JP3519963B2 - 無端状ベルトの形成装置 - Google Patents

無端状ベルトの形成装置

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JP3519963B2 JP34799798A JP34799798A JP3519963B2 JP 3519963 B2 JP3519963 B2 JP 3519963B2 JP 34799798 A JP34799798 A JP 34799798A JP 34799798 A JP34799798 A JP 34799798A JP 3519963 B2 JP3519963 B2 JP 3519963B2
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稔 松尾
秀樹 小松
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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒成形型の内周
面に塗布されたベルト前駆体溶液を、回転により遠心力
で膜化させた後、乾燥硬化させ、無端状ベルトを得る遠
心成形法を応用した無端状ベルトの形成装置に関し、特
に、円筒成形型内に第2の回転型を挿入する中子成形法
を用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画
像形成装置では、感光体を中心として、帯電、現像、転
写、及び定着の各プロセスに応じた部品ユニットが配置
されている。こうした部品ユニットの多くは、静電複写
プロセスを連続的に繰り返す必要のため、基本的に回転
ベルトや回転ローラが用いられ、例えば、複写機等の静
電複写プロセスでトナーを担持する中間転写ベルトが備
えられている。
【0003】上記回転ローラは、円柱状あるいは円筒状
のものであり、その製造は比較的簡単である。他方、回
転ベルトの製造は、シートの両端を張り合わせて円筒状
にする方法が容易であり、またこの方がコストも安価で
ある。しかし、ベルトに継ぎ目ができるためプロセス動
作中にこの継ぎ目部分を避けるようなタイミングをとっ
て回転駆動する必要が生じることとなる。したがって、
静電複写プロセスに使用されるベルトは、無端状のベル
ト(シームレスベルトやエンドレスベルトとも呼ばれ
る)が求められきた。
【0004】上記無端状ベルトの実用例としては、熱容
量を小さくして消費電力を減らすためのサーフ定着方式
のベルトや、カラーの高画質を狙った中間転写ベルト、
紙を定着部へ搬送するための搬送ベルト等に多用されて
いる。また、無端状ベルトはそのレイアウトに自由度が
ある点で有利であり、最近では帯電部や現像部への採用
も検討されている。
【0005】無端状ベルトの形成には、その部品形状が
円筒状であるため、エンドレス形状の円筒型を使用す
る。具体的には、円筒型の外周面や内周面にベルトの前
駆体溶液である塗布液を塗布して硬化後に剥離する方式
や、内径型と外径型との隙間に注入して押し固めたり、
連続して押し出したりする方式で形成することができ
る。しかし、いずれの方式においても、次のような一長
一短の特徴があった。
【0006】例えば、型にはめ込むプレス加流方式で
は、割型の面に沿ってパーテーションと呼ばれるバリが
発生し、膜厚を整えるためにバリ削りの工程を追加する
必要があり、このためその部分の電気抵抗が周りのそれ
と違ってしまい、画像形成時に筋ムラが発生するという
欠点があった。このことは、パーテーションの発生しな
いインフォメーション成形と呼ばれる連続形成法でも同
様である。
【0007】また、円筒型の外周面に塗布し硬化後に剥
離する方式では、塗布時には型に密着しやすく、硬化後
は容易に剥離しやすいという相反する特性が求められ
る。このため、数十ミクロン以上の膜厚を得ようとする
と、微妙な制御が必要であった。
【0008】上記欠点に対し、円筒状の回転成形型(円
筒回転型)の内周面に膜を形成し、これを硬化後に剥離
する方式ではそのような欠点がなく、さらに使用材料の
効率等に有利であるなどの理由から、回転する円筒状ワ
ークの内周面にスプレーやノズルからの流し込みにより
塗布された塗布液を、塗布後に高速回転させて、その遠
心力により塗布液を流延させて拡げ、均一な膜に平滑化
する遠心成形法と呼ばれる形成方法が採用されている。
【0009】この遠心成形法では、円筒回転型の内周面
