JP3723321B2 - 蒸発燃料放出防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸発燃料放出防止装置に関し、特に給油時に燃料タンクのフィラーキャップを開けたときに燃料タンクから蒸発燃料が外気に放出されるのを防止する蒸発燃料放出防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載された燃料タンク内の蒸発燃料が外気中に放出するのを防止するために燃料タンクをキャニスタを介して内燃機関の吸気管に接続し、燃料タンク内の蒸発燃料を、内燃機関の停止時はキャニスタ内に貯蔵すると共に、内燃機関の作動時は蒸発燃料をキャニスタから内燃機関に供給して燃焼させるようにした蒸発燃料放出防止装置が知られている。
【0003】
この装置では、登坂時等のようにエンジン負荷が大きく燃料タンク内の燃料の温度が上昇しその後に停車したとき、停車中の外気温上昇が大きいとき、また、長時間の駐車したときなどにおいては、燃料タンク内の蒸発燃料の量が増大し、キャニスタのみでは蒸発燃料のすべてを吸着しきれない場合がある。このような場合に、給油のためフィラーキャップを開けると燃料タンク内の蒸発燃料が外気に放出されるという問題がある。
【0004】
そこで、燃料タンクとキャニスタとを接続する蒸発燃料通路の途中に該蒸発燃料通路を開閉する開閉弁を設けると共に、燃料タンクの給油口に取付けられたフィラーキャップを覆うように給油口用の開閉蓋を車両ボディに枢着し、開閉弁を給油口用の開閉蓋と連動するように連結して、給油時に該開閉蓋を開けたときは開閉弁が開成するようにし、燃料タンク内に存在する蒸発燃料を給油中にもキャニスタに送り込むことにより燃料タンクから給油口を介して外気中に放出される蒸発燃料の量を低減する技術が知られている(特開昭60−199727号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、給油時のように内燃機関の停止時はキャニスタ内の負圧が必ずしも保持されるものではなく、燃料タンク内の蒸発燃料がキャニスタに送り込まれず蒸発燃料の処理がなされない場合があるという問題がある。また、キャニスタを大型化することにより機関作動中において吸着可能な蒸発燃料量を増やすことも考えられるが、装置の収容スペースが増加し、好ましくない。
【0006】
本発明はこの点に着目してなされたものであり、装置を大型化させることなく、給油時に燃料タンクから蒸発燃料が外気に放出されることを確実に防止することができる蒸発燃料放出防止装置を提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、燃料タンク内で発生する蒸発燃料が外気に放出されることを防止する蒸発燃料放出防止装置において、前記燃料タンク内の残燃料量を検出する残燃料量検出手段と、前記燃料タンク内の燃料液面の上方の空間の圧力を負圧に制御する負圧制御手段とを備え、前記負圧制御手段は、前記検出した残燃料量が多いほど、前記空間の圧力が高くなるように制御することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、燃料タンク内の燃料液面の上方の空間の圧力が負圧に制御され、燃料タンク内の残燃料量が多いほど、前記空間の圧力が高くなるように制御される。
【0009】
請求項2に記載した発明は、燃料タンク内で発生する蒸発燃料が外気に放出されることを防止する蒸発燃料放出防止装置において、前記燃料タンク内の燃料液面の上方の空間の圧力を検出する圧力検出手段と、前記燃料タンク内の残燃料量を推定する残燃料量推定手段と、前記空間の圧力を負圧に制御する負圧制御手段とを備え、前記残燃料量推定手段は、前記負圧制御手段の作動時における前記空間の圧力の変化率に基づいて前記残燃料量を推定し、前記負圧制御手段は、前記推定した残燃料量が多いほど、前記空間の圧力が高くなるように制御することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、燃料タンク内の燃料液面の上方の空間の圧力が負圧に制御され、負圧制御手段の作動時における前記空間の圧力の変化率に基づいて推定された残燃料量が多いほど、前記空間の圧力が高くなるように制御される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る蒸発燃料放出防止装置の構成を示す全体構成図である。