JP3762344B2 - 記録装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合式電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置に関し、特に、有色液体(インク)をシート材である被記録材に付与することによって記録を行う記録手段と、記録手段の記録領域から被記録材を排出する排出手段を備えた記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合式電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板等の被記録材(記録シート)に画像を記録していくように構成されている。このような記録装置は、その記録方式によって、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分類することができる。
【0003】
被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差する方向に主走査するシリアルスキャン方式を採用するシリアルタイプの記録装置においては、被記録材に沿って移動するキャリッジ上に搭載した記録手段によって画像を記録(主走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行い、その後に再び停止した被記録材に対して、次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことによって、被記録材全体の記録が行われる。
【0004】
一方、被記録材の搬送方向の副走査のみで記録するライン型の記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を行った後、所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行い、さらに次の行の記録を一括して行うという動作を繰り返すことによって、被記録材全体の記録が行われる。
【0005】
上述した記録装置のうち、インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができる。また、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。中でも、紙幅方向に多数の吐出口を配列したラインタイプの記録手段を使用したライン型の装置は、記録の一層の高速化が可能である。
【0006】
図7〜図9は、従来のインクジェット記録装置における記録領域の周辺の構造を示す概略断面図である。図7に示すように、給紙装置(不図示)によって給紙されてきた記録シートPは、搬送ローラ101、ピンチローラ102により挟持され、非記録面側をプラテン106に支持されつつ、記録ヘッド103の記録領域へ搬送される。記録ヘッド103は、記録シートPに向けてインクを吐出し、記録シートP上に画像を記録していく。記録ヘッド103によって記録された後、記録シートPは、搬送方向下流側に設けられた排紙ローラ104、拍車105により挟持され、排紙ローラ104、拍車105の回転によって排紙される。
【0007】
記録ヘッド103と記録シートPとの間の距離をLとする。このようなインクジェット記録装置では、記録ヘッド103と記録シートPとの距離によってインクの着弾位置が微妙に変化する。したがって、距離を記録領域全域で所定の距離(例えばL)に保てば、つまり、記録シートPをプラテン106に完全に沿わせることができれば、高画質な画像を得ることができる。そこで、従来のインクジェット記録装置では、記録ヘッド103の下側に配設されたプラテン106に記録シートPを沿わせるため、ピンチローラ102の回転軸および拍車105の回転軸は、搬送ローラ101の回転軸および排紙ローラ104の回転軸よりもプラテン106側にオフセットして配設されることが多い。
【0008】
また、インクジェット記録装置では記録にインクを用いるため、記録シートPにインクが染み込むと、記録シートPが伸長し、記録シートPの記録面が記録領域において波打ち(コックリング)を起こす。この波打ちによって記録シートPがプラテン106から大きく浮き上がってしまった場合には、インクの着弾位置がずれるだけでなく、記録ヘッド103が記録シートPに擦れることによってその記録面が汚れたり、記録ヘッド103が記録シートPの端部に衝突して記録ヘッド103が劣化あるいは破損することがある。
【0009】
そこで、図8に示すように、従来のインクジェット記録装置では、記録シートPが下方に変位可能な逃げ部106´、104´をプラテン106および排紙ローラ104に設け、記録シートPをプラテン106および排紙ローラ104の逃げ部106´、104´に強制的に押し込むための押し込み拍車107を設けていた。こうすることによって、記録シートPは、規則的に所定の高さの範囲で下側に波打つようになり、記録シートPの浮き上がりが防止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成においては、図9に示すように記録シートPの先端が拍車105に突入するときに、記録シートPの先端が押し込み拍車107により下方に下げられ、その反力で記録領域の記録シートPが浮き上がってしまったり(図9の実線で示す状態)、押し込み拍車107が記録シートPの搬送力に対する抵抗となって、記録シートPが座屈して記録領域で浮き上がってしまい(図9の2点鎖線で示す状態)、記録画像の劣化や記録ヘッドの劣化あるいは破損を招くことがあった。
