JP3763525B2 - 溶接方法および溶接装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重ね溶接がなされた溶接構造物に関し、また、高エネルギビームによる溶接方法およびその溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザビームや電子ビームなどの高エネルギビームによる溶接は、母材への入熱が低く抑えられるため被溶接部における剛性の低下も少なく、また、抵抗溶接やアーク溶接に比べて高速、かつ、高精度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高エネルギビームは、ビームの照射を開始する時点や終了する時点では入熱制御が難しいため、その出力が不安定になることがあり、したがって、高エネルギビームによって形成された溶接ビードのうち、その溶接開始点・溶接終了点にはクレータなどの溶接欠陥が生じている可能性がある。
【0004】
また、高エネルギビーム溶接によると、溶接ビードの幅を狭くできるが、その幅の狭さが構造上の弱点になることもある。例えば、図9に示すように、高エネルギビームにより重ね溶接がなされた溶接構造物に、軸方向の圧縮力P1が作用すると、図10(a)に示すように、部材の合わせ面を溶接線方向に引き剥がすような引剥力H1(ピール方向の力)が発生するが、この引剥力H1は溶接ビードWの断面に集中する(図10(b)参照)。そして、溶接ビードWの断面積が小さいが故に、溶接ビードWの断面には、大きな応力が発生することになる。特に、溶接開始点W1・溶接終了点W2に応力が集中すると、この部位に溶接欠陥がなくても、熱影響部が連続破断する恐れもある。なお、溶接線と直交する方向の圧縮力P2が溶接構造物へ作用した場合(図9参照)には、接合部の合わせ面を引き剥がすような引剥力H2(図10(c)参照)は、溶接ビードW全体に分散して作用する(図10(d)参照)ので、溶接開始点W1・溶接終了点W2から熱影響部が連続破断することはない。また、通常の荷重に対しては、溶接開始点W1・溶接終了点W2における溶接欠陥を考慮した上で溶接長さを決定するので問題はない。
【0005】
また、溶接開始点・溶接終了点の強度および溶接欠陥を補う目的で、この位置にリベットを打ち込むこともあるが、この場合には、加工工程が増えるため、作業効率の低下を招く。
【0006】
そこで、本発明は、溶接ビードに応力集中することがなく、すなわち、溶接開始点・溶接終了点の強度不足や溶接欠陥に起因して熱影響部が連続破断することがない接合強度の高い溶接構造物を提供することを課題とし、また、高エネルギビームにより溶接をする際に生じる溶接欠陥の影響を低減することが可能な溶接方法および溶接装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、請求項1の溶接方法は、二以上の部材を重ね合わせ、その重ね合わせ方向に高エネルギビームを照射して重ね溶接する際に、中間部の溶接予定線に沿って移動可能な回動軸と、当該回動軸を回動させたときに円弧形状の溶接ビードが形成されるように前記回動軸に取り付けられた照射ヘッドとを備えた溶接装置を使用して、始端部の溶接ビードを中間部の溶接ビードに対して側方へ屈曲させる溶接方法であって、中間部の溶接予定線の側方に位置する溶接開始点から溶接を開始し、前記回動軸を回転させつつ、前記回動軸を前記溶接予定線に沿って移動させて前記溶接開始点から前記中間部の始点に至る始端部を溶接した後に、前記中間部と終端部とを溶接することを特徴とする。
【0008】
かかる溶接方法によると、中間部の溶接予定線の側方に位置する溶接開始点から溶接を開始するので、中間部の溶接ビードに溶接欠陥が生じることはない。また、始端部の溶接ビードが、中間部の溶接ビードに対して側方へ屈曲して形成されるので、接合強度の高い溶接構造物を得ることができる。
