JP4229727B2 - 半導電性ベルトの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導電性ベルトに関するもので、例えば、画像形成装置を備えた電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等に用いる転写搬送体、中間転写体、転写定着体、定着体等として特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を応用した画像形成装置は、無機又は有機光導電性感光体からなる潜像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザーや発光ダイオード光等で静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像して可視化したトナー像とする。そして、上記トナー像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の転写材に静電的に転写することにより所要の再生画像を得る。特に、上記像担持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、さらに中間転写体のトナー像を記録紙に二次転写する中間転写方式が知られている。
【0003】
前記中間転写方式を用いた画像形成装置に用いられるシームレスベルトの材料としてはポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等の熱可塑性樹脂からなる半導電性のシームレスベルト等が提案されている。
【0004】
また、中間転写体としてのベルトに求められる半導電性を確保するために、カーボンブラック等の導電性微粉末をポリイミド樹脂に分散させた中間転写体が提案されている(例えば特許公報1または2参照)。
【0005】
さらに、ベルトの製造方法としては、うねりやスジのない均一な厚さ精度と表面精度を有する高精度管状体の製造方法が提案され、また、低粘度の高分子材料を用い高精度の管状体を製造するために、塗布する時の吐出圧力を0.5Kgf/cm2 以下にして行う製造方法が提案されている(例えば特許公報3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特許2560727号公報
【特許文献2】
特開平5−77252号公報
【特許文献3】
特開2001−79862号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、画像形成装置の高速化・高画質化や紙の種類を選ばないというトレンドから、中間転写体を用いる新規な画像形成装置として、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置し、各色毎に感光体上の顕画像を中間転写体上に転写した後、一括して紙等の被転写体へ転写するタンデム式中間転写方式のカラー画像形成装置等が検討されている。また、紙等の被転写紙に顕画像を転写する方式として、転写ドラム上に紙等の被転写紙を巻き付け、感光体上の顕画像を各色毎に被転写紙に転写する転写ドラム方式や感光体上の顕画像を各色毎に中間転写体に転写した後、一括して被転写紙に中間転写体上の顕画像を転写する中間転写体方式等が知られている。タンデム式中間転写方式は、前記転写方式に比べ画像形成速度の向上が実現でき、また転写ドラム方式のように被転写体を選ばないというメリットから、今後の有望な転写方式として検討されている。
【0008】
しかしながら、この転写方式における中間転写体は、従来の中間転写ベルトに比べその径が大きく、独立した4色の現像器を備えるため、各色毎の色ズレの精度等の高精度な装置設計が必要となる。そのため、このような画像形成装置に搭載される中間転写体としては、高い弾性率が要求される。また、最近このタンデム式中間転写方式を用いて更に高画質化・高速化の方向へ進んでいる。そのため、従来の転写電流が現状のものに比べて大きくなりベルトの微小区間での抵抗差が画像ムラとして出やすくなるという問題点がある。
【0009】
本発明は、前記従来技術における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明の目的は、タンデム式中間転写型画像形成装置などに用いられる中間転写体等において、ベルト表面の微小区間の抵抗差をなくし、高速化になっても画像ムラのない優れた半導電性ベルト等を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下の半導電性ベルト及びその製造方法によって優れた中間転写体等を提供することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】
