JP3763959B2 - 無端ベルトの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間転写ベルトなどとして、静電複写式の画像形成装置に用いられる無端ベルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トナーを用いた静電複写式の画像形成装置は、電子写真式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの複合機等に利用されている。
【0003】
この画像形成装置においては、感光体の表面にパターン状に光が照射されてパターン状に静電荷を有した静電画像が形成される(露光工程)。ついでこの感光体の表面に、負極性又は正極性に帯電したトナーが、現像ローラにより一定濃度を維持されつつ搬送される。このトナーは、感光体と接触されることにより、感光体上に付着され、感光体上で静電潜像が可視像化される(現像工程)。ついで、このトナー像は、無端状に形成された転写ベルト上を搬送される記録紙などに転写される(転写工程)。転写された記録紙は定着装置において加熱定着されて画像が形成される。ここで、転写工程においては、記録紙などの紙種対応性や、操作性、画質の安定性を得るために、感光体と記録紙との間に中間トナー担持体としての中間転写ベルトを介して転写させることも行われている。この中間転写ベルトは通常無限ループが形成されるように無端状に形成されている。
【0004】
このような無端ベルトの製法として種々の方法が知られている。
【0005】
例えば、フィルム(またはシート)から環状部材を形成し、この環状部材の重ね合わせ部を接着、熱圧着などにより継ぎ合わせる方法が知られている。しかしながら、この方法では、継目部分に段差が生じて、この継目部分の転写性能の変化に起因する画像乱れの原因となる。また、転写ベルトをクリーニングブレードによりクリーニングすると段差部分にトナーが残り、クリーニング不良が生じる。
【0006】
また、無端ベルト基材上に、所望の体積抵抗率を有する合成樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液をスプレーにより塗布したり、チューブ・コーティング法によりコーティングして、厚み20〜50μmの誘電体薄層を形成する方法もある。しかしながら、この方法では、スプレーやコーティングの際に、樹脂被膜の表面に気泡やピンホールが生じて、無端ベルトの品質が低下する。また、樹脂溶液を均一に塗布するのは熟練を要し、品質にバラツキが生じ易いという問題点があった。
【0007】
また、得られたベルトは、中間転写ベルトとして組み込む際に、寄り止め策が必要となり、このために、得られた無端ベルトの一端又は両端は、テープなどが貼着されて寄り止め部とされていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
回転する円筒形状の成形型内部に塗布液を螺旋状に流し込んで、この成形型を高速回転させながらその遠心力により塗布液を拡げて均一な膜としてこの膜を固化させる方法(いわゆる遠心成形法)により無端ベルトを製造することが提案された。この方法に従えば、塗布された塗布液は遠心力により拡げられるので、比較的均一な厚みの塗布層が得られやすい。
【0009】
しかしながら、この遠心成形法においては、塗布層は、遠心力により拡がる構成であるので、その両端部は薄く垂れてしまっている。そして、得られた成形体の両端は薄くなり、この両端をピンセットなどにより掴んで成形型から剥離することが困難となる。
【0010】
取り出し時に、成形体にナイフエッジで切り込みを入れて浮かせば、成形体の取り出し容易となるが、ナイフエッジを用いることで成形型内面に傷が付き易くなる。その傷ついた痕が次の成形体(無端ベルト)に残ってしまったり、また、薄い膜が成形型に付着して残る場合がある。それ故、この成形型を用いて繰り返し無端ベルトを作成すると、傷ついた部分にベルト素材が固着し易くなり、膜厚の不均一をもたらしたり、また、均一な膜を形成することができなくなる。
【0011】
一方、成形型を割型とすれば、取り出しは容易となる。しかしながら、この割型の継目部分を滑らかに構成することが困難であり、この継目部分に段差が生じて薄い膜を必要とする無端ベルトでは、型の取り外しが困難となる。
【0012】
さらに、この遠心成形法によっても、寄り止め用のテープの貼着工程は依然として必要であり、製作工程の煩雑さは解消されない。
【0013】
