JP3761664B2 - 内燃機関の蒸発燃料放出防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の蒸発燃料放出防止装置、特に給油時に燃料タンクのフィラーキャップを開けたときに燃料タンクから蒸発燃料が外気に放出するのを防止する内燃機関の蒸発放出防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載された燃料タンク内の蒸発燃料が外気中に放出するのを防止するために燃料タンクをキャニスタを介して内燃機関の吸気管に接続し、燃料タンク内の蒸発燃料を、内燃機関の停止時はキャニスタにより処理すると共に、内燃機関の作動時は内燃機関で燃焼させる技術が知られている。
【0003】
上記技術に対しては、登坂時等のようにエンジン負荷が大きく燃料タンク内の燃料の温度が上昇しその後に停車した時、停車中の外気温上昇が大きい時、また、長時間の駐車時は燃料タンク内の蒸発燃料の量が増大し、キャニスタのみでは蒸発燃料のすべてを吸着しきれず一部が外気に放出してしまう。また、燃料タンク内の蒸発燃料量の増大により燃料タンク内の圧力が外気圧以上に上昇しているときに、給油のためフィラーキャップを開けると燃料タンク内の蒸発燃料が外気に放出してしまう。
【0004】
そこで、燃料タンクとキャニスタとを接続する蒸発燃料通路の途中に該蒸発燃料通路を開閉する開閉弁を設けると共に、燃料タンクの給油口に取付けられたフィラーキャップを覆うように給油口用の開閉蓋を車両ボディに枢着し、開閉弁を給油口用の開閉蓋と連動するように連結して、給油時に該開閉蓋を開けたときは開閉弁が開成するようにし、燃料タンク内に存在する蒸発燃料を給油中にもキャニスタに送り込むことにより燃料タンクから給油口を介して外気中に放出される蒸発燃料の量を低減する技術が知られている(特開昭60−199727号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、給油時のように内燃機関の停止時はキャニスタ内の負圧が必ずしも保持されるものではなく、燃料タンク内の蒸発燃料がキャニスタに送り込まれず蒸発燃料の処理がなされない場合があるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、給油時に燃料タンクのフィラーキャップを開けたときに燃料タンクから蒸発燃料が外気に放出するのを防止することができる内燃機関の蒸発燃料放出防止装置を提供することにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、請求項1に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置は、燃料タンクと内燃機関の吸気系とを接続する蒸発燃料通路と、該蒸発燃料通路の途中に設けられ、該蒸発燃料通路を開閉する制御弁と、前記内燃機関の作動時及び停止時において前記燃料タンクの内圧が負圧になるように前記制御弁の開度を制御する制御手段とを有する内燃機関の蒸発燃料放出防止装置であって、前記燃料タンク内の燃料の温度を検出する温度センサと、前記燃料タンクの内圧を検出する圧力センサとを有し、前記制御手段は、前記温度センサにより検出された前記燃料の温度に応じて前記燃料タンクの内圧値を決定し、前記燃料タンクの内圧が該決定された内圧値になるように前記制御弁を制御することを特徴とする。
【0008】
この構成により、内燃機関の作動時及び停止時において燃料タンクの内圧が負圧になるように制御弁の開度を制御するので、燃料タンク内は内燃機関の作動中はもとより停止後も負圧に保持される。さらに、制御手段が、温度センサにより検出された燃料の温度に応じて燃料タンクの内圧値を決定するので、該燃料タンクの内圧値の決定の際に前記燃料タンク内の燃料のその温度における保有熱量を考慮して決定し、もって、燃料タンク内は確実に負圧に保持される。これにより、給油のためにフィラーキャップを開けても燃料タンク内の蒸発燃料が外気に放出するのを防止することができる。また、キャニスタを使用せずに蒸発燃料の放出防止を図ることができる。