すなわち、本発明は、表面抵抗率の常用対数値が9〜14(logΩ/□)の範囲にある半導電性ベルトにおいて、5mmピッチで表面抵抗を測定した時の両隣の表面抵抗比の最大値が1.5以下であることを特徴とする。こうした微小区間での抵抗差をなくすことで、高速化になっても画像ムラのない優れた中間転写体を提供することができる。
【0012】
ここで、こうした半導電性ベルトは、溶液状の樹脂素材を円筒状金型内面或いは外面に塗布する工程において、溶液状の樹脂素材を吐出する圧力が1MPa以下で行うことを特徴とする半導電性ベルトの製造方法によって得られることが好適である。つまり、塗布工程において、吐出圧力を制御することによって、金型に規制されていない面の微小な凹凸の発生を防止し、微小区間で表面抵抗差の発生を防止することができる。本発明のポイントはここにある。
【0013】
また、上記工程において、塗布される溶液状の樹脂素材溶液のB型粘度計で測定した粘度が10〜1000Pa・sであることが好適である。樹脂溶液の粘度をこうした範囲に管理することで、溶液の均一化を図り、塗膜の内部および表面でのバラツキを抑制し、微小区間で表面抵抗差の発生を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
すなわち、本発明は、表面抵抗率の常用対数値が9〜14(logΩ/□)の範囲にある半導電性ベルトにおいて、5mmピッチで表面抵抗を測定した時の両隣の表面抵抗比の最大値が1.5以下であることを特徴とする。また、こうした半導電性ベルトは、溶液状の樹脂素材を円筒状金型内面或いは外面に塗布する工程において、溶液状の樹脂素材を吐出する圧力が1MPa以下で行うことを特徴とする半導電性ベルトの製造方法によって得られることが好適である。
【0015】
つまり、ベルトの微小区間での抵抗差は初期の塗布時の吐出圧力に大きく起因することを見出し、本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は、塗布時の吐出圧力を1MPa以下に抑えることにより、5mmピッチで表面抵抗を測定した時の両隣の表面抵抗比の最大値が1.5以下になることを見出した。
【0016】
ここで、表面抵抗率の常用対数値が9よりも低くなると、トナーのチリ(飛び散り)が起こり画質が粗くなってしまうおそれがある一方、表面抵抗の常用対数値が14よりも高すぎると、転写時の電荷がベルトに残り画像ムラをおこすおそれがあるため、適正な範囲内にあることが望まれる。そのため、表面抵抗率の常用対数値は、9〜14(logΩ/□)の範囲であるのが好ましい。なお、ここでいう表面抵抗率は後述する<評価方法>における測定値を基準とする。
【0017】
また、5mmピッチで表面抵抗を測定した時の両隣の表面抵抗比の最大値が1.5を超えると、画像形成装置等において、画像ムラを発生する可能性が高くなり、こうした微小区間での表面抵抗差を厳密に制御することで、カラー画像形成における高画質化・高速化に対応することができる。特にタンデム式中間転写方式を用いた装置においては、非常に有効となる。なお、ここでいう表面抵抗比は後述する<評価方法>における測定値を基準とする。
【0018】
ここで、本発明の半導電性ベルトは、(1)少なくとも溶液状の樹脂素材を作製する工程、(2)円筒状金型内面或いは外面に塗布する工程、及び(3)乾燥、或いはイミド化反応を行う工程、を経て作製されるシームレスベルトである。以下、その工程に従い詳述する。
【0019】
(1)溶液状の樹脂素材を作製する工程
つまり、本発明の半導電性ベルトは溶液状の樹脂素材を円筒状金型内面或いは外面に塗布する工程を含むため、樹脂素材が溶液に可溶なものを用いる必要がある。具体的には、中間転写体や転写搬送用ベルトして用いる場合にはポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂等を用いることができる。また、これらをブレンドして使用しても差し支えない。さらには、転写定着体や定着用ベルトして用いる場合には、耐熱強度が必要になることから、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。より好ましくは熱硬化性のポリイミド樹脂が適している。
【0020】