そこで、本発明の目的は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、剥離が容易となり、かつ、寄り止め部のためのテープの貼り工程も不要となる無端ベルトの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内面が無端環状の成形型に流動状体にあるベルト素材を付与する工程と、このベルト素材を固化させて無端形状の成形品とする工程と、この成形品を前記成形型から離脱させる工程とを含む工程により無端ベルトを製造する方法において、前記ベルト素材の付与工程は、前記成形型の回転軸方向に走査可能な付与手段により付与されると共に、該付与手段の前記回転軸方向の走査を減速又は停止するか、前記付与手段から供給される前記ベルト素材固形分濃度を高くするか、前記付与手段から供給される前記ベルト素材の付与量を増大させるか、又はこれらを組み合わせるかにより、前記成形品の少なくとも一端の厚みが中央部の厚みに比較して厚く成形することを特徴とする無端ベルトの製造法である。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記成形型は円筒状の成形型が用いられ、該成形型内面に流動状体にあるベルト素材を付与する工程と、該成形型を高速回転させながらその遠心力により前記ベルト素材を前記成形型内面に拡げてベルト素材層を形成する工程と、該ベルト素材層の形態を保持した状態で前記ベルト素材を固化させる工程とを含む遠心成形法により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の無端ベルトの製造方法である。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記ベルト素材の付与工程は、成形型を回転しつつスプレー塗装又はノズル注液により付与されることを特徴とする請求項2に記載の無端ベルトの製造方法である。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記軸方向付与長さをベルト取付治具より長く付与することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無端ベルトの製造方法である。
【0021】
請求項5に記載の発明は、前記軸方向付与長さをベルト取付治具より長くして付与した後、切断することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無端ベルトの製造方法である。
【0022】
【作用】
請求項1に記載の発明のように構成すれば、付与手段を成形型の回転軸方向に走査しつつベルト素材を成形型に付与する際に、一端のベルト素材固形分の付与量を増大させることができ、これにより一端の厚みが同質素材により増大された無端ベルトが容易に製造される。
【0023】
また、少なくとも一端の厚みが中央部の厚みに比較して厚く構成されるので、成形後にこの厚みの厚い部分を掴めば成形型を傷つけることなく成形品を取り出すことが可能となる。また、この厚みの厚い部分を寄り止め部として利用すれば、寄り止め部を別途に貼着する工程が不要となる。
【0024】
また、寄り止め部を同質素材により構成することが容易となり、これにより寄り止め部とベルト本体との密着性が改善されて両者が剥離することがないベルトが製造される。
【0025】
請求項2に記載の発明のように構成すれば、遠心成型法により成形型の内面からベルト素材液が付与されるので、成形型に密着した外面は成形型の内面に沿った平滑面とされ、内面のベルト素材の付与量を変化させることにより内面に向かって厚みの増大された成形品が容易に製造される。この製造法によれば、無端ベルトの製造に熟練を要せずにバラツキのない製品が製造できる。
【0026】
請求項3に記載の発明のように構成すれば、ベルト素材は回転された成形型内でスプレー塗装又はノズル注液により付与されるので、無端ベルトの厚みを増大させることが容易となる。
【0028】
請求項4に記載の発明のように構成すれば、軸方向付与長さをベルト取付治具より長く付与することでベルト取付治具の長さに切断して用いることができる。
【0029】
請求項5に記載の発明のように構成すれば、軸方向付与長さをベルト取付治具より長くして付与した後、切断することでベルト取付治具(ベルトユニット)への取付が可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0031】
図1は、この発明の実施の形態に係る無端ベルト1を示す図である。この無端ベルト1は、エンドレス(無端)の環状に形成されたベルト本体2と、そのベルト本体2両側の内面に向かって凸状に形成された寄り止め部3とから構成されている。この寄り止め部3の厚みはベルト本体2の厚みの略2倍であり、ベルト本体2の厚みは50〜100μm程度の均一である。また、ベルト本体2と寄り止め部3とは同質素材、好ましくは同一素材により一体に形成されている。