に塗布することを特徴としているが、径の異なったベル
トを作製するときは、それに応じた径の回転型を用意
し、塗布液を吐出するノズルの位置等もその都度調整し
直さなければならず、段取りに手間がかかるという不具
合がある。
【0010】そこで、そのような不具合に鑑みて出願人
は、円筒回転型の内部に第2の回転型を挿入する、いわ
ゆる中子型を使用することで手間を省いた無端状ベルト
の形成装置及び方法を開発している。さらに、このよう
な遠心成形法で、下記のような種々の課題に対する応用
が進められている。
【0011】遠心成形法では塗布液を拡げるが故に液の
端部が薄くただれてしまい、乾燥固化後、剥離して取り
出すことが困難であった。この解決方法として、塗布液
の軸方向流動を一定範囲に留めるために、円筒回転型の
内面両端に堰き止め部材を設ける方法が考えられる。液
端の堰き止めを容易にするために堰き止め部材には粘着
テープが一般に用いられている。この場合、粘着テープ
を用いるとテープ自体は溶剤非溶解性であっても、テー
プの粘着剤が塗布液の溶剤に溶けてしまいテープを剥が
しにくくなったり、また、テープが親溶剤性であると、
塗布液の両端が盛り上がり、硬化時に収縮の応力が働き
歪んだ状態で部分的に剥離することがあった。このた
め、堰き止めに用いる部材は、撥溶剤性(溶剤非溶解
性)で、塗布液を弾く離型性の材質であることが望まし
く、さらに、堰き止め部材が回転型に密着した状態を維
持することが望ましい。
【0012】また、実際の複写機内において、上記無端
状ベルトを駆動系ローラに巻き掛けた状態で中間転写ベ
ルトとして使用する場合、ベルトが駆動系の中でローラ
軸方向にずれて皺が寄ったり、ついにはベルトが破けた
りローラに巻き付いたりすることがあった。この解決方
法としてベルトの周方向に寄り止めを形成するが、この
際、寄り止めと膜とを一体成形する方法が考えられ、こ
の場合、ベルト材質及び分散液材質が含浸もしくは馴染
む材質を用いる方法が考えられる。
【0013】さらに、ベルトの膜厚はなるべく均一であ
ることが望ましいが、円筒回転型に振れや変形があると
その形状にならって膜厚にばらつきが生じる。これに対
し、遠心成形では遠心力により等加速度場で膜表面が真
円に近づくことが判り、これにより、円筒型に型振れや
変形があっても膜厚のばらつきを少なくする方法が考え
られる。さらに、この解決方法の一例として、型振れが
あっても、膜厚のばらつきを小さくするために膜表面を
中子で均す等の機械的な平滑法が考えられる。
【0014】また、その他の応用例としては、ローラに
対するベルトの滑り止めとして、ベルト表面を粗くした
り、更に高画質を得るために、中子型で周方向に等間隔
のピッチで凹凸パターンを成形して滑り止めを施したベ
ルトなどが挙げられる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記中
子型を用いる遠心成形法では、第1の回転型内に、中子
型として第2の回転型(例えば、金属棒)を載置する構
成であるため、例えば、その中子型の水平度が少しでも
狂っていると、型の回転中に中子型が軸方向移動(軸方
向へ位置ずれ)を起こしてしまうという不具合があっ
た。上記したように中子型を用いれば、種々の応用が可
能であるものの、そのためには上記軸方向移動を防止す
る手段が必要とされている。そこで、本発明は、中子型
の軸方向移動を防止して外観や膜厚の良好な無端状ベル
トの形成装置を提供するこを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の無端状ベルトの形成装置は、内周面に塗布された塗
布液を遠心力により膜化するための円筒状の第1回転型
と、該第1回転型の内部に軸平行に回転自在に載置され
て第1回転型に従動回転され、該第1回転型の内周面上
の皮膜物を成形するための第2回転型と、を有する無端
状ベルトの形成装置であって、上記第2回転型の軸方向
の移動を規制する引掛け手段が設けられていることを特
徴としている。
【0017】上記引掛け手段が、上記第2回転型の端部
に設けられた鍔形状を、上記第1回転型の端部の肉厚部
分に引っかける構成とすることができる。また、上記引
掛け手段が、上記第2回転型の鍔形状を、上記回転体の
内周面の円周方向に設けられた段差に引っかける構成と
することができる。
【0018】また、上記引掛け手段が、上記第2回転型
の鍔形状を、上記回転体の内周面に設けられた移動阻止
