JP2000158459A - 遠心形成方法および遠心形成装置 - Google Patents

遠心形成方法および遠心形成装置

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JP2000158459A
JP2000158459A JP34157298A JP34157298A JP2000158459A JP 2000158459 A JP2000158459 A JP 2000158459A JP 34157298 A JP34157298 A JP 34157298A JP 34157298 A JP34157298 A JP 34157298A JP 2000158459 A JP2000158459 A JP 2000158459A
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substance
centrifugal
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forming method
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JP34157298A
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Minoru Matsuo
稔 松尾
Hideki Komatsu
秀樹 小松
Akiko Tanaka
亜希子 田中
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心形成法によって形成した成形品の形状を
保持したまま、良好な外観を保ち、該成形品を型から容
易に剥離して取り出すことができる遠心形成方法、およ
び遠心形成装置を提供する。 【解決手段】 遠心形成方法において、該型1の一端部
あるいは両端部の内周面上に、該物質2の一端部あるい
は両端部の薄肉化を防止する部材3を備え、上記液状物
質2の一端部あるいは両端部の流延を堰き止め、拡がら
ないようにすることで、無端状ベルト2端部の薄肉化を
防止し、型1からの剥離を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型内に製品の原料
となる硬化性液状物質を注入し、該型を高速回転させ、
その遠心力により均一な厚さを有する樹脂あるいはゴム
等の成形品を形成する遠心形成方法および遠心形成装置
の改良に関するもので、詳しくは、成形品を型から取り
出し易くする方法および装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】遠心形成法は、ゴムおよびプラスチック
をはじめとする成形品の製造方法として、種々の工業分
野において広範に用いられている技術である。複写機、
プリンター等に使用される中間転写ベルトとなる無端状
ベルトの形成方法としても用いられている。
【0003】上記の遠心形成方法は、周知の如く円筒状
の型内面に、原料となる硬化性液状物質をスプレーで塗
布、あるいはノズルから流し込み、該型を高速回転さ
せ、その遠心力により該液状物質が拡がり、ゲル状又は
不完全な固体状態の物質を形成させる。さらに加熱し
て、均一な厚さを有した樹脂あるいはゴム製品を成型す
る方法である。上記形成法は、遠心力により上記液状物
質を上記型内面に拡げるため、遠心形成された型内物質
の端部は薄くだれてしまい、加熱・乾燥後に成形品たる
該型内物質を該型から剥離し、取り出すことが困難にな
ることが多い。
【0004】図5は、従来の遠心形成方法によって形成
した場合、つまり堰き止め部材を使用しないで形成した
無端状ベルト2の端部の断面図である。図5において
は、遠心形成による遠心力により、硬化性液状物質が型
1の端部まで拡がり、上記ベルト2端部は薄肉化してい
る。上記のような問題は、例えば、遠心形成方法を用い
ることがある画像形成装置の感光体ベルト・中間転写ベ
ルト等無端状ベルトの製造においても生じている。
【0005】解決策の一方法として、液状物質の型内面
における軸方法の流動を一定以上で防止するために、型
両端部に堰止めを設けることが試みられている。この試
みの中で、該堰止めを容易にするために、粘着テープを
用いて、型の内側端部周囲に該粘着テープを貼り付ける
方法が用いられることがある。該テープとして型内の上
記液状物質に対し耐溶解性のものを使用すると、該テー