【0011】
以上述べたように、従来の記録装置では、記録シートのコックリングを防止するため、記録シートをプラテンおよび排紙ローラの逃げ部に強制的に押し込むための押し込み拍車を設けている。しかし、記録シートの先端が拍車に突入するときに、記録シートの先端が押し込み拍車により下方に下げられ、その反力で記録領域の記録シートが浮き上がってしまったり、押し込み拍車が記録シートの搬送力に対する抵抗となって、記録シートが座屈して記録領域で浮き上がってしまい、記録画像の劣化や記録ヘッドの劣化あるいは破損を招いてしまうという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、インクが染み込んで記録シートが伸長したとしても、記録シートの全域において高品位な記録が可能な記録装置を提供することを第1の目的とする。
【0013】
また、本発明は、記録手段によりシート材に記録を行う記録装置において、記録手段の記録領域に前記シート材を搬送する搬送手段と、前記シート材の搬送方向と交差する方向に所定の間隔をおいて配され前記搬送方向に延びる形状であって、前記記録領域において前記シート材を支持する複数の凸部を備えるプラテンと、前記搬送方向において前記各凸部の下流側であって前記交差する方向において前記各凸部と同じ位置に配され、シート材を搬送する複数の排紙ローラと、前記複数の排紙ローラに従動して回転することによってシート材を前記複数の排紙ローラと挟持して搬送する複数の第1の拍車と、前記搬送方向において前記第1の拍車の下流側であって前記交差する方向において前記複数の排紙ローラの間に配され、シート材の移動に従動して回転しながら前記シート材を前記複数の凸部間に押し込む第2の拍車と、を備え、前記第2の拍車は前記シート材が当接しない状態で最下部が前記排紙ローラの最上部よりも低くなるように配設される記録装置を提供することを第2の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の記録装置は、記録手段によりシート材に記録を行う記録装置であって、前記記録手段の記録領域に前記シート材を搬送する搬送手段と、前記シート材の搬送方向と交差する方向に所定の間隔をおいて前記搬送方向に延びる形状であり、前記記録領域において前記シート材を支持する複数の凸部を備えるプラテンと、前記搬送方向において前記各凸部の下流側であって前記交差する方向において前記各凸部と同じ位置に配され、前記シート材を搬送する複数の排紙ローラと、前記複数の排紙ローラに従動して回転することによって前記シート材を前記複数の排紙ローラと挟持して搬送する複数の第1の拍車と、前記シート材が当接しない状態で最下部が前記排紙ローラの最上部よりも低くなるよう配設され、前記搬送方向において前記第1の拍車の下流側であって前記交差する方向において前記複数の排紙ローラ間に配され、前記シート材の移動に従動して回転しながら前記シート材を前記複数の凸部間に押し込む第2の拍車とを有し、前記第1の拍車の回転軸が、前記排紙ローラの回転軸に対して前記プラテン側に配置されている。
【0015】
本発明の記録装置では、シート材をプラテンの各凸部間に押し込む第2の拍車を、第1の拍車よりも、搬送方向下流側に設けることによって、シート材の先端が第2の拍車に衝突する時には、シート材は第1の拍車で挟持されているため、第2の拍車による反力がシート部材の記録領域上の部分にまで伝わらなくなり、また、第1の拍車によってシート材がプラテンの各凸部に押し付けられるようになるため、シート材と記録手段との距離を所定の値以上に保つことができる。そのため、インクが染み込んでシート材が伸びたとしても、シート材がプラテンから浮き上がることないので、シート材の全域において高品位な記録が可能となる。
また、第1の拍車の回転軸は、排紙ローラの回転軸よりもプラテン側に所定量ずれた位置に配設されている。こうすることによって、シート材をプラテンの凸部へ押し付ける力が発生する。
【0017】
また、本発明の記録装置では、第1の拍車および第2の拍車には、シート材を押圧する付勢力が付与されているものであってもよく、特に、第2の拍車が、付勢力に抗して退避可能であってもよい。こうすることによって、シート材の伸びや剛性などに応じて、シート材の波打ち量を最適に保つことができるようになるため、高品位な記録が可能となる。
【0018】
また、本発明の記録装置では、排紙ローラと第1の拍車との当接部の高さは、凸部の高さと略同一であってもよい。こうすることによって、排紙ローラと各第1の拍車とは、シート材を座屈させることなく、シート材を挟持、排出することができる。
【0019】
