JP4110754B2 - 燃料タンクの蒸発燃料制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンクの蒸発燃料制御装置に関し、詳細には燃料タンクへの給油時にタンク内圧力を調整し燃料タンクから外部への蒸発燃料の排出量を低減する燃料タンクの蒸発燃料制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の燃料タンク、特に自動車用機関の燃料タンクから蒸発燃料が大気に放散されることを防止するために、燃料タンクを密閉構造として蒸発燃料(燃料ベーパ)がタンク外に洩出することを防止した、いわゆる密閉燃料タンクシステムが知られている。
密閉タンクでは、例えば機関運転中に高温のリターン燃料の戻りなどによりタンク内燃料温度が高くなると燃料の蒸発によりタンク内の圧力が大気圧より高くなる場合がある。タンクへの給油時にタンク内圧力が大気圧より高くなっていると、給油のために給油口を開放したときにタンク内の燃料ベーパが給油口から大気に放出される問題が生じる。
【0003】
このため、給油の開始に先立って燃料タンク内の圧力を低下させ、給油時の燃料ベーパの大気への放散を防止する密閉タンクの蒸発燃料放散防止装置が考案されている。
この種の蒸発燃料放散防止装置の例としては、例えば特開平8−121279号公報に記載されたものがある。
同公報の装置は、燃料タンクの給油口を覆う蓋(リッド)を開放するリッド開放装置を備えており、運転者が給油スイッチをオンにすると、まず燃料タンク内の燃料ベーパを吸着剤を収容したキャニスタに排気するコンプレッサが作動し、タンク内の圧力が大気圧以下になったときにリッド開放装置が作動して給油口を開放し、給油口を通じての給油を許可するものである。
【0004】
これにより、同公報の装置では給油口を開放するときには常にタンク内の圧力は大気圧またはそれ以下になっているため、開放した給油口から燃料ベーパが大気に放出されることが防止される。
また、同公報の装置では、燃料タンクには給油時に給油ノズルが挿入されるフィラーダクト(給油管)が設けられており、燃料タンク内液面上部空間と給油管入口近傍部分とを接続するベントパイプ(循環ライン)が設けられている。
【0005】
通常、循環ラインは給油時に給油管入口近傍に負圧が発生することを防止するために設けられている。給油中には、給油ノズルからの燃料の噴流が給油管内に流入する。この噴流は給油管内の周囲の空気を巻込んでタンク内に流入するため給油管内には負圧が生じる。給油管内に負圧が生じると、給油管からタンク内に燃料が流入するのに必要とされるヘッド差を与えるために給油管内には燃料が滞留するようになる。給油管内の負圧が大きくなると給油管内に滞留する燃料の液面レベルも上昇するため、給油管負圧がある程度大きくなると給油管内液面が給油ノズルに設けられた液面検出用の開口に到達し自動的に給油が停止されるため、給油が不能になる問題がある。
【0006】
また、給油不能が生じない場合でも、空気の巻込みにより燃料タンク内には空気が供給されタンク内の圧力が上昇する。この圧力上昇を防止するために例えば排気手段などによりタンク内の液面上部空間の気体をキャニスタに排出すると、空気のみならず空気と混合したタンク内の燃料ベーパもキャニスタに排出されることになる。このため、タンク外に排出された燃料ベーパを補う量の燃料が液面から蒸発するようになる。すなわち、給油時に燃料タンク内に空気が流入すると燃料タンク内で蒸発する燃料の量が増大するようになる。この場合、蒸発した燃料は排気手段によりキャニスタに排出されることになるため、タンク内に空気が流入するとキャニスタに送られる燃料ベーパの量が増大しキャニスタの吸着剤が吸着した燃料ベーパで飽和する場合が生じる。
【0007】
循環ラインは、上述した給油管入口部分での負圧の発生と空気の巻込みとを防止する目的で設けられる。循環ラインは、燃料タンク内の液面上部空間と給油管入口部分とを連通しているため、給油時に燃料の空気巻込みにより給油管入口部分の圧力が低下すると循環ラインからタンク内の液面上部空間の気体(空気と時派燃料との混合気)が給油管入口部分に供給されるようになる。従って、給油管入口部分での圧力の低下が防止される。また、循環ラインから給油管入口部分に供給された気体は、燃料の噴流に巻込まれて再度燃料タンク内に流入する。このため、燃料タンク液面上部空間の気体が循環ラインと給油管とを経て循環することになり、燃料タンクへの外部からの空気の流入が防止されるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特開平8−121279号公報の装置では給油開始前に燃料タンク内圧を大気圧又はそれ以下に制御しているものの、給油中は特に燃料タンク内圧の制御は行っていない。
給油管入り口部分での負圧の発生や空気の巻込みを防止するためには、常に燃料噴流の巻込みにより給油管入口部分から取除かれる気体の量と同量の気体を循環ラインを通じて供給する必要がある。このため、燃料タンク内圧は循環ラインを通る気体の圧損を考慮して、上記の量の気体が常に循環ラインを通って給油管入口部分に流れるだけの圧力になっている必要がある。
【0009】
上記特開平8−121279号公報の装置では、給油中に燃料タンク内圧の制御を行っていないため、給油中の燃料タンク内圧は必ずしも適切な圧力にならない場合がある。この場合、例えば燃料タンク内圧が適切な値より低くなると、循環ラインを通って供給される気体の量が不足し、不足分だけの空気が燃料流に巻込まれて燃料タンク内に侵入するため、燃料ベーパの生成量が増大する問題が生じる。また、給油中の燃料タンク内圧が適切な値より高くなると、逆に循環ラインを通って給油管入口部分に供給される気体の量が過剰になり、燃料ベーパを含む気体が給油口から大気に放出される問題が生じる。
【0010】
本発明は上記従来技術の問題に鑑み、給油中に燃料タンク内の圧力を適切な値に制御し、燃料タンク内の燃料ベーパの生成量の増大によるキャニスタの吸着剤の飽和や、大気への燃料ベーパの放出を防止することが可能な燃料タンクの蒸発燃料制御装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、燃料タンクへの給油時にタンク内圧力を調整し燃料タンクから外部への蒸発燃料の排出量を低減する燃料タンクの蒸発燃料制御装置であって、給油ノズルが挿入され、該給油ノズルから供給される燃料を燃料タンク内に導く給油管と、前記燃料タンク内液面上部空間の気体を所定の場所に排気する排気手段と、前記燃料タンク内液面上部空間を前記給油管の入口部分に接続し、前記給油ノズルからの給油中に燃料タンク内上部液面空間内の気体を前記給油管入口部分に循環させる循環通路と、前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、前記給油ノズルからの給油中に、前記圧力検出手段により検出された燃料タンク内圧力が、前記循環通路を通って前記燃料タンク内から前記給油管入口部分に予め定めた流量の前記気体が流れる圧力になるように、前記排気手段の作動を制御する制御手段と、を備えた燃料タンクの蒸発燃料制御装置が提供される。
