JPH11237799A - 無端ベルトの製造方法 - Google Patents

無端ベルトの製造方法

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JPH11237799A
JPH11237799A JP4196398A JP4196398A JPH11237799A JP H11237799 A JPH11237799 A JP H11237799A JP 4196398 A JP4196398 A JP 4196398A JP 4196398 A JP4196398 A JP 4196398A JP H11237799 A JPH11237799 A JP H11237799A
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JP
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mold
liquid
endless
belt material
belt
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Application number
JP4196398A
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English (en)
Inventor
Minoru Matsuo
稔 松尾
Akiko Tanaka
亜希子 田中
Hideki Komatsu
秀樹 小松
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な外観形状を有し、かつ、剥離工程が容
易な無端ベルトの製造方法を提供する。 【解決手段】 円筒形状の成形型2の内面に流動状体に
あるベルト素材を付与する工程と、成形型2を高速回転
させながらその遠心力によりベルト素材を成形型2内面
に拡げてベルト素材層6を形成する工程と、ベルト素材
層6の形態を保持した状態でベルト素材を固化させて無
端状固化体7を形成する工程と、無端状固化体7を成形
型2から離脱させる工程とを含む工程により無端ベルト
を製造する方法である。成形型2の内面には予め液体状
の離型液の層(離型液膜層5)が設けられたものが用い
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に静電複写式の
画像形成装置等に用いられる無端ベルトの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、トナーを用いた静電複写式の画像
形成装置は、電子写真式の複写機、プリンタ、ファクシ
ミリ、或いはこれらの複合機等に利用されている。
【0003】この画像形成装置においては、感光体の表
面にパターン状に光が照射されてパターン状に静電荷を
有した静電画像が形成される(露光工程)。ついでこの
感光体の表面に、負極性又は正極性に帯電したトナー
が、現像ローラにより一定濃度を維持されつつ搬送され
る。このトナーは、感光体と接触されることにより、感
光体上に付着され、感光体上で静電潜像が可視像化され
る(現像工程)。ついで、このトナー像は、無端状に形
成された転写ベルト上を搬送される記録紙などに転写さ
れる(転写工程)。転写された記録紙は定着装置におい
て加熱定着されて画像が形成される。ここで、転写工程
においては、記録紙などの紙種対応性や、操作性、画質
の安定性を得るために、感光体と記録紙との間に中間ト
ナー担持体としての中間転写ベルトを介して転写させる
ことも行われている。この中間転写ベルトは通常無限ル
ープが形成されるように無端状に形成されている。
【0004】このような無端ベルトの製法として種々の
方法が知られている。
【0005】例えば、フィルム(またはシート)から環
状部材を形成し、この環状部材の重ね合わせ部を接着、
熱圧着などにより継ぎ合わせる方法が知られている。し
かしながら、この方法では、継目部分に段差が生じて、
この継目部分の転写性能の変化に起因する画像乱れの原
因となる。また、転写ベルトをクリーニングブレードに
よりクリーニングすると段差部分にトナーが残り、クリ
ーニング不良が生じる。
【0006】また、無端ベルト素材上に、所望の体積抵