また、本発明の記録装置では、記録手段が、シート材に液体を吐出して記録を行うものであってもよく、特に、記録手段が、液体を吐出するための熱エネルギーを発生する熱エネルギー発生手段を有し、該熱エネルギ発生手段によって発生する熱エネルギーによって液体の状態変化を生起させ、液体を吐出するものであってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施形態の記録装置について図面を参照して説明する。全図において、同一の符号がつけられている構成要素は、すべて同一のものを示す。図1〜図3は、本発明の一実施形態の記録装置における記録領域の周辺の構成を示したものである。図1は、本実施形態の記録装置の記録領域周辺を側面から見たときの概略断面図である。図2は、本実施形態の記録装置の記録領域周辺を記録面側(上方)から見たときの概略上面図である。図3は、本実施形態の記録装置の記録領域周辺を搬送方向より見たときの概略断面図である。
【0021】
図1〜図3において、記録シートPの幅方向に複数配列されたピンチローラ2は不図示のばねによって搬送ローラ1に圧接されている。搬送ローラ1は、ピンチローラ2と協働して記録シートPを挟持して搬送する搬送手段を構成している。搬送ローラ1の回転は、不図示の搬送モータの駆動によって行われ、これにより、記録シートPが所定量搬送される。搬送ローラ1によって搬送された記録シートPの上方には記録ヘッド3が配置されている。記録ヘッド3は、搬送ローラ1と平行に固設されたガイド軸4と、不図示のガイドレールにより記録シートPの搬送方向と交差する方向に往復移動可能に支持されている。記録ヘッド3は、不図示の記録ヘッド駆動手段により動作を制御される。記録ヘッド3は、インクを吐出することによって記録シートPに記録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッドである。記録ヘッド3の記録領域では、記録シートPの非記録面側にプラテン5が配設されている。プラテン5は、所定の間隔で記録シートPの幅方向に複数配列され、記録シートPの搬送方向に延びる凸部5aを備えており、凸部5aは記録シートPの非記録面に当接することによって記録シートPを支持する。なお、ピンチローラ2の回転軸は、記録シートPをプラテン5の凸部5aに確実に当接させるために、搬送ローラ1の回転軸の直上よりもプラテン5側に所定量だけずれた位置に配設されている。
【0022】
プラテン5の搬送方向下流側には、搬送ローラ1の駆動が伝達され回転する排紙ローラ6が配設されている。排紙ローラ6は、その回転軸である軸部6aと、記録シートPの幅方向に複数配列されたゴムローラ部6bとを一体的に備えている。各ゴムローラ部6bの配設位置は、記録シートPの幅方向におけるプラテン5の凸部5aの配設位置と一致している。排紙ローラ6の上方には、拍車ベース7が固設されている。拍車ベース7には、第1の拍車である複数の挟持拍車8と第2の拍車である複数の押し込み拍車9とが、それぞれに対応する複数の拍車ばね10を介して、それぞれ所定の位置に回転可能かつ上下に往復移動可能に支持されている。
【0023】
挟持拍車8と押し込み拍車9は、同一形状であり、記録直後の未定着インクが付着した記録シートPへの圧痕やインク跡を回避するため、外周に鋭利な突起が複数形成された鋸歯形状の薄円板部(SUS等の板圧約 0.1mm程度が好ましい)を備えており、刃先表面に撥水処理が施されている。
【0024】
また、挟持拍車8、押し込み拍車9の中心部には穴が設けられ、拍車ばね10が通されている。拍車ばね10は、SUS等の線材をコイル状に巻いた弾性軸であり、拍車ばね10の両端は、拍車ベース7に支持されている。挟持拍車8は、排紙ローラ6のゴムローラ部6bに対向してそれぞれ設けられ、拍車ばね10によってゴムローラ部6bに圧接している。また、挟持拍車8の回転軸は、拍車ベース7により排紙ローラ6の軸部6aの直上よりもプラテン5側に所定量ずれた位置に配設されている。こうすることによって、記録シートPをプラテン5の凸部5aへ押し付ける力が発生する。
【0025】
各押し込み拍車9は、排紙ローラ6のゴムローラ部6bの略中間位置にある軸部6aに対向してそれぞれ設けられ、拍車ベース7によって排紙ローラ6の略直上に支持されている。また、各押し込み拍車9の最下部は、記録シートPが当接していない状態で、ゴムローラ部6bの最上部より低い位置に、拍車ばね10によって下方にチャージされた状態で支持されている。つまり、各押し込み拍車9は、ゴムローラ部6bにおける記録シートPの搬送パスに食い込む様に位置し、記録シートPの紙厚方向に退避可能でかつ記録シートPの搬送に従動して回転可能に支持されている。排紙ローラ6の搬送方向下流側には不図示の排出トレイが設けられており、排出トレイは、排出された記録シートPを積載、保持する。
【0026】