【0012】
すなわち、請求項1の発明では、給油中に燃料タンク内圧力が所定の目標値になるように排気手段の作動が制御される。この場合、排気手段としては、例えば燃料タンク内液面上部空間とキャニスタとを接続するブリーザ配管に配置された電磁開閉弁を用い、この電磁開閉弁を燃料タンク内圧に応じて開閉制御することにより燃料タンク内圧力を目標値に制御することができる。
【0013】
また、上記タンク内圧制御における目標値としては、タンク内圧と給油管の循環通路接続部圧力との差が、循環通路を通って所定量の気体が流れる際の循環通路圧力損失に等しくなるように設定される。給油ノズルから供給される燃料により巻込まれる給油管内の気体の量は、給油流量が定まればほぼ一定となる。従って、燃料により巻込まれる気体の量に等しいだけの気体を循環通路を通って燃料タンクから給油管入口部分に供給するようにすれば、燃料タンクへの空気の流入と大気への蒸発燃料の放出とを防止することができる。また、上記の量の気体が循環通路を通って流すために必要な循環通路両端での圧力差(すなわち循環通路での圧損)は、循環通路の径と長さとが定まれば算出することができる。更に、給油管入口部分の圧力はほぼ大気圧に等しくなっているため、上記により循環通路での圧損が定まれば、必要とされる燃料タンク内圧が算出できる。
従って、給油流量が定っていれば、給油中のタンク内目標圧力がそれに応じて定まることになる。このため、例えば給油量を標準的な値と仮定した場合のタンク内目標圧力を予め算出しておき、給油中にタンク内圧力をこの目標圧力に制御することにより、燃料タンクへの空気の流入による蒸発燃料の増大や大気への蒸発燃料の放出とを防止することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、燃料タンクへの給油時にタンク内圧力を調整し燃料タンクから外部への蒸発燃料の排出量を低減する燃料タンクの蒸発燃料制御装置であって、給油ノズルが挿入され、該給油ノズルから供給される燃料を燃料タンク内に導く給油管と、前記燃料タンク内液面上部空間の気体を所定の場所に排気する排気手段と、前記燃料タンク内液面上部空間を前記給油管の入口部分に接続し、前記給油ノズルからの給油中に燃料タンク内上部液面空間内の気体を前記給油管入口部分に循環させる循環通路と、前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、前記給油ノズルからの給油中に、給油流量に基づいて、前記給油管入口部分の圧力をほぼ大気圧に維持するために必要とされる前記循環通路を通る前記気体の流量を設定する循環量設定手段と、前記循環量設定手段により設定された流量の気体を前記循環通路を通って流すために必要とされる燃料タンク内目標圧力を設定する内圧設定手段と、前記圧力検出手段により検出された圧力が前記内圧設定手段により設定された目標圧力になるように、前記排気手段の作動を制御する制御手段と、を備えた燃料タンクの蒸発燃料制御装置が提供される。
【0015】
すなわち、請求項2の発明では給油ノズルからの給油中に給油流量に基づいて循環通路を流れる気体の目標流量を設定する循環量設定手段が設けられている。給油ノズルからの給油流量は、給油場所(ガソリンスタンド)や給油ノズル毎にばらつきを生じる場合があるため、給油流量を常に一定としてタンク内目標圧力を設定していると給油流量のばらつきによってはタンク内圧力が適切な値にならない場合が生じる。そこで、本発明では、給油中に給油ノズルからの給油流量を計測し、計測した給油流量に基づいて燃料による気体の巻込み流量を算出し、この巻込み流量を循環通路を通る気体の循環流量として設定する。例えば、給油流量は、排気手段を作動させた状態での給油中のタンク内圧力に基づいて算出することができる。本発明では、実際の給油流量に基づいて、必要とされる循環流量を算出し、この循環流量に基づいて燃料タンク内目標圧力を設定する。これにより、給油流量が変化する場合でも確実に燃料タンクへの空気の流入による蒸発燃料の増大や蒸発燃料の大気放出を防止することが可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、燃料タンクへの給油時にタンク内圧力を調整し燃料タンクから外部への蒸発燃料の排出量を低減する燃料タンクの蒸発燃料制御装置であって、給油ノズルが挿入され、該給油ノズルから供給される燃料を燃料タンク内に導く給油管と、前記給油ノズル挿入時に給油ノズル外周と給油管内壁面との間に介挿され、給油ノズル外周と給油管内壁面との間の空隙から燃料蒸気が大気に放出されることを防止するメカニカルシールと、前記燃料タンク内液面上部空間の気体を所定の場所に排気する排気手段と、前記燃料タンク内液面上部空間を前記給油管の前記メカニカルシールより燃料タンク側の部分に接続し、前記給油ノズルからの給油中に燃料タンク内上部液面空間内の気体を前記給油管内に循環させる循環通路と、前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、前記給油ノズルからの給油中に、給油流量に基づいて、前記循環通路が接続される前記給油管部分の圧力を前記メカニカルシールから洩れが生じない上限圧力に維持するために必要とされる、前記循環通路を通る気体流量を設定する循環量設定手段と、前循環量記設定手段により設定された流量の気体を前記循環通路を通って流すために必要とされる燃料タンク内圧力と、給油終了後に前記給油ノズルを給油管から抜いたときに給油管から外部に燃料の吹返しが生じない燃料タンク内上限圧力とを比較し、いずれか小さい方を給油時燃料タンク内目標圧力として設定する内圧設定手段と、前記圧力検出手段により検出された圧力が前記内圧設定手段により設定された前記目標圧力になるように、前記排気手段の作動を制御する制御手段と、を備えた燃料タンクの蒸発燃料制御装置が提供される。
【0017】
すなわち、請求項3の発明では給油管には給油ノズル挿入時にノズルと給油管との間隙を密封するメカニカルシールが設けられている。このため、給油管のメカニカルシールより燃料タンク側部分の圧力がシールの上限圧力まで上昇してもタンク側部分から大気に蒸発燃料が放出されることがない。また、循環通路は給油管の上記タンク側部分に接続されており、燃料流による気体の巻込みにより給油管タンク側部分の圧力が低下することを防止している。
このように、給油管タンク側部分の圧力を大気圧より高い圧力にすることができる場合には、燃料タンク内圧力は給油が可能な範囲でできるだけ高く設定することがタンク内燃料の蒸発を抑制する上で好ましい。
【0018】