部材に引っかける構成とすることができ、この場合、上
記移動阻止部材が、上記塗布液の堰き止め用テープ部材
であるとすることができる。
【0019】また、上記第2回転型が、その両端部に吊
設部材を回転自在に支持するもので、該吊設部材を、上
記回転体の肉厚部分又はその内周面の段差に引っかける
構成とすることができる。さらに、上記引掛け手段が、
上記回転体、及び第2回転型の両端部に設けられた構成
とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の無端状ベルト形成装置の
基本的構成は、高速回転可能に支持された第1回転型と
しての円筒状の金型(以下、「塗布型」と称する)と、
該塗布型とほぼ同尺で、その内部に軸平行に載置される
第2の回転型としての金属棒とからなり、さらに、該金
属棒の軸方向移動を規制するための引掛け手段を設けた
簡易な構成である。この引掛け手段は、上記金属棒の両
端に鍔形状等を設けて、該鍔形状等を属棒の軸方向で塗
布型に摺接させるようにした構成である。
【0021】上記塗布型には、一般に次の2タイプがあ
る。すなわち、型の外周に接する複数のコロやローラ等
により回転駆動可能に支持されてその両端部が開放され
ている両端開放タイプと、両端部により回転駆動可能に
支持されて両端部が開放されていない両端密閉タイプと
がある。本実施例では、上記塗布型の各タイプに応じた
引掛け手段を構成している。
【0022】また、本発明の無端状ベルトの形成装置に
おいて、上記第2回転型としての金属棒は、塗布液の堰
き止め用テープ部材の貼付や、成形工程としての膜厚の
均一化、さらに、滑り止め凹凸パターンの成形工程等に
使用可能であり、以下、それぞれの実施例を図面に基づ
いて説明する。
【0023】図1から図5を用いて、第1実施例とし
て、金属棒2により皮膜物としての堰き止め用テープ部
材を貼付する場合を説明する。図1は、第1実施例の無
端状ベルト形成装置の断面構成図、図2は、図1の形成
装置を軸方向からみた側面図である。第1実施例の塗布
型1は、上記した両端開放タイプであり、図2に示すよ
うに塗布型1の下方2箇所に設置されたコロ5により回
転可能に支持されている。
【0024】図1に示すように、金属棒2は、塗布型1
内に挿入され、塗布型1の内周面の底部に載置される。
また、塗布型1より少し長尺の金属棒2の両端部に鍔形
状としての円板部材4が取り付けられている。そして、
塗布型1内に載置されたとき、両端の円板部材4が、塗
布型1の開放両端部から突き出るようになっており、こ
のとき、各円板部材4の外周部4aが、塗布型1の内径
d以上、その外径d′以内の範囲(肉厚部分1a)に位
置することにより引掛け手段が構成される。
【0025】この塗布型1には、その軸方向の両端近傍
の内周面には、堰き止め用テープ部材として、厚さ2m
m、幅10mmの、例えば、撥溶剤性(溶剤非溶解性)
で塗布液を弾く離型性の多孔質PTFE(パープルフル
オロエチレン)からなるシートテープ3を周方向に貼り
付ける。貼り付ける際、テープ両端間に隙間ができない
よう、塗布型1の内周長よりやや長め目のシートテープ
3が押し縮められるように嵌め込まれる。このとき、シ
ートテープ3に内周面からの浮きが生じた場合は、図1
に示すように金属棒2を両端のシートテープ3上に掛け
渡すように載せた状態で、塗布型1を回転させ、金属棒
2の自重によりシートテープ3を隙間なく貼り付ける。
【0026】上記シートテープ3の貼付において、単な
る円柱状の金属棒を使用したとき、その水平度が完全で
なくまたテープ厚の偏差等により、棒が回転しながら軸
方向に横ずれを起した。そして金棒の一端がシートテー
プ3より内側に落ち、塗布型1の内周面を擦るようにな
ってしまった。そこで、図1で示したように円板部材4
を両端に取り付けた金属棒2を使用した。すると、図3
で示されるように、金属棒2が図中矢印方向(軸方向)
に位置ずれを起こしたものの、円板部材4が塗布型1の
肉厚部分1aに軸方向で摺接し、金属棒2の一端が内周
面へ落下することなく良好にシートテープ3を貼り付け
ることができた。
【0027】次に、金属棒2を取り出した後、塗布型1
を回転させながらポリイミド前駆体をDMAC(N,
N′ジメチルアセトアミド)に30%に希釈し、導電剤
としてカーボンブラックを散布した塗布液を注入しなが
らその内周面に塗布した。その後、塗布型1を1000
rpmで高速回転させ、塗布液を流延させて均一の膜を
形成した。