上記構成において、不図示の給送部から送られた記録シートPは、搬送ローラ1とピンチローラ2とにより記録領域、すなわちプラテン5上へ送られる。記録シートPに画像を形成する時は、画像形成する行位置(記録シートPの搬送方向の位置)に記録シートPを搬送するとともに、画像形成する列位置(記録シートPの搬送方向と交差する位置)に記録ヘッド3を移動させ、記録ヘッド3を画像形成位置に対向させる。その後、不図示の電気基板からの信号に基づいて記録ヘッド3から記録シートPに向けてインクが吐出され、画像が形成される。本実施形態の記録装置では、上述の1行当たりの画像形成を所望の複数行繰り返し、記録シートP上に任意の画像形成を行っていく。記録シートPが図1に示すような状態にあるときには、記録シートPは、オフセットされたピンチローラ2の押し付け力によってプラテン5の凸部5aに押し付けられ、記録シートPの非記録面側がプラテン5の凸部5aに当接し、記録ヘッド103と記録シートPの距離がLに保たれる。そして、さらに、記録シートPが搬送され、図4に示すような状態になると、記録シートPの先端は、略同一高さに位置する、排紙ローラ6のゴムローラ部6bと挟持拍車8とのニップ(当接)部に、座屈することなく引き込まれる。
【0027】
記録シートPの先端は、押し込み拍車9に当接すると、押し込み拍車9からの反力を受ける。しかし、この時、記録シートPの先端部は、ゴムローラ部6bと挟持拍車8とにより挟持されているため、押し込み拍車9の反力は、記録領域にまで伝わることはなく、さらに、オフセット配置された挟持拍車8によって記録シートPがプラテン5の凸部5aに押し付けられているため、記録シートPと記録ヘッド3との距離Lは一定に保たれたままとなる。
【0028】
さらに、押し込み拍車9を介した拍車ばね10の付勢力が記録シートPの先端に加えられると、記録シートPには、部分的に記録シートPの剛性やインクが染み込む事による伸びに対応した量だけ押し下げられる。例えば、記録シートPが、インクが染み込んで伸び易く、かつ剛性が低い普通紙や再生紙であり、その記録シートPに多量のインクが吐出された場合には、記録シートPは、図3の実線で示すように、押し込み拍車9によって大きく押し込まれ、大きく波打った状態となる。このときの記録シートPの幅方向における挟持拍車8の位置の記録シートPの状態を図5の実線で示し、記録シートPの幅方向における押し込み拍車9の位置の記録シートPの状態を図5の2点鎖線で示す。記録ヘッド3と記録シートPとの距離は、挟持拍車8の位置においてはLとなり、押し込み拍車9の位置においては記録シートPの剛性やインクによる伸びに対応した量αを加えたL+αとなる。
【0029】
また、記録シートPが、インクが染み込んでも伸び難く、かつ剛性が高いフィルム基材シートである場合には、記録シートPは、図3の2点鎖線や図6の実線で示すような平坦な状態となる。図3に示すように、この状態では、押し込み拍車9は、普通紙等のときよりも上方に押し上げられる。以上のような記録シートPの波打ち状態は、記録シートPの先端部分に限らず、記録シートPの中央部分であっても、記録シートPの剛性やインクによる伸びに対応した量だけ押し下げられる。
【0030】
その結果、記録ヘッド3と記録シートPとの間の距離は、記録シートPの全域にわたってLあるいはL+αに保たれる。そして、記録ヘッド3により画像形成された記録シートPは、排紙ローラ6と複数個の挟持拍車8、押し込み拍車9とに挟持、搬送されて不図示の排紙トレイ上に排出される。
【0031】
以上述べたように、本実施形態の記録装置では、記録シートPをプラテン5の凸部5aと凸部5aとの間に押し込む押し込み拍車9を、挟持拍車8よりも、搬送方向下流側に設けることによって、押し込み拍車9の当接による反力が記録シートPの記録領域の部分にまで伝わらなくなる。また、押し込み拍車9によって記録シートPをプラテン5の凸部5aと凸部5aとの間に押し込むため、記録シートPと記録ヘッド3との距離を所定の値L以上に保つことができる。そのため、インクが染み込んで記録シートPが伸びたとしても、記録シートPがプラテン5から浮き上がることないので、記録シートPの全域において高品位な記録が可能となる。
【0032】
また、押し込み拍車9を付勢力に抗する記録シートPの反力によって移動可能とすることによって、記録シートPの伸びや剛性などに応じて、記録シートPの波打ち量を最適に保つことができるようになるため、高品位な記録が可能となる。
【0033】
さらに、排紙ローラ6のゴムローラ部6bと挟持拍車8との当接部の高さを、プラテン5の凸部5aの高さとほぼ同じとすることによって、ゴムローラ部6bと挟持拍車8とは、記録シートPを座屈させることなく、記録シートPを挟持、排出することができる。
【0034】
なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の記録装置の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば、電気熱変換体やレーザ光等)を備え、その熱エネルギによってインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式の記録装置では、他方式の記録装置よりも記録の高密度化,高精細化が達成されているからである。
【0035】
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0036】