同図において、1は車両に搭載され、例えば4気筒を有する内燃機関(以下単に「エンジン」という)であり、エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。また、スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下(ECU)という)5に供給する。
【0013】
燃料噴射弁6は、吸気管2の途中であってエンジン1とスロットル弁3との間の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられている。また、各燃料噴射弁6は燃料供給管7を介して燃料タンク9に接続しており、燃料供給管7の途中には燃料ポンプ8が設けられている。燃料タンク9は給油のための給油口10を有しており、給油口10にはフィラーキャップ11が取付けられている。
【0014】
燃料噴射弁6はECU5に電気的に接続され、該ECU5からの信号により燃料噴射の開弁時期が制御される。
【0015】
吸気管2の前記スロットル弁3の下流側には吸気管絶対圧PBAを検出する吸気管内絶対圧(PBA)センサ13、及び外気温としての吸気温TAを検出する吸気温(TA)センサ14が装着されている。また、燃料タンク9には、燃料タンク9内の燃料の温度Tgを検出する燃料温度(Tg)センサ16と、燃料タンク9内の残燃料量を検出するフロート式の残燃料量センサ(残燃料量検出手段)17とが設けられている。またこれらのセンサ13〜17の検出信号はECU5に供給される。
【0016】
次に燃料タンク9、蒸発燃料通路20等から構成される蒸発燃料放出抑止系31について説明する。
【0017】
燃料タンク9は蒸発燃料通路20を介して吸気管2のスロットル弁3の下流側に接続されており、蒸発燃料通路20の途中には、燃料タンク9のタンク内圧(絶対圧)Ptを検出するタンク内圧(Pt)センサ15と、蒸発燃料通路20を開閉するタンク圧制御弁30とが設けられている。タンク内圧センサ15は、図示例では蒸発燃料通路20の燃料タンク9に近い位置に装着されているが、燃料タンク9に直接装着するようにしてもよい。タンク内圧センサ15の検出信号は、ECU5に供給される。制御弁30は、その制御信号のオン−オフデューティ比を変更することにより燃料タンク9内で発生する蒸発燃料の流量を制御するように構成された電磁弁であり、制御弁30の作動はECU5により制御される。なお、制御弁30はその開度をリニアに変更可能な電磁弁を使用してもよい。
【0018】
蒸発燃料通路20と燃料タンク9の接続部には、カットオフ弁21が設けられている。カットオフ弁21は、燃料タンク9の満タン状態のときや燃料タンク9の傾きが増加したとき閉弁するフロート弁である。
【0019】
ECU5は各種センサ等からの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段、燃料噴射弁6や制御弁30に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
【0020】
ECU5のCPUは、スロットル弁開度センサ3、吸気管内絶対圧センサ13等の各種センサの出力信号に応じてエンジン1に供給する燃料量制御等を行うとともに、上述の燃料温度センサ16、タンク内圧センサ15等の出力信号に応じて制御弁30の開度制御を行う。
【0021】
本実施形態では、エンジン1、吸気管2、蒸発燃料通路20、制御弁30及びECU5が、特許請求の範囲に記載した負圧制御手段を構成し、ECU5は、残燃料量推定手段を構成する。
【0022】
図2は、ECU5のCPUで実行される制御弁30の開度制御処理のフローチャートであり、本処理は所定時間(例えば100msec)毎に実行される。
【0023】