【0009】
請求項2の溶接方法は、二以上の部材を重ね合わせ、その重ね合わせ方向に高エネルギビームを照射して重ね溶接する際に、中間部の溶接予定線に沿って移動可能な回動軸と、当該回動軸を回動させたときに円弧形状の溶接ビードが形成されるように前記回動軸に取り付けられた照射ヘッドとを備えた溶接装置を使用して、終端部の溶接ビードを中間部の溶接ビードに対して側方へ屈曲させる溶接方法であって、始端部と中間部とを溶接した後に、前記回動軸を回転させつつ、前記回動軸を前記溶接予定線に沿って移動させて前記中間部の終点から前記中間部の溶接ビードの側方に位置する溶接終了点に至る終端部を溶接し、当該溶接終了点で溶接を終了することを特徴とする。
【0010】
かかる溶接方法によると、中間部の溶接ビードの側方に位置する溶接終了点で溶接を終了するので、中間部の溶接ビードに溶接欠陥が生じることはない。また、終端部の溶接ビードが、中間部の溶接ビードに対して側方へ屈曲して形成されるので、接合強度の高い溶接構造物を得ることができる。
【0011】
請求項3の溶接方法は、二以上の部材を重ね合わせ、その重ね合わせ方向に高エネルギビームを照射して重ね溶接する際に、中間部の溶接予定線に沿って移動可能な回動軸と、当該回動軸を回動させたときに円弧形状の溶接ビードが形成されるように前記回動軸に取り付けられた照射ヘッドとを備えた溶接装置を使用して、始端部および終端部の溶接ビードを中間部の溶接ビードに対して側方へ屈曲させる溶接方法であって、中間部の溶接予定線の側方に位置する溶接開始点から溶接を開始し、前記回動軸を回転させつつ、前記回動軸を前記溶接予定線に沿って後進移動させて前記溶接開始点から前記中間部の始点に至る始端部を溶接する工程と、前記回動軸の回転を停止させた状態で前記回動軸を前記溶接予定線に沿って前進移動させて、前記中間部の始点から終点までを溶接する工程と、前記回動軸を前記始端部のときとは反対方向に回転させつつ、前記回動軸を前記溶接予定線に沿って前進移動させて前記中間部の終点から前記中間部の溶接ビードの側方に位置する溶接終了点に至る終端部を溶接する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項4の溶接装置は、始端部および終端部の少なくとも一方の溶接ビードを、中間部の溶接ビードに対して側方へ屈曲させるための溶接装置であって、前記中間部の溶接予定線に沿って移動可能な回動軸と、高エネルギビームを照射する照射ヘッドと、前記回動軸の回転速度と回転角度とを制御するとともに、前記回動軸の前記中間部方向の移動速度と移動量とを制御する制御手段を備え、前記照射ヘッドは、これから照射される高エネルギビームの光軸が前記回動軸に対して所定の角度で傾斜するように前記回動軸に取り付けられており、前記回動軸を回転させたときに円軌道を描くことを特徴とする。
【0013】
かかる溶接装置によると、溶接予定線上を溶接するだけでなく、溶接予定線の始点もしくは終点において、溶接方向を溶接予定線の側方へ屈曲させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の溶接構造物の一例を示す斜視図である。図示の溶接構造物Kは、アルミニウム合金製であり、断面ハット形状の二つの部材K1,K2を重ね溶接により接合したものである。すなわち、部材K1のフランジf1と部材K2のフランジf2とを重ね合わせるとともに、その重ね合わせ方向に部材K1側から高エネルギビームを照射し、フランジf1,f2を断続的に溶接することで溶接構造物Kが形成される。
【0016】
溶接ビード1は、それぞれシングルパスで形成され、始端部2および終端部4の溶接ビードが、中間部3の溶接ビードに対して側方へ屈曲して形成されている。本実施形態では、始端部2および終端部4の溶接ビードが中間部3の溶接ビードに対して直交する方向へ屈曲し、平面視コ字形状である。また、溶接開始点Aは、始端部2に含まれ、溶接終了点Dは終端部4に含まれる。
