JP3763496B2 - 内燃機関の蒸発燃料放出防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の蒸発燃料放出防止装置、特に内燃機関の作動時及び停止時に燃料タンクの内圧を負圧に制御して燃料タンクから蒸発燃料が外気に放出するのを防止する内燃機関の蒸発燃料放出防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載された燃料タンク内の蒸発燃料が外気中に放出するのを防止するために燃料タンクをキャニスタを介して内燃機関の吸気管に接続し、燃料タンク内の蒸発燃料を、内燃機関の停止時はキャニスタにより処理すると共に内燃機関の作動時は内燃機関で燃焼させる技術が知られている。
【0003】
また、上記技術の改良として、内燃機関の作動時に燃料タンク内を負圧化して、内燃機関の作動時はもとより内燃機関の停止後も燃料タンクの内圧を負圧に保持することにより、給油のためにフィラーキャップを開けても燃料タンク内の蒸発燃料が外気に放出されることを防止するようにした内燃機関の蒸発燃料放出防止装置も既に提案されている(例えば、特願平9−39740号)。
【0004】
この装置では、燃料タンク内の燃料の温度を検出する温度センサと、前記燃料タンクの内圧を検出するタンク内圧センサとを設け、燃料タンク内の燃料の温度に応じて予測される燃料タンク内の内圧の上昇分を見込んだ過度に負圧化された目標圧力値を決定する。そして、内燃機関作動中の吸気管内の負圧を利用して、燃料タンクの内圧が上記目標圧力値となるように、上記タンク内圧センサの検出値によりフィードバックしつつ上記制御弁の開度を制御する。これにより、通常は燃料タンクの内圧を上記目標圧力値に維持することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、上記燃料タンクの目標圧力値への負圧化は内燃機関の作動時の吸気管内の負圧を利用するために車両の走行中に行われる。従って、燃料タンクの負圧化を実行すべく制御弁を開弁すると、燃料タンク内の蒸発燃料が吸気管に吸引され、吸気管内の混合気の空燃比が急激に変化して排気エミッション及び車両の運転性が悪化する場合があるので、かかる観点から燃料タンクから吸気管内に吸引され得る蒸発燃料の負圧化流量には制限値がある。例えば、この制限値は、図6のようにエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに対する燃料タンクの負圧化流量の制限値として示される。図6では、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAの少なくとも一方が大きいほど燃料タンクの負圧化流量(l/min)の制限値は大きい。上記燃料タンクの負圧化流量を制限するためには、燃料タンクの負圧化速度の増大を抑制する必要がある。
【0006】
一方、燃料タンクの内圧を上記目標圧力値に制御する際、タンク内圧は時間の経過と共に目標圧力値に近づいていくが、そのとき、吸気管内圧力とタンク内圧との差圧が小さくなり、燃料タンクから吸気管内への蒸発燃料の流量が減少するので燃料タンクの負圧化速度が遅くなる。図7は、このときの燃料タンク9のタンク内圧Ptの変化を示すグラフである。このように燃料タンクの負圧化速度が遅くなることにより、例えば、給油後走行距離が短い車両の使用状態によっては、短時間で燃料タンクを目標圧力値まで負圧化することができず停車中を含めて常時燃料タンクを負圧に維持することが難しいという問題がある。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、吸気管内の負圧による燃料タンクの負圧化を実行する際に燃料タンクの負圧化速度を適切な値とすることにより、燃料タンクの負圧化流量を最適にすると共に短時間で目標圧力値まで燃料タンクを負圧化することができる内燃機関の蒸発燃料放出防止装置を提供することにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、請求項1に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置は、燃料タンクと内燃機関の吸気系とを接続する蒸発燃料通路と、該蒸発燃料通路の途中に設けられ、該蒸発燃料通路を開閉する制御弁と、前記燃料タンクの内圧を検出する圧力センサと、前記内燃機関の作動時及び停止時において前記燃料タンクの内圧が負圧になるように前記制御弁の開度を制御する制御手段とを有する内燃機関の蒸発燃料放出防止装置において、前記吸気系内の圧力を検出する圧力センサと、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段とを有しており、前記制御手段は、前記燃料タンクの内圧と前記吸気系内の圧力との差圧及び前記内燃機関の運転状態に応じて前記制御弁の開度を設定することを特徴とする。