抗率を有する合成樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液をスプ
レーにより塗布したり、チューブ・コーティング法によ
りコーティングして、厚み20〜50μmの誘電体薄層
を形成する方法もある。しかしながら、この方法では、
スプレーやコーティングの際に、樹脂被膜の表面に気泡
やピンホールが生じて、無端ベルトの品質が低下する。
また、樹脂溶液を均一に塗布するのは熟練を要し、品質
にバラツキが生じ易いという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】回転する円筒形状の成
形型内部に塗布液を螺旋状に流し込んで、この成形型を
高速回転させながらその遠心力により塗布液を拡げて均
一な膜としてこの膜を固化させる方法(いわゆる遠心成
形法)により無端ベルトを製造することが提案された。
この方法に従えば、塗布された塗布液は遠心力により拡
げられるので、比較的均一な厚みの塗布層が得られやす
い。
【0008】しかしながら、この遠心成形法において
は、乾燥後の塗布膜は成形型に塗布しているために型内
面に接触しており、密着して剥離が困難になる。
【0009】一般に、成形型からの剥離を容易とするた
めには、型の内面の面粗度を細かくしたり、また、型の
内面に離型性の膜を貼り付けることが行われている。
【0010】しかしながら、面粗度を細かくして面精度
を上げることは、ベルトの幅が大きい場合や、ベルト周
長が小さくなると型の機械加工が非常に難しくなる。
【0011】また、型の内側に離型剤を塗布したり、離
型性の膜を貼り付ける方法は、離型剤の塗布量や離型膜
の厚みが均一でないと型内面にウネリが生ずる。そし
て、そのウネリはそのまま塗布膜へ転写されて形成され
るので、このようにして得られた無端ベルトを画像形成
装置に組み込んで使用すると、画像形成において、画像
の白抜けを発生するなどの不具合が生じる。
【0012】そこで、本発明の目的は、上述の課題に鑑
みてなされたものであり、良好な外観形状を有し、か
つ、剥離工程が容易な無端ベルトの製造方法を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、円筒形状の成形型内面に
流動状体にあるベルト素材を付与する工程と、該成形型
を高速回転させながらその遠心力により前記ベルト素材
を前記成形型内面に拡げてベルト素材層を形成する工程
と、該ベルト素材層の形態を保持した状態で前記ベルト
素材を固化させて無端状固化体を形成する工程と、該無
端状固化体を前記成形型から離脱させる工程とを含む工
程により無端ベルトを製造する方法において、前記成形
型の内面には予め液状体の離型液を層状に設けたものが
用いられることを特徴とする無端ベルトの製造方法であ
る。
【0014】請求項2に記載の発明は、前記離型液の比
重は、前記ベルト素材の比重よりも大きいことを特徴と
する請求項1に記載の無端ベルトの製造方法である。
【0015】請求項3に記載の発明は、前記離型液は、
前記ベルト素材とは相溶性がないことを特徴とする請求
項2に記載の無端ベルトの製造方法である。
【0016】請求項4に記載の発明は、前記ベルト素材
は、ポリイミド前駆体を含むことを特徴とする請求項1
〜請求項3のいずれか1項に記載の無端ベルトの製造方
法である。
【0017】請求項5に記載の発明は、前記ベルト素材
は、ポリイミド前駆体がジメチルアセトアミドに希釈さ
れた液を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のい
ずれか1項に記載の無端ベルトの製造方法である。
【0018】請求項6に記載の発明は、前記無端状固化
体は指触にて乾燥された後に、前記成形型から離脱され
ることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の無端
ベルトの製造方法である。
【0019】請求項7に記載の発明は、前記離型液は、
前記ベルト素材の指触乾燥温度では、蒸発乾燥しない液
体を用いることを特徴とする請求項6に記載の無端ベル
トの製造方法である。
【0020】請求項8に記載の発明は、前記離型液は、
フルオロクロロメチレン又は塩化メチレンであることを
特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の
無端ベルトの製造方法である。
【0021】