【0017】
溶接ビード1が前記のように形成されると、溶接構造物Kに軸方向の圧縮力P1が作用して、図4に示すように、部材K1,K2の合わせ面を中間部3の溶接ビード方向へ引き剥がすような引剥力H1が発生しても、引剥力H1は始端部2もしくは終端部4の溶接ビードに分散して作用する。また、溶接構造物Kに軸直角方向の圧縮力P2が作用して、部材K1,K2の合わせ面を中間部の溶接ビードと直交する方向へ引き剥がすような引剥力が発生しても、引剥力H2は中間部3の溶接ビードに分散して作用する。
【0018】
したがって、溶接構造物Kにどのような方向から圧縮力が作用しても、応力集中や溶接欠陥が懸念される溶接開始点Aもしくは溶接終了点Dのみに引剥力H1,H2が集中することはないので、溶接開始点Aもしくは溶接終了点Dに起因して熱影響部が連続破断することがない。
【0019】
また、本実施形態の溶接ビード1は、始端部2および終端部4の溶接ビードが中間部3の溶接ビードに対して直交する方向へ屈曲しているが、これに限定されることはなく、図2(b)(c)に示すように、始端部2と終端部4とが中間部3の溶接ビードもしくはその延長線の側方へ屈曲して形成されていれば、必ずしも直交する必要はなく、また、図2(d)に示すように、始端部2および終端部4が円弧形状に形成されていてもよい。すなわち、中間部3の溶接ビードの端部に、当該溶接ビードの側方へ向かう付加溶接ビード(始端部2、終端部4)が形成されていればよい。溶接ビード1の平面形状は、作用する荷重の大きさや方向、さらには、フランジの幅などを考慮して適宜設定すればよい。また、図示は省略するが、始端部2および終端部4の一方だけが中間部3の溶接ビードの側方へ屈曲するものであってもよい。
【0020】
また、溶接ビードはシングルパスで形成されている必要はなく、図3(a)に示すように、溶接ビード5の端部に、溶接ビード5の側方へ向かう付加溶接ビード6,7を、溶接ビード5とは別個に形成してもよい。なお、図3(a)に示す実施形態では、付加溶接ビード6,7を溶接ビード5の溶接開始点A・溶接終了点Dに重なるように形成しているが、これに限定されることはなく、図3(b)(c)に示すように、溶接開始点A・溶接終了点Dからずらした位置に形成してもよい。また、溶接ビード5によると、溶接長が同じであれば、図2(a)〜(d)に示す溶接ビード1に比べて、応力に対する抵抗力が大きい。
【0021】
次に、溶接ビード1を形成することのできる溶接装置について説明する。
【0022】
図5は、溶接装置のうち、レーザ照射ヘッドの部分を模式的に示したものである。本実施形態の溶接装置10は、回動軸12に取り付けられたレーザ照射ヘッド11と、回動軸12の回動速度と回転角度とを制御する図示しない制御手段を備えている。また、回動軸12は、図示しない溶接ロボットなどに取り付けられ、中間部3の溶接予定線Lに沿って移動可能である。その他、レーザ光の照射位置に合わせて部材K1,K2を押え付ける加圧ローラなどは、公知のレーザ溶接装置と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0023】
レーザ照射ヘッド11は、レーザ光の光軸11aが回動軸12に対して所定の角度を成して取り付けられており、回動軸12を回動させると、溶接ビードを円弧形状に形成することができる。すなわち、レーザ照射ヘッド11から照射されるレーザ光の焦点Fは、部材K1の表面に円軌道を描く。
【0024】
制御手段は、回動軸12の回転速度と回転角度とを制御するとともに、回動軸12の中間部3方向の移動速度と移動量とを制御し、レーザ照射ヘッド11から照射されるレーザ光の焦点Fを円軌道で移動させつつ、その中心点(回動軸12)を溶接予定線Lに沿って移動させる。