【0009】
この構成により、制御弁の開度が燃料タンクの内圧と吸気系内の圧力との差圧及び前記内燃機関の運転状態に応じて設定されるので、燃料タンクの負圧化の実行時に燃料タンクの内圧と吸気系内の圧力との差圧が小さくなっていく過程において、制御弁の開度を内燃機関の運転状態に応じて適切に設定しつつ前記差圧の低下による燃料タンクの負圧化流量の低下を確実に抑制して負圧化速度を最適にすると共に短時間で確実に燃料タンクを負圧化し、前記差圧が比較的大きい状態では負圧化流量を適切に抑制して排気エミッション特性及び運転性の悪化を防止することができる。
【0010】
請求項2に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置は、請求項1に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置において、前記制御手段は、前記燃料タンクの内圧と前記吸気系内の圧力との差圧が小さいほど前記制御弁の開度を大きく設定することを特徴とする。
【0011】
この構成により、制御弁の開度が前記差圧が小さいほど大きく設定されるので、燃料タンクの負圧化の実行時に燃料タンクの内圧と吸気系内の圧力との差圧が小さくなっていく過程において、前記差圧の低下による燃料タンクの負圧化流量の低下を確実に抑制して負圧化速度を最適にすると共に短時間で確実に燃料タンクを負圧化することができる。
【0014】
請求項3に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置は、請求項1又は2に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置において、前記運転状態検出手段は、前記吸気系内の圧力を検出する前記圧力センサと、前記内燃機関の回転数を検出する回転数センサとを含み、前記制御手段は、前記吸気系内の圧力及び前記内燃機関の回転数に応じて前記制御弁の開度の基本値を決定し、前記基本値を、前記燃料タンクの内圧と前記吸気系内の圧力との差圧に応じて補正することを特徴とする。
【0015】
この構成により、制御弁の開度の基本値を吸気系内の圧力及び内燃機関の回転数に応じて設定し、前記基本値を燃料タンクの内圧と吸気系内の圧力との差圧に応じて補正するので、上記請求項1又は2に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置により得られる効果を確実に達成することができる。
【0016】
請求項4に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置は、請求項3に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置において、前記制御手段は、前記吸気系内の圧力及び前記内燃機関の回転数の少なくとも一方が大きいほど前記制御弁の開度の基本値を大きく設定することを特徴とする。
【0017】
この構成により、制御弁の開度の基本値を吸気系内の圧力及び内燃機関の回転数の少なくとも一方が大きいほど大きく設定されるので、制御弁の開度を吸気系内の圧力及び内燃機関の回転数に応じて適切に設定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態に係る内燃機関の蒸発燃料放出防止装置の構成を示す全体構成図である。同図において、1は例えば4気筒を有する内燃機関(以下単に「エンジン」という)であり、エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。また、スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下「ECU」という)5に供給する。
【0020】
燃料噴射弁6が、吸気管2の途中であってエンジン1とスロットル弁3との間の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられている。また、各燃料噴射弁6は燃料供給管7を介して燃料タンク9に接続しており、燃料供給管7の途中には燃料ポンプ8が設けられている。燃料タンク9は給油のための給油口10を有しており、給油口10にはフィラーキャップ11が取付けられている。
【0021】
燃料噴射弁6はECU5に電気的に接続され、該ECU5からの信号により燃料噴射の開弁時間が制御される。
【0022】
吸気管2の前記スロットル弁3の下流側には吸気系内の圧力を検出する圧力センサとして吸気管内絶対圧PBAを検出する吸気管内絶対圧(PBA)センサ13、及び外気温としての吸気温TAを検出する吸気温(TA)センサ14が装着されている。また、燃料タンク9には、燃料タンク9のタンク内圧(絶対圧)Pt(mmHg)を検出する圧力センサとしてのタンク内圧(Pt)センサ15と、燃料タンク9内の燃料の温度Tgを検出する燃料温度(Tg)センサ16とがそれぞれ設けられている。
