JP3764979B2 - 研磨加工方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばメッキ加工後の穴の内周面の凸部の除去加工や表面みがき加工等の研磨加工に用いられる研磨加工方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の研磨加工方法及びその装置としては、例えば内面研削盤、ホーニング盤等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、砥石やホーン等の工具管理が不可欠であるため、研磨加工の最適条件の維持管理が厄介であり、それだけ作業能率を低下させることがあると共に装置の複雑化により大型化が避けられず、装置の低廉化を図ることが困難であるという不都合を有している。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決することを目的とし、本発明のうち、請求項1記載の方法の発明は、連続移送される研磨テープを案内部材により移送案内し、該研磨テープにより被加工物を研磨加工するに際し、上記案内部材に形成された行案内面及び戻案内面により研磨テープを行戻移送案内すると共に該研磨テープを該案内部材に形成された該研磨テープの行側部分及び戻側部分のうちの行側部分を行案内面から側方に折返すと共に戻側部分を側方から戻案内面に折返す45度に切欠されてなる二つの折返面及び該両折返面により側方に折り返された研磨テープを案内すると共に被加工物に対しての研磨圧力を受ける受圧面とからなる折返案内面により迂回案内し、該折返案内面により迂回案内された研磨テープにより研磨部を形成することを特徴とする研磨加工方法にある。
【0006】
又、請求項2記載の方法の発明は、上記研磨部により被加工物を研磨加工するに際し、上記被加工物を回転させることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の方法の発明にあっては、上記研磨部により被加工物を研磨加工するに際し、上記研磨部を揺振運動させることを特徴とするものである。
【0007】
又、請求項4記載の装置の発明は、連続移送される研磨テープを案内部材により移送案内し、該研磨テープにより被加工物を研磨加工する装置において、上記案内部材に上記研磨テープを行戻移送案内可能な行案内面及び戻案内面を形成すると共に、該行戻移送案内される研磨テープの折返部分を側方に迂回案内可能な折返案内面を形成してなり、上記折返案内面は上記研磨テープの行側部分及び戻側部分のうちの行側部分を行案内面から側方に折返すと共に戻側部分を側方から戻案内面に折返す45度に切欠されてなる二つの折返面と、該両折返面により側方に折り返された研磨テープを案内すると共に被加工物に対しての研磨圧力を受ける受圧面とからなり、該折返案内面により迂回案内された研磨テープにより研磨部を形成してなることを特徴とする研磨加工装置にある。
【0008】
又、請求項5記載の装置の発明は、上記受圧面はゴム又は合成樹脂等の弾性材或いは硬質材からなる受圧パッドにより形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1乃至図10は本発明の実施の形態例を示し、1はテープ移送機構であって、この場合図外の機台の上部に取付部材2を上下方向Mに上下動及び又は前後方向Sに前後動作自在に取付け、この取付部材2の左右両側位置にポリエステルフィルム、メタル、クロス等の基材に酸化アルミニュウム、酸化クロム、シリコンカーバイド、ダイヤモンド等の所定粒度の研磨粒子をコーティング又は結合してなる約7cm程度の研磨テープTの実巻リール3及び巻取リール4を軸着し、実巻リール3を繰出回転させる繰出用モータ5を設け、かつ巻取リール4及び一対の送りロール6を巻取回転させる巻取用モータ7を設け、実巻リール3から引き出した研磨テープTを案内ロール8、案内部材9及び案内ロール10を介して下向きに折り返し案内してのち巻取リール4に巻回し、実巻リール3及び巻取リール4を回転させると共に送りロール6を回転させ、これにより研磨テープTを矢印方向の一方向に連続移送させるように構成している。
【0010】
Wは被加工物であって、この場合その穴の内面としての被加工面W1が研磨加工され、図外の機台の下部に図外のチャック機構を配置し、チャック機構により被加工物Wを中心軸線Nを上下方向に配して上記案内部材9に対向位置して着脱自在に取り付けられるように構成している。
【0011】
この場合上記取付部材2は図外の揺振機構により揺振方向M1の上下方向に揺振運動するように構成され、又、上記被加工物Wは中心軸線Nを回転軸線として回転方向Rに回転するように構成されている。
【0012】
又、この場合上記取付部材2の下部に保持部材11を取付け、保持部材11に摺動部材12を上記被加工物Wの中心軸線Nに直交する方向としての前後方向Sに摺動部12aにより摺動自在に取付け、保持部材11と摺動部材12との間に弾圧機構13を配設し、この場合、弾圧機構13は、上記摺動部材12の後部にバネ受け板14を取付けると共に保持部材11の後部に調節ナット15を螺着し、バネ受け板14と調節ナット15との間に摺動部材12を後退付勢可能な弾圧用バネ16を介装すると共に保持部材10に摺動部材12の後退限度を定めるストッパ面17を形成してなり、この摺動部材11に支持部材18をボルト19により取付け、支持部材18に上記案内部材9をボルト20により上下方向にして取付け構成している。
【0013】