【0028】高速回転により塗布液は軸方向へ広がり両
端部に達するが、シートテープ3に堰き止められて、塗
布液の端部がそれ以上に拡がることはなかった。この状
態で、溶剤を乾燥させて塗布液を固化した後、さらに3
00℃に加熱して膜を硬化させ、この膜を塗布型1内か
ら取り出した。このとき、本実施例の金属棒2で隙間無
く均一に貼り付けられた多孔質PTFEのシートテープ
3により、上記膜の端部の剥離が容易となった。
【0029】図4及び図5は、上記第1実施例におい
て、円板部材4の代わりに吊設部材7を用いた場合の要
部構成を示す図である。各図の(a)は断面図、(b)
は軸方向の側面図である。このように、金属棒2側に取
り付ける引掛け手段は上記円板部材4等の円柱形状に限
らず、その両軸端にストッパーとしての鍵形状を設けて
も構成できる。ここに示す例では、塗布型1内面に従動
されるのは金属棒2の両端部に支持した回転体6であ
り、回転体6に従動されないよう吊設部材7を取り付け
ている。
【0030】この引掛け手段の具体的な構成としては、
図4に示すように、吊設部材7を金属棒2の軸端部に直
接取り付けてもよく、この場合、回転体6が塗布型1の
内周面に従動されても、金属棒2が回転体6に連れ回り
されないよう各回転体6を回転自在に支持している。ま
た、図5に示すように、円筒に成形した金属棒2に芯材
を貫通させて、この芯材を両端で直角に折り曲げ、吊設
部材7とすることもできる。
【0031】上記のような吊設部材7を設けた引掛け手
段では、各吊設部材7に一定の重みがれあれば、回転体
6の回転時に絶えず下を向き、その先端部7aが塗布型
1の肉厚部分1aに位置することで、金属棒2の軸方向
の移動を規制することができる。そして、このような構
成の第2回転型を使用して、上記第1実施例と同様にシ
ートテープ3を良好に貼り付けることができ、形成膜の
剥離も容易であった。
【0032】なお、上記引掛け手段に用いる吊設部材7
は、回転体6に対して回転自在に保持され、かつ塗布型
1に軸方向で引っかかるような鍵型構造を構成するもの
であれば、その形状やサイズは、図3又は図4に示した
ような形状に限定されるものではない。
【0033】つぎに、図6から図8を用いて、第2実施
例として、金属棒2により皮膜物としての膜を均一の厚
みに平滑化する場合を説明する。図6は、第2実施例の
無端状ベルト形成装置の断面構図であり、図7は、図6
の形成装置を軸方向からみた側面図である。この第2実
施例の塗布型1は、その両端部が図示しない押さえ部に
より回転可能に支持される両端密閉タイプのものであ
る。したがって、両端部が開放されていないため、第1
実施例のように塗布型1の両端部を外から引っかける構
成とすることはできない。そこで、塗布型1の内周面に
段差1bを設け、その段差1bで金属棒2の移動を規制
する構成としている。
【0034】第2実施例では、塗布型1には内径180
mm、全長700mmの金型を使用し、両端部から中ぐ
りしてインロー部を成形し、内周面に段差1bを設けて
いる。また、金属棒2は、塗布型1より短長でかつイン
ロー部の段差1b間の距離より長尺の、クロムメッキし
た直径10mmの鉄の棒を使用した。また、金属棒2の
両端に円板部材4を取り付けており、塗布型1内に載置
されると、両端の円板部材4が、インロー部の段差1b
内に所定量d″だけ落ち込むようになっている。この装
置では、段差1dが1mmで、ここに円板部材4の外周
部(d″=0.5mm)が摺接するようになっている。
【0035】膜の形成においては、まず塗布型1をゆっ
くりと回転させながら、その内部にポリイミド前駆体
と、導電剤とをDMACに分散し、30%に希釈した塗
布液を注入し、内周面に塗布した。その後、塗布型1を
1000rpmで高速回転させ塗布液を拡がらせ、内周
面にほぼ均一な皮膜8を形成した。そして、この状態で
塗布液の溶剤を飛ばし乾燥させ、指で触ってもくっ付い
てこない程度に固化させた後、回転を止め、上記金属棒
2を塗布型1内に挿入した。
【0036】塗布液の膜化後、金属棒を内部に載置した
状態で、膜8表面を均すため塗布型1を再度高速回転さ
せる。そして300℃、30分の加熱により膜8を硬化
させる。ここで、単なる円柱の金属棒を用いた場合に
は、高速回転時に水平度や膜厚の偏差等の影響により軸
方向への位置ずれが観察された。そこで、上記引掛け手
段を備えた本実施例の塗布型1及び金属棒2を用いて回
転と加熱を行ったところ、図8に示すように、円板部材