【0032】
次に、この無端ベルト1を製造するための製造装置について述べる。図2は、この無端ベルト1を形成するための遠心成形装置11の一例である。この遠心成形装置11は、水平に保持された円筒状の成形型12と、この成形型12の一側12aに配置され、成形型12に塗液を供給する塗液供給手段としてのノズル13とから大略構成されている。この成形型12は図示を略す支軸により回転可能に軸支され、その回転は、矢印方向に回転速度が自由に設定できるように制御されている。
【0033】
このノズル13は定量ポンプ、圧縮ポンプなどにより一定量の塗液を送給可能とされ、図示を略すディスペンサーにより複数種類の塗液を切り替え供給可能とされている。また、ノズル13の先端13aは、注液やスプレー塗装可能とされ、また、この先端13aは成形型12の回転軸の長さ方向に向けて走査可能とされている。
【0034】
この遠心成形装置11には、成形型12の全体を加熱したり、空気を供給して塗液を固化させる加熱手段や乾燥手段などの固化手段、その他の遠心成形装置に必要な部材(いずれも図示を省略している。)が備えられている。
【0035】
次にこの遠心成形装置11を用いた無端ベルトの製造法について、成形工程を示した図3及び図4〜図6により説明する。
【0036】
まず、遠心成形装置11には、内面が無端形状(環状)である円筒形の成形型12が装着される(s.1)。
【0037】
ついで、図4に示すように、成形型12は低速で回転されつつ、ノズル13の先端13aからスプレー塗装等の手法により成形型2の内面にベルト素材を含む塗布液(以下ベルト素材液という)が螺旋状に均一塗布される(s.2)。この工程での成形型12の回転は必須でなく、例えば、付与手段が回転して成形型2の内面に塗布液を均一付与できれば回転は停止されていてもよい。
【0038】
ここでベルト素材液とは、固化された場合に無端ベルトとして利用できる機械的強力を有する流動状体にあるベルト素材のことである。このベルト素材液は、成形型への付与後、成形型の回転による遠心力の作用により遠心力方向に流動する。これにより、無端ベルト状の成形型に沿って拡がり、乾燥、重合、硬化、反応などを経て固化されて無端ベルト状の成形体が形成される。
【0039】
このような性質を有する素材であれば、特には限定されないが、画像形成装置の無端ベルトとして利用される場合には、ポリイミド前駆体や末端がフッ素化したオリゴマー(フッ素樹脂前駆体)が例示される。この前駆体は、塗布後に反応により無端ベルトに適した素材であるポリイミド膜やフッ素樹脂膜が形成される。
【0040】
このベルト素材液の中には、本発明の効果を損なわない範囲で、ベルト素材として利用するために、他の配合剤が配合されていてもよい。例えば、画像形成装置の無端ベルトとして利用する場合には、所望の抵抗がでるように見かけ密度が小さく分散性の良好なカーボンブラックなどの抵抗制御剤やその他の配合剤が配合されていてもよい。
【0041】
このベルト素材液は、本体2の厚みに比較して少なくとも一端(好ましくは両端)の厚みが厚く付与される。それ故、s.2では、例えば、一定速度でベルト素材液を先端13aから付与する装置では、成形型2の両側位置X及びX´でノズル13の走査が一時的に停止され、位置X、X´間では走査速度は一定に保たれる。これにより両側位置X及びX´付近のベルト素材量の塗布量を増大させることができる。また、中間の位置に置いては、ベルト素材液は略均一に付与される。
【0042】
先端13aの走査速度を減速又は停止させることなく、この位置X及び位置X´においてベルト素材を多量に付与するには、次の方法によってもよい。例えば、ベルト素材液として固形分濃度の異なる二種類を用意する。ディスペンサーによる切り替えにより濃度の高いベルト素材液をこの位置X及び位置X´において付与し、その他の区間は普通濃度のベルト素材液を付与する。また、ノズル13aからの塗布液の供給量をこの位置X及び位置X´において増大させたり、走査完了後に両端のX、位置X´の位置だけ、再度塗布液を塗布してもよい。これらの操作は、併用して用いられてもよい。
【0043】
このベルト素材の塗布量は限定されないが、画像形成装置の無端ベルトとして利用される場合には、成形品の中心部付近の厚みで50〜100μm程度である。また、寄り止め部3の厚みは同程度でよい。
【0044】
ついで、s.3において、ベルト素材が付与された成形型12は高速で回転される。これにより、付与されたベルト素材は遠心力の作用により成形型2の内面に沿って拡がり、図5に示すように、ベルト素材層14を形成する。ここで、ベルト素材層14の表面は、成形型12の内周面に沿った円周方向に均一な半径を有する平滑面とされる。この回転速度は用いられる成形型の大きさ(回転中心軸から成形型内面までの距離)や用いられるベルト素材液の比重(密度)、粘性、付与量などを考慮して適宜設定される。