この案内部材9は、この場合、上部左右両側に案内ロール21a及び21bを取付けると共に上下方向に延びて左右に案内溝22a・22bを形成し、この左右に案内溝22a・22bのそれぞれ外側内面を研磨テープTを行戻移送案内可能な行案内面23及び戻案内面24に形成し、この案内部材9の下端部に行戻移送案内される研磨テープTの折返部分Bを加工側となる側方に迂回案内可能な折返案内面25を形成し、この場合折返案内面25は、上記研磨テープTの行側部分T1及び戻側部分T2のうちの行側部分T1を行案内面23から側方に折返すと共に戻側部分T2を側方から戻案内面23に折返す45度に切欠されてなる二つの折返面25a・25bと、両折返面25a・25bにより側方に折り返された研磨テープTを案内するとと共に被加工物Wに対しての研磨圧力を受ける受圧面25cとにより形成され、この折返案内面25により迂回案内された研磨テープにより研磨部Kを形成している。
【0014】
この場合、上記受圧面25cはゴム又は合成樹脂等の弾性材を貼付してなるもの或いは硬質材からなる受圧パッド26により形成され、受圧パッド26はピン27により案内部材9の下端部に固定的又はピン27を中心として上下に首振揺動自在に取り付けられ、弾性材により過大な研磨圧力を吸収することもでき、首振揺動可能とすることにより被加工面W1と研磨テープTとの圧接を良好なものとすることができ、案内溝22a・22bの上方を覆う案内板28を案内部材9に取付ネジ28aにより取付けて構成している。
【0015】
この実施の形態例は上記構成であるから、例えばメッキ加工後の穴の内周面の凸部の除去加工に際し、連続移送される研磨テープTを案内部材9により移送案内して研磨テープTにより被加工物を研磨加工することになり、この際、研磨テープTを案内部材9に形成された行案内面23及び戻案内面24により行戻移送案内すると共に、この行戻移送案内される研磨テープTの折返部分Bを折返案内面25により側方に迂回案内し、この折返案内面25により迂回案内された研磨テープTにより研磨部Kを形成し、この研磨部Kを案内部材9の下降により図中M方向に下降させると共にS方向に移動させ、研磨部Kを被加工物Wの穴の内周面としての被加工面W1に適宜研磨圧力をもって圧接し、加工条件に応じて乾式状態又は加工部位に研磨液を供給する湿式状態の雰囲気において、研磨加工が行われることになる。
【0016】
したがって、被加工面W1を研磨テープTの一方向移送により常時新たな研磨テープTの研磨面をもって研磨加工することができ、それだけ良好な研磨加工を行うことができると共に工具管理が不要となり、それだけ作業性を工場することができ、しかも研磨テープTを案内部材9に形成された行案内面23及び戻案内面24により行戻移送案内すると共にこの行戻移送案内される研磨テープTの折返部分Bを折返案内面25により側方に迂回案内し、この折返案内面25により迂回案内された研磨テープTにより研磨部Kを形成しているから、研磨部Kを被加工物Wの穴の内周面に挿入配置し、穴の内周面に向けて研磨加工を行うことができると共に研磨テープTの折返部分Bにおいて研磨テープTの行側部分T1及び戻側部分T2にテープ送りの繰出側及び巻取側の張力制御により相互に逆の張力を付与することにより折返案内面25に研磨テープTが圧接密着し、折返案内面25における研磨テープTのたるみ現象を阻止することができ、それだけ良好な研磨加工を行うことができる。
【0017】
又、この場合上記研磨部Kにより被加工物Wを研磨加工する際に、被加工物Wを図中R方向に回転させるので、上記研磨テープTの一方向移送の研磨加工に加えて被加工物Wの回転作用を伴って研磨加工することができ、それだけ良好に研磨加工を行うことができ、又、この場合被加工物Wを研磨加工する際に、上記研磨部Kを図中M1方向に揺振運動させるので、研磨テープTの揺振運動による研磨作用が付加され、それだけ良好に研磨加工を行うことができる。
【0018】
又、この場合、上記折返案内面25は、上記研磨テープTの行側部分T1及び戻側部分T2のうちの行側部分T1を行案内面23から側方に折返すと共に戻側部分T2を側方から戻案内面24に折返す45度に切欠されてなる二つの折返面25a・25bと、両折返面25a・25bにより側方に折り返された研磨テープTを案内するとと共に被加工物Wに対しての研磨圧力を受ける受圧面25cとにより形成しているから、研磨テープTの側方への迂回移送案内を良好に行うことができ、研磨テープTの移送を円滑に行うことができ、又、この場合上記受圧面25cはゴム又は合成樹脂等の弾性材或いは硬質材からなる受圧パッドにより形成されているから、研磨圧力を良好に受けることができる。
【0019】
又、この場合弾圧機構13を配設しているので、案内部材9の図中S方向への移動に伴う圧接力を被加工物Wに応じて吸収することができると共に研磨部Kの被加工面W1に対する圧接力を調節することができ、過大な研磨圧力を吸収することができ、それだけ良好に研磨加工を行うことができる。
【0020】