まず、ステップS1で、エンジン1のクランキングを検知する等によりエンジン1が作動中であるか否かを判別し、エンジン1が作動中であれば、ステップS2に進み、燃料温度センサ16により燃料タンク9内の燃料の温度Tgを検出し、次いで残燃料量センサ17による燃料タンク9内の残燃料量FRの検出(ステップS3)、及びタンク内圧センサ15による燃料タンク9のタンク内圧Ptの検出を行う(ステップS4)。そして、検出した燃料温度Tg及び残燃料量FRに応じて、後述する燃料タンク9内の目標圧力値(絶対圧)Po(mmHg)の設定方法に基づいて図4の処理により燃料タンク9内の目標圧力値Poを算出する(ステップS5)。この際、前記目標圧力値Poは、エンジン1の停止後も燃料タンク9内の負圧が保持できるように、予測される燃料タンク9内のタンク圧力上昇分を見込んだ過度に負圧化された値に設定される。
【0024】
上記予測される燃料タンク9内のタンク内圧上昇の要因としては、燃料タンク9内の燃料のその温度における保有熱量により燃料に含まれる成分のうち燃料温度よりも低い温度で蒸発する成分が蒸発することと、外気温の上昇による燃料タンク9内の燃料の温度上昇により上記と同様に燃料の一部が蒸発することが挙げられる。
【0025】
次に、燃料タンク9のタンク内圧Ptと上記目標圧力値Poとの差ΔPを算出し(ステップS6)、前記差ΔPが0になるように制御弁30の開度を制御して(ステップS7)、本処理を終了する。
【0026】
ステップS1でエンジン1が停止中の場合は、ECU5のCPUは前記目標圧力値Poに制御された燃料タンク9内の負圧を保持するために制御弁30を閉成して(ステップS8)、本処理を終了する。
【0027】
以上の構成により、エンジン1の作動中において、制御弁30の開度を制御することにより吸気管2内の負圧を燃料タンク9内に作用させて、燃料タンク9内を前記所定の目標圧力値Poに保持する。その結果、エンジン1の作動中はもとより停止後も燃料タンク9内は負圧に保持され、給油のためフィラーキャップ11を開けても燃料タンク9内の蒸発燃料が外気に放出するのを防止することができる。
【0028】
ここで、図2のステップS5における燃料タンク9内の目標圧力値Poの設定方法の概要を図3を参照して説明する。図3は、燃料タンク9内の目標圧力値Poの設定基準を説明するための燃料温度−タンク内圧曲線を示すグラフである。
【0029】
図3の燃料タンク9内の目標圧力値Poの設定範囲値はECU5の記憶手段にマップとして格納される。
【0030】
図3のグラフにおいて、横軸は、燃料タンク9内の燃料の温度Tg(℃)、縦軸は、燃料タンク9のタンク内圧Pt(mmHg)を示す。ここに、縦軸のタンク内圧Ptは上述したように絶対圧で示され、グラフの下方ほど圧力は低い。
【0031】
以下、図3中の各曲線A,B,A+B,C,Dについて説明する。
【0032】
曲線Aは、エンジン1が停止して燃料タンク9の負圧化が停止しても燃料タンク9の内圧が負圧に保持されるように、車両の走行中(エンジン1の作動中)に燃料タンク9内を過度に負圧化するためのタンク内圧Ptの目標圧力値Poの上限値であって、エンジン1が停止した直後から燃料タンク9内の燃料のその温度Tgにおける保有熱量により、燃料に含まれる成分のうち燃料温度よりも低い温度で蒸発する成分が蒸発することによる燃料タンク9のタンク内圧Ptの上昇分を考慮したタンク内圧Ptの目標圧力値Poの上限値を示す。制御弁30は、燃料温度Tgに拘わらず燃料タンク9のタンク内圧Ptが曲線A以下になるように開度が制御される。曲線Aでは、燃料温度Tgが増大するほどタンク内圧Ptは減少する。すなわち、燃料温度Tgが高いほど、タンク内圧Ptを低くする必要がある。
【0033】
曲線Bは、エンジン1が停止して燃料タンク9の負圧化が停止しても燃料タンク9の内圧が負圧に保持されるように、車両の走行中(エンジン1の作動中)に燃料タンク9内を過度に負圧化するためのタンク内圧Ptの目標圧力値Poの上限値であって、停車中又は駐車中、外気温が所定の想定最大外気温45℃まで上昇し、燃料温度Tgもまた45℃まで上昇した場合の燃料タンク9のタンク内圧Ptの上昇分を考慮したタンク内圧Ptの目標圧力値Poの上限値を示す。車両設計時に想定する外気温の最大値は、40.6℃であるが、本実施形態では、それより厳しい最大外気温条件を想定している。曲線Bにおいては、燃料温度Tgが増大するほどタンク内圧Ptは増大する。すなわち、燃料温度Tgが想定最大外気温に近いほど、外気温の上昇による影響は小さいので、曲線Bのような特性となる。