請求項2に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置は、燃料タンクと内燃機関の吸気系とを接続する蒸発燃料通路と、該蒸発燃料通路の途中に設けられ、該蒸発燃料通路を開閉する制御弁と、前記内燃機関の作動時及び停止時において前記燃料タンクの内圧が負圧になるように前記制御弁の開度を制御する制御手段とを有する内燃機関の蒸発燃料放出防止装置であって、前記燃料タンク内の燃料の温度を検出する温度センサと、前記燃料タンクの内圧を検出する圧力センサとを有し、前記制御手段は、前記温度センサにより検出された前記燃料の温度と予め設定された想定し得る最大外気温とに応じて前記燃料タンクの内圧値を決定し、前記燃料タンクの内圧が該決定された内圧値になるように前記制御弁を制御することを特徴とする。
この構成により、内燃機関の作動時及び停止時において燃料タンクの内圧が負圧になるように制御弁の開度を制御するので、燃料タンク内は内燃機関の作動中はもとより停止後も負圧に保持される。さらに、制御手段が、温度センサにより検出された燃料の温度と予め設定された想定し得る想定最大外気温とに応じて燃料タンクの内圧値を決定するので、燃料タンクの内圧値の決定の際に前記燃料タンク内の燃料のその温度における保有熱量に加えて、予め設定された想定し得る最大外気温までの前記燃料タンク内の燃料の上昇温度をも考慮して決定し、もって、たとえ外気温が前記設定された最大外気温まで上昇したとしても燃料タンク内をより確実に負圧に保持することができる。これにより、給油のためにフィラーキャップを開けても燃料タンク内の蒸発燃料が外気に放出するのを防止することができる。また、キャニスタを使用せずに蒸発燃料の放出防止を図ることができる。
【0013】
請求項3に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置は、請求項2に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置において、前記制御手段は、前記燃料タンクの内圧値を、前記燃料タンク内の燃料の保有熱量による前記燃料タンクのタンク内圧の上昇分と、前記燃料の温度が前記想定し得る最大外気温まで上昇した場合の前記燃料タンクのタンク内圧の上昇分とに基づいて決定することを特徴とする。
【0014】
この構成により、燃料タンク内の燃料の保有熱量による燃料タンクのタンク内圧の上昇分と、該燃料の温度が想定し得る最大外気温まで上昇した場合の燃料タンクのタンク内圧の上昇分とに基づいて決定される。従って、たとえ、該燃料の温度が想定し得る最大外気温まで上昇したとしても、燃料タンク内をより確実に負圧に保持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態に係る内燃機関の蒸発燃料放出防止装置の構成を示す全体構成図である。同図において、1は例えば4気筒を有する内燃機関(以下単に「エンジン」という)であり、エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。また、スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下(ECU)という)5に供給する。
【0017】
燃料噴射弁6は、吸気管2の途中であってエンジン1とスロットル弁3との間の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられている。また、各燃料噴射弁6は燃料供給管7を介して密閉構造の燃料タンク9に接続しており、燃料供給管7の途中には燃料ポンプ8が設けられている。燃料タンク9は給油のための給油口10を有しており、給油口10にはフィラーキャップ11が取付けられている。
【0018】
燃料噴射弁6はECU5に電気的に接続され、該ECU5からの信号により燃料噴射の開弁時期が制御される。
【0019】
吸気管2の前記スロットル弁3の下流側には吸気管絶対圧PBAを検出する吸気管内絶対圧(PBA)センサ13、及び外気温としての吸気温TAを検出する吸気温(TA)センサ14が装着されている。また、燃料タンク9には、燃料タンク9のタンク内圧(絶対圧)Ptを検出するタンク内圧(Pt)センサ15と、燃料タンク9内の燃料の温度Tgを検出する燃料温度(Tg)センサ16とがそれぞれ設けられている。またこれらのセンサ13〜16の検出信号はECU5に供給される。
【0020】
次に燃料タンク9、蒸発燃料通路20等から構成される蒸発燃料放出抑止系31について説明する。
【0021】
燃料タンク9は蒸発燃料通路20を介して吸気管2のスロットル弁3の下流側に接続されており、蒸発燃料通路20の途中には蒸発燃料通路20を開閉するタンク圧制御弁30が設けられている。制御弁30は、その制御信号のオン−オフデューティ比を変更することにより燃料タンク9内で発生する蒸発燃料の流量を制御するように構成された電磁弁であり、制御弁30の作動はECU5により制御される。なお、制御弁30はその開度をリニアに変更可能な電磁弁を使用してもよい。