【作用】請求項1に記載の発明ように構成すれば、円筒
形状の成形型の内面には、予め液状体の離型液が層状
(以下離型液膜層という)に設けられたものが用いられ
る。この成形型に、流動状体にあるベルト素材が付与さ
れ、この成形型を高速回転させながらその遠心力により
ベルト素材は離型液膜層の上に拡げられてベルト素材層
が形成される。ついで、このベルト素材層の形態が保持
された状態でベルト素材は固化される。これによりベル
ト素材は、無端形状(環状)に固化される。その後、得
られた無端状固化体は成形型から離脱されるが、成形型
の内面には、液状体の離型液膜層が設けられているの
で、成形体としての無端ベルトの剥離面は離型液膜層と
接した界面の外観が再現されるので、良好な外観を呈す
ることになる。また、この離型液膜層は液状体であるの
で、剥離離型が容易となる。さらに、この製造法によれ
ば、熟練を要さずに品質にバラツキが生じない無端ベル
トの製造が容易となる。
【0022】請求項2に記載の発明のように構成すれ
ば、離型液の比重がベルト素材の比重よりも大きいの
で、高比重液体の方が遠心力でベルト素材よりも外側に
安定して押しやられることになる。これにより、成形型
とベルト素材との間には、離型液膜層が安定に形成され
て、離型が容易となる。
【0023】請求項3に記載の発明のように構成すれ
ば、離型液は、ベルト素材とは相溶性がないものが用い
られる。これにより、ベルト素材の膜厚を均一に形成す
ることができ、また、離型性を保つこともできる。
【0024】請求項4に記載の発明のように構成すれ
ば、ベルト素材は、ポリイミド前駆体を含むので、良好
なポリイミドの無端ベルトを作成することができる。
【0025】請求項5に記載の発明のように構成すれ
ば、ベルト素材は、ポリイミド前駆体がジメチルアセト
アミドに希釈された液を含むことにより良好なポリイミ
ドの無端ベルトを製造することができる。
【0026】請求項6に記載の発明のように構成すれ
ば、無端状固化体は指触にて乾燥された状態で、成形型
から離脱されるので、成形型からの離脱が容易となる。
【0027】請求項7に記載の発明のように構成すれ
ば、ベルト素材の指触乾燥温度では蒸発乾燥しない離型
液が用いられるので、離型液膜層の良好な表面状体を維
持した状態で、ベルト素材を固化させることができる。
【0028】請求項8に記載の発明のように構成すれ
ば、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の無端ベルト
の製造方法においては、離型液としてはフルオロクロロ
メチレンや塩化メチレンが用いられることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従い説明する。
【0030】図1は、この発明において使用される遠心
成形装置1の一例である。この遠心成形装置1は、水平
に保持された円筒状の成形型2と、この成形型2に一側
に配置され、成形型2に液体を供給する液供給手段とし
てのノズル3とから大略構成されている。この成形型2
は図示を略す支軸により回転可能に軸支され、その回転
は、矢印方向に回転速度が自由に設定できるように制御
されている。この成形型2の内面にはキャビティ(窪
み)2aが形成されている。このキャビティ2aは、付
与される液体の粘性が低い場合に設けられるものであ
る。成形型2の内面はこの窪みの形成されていない平滑
面であってもよい。一般に離型液は粘性が低いので、こ
の実施の形態では、キャビティ2aの深さを、後述する
離型液膜層の厚みと同程度の50μmに設計することに
より、離型液の散逸を防止している。
【0031】ノズル3は、複数種類の液体を供給可能と
されており、その先端3aはキャビティ2aの長さ方向
(支軸の軸方向)に向けて走査可能とされている。ま
た、このノズル3は定量ポンプや圧縮ポンプなどにより
液体を送給可能とされている。このノズル3により離型
液や流動状体にあるベルト素材(以下ベルト素材液とい
う。)が送給される。
【0032】この成形型2の一側には、キャビティ2a
に向かって乾燥空気4を送給する乾燥手段(不図示)が
設けられている。また、この遠心成形装置1には、成形
型2の全体を加熱する加熱手段や他の遠心成形装置に必
要な部材(いずれも図示を省略している。)が備えられ
ている。
【0033】本発明においては、このような遠心成形装