そこで、本発明では請求項2の発明と同様に給油流量に基づいて循環通路を流れる気体の目標循環流量を設定するが、給油中の燃料タンク内目標圧力は上記目標循環流量を流したときの循環通路の圧損に上記シールの上限圧力を加えた値に設定する。また、給油中の燃料タンク内圧力が過大になると、給油を終了して給油ノズルを給油管から抜いたときにタンク内圧力に押されて給油管内の燃料が給油口から外部にあふれる、いわゆる吹返しが生じる。そこで、本発明では、上記シールの上限圧力と目標循環流量とに基づいて設定されたタンク内圧力と吹返しが生じないタンク内の上限圧力とを比較し、いずれか小さい方をタンク内目標圧力として設定するようにしている。これにより、本発明では吹返しを防止しながらタンク内の蒸発燃料の増大と大気への蒸発燃料の放出とを防止することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明を自動車用燃料タンクに適用した実施形態の概略構成を示す図である。図1において、100は内燃機関本体、1は内燃機関100の吸気通路、3は吸気通路1に配置されたエアクリーナを示す。吸気通路1には運転者のアクセルペダル(図示せず)の操作に応じた開度をとるスロットル弁6が設けられている。
図1に11で示すのは機関の燃料タンクである。タンク11内の燃料油はフュエルポンプ70により昇圧され、フィード配管71を介して機関100の各気筒の燃料噴射弁101に圧送される。
【0020】
燃料タンク11には、タンク内への給油のための給油管111が設けられている。また、本実施形態では、給油管111の入口(給油口)114近傍部分は、循環通路(循環ライン)111aにより燃料タンク11内の液面上部空間と連通している。循環ライン111aは、後述するように給油口114からの給油時に給油口114近傍に燃料タンク11内の気体を供給し、給油管111の内部が負圧になることを防止する機能を有している。
図1に115で示すのは給油管111の給油口114を覆うリッドである。本実施形態では、給油管111からタンク内に給油を行うためには、リッド115を開放して給油管の給油口114に設けられたキャップ113を外すことが必要とされる。リッド115にはソレノイドアクチュエータ等の適宜な形式のアクチュエータからなり、後述する電子制御ユニット(ECU)30からの駆動信号によりリッド115を開放するリッドオープナ115aが設けられている。
【0021】
タンク11の上部には、後述するキャニスタ10にタンク11内の燃料油液面上部空間を接続するブリーザー配管13が接続されている。
ブリーザー配管13とタンク11との接続部にはソレノイドバルブ等からなるベントバルブ131とそれぞれフロート弁からなるCOV(CUT OFF VALVE)132とROV(ROLL OVER VALVE)133とが設けられている。ベントバルブ131は、後述するように、ECU30からの駆動信号により開弁され、燃料タンク11内の燃料ペーパをブリーザー配管13を通してキャニスタ10に排出する機能を有している。
【0022】
本実施形態では、ベントバルブ131は常時閉弁されており、燃料タンク11は密閉状態に維持されている。これにより、燃料タンク11内の燃料の蒸発により生成した燃料ベーパは燃料タンク11内に封入された状態となり、外部には洩出しない。このため、燃料ベーパの大気への放散が完全に防止される。
しかし、燃料タンク11を密閉した結果、例えば機関運転中燃料噴射弁101からの高温のリターン燃料が燃料タンク11に流入してタンク内燃料温度は上昇すると、それに応じて燃料蒸気圧が高くなるためタンク内圧は上昇する。本実施形態では、燃料タンク11にはタンク内液面上部空間の圧力を検出する圧力センサ120が設けられており、機関運転中にタンク内圧が許容値(例えば燃料タンクの設計圧力)を越えて上昇した場合にはベントバルブ131を開弁し、タンク内の燃料ベーパをブリーザ配管13を介してキャニスタ10に逃してタンク内圧を低下させるようにしている。
【0023】
タンク11に設けられたROV133は、給油時の液面上昇により閉弁し、ベントバルブ131と燃料タンク11との接続を遮断する。また、ROV133は、車両転倒時等にベントバルブ131とタンク11との接続部を閉鎖し、ブリーザー配管13を介して大量の燃料油が外部に洩れることを防止する機能をも有している。
COV132はROV133と並列に配置されており、ROV133より更に液面が上昇したときにベントバルブ131とタンク11との連通を遮断する。COV132は、給油時の液面上昇時にはROV133閉弁後も開弁してタンク11とベントバルブ131とを連通するが、ベントバルブ131開弁中に車両旋回による液面の動揺によりCOV132位置まで液面が到達したような場合、及び車両転倒時等には閉弁し、ベントバルブ131を通って燃料油がブリーザー配管13に侵入することを防止する機能を有する。
【0024】
図1に30で示すのは、機関の電子制御ユニット(ECU)である。ECU30は、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、CPU(マイクロプロセッサ)及び入出力ポートを互いに双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータからなり、機関の燃料噴射制御等の基本制御を行う他、本実施例では後述するように給油時のタンク内圧を調整し燃料ベーパの増大やタンクへの空気の侵入を防止するタンク内圧制御操作を行う。
【0025】
上記制御のため、ECU30の出力ポートは図示しない駆動回路を介して機関100の燃料噴射弁101に接続され、燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御している他、ベントバルブ131に接続され、ベントバルブ131の開閉制御を行う。本実施形態では、ベントバルブ131はソレノイドバルブであり、ソレノイドアクチュエータに入力するECU30からの駆動パルス信号のオンとオフとに応じて開閉動作を繰返す。ベントバルブ131を通る気体の流量は、駆動パルス信号のオン(ベントバルブ開)時間がパルス信号の1サイクル中に占める割合(デューティ比)に比例して増大する。従って、デューティ比は通常の制御弁における弁開度と同じ意味をもつ。従って、本明細書ではベントバルブ131の駆動パルス信号のデューティ比を便宜的にベントバルブの開度と称する場合がある。この場合にはベントバルブ131の全開状態は駆動パルス信号のデューティ比が100パーセントの状態に対応し、全閉状態はデューティ比が0の状態に対応する。また、ベントバルブ131として、通常の制御弁を使用した場合にも、以下の説明はデューティ比をバルブ開度と読替えることによりそのまま適用される。
【0026】
ECU30の出力ポートは、図示しない駆動回路を介して後述するパージ制御弁15のアクチュエータ、CCV(CANISTER CLOSURE VALVE)17のアクチュエータにそれぞれ接続され、これらの弁の作動を制御している他、図示しない駆動回路を介してリッドオープナ115aに接続され、リッド115の開放を行う。
【0027】
一方、ECU30の入力ポートには、機関の回転数、吸入空気量、機関冷却水温度、車両走行速度等を表す信号が、それぞれ図示しないセンサから入力されている他、運転者のスイッチ操作に応じて給油信号を出力するリッド開放スイッチ(給油スイッチ)140が接続されている。また、燃料タンク11に設けられた、タンク内圧力を検出する圧力センサ120の出力は図示しないAD変換器を介してECU30の入力ポートに供給されている。
【0028】
