JP3767045B2 - 可動式屋根における支持軌道部の横断通路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動式屋根の脚部の支持軌道部が歩行者動線と交差せざるを得ないような大規模構築物において、その支持軌道部を横断する通路を安全に確保するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドーム型の可動式屋根をもった大規模構築物では、可動式屋根を支える脚部の先端に一体化した走行台車のレールがその可動範囲の全長にわたって敷設されている。このガイドレールは、一般に常時露出状態となっているため、同一レベル上での内外部との空間的つながりはこの軌道を挟んで分断され、人がこの軌道を跨いで内外を通行することができないので、歩行動線から厳重に隔離された位置に配置される。例えば特公平8−6396号公報にあっては、予め構築された下部構造体の上部に軌道を設けて可動式屋根を移動可能にガイドするため、歩行者はその下部構造体の下に設けられた出入口により建物内外を通過するなどの立体的解決策を採っている。
【0003】
ところで、既存の野球場や、サッカースタジオ、その他の既存の屋外競技場施設にも、開閉式の屋根構造を持った大規模構造物としてリニューアルすることが提案されている。この種の既存建物であって、現在使用を継続している比較的最近構築された施設では、建物の基本構造の大幅改変を伴うことなく、最短の工期で可動式屋根架け作業を行うことが条件の一つになっているが、次に述べる問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、既存建物の構造に制約を受けるため、可動式屋根構造物を構築するためには、前述のごとく歩行動線から隔離するために、別途下部構造体を構築せざるを得ず、工費が高く、工期も長期化せざるを得ない。
【0005】
また、地表部に軌道を設ける場合には、軌道の敷設範囲を歩行者動線から隔離するためには、既存建物の出入口を敷設範囲に迂回して作らなければならず、これでは既存建物の大幅な改変を行わなければならず、やはり工費、工期の問題が生ずる。
【0006】
本発明は、以上の問題を解決するものであって、その目的とするところは、軌道の敷設範囲に歩行者動線が交差していても、可動屋根の移動の障害となることなく、また歩行者の安全性を損うことなく、動線の確保を行えるようにした、可動式屋根における支持軌道部の横断通路を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明のうち請求項1に記載の発明は、可動式屋根における移動型の脚部を支持する軌道部が、歩行者動線と交差する構造の可動式屋根構造物において、前記軌道部に交差し、かつ開閉機構に連繋して開閉可能な昇降式の橋を架橋するとともに、該昇降橋の両側部に欄干フェンスを配置し、さらには前記昇降橋の前後をゲートフェンスにより開閉可能としたことを特徴とするものである。
【0008】
したがって、この請求項1に記載の発明によれば、昇降橋を通じて建物内外の歩行動線を確保でき、可動式屋根の移動時にはこの昇降橋が機械動作により軌道部から外されることになり、またゲートフェンスを通じて歩行動線を遮断することにより、歩行者の安全を確保できる。
【0009】
本発明のうち請求項2に記載の発明は、前記支持軌道部を地下部に設けたガイド溝に形成したことを特徴とするものである。
【0010】
したがって、この請求項2に記載の発明によれば、台車が地表部を走行することによる威圧感がない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1、図2は、本発明が実施される開閉式屋根構造をもった野球場の全体構成を示している。図において、野球場1は、ゲート部2を外野側中央に設け、ゲート部2を通過した利用客は、外野席側からなめらかに連続するスロープを歩きながら指定された席まで移動できる歩行動線が確保された構造の建物である。
【0013】
この野球場1の左右両翼の上部にはそれぞれ外野側及び内野側にかけて連続し、野球場1の両外側部に位置する一対の固定屋根4が配置されている。この固定屋根4はその前後の脚部3および多数のワイヤWによって野球場1の左右両翼の上部に固定されている。
【0014】
両固定屋根4上にはこれとほぼ同一面積の中段可動屋根5及び上段可動屋根6が積層状態に配置されており、各可動屋根5、6の両側の一対の脚部7、8は、野球場1外の外野側にゲート2を挟んで左右対称的に構築された地下ガイド溝10、11および内野側外部に配置された支持躯体12にそれぞれ設けられた支持軌道部となるガイドレールに沿って扇形に移動可能であり、図1の全開状態から各可動屋根5、6を矢印に示すように互いに野球場1の中央側に向けて移動させ、中央で合致させることによって、図2に破線で示すように、野球場1の上部全体を覆うことができる。
【0015】
以上の構成においては、外野席外側の地下にそれぞれガイド溝10、11が形成されており、観客はこのガイド溝10、11の上部に複数箇所に架橋された昇降橋14を伝って野球場1側に案内される。もちろん、昇降橋14の架橋部分以外の箇所はガイド溝10に沿って固定式のフェンスが配置され、観客の安全を確保している。
【0016】
なお、以上のように、可動屋根5、6の全開あるいは全閉時において昇降橋14を介して観客の歩行動線が確保されるが、可動屋根5、6の移動時には観客の安全を確保しつつその歩行動線を遮断する必要があり、以下の図3〜図6の構成により通路の解放、遮断を安全に行う。
【0017】
先ず、図3、4は図1のA−A断面箇所における部位、すなわち可動屋根5、6の脚部7、8の双方が通過する箇所を示している。図において地下に斜めに構築された各ガイド溝10、11の底部にはT字形をなして三つのガイドレール16が紙面と直交する方向に固定配置されている一方、各脚部7、8の先端はこのガイドレール16に沿って移動する台車18に固定され、ガイドレール16に沿って各脚部7、8を移動可能としている。
【0018】
各昇降橋14はその一端をピン20によりガイド溝10、11の一方の縁にヒンジ支持されているとともに、他端回動端をラッチ機構22を介して係脱可能にロックされる。この昇降橋14はガイド溝10内に配置されたリンク機構24およびこのリンク機構24を伸縮させる油圧シリンダ26により開閉される。