加えて、本実施形態のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0037】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組合わせによるかのいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0038】
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態をとるもの等であってもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本実施例の記録装置は、以下に述べる効果を有する。
(1)シート材をプラテンの各凸部間に押し込む第2の拍車を、第1の拍車よりも、搬送方向下流側に設けることによって、シート材の先端が第2の拍車に衝突する時には、シート材は第1の拍車で挟持されているため、第2の拍車による反力がシート部材の記録領域上の部分にまで伝わらなくなり、また、第1の拍車によってシート材がプラテンの各凸部に押し付けられるようになるため、シート材と記録手段との距離を所定の値以上に保つことができる。そのため、インクが染み込んでシート材が伸びたとしても、シート材がプラテンから浮き上がることないので、シート材の全域において高品位な記録が可能となる。
(2)第2の拍車を付勢力に抗するシート材の反力によって移動可能とすることによって、シート材の伸びや剛性などに応じて、シート材の波打ち量を最適に保つことができるようになるため、高品位な記録が可能となる。
(3)排紙ローラと第1の拍車との当接部の高さを、凸部の高さとほぼ同じとすることによって、排紙ローラと各第1の拍車とは、シート材を座屈させることなく、シート材を挟持、排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の記録装置の記録領域周辺を側面から見たときの概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の記録装置の記録領域周辺を記録面側(上方)から見たときの概略上面図である。
【図3】本発明の一実施形態の記録装置の記録領域周辺を搬送方向より見たときの概略断面図である。
【図4】図1で示した記録装置の記録シートPの状態を説明する概略断面図である。
【図5】図1に示した記録装置における、インクにより伸びた記録シートPの状態を説明する概略断面図である。
【図6】図1に示した記録装置における、剛性が高く伸びの少ない記録シートPの状態を説明する概略断面図である。
【図7】従来のインクジェット記録装置における記録領域の周辺の構成を示す概略断面図である。
【図8】従来の記録装置の記録領域周辺を搬送方向より見たときの概略断面図である。
【図9】従来の記録装置における記録シートPの状態を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 搬送ローラ
2 ピンチローラ
3 記録ヘッド
4 ガイド軸
5 プラテン
5a 凸部
6 排紙ローラ
6a 軸部
6b ゴムローラ部
7 拍車ベース
8 挟持拍車
9 押し込み拍車

Claims (6)

  1. 記録手段によりシート材に記録を行う記録装置であって、前記記録手段の記録領域に前記シート材を搬送する搬送手段と、前記シート材の搬送方向と交差する方向に所定の間隔をおいて前記搬送方向に延びる形状であり、前記記録領域において前記シート材を支持する複数の凸部を備えるプラテンと、前記搬送方向において前記各凸部の下流側であって前記交差する方向において前記各凸部と同じ位置に配され、前記シート材を搬送する複数の排紙ローラと、前記複数の排紙ローラに従動して回転することによって前記シート材を前記複数の排紙ローラと挟持して搬送する複数の第1の拍車と、前記シート材が当接しない状態で最下部が前記排紙ローラの最上部よりも低くなるよう配設され、前記搬送方向において前記第1の拍車の下流側であって前記交差する方向において前記複数の排紙ローラ間に配され、前記シート材の移動に従動して回転しながら前記シート材を前記複数の凸部間に押し込む第2の拍車とを有し、前記第1の拍車の回転軸が、前記排紙ローラの回転軸に対して前記プラテン側に配置されている記録装置。
  2. 前記第1の拍車および前記第2の拍車には、前記シート材を押圧する付勢力が付与されている、請求項に記載の記録装置。
  3. 前記第2の拍車は、前記付勢力に抗して退避可能である、請求項に記載の記録装置。
  4. 前記排紙ローラと前記第1の拍車との当接部の高さは、前記凸部の高さと略同一である、請求項1〜のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記記録手段は、前記シート材に液体を吐出して記録を行う、請求項1〜のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記記録手段は、液体を吐出するための熱エネルギーを発生する熱エネルギー発生手段を有し、該熱エネルギ発生手段によって発生する熱エネルギーによって液体の状態変化を生起させ、液体を吐出する、請求項に記載の記録装置。
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