4の外周部4aが、塗布型1の段差1bに引っかかり軸
方向移動が規制された。
【0037】冷却後、回転を止めて金属棒2を取り出
し、皮膜を塗布型1から剥離し、その膜厚の分布を測定
した。膜厚分布は、上記引掛け手段を設けていない装置
では、Rz0.5μmであったが、上記引掛け手段を設
けた本実施例の装置では、Rz0.1μm以内に収まっ
た。
【0038】図9から図11は、上記第2実施例におい
て、その引掛け手段に堰き止め用テープ部材を利用した
装置の構成を示している。両端密閉タイプの塗布型1で
は、上記第2実施例のように段差1bを用いることで引
掛け手段を構成できるが、このような構成に限らず、移
動阻止部材として、塗布液の堰き止め用テープ部材であ
る上記シートテープ3をそのまま使用してもよい。この
場合、金属棒2の両端に支持され、塗布型1に従動回転
される鍔形状としての回転体6が、シートテープ3に摺
接し引っかかるようになっている。また、このような移
動阻止部材として、シートテープ3の他に、塗布型1の
内周面に固定され又は軸方向に移動しない程度に半固定
のスペーサを設けた構成としてもよい。
【0039】つぎに、第3実施例として、上記金属棒2
により無端状ベルトに滑り止め用の凸パターンを成形す
る場合を説明する。第3実施例は、金属棒2に滑り止め
の凹パターンのレプリカが成形されている点が異なるだ
けで、上記第2実施例と同様の構成の装置により実施可
能である。したがって、同一の構成には同一の符号を用
いて説明し、装置の図示は省略する。
【0040】一般に、複写機等の静電複写プロセスでト
ナーを担持する中間転写ベルトにおいては、更に高画質
を実現するためにベルトの滑りを防止して確実に転写の
同期をとる必要がある。そこで、金属棒2の両端の外周
に凹パターンのレプリカを設けた第2回転型を用いるこ
とで、中間転写ベルトとしての膜の両サイドに等間隔ピ
ッチで凸パターンを成形し、滑り止めを施すことができ
る。具体的には、第3実施例の金属棒2は、直径50m
mのフッ素樹脂コート処理した鉄棒であり、各端部の幅
10mmに、周方向に1mmピッチの0.5φの円形凹
部を形成し、この両端に鍔形状としての円板部材4を設
けている。
【0041】まず、塗布型1の内部に塗布液を注入し、
その後、塗布型1を1000rpmで高速回転させ塗布
液を流延させ、内周面にほぼ均一な膜8を形成し、塗布
液の溶剤を乾燥させる。そして、指で触っても膜8がく
っ付かない程度に硬化した後、回転を止め、上記凹凸を
有する金属棒2を塗布型1内に載置した。
【0042】再度回転と加熱を行い、冷却後、回転を止
めて金属棒2を取り出し、ベルトとしての膜8を塗布型
1から剥離することで膜厚が100μmのベルトを形成
した。ここで、上記引掛け手段を設けていない装置で
は、金属棒2の位置ずれにより膜上に形成された凸部が
軸方向に押しつぶされ、周方向に楕円形となってしまっ
たが、上記引掛け手段を設けた装置では、金属棒2に設
けた円形の凹状パターンのレプリカに対して、膜上には
凸状パターンが円形のままで再現された。
【0043】そして、上記第3実施例の膜8をユニット
寸法の長さに切断してから、周方向に寄り止めのテープ
を設け、無端状ベルトとして、出願人製造のフルカラー
複写機(商品名プリテール)の転写ベルトユニットに取
り付けて画出しをしながら画像品質を評価した。評価の
結果は次のようになった。
【0044】上記引掛け手段を設けていない形成装置で
形成され、凸状パターンが押しつぶされたベルトでは、
画像品質は従来のレベルに留まったが、これに対して、
引掛け手段を設けた本実施例の形成装置で形成され、円
形の凸状パターンが成形されたベルトでは、色ズレの等
の問題が起こらず、従来よりもレベルの良好な画像が得
られた。
【0045】なお、上記説明した各実施例において、上
記引掛け手段の鍔形状部分は、塗布膜の熱処理温度、及
び溶剤が除去され熱硬化する温度までの耐熱性を有し、
変形や熱収縮等を起こさないことが必須の条件である。
ただし、使用溶剤に対する撥溶剤性や分散液に対する離
型性は必須の条件ではなく、このような性質があればな
お好ましい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の無端状ベ
ルトの形成装置は、内周面に塗布された塗布液を遠心力
により膜化するための円筒状の第1回転型と、該第1回
転型の内部に軸平行に回転自在に載置されて第1回転型
に従動回転され、該第1回転型の内周面上の皮膜物を成