尚、本発明は上記実施の形態例に示す、テープ移送機構1、案内部材9の構造に限られるものではなく、又、上記実施例とは逆に、テープ移送機構1を回転させたり、被加工物Wを揺振運動させることもあり、又、上記形態例は案内部材9と被加工物Wとが上下に対向した、いわゆる縦型構造となっているが、案内部材9と被加工物Wとが水平方向に対向した、横型構造とすることもできる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は上述の如く、請求項1又は4記載の発明にあっては、被加工面を研磨テープの一方向移送により常時新たな研磨テープの研磨面をもって研磨加工することができ、それだけ良好な研磨加工を行うことができると共に工具管理が不要となり、それだけ作業性を工場することができ、しかも研磨テープを案内部材に形成された行案内面及び戻案内面により行戻移送案内すると共にこの行戻移送案内される研磨テープの折返部分を折返案内面により側方に迂回案内し、この折返案内面により迂回案内された研磨テープにより研磨部を形成しているから、被加工物の側方に向けて研磨加工を行うことができると共に研磨テープの折返部分において研磨テープの行側部分及び戻側部分にテープ送りの繰出側及び巻取側の張力制御により相互に逆の張力を付与することにより折返案内面に研磨テープが圧接密着し、折返案内面における研磨テープのたるみ現象を阻止することもでき、それだけ良好な研磨加工を行うことができ、かつ、上記折返案内面は、上記研磨テープの行側部分及び戻側部分のうちの行側部分を行案内面から側方に折返すと共に戻側部分を側方から戻案内面に折返す45度に切欠されてなる二つの折返面と、この両折返面により側方に折り返された研磨テープを案内すると共に被加工物に対しての研磨圧力を受ける受圧面とにより形成しているから、研磨テープの側方への迂回移送案内を良好に行うことができ、研磨テープの移送を円滑に行うことができる。
【0022】
又、請求項2記載の発明にあっては、研磨部により被加工物を研磨加工する際に、被加工物を回転させるので、研磨テープの一方向移送の研磨加工に加えて被加工物の回転作用を伴って研磨加工することができ、それだけ良好に研磨加工を行うことができ、又、請求項3記載の発明にあっては、被加工物を研磨加工する際に、研磨部を揺振運動させるので、研磨テープの揺振運動による研磨作用が付加され、それだけ良好に研磨加工を行うことができる。
【0023】
又、請求項5記載の発明にあっては、上記受圧面はゴム又は合成樹脂等の弾性材或いは硬質材からなる受圧パッドにより形成されているから、それだけ研磨圧力を良好に受けることができる。
【0024】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態例の全体説明正面図である。
【図2】 本発明の実施の形態例の部分拡大正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態例の部分分解斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態例の部分斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態例の部分拡大斜視図である。
【図8】 本発明の実施の形態例の部分分解斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態例の研磨テープの説明斜視図である。
【図10】 本発明の実施の形態例の研磨テープの説明斜視図である。
【符号の説明】
W 被加工物
T 研磨テープ
K 研磨部
1 テープ移送機構
9 案内部材
23 行案内面
24 戻案内面
25 折返案内面
25a 折返面
25b 折返面
25c 受圧面
Claims (5)
- 連続移送される研磨テープを案内部材により移送案内し、該研磨テープにより被加工物を研磨加工するに際し、上記案内部材に形成された行案内面及び戻案内面により研磨テープを行戻移送案内すると共に該研磨テープを該案内部材に形成された該研磨テープの行側部分及び戻側部分のうちの行側部分を行案内面から側方に折返すと共に戻側部分を側方から戻案内面に折返す45度に切欠されてなる二つの折返面及び該両折返面により側方に折り返された研磨テープを案内すると共に被加工物に対しての研磨圧力を受ける受圧面とからなる折返案内面により迂回案内し、該折返案内面により迂回案内された研磨テープにより研磨部を形成することを特徴とする研磨加工方法。
- 上記研磨部により被加工物を研磨加工するに際し、上記被加工物を回転させることを特徴とする請求項1記載の研磨加工方法。
- 上記研磨部により被加工物を研磨加工するに際し、上記研磨部を揺振運動させることを特徴とする請求項1又は2記載の研磨加工方法。
- 連続移送される研磨テープを案内部材により移送案内し、該研磨テープにより被加工物を研磨加工する装置において、上記案内部材に上記研磨テープを行戻移送案内可能な行案内面及び戻案内面を形成すると共に、該行戻移送案内される研磨テープの折返部分を側方に迂回案内可能な折返案内面を形成してなり、上記折返案内面は上記研磨テープの行側部分及び戻側部分のうちの行側部分を行案内面から側方に折返すと共に戻側部分を側方から戻案内面に折返す45度に切欠されてなる二つの折返面と、該両折返面により側方に折り返された研磨テープを案内すると共に被加工物に対しての研磨圧力を受ける受圧面とからなり、該折返案内面により迂回案内された研磨テープにより研磨部を形成してなることを特徴とする研磨加工装置。
- 上記受圧面はゴム又は合成樹脂等の弾性材或いは硬質材からなる受圧パッドにより形成されていることを特徴とする請求項4記載の研磨加工装置。
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1996
- 1996-04-15 JP JP9270296A patent/JP3764979B2/ja not_active Expired - Lifetime
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