧着用金型における圧着加工及び木目込み加工のタイムチャート図である。
【符号の説明】
10 自動車用ドアトリム
11 ドアトリム本体
15 木目込み溝
20 薄手仕様の装飾シート
22 周縁端末
30 厚手仕様の装飾シート
31 クロス
32 クッション層
34 周縁端末
40、41 圧着用金型
50 圧着上型
51 昇降用シリンダ
60 圧着下型
61 下型ベース
62 圧着中子
62a ガイドシャフト
62b リニアブッシュ
63 木目込みバー
64 緩衝用スプリング
65 エジェクタピン
66 駆動用シリンダ
66a 油圧回路
67 エジェクタプレート
68 昇降用シリンダ
69 ストッパー
69a ストッパー駆動用シリンダ

Claims (2)

  1. トリム本体(11)の表面所定箇所に装飾シート(20、30)を圧着固定する圧着用金型(40)であって、トリム本体(11)をセットする上下動可能な圧着上型(50)と、装飾シート(20、30)をセットする圧着下型(60)と、装飾シート(20、30)の周縁端末(22、34)をトリム本体(11)の木目込み溝(15)内に圧入処理する木目込みバー(63)とから構成される装飾シートの圧着用金型において、
    前記圧着下型(60)は、装飾シート(20、30)をセットする圧着中子(62)が下型ベース(61)に上下動可能に支持されるとともに、この圧着中子(62)の外周に沿って木目込みバー(63)が下型ベース(61)に固定され、前記圧着中子(62)を支持するガイドシャフト(62a)とシリンダ(66)駆動されるエジェクタピン(65)との間に緩衝用スプリング(64)が取外し可能に装着され、この緩衝用スプリング(64)の弾性作用により圧着中子(62)を上下動可能に支持する一方、緩衝用スプリング(64)を取り外し、エジェクタピン(65)を介して、シリンダ(66)駆動により圧着中子(62)を上下動可能としたことを特徴とする装飾シートの圧着用金型。
  2. 圧着中子(62)のガイドシャフト(62a)に対応して配設されるエジェクタピン(65)は、エジェクタプレート(67)により支持され、エジェクタプレート(67)の昇降用シリンダ(68)により一括駆動されるとともに、エジェクタプレート(67)の上昇位置でエジェクタプレート(67)を保持するストッパー(69)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の装飾シートの圧着用金型。
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