形するための第2回転型と、を有する無端状ベルトの形
成装置であって、上記第2回転型の軸方向の移動を規制
する引掛け手段が設けられている構成なので、第2回転
型の軸方向の移動を規制できる。例えば回転型の水平度
が完全に出ていなくとも第2回転型の軸方向の移動を規
制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の無端状ベルト形成装置の構成を示
す断面図である。
【図2】第1実施例の形成装置を軸方向からみた側面図
である。
【図3】第1実施例の引掛け動作を説明する要部断面図
である。
【図4】第1実施例において、鍔形状の代わりに、端部
に吊設部材7を設けた装置を示す図で、(a)は断面
図、(b)は軸方向からみた側面図である。
【図5】第1実施例において、鍔形状の代わりに、芯材
を中子に貫装させて吊設部材7とした装置を示す図で、
(a)は断面図、(b)は軸方向からみら側面図であ
る。
【図6】第2実施例の無端状ベルト形成装置の構成を示
す断面図である。
【図7】第2実施例の形成装置を軸方向からみた側面図
である。
【図8】第2実施例の引掛け動作を説明する要部断面図
である。
【図9】第2実施例において、移動阻止部材として堰き
止め用テープ部材を用いた場合を示す断面図である。
【図10】図9の形成装置を軸方向からみた側面図であ
る。
【図11】図9の実施例の引掛け動作を説明する要部断
面図である。
【符号の説明】
1 第1回転型(塗布型) 1a 肉厚部分 1b 段差 2 第2回転型 3 皮膜物、堰き止め用テープ部材、移動阻止部材 4 鍔形状 7 吊設部材 8 皮膜物(無端状ベルト)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−117850(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 41/04 B29D 29/00 B65H 5/02 G03G 15/16 G03G 15/20

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に塗布された塗布液を遠心力によ
    り膜化するための円筒状の第1回転型と、該第1回転型
    の内部に軸平行に回転自在に載置されて第1回転型に従
    動回転され、該第1回転型の内周面上の皮膜物を成形す
    るための第2回転型と、を有する無端状ベルトの形成装
    置であって、上記第2回転型の軸方向の移動を規制する
    引掛け手段が設けられていることを特徴とする無端状ベ
    ルトの形成装置。
  2. 【請求項2】 上記引掛け手段が、上記第2回転型の端
    部に設けられた鍔形状を、上記第1回転型の端部の肉厚
    部分に引っかけるようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の無端状ベルトの形成装置。
  3. 【請求項3】 上記引掛け手段が、上記第2回転型の鍔
    形状を、上記回転体の内周面の円周方向に設けられた段
    差に引っかけるようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の無端状ベルトの形成装置。
  4. 【請求項4】 上記引掛け手段が、上記第2回転型の鍔
    形状を、上記回転体の内周面に設けられた移動阻止部材
    に引っかけるようにしたことを特徴とする請求項1記載
    の無端状ベルトの形成装置。
  5. 【請求項5】 上記移動阻止部材が、上記塗布液の堰き
    止め用テープ部材であることを特徴とする請求項4記載
    の無端状ベルトの形成装置。
  6. 【請求項6】 上記第2回転型が、その両端部に吊設部
    材を回転自在に支持するもので、該吊設部材を、上記回
    転体の肉厚部分又はその内周面の段差に引っかけるよう
    にしたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記
    載の無端状ベルトの形成装置。
  7. 【請求項7】 上記引掛け手段が、上記回転体、及び第
    2回転型の両端部に設けられていることを特徴とする請
    求項1から6のいずれかに記載の無端状ベルトの形成装
    置。
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