図1に10で示すのは燃料タンク内の燃料ベーパを吸着するキャニスタである。キャニスタ10は、ブリーザー配管13によりベントバルブ131を介して燃料タンク11の燃料液面上部空間と、また、パージ配管14によりパージ制御弁15を介して吸気通路1と、また、大気連通管18により、CCV17とフィルタ19とを介して給油口114近傍の大気部分に、それぞれ接続されている。
パージ制御弁15はソレノイドアクチュエータなどの適宜な形式のアクチュエータを備え、ECU30からの信号により開弁し、キャニスタ10と吸気通路1とを連通してキャニスタ10のパージを行う。
【0029】
また、大気連通管18にはエアフィルター19と前述したCCV17とが設けられている。エアフィルタ19は後述するパージ実行時に大気連通管18からキャニスタ10内に流入する空気中の異物を除去するものである。CCV17は、ソレノイドアクチュエータなどの適宜な形式のアクチュエータを備え、ECU30からの制御信号に応じて大気連通管18とキャニスタ11との連通を遮断するものである。
【0030】
パージ制御弁15の閉弁中にベントバルブ131とCCV17とが開弁されると、燃料タンク11の液面上部空間からブリーザー配管13を介して燃料蒸気と空気との混合気がキャニスタ10内に流入する。キャニスタ内部には活性炭等の蒸発燃料吸着剤50が充填されている。燃料タンク11内の圧力が大気圧より高い場合には、燃料タンク11内の燃料蒸気を含む気体はキャニスタ10内の吸着剤50を通過した後にCCV17と大気連通管18とを通り大気に放出されるようになる。これにより、大気連通管18からはキャニスタ内の吸着剤50で燃料蒸気を除去された後の空気のみが放出されるようになり、燃料ベーパが大気に放出されることを防止しつつ燃料タンク11の内圧を低下させることができる。
【0031】
また、機関運転中で吸気通路1に負圧が発生しているときにパージ制御弁15とCCV17とが開弁されると、キャニスタ10内にはパージ通路14を介して吸気通路1の負圧が作用し、キャニスタ内圧力は大気圧より低くなる。このため、パージ制御弁15が開弁すると、大気連通管18からフィルタ19により異物を除去された清浄な空気がキャニスタ10内に流入する。この空気は吸着剤50から吸着した燃料ベーパを離脱させ、燃料ベーパと空気との混合ガス(パージガス)となってパージ通路14から機関吸気通路1に流入し、機関燃焼室で燃焼する。これにより、吸着剤50が燃料ベーパで飽和することが防止される。
【0032】
本実施形態では、前述したようにベントバルブ131は通常は閉弁保持されており、タンク内圧が許容限度を越えて上昇した場合と、後述するように給油が行われるときにのみ開弁してタンク内の燃料ベーパをキャニスタ10に吸着させるようにされている。このため、常時キャニスタに燃料蒸気を供給する通常の開放式燃料タンクの場合に較べてキャニスタ10の容量は比較的小さく設定されている。
【0033】
次に、給油時の燃料タンク内圧力制御について説明する。
燃料タンク11に給油所などで給油を行う場合には、給油口リッド115を開き、給油口キャップ113を取って給油ノズルを給油管111に挿入して給油ノズルから燃料を注入する。
この場合、給油管内には給油ノズルから供給される燃料の噴流が生じる。この噴流は給油管111内の周囲の気体を巻込んでタンク内に流入するため、給油管内は負圧になる。従って、給油口114と挿入された給油ノズルとの間の空隙からは給油管内に大気が流入し、噴流に巻込まれてタンク内に侵入する。燃料タンク11内に侵入した空気は、液面上部空間で燃料ベーパと混合して混合気が形成される。
【0034】
一方、給油中は給油によるタンク内液面上昇と侵入した空気とによりタンク内圧力が上昇するが、タンク内の圧力が過度に上昇すると給油管111からタンク内に燃料が流入することができなくなり、給油不能となる。このため、タンク内の圧力上昇を防止するためには、ベントバルブ131を開弁してキャニスタ10にタンク11内液面上部空間の混合気を排気する必要が生じる。この場合、燃料タンク11内圧を一定に維持するとすると、ベントバルブ131を通ってキャニスタ10に流入する混合気の量は燃料タンク11内の液面上昇により置換される気体の容積に給油により燃料タンク内に侵入する空気の容積に等しくなる。
【0035】
従って、給油(燃料の空気巻込み)により燃料タンク内に侵入する空気の量が多いほど、キャニスタ10に供給される気体の量は多くなる。ところが、前述したように燃料タンク内に侵入した空気は燃料ベーパと混合して混合気を形成している。このため、キャニスタ10には空気のみが排気されるのではなく、空気ととともに燃料ベーパが排気される。このため、燃料タンク内に侵入する空気の量が増大すると、それに応じてキャニスタ10に流入する燃料ベーパの量も増大するようになる。
【0036】
また、前述したように密閉燃料タンクシステムの場合には、燃料ベーパがキャニスタに供給されるのは、燃料タンク内圧力が過大になった場合や、給油時等の限れられた場合のみとなっている。このため、密閉燃料タンクシステムでは、常時燃料タンクから燃料ベーパがキャニスタに供給される通常の開放燃料タンクシステムに較べてキャニスタの吸着剤容量は小さく設定されており、一度に吸着できる燃料ベーパの量は比較的少量になっている。
【0037】
従って、燃料の空気巻込みにより燃料タンク11内に侵入する空気量が増大し、キャニスタ10に流入する燃料ベーパの量が増大した場合にはキャニスタ10の吸着剤は燃料ベーパで飽和してしまい、その後は燃料ベーパがキャニスタ10を通過して大気に放出されるようになる。
更に、給油流量が大きく燃料による空気の巻込み量が多い場合には、給油管内に比較的大きな負圧が発生する場合がある。給油管内の負圧が大きくなると、給油管内には、給油管内とタンク内との圧力差に応じた高さまで燃料が滞留し、給油管内の負圧が大きいほど、またタンク内の圧力(正圧)が大きいほど滞留した燃料の液面が高くなる。このため、給油管内の負圧が大きくなると、給油管内の燃料液面が給油ノズルの液面検出孔に到達してしまい、給油装置の自動停止(オートストップ)機構が作動して給油が継続できなくなる問題が生じる。
【0038】
本実施形態では、上記の燃料の巻込みによる燃料タンクへの空気の侵入やオートストップ機構の作動を防止するために、給油管111には循環ライン111a(図1)が設けられている。すなわち、給油時に給油管111内が負圧になると、比較的圧力が高い燃料タンク11内液面上部空間の気体(空気と燃料ベーパとの混合気)が循環通路111aを通って給油口114近傍に流入するようになる。これにより、給油管111の給油口114近傍の圧力はほぼ大気圧となり、給油口114に周囲の空気が流入することが防止される。循環ライン111aから給油管111内に流入した気体は、給油管111内で燃料の噴流に巻込まれ燃料とともに燃料タンク内に戻り、再度液面上部空間から循環ラインに流入する。この場合、外部からの空気の侵入がないため、燃料の空気巻込みによる燃料タンク内圧上昇は生じず、キャニスタ10に流入する燃料ベーパ量の増大も生じない。
【0039】
すなわち、循環ライン111aを設けることにより、燃料タンク内液面上部空間の気体が給油管を通って循環するようになり給油口114からの空気の侵入と給油管111内の負圧の増大との防止を図ることができる。