【0019】
さらに昇降橋14の上部両側には欄干フェンス28が配置されているとともに、各ガイド溝10、11の両側部にも紙面と直交する方向に図示しないゲートフェンス29が配置されている。なお、図中符号10aはガイド溝10内に形成された点検用の作業員通路である。
【0020】
図3においては、各脚部7、8が停止し各昇降橋14が通常状態に位置している状態を示し、昇降橋14は観客の移動動線の地表に一致しており、さらに欄干フェンス28は昇降橋14の両側に配置され、またガイド溝10、11の両側に位置するゲートフェンス29は開けられ、これによって観客は昇降橋14を伝って野球場1に対する出入りが可能となる。
【0021】
この状態から、脚部7、8が移動する場合には、図4に示すように、先ず移動ゲートフェンス29が閉じられて観客の移動動線が遮断され、次いで欄干フェンス28が左右に移動してガイド溝10、11を開け、次いでラッチ機構22が掛け外され、油圧シリンダ26の駆動により昇降橋14はそれぞれのガイド溝10、11内に傾動し、脚部7、8と干渉しない位置まで傾動作した後停止する。その後に台車18が移動し、各脚部7、8は昇降橋14の架橋位置を通過する。通過後、各可動屋根5、6が全開あるいは全閉位置に固定したならば、前記とは逆の手順により再び昇降橋14、欄干フェンス28、ゲートフェンス29を図3に示す元位置に復帰させることにより、観客の移動が再度可能となる。
【0022】
次に、図5、6は前記ゲート部2の中央にあって、図1のB−B断面位置、すなわち上部可動屋根6のみが通過する位置における昇降橋14の開閉機構を示している。図において、昇降橋14は一端をピン20によりガイド溝10の一方の縁にヒンジ支持されているとともに、他端回動端をラッチ機構22を介して係脱可能にロックされる構造は、前記と同様であるが、この昇降橋14は上方に傾動する点が前記とは異なっており、ピン支持側においてガイド溝10内に配置された略半円形状のインターナルギア30に噛合するピニオン32を後端に備えており、このピニオン32には図示しない油圧駆動モータなどが連繋している。
【0023】
したがって、この昇降橋14の閉鎖時においては、ラッチ機構22により平坦性が保持され、図5に示すように昇降橋14上を観客が通過可能となっている。
この状態から脚部7の移動を可能とするには、欄干フェンス28を図6に示すようにガイド溝10上から移動させ、ゲートフェンス29を閉じ、通路を遮断した後、ラッチ機構22を解除し、駆動モータを駆動してピニオン32をインターナルギア回りに回転させることにより、昇降橋14をピン20を基点に後傾させ、脚部7と干渉しない位置で停止させることで、脚部7の通過が可能となる。通過後は前記とは逆の手順により昇降橋14を閉じれば、その上を再び観客が通過可能となる。
【0024】
以上の作業手順は、観客がいる場合であって、天候の急速な悪化により雨風を防ぐ場合、あるいはその逆に天候回復によって全天を解放する場合に実施されるものであるが、その実施にあたっては、警告から各部操作により昇降橋14を開けて脚部7、8を通過させ、その後再び架橋して動線を解放するまで自動的に行われ、また歩行者の安全性を確保するために十分な時間的余裕をもって実施される。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明にかかる可動式屋根における支持軌道部の横断通路にあっては、軌道の敷設範囲に歩行者動線が交差していても、可動屋根の移動の障害となることなく、また歩行者の安全性を損うことなく、動線の確保を行える利点があり、特に軌道を配置するための下部構造物などが不要なり、また既存構造物では歩行者動線の迂回用出入口などの改修が不要となるため、建設費用が安価で、工期も短縮できるなどの利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体的概要を示す説明用姿図である。
【図2】同全体的概要を示す平面説明図である。
【図3】図1のA−A線断面における通過可能状態を示す断面図である。
【図4】図1のA−A断面における支持脚通過時の断面図である。
【図5】図1のB−B断面における通過可能状態を示す断面図である。
【図6】図1のB−B断面における支持脚通過時の断面図である。
【符号の説明】
1 野球場
5、6 可動屋根
7、8 脚部
10、11 地下ガイド溝
14 昇降橋
16 ガイドレール(軌道)
18 台車
24、26、30、32 開閉機構
(24 リンク機構、26 油圧シリンダ、30 インターナルギア、32 ピニオン)
28 欄干フェンス
29 ゲートフェンス
Claims (2)
- 可動式屋根における移動型の脚部を支持する軌道部が、歩行者動線と交差する構造の可動式屋根構造物において、
前記軌道部に交差し、かつ開閉機構に連繋して開閉可能な昇降式の橋を架橋するとともに、該昇降橋の両側部に欄干フェンスを配置し、さらには前記昇降橋の前後をゲートフェンスにより開閉可能としたことを特徴とする可動式屋根における支持軌道部の横断通路。 - 前記支持軌道部を地下部に設けたガイド溝に形成したことを特徴とする請求項1に記載の可動式屋根における支持軌道部の横断通路。
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JP28445996A JP3767045B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 可動式屋根における支持軌道部の横断通路 |
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JP28445996A Expired - Fee Related JP3767045B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 可動式屋根における支持軌道部の横断通路 |
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1996
- 1996-10-25 JP JP28445996A patent/JP3767045B2/ja not_active Expired - Fee Related
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