【0034】
曲線A+Bは、上記曲線Aと上記曲線Bの条件を同時に満足する曲線である。曲線A+Bにおいては燃料温度Tgが25℃付近でタンク内圧Ptは最小値となる。制御弁30は、燃料温度Tgに拘わらず燃料タンク9のタンク内圧Ptが曲線A+B以下になるように開度が制御される。
【0035】
曲線Cは、燃料タンク9からエンジン1に燃料を移送する燃料ポンプ8の吸引下限であって燃料タンク9の目標圧力値Poの下限値を示す。燃料タンク9内のタンク圧力Ptがこの曲線C以下であると燃料ポンプ8は燃料タンク9から燃料を吸引することができないので、燃料タンク9内のタンク圧力Ptを曲線C以上にする必要がある。曲線Cにおいては、燃料温度Tgが増大するほどタンク内圧Ptは増大する。また、曲線Cによるタンク内圧Ptの目標圧力値Poの下限値は曲線A+Bよるタンク内圧Ptの目標圧力値Poの下限値より小さい。
【0036】
最後に、曲線Dは、いわゆる、燃料が燃料としての特性を保持する限界ライン(いわゆる、ガソリンが枯れる限界のライン)である。燃料タンク9のタンク内圧Ptをこの曲線D以下まで低下させると、燃料タンク9内の燃料は燃料内の揮発し易い成分が抜けて燃料としての特性を保持することができなくなる。曲線Dにおいては、燃料温度Tgが増大するほどタンク内圧Ptは増大する。曲線Dによるタンク内圧Ptは曲線Cよるタンク内圧Ptの目標圧力値Poの下限値より小さい。
【0037】
エンジン1が停止して燃料タンク9の負圧化が停止しても燃料タンク9のタンク内圧Ptを負圧に保持するためには、前記制御弁30は、エンジン1の作動中において、その開度が曲線A,B,A+B,C,Dによる条件をすべて満足するように制御される必要がある。具体的には、制御弁30の制御領域は図3の斜線部で示され、前記制御弁30は、燃料温度Tgに応じて燃料タンク9内のタンク内圧Ptの値がこの領域内になるように制御される。
【0038】
さらに本実施形態では、外気温TAの燃料温度Tgに対する影響度合が、燃料タンク内の残燃料量FRに依存して変化することに鑑み、残燃料量FRに応じた目標圧力値Poの設定を行う。図5(c)は、外気温TA(実線)が変化したときの、燃料温度Tgの推移を示す図であり、残燃料量FRが少ないときは、外気温TAの変化が時間遅れを伴ってほぼそのまま燃料温度Tgに反映される(同図、鎖線)のに対し、残燃料量FRが多いときは、外気温TAの変化がかなりなまされた状態で燃料温度Tgに反映される(同図、一点鎖線)。
【0039】
図3の曲線Bは、外気温TAの変化がほぼそのまま燃料温度Tgに反映される場合に対応するものであり、残燃料量FRが多い場合には、曲線B’のように目標圧力値Poをより大きい圧力値に移動した特性となり、目標圧力値Poは、曲線(A+B’)より低圧側の値(図3の斜線の範囲を曲線(A+B’)まで拡大した範囲内の値)とすればよい。
【0040】
図4は、残燃料量FRを考慮した目標圧力値Poの算出処理(図2、ステップS5に対応する)のフローチャートであり、ステップS11では、燃料温度Tg及び残燃料量FRに応じて図5(a)に示すΔTgeテーブルを検索し、エンジン停止中の燃料温度Tgの上昇量の推定値(以下「推定温度上昇量」という)ΔTgeを算出する。ΔTgeテーブルは、所定燃料温度Tg1,Tg2,Tg3(Tg1<Tg2<Tg3)のそれぞれにおいて、同図(c)に示す特性を考慮して、残燃料量FRが増加するほど、推定温度上昇量ΔTgeが減少するように設定されている。なお、燃料温度Tgが、所定燃料温度Tg1〜3以外であるときは、補間演算により推定温度上昇量ΔTgeを算出する。
【0041】
続くステップS12では、推定温度上昇量ΔTgeに応じて図5(b)に示すΔPteテーブルを検索し、エンジン停止中のタンク内圧Ptの上昇量の推定値(以下「推定タンク内圧上昇量」という)ΔPteを算出する。ΔPteテーブルは、推定温度上昇量ΔTgeが増加するほど、推定タンク内圧上昇量ΔPteが増加するように設定されている。