【0023】
エンジン1の回転数を検出する回転数(NE)センサ17はエンジン1の図示しないカム軸周囲又はクランク軸周囲に取付けられている。NEセンサ17はエンジン1のクランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置でパルス(TDC信号パルス)を出力する。上記センサ13〜17の検出信号はECU5に供給される。
【0024】
次に燃料タンク9、蒸発燃料通路20等から構成される蒸発燃料放出抑止系31について説明する。
【0025】
燃料タンク9は蒸発燃料通路20を介して吸気管2のスロットル弁3の下流側に接続されており、蒸発燃料通路20の途中には燃料タンク9の内圧を制御すべく蒸発燃料通路20を開閉する制御弁30が設けられている。制御弁30は、その制御信号のデューティ比を変更することにより燃料タンク9内で発生する蒸発燃料の流量を制御するように構成されたデューティ制御タイプの電磁弁であり、制御弁30の作動はECU5により制御される。なお、制御弁30はその開度をリニアに変更可能なリニア制御タイプの電磁弁を使用してもよい。制御弁30がデューティ制御タイプの場合は上記デューティ比が、リニア制御タイプの場合はその駆動電流が特許請求の範囲の「制御弁の開度」に対応する。
【0026】
ECU5は各種センサ等からの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段、燃料噴射弁6や制御弁30に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
【0027】
ECU5のCPUは、θTHセンサ4、PBAセンサ13等の各種センサの出力信号に応じてエンジン1に供給する燃料量制御等を行う。燃料量制御は本発明の主題ではないので説明を省略する。
【0028】
ECU5のCPUは、上述のPBAセンサ13、NEセンサ17等の出力信号に応じて図2の処理に基づいて制御弁30のデューティ比を決定する。図2は、本発明の実施の形態に係る蒸発燃料放出防止装置における蒸発燃料放出防止の制御処理を行うプログラムを示す。本プログラムは所定時間毎に実行される。
【0029】
まず、ステップS1で、エンジン1のクランキングを検知する等によりエンジン1が作動中であるか否かを判別すると共に、ステップS2で、エンジン1が燃料カット中か否かを判別する。ステップS1及びS2の各判別で、エンジン1が停止中であり、又は燃料カット中であるときは、ECU5のCPUは後述する目標圧力値Poに制御された燃料タンク9内の負圧を保持するために制御弁30を閉弁して(ステップS3)、本処理を終了する。
【0030】
ステップS1及びS2の各判別で、エンジン1が作動中であり、かつ燃料カット中でなければ、Tgセンサ16により検出された燃料タンク9内の燃料の温度Tgを取り込み(ステップS4)、次いでPtセンサ15により検出された燃料タンク9のタンク内圧Ptを取り込み(ステップS5)。さらに、PBAセンサ13により検出された吸気管内絶対圧PBAを取り込むと共に(ステップS6)、NEセンサ17によりエンジン回転数NEを取り込む(ステップS7)。
【0031】
さらに、燃料タンク9内の目標圧力値(絶対圧)Po(mmHg)を所定の設定方法(例えば、特願平9−39740号)により算出する(ステップS8)。この目標圧力値Poは、エンジン1の停止後も燃料タンク9内の負圧が保持できるように、予測される燃料タンク9内のタンク圧力上昇分を見込んだ過度に負圧化された値である。上記予測され得る燃料タンク9内のタンク内圧上昇の要因としては、燃料タンク9内の燃料のその温度における保有熱量により燃料に含まれる成分のうち燃料温度よりも低い温度で蒸発する成分が蒸発することと、外気温の上昇による燃料タンク9内の燃料の温度上昇により上記と同様に燃料の一部が蒸発することが挙げられる。
【0032】
次に、燃料タンク9のタンク内圧Ptが目標圧力値Poより大きいか否かを判別し(ステップS9)、Pt≦Poのときは、燃料タンク9のタンク内圧Ptをさらに負圧化する必要がないので、ステップS3で制御弁30を閉弁して、本処理を終了する。
【0033】
ステップS9でPt>Poのときは、ステップS10に進み、吸気管内絶対圧PBAがタンク内圧Ptより小さいか否かを判別し、PBA≧Ptであれば、吸気管内絶対圧PBAによりタンク内圧Ptをさらに負圧化することはできないと判断し、ステップS3で制御弁30を閉弁して、本処理を終了する。
【0034】
