JP3762043B2 - ロータリ式密閉形圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば空気調和機の冷凍サイクルを構成するロータリ式密閉形圧縮機と、この圧縮機で冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なロータリ式密閉形圧縮機の構成は、密閉ケース内に電動機部およびこの電動機部と連結される圧縮機構部を収容しており、圧縮機構部で圧縮したガスを一旦密閉ケース内に吐出する、ケース内高圧形となっている。
【0003】
上記圧縮機構部は、シリンダ内に偏心ローラが偏心回転自在に収容される。また、シリンダにはベーン収納溝が設けられていて、ここにベーンが摺動自在に収納される。ベーンの先端縁は上記偏心ローラの周面に当接するよう押圧付勢体によって押圧付勢される。
【0004】
したがって、シリンダ内はベーンによって偏心ローラの回転方向に沿い二室に区分される。一室側に吸込み部が連通され、他室側に吐出部が連通される。吸込み部には吸込み管が接続され、吐出部は密閉ケース内に開口される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ベーンを押圧付勢する押圧付勢手段として、通常は弾性部材であるコイルスプリングが用いられる。このコイルスプリングの一端部を密閉ケース内周面に当接させ、他端部をベーン背面に当接させることにより、自由端側に当接するベーンを弾性的に押圧付勢する。上記コイルスプリングは常時ベーンを押圧付勢するから、起動直後から圧縮作用が開始される。
【0006】
そして、特に最近の主流になっている2シリンダのような多気筒ロータリ式の密閉形圧縮機の場合は、シリンダ単体の肉厚が薄くなり、かつコイルスプリングを収納するスペースの存在でシリンダの剛性が低下してしまう。そのため、シリンダの外径寸法をより大にして、シリンダの剛性低下を補う必要があるが、今度は密閉ケースの直径寸法が大となる。
【0007】
さらに、各シリンダにコイルスプリングを挿入するための横孔を設けるため、加工手間がかかる。2シリンダであるから2本のコイルスプリングを用意しなければならず、部品費がかさむ。各コイルスプリングの挿入工程を終えた状態で、再び飛び出さないように保持しなければならず、作業が非常に面倒である。
【0008】
また、各シリンダにコイルスプリング挿入用の横孔を設けることによって、ベーン溝の変形に対する強度が低下する。したがって、たとえばアークスポット溶接などの手段により各シリンダを密閉ケースに取付け固定すると、溶接時に生じる応力の影響でベーン溝が変形して、ベーンの円滑な動作が損なわれるなどの悪影響が生じる。
【0009】
一方、従来より多用されているR22冷媒に代わる新たな冷媒として、塩素原子を含まないHFC(ハイドロフルオロカーボン)混合冷媒が採用される予定となっている。
【0010】
このHFC混合冷媒を圧縮して高圧高温ガスに変え、冷凍サイクルに循環させる圧縮機としては、回転効率がよく、したがって圧縮性能の高いロータリ式密閉形圧縮機が最適である。
【0011】
そしてHFC混合冷媒は、理論冷凍能力が従来より用いられる冷媒の理論冷凍能力よりも大きい。なかでも、高圧・高能力の冷媒R410Aに変更することにより、現行のR22冷媒より高効率(COP)が期待できる。
【0012】
ただし、冷媒の持つ冷凍能力と作動圧力がR22比で約1.5倍と大きく、回転軸などの摺動部品にかかる圧力をR22と等価にするためには、シリンダの肉厚を薄くして対処する以外にない。
【0013】
しかしながら、シリンダの肉厚を薄くすれば当然、剛性が低下してしまう。シリンダの剛性が低下すれば、部品加工時の精度が出ないことはもちろん、組立て時の変形が増加して、ガス漏れによる効率低下を招く。
【0014】
しかも、2シリンダの圧縮機では、それぞれのシリンダの肉厚が1シリンダタイプに対して薄いから、R410A冷媒を用いる場合はシリンダの外径寸法を大にしなければならないなど、課題を助長する結果となっている。