【0022】
蒸発燃料通路20と燃料タンク9の接続部には、カットオフ弁21が設けられている。カットオフ弁21は、燃料タンク9の満タン状態のときや燃料タンク9の傾きが増加したとき閉弁するフロート弁である。
【0023】
ECU5は各種センサ等からの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段、燃料噴射弁6や制御弁30に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
【0024】
ECU5のCPUは、θTHセンサ3、PBAセンサ13等の各種センサの出力信号に応じてエンジン1に供給する燃料量制御等を行う。燃料量制御は本発明の主題ではないので説明を省略する。
【0025】
ECU5のCPUは、上述のTgセンサ16、Ptセンサ15等の出力信号に応じて図2の処理に基づいて制御弁30の開度を決定する。図2は、本発明の実施の形態に係る蒸発燃料放出防止装置における蒸発燃料放出防止の制御処理を行うプログラムを示す。
【0026】
まず、ステップS1で、エンジン1のクランキングを検知する等によりエンジン1が作動中であるか否かを判別し、エンジン1が作動中であれば、ステップS2に進み、Tgセンサ16により燃料タンク9内の燃料の温度Tgを検出し、次いでPtセンサ15により燃料タンク9のタンク内圧Ptを検出する(ステップS3)。さらに、後述する燃料タンク9内の目標圧力値(絶対圧)Po(mmHg)の設定方法に基づいて燃料タンク9内の目標圧力値Poを算出する(ステップS4)。この際、前記目標圧力値Poは、エンジン1の停止後も燃料タンク9内の負圧が保持できるように、予測される燃料タンク9内のタンク圧力上昇分を見込んだ過度に負圧化された値に設定される。
【0027】
上記予測され得る燃料タンク9内のタンク内圧上昇の要因としては、燃料タンク9内の燃料のその温度における保有熱量により燃料に含まれる成分のうち燃料温度よりも低い温度で蒸発する成分が蒸発することと、外気温の上昇による燃料タンク9内の燃料の温度上昇により上記と同様に燃料の一部が蒸発することが挙げられる。
【0028】
次に、燃料タンク9のタンク内圧Ptと上記目標圧力値Poとの差ΔPを算出し(ステップS5)、前記差ΔPが0になるように制御弁30の開度を制御して(ステップS6)、本処理を終了する。
【0029】
ステップS1でエンジン1が停止中の場合は、ECU5のCPUは前記目標圧力値Poに制御された燃料タンク9内の負圧を保持するために制御弁30を閉成して(ステップS7)、本処理を終了する。
【0030】
以上の構成により、エンジン1の作動中において、制御弁30の開度を制御することにより吸気管2内の負圧を燃料タンク9内に作用させて、燃料タンク9のタンク内圧Ptを前記所定の目標圧力値Poに保持する。その結果、エンジン1の作動中はもとより停止後も燃料タンク9内は負圧に保持され、給油のためフィラーキャップ11を開けても燃料タンク9内の蒸発燃料が外気に放出するのを防止することができる。
【0031】
ここで、図2のステップS4における燃料タンク9内の目標圧力値Poの設定方法を図3を参照して説明する。図3は、燃料タンク9内の目標圧力値Poの設定基準を説明するための燃料温度−タンク内圧曲線を示すグラフである。
【0032】
図3の燃料タンク9内の目標圧力値Poの設定範囲値はECU5の記憶手段にマップとして格納される。
【0033】
図3のグラフにおいて、横軸は、燃料タンク9内の燃料の温度Tg(℃)、縦軸は、燃料タンク9のタンク内圧Pt(mmHg)を示す。ここに、縦軸のタンク内圧Ptは上述したように絶対圧で示され、グラフの下方ほど圧力は低い。
【0034】
以下、図3中の各曲線A,B,A+B,C,A+C,D,Eについて説明する。
【0035】
曲線Aは、エンジン1が停止して燃料タンク9の負圧化が停止しても燃料タンク9の内圧が負圧に保持されるように、車両の走行中に燃料タンク9内を過度に負圧化するためのタンク内圧Ptの目標圧力値Poの上限値であって、エンジン1が停止した直後から燃料タンク9内の燃料のその温度Tgにおける保有熱量により、燃料に含まれる成分のうち燃料温度よりも低い温度で蒸発する成分が蒸発することによる燃料タンク9のタンク内圧Ptの上昇分を考慮したタンク内圧Ptの目標圧力値Poの上限値を示す。制御弁30は、燃料温度Tgに拘わらず燃料タンク9のタンク内圧Ptが曲線A以下になるように開度が制御される。曲線Aでは、燃料温度Tgが増大するほどタンク内圧Ptは減少する。