置1を用い、内面に離型液膜層を設けた成形型2に、ベ
ルト素材液が付与され、この成形型を高速回転させなが
らその遠心力によりベルト素材を拡げてベルト素材層を
形成し、さらに、このベルト素材層の形態を保持した状
態で固化することによりベルト素材を無端形状(環状)
に形成する。得られた無端状固化体は成形型から離脱す
るが、成形型の内面には、液状体の離型液膜層が設けら
れているので、成形体としての無端ベルトの剥離面は離
型液膜層と接した界面の外観が再現されて、良好な外観
を呈することになる。また、この離型液膜層は液状体で
あるので、剥離離型が容易となる。
【0034】ここでベルト素材液とは、固化された場合
に、無端ベルトとして利用できる機械的強力を有する流
動状体にあるベルト素材のことであり、このベルト素材
液は、成形型への付与後、成形型の回転による遠心力の
作用により遠心力方向に流動する。これにより、無端ベ
ルト状の成形型に沿って拡がり、乾燥、重合、硬化、反
応などを経て無端ベルト状の成形体が形成される。
【0035】このような性質を有する素材であれば、特
には限定されないが、画像形成装置の無端ベルトとして
利用される場合には、ポリイミド前駆体を含む流動体で
あることが好ましい。
【0036】ポリイミド前駆体とは、例えば、イミドの
モノマーを重合してポリイミドを生成する際、溶剤中で
生成され、溶液のまま提供される中間体である。このポ
リイミド前駆体は、風乾、加熱などにより、水を生成し
てイミド化反応が終了しポリイミドを生成する。例え
ば、このポリイミド前駆体は、風乾により乾燥固化させ
ることにより、指触しても乾燥固化された状態を保つこ
とができる。また、このポリイミド前駆体は、例えば、
120°C程度の温度で予備加熱すると比較的安定な塗
膜を得ることができる。また、例えば60°C程度の低
温乾燥と、100°C程度の高温乾燥によることもでき
る。300°C程度の温度でイミド化反応を実質的に完
結させて得られたポリイミドは無端ベルトを形成する素
材としては機械的強力が高いなどの良好な性質を有す
る。
【0037】このポリイミド前駆体は、各種の溶媒によ
り希釈することができ、所望の粘度を有する塗液とする
ことができる。これにより、遠心成形に適した粘度の溶
液が供給される。このポリイミド前駆体の溶媒として
は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミ
ド(DMAC)、芳香族炭化水素などが例示される。ま
た、このようなポリイミド前駆体は、全芳香族ポリアミ
ド酸、ポリアミック酸などのポリイミド前駆体の溶液と
して市販されている。
【0038】ベルト素材液の他の例としては、末端がフ
ッ素化したオリゴマーが例示される。このオリゴマー
は、塗布後に反応により無端ベルトに適した素材である
フッ素樹脂膜が形成される。
【0039】このベルト素材液の中には、本発明の効果
を損なわない範囲で、ベルト素材として利用するため
に、他の配合剤が配合されていてもよい。例えば、画像
形成装置の無端ベルトとして利用する場合には、所望の
抵抗がでるように見かけ密度が小さく分散性の良好なカ
ーボンブラックなどの抵抗制御剤やその他の配合剤が配
合されていてもよい。
【0040】また、離型液とは、得られた無端状固化体
を成形型2から離脱容易にするためのものである。この
ため、注型されるベルト素材液とは相溶性がなく、ま
た、ベルト素材液に比較して比重が大きい液体が選択さ
れるのがよい。また、この離型液はベルト素材液が固化
する条件では液体であることが好ましい。この場合の固
化は、無端状固化体の形状が安定する程度、例えば指触
において乾燥されている程度あれば、完全に固化されて
いなくてもよい。
【0041】このような離型液としては、ベルト素材液
として、ポリイミド前駆体と溶媒としてのジメチルアセ
トアミド(DMAC)を選択した場合には、フルオロジ
クロルメタンなどのフルオロクロロメチレンや塩化メチ
レンなどが好適な組み合わせの例として示される。ここ
で、ジメチルアセトアミドの密度は0.9366g/c
3であり、SP(溶解性のパラメータ)値は10.8
である。一方、フルオロジクロルメタンCHFCl2
密度は1.426g/cm3であり、SP値は1.87
である。また、塩化メチレンCH2Cl2の密度は1.3
255g/cm3であり、SP値は0.808である。