ところが、実際には単に循環ライン111aを設けただけでは、必ずしも燃料タンクへの空気の侵入を防止できない場合が生じる。
【0040】
すなわち、循環ライン111aを通って給油管111内に循環する気体の循環流量は燃料タンク11内圧と給油管111内の圧力との差圧に応じて変化する。このため、例えば循環ライン111aの差圧が適正な値より小さい場合には循環ライン111aを通る気体の循環流量が燃料に巻込まれる気体の量より少なくなり、循環流量が不足する分だけ空気が燃料に巻込まれ燃料タンク11内に侵入するようになる。また、循環ライン111aの差圧が適正な値より大きい場合には、循環流量が燃料に巻込まれる気体の量より大きくなり、逆に過剰分の気体(空気と燃料ベーパとの混合気)が給油口114から大気に放出されるようになる。
【0041】
以下に説明する各実施形態では、給油中に燃料タンク11内の圧力を適切な値に制御することにより、燃料タンクへの空気の侵入と大気への燃料蒸気の放出との両方を防止するようにしている。
【0042】
(1)第1の実施形態
まず、給油中のタンク内圧制御操作の最も基本的な実施形態について説明する。
本実施形態では、給油中にベントバルブ131を開閉制御して燃料タンク11内圧を予め定めた目標圧力P0に制御する。この目標圧力P0は、循環ライン111aを流れる気体の循環流量が予め定めた値になるように設定される。
【0043】
給油時には、給油ノズルから供給される燃料に巻込まれて給油管111内からタンク11内に流入する気体の量に等しい流量の気体を循環ライン111aを通して給油管内に循環させれば、給油管111への空気の侵入と給油管111からの大気への燃料ベーパの放出との両方が完全に防止される。また、このとき給油管内の圧力は大気圧に等しくなる。
一方、燃料による給油管内の気体の巻込み量(すなわち、必要とされる気体循環流量)は、給油ノズルからの燃料流量(流速)によって定まる。また、給油ノズルからの燃料流量は、各給油所や給油ノズルによるばらつきはあるもののほぼ一定の流量範囲になっている。そこで、本実施形態では上記流量範囲のなかから予め標準的な給油流量(流速)を設定しておき、この標準流量での給油における燃料の気体の巻込み量、すなわち標準的な気体循環流量を算出してある。
【0044】
更に、循環ライン111aの諸元(内径、長さなど)が定まれば、上記標準的な循環量で気体を流すのに必要とされる循環ラインの圧力差(圧損)が容易に算出される。また、上記標準的な量の気体が循環する場合には給油管111内の圧力はほぼ大気圧になる。従って、上記標準的な循環量で気体を流すために必要なタンク内圧は大気圧に上記により算出した圧損を加えた値となる。
本実施形態では、実際の循環ライン111aの諸元と、標準的な気体循環量とに基づいて、循環ライン111aから給油管111にこの循環量で気体を供給するために必要なタンク内圧を算出してあり、ECU30のROMに目標燃料タンク内圧力P0として記憶してある。そして、給油中ECU30は圧力センサ120で検出した実際の燃料タンク内圧PTが目標燃料タンク内圧力P0に一致するようにベントバルブ131の開閉制御を行う。
【0045】
図2は、上述した本実施形態の燃料タンク内圧制御操作を具体的に示すフローチャートである。本操作はECU30により実行される。
図2、ステップ201は、車両運転者によりリッド開放スイッチ140(図1)がオンにされたか否かの検出操作である。リッド開放スイッチ140がオンにされ、給油信号が出力されるとECU30は、リッドオープナー115aを作動させて給油口リッド115を開放することにより、作業者が給油口キャップ113を外して給油を行うことを可能とする。従って、リッド開放スイッチ140がオンにされた場合(給油信号を入力した場合)には、運転者に給油の意志があり、スイッチ140の操作に続いて給油が開始されることが予想される。
【0046】
そこで、本実施形態ではステップ201でリッド開放スイッチ140がオンにされた場合には、ステップ203以下のタンク内圧制御を実行する。
すなわち、ステップ203では圧力センサ120から現在の燃料タンク11内圧力PTを読込み、ステップ205では、現在の燃料タンク11内圧力PTが前述の目標タンク圧力として予め記憶してある値P0より高いか否かを判定する。
そして、ステップ207と209では、現在の燃料タンク内圧力が目標値より高い場合にはベントバルブ131を開弁し、低い場合には閉弁する。
【0047】
これにより、給油中燃料タンク内圧力は、燃料タンクから給油管111に標準給油流量に対応した循環量の気体が供給される圧力に維持され、給油による燃料タンク内への空気の侵入と給油口からの燃料ベーパの放出とが防止される。
ステップ211は給油が終了したか否かの判定を示す。給油の終了は、例えば給油口リッド115が閉鎖されたか否かを検出することにより判定され、給油口リッド115が開放中の場合、すなわち給油が終了していない場合には、給油が終了するまでステップ205から209の操作が繰返され、タンク内圧力は目標圧力P0に維持される。
【0048】
なお、図2ステップ207、209のベントバルブ131の開弁及び閉弁操作は、それぞれソレノイド駆動パルスのデューティ比100パーセント(全開)と0パーセント(全閉)の操作である。
【0049】
(2)第2の実施形態
次に、本発明のタンク内圧制御操作の第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、循環ライン111aに必要とされる循環気体流量は標準的な給油流量に基づいて設定されていたため一定値となっており、それに対応して目標タンク内圧力P0も一定値となっている。
しかし、実際には前述したように、給油流量は給油所や給油ノズルによっては必ずしも上記標準的な給油流量と一致しない場合がある。
【0050】
そこで、本実施形態では給油時に給油ノズルからの実際の給油流量を測定し、この実際の給油流量に基づいて気体循環流量、と燃料タンク内目標圧力とを算出するようにしている。
図3、図4は、本実施形態の燃料タンク内圧制御操作を具体的に説明するフローチャートである。本操作はECU30により実行される。
【0051】
図3の操作がスタートすると、まずステップ301ではリッド開放スイッチ140がオンにされるのを待つ。ステップ301でリッド開放スイッチがオンにされた場合には、ステップ303でベントバルブ131を開弁(全開)して、ステップ304で圧力センサ120でタンク内圧PTを検出する。そして、ステップ305でタンク内圧PTが、所定値PT0に低下するまで待ち、PT<PT0になったときにステップ307でベントバルブを閉弁(全閉)する。
所定圧力PT0は給油を行うために給油口キャップ113を外したときに給油口から燃料ベーパが大気に放出されない圧力であり、ほぼ大気圧程度に設定されている。
【0052】