プに付着している粘着剤が該液状物質中の溶剤に溶解し
てしまい、成形品製造後には該テープが剥がれ難くなる
ことがある。また、テープ自体が該液状物質中の溶剤に
馴染みやすい性質を有していると、該液状物質が該テー
プに馴染んで型両端部の該テープ部分が盛り上がり膜厚
が大きくなってしまうことがある。この状態で加熱乾燥
して固化すると、収縮の応力が働き、該テープ部分が収
縮して歪み、該歪んだ状態で部分的に剥離することもあ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決し、機能の集約化、品質の安定化および低コスト化
を図りつつ、遠心形成法によって形成した成形品の形状
を保持したまま、良好な外観を保ち、該成形品を型から
容易に剥離して取り出すことができる遠心形成方法、お
よび遠心形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、円筒状の型内に製品を形成する
硬化性液状物質を注入し、該型を高速回転させ、その遠
心力により該型内面形状にならった該物質の製品を形成
する遠心形成方法において、該型の一端部あるいは両端
部の内周面上で、該型内に出し入れ可能な部材により、
該物質の一端部あるいは両端部の該物質の流れを堰き止
めながら円心形成することを特徴とするものである。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の遠心形成方
法において、上記堰き止め部材が、回転体であることを
特徴とするものである。
【0009】請求項1又は2の発明においては、型内面
端部上にある上記堰き止め部材によって、成形品の原料
である硬化性液状物質が該型端部方向へ拡がることを妨
げることができる。そのため、該物質端部は薄肉化しな
い。特に、請求項2の発明においては、該型の回転軸線
が水平になるように該型の姿勢を設定し、該回転体を該
型の内面底部で該型の回転に従動回転させることができ
る。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2の遠心
形成方法において、上記堰き止め部材が円柱形であるか
あるいは円筒形であって、円柱形の外径あるいは円筒形
の肉厚は型内物質の厚さより大きいことを特徴とするも
のである。
【0011】請求項3の発明においては、請求項1又は
2と同様の作用があり、型内面端部上にある上記堰き止
め部材によって、成形品の原料である硬化性液状物質が
該型端部方向へ拡がることを妨げることができる。該円
柱形の外径および該円筒形の肉厚が型内物質の厚さより
大きいことによって、該型内の硬化性液状物質が上記堰
き止め部材たる円柱形や円筒形を乗り越えて該型端部へ
流れ拡がるのを堰き止める。該型の回転軸線が水平にな
るように該型を回転させ、該円柱形あるいは円筒形を該
型内に載置すると、該円柱形や円筒形の堰き止め部材は
該型の高速回転に従動回転するが、該円柱形や円筒形に
位置ずれはなく、当初載置した位置において安定して回
転するとともに該型内部の上記液状物質が該型端部へ流
延するのを堰き止める。また、円筒形のときは、該堰き
止め部材の内部は中空であるため、上記液状物質を型内
面に注入する吐出口やヒータの挿入・引き出し等該吐出
口の型内部における移動・配置が容易にできる。円筒形
の内部あるいは外部いずれからも行なうことができる。
円柱形のときは上記液状物質吐出口やヒータの移動・配
置は該円柱形の外部から行なうことになる。円筒形のと
きは、円柱形のときと比較して外径の大きいものも上記
堰き止め部材として使用に供することができる。
【0012】請求項4の発明は、請求項1、2又は3の
遠心形成方法において、上記堰き止め部材で少なくとも
型内物質と接する部分の表面は、該物質に対し、対浸透
性および耐溶解性を有すことを特徴とするものである。
【0013】請求項4の発明においては、上記堰き止め
部材に硬化性液状物質が付着することはない。上記液状
物質が該堰き止め部材に付着しても、該堰き止め部材の
該液状物質との接触部分は、該液状物質に対し対浸透
性、および耐溶解性を有しているため、遠心形成により
該液状物質が成形化した型内物質から該堰き止め部材を
剥がし易く、型から容易に取り出すことができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項1、2、3又は
4の遠心形成方法において、上記型が、該型の内径より
小さい上記堰き止め部材を備えていて、該型の回転軸線