【0042】
次いで、推定タンク内圧上昇量ΔPteに応じて、前述した図3の条件を満たすように目標圧力値Poを決定する。すなわち、推定タンク内圧上昇量ΔPteは、図3に示す曲線B、B’の条件を示しているだけなので、曲線A及びCの条件も加味して、最終的な目標圧力値Poを決定する。
【0043】
以上のように本実施の形態によれば、外気温が45℃に上昇したとしても、エンジン1の作動中に、吸気管2内の負圧が燃料タンク9内に作用して燃料タンク9内は所定の目標圧力値Poに保持されるので燃料タンク9内の負圧はエンジン1の停止後も保持され、給油のためフィラーキャップ11を開けても燃料タンク9内の蒸発燃料が外気に放出するのを防止することができる。また、蒸発燃料を吸着、貯蔵するキャニスタを設ける必要がないので、装置をコンパクトに構成することができる。
【0044】
さらに、燃料タンク9の残燃料量FRに応じて目標圧力値Poを決定するようにしたので、残燃料量FRに応じた最適な目標圧力値Poに制御することができる。すなわち、例えば残燃料量FRが多いときは、少ないときより目標圧力値Poを大きい圧力値に設定することができるので、過剰な負圧値となることを防止でき、負圧化処理を短時間で容易に行うことができる。
【0045】
また、上記実施の形態では、想定最大外気温として予め設定された値45℃を使用して燃料タンク9のタンク内圧Ptを制御しているが、この想定最大外気温として、設定手段を設けて設定した値を使用して燃料タンク9のタンク内圧Ptを制御してもよい。これにより、例えば、夏場は45℃、冬場は25℃のように車両の周囲温度環境に応じて想定最大外気温を設定することができるので、燃料タンク8内の負圧値を車両の周囲温度に対して適切な値とし得、過剰な負圧値となるのを防止できる。
【0046】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態では、燃料タンク9内の残燃料量をフロート式の残燃料量センサ17により検出し、その検出値FRを用いて目標圧力値Poの設定することに代えて、以下に述べる手法により推定した残燃料量推定値FREを用いて目標圧力値Poの設定を行う。
【0047】
具体的には、図2のステップS3において、残燃料量FRの検出に代えて、図6に示す残燃料量推定処理を実行する。
【0048】
先ずステップS21では、制御弁30に固定のデューティ比の制御信号を供給し、一定の開度で開弁させ、一定時間(例えば5秒間程度)のタンク内圧力の減圧処理を実行し、そのときのタンク内圧の変化量DPt(減圧開始時点の圧力と5秒後の圧力との差圧)を検出する。この変化量DPtは、タンク内圧Ptの減圧処理時の変化率を表す。次いで、変化量DPtに応じて図7(a)に示すFREテーブルを検索し、残燃料量推定値FREを算出する(ステップS22)。
【0049】
制御弁30の開度を一定にして減圧処理を行うと、燃料タンク内の残燃料量が多いほど、タンク内圧Ptの変化率(減少率)は、大きくなる傾向を示す。すなわち、図7(b)に示すように、時刻t0から減圧処理を開始すると、残燃料量が多いときは、曲線L1で示すようにタンク内圧Ptが減少し、残燃料量が少なくなるのに伴って、曲線L2、L3で示すようにタンク内圧Ptが減少する。したがって、図7(a)のFREテーブルは、変化量DPtが増加するほど、残燃料量推定値FREが増加するように設定されている。
【0050】
そして図6の処理により算出された残燃料量推定値FREを用いて、図2のステップS5の目標圧力値Poの算出を行う。すなわち、第1の実施形態における残燃料量FRを、残燃料量推定値FREに代えて目標圧力値Poの算出を行う。
【0051】
以上の点以外は、第1の実施形態と同一である。
【0052】
本実施形態のよれば、車両の傾きによって誤差が増加するフロート式センサ17による残燃料量検出値FRに代えて、減圧処理時のタンク内圧の変化率を示す変化量DPtに応じて推定した残燃料量推定値FREを用いて、目標圧力値Poが設定されるので、車両(燃料タンク)の傾きに拘わらず最適な目標圧力値Poの設定を行うことができる。その結果、エンジン停止中においても確実に燃料タンク9内を負圧に維持することができる。