【0042】これにより、ベルト素材液の溶媒と離型液
とのSP値が大きく異なるので、離型液膜層とベルト素
材層とはそれぞれの層間で相溶することなく明確に分離
されて、遠心成形中に成形体中に離型液が含浸されるこ
とが防止される。また、遠心成形機においては、遠心力
は回転軸に直交する遠ざかる方向に向きをもち、その大
きさは角速度ωの二乗に比例し、また密度(質量)に比
例する。それ故、離型液膜層の上にベルト素材層が分離
積層された状態で成形型2が高速で回転されると、比重
の重い離型液膜層は遠心力により成形型2の内面に向か
って強く遠心力を受ける。これにより、離型液膜層の表
面は平滑な面が形成され、その離型液膜層の遠心力方向
内側(軸方向)に積層されたベルト素材層も平滑な面を
形成することになる。
【0043】次に、この遠心成形装置1を用いた無端ベ
ルトの製造例を、図2に示す工程図及び図3〜図5に工
程順に示された断面図に従い説明する。
【0044】まず、図1に示す遠心成形装置1には、
s.1において、内面に所望の大きさで無端形状(環
状)のキャビティ2aを有する成形型2が装着される。
【0045】成形型2は低速で回転されつつ、ノズル3
より離型液が供給され成形型2に付与される(s.
2)。この離型液の付与量は特に限定されなく、成形型
2を高速で回転させた場合に、キャビティ2aの全面に
均一に離型液の層が形成され、ベルト素材液を塗布した
場合にもその離型液の層が保持される程度であればよ
い。数十μm程度あれば、通常は充分である。また、こ
の離型液付与段階での成形型2の回転は必須でなく、例
えば、付与手段が回転して成形型2の内面に略均一で離
型液を付与できれば回転は停止されていてもよい。
【0046】付与された離型液は、成形型2の回転速度
を速めることにより、膜状に均一に拡散される。これに
より、図3に示すように、表面が平滑な離型液膜層5が
キャビティ2aに充填された状態で形成される(s.
3)。この回転速度は用いられる成形型の大きさ(回転
中心軸から成形型内面までの距離)や用いられる離型液
の密度、粘性、付与量などを考慮して適宜設定される。
【0047】ついで、s.4において、成形型2の回転
を低速にしながらベルト素材液がノズル3からスプレー
塗装等の手法により付与される。このときの成形型2の
回転速度は、離型液膜層5の形態が維持される範囲内の
低速度であることが好ましい。これにより、離型液膜層
5の内面にベルト素材液を均一に付与することができ
る。また、このベルト素材液の塗布量は限定されない
が、画像形成装置の無端ベルトとして利用される場合に
は、成形体の厚みで例えば、50μm〜100μm程度
である。
【0048】s.5において、ベルト素材液が付与され
た成形型2は再び高速で回転される。これにより、付与
されたベルト素材液は遠心力の作用により遠心力方向に
拡がり、図4に示すように、ベルト素材層6を形成す
る。ここで、離型液とベルト素材液との相溶性がなけれ
ば、離型液膜層5とベルト素材層6とは相分離され、ベ
ルト素材層6の表面6aは、円周方向に均一な半径を有
する平滑面とされる。
【0049】ついで、s.6において、この平滑面を維
持した状態で、乾燥手段からドライエアー4が送出され
ると、ベルト素材層6は固化されて、図5に示すよう
に、無端状固化体7が形成される。このベルト素材層6
の固化工程は、無端状固化体7を成形型2からの取り出
しが行える程度であればよい。例えば、ベルト素材液と
してポリイミド前駆体を含む液を用いた場合、指触によ
り固化が確認される程度でよい。
【0050】s.7において、この無端状固化体7は、
成形型2から離脱されて無端状のベルト素材が得られ
る。このとき、離型液膜層5の作用により、離型はスム
ースに行える。この離型液は、ベルト素材層6を破損さ
せないので、得られたベルト素材の表面7aは、平滑な
面となる。
【0051】s.6において、無端状固化体7の固化の
完結が行われていない場合には、s.8において、無端
状固化体7の固化の完結工程が付加される。例えば、ポ
リイミド前駆体を用いた場合には、指触乾燥された無端
状固化体7は、予備乾燥工程、乾燥工程、硬化工程など
を経てイミド化(閉環)反応が行われる。離型液が無端
状固化体7に付着されて残っていても、この固化完結工
程で乾燥されて除去できる。
【0052】得られたベルト素材は、必要により幅出し