が水平になるように該型の姿勢を設定し、該堰き止め部
材を該型内面底部の定位置に留めることを特徴とするも
のである。
【0015】請求項5の発明においては、上記型の回転
中、上記堰き止め部材が定位置に留まっていることによ
り、型内の硬化性液状物質の幅を一定に保ちながら、該
液状物質が該型端部へ拡がるのを防止する。
【0016】請求項6の発明は、円筒状の型内に製品を
形成する硬化性液状物質を注入し、該型を高速回転さ
せ、その遠心力により該型内面形状にならった該物質の
製品を形成する遠心形成装置において、該型の一端部あ
るいは両端部の内周面上で、該型内に出し入れ可能な部
材により、該物質の一端部あるいは両端部の該物質の流
れを堰き止めながら円心形成することを特徴とするもの
である。
【0017】請求項6の発明においては、請求項1又は
2の発明と同様に、型内面端部上に上記堰き止め部材を
備えることによって、上記型の高速回転中に成形品の原
料である硬化性液状物質が該型端部方向へ拡がることを
妨げることができる。よって、該物質の端部は薄肉化を
生じない。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る遠心形成方法、およ
び遠心形成装置について説明する。予め、堰き止め部材
を型内周面の一端部あるいは両端部上に設定する。この
時、製造する成形品の幅を考慮し、型内面上に硬化性液
状物質を注入して該物質を塗布する領域の端部に当たる
位置に該堰き止め部材の端部が位置するようにする。こ
の構成で該型をゆっくり回転させながら、該型内に配置
した上記液状物質吐出口から該型内に成形品の原料とな
る該液状物質を注入して該型内面上に該物質を塗布す
る。該型を高速回転させると、公知の遠心形成方法に従
い該型内周面形状に沿って、ベルト状にゲル状あるいは
半液体状の成形品が形成される。上記液吐出口の位置は
上記堰き止め部材の形状あるいは大きさによって設定す
るが、例えば、上記堰き止め部材として円筒を用いると
きは、上記液吐出口を該円筒の内部を通して移動させ
る。一方、円柱を用いるときは、該液吐出口が該円柱の
上部を移動して設定できるように、該円柱の径の大きさ
は制限される。このときは、該円柱の形は型の内径より
非常に小さくなる。上記堰き止め部材として円筒を用い
るときでも、該円筒の径が小さいときは上記液吐出口を
該円筒の上部を移動させてもよい。該型の高速回転によ
って、該型内面上の上記液状物質は周方向に均一に流延
し、該型の端部方向へも拡がりを見せるが、該型端部で
は、上記堰き止め部材によって該液状物質の流れが堰き
止められる。該液状物質の端部は、該堰き止め部材によ
ってはじかれて該物質端部の膜厚の薄肉化は防止され、
結果的に厚さがほぼ均一な成形品が形成される。上記状
態で該成形品を加熱乾燥しても該成形品の端部に寄れや
薄肉化は生じず、目的の厚さを有した成形品に仕上げる
ことができる。所定の条件で加熱乾燥後、該型の回転を
停止し、上記堰き止め部材を取り外す。さらに、該成形
品が付着したままの該型を別の炉内で充分加熱し、冷却
後、該型を取り出し、該型内の成形品を該型から剥離し
て取り出す。
【0019】上記堰き止め部材として要求される性質・
形状は、主に次の4点である。該堰き止め部材の表面
は、成形品の原料となる硬化性液状物質に対して耐溶解
性があること。型内面上で回転しているときは横倒する
ことなく安定性があり、該型内面底部の定位置に留まっ
ていること。該堰き止め部材を型内に設定したり、型内
物質を乾燥固化後に該型からの取り外しが容易であるこ
と。型内物質の加熱乾燥温度に対して耐熱性があるこ
と。この加熱乾燥温度は、上記液状物質の遠心形成品で
ある型内物質を加熱乾燥して該物質中に含有の溶剤を蒸
発させるために必要な温度である。型内に該堰き止め部
材がある状態で上記加熱を行うため、該堰き止め部材に
も加熱温度に対して耐熱性が必要になる。上記条件を満
たすものとして、無機質で弾性のある材料、一般的には
クロムメッキを施した金属、あるいはフッ素系樹脂を被
覆した金属等が挙げられる。
【0020】以下、本発明に係る遠心形成方法および遠
心形成装置を画像形成装置の中間転写ベルトとなる無端
状ベルト形成方法に適用した実施形態について説明す
る。
【0021】以下に具体的実施例1および実施例2を示
す。上記無端状ベルトの原料となる硬化性液状物質とし
て、ポリイミド酸溶液を使用した。該ベルトの基本素材
としては、ポリイミドを用いたが、ポリイミドの前駆体