ステップ309とステップ311は給油ノズルからの給油開始検出操作である。本実施形態では、ベントバルブ閉弁中(ステップ307)の燃料タンク内圧力上昇速度に基づいて給油が開始されたか否かを判定する。ベントバルブ131を閉弁した密閉状態で給油が開始されると、タンク内液面上昇に伴って比較的大きい速度でタンク内圧が上昇する。そこで、本実施形態では、タンク内圧の上昇速度ΔPTがある程度大きい値ΔPT1を越えた場合には給油が開始されたと判定するようにしている。すなわち、ステップ309では圧力センサ120の検出値に基づいて、予め定めた一定時間内のタンク圧力上昇幅を算出しタンク内圧力上昇速度ΔPTとして記憶し、ステップ305では、算出したΔPTが所定値ΔPT1を越えたか否かを判定する。ステップ3309とステップ311は、ステップ311でΔPT>ΔPT1になるまで繰返される。
【0053】
ステップ311でΔPT>ΔPT1になった場合、すなわち給油が開始された場合には、次にステップ313から317で、ベントバルブ131を開弁すべき圧力PU1を算出する。
ステップ313から317の操作では、ベントバルブ131閉弁状態で仮に給油流量を計測し、この仮の給油流量に基づいて循環ライン111aの仮の目標循環量と、この目標循環量を得るための仮のタンク内目標圧力PU1を算出する。そして、ステップ319ではタンク内圧力PTが上記目標圧力PU1まで上昇したか否かを判定し、PT>PU1となったときにベントバルブを開弁(全開)する。
【0054】
すなわち、給油開始時には給油口114からの燃料ベーパ放出を防止するために大気圧近傍の比較的低い値にされている。従って、この状態で直ちにベントバルブ131を開弁(全開)すると、燃料タンク内圧力は上昇せず循環ライン111aを流れる気体の量が不足して多量の空気が燃料タンク内に流入する可能性がある。このため、本実施形態では給油開始時には燃料タンク内圧力がPU1まで上昇してからベントバルブ131を開弁するようにしているのである。
【0055】
以下、ステップ313から317の操作を詳細に説明する。
ステップ313は、給油流量QFの仮算出操作である。
本実施形態では、後述するようにベントバルブを開弁した後の状態での燃料タンク内圧力の収束値に基づいて正確な給油流量を算出(ステップ329)するが、ステップ313ではベントバルブ131を開弁するタンク内圧PU1を算出するために、タンク内圧PTの上昇速度ΔPTに基づいて仮に給油流量QFを算出するようにしている。
【0056】
すなわち、ベントバルブ131閉弁状態ではタンク内の圧力上昇速度ΔPTは、タンク内液面上昇速度、すなわち給油流量QFに対応した値になっている。本実施形態では、予め実際の燃料タンク11を用いて給油流量QFとタンク内圧上昇速度ΔPTとの関係を求めてある。図5は、給油流量QFとタンク内圧上昇速度ΔPTとの関係の一例を示す図である。図5に示すように、給油流量QFは、タンク内圧上昇速度ΔPTが増大するとほぼ直線的に増大する。
【0057】
本実施形態では、図5の関係はECU30のROMに予め格納されており、ステップ313では、ステップ309で算出した給油開始時のタンク内圧上昇速度ΔPTに基づいて、図5の関係から仮の給油流量QFを算出する。
【0058】
ステップ315は、循環ライン11aを流れる気体の仮の目標循環量QRの算出操作である。前述したように、目標循環流量QRは給油流量に応じて変化する。本実施形態では、予め実際の燃料タンク11を用いて給油流量QFと目標循環流量QRとの関係を求めてある。図6は、給油流量と目標循環流量との関係の一例を示す図である。図6に示すように、目標循環流量QR(すなわち燃料の気体巻込み量)は、給油流量QFに対してほぼ直線的に変化する。
【0059】
本実施形態では、図6の関係はECU30のROMに予め格納されており、ステップ315ではステップ313で算出した仮の給油流量QFに基づいて図6の関係から仮の目標循環流量QRを算出する。
【0060】
ステップ317は、目標循環流量QRを与えるのに必要なタンク内目標圧力PU1の算出操作を示す。
前述したように、目標循環流量QRを流したときに循環ラインに生じる圧損は循環ラインの諸元が定まれば容易に算出可能である。また、目標循環流量QRを流したときの循環ライン圧損が求まれば、必要とされる燃料タンク内圧(目標圧力)は[大気圧+圧損]として算出できる。本実施形態では、実際の燃料タンク11の循環ライン111aの諸元を用いて、循環流量QRと循環ライン圧損との関係を算出し、タンク内目標圧力PTT(大気圧+圧損)と循環流量QRとの関係を予め求めてある。図7は、タンク内目標圧力PTTと循環流量QRとの関係を示す図である。図7は、タンク内目標圧力をゲージ圧で表している。このため、目標圧力PTTは循環流量QRのほぼ2乗に比例して増大する。
【0061】
本実施形態では、図7の関係は予めECU30のROMに格納されており、ステップ317ではステップ315で算出した循環流量QRに基づいて図7の関係から仮のタンク内目標圧力PU1を算出する。
【0062】
ステップ318で仮の目標タンク内圧力PU1を算出後、ステップ318、319では燃料タンク内圧力PTが上記目標圧力PU1に到達するのを待ち、PT>PU1になった場合にステップ321でベントバルブ131を開弁(全開)する。これにより、給油開始時に多量の空気が燃料タンク内に侵入することが防止される。
【0063】
図4ステップ323から333は、ベントバルブ131開弁後の燃料タンク内最終目標圧力PU2の算出操作である。
ステップ323から333の操作は、実際の給油流量を燃料タンク内圧力上昇速度ではなく、ベントバルブ131開弁後の燃料タンク内圧力の収束値に基づいて求める点がステップ313から317の仮の目標圧力PU1の算出操作と相違している。
【0064】
すなわち、図3ステップ321でベントバルブ131が開弁(全開)されると、タンク内の液面上昇により置換された気体がタンクからブリーザ配管13を通ってキャニスタ10に流入し、吸着剤で燃料ベーパを除去された後、CCV17、大気連通管18、フィルタ19を通って大気に放出される。給油速度が一定である場合には、タンク内の液面上昇によりキャニスタに排出される気体の流量も一定となる。この場合、ベントバルブ131全開時の気体の排出経路、すなわちベントバルブ131からキャニスタ10及びフィルタ19を通って大気に放出されるまでの流路の圧損は、タンクから排出される気体の流量により変化する。また、気体は最終的には大気圧下に放出される。このため、ベントバルブ131全開での給油時には、タンク内圧力はタンクから排出される気体の流量に応じた圧力になる。このため、ベントバルブ131全開での給油時のタンク内圧力の収束値は給油流量を表すことになる。
【0065】
本実施形態では、予め実際の燃料タンク11とブリーザ配管13、キャニスタ10等の排気系統を用いて、給油流量QFと燃料タンク11内圧力の収束値とを実験により求めてあり、その結果をECU30のROMに格納してある。
図8は、給油流量QFとタンク内圧力の到達値(収束値)との関係の一例を示す図である。図8に示すように給油流量はタンク内圧力の収束値が高いほど大きな値になっている。
【0066】
図4、ステップ323、325はタンク内圧力が収束したか否かの判定操作である。すなわち、ステップ323では圧力センサ120の検出値からタンク内圧の変化速度ΔPTを算出し、ステップ325ではこの変化速度ΔPTが所定値PT2(PT2はタンク内圧力が収束したと見なすことができる程度の比較的小さな値)より小さくなったときに、タンク内圧力が収束値に到達したと判定する。