【0053】
なお、第1と第2の実施形態を組み合わせて、残燃料量センサ17が異常か否かの判別を行い、該センサ17が正常であるときは、センサ出力FRを用いて目標圧力値Poの設定を行い、該センサ17が異常であるとき、推定値FREを用いて目標圧力値Poの設定を行うようにしてもよい。
【0054】
また、上述した実施形態では、エンジン運転中に吸気管内の負圧を利用して燃料タンク内の燃料液面の上方の空間の圧力を過剰な負圧値に制御し、エンジン停止後も負圧状態を維持できるようにしたが、例えばバッテリで駆動されるポンプによって、燃料タンク内の燃料液面の上方の空間の圧力を負圧に制御するようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、燃料ランク内の燃料液面の上方の空間の圧力が負圧に制御され、燃料タンク内の残燃料量が多いほど、前記空間の圧力が高くなるように制御されるので、装置を大型化させることなく、給油時に燃料タンクから蒸発燃料が外気に放出されることを確実に防止することができるとともに、例えば残燃料量が多いときは、少ないときより制御する負圧値をより小さい負圧値に設定することができ、過剰な負圧値に制御することを防止し、負圧化処理を短時間で容易に行うことができる。
【0056】
請求項2に記載した発明によれば、燃料タンク内の燃料液面の上方の空間の圧力が負圧に制御され、負圧制御手段の作動時における前記空間の圧力の変化率に基づいて推定された残燃料量が多いほど、前記空間の圧力が高くなるように制御されるので、燃料タンクの傾きに拘わらず前記空間の圧力を最適の負圧値に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る蒸発燃料放出防止装置の構成を示す全体構成図である
【図2】図1に示す蒸発燃料放出防止装置における蒸発燃料放出防止のための制御処理のフローチャートである。
【図3】燃料タンク内の目標圧力値の設定方法を説明するための図である。
【図4】目標圧力値の設定を行う処理のフローチャートである。
【図5】図4の処理で使用するテーブル等を示す図である。
【図6】燃料タンク内の残燃料量を推定する処理のフローチャートである。
【図7】図6の処理で使用するテーブルを示す図である。
【符号の説明】
1 内燃エンジン(負圧制御手段)
2 吸気管(負圧制御手段)
3 スロットル弁
5 電子コントロールユニット(負圧制御手段、残燃料量推定手段)
9 燃料タンク
10 給油口
11 フィラーキャップ
15 タンク内圧センサ(圧力検出手段)
16 燃料温度センサ
17 残燃料量センサ(残燃料量検出手段)
20 蒸発燃料通路(負圧制御手段)
30 タンク圧制御弁(負圧制御手段)
31 蒸発燃料放出抑止系

Claims (2)

  1. 燃料タンク内で発生する蒸発燃料が外気に放出されることを防止する蒸発燃料放出防止装置において、
    前記燃料タンク内の残燃料量を検出する残燃料量検出手段と、
    前記燃料タンク内の燃料液面の上方の空間の圧力を負圧に制御する負圧制御手段とを備え、
    前記負圧制御手段は、前記検出した残燃料量が多いほど、前記空間の圧力が高くなるように制御することを特徴とする蒸発燃料放出防止装置。
  2. 燃料タンク内で発生する蒸発燃料が外気に放出されることを防止する蒸発燃料放出防止装置において、
    前記燃料タンク内の燃料液面の上方の空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記燃料タンク内の残燃料量を推定する残燃料量推定手段と、
    前記空間の圧力を負圧に制御する負圧制御手段とを備え、
    前記残燃料量推定手段は、前記負圧制御手段の作動時における前記空間の圧力の変化率に基づいて前記残燃料量を推定し、前記負圧制御手段は、前記推定した残燃料量が多いほど、前記空間の圧力が高くなるように制御することを特徴とする蒸発燃料放出防止装置。
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