ここで、本発明の半導電性ベルトを中間転写体・転写搬送体・転写定着体として使用する場合には、半導電性を得るために樹脂中に各種導電材料を添加する必要がある。具体的には、カーボンブラック、アルミニウム、ニッケル、酸化錫、チタン酸カリウム等の無機化合物やポリアニリンやポリピロールなどに代表される導電性高分子を用いることができる。特に、抵抗制御や抵抗低下の観点からは、各種導電材料を均一に分散させることが重要である。そのため、カーボンブラック等を用いる場合は、分散性の良いカーボンブラックの選定や分散方法を適宜選択する必要がある。また、導電性高分子などを用いる場合には、樹脂素材が溶解されている溶媒と同じものに溶解することが望ましい。これら各種導電材料の含有量は、導電材料の種類に応じて適宜選択することができるが、樹脂に対して5〜50重量%程度が好ましく、より好ましくは7〜40重量%である。この含有量が5重量%未満であると、電気抵抗の均一性が低下し、耐久使用時の表面抵抗率の低下が大きくなる場合がある。一方、50重量%を超えると、所望の抵抗値が得られ難く、また、成型物として脆くなるため好ましくない。
【0021】
本発明の溶液状の樹脂素材は、B型粘度計で測定した溶液粘度が10〜1000Pa・sであることが好適である。溶液粘度が10Pa・s以下になると初期乾燥の工程内において、僅かなゴミや異物が混入すると、それを起点に溶液樹脂がはじきその部分が薄くなるという不良が多発する。そのため、ゴミや異物の混入を防ごうとすると装置が大掛かりとなり好ましくない。一方、溶液粘度が1000Pa・s以上になると溶液樹脂が広がりにくくなり、均一な厚みがでないという問題点がある。
【0022】
(2)円筒状金型内面或いは外面に塗布する工程
本発明の製造方法は、上記樹脂溶液を円筒状の第1金型の内面或いは外面に塗布する工程を有する。円筒状金型に塗布する方法は、公知の方法を適用することが可能で、例えば遠心成形する方法、ディスペンサーにより塗布する方法、スクレーパを用いる方法、弾丸状走行体を用いる方法等が挙げられる。特にディスペンサーによりスパイラル状に塗布する方法を用いた場合、厚みの精度が高く、余分な樹脂溶液を必要としないことから非常に好ましい。つまり、図1に示すように、ポンプ6によって圧送された樹脂溶液を、配管4を介してディスペンサー2の吐出口3から円筒状の金型1の内面に塗布することで、金型面に均等に塗布することができる。ここで、吐出圧力は、例えば、図1のようにディスペンサー1の吐出口の近傍に設けられた圧力計5によって測定する。さらには、その圧力計5の出力を制御部(図示せず)に導入し、ポンプ6の吐出圧力を制御することも可能である。なお、図1では、金型1の内面に塗布する場合を示しているが、外面に塗布する場合であっても同様である。また、吐出口3は、図2に示すように出口断面を長方形状にすることが好ましい。吐出される樹脂溶液が、ほぼ均等な厚みを有する所定幅の塗膜を形成することができるためである。
【0023】
上記円筒状の金型としては、従来からシームレス状ベルトの製造に用いられているものであればどのようなものでも差し支えなく、材質としてはその耐熱性の観点から、金属、ガラス、セラミック等の各種のものが挙げられる。
【0024】
また、円筒状の金型内面或いは外面に塗布する工程において、溶液状の樹脂素材を塗布する時には、吐出圧力を1MPa以下にすることが必要である。より好ましくは、0.8MPa以下にすることが良い。詳細は不明であるが、吐出圧力を1MPaより大きくすると金型に規制されていない面の微小な凹凸の違いが生じ、微小区間で表面抵抗差が生じてしまう。この様な、表面の微小区間での抵抗差があるベルトをカラープリンタ等の中間転写ベルトとして使用すると抵抗差のある部分で色むらが発生する。ここで、吐出圧力は、例えば、図1の圧力計5によって測定された値を基準にする。
【0025】
(3)乾燥、或いはイミド化反応を行う工程
本発明では、このようにして円筒状金型上に均一に塗布した樹脂溶液を加熱乾燥することにより自己支持できるまで初期乾燥を行う。上記加熱温度は適用した溶媒を蒸発させることができる温度であれば特に制限はなく適宣に設定できるが、80〜230℃であると好ましい。加熱時の所要時間は加熱温度に応じて適宜設定され、通常、10〜60分程度である。この時230℃以上で急激に加熱すると樹脂溶液中の溶媒が急激に蒸発するために微小ボイドが発生し、80℃以下で長時間加熱すると製造上時間がかかりすぎて生産性が低くなるため好ましくない。
【0026】
次に、初期乾燥の終了した樹脂は、更に高い温度にて処理を行うことにより、樹脂ベルトを得ることができる。上記加熱温度は残存溶媒の除去、閉環水の除去、あるいはイミド化反応を進めるのに適用した温度であれば特に制限はなく溶媒種・モノマー種等に応じて適宜に設定できるが、一般には200〜500℃以下であると好ましい。こうした高温での処理の方法としては、円筒状金型に樹脂ベルトが貼りついた状態で加熱を行ってもよく、あるいは、該金型から樹脂ベルトを剥離した後樹脂ベルトの内径よりも小さい外径を有する第2金型を、上記樹脂ベルトの内部に挿入し、次いで樹脂ベルトを第2金型ごと加熱しても構わない。