【0045】
次いで、s.4において、この平滑面を維持した状態でベルト素材層14が乾燥され、固化される。このベルト素材層14の固化工程は、成形品15を成形型12からの取り出しが行える程度であればよい。例えば、ベルト素材としてポリイミド前駆体を含む液を用いた場合、指触により固化が確認される程度でよい。これにより、図6に示すように、無端ベルト形状の成形品15が形成される。この成形品15の両端15aには寄り止め部3となる厚みの厚い部分が一体に設けられている。
【0046】
ついで、s.5において、この成形品15は成形型12から離脱されて無端状のベルト素材が得られる。このとき、成形品15の両端16aは厚みが増大されているので、成形型12を傷つけることなくピンセットなどにより容易に掴み出せる。
【0047】
ついで、得られた成形品15は、必要によりs.6において、幅出しのために両側が切断されて無端ベルト1が得られる。これによりベルトユニットなどのベルト取付治具への取付容易な無端ベルトが得られる。なお、図6は模式図であるので鋭角となっているが、その両端部は用いられる液の粘性に応じて多少流れている。成形品15の固化の完結が行われていない場合には、適宜、固化の完結工程が付加される。
【0048】
以下に無端ベルトを作成した実施例により説明する。なお、以下の実施例では、無端ベルトへの成形は図1に示す遠心成形装置11を用いた。また、この成形型12は、内径φが100mmの円筒型である。
【0049】
(実施例1)
材料溶液としては、ポリイミド前駆体の30重量%を含むDMAC(ジメチルアセトアミド)溶液を用いた。
【0050】
成形型を低速で回転させながら、ノズルの先端を成形型の一端付近に位置させて材料溶液の塗布を開始した。このとき、塗布開始当初は、ノズルのスキャンを停止した状態で、成形型は2回スキャンされた。ついで、ノズルを軸方向にスキャンしながら成形型の他端に達したとき(所定の長さに達したとき)スキャンを停止して、塗布開始当初と同様に成形型の円周に沿って2回の塗布を行った。
【0051】
その後、回転速度を上昇させて膜厚を均一にした後、乾燥して溶剤(DMAC)を除去し、さらに予備加熱してイミド化して中心厚みが50μmの無端ベルトを形成した。この無端ベルトは端部をピンセットにより掴み上げると破れることなく剥離できた。この無端ベルトの両端の厚みは約90μmになっていた。
【0052】
(比較例1)
実施例1と同じ材料溶液を用い、成形型を低速で回転させながら、ノズルの先端を成形型の一端付近に位置させて材料溶液の塗布を開始した。ノズルを軸方向にスキャンしながら成形型の他端まで塗布量がほぼ均一となるように成形型の円周に沿って塗布を行った。
【0053】
その後、回転速度を上昇させて膜厚を均一にした後、乾燥して溶剤(DMAC)を除去し、さらに予備加熱してイミド化して中心厚みが50μmの無端ベルトを形成した。この無端ベルトは端部をピンセットにより掴み上げると破れてしまい、きれいに剥離できなかった。この無端ベルトは、中央部から両端部にかけて膜厚は約50μmと均一であったが、両端端面は、なだらかにだれていた。
【0054】
(実施例2)
実施例1と同じ材料溶液を用い、成形型を低速で回転させながら、ノズルの先端を成形型の一端付近に位置させて材料溶液の塗布を開始した。ノズルを軸方向にスキャンしながら成形型の他端まで塗布量がほぼ均一となるように成形型の円周に沿って塗布を行った。
【0055】
その後、回転速度を上昇させて膜厚を均一にした後、乾燥して溶剤(DMAC)を除去し、さらに予備加熱してイミド化して中心厚みが50μmの無端ベルトを形成した。その後、更に両端部のみ材料溶液を塗布して、加熱乾燥してほぼ厚さが90μmの膜厚を形成した。この無端ベルトは端部をピンセットにより掴み上げると破れることなく剥離できた。
【0056】
(実施例3)
両端部の材料溶液の吐出量を2倍に増大させた以外は比較例1と同じ材料溶液を用い、成形型を低速で回転させながら、比較例1と同様にしてノズルの先端を軸方向にスキャンしながら成形型の他端まで成形型の円周に沿って塗布を行った。
【0057】
その後、回転速度を上昇させて膜厚を均一にした後、乾燥して溶剤(DMAC)を除去し、さらに予備加熱してイミド化して中心厚みが50μmの無端ベルトを形成した。この無端ベルトは端部をピンセットにより摘み上げると破れることなく剥離できた。この無端ベルトの両端の厚みは約90μmになっていた。
【0058】
(実施例4)
材料溶液としては、ポリイミド前駆体の含有濃度の異なる二つのDMAC(ジメチルアセトアミド)溶液を用いた。
【0059】