【0025】ここで、溶接装置10の作動させて溶接ビード1を形成する方法について説明する説明する(適宜図5参照)。
【0026】
まず、回動軸12が部材K1の表面に対して垂直になるように溶接装置10の位置を調整し、図6(a)に示すように、レーザ光の焦点を中間部3の溶接予定線Lの側方に位置する溶接開始点Aに合わせて溶接を開始する。すなわち、焦点を12時の方向かつ溶接開始点Aに合わせて溶接を開始する(S1)。
【0027】
次に、図6(b)に示すように、回動軸12を左回りに回転させつつ、回転軸12を中間部3の溶接予定線Lに沿って後進移動させ、溶接開始点Aから中間部3の始点Bに至る直線状の始端部2を溶接する(S2)。
【0028】
中間部3の始点Bまで溶接したら(図6(c)参照)、回動軸12の回転を止めるとともに、回動軸12を溶接予定線Lに沿って前進移動させ、中間部の始点Bから終点Cまでを溶接する(図6(d)参照)。すなわち、焦点が9時の方向になった時点で回動軸12の回転を停止させ、かつ、回動軸12を後進移動から前進移動に切り替え(S3)、焦点を9時の方向にしたまま終点Cまで回動軸12を前進移動させる(S4)。なお、「前進移動」とは、始点B側から終点C側へ向かって移動することであり、「後進移動」とは、終点C側から始点B側へ向かって移動することである。
【0029】
中間部3の終点Cまで溶接したら、回動軸12を右回りに回転させつつ、回動軸12を中間部3の溶接ビードに沿って前進移動させ(S5)、中間部3の終点Cから中間部3の溶接ビードの側方に位置する溶接終了点Dに至る直線状の終端部4を溶接し、溶接終了点Dで溶接を終了する(図6(e)(f)参照)。すなわち、焦点が12時の方向になったときに回動軸12の回転を停止し、かつ、レーザの照射を停止する(S6)。
【0030】
このように、中間部3の溶接予定線Lの側方に位置する溶接開始点Aから溶接を開始するとともに、中間部3の終点Cで溶接を終了せずに、中間部3の溶接ビードの側方に位置する溶接終了点Dで溶接を終了するので、中間部3の始点Bと終点Cに溶接欠陥が生じることはない。また、加圧ローラごと円弧動作をさせる構成ではないので、部材K1のたて壁に加圧ローラが干渉することもない。
【0031】
なお、回動軸12の回転角度と回転速度、および回動軸12の中間部3方向の移動速度と移動量を調節することによって、図2(b)(c)に示すような形状に溶接ビードを形成することもできる。また、図7に示すように、溶接開始点Aおよび溶接終了点Dにおいて、回動軸12を中間部3方向に移動させずに、回動軸12だけを回転させれば、図2(d)のような円弧形状の始端部2および終端部4を形成できる。
【0032】
図8(a)は、自動車の車体のうち、ドア開口部を構成する部品に前記のような溶接ビード1を形成したものである。車体を構成する部品は、図8(b)に示すセンターピラー20の断面図のように、二以上の部材を重ね合わせて形成されることが多い。溶接ビード1を形成すれば、溶接の熱影響部が脆性的に破断することがないので、衝撃力が作用する車体を構成する部品に好適である。また、車体を構成する部品には、ルーフレール21、フロントピラー22、リアピアー23、サイドシル24などがある。なお、図示の実施形態では、車体のうちサイドメンバのみを図示しているが、これに限定されることはなく、様々な部品に適用できることはいうまでもない。
【0033】
【発明の効果】
本発明の溶接方法および溶接装置によれば、高エネルギビームにより溶接をする際に生じる溶接欠陥の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の溶接構造物を示す斜視図である。
【図2】 溶接ビードの平面形状の例を示す平面図である。
【図3】 溶接ビードの平面形状の他の例を示す平面図である。
【図4】 溶接構造物に引剥力が作用した状態を示す図である。
【図5】 (a)は本発明の溶接装置を示す概略上面図、(b)は同じく側面図である。