【0027】
上記の工程によって作製された樹脂ベルトは金型から剥離され、半導電性ベルトとして完成する。
ここで、円筒状金型から樹脂ベルトを剥離する方法としては、例えば金型端部の周壁に予め設けられた微小貫通孔に空気を圧送する方法等が挙げられる。なお、円筒状金型周面に予めシリコーン樹脂等による離型処理を施しておけば、樹脂ベルトの剥離作業性が向上するため好ましい。
【0028】
このようにして得られたシームレスベルトは、5mmピッチで表面抵抗を測定した時の両隣の抵抗の比の最大値が1.5以下であり、微小区間で表面抵抗差が非常に小さい。そのため、このベルトをカラープリンタ等の中間転写ベルトとして使用しても、色むらもなく非常に良好である。
【0029】
また、本発明の半導電性ベルトを中間転写体や転写搬送用ベルトして用いる場合には、ある程度の高弾性率があれば問題なく、具体的には、引張弾性率が、4000MPa以上が好ましい。ここでいう引張弾性率とは、JIS K7127に準じて測定した周方向の引張弾性率をいう。
【0030】
また、本発明の製造方法は、上記用途のベルトに限らず、半導電性あるいは高弾性および耐熱性などの特性を生かした、あらゆる分野に用いられるベルトに適用できる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
【0032】
<評価方法>
(1)表面抵抗(全体)
半導電性ベルトの24点の表面について、ハイレスタUP、MCP−HT450(三菱化学社製、プローブ:UR−100)にて印加電圧100V、10秒後、測定条件25℃での表面抵抗値を求めた。
(2)表面抵抗比(微小区間)
半導電性ベルトを幅方向に5mm間隔で、ハイレスタUP、MCP一HT450(三菱化学社製、プローブ:UA)にて印加電圧100V、10秒後、測定条件25℃での表面抵抗率を調べ、それぞれ両隣の表面抵抗値の比を求め、最大値を表面抵抗比とした。
(3)厚み・厚みバラツキ
ベルトの周方向10点・幅方向5点の計50点を測定しその平均値を求めた。また、厚みバラツキは、測定したデータの最大値と最小値の偏差とした。
【0033】
<実施例1>
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に、カーボンブラック(SPECIALBLACK4、デグサ社製)を添加し、ボールミルで8時間撹拌してカーボンブラック分散NMP液を得た。このカーボンブラック分散NMP液に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンを等モル数溶解し、窒素雰囲気下において室温で5時間撹拌しながら反応させた後、粘度調整を行い、カーボンブラックを分散したポリアミド酸溶液(固形分20重量%、23℃におけるB型粘度計による溶液粘度200Pa・s)を得た。このポリアミド酸溶液400g を円筒状金型(内径300mm、長さ800mm)の内面に図1及び2で示されるような装置を用いて塗布を行った。ポンプからディスペンサーまでの配管の内径を4mm、ディスペンサーの幅30mm、吐出口スリット1.5mmより2.5cc/sec の吐出量でスパイラル状に供給した。この時の吐出圧力は、0.8MPaであった。この時、金型に塗布された樹脂溶液層が1mm重なるように塗布を行った。次に1500rpmで10分間回転後、130℃で20分間加熱し、さらに、残存溶媒の除去、脱閉環水の除去、およびイミド化の完結反応を行うために360℃まで昇温加熱した後、室温まで冷却した。得られたベルトの両端と中央部の不要部分を切断し、半導電性ベルトを2本得た。
このベルトをタンデム式中間転写型画像形成装置の中間転写ベルトとして搭載し画像形成を行ったところ、色ムラもなく良好な画像が得られた。
【0034】
<実施例2>
ポンプからディスペンサーまでの配管の内径を8mm、ディスペンサーの幅30mm、吐出口スリット1.5mmで行った以外は、実施例1と同様に行った。この時の吐出圧力は、0.4MPaであった。
得られたベルトをタンデム式中間転写型画像形成装置の中間転写ベルトとして搭載し画像形成を行ったところ、色ムラもなく良好な画像が得られた。
【0035】
<実施例3>