のために両側が切断されて無端ベルトが得られる。な
お、図6には、図1に示すキャビティ2aを有する成形
型2に代えて内面が平滑な円筒形状の成形型2´を用い
て同様な工程により離型液膜層5を介して無端状固化体
7を形成した例を示した。端部は用いられる液の粘性に
応じて薄く垂れるが、この図は模式図であるので鋭角と
なっている。
【0053】以下に実施例により詳細に説明する。
【0054】実施例1 図1に示す遠心成形装置1に内径φが100mm、長さ
が250mmの円筒型の成形型2を装着した。水平方向
に成形型2の回転軸をセットし、離型液としてのフルオ
ロジクロルメタンCHFCl2(フレオン)を注液し、
成形型2を500rpmの高速回転させた。これによ
り、キャビティ2aの全面に満遍なく離型液が塗布さ
れ、約50μmの均一厚みの離型液膜層5が形成され
た。
【0055】ベルト素材液として、ポリイミド前駆体
(東レ製 トレニース#3000)のDMAC30%希
釈液に、カーボンブラック(キャボット社製 ファーネ
スブラック:見かけ密度0.48g/cm3)の微粒子
を分散させた分散液を用いた。
【0056】成形型の回転速度を100rpmの減速
し、ベルト素材液をスプレー塗布にて塗布した。その
後、回転数を500rpmに上げて塗布液膜を均一にし
てベルト素材層6を形成した。さらに、ドライエアーを
流してこのベルト素材層6が指触で乾燥された程度に自
然乾燥させた。
【0057】成形型2を取り外し、縦に立てて、このベ
ルト素材層6をゆっくりと上方に向けて引き出したとこ
ろ、環状の無端状固化体7をスムースに成形型2から取
り外すことができた。
【0058】この無端状固化体7の環内に別の型を挿入
して形態を保った状態で、約120℃で20分加熱し
て、溶媒の乾燥と共に予備的にイミド化を行った。さら
に、300°Cに加熱してイミド化を行い、膜厚約10
0μmの平滑な無端形状(環状)ベルト素材が形成され
た(無端ベルト1)。
【0059】実施例2 フルオロジクロルメタン(CHFCl2)に代えて、離
型液として塩化メチレン(CH2Cl2)を用いた以外は
実施例1と同様にして無端ベルト2を形成した。
【0060】これらの実施例1、2で得られた無端ベル
ト1、2をリコー製複写機プリテールに取り付けて画像
形成を行ったところ、良好な画質が得られた。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、予め液状体の離型液膜層が設けられた成形型が
用いられるので、良好な外観形状を有し、かつ、剥離工
程が容易な無端ベルトの製造方法が提供できる。
【0062】請求項2に記載の発明のように構成すれ
ば、離型液の比重がベルト素材の比重よりも大きいの
で、成形型とベルト素材との間には、離型液膜層が安定
に形成されて、離型が容易となる。
【0063】請求項3に記載の発明のように構成すれ
ば、離型液は、ベルト素材とは相溶性がないものが用い
られるので、ベルト素材の膜厚を均一に形成することが
でき、また、離型性を保つこともできる。
【0064】請求項4に記載の発明のように構成すれ
ば、ベルト素材は、ポリイミド前駆体を含むので、良好
なポリイミドの無端ベルトを作成することができる。
【0065】請求項5に記載の発明のように構成すれ
ば、ベルト素材は、ポリイミド前駆体がジメチルアセト
アミドに希釈された液を含むことにより良好なポリイミ
ドの無端ベルトを製造することができる。
【0066】請求項6に記載の発明のように構成すれ
ば、無端状固化体は指触にて乾燥された状態で、成形型
から離脱されるので、成形型からの離脱が容易となる。
【0067】請求項7に記載の発明のように構成すれ
ば、ベルト素材の指触乾燥温度では蒸発乾燥しない離型
液が用いられるので、離型液膜層の良好な表面状体を維
持した状態で、ベルト素材を固化させることができる。
【0068】請求項8に記載の発明のように構成すれ
ば、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の無端ベルト
の製造方法においては、離型液としてはフルオロクロロ
メチレンや塩化メチレンが用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る無端ベルトの製造に用いら
れる遠心成形装置を説明する図であり、図1(a)は側