【図6】 溶接方法の手順を説明する概略上面図である。
【図7】 他の溶接方法の手順を説明する概略上面図である。
【図8】 本発明の溶接構造物の例を示す斜視図である。
【図9】 従来の溶接構造物を示す斜視図である。
【図10】 接合部の剥離を説明する図である。
【符号の説明】
K 溶接構造物
K1,K2 部材
f1,f2 フランジ
1 溶接ビード
2 始端部
3 中間部
4 終端部
A 溶接開始点
B 中間部の始点
C 中間部の終点
D 溶接終了点
11 レーザ照射ヘッド
12 回動軸
L 溶接予定線
F 焦点
P1,P2 圧縮力
H1,H2 引剥力
Claims (4)
- 二以上の部材を重ね合わせ、その重ね合わせ方向に高エネルギビームを照射して重ね溶接する際に、中間部の溶接予定線に沿って移動可能な回動軸と、当該回動軸を回動させたときに円弧形状の溶接ビードが形成されるように前記回動軸に取り付けられた照射ヘッドとを備えた溶接装置を使用して、始端部の溶接ビードを中間部の溶接ビードに対して側方へ屈曲させる溶接方法であって、
中間部の溶接予定線の側方に位置する溶接開始点から溶接を開始し、前記回動軸を回転させつつ、前記回動軸を前記溶接予定線に沿って移動させて前記溶接開始点から前記中間部の始点に至る始端部を溶接した後に、前記中間部と終端部とを溶接することを特徴とする溶接方法。 - 二以上の部材を重ね合わせ、その重ね合わせ方向に高エネルギビームを照射して重ね溶接する際に、中間部の溶接予定線に沿って移動可能な回動軸と、当該回動軸を回動させたときに円弧形状の溶接ビードが形成されるように前記回動軸に取り付けられた照射ヘッドとを備えた溶接装置を使用して、終端部の溶接ビードを中間部の溶接ビードに対して側方へ屈曲させる溶接方法であって、
始端部と中間部とを溶接した後に、前記回動軸を回転させつつ、前記回動軸を前記溶接予定線に沿って移動させて前記中間部の終点から前記中間部の溶接ビードの側方に位置する溶接終了点に至る終端部を溶接し、当該溶接終了点で溶接を終了することを特徴とする溶接方法。 - 二以上の部材を重ね合わせ、その重ね合わせ方向に高エネルギビームを照射して重ね溶接する際に、中間部の溶接予定線に沿って移動可能な回動軸と、当該回動軸を回動させたときに円弧形状の溶接ビードが形成されるように前記回動軸に取り付けられた照射ヘッドとを備えた溶接装置を使用して、始端部および終端部の溶接ビードを中間部の溶接ビードに対して側方へ屈曲させる溶接方法であって、
中間部の溶接予定線の側方に位置する溶接開始点から溶接を開始し、前記回動軸を回転させつつ、前記回動軸を前記溶接予定線に沿って後進移動させて前記溶接開始点から前記中間部の始点に至る始端部を溶接する工程と、
前記回動軸の回転を停止させた状態で前記回動軸を前記溶接予定線に沿って前進移動させて、前記中間部の始点から終点までを溶接する工程と、
前記回動軸を前記始端部のときとは反対方向に回転させつつ、前記回動軸を前記溶接予定線に沿って前進移動させて前記中間部の終点から前記中間部の溶接ビードの側方に位置する溶接終了点に至る終端部を溶接する工程と、を含むことを特徴とする溶接方法。 - 始端部および終端部の少なくとも一方の溶接ビードを、中間部の溶接ビードに対して側方へ屈曲させるための溶接装置であって、
前記中間部の溶接予定線に沿って移動可能な回動軸と、
高エネルギビームを照射する照射ヘッドと、
前記回動軸の回転速度と回転角度とを制御するとともに、前記回動軸の前記中間部方向の移動速度と移動量とを制御する制御手段を備え、
前記照射ヘッドは、これから照射される高エネルギビームの光軸が前記回動軸に対して所定の角度で傾斜するように前記回動軸に取り付けられており、前記回動軸を回転させたときに円軌道を描くことを特徴とする溶接装置。
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