ステップS10でPBA<Ptのときは、燃料タンク9のタンク内圧Ptと吸気管内絶対圧PBAとの差圧ΔPTを算出する(ステップS11)。次いで、ステップS12では、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて図3に示すテーブルから制御弁30の基準デューティ比BDR(%)を検索する。図3のテーブルでは、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAの一方が大きくなるほど制御弁30の基準デューティ比BDR(%)は大きくなる。この基準デューティ比BDRは、蒸発燃料通路20の圧力損失を考慮しつつ、燃料タンク9の負圧化流量が図6の制限値以下となるような値を執るように設定されている。また、上記基準デューティ比BDRは、燃料タンク9内のタンク内圧Ptを最終的には目標圧力値(絶対圧)Po(mmHg)にするような値を執るように設定されている。
【0035】
しかしながら、上記基準デューティ比BDRにより制御弁30を制御しても、実際上、吸気管内絶対圧PBAとタンク内圧Ptは時間の経過と共に変化するので、燃料タンク9の負圧化流量は変化してしまう。この負圧化流量の変化は、図4に示すような、燃料タンク9のタンク内圧Ptと吸気管絶対圧PBAとの差圧ΔPTに応じて変化する流量比(%:ΔPT=500mmHgのときの燃料タンク9の負圧化流量を基準とした百分率)として表される。図4によれば、差圧ΔPTが小さいほど当該流量比が小さくなり、制御弁30を基準デューティ比BDRに制御しても、燃料タンク9に吸引される蒸発燃料の負圧化流量(l/min)は小さくなって燃料タンク9の負圧化速度が遅くなる。
【0036】
図5は、図4のような流量比の低下を相殺するための差圧ΔPTに応じたΔPT係数αを検索するためのテーブルである。図5において、ΔPT係数αは双曲線状をなしており、差圧ΔPTが大きくなるほど小さくなり1に近づき、差圧ΔPTが0に近づくほど急激に大きくなる。
【0037】
図2に戻り、ステップS13で、前記差圧ΔPTに応じて図5に示すように設定されたΔPT係数αを検索する。次いで、当該検索されたΔPT係数αを基準デューティ比BDRに乗算することにより(BDR×α)、制御弁30の駆動デューティ比DDRを算出し(ステップS14)、この駆動デューティ比DDRに基づいて制御弁30を開弁して(ステップS15)、本処理を終了する。
【0038】
このように、図2の処理によれば、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて設定された制御弁30の基本デューティ比BDR(%)(図3)を検索し(ステップS12)、燃料タンク9のタンク内圧Ptと吸気管内絶対圧PBAとの差圧ΔPTに応じて設定されたΔPT係数α(図5)を検索する(ステップS13)。次いで、差圧ΔPTに応じたΔPT係数αを基本デューティ比BDRに乗算することにより(BDR×α)、制御弁30の駆動デューティ比DDRを算出し(ステップS14)、この駆動デューティ比DDRに基づいて制御弁30を開弁する(ステップS15)。
【0039】
この際、ΔPt係数αは差圧ΔPTが0に近い領域では0づくほど急激に大きくなるように設定されているので、燃料タンク9のタンク内圧Ptと吸気管内絶対圧PBAとの差圧ΔPTが小さくなっていく過程において、差圧ΔPTが0に近い領域で0に近づくほど急激に大きくなるように設定されるΔPT係数αをエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAの一方の大きさに応じて設定される制御弁30の基本デューティ比BDRに乗じられることにより、差圧ΔPTの低下による燃料タンク9の負圧化流量の低下を抑制することができ、短時間で確実に燃料タンク9を目標圧力値Poまで負圧化することができる。
【0040】
一方、差圧ΔPTが比較的大きい状態においては、ΔPT係数αはほぼ1であり、制御弁30の駆動デューティ比DDRは、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて設定された制御弁30の基本デューティ比BDRの値に基づいた最適な値に算出される。この際、基本デューティ比BDRは、上述したように、蒸発燃料通路20の圧力損失を考慮しつつ、燃料タンク9の負圧化流量が図6の制限値以下となるような値を執るように設定されているので、差圧ΔPTが比較的大きい状態では燃料タンク9の負圧化流量を抑制することにより、吸気管2内の混合気の空燃比が急激に変化して排気ミッション特性及び車両の運転性が悪化するのを防止することができる。
【0041】
特許請求の範囲の制御手段としての機能は図2のフローチャートに示すように本実施の形態ではECU5がソフトウェアとして備えている。
【0042】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置によれば、制御弁の開度が燃料タンクの内圧と吸気系内の圧力との差圧及び内燃機関の運転状態に応じて設定されるので、制御弁の開度を内燃機関の運転状態に応じて適切に設定しつつ燃料タンクの負圧化の実行時に燃料タンクの内圧と吸気系内の圧力との差圧が小さくなっていく過程において、前記差圧の低下による燃料タンクの負圧化流量の低下を確実に抑制して負圧化速度を最適にすると共に短時間で確実に燃料タンクを負圧化し、差圧が比較的大きい状態では負圧化流量を適切に抑制して排気エミッション特性及び運転性の悪化を防止することができる。