ステップ325でタンク内圧力が収束した場合には、次にステップ327で収束後のタンク内圧力PTを圧力センサ120から読込み、ステップ329ではこの収束圧力PTに基づいて図8の関係から給油流量QFを算出する。
【0067】
そして、ステップ331では給油流量QFに基づいて、前述の図6の関係から循環ライン111aの目標循環流量QRを、また、ステップ333ではこの目標循環流量QRに基づいて、前述の図7の関係からタンク内の最終目標圧力PU2を算出する。
【0068】
そして、ステップ335から341では、圧力センサ120で検出したタンク内圧力PTが目標値PU2を越えた場合にはベントバルブ131を開弁(全開)し、目標値PU2以下の場合には閉弁(全閉)する操作を、ステップ343で給油が終了したと判定されるまで繰返す。
これにより、本実施形態では給油流量のばらつきにかかわらず実際の給油流量に応じて燃料タンク内圧力が制御されるようになり、燃料タンク内への空気の侵入と大気への燃料ベーパの放散とが確実に防止される。
【0069】
(3)第3の実施形態
次に、本発明の別の実施形態について説明する。本実施形態では給油管111の給油ノズル挿入部にはメカニカルシールが設けられている。
図9は、メカニカルシール93の配置を示す略示図である。メカニカルシール93は耐油性ゴムなどの弾性体から形成された環状部材であり、給油管111内周に取付けられている。給油ノズル91は、メカニカルシール93の中央孔に挿入され、給油ノズル93外周とメカニカルシール93内周との弾性的接触によりシールが行われる。このため、メカニカルシール93を有する給油管111では、給油管のメカニカルシールより内側の密封区画(メカニカルシール93より燃料タンク11側に位置する部分)の圧力をメカニカルシール93のシール上限圧力(ノズル91とシール93との接触部からの洩れが生じない上限圧力)まで上昇させても給油口114から大気に燃料ベーパが放出されることがない。
【0070】
また、図9に示すようにメカニカルシール93を設ける場合は、循環ライン111aは、給油管の上記密封区画に接続される。メカニカルシール93を設けて、シールを行った場合には燃料タンクへの空気の巻込みはシールに93により防止されるものの、給油管の密封区画内の気体が燃料に巻込まれるため、給油管の密封区画に大きな負圧が発生し給油不能となる場合がある。このため、シール93を設けた場合も、密封区画に燃料タンク内の気体を導入して負圧の発生を防止する必要があり、循環ライン111aが設けられる。
【0071】
従って、給油管111の密封区画内の圧力を一定に保つためには燃料タンク内圧力と密封区画内圧力との間に差圧を設け、燃料に巻込まれる気体の量に等しい流量の気体を循環ライン111aから給油管の密封区画に供給する必要があるのは、前述の各実施形態と同様である。
【0072】
本実施形態では、給油中には燃料タンク内の圧力をできるだけ高い圧力に維持することにより、燃料タンク内の燃料ベーパ生成量を抑制する。メカニカルシール93を給油管111に設置した場合でも、タンク内圧を一定に維持するためには給油中にはタンクに供給される燃料と同量の気体をキャニスタ10に排出する必要がある。一方、タンク内ではこの間も液面から燃料が蒸発を続けており、燃料の蒸発速度は燃料の飽和蒸気圧とタンク内の燃料ベーパ分圧との差が大きいほど大きくなる。一方、タンク内圧を低い値に維持すればそれに応じてタンク内の燃料ベーパ分圧も低下するため、燃料の飽和蒸気圧と燃料ベーパ分圧との差がそれだけ大きくなり、タンク内の燃料の蒸発量が大きくなり、キャニスタに排出される燃料ベーパの量も増大する。そこで、本実施形態では給油時の燃料タンク内圧力をできるだけ高い値に維持することにより、タンク内の燃料の蒸発を抑制するようにしている。
【0073】
ところで、燃料タンク内の圧力はいくつかの要因により許容上限値が定まる。まず、燃料タンク内圧力はタンクの強度上の制限圧力(設計圧力)を越えて高く設定することはできない。また、タンク内圧を上昇させると、それに応じて給油管111のメカニカルシール密封区画の圧力も上昇するが、この密封区画圧力がシール上限圧力を越えるとメカニカルシールから大気に燃料ベーパが洩出する。更に、タンク内圧力がある値(吹返し圧力)を越えると、給油終了時にノズルを給油管から抜き去ったときに、タンク内圧力に押されて給油管111内の燃料が給油口から流出する、いわゆる吹返しが生じる。
そこで、本実施形態ではタンク内圧が上記3つの圧力を越えないように設定する。
【0074】
図10、図11は、上述した本実施形態のタンク内圧制御操作を具体的に説明するフローチャートである。本操作は、ECU30により実行される。
図10の操作において、ステップ1001から1009は、給油開始前のタンク内圧調整操作である。ステップ1001から1009の操作は、図3ステップ301から307の操作と同一であるので詳細な説明は省略する。
【0075】
また、本実施形態においてもステップ1011で、給油開始の有無が判定される。ステップ1011の操作は図3ステップ304と305の操作と同一であり、ステップ1011でもタンク内圧上昇速度ΔPTの算出と算出したΔPTが所定値を越えたか否かに基づいて給油開始の有無を判定する。
更に、ステップ1011で給油が開始されたと判断されたときには、ステップ1013で図5の関係に基づいてステップ1011で検出されたタンク内圧上昇速度ΔPTを用いて給油流量QFが算出される。
【0076】
ステップ1015は、給油流量QFに対して適切な循環流量の気体を流した場合の循環ライン111aの圧損算出操作を示す。本実施形態では、給油流量に対して定まる目標循環流量を循環ライン111aに流した場合の圧損を予め計算しておき、図12に示すような給油流量QFと圧損ΔPRとの関係を求めてある。図12の関係は予めECU30のROMに格納されており、ステップ1015では、ステップ1013で算出された給油流量QFに基づいて図12の関係から循環ライン111aの圧損ΔPRを算出する。
【0077】
図11ステップ1017では、上記により算出した圧損ΔPRを用いて、タンク内圧の目標値PT0が、PT0=ΔPR+PMとして算出される。ここで、PMはシール上限圧力である。すなわち、ステップ1017で算出されるタンク内目標圧力PT0は、給油管111の密封区画をメカニカルシールから洩れが生じない範囲で最大の圧力に維持する場合のタンク内圧力に相当する。
【0078】
本実施形態では、上記メカニカルシールのシール上限圧力に対応する圧力と、タンクの設計圧力PTS、吹返し圧力PTBとの3つを比較し、これらのうちの最小の圧力を給油時のタンク内目標圧力として設定する。すなわち、ステップ1019ではステップ1017で算出したシール上限圧力に対応するタンク内目標圧力PT0とタンク設計圧力PTSとを比較し、PT0がタンク設計圧力PTSを越えている場合にはステップ1021でタンク内目標圧力PT0をPTSに設定し直す。そして、次にステップ1023でPT0と吹返し圧力PTBとを比較し、PT0がPTBを越えている場合にはステップ1025でタンク内目標圧力PT0をPTBに設定し直す。吹返し圧力は、予め実際のタンクを用いた実験により求められ、ECU30のROMに格納されている。これにより、タンク内目標圧力PT0の最終値は、シール上限圧力に対応するタンク内圧力とタンク設計圧力、吹返し圧力のうち最小の圧力に設定されるようになり、許容範囲内で最大の圧力に設定されるようになる。