成形型を低速で回転させながら、ノズルの先端を成形型の一端付近に位置させて材料溶液の塗布を開始した。このとき、塗布開始当初は、ノズルのスキャンを停止した状態で、成形型は2回スキャンされた。ついで、ノズルを軸方向にスキャンしながら成形型の他端に達したとき(所定の長さに達したとき)スキャンを停止して、塗布開始当初と同様に成形型の円周に沿って2回の塗布を行った。
【0060】
その後、回転速度を上昇させて膜厚を均一にした後、乾燥して溶剤(DMAC)を除去し、さらに予備加熱してイミド化して中心厚みが50μmの無端ベルトを形成した。この無端ベルトは端部をピンセットにより掴み上げると破れることなく剥離できた。この無端ベルトの両端の厚みは約90μmになっていた。
【0061】
(実施例5)
実施例1〜4の無端ベルトの製造は繰り返して行われたが、品質にバラツキは少なかった。これにより、遠心成型法によれば、無端ベルトの製造に熟練を要しないことが理解される。
【0062】
(性能評価)
実施例1〜4により作成されたベルトを中間転写ベルトユニットに取り付け、株式会社リコー社製の静電複写式画像形成装置プリテールで50万枚の画出しを行って評価した。この間、ベルトの位置ズレや偏りもなく、寄り止め部との密着性も良好でありベルトの破損は発生せずに良好であった。また、いずれも50万枚の画像に異常もなく良好であった。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、剥離が容易となり、かつ、寄り止め部のためのテープの貼り工程も不要となる無端ベルトの製造方法を提供するができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る無端ベルトを説明する図であり、図1(a)は側面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。
【図2】 無端ベルトの製造に用いられる遠心成形装置を説明する図であり、図1(a)は側面図、図1(b)は、図1(a)のB−B線断面図である。
【図3】 実施の形態に係る無端ベルトの製造例を説明する工程図である。
【図4】 実施の形態に係る無端ベルトの製造工程を説明する図であり、図4(a)は断面図、図4(b)は、図4(a)のB−B線断面図である。
【図5】 実施の形態に係る無端ベルトの製造工程を説明する図であり、図5(a)は断面図、図5(b)は、図5(a)のB−B線断面図である。
【図6】 実施の形態に係る無端ベルトの製造工程を説明する図であり、図6(a)は断面図、図6(b)は、図6(a)のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 無端ベルト
2 無端ベルト本体
3 寄り止め部
11 遠心成形装置
12 成形型
14 ベルト素材層
15 成形品
Claims (5)
- 内面が無端環状の成形型に流動状体にあるベルト素材を付与する工程と、このベルト素材を固化させて無端形状の成形品とする工程と、この成形品を前記成形型から離脱させる工程とを含む工程により無端ベルトを製造する方法において、
前記ベルト素材の付与工程は、前記成形型の回転軸方向に走査可能な付与手段により付与されると共に、該付与手段の前記回転軸方向の走査を減速又は停止するか、前記付与手段から供給される前記ベルト素材固形分濃度を高くするか、前記付与手段から供給される前記ベルト素材の付与量を増大させるか、又はこれらを組み合わせるかにより、
前記成形品の少なくとも一端の厚みが中央部の厚みに比較して厚く成形することを特徴とする無端ベルトの製造法。 - 前記成形型は円筒状の成形型が用いられ、該成形型内面に流動状体にあるベルト素材を付与する工程と、該成形型を高速回転させながらその遠心力により前記ベルト素材を前記成形型内面に拡げてベルト素材層を形成する工程と、該ベルト素材層の形態を保持した状態で前記ベルト素材を固化させる工程とを含む遠心成形法により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の無端ベルトの製造方法。
- 前記ベルト素材液の付与工程は、成形型を回転しつつスプレー塗装又はノズル注液により付与されることを特徴とする請求項2に記載の無端ベルトの製造方法。
- 前記軸方向付与長さをベルト取付治具より長く付与することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無端ベルトの製造方法。
- 前記軸方向付与長さをベルト取付治具より長くして付与した後、切断することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無端ベルトの製造方法。
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