【0036】
曲線Bは、エンジン1が停止して燃料タンク9の負圧化が停止しても燃料タンク9の内圧が負圧に保持されるように、車両の走行中に燃料タンク9内を過度に負圧化するためのタンク内圧Ptの目標圧力値Poの上限値であって、停車中又は駐車中、外気温が所定の想定最大外気温40.6℃まで上昇し、燃料温度Tgもまた40.6℃まで上昇した場合の燃料タンク9のタンク内圧Ptの上昇分を考慮したタンク内圧Ptの目標圧力値Poの上限値を示す。所定の想定最大外気温40.6℃は、車両設計時に想定する外気温の最大値である。また、曲線Bにおいては、燃料温度Tgが増大するほどタンク内圧Ptは増大する。
【0037】
曲線A+Bは、上記曲線Aと上記曲線Bの条件を同時に満足する曲線である。曲線A+Bにおいては燃料温度Tgが25℃付近でタンク内圧Ptは最小値を執る。想定最大外気温として40.6℃を選択する場合は、制御弁30は、燃料温度Tgに拘わらず燃料タンク9のタンク内圧Ptが曲線A+B以下になるように開度が制御される。
【0038】
曲線Cは、上記曲線Bと同じ条件で所定の想定最大外気温を40.6℃よりも厳しい45℃としたときのタンク内圧Ptの目標圧力値Poの上限値を示す。
【0039】
曲線A+Cは、上記曲線Aと上記曲線Cの条件を同時に満足する曲線である。想定最大外気温として45℃を選択する場合は、制御弁30は、燃料温度Tgに拘わらず燃料タンク9のタンク内圧Ptは曲線A+C以下になるように開度が制御される。
【0040】
曲線Dは、燃料タンク9からエンジン1に燃料を移送する燃料ポンプ8の吸引下限であって燃料タンク9の目標圧力値Poの下限値を示す。燃料タンク9内のタンク圧力Ptがこの曲線D以下であると燃料ポンプ8は燃料タンク9から燃料を吸引することができないので、燃料タンク9内のタンク圧力Ptを曲線D以上にする必要がある。曲線Dにおいては、燃料温度Tgが増大するほどタンク内圧Ptは増大する。また、曲線Dによるタンク内圧Ptの目標圧力値Poの下限値は曲線A+Cによるタンク内圧Ptの目標圧力値Poの上限値より小さい。
【0041】
最後に、曲線Eは、いわゆる、燃料が燃料としての特性を保持する限界ライン(いわゆる、ガソリンが枯れる限界のライン)である。燃料タンク9のタンク内圧Ptをこの曲線E以下まで低下させると、燃料タンク9内の燃料は燃料内の揮発し易い成分が抜けて燃料としての特性を保持することができなくなる。曲線Eにおいては、燃料温度Tgが増大するほどタンク内圧Ptは増大する。曲線Eによるタンク内圧Ptは曲線Dによるタンク内圧Ptの目標圧力値Poの下限値より小さい。
【0042】
本実施の形態においては、図3のグラフで、所定の想定最大外気温としてより厳しい条件である45℃を選択する。すなわち、上記曲線Bではなく上記曲線Cを考慮する。よって、エンジン1が停止して燃料タンク9の負圧化が停止しても燃料タンク9のタンク内圧Ptを負圧に保持するためには、前記制御弁30は、その開度が曲線A,C,A+C,D,Eによる条件をすべて満足するように制御される必要がある。具体的には、制御弁30の制御領域は図3の斜線部で示され、前記制御弁30は、燃料温度Tgに応じて燃料タンク9内のタンク内圧Ptの値がこの領域内になるように制御される。
【0043】
上記実施の形態によれば、外気温が45℃に上昇したとしても、エンジン1の作動中に、吸気管2内の負圧が燃料タンク9内に作用して燃料タンク9内は所定の目標圧力値Poに保持されるので燃料タンク9内の負圧はエンジン1の停止後も保持され、給油のためフィラーキャップ11を開けても燃料タンク9内の蒸発燃料が外気に放出するのを防止することができる。また、燃料タンク内を負圧にするためにキャニスタが不要となり、より簡単な構成かつ低コストで蒸発燃料の放出防止を図ることができる。
【0044】