【0079】
なお、本実施形態ではタンク内目標圧力の最終値を、シール上限圧力に対応するタンク内圧力とタンク設計圧力、吹返し圧力の3つのうち最小のものに設定しているが、通常、タンク設計圧力は他の2つより充分に大きな値に設定されている。このため、上記3つを比較する代りに、ステップ1017で算出したシール上限圧力に対応するタンク内圧力と吹返し圧力とを比較し、2つのうち小さい方の値をタンク内目標圧力の最終値として設定するようにしても良い。
【0080】
上記により、タンク内目標圧力の最終値PT0を設定後、ステップ1027から1035では、ベントバルブ131の開閉操作により給油が終了するまでタンク内圧力が目標値PT0に維持される。ステップ1027から1035の操作は、図4ステップ335から343の操作と同一である。
上記操作により、給油管にメカニカルシールを有する燃料タンクシステムでは、給油終了時の吹返しや燃料ベーパの大気放出を防止しながら燃料タンク内圧力を許容範囲内で最大の値に設定することが可能となり、燃料ベーパの生成を抑制することができる。
【0081】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、給油中に燃料タンク内の圧力を適切な値に制御し、燃料タンク内の燃料ベーパの生成量の増大によるキャニスタの吸着剤の飽和や、大気への燃料ベーパの放出を防止することが可能となる共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用燃料タンクに適用した実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】燃料タンクの内圧制御操作の第1の実施形態を説明するフローチャートである。
【図3】燃料タンクの内圧制御操作の第2の実施形態を説明するフローチャートの一部である。
【図4】燃料タンクの内圧制御操作の第2の実施形態を説明するフローチャートの一部である。
【図5】給油流量とタンク内圧上昇速度との関係の一例を示す図である。
【図6】給油流量と目標循環流量との関係の一例を示す図である。
【図7】タンク内目標圧力と循環流量との関係の一例を示す図である。
【図8】給油流量とタンク内圧力の到達値との関係の一例を示す図である。
【図9】メカニカルシール配置を示す略示図である。
【図10】燃料タンクの内圧制御操作の第3の実施形態を説明するフローチャートの一部である。
【図11】燃料タンクの内圧制御操作の第3の実施形態を説明するフローチャートの一部である。
【図12】給油流量と循環ライン圧損との関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…キャニスタ
11…燃料タンク
30…電子制御ユニット(ECU)
111…給油管
111a…循環ライン
120…圧力センサ
131…ベントバルブ
Claims (3)
- 燃料タンクへの給油時にタンク内圧力を調整し燃料タンクから外部への蒸発燃料の排出量を低減する燃料タンクの蒸発燃料制御装置であって、
給油ノズルが挿入され、該給油ノズルから供給される燃料を燃料タンク内に導く給油管と、
前記燃料タンク内液面上部空間の気体を所定の場所に排気する排気手段と、
前記燃料タンク内液面上部空間を前記給油管の入口部分に接続し、前記給油ノズルからの給油中に燃料タンク内上部液面空間内の気体を前記給油管入口部分に循環させる循環通路と、
前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、
前記給油ノズルからの給油中に、前記圧力検出手段により検出された燃料タンク内圧力が、前記循環通路を通って前記燃料タンク内から前記給油管入口部分に予め定めた流量の前記気体が流れる圧力になるように、前記排気手段の作動を制御する制御手段と、を備えた燃料タンクの蒸発燃料制御装置。 - 燃料タンクへの給油時にタンク内圧力を調整し燃料タンクから外部への蒸発燃料の排出量を低減する燃料タンクの蒸発燃料制御装置であって、
給油ノズルが挿入され、該給油ノズルから供給される燃料を燃料タンク内に導く給油管と、
前記燃料タンク内液面上部空間の気体を所定の場所に排気する排気手段と、
前記燃料タンク内液面上部空間を前記給油管の入口部分に接続し、前記給油ノズルからの給油中に燃料タンク内上部液面空間内の気体を前記給油管入口部分に循環させる循環通路と、
前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、
前記給油ノズルからの給油中に、給油流量に基づいて、前記給油管入口部分の圧力をほぼ大気圧に維持するために必要とされる前記循環通路を通る前記気体の流量を設定する循環量設定手段と、
前記循環量設定手段により設定された流量の気体を前記循環通路を通って流すために必要とされる燃料タンク内目標圧力を設定する内圧設定手段と、
前記圧力検出手段により検出された圧力が前記内圧設定手段により設定された目標圧力になるように、前記排気手段の作動を制御する制御手段と、
を備えた燃料タンクの蒸発燃料制御装置。 - 燃料タンクへの給油時にタンク内圧力を調整し燃料タンクから外部への蒸発燃料の排出量を低減する燃料タンクの蒸発燃料制御装置であって、
給油ノズルが挿入され、該給油ノズルから供給される燃料を燃料タンク内に導く給油管と、
前記給油ノズル挿入時に給油ノズル外周と給油管内壁面との間に介挿され、給油ノズル外周と給油管内壁面との間の空隙から燃料蒸気が大気に放出されることを防止するメカニカルシールと、
前記燃料タンク内液面上部空間の気体を所定の場所に排気する排気手段と、
前記燃料タンク内液面上部空間を前記給油管の前記メカニカルシールより燃料タンク側の部分に接続し、前記給油ノズルからの給油中に燃料タンク内上部液面空間内の気体を前記給油管内に循環させる循環通路と、
前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、
前記給油ノズルからの給油中に、給油流量に基づいて、前記循環通路が接続される前記給油管部分の圧力を前記メカニカルシールから洩れが生じない上限圧力に維持するために必要とされる、前記循環通路を通る気体流量を設定する循環量設定手段と、
循環量前記設定手段により設定された流量の気体を前記循環通路を通って流すために必要とされる燃料タンク内圧力と、給油終了後に前記給油ノズルを給油管から抜いたときに給油管から外部に燃料の吹返しが生じない燃料タンク内上限圧力とを比較し、いずれか小さい方を給油時燃料タンク内目標圧力として設定する内圧設定手段と、
前記圧力検出手段により検出された圧力が前記内圧設定手段により設定された前記目標圧力になるように、前記排気手段の作動を制御する制御手段と、
を備えた燃料タンクの蒸発燃料制御装置。
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