断面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図で
ある。
【図2】 実施の形態に係る無端ベルトの製造例を説明
する工程図である。
【図3】 実施の形態に係る無端ベルトの製造工程を説
明する図であり、図3(a)は側断面図、図3(b)
は、図3(a)のA−A線断面図である。
【図4】 実施の形態に係る無端ベルトの製造工程を説
明する図であり、図4(a)は側断面図、図4(b)
は、図4(a)のA−A線断面図である。
【図5】 実施の形態に係る無端ベルトの製造工程を説
明する図であり、図5(a)は側断面図、図5(b)
は、図5(a)のA−A線断面図である。
【図6】 実施の形態に係る無端ベルトの製造に用いら
れる成形型2の変形例を説明する側断面図である。
【符号の説明】
1 遠心成形装置 2 成形型 2a キャビティ 5 離型液膜層 6 ベルト素材層 7 無端状固化体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形状の成形型内面に流動状体にある
    ベルト素材を付与する工程と、該成形型を高速回転させ
    ながらその遠心力により前記ベルト素材を前記成形型内
    面に拡げてベルト素材層を形成する工程と、該ベルト素
    材層の形態を保持した状態で前記ベルト素材を固化させ
    て無端状固化体を形成する工程と、該無端状固化体を前
    記成形型から離脱させる工程とを含む工程により無端ベ
    ルトを製造する方法において、 前記成形型の内面には予め液状体の離型液を層状に設け
    たものが用いられることを特徴とする無端ベルトの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記離型液の比重は、前記ベルト素材の
    比重よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の無
    端ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記離型液は、前記ベルト素材とは相溶
    性がないことを特徴とする請求項2に記載の無端ベルト
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ベルト素材は、ポリイミド前駆体を
    含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1
    項に記載の無端ベルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ベルト素材は、ポリイミド前駆体が
    ジメチルアセトアミドに希釈された液を含むことを特徴
    とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無端
    ベルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記無端状固化体は指触にて乾燥された
    後に、前記成形型から離脱されることを特徴とする請求
    項4又は請求項5に記載の無端ベルトの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記離型液は、前記ベルト素材の指触乾
    燥温度では、蒸発乾燥しない液体を用いることを特徴と
    する請求項6に記載の無端ベルトの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記離型液は、フルオロクロロメチレン
    又は塩化メチレンであることを特徴とする請求項1〜請
    求項7のいずれか1項に記載の無端ベルトの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6708529B2 (en) 2001-03-19 2004-03-23 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Undergarment
JP2008291264A (ja) * 2008-06-23 2008-12-04 Gunze Ltd 半導電性ポリイミド系無端管状フイルムの製造方法

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