また、上記実施の形態では、想定最大外気温として予め設定された値45℃を使用して燃料タンク9のタンク内圧Ptを制御しているが、この想定最大外気温として、設定手段を設けて設定した値を使用して燃料タンク9のタンク内圧Ptを制御してもよい。これにより、例えば、夏場は45℃、冬場は25℃のように車両の周囲温度環境に応じて想定最大外気温を設定することができるので、燃料タンク9内の負圧値を車両の周囲温度に対して適切な値とし得、過剰な負圧値となるのを防止できる。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置によれば、燃料タンク内は内燃機関の作動中はもとより停止後も負圧に保持され、さらに、該燃料タンクの内圧値の決定の際に前記燃料タンク内の燃料のその温度における保有熱量を考慮して決定するので、燃料タンク内は確実に負圧に保持され、給油のためフィラーキャップを開けても燃料タンク内の蒸発燃料が外気に放出するのを防止することができる。また、キャニスタを使用せずに蒸発燃料の放出防止を図ることができる。
請求項2に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置によれば、燃料タンク内は内燃機関の作動中はもとより停止後も負圧に保持され、さらに、該燃料タンクの内圧値の決定の際に前記燃料タンク内の燃料の保有熱量に加えて、予め設定された想定し得る最大外気温までの前記燃料タンク内の燃料の上昇温度をも考慮して決定するので、たとえ外気温が前記設定された最大外気温まで上昇したとしても燃料タンク内をより確実に負圧に保持することができ、給油のためフィラーキャップを開けても燃料タンク内の蒸発燃料が外気に放出するのを防止することができる。また、キャニスタを使用せずに蒸発燃料の放出防止を図ることができる。
【0048】
請求項3に記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置によれば、たとえ、該燃料の温度が想定し得る最大外気温まで上昇したとしても、燃料タンク内をより確実に負圧に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る内燃機関の蒸発燃料放出防止装置の構成を示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る蒸発燃料放出防止装置における蒸発燃料放出防止の制御処理を行うプログラムのフローチャートである。
【図3】燃料タンク9内の目標圧力値Poを説明するための燃料温度−タンク内圧グラフである。
【符号の説明】
1 内燃エンジン
2 吸気管
3 スロットル
5 電子コントロールユニット
9 燃料タンク
10 給油口
11 フィラーキャップ
15 タンク内圧センサ
16 燃料温度センサ
20 蒸発燃料通路
30 タンク圧制御弁
31 蒸発燃料放出抑止系
Claims (3)
- 燃料タンクと内燃機関の吸気系とを接続する蒸発燃料通路と、該蒸発燃料通路の途中に設けられ、該蒸発燃料通路を開閉する制御弁と、前記内燃機関の作動時及び停止時において前記燃料タンクの内圧が負圧になるように前記制御弁の開度を制御する制御手段とを有する内燃機関の蒸発燃料放出防止装置であって、前記燃料タンク内の燃料の温度を検出する温度センサと、前記燃料タンクの内圧を検出する圧力センサとを有し、前記制御手段は、前記温度センサにより検出された前記燃料の温度に応じて前記燃料タンクの内圧値を決定し、前記燃料タンクの内圧が該決定された内圧値になるように前記制御弁を制御することを特徴とする内燃機関の蒸発燃料放出防止装置。
- 燃料タンクと内燃機関の吸気系とを接続する蒸発燃料通路と、該蒸発燃料通路の途中に設けられ、該蒸発燃料通路を開閉する制御弁と、前記内燃機関の作動時及び停止時において前記燃料タンクの内圧が負圧になるように前記制御弁の開度を制御する制御手段とを有する内燃機関の蒸発燃料放出防止装置であって、前記燃料タンク内の燃料の温度を検出する温度センサと、前記燃料タンクの内圧を検出する圧力センサとを有し、前記制御手段は、前記温度センサにより検出された前記燃料の温度と予め設定された想定し得る最大外気温とに応じて前記燃料タンクの内圧値を決定し、前記燃料タンクの内圧が該決定された内圧値になるように前記制御弁を制御することを特徴とする内燃機関の蒸発燃料放出防止装置。
- 前記制御手段は、前記燃料タンクの内圧値を、前記燃料タンク内の燃料の保有熱量による前記燃料タンクのタンク内圧の上昇分と、前記燃料の温度が前記想定し得る最大外気温まで上昇した場合の前記燃料タンクのタンク内圧の上昇分とに基づいて決定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の蒸発燃料放出防止装置。
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