【0043】
請求項2に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置によれば、制御弁の開度が前記差圧が小さいほど大きく設定されるので、燃料タンクの負圧化の実行時に燃料タンクの内圧と吸気系内の圧力との差圧が小さくなっていく過程において、前記差圧の低下による燃料タンクの負圧化流量の低下を確実に抑制して負圧化速度を最適にすると共に短時間で確実に燃料タンクを負圧化することができる。
【0045】
請求項3に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置によれば、制御弁の開度の基本値を吸気系内の圧力及び内燃機関の回転数に応じて設定し、前記基本値を燃料タンクの内圧と吸気系内の圧力との差圧に応じて補正するので、上記請求項1又は2に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置により得られる効果を確実に達成することができる。
【0046】
請求項4に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置によれば、制御弁の開度の基本値を吸気系内の圧力及び内燃機関の回転数の少なくとも一方が大きいほど大きく設定されるので、制御弁の開度を吸気系内の圧力及び内燃機関の回転数に応じて適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る内燃機関の蒸発燃料放出防止装置の構成を示す全体構成図である
【図2】本発明の実施の形態に係る蒸発燃料放出防止装置における蒸発燃料放出防止の制御処理を行うプログラムのフローチャートである。
【図3】制御弁30の基準デューティ比BDRを算出するテーブルである。
【図4】差圧ΔPTに基づく流量比を説明するグラフである。
【図5】差圧ΔPTに基づいてΔPT係数αを算出するテーブルである。
【図6】燃料タンク9の蒸発燃料の負圧化流量の制限値を説明するグラフである。
【図7】燃料タンク9内のタンク内圧Ptの変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 内燃エンジン
2 吸気管
3 スロットル
5 ECU(制御手段)
9 燃料タンク
10 給油口
11 フィラーキャップ
13 吸気管内絶対圧センサ(圧力センサ)
15 タンク内圧センサ
16 燃料温度センサ
17 回転数センサ
20 蒸発燃料通路
30 制御弁
31 蒸発燃料放出抑止系
Claims (4)
- 燃料タンクと内燃機関の吸気系とを接続する蒸発燃料通路と、該蒸発燃料通路の途中に設けられ、該蒸発燃料通路を開閉する制御弁と、前記燃料タンクの内圧を検出する圧力センサと、前記内燃機関の作動時及び停止時において前記燃料タンクの内圧が負圧になるように前記制御弁の開度を制御する制御手段とを有する内燃機関の蒸発燃料放出防止装置において、前記吸気系内の圧力を検出する圧力センサと、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段とを有しており、前記制御手段は、前記燃料タンクの内圧と前記吸気系内の圧力との差圧及び前記内燃機関の運転状態に応じて前記制御弁の開度を設定することを特徴とする蒸発燃料放出防止装置。
- 前記制御手段は、前記燃料タンクの内圧と前記吸気系内の圧力との差圧が小さいほど前記制御弁の開度を大きく設定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置。
- 前記運転状態検出手段は、前記吸気系内の圧力を検出する前記圧力センサと、前記内燃機関の回転数を検出する回転数センサとを含み、前記制御手段は、前記吸気系内の圧力及び前記内燃機関の回転数に応じて前記制御弁の開度の基本値を決定し、前記基本値を、前記燃料タンクの内圧と前記吸気系内の圧力との差圧に応じて補正することを特徴とする請求項1又は2記載の蒸発燃料放出防止装置。
- 前記制御手段は、前記吸気系内の圧力及び前記内燃機関の回転数の少なくとも一方が大きいほど前記制御弁の開度の基本値を大きく設定することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置。
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JPH06307270A (ja) | 内燃機関の始動時燃料噴射制御装置 |
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