であるポリアミド酸は、特定の有機溶剤に溶解し、熱あ
るいは触媒によってポリイミドに変化する性質を有す
る。基本原料としてポリアミド酸を用いて遠心形成する
と、ポリイミドを基本素材とする無端状ベルトが形成さ
れる。上記ポリアミド酸および導電剤を有機溶剤N,N
−ジメチルアセトアミド(以下、DMACと称する )
に分散させ、希釈して30%のポリイミド酸溶液を調整
した。基本原料はポリイミドに限定されるものではな
く、溶媒も上記DMACに限るものでもない。他に、ポ
リウレタンやエポキシ系樹脂など、また、有機溶剤とし
ては、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、トルエ
ン等多く挙げられる。
【0022】[実施例1]図4(a)は、上記の遠心形
成方法において、無端状ベルトの堰き止め部材として円
柱を使用した場合の該ベルト形成の様子を示す斜視図で
ある。内径180φ、幅700mmの円筒状金型1を、該
型1の回転軸線が水平になる位置に固定した。該型1の
内面両端部に、径30φ、幅30mmのアルミの円柱3
を載置した。該アルミの円柱3の設定位置は、注入する
硬化性液状物質の幅が600mmになるように、該型1
の内部軸方向所定の位置の外側にした。該アルミの円柱
3には予めフッ素樹脂をコートしておいた。該型1をゆ
っくり回転させながら、該型1内部にある液吐出口から
該型1内面に無端状ベルトの原料となる上記ポリイミド
酸溶液を注入後、該型1を1000rpmで回転させた。
該型1の回転の遠心力により該溶液が該型1の内面形状
に沿って流延し、遠心形成し、ほぼ均一な膜厚を有した
ポリアミド酸膜2が形成された。無端状ベルトの原料と
なるポリイミド酸溶液を上記型1内面上に注入した当初
は、該膜2は、該型1の回転に伴い該型1の軸方向の両
端部にも拡がりを見せたが、該型1両端部にある上記円
柱3によって堰き止められ、該膜2は凝集しそれ以上に
は拡がらなかった。該型1を高速回転させると、該円柱
3は傾いたり位置がずれたりすることはなく、当初載置
した定位置において、該型1の回転に従動して安定して
回転した。該型1を高速回転させながら該型1を150
℃で加熱し、該型1内の半液体状の膜である無端状ベル
ト2に含有する溶剤を蒸発させた。冷却後、該型1内か
ら上記円柱3を取り出し、さらに加熱を継続し、上記無
端状ベルト2を完全に固化させた。その後該ベルト2を
型1から剥離して取り出した。
【0023】実施例1によって形成した上記無端状ベル
ト2の端部に薄肉化は認められず、端部は膨らんでい
た。型1から該ベルト2を容易に剥離することができ
た。該ベルト2は必要な寸法を有し、該ベルト2端部に
寄れや歪み等なく形状も良好であった。
【0024】[実施例2]図4(b)は、上記の遠心形
成方法において、無端状ベルトの堰き止め部材としてリ
ングを使用した場合の該ベルト形成の様子を示す斜視図
である。実施例1と同様、実施例1において使用した円
筒状金型1の内面両端部に外径160φ、内径150
φ、肉厚5mm、幅30mmの鉄製リング3を載置した。
該リング3を載置した位置は、注入する硬化性液状物質
の幅が600mmになるように、該型1の内部軸方向所
定の位置の外側である。該リング3には予めクロムメッ
キを施しておいた。実施例1と同様の方法で遠心形成
し、ほぼ均一な膜厚を有したポリアミド酸膜2を形成し
た。該膜2は、該型1の軸方向の両端部にも拡がりを見
せたが、該型1の両端部にある上記リング3によって堰
き止められ、それ以上には該膜2の端部は拡がらなかっ
た。該型1を高速回転させると該リング3は傾いたり位
置がずれたりすることはなく、当初載置した定位置にお
いて、該型1の回転に従動して回転した。実施例1と同
様に上記型1を高速回転させながら、該型1を加熱し、
無端状ベルト2に含有する溶剤を蒸発させた。冷却後該
型1内部から上記リング3を取り外し、さらに加熱を継
続し、上記ベルト2を完全に固化させた。その後該ベル
ト2を該型1から剥離して取り出した。
【0025】実施例2によって形成した無端状ベルト2
の端部には液だれはなく、薄肉化は認められなかった。
該ベルト2を型1から容易に剥離することができた。該
ベルト2は必要な寸法を有し、該ベルト2端部に寄れや
歪み等なく形状も良好であった。
【0026】図1は、本実施例2に係る遠心形成法によ
る無端状ベルト形成の様子を示す概略断面図および斜視
図である。該図1は、該ベルト2端部の堰き止め部材と