実施例1と同様にカーボンブラック分散NMP液を得た。ポリアミドイミド粉末は、東洋紡株社製パイロマックスHR16NN(NMP固形分15重量%、溶媒NMP)をメタノール中に浸漬させることにより、再沈させた。この固形分を乾燥させることにより、ポリアミド粉末を得た。このカーボンブラック分散NMP液にポリアミドイミド粉末を溶解させ、カーボンブラックを分散したポリアミドイミド溶液(固形分18重量%、23℃におけるB型粘度計による溶液粘度220Pa・s)を得た。このポリアミドイミド溶液410g を円筒状金型(内径300mm、長さ800mm)の内面に図1及び2で示されるような装置を用いて塗布を行った。ポンプからディスペンサーまでの配管の内径を8mm、ディスペンサーの幅30mm、吐出口スリット1.5mmより2.5cc/sec の吐出量でスパイラル状に供給した。この時の吐出圧力は、0.5MPaであった。この時、金型に塗布された樹脂溶液層が1mm重なるように塗布を行った。次に1500rpmで10分間回転後、130℃で20分間加熱し、さらに、残存溶媒の除去を行うために300℃まで昇温加熱した後、室温まで冷却した。得られたベルトの両端と中央部の不要部分を切断し、半導電性ベルトを2本得た。
このベルトをタンデム式中間転写型画像形成装置の中間転写ベルトとして搭載し画像形成を行ったところ、色ムラもなく良好な画像が得られた。
【0036】
<比較例1>
ポンプからディスペンサーまでの配管の内径を4mm、ディスペンサーの幅30mm、吐出口スリット0.5mmで行った以外は、実施例1と同様に行った。この時の吐出圧力は、3.5MPaであった。
得られたベルトをタンデム式中間転写型画像形成装置の中間転写ベルトとして搭載し画像形成を行ったところ、色むらが生じた。
【0037】
<比較例2>
ポンプからディスペンサーまでの配管の内径を4mm、ディスペンサーの幅30mm、吐出口スリット1.0mmで行った以外は、実施例1と同様に行った。この時の吐出圧力は、1.5MPaであった。
得られたベルトをタンデム式中間転写型画像形成装置の中間転写ベルトとして搭載し画像形成を行ったところ、色むらが生じた。
【0038】
<評価結果>
以上の実施例、比較例における評価結果を表1にまとめる。
【表1】
表1の結果が示すように、実施例1〜3については、良好な表面抵抗比があったが、比較例1および2については、規定の表面抵抗比を超える結果となった。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明の半導電性ベルトは、画像形成装置に用いられる中間転写体など要求される表面抵抗値を有するとともに、微小区間での抵抗差をなくすことで、高速化になっても画像ムラのない優れた中間転写体等を提供することができる。
【0040】
ここで、本発明の半導電性ベルトの作製工程、具体的には、溶液状の樹脂素材の塗布工程において、吐出圧力を制御することによって、金型に規制されていない面の微小な凹凸の発生を防止し、微小区間で表面抵抗差の発生を防止することができる。
【0041】
また、上記工程において、樹脂溶液の粘度を所定の範囲に管理することで、溶液の均一化を図り、塗膜の内部および表面でのバラツキを抑制し、微小区間で表面抵抗差の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布工程における実施態様の一例を示す説明図
【図2】本発明における塗布装置の吐出口の一例を示す説明図
【符号の説明】
1 金型
2 ディスペンサー
3 吐出口
5 圧力計
Claims (4)
- 樹脂溶液を円筒状金型内面あるいは外面に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を加熱・乾燥させて半導電性ベルトを製造する工程とを含む半導電性ベルトの製造方法において、
前記樹脂溶液のB型粘度計で測定した粘度が、10〜1000Pa・sであり、
前記樹脂溶液を円筒状金型内面あるいは外面に塗布する際の吐出する圧力が、1MPa以下であり、
前記半導電性ベルトの表面抵抗率の常用対数値が、9〜14(logΩ/□)の範囲であり、
前記半導電性ベルトにおける5mmピッチで表面抵抗を測定した時の両隣の表面抵抗比の最大値が、1.5以下であることを特徴とする半導電性ベルトの製造方法。 - 前記塗布して塗膜を形成する工程が、スパイラル状に塗布して塗膜を形成するものであることを特徴とする請求項1記載の半導電性ベルトの製造方法。
- 前記樹脂溶液中の樹脂素材が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、及び、全芳香族ポリアミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導電性ベルトの製造方法。
- 前記樹脂溶液中にカーボンブラックを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導電性ベルトの製造方法。
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