して円柱3を型1内面の両端部に載置した場合で、図中
型1両端部の円柱3の間に、一定の厚さで型1の内面形
状に沿って無端状ベルト2が形成されている。該ベルト
2の端部に薄肉化は生じていない。上記堰き止め部材と
しての円柱3と該ベルト2端部の接触部分を拡大した図
が図2および図3である。図2は、本実施例における円
柱およびリングを使用したときで、図3は、上記液状物
質と表面が相溶性の円柱3を使用したときの該ベルト2
端部との接触部分を示す。図2においては、円柱および
リング3の表面は濡れ性が低いため、上記ベルト2との
接触部では、該液状物質がはじかれて表面張力により該
ベルト2の端部は丸みを帯びている。図3においては、
円柱3は濡れ性が高いため、該液状物質は円柱表面に拡
がった形になり、該ベルト2の該円柱3表面との接触部
分は盛り上がっている。図2および図3では、いずれも
無端状ベルト2の端部は薄くなっていない。
【0027】上記型1内部に注入された該液状物質には
該型1の高速回転によって遠心力が作用し、該液状物質
は該型1の軸方向へ拡がるが、該液状物質の軸方向への
拡がりは、該液状物質の凝集しようとする表面エネルギ
ーよりも加速度のエネルギーが大きいことが基因してい
る。該型1の回転速度が大きいほど、また、上記液状物
質の表面エネルギーが小さいほど、該液状物質の型1の
軸方向への拡がりは大きくなると考えられる。該液状物
質は型1の内面形状に沿って該型1の回転に従うが、該
型1の底部においては、重力の影響もあって、該重力と
遠心力が重なり合って、該液状物質の該型1の軸方向へ
の拡がりは最大となる。よって、該型1の上記内面底部
において、該液状物質の該型1の軸方向への拡がりを遮
断することで、該液状物質の遠心形成したベルト2端部
の薄肉化を防止することができる。具体的には、該型1
の上記底部に該液状物質の型端部方向への拡がりを遮断
する堰き止め部材を置くことで、該ベルト2端部の薄肉
化を効果的に防止し、該ベルト2を該型1から容易に剥
離し、取り出し易くすることができる。
【0028】上記実施例1および実施例2においては、
上記堰き止め部材として円柱およびリングを挙げたが、
これに限るものではない。上記型の高速回転中に該堰き
止め部材が位置ずれすることなく該型内面の底部におい
て、安定して留まっているに充分な重量を有していれば
よい。型を水平に固定した場合のみならず、該型の回転
軸線が鉛直方向で該型が水平に回転するような遠心形成
方法においても適用することができる。
【0029】堰き止め部材は、上記型内部に配設してお
くことができるが、該堰き止め部材が円柱形あるいは円
筒形等の回転体であるときは、該堰き止め部材を回転さ
せることができる。該堰き止め部材が自在回転するよう
に配設してもよいし、自在回転しないように配設しても
よい。上記実施例に示したように、該型の回転軸線が水
平になるように該型の姿勢を設定し該型を回転させ、該
堰き止め部材が円柱形あるいは円筒形等の回転体である
ときは、該回転体を該型内面に載置して該型の回転に従
動回転させることもできる。回転体自体を回転駆動させ
てもよい。該型内で該堰き止め部材を回転させると、回
転させないときと比較して、該堰き止め部材表面が上記
型と接して擦れることによって生じる摩耗を抑えること
ができる。摩擦によって生じる接触音も防止することが
できる。上記型に従動回転させる場合は消費電力も低
く、該堰き止め部材を該型内に載置するときは、該堰き
止め部材の該型内への出し入れが容易になる。
【0030】さらに上記実施例1および実施例2で製造
した無端状ベルトを実際に、電子写真複写機に中間転写
ベルトとして取り付け、該ベルトの耐久性および画質を
調べた。
【0031】複写機は、(株)リコー製フルカラー複写
機プリテールを使用した。図6は、本実施例に係る複写
機の概略構成図である。該複写機についてカラー画像が
完成するまでの過程を簡単に説明する。図6において、
公知の工程で感光体9に静電潜像が形成された後、現像
ユニット14、15、16、および17により各色の現
像が繰り返され、感光体9上に各々の色画像(トナー
像)が順次形成される。各色トナー像は、それぞれ単色
毎に中間転写ベルト19上の同じ位置に順次重なって転
写される。この転写は、転写バイアスローラ20aに印
加された所定のバイアス電圧によって生じる。中間転写
ベルト19上に転写された後、紙転写バイアスローラー
23aにより、紙等の転写材に一括転写される。転写完
了後、該転写材は、定着装置28に送られてトナー像が
定着され、フルカラー画像となって現れる。中間転写ベ
ルト19は、転写バイアスローラ20a、アースローラ
20b、ベルト駆動ローラ21、および従動ローラ群に
張架されており、図示しない駆動モータにより駆動制御
される。
【0032】上記実施例1および実施例2の製造に係る
無端状ベルトについて、中間転写ベルトとして複写機に
設置するのに適した幅に該ベルトを切断した。念のため
に、ベルトのずれ防止として寄り止めテープを張り付
け、該ベルトを該装置内に取り付けた。該装置を駆動
し、画出しを行いながら製造した上記無端状ベルトにつ
いて、中間転写ベルトとしての耐久性を評価した。
【0033】用紙4万枚の画出しを行ったが実施例1お
よび実施例2で製造した上記無端状ベルトについては、
いずれも白抜け等の異常は発生せず、画像に何ら問題は
現れなかった。階調性良好で、鮮明な画像が得られた。
繰り返し出力を行っても、ベルト駆動時にローラー群上
において該ベルトの位置ずれや寄り等も生じなかった。
【0034】上記の遠心形成方法、および遠心形成装置
で製造した上記無端状ベルトは耐久性に優れ、画質・階
調性共に良好で、中間転写ベルトとして画像形成装置に
適するものであった。
【0035】上述の遠心形成方法、および遠心形成装置
は、型の一端部あるいは両端部の内周面上で、出し入れ
可能な堰き止め部材により、成形品の原料となる物質の
型端部への流れを堰き止めながら遠心形成することで、
成形品端部の薄肉化を容易に防止する。該成形品の形状
を損ねることなく該成形品を該型から剥離し取り出すこ
とができる。特別な設備や複雑な作業・工程等を要せ
ず、簡単な構成で実現することができる。また、該成形
品の厚さのばらつきを抑えることもでき、薄肉部分が形
成されないため原料費の節約にもつながる。無端状ベル
トを例に挙げると、上述の製造方法によって遠心形成し
た該ベルトを中間転写ベルトとして、実際に画像形成装
置に搭載する際は、従来要していた該ベルト端部の薄肉
化部分の切断除去が不要となるため、切断による該ベル
トの非使用部分の量が減少し、該ベルトを製造する際に
は原料を節約することができる。
【0036】実施例として、複写機、プリンター、ファ
クシミリ等に使用される中間転写ベルトとして利用され
ている無端状ベルトを例に挙げたが、これに制限される
ものではない。本実施例に係る遠心形成方法、および遠
心形成装置は、遠心形成法が用いられる樹脂あるいはゴ
ム等の成形品を製造する様々な工業分野において適用す
ることができる。
【0037】
【発明の効果】請求項1又は2の発明によれば、型内面
の端部上の堰き止め部材によって、成形品の原料である
硬化性液状物質が該型端部方向へ拡がることを妨げ、該
型内物質端部の薄肉化を防止することができるという優
れた効果がある。該堰き止め部材は、該型内への出し入
れが自由であるため、容易に設定することができる。
【0038】特に請求項2の発明によれば、該型の回転
軸線が水平になるように該型の姿勢を設定し、該型を回
転させ、上記回転体を上記型内面上に載置すれば、該回
転体は該型の回転に従動回転するとともに、上記型内物
質端部の型端部への流れを堰き止め該物質の薄肉化を防
止することができる。簡易な方法でかつ低コストで、該
型から該型内物質を容易に剥離して取り出すことができ
るため、該成形品の良好な外観をそのまま保つことがで
きる。
【0039】請求項3の発明によれば、請求項1又は2
の発明と同様、堰き止め部材によって、定位置において
型内の硬化性液状物質が型端部へ流れ出るのを堰き止
め、該型内物質端部の薄肉化を防止することができると
いう優れた効果がある。また、該堰き止め部材が円筒形
のときは、型内部において該液状物質を注入する吐出口
の挿入・引き出し等該吐出口の移動や配置が容易にでき
る。
【0040】請求項1、2および3の発明によれば、堰
き止め部材を回転させるときは、回転させないときと比
較して、型との接触部における摩耗を抑えることができ
る。
【0041】請求項4の発明によれば、堰き止め部材に
型内物質が付着することはない。あるいは該型内物質が
該堰き止め部材に付着しても、容易に剥離でき、該堰き
止め部材を該型から簡単に取り出すことができる。よっ
て、型内に成形した成形品の外観を損なうことがない。
【0042】請求項5の発明によれば、上記堰き止め部
材が定位置に留まっていることにより、型内の硬化性液
状物質の幅を一定保ちながら、該物質が該型端部へ拡が
るのを防止し、該型内物質端部の薄肉化を効果的に防止
することができる。
【0043】請求項6の発明によれば、請求項1又は2
の発明と同様の効果があり、硬化性液状物質の型端部方
向への流れを堰き止め、該型内物質端部の薄肉化を効果
的に防止することができる。該型からの該型内物質の剥
離が簡単で、良好な外観を損なうことなく、型内の成形
品を該型から剥離することができる。低コストで容易に
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る無端状ベルトの製造装置の概略
断面図および斜視図。
【図2】堰き止め部材として本実施例に係る円柱および
リングを使用した場合の無端状ベルト端部の拡大図。
【図3】堰き止め部材表面が無端状ベルトの原料たる液
状物質と相溶性を有しているときの本実施例に係る無端
状ベルト端部の拡大図。
【図4】(a)は、堰き止め部材として円柱を使用した
場合で、本実施例に係る装置の斜視図。(b)は、堰き
止め部材としてリングを使用した場合で、本実施例に係
る装置の斜視図。
【図5】従来の遠心形成方法によって形成したときの無
端状ベルト端部の拡大図。
【図6】本実施例に係る無端状ベルトを適用することが
できる電子複写機の概略構成図。
【符号の説明】
1 円筒状型 2 無端状ベルト 3 堰き止め部材 9 感光体 14、15、16、17 現像ユニット 19 中間転写ベルト 20a 転写バイアスローラ 20b アースローラ 21 ベルト駆動ローラ 23a 紙転写バイアスローラー 28 定着装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 亜希子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 4F205 AA36 AC05 AG16 AJ08 AJ11 AM32 GA02 GB01 GC04 GE01 GE16 GF01 GF23 GF27 GN01 GN07 GN28 GN29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の型内に製品を形成する硬化性液状
    物質を注入し、該型を高速回転させ、その遠心力により
    該型内面形状にならった該物質の製品を形成する遠心形
    成方法において、該型の一端部あるいは両端部の内周面
    上で、該型内に出し入れ可能な部材により、該物質の一
    端部あるいは両端部の該物質の流れを堰き止めながら円
    心形成することを特徴とする遠心形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1の遠心形成方法において、上記堰
    き止め部材が、回転体であることを特徴とする遠心形成
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の遠心形成方法において、
    上記堰き止め部材が円柱形であるかあるいは円筒形であ
    って、円柱形の外径あるいは円筒形の肉厚は型内物質の
    厚さより大きいことを特徴とする遠心形成方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3の遠心形成方法におい
    て、上記堰き止め部材で少なくとも型内物質と接する部
    分の表面は、該物質に対し、対浸透性および耐溶解性を
    有すことを特徴とする遠心形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4の遠心形成方法に
    おいて、上記型が、該型の内径より小さい上記堰き止め
    部材を備えていて、該型の回転軸線が水平になるように
    該型の姿勢を設定し、該堰き止め部材を該型内面底部の
    定位置に留めることを特徴とする遠心形成方法。
  6. 【請求項6】円筒状の型内に製品を形成する硬化性液状
    物質を注入し、該型を高速回転させ、その遠心力により
    該型内面形状にならった該物質の製品を形成する遠心形
    成装置において、該型の一端部あるいは両端部の内周面
    上で、該型内に出し入れ可能な部材により、該物質の一
    端部あるいは両端部の該物質の流れを堰き止めながら遠
    心形成することを特徴とする遠心形成装置。
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