【0015】
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、複数のシリンダを備えることを前提として、少なくとも1つのシリンダのベーンに対する押圧付勢手段を省略し、部品数と加工手間の軽減を図るとともに、そのシリンダの剛性を落とすことなく小型および薄肉化して、信頼性の向上を図れるロータリ式密閉形圧縮機および、このロータリ式密閉形圧縮機を備えた冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を満足するため、本発明のロータリ式密閉形圧縮機は、密閉ケース内に、電動機部およびこの電動機部と連結される圧縮機構部を収容し、上記圧縮機構部で圧縮したガスを一旦密閉ケース内に吐出してケース内高圧とするロータリ式密閉形圧縮機において、
上記圧縮機構部は、それぞれ偏心ローラが偏心回転自在に収容される複数のシリンダと、これらシリンダに設けられ、その先端縁が上記偏心ローラの周面に当接するよう押圧付勢手段によって押圧付勢され、偏心ローラの回転方向に沿ってシリンダ内を二室に区分するベーンとを具備し、
一方のベーンを押圧付勢する押圧付勢手段は、常時、一方のベーンを弾性的に押圧して先端縁を偏心ローラに当接させ、電動機部の運転開始とともに一方のシリンダ内でガス圧縮を行わせ密閉ケース内へ吐出させる弾性部材であり、
他方のベーンを押圧付勢する押圧付勢手段は、一方のシリンダ内から密閉ケース内へ吐出されるガス量が増大し、密閉ケース内が所定の高圧条件になった状態で他方のベーンに背圧をかけ、先端縁を偏心ローラに当接させて他方のシリンダ内でガス圧縮を行わせる密閉ケース内の高圧ガスのみである。
【0020】
好ましくは、上記電動機部は、運転周波数の調整が可能なインバータと、起動時は低い運転周波数とし、吐出圧力が所定圧力に到達した時点で運転周波数を高くするよう制御する制御手段とに電気的に接続される。
【0024】
上記目的を満足するため、本発明の冷凍サイクル装置は、密閉ケース内に、電動機部と連結されるロータリ式の圧縮機構部を収容し、この圧縮機構部で圧縮したガスを一旦密閉ケース内に吐出しケース内高圧とするロータリ式密閉形圧縮機であり、上記圧縮機構部は、それぞれ偏心ローラが偏心回転自在に収容される複数のシリンダと、これらシリンダに設けられ、その先端縁が上記偏心ローラの周面に当接するよう押圧付勢体によって押圧付勢され、偏心ローラの回転方向に沿ってシリンダ内を二室に区分するベーンとを具備し、一方のベーンを押圧付勢する押圧付勢手段として、常時、一方のベーンを弾性的に押圧して先端縁を偏心ローラに当接させ、電動機部の運転開始とともに一方のシリンダ内でガス圧縮を行わせ密閉ケース内へ吐出させる弾性部材を用い、他方のベーンを押圧付勢する押圧付勢手段として、一方のシリンダ内から密閉ケース内へ吐出されるガス量が増大し、密閉ケース内が所定の高圧条件になった状態で他方のベーンに背圧をかけ、先端縁を偏心ローラに当接させて他方のシリンダ内でガス圧縮を行わせる密閉ケース内の高圧ガスのみを用いたロータリ式密閉形圧縮機と、凝縮器、膨張機構および蒸発器とともに冷凍サイクルを構成した。
【0025】
上述の課題を解決する手段を採用することにより、シリンダの肉厚が薄くなっても、ベーンを押圧付勢するのに充分な信頼性が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、ロータリ式密閉形圧縮機の一実施の形態を、図面にもとづいて説明する。この圧縮機は、たとえば空気調和機の冷凍サイクルを構成しており、ここで用いられる冷媒はHFC混合冷媒である。そして、HFC混合冷媒のうちで、好ましくはR410Aを採用するとよい。
【0027】
このR410Aは、ジフルオロメタン(R32)と、ペンタフルオロエタン (R125)とを互いに50%(重量比)の割合で混合したものである。
図1に示すように、ロータリ式圧縮機は密閉ケース1を有する。この密閉ケース1内の下部には後述する圧縮機構部2が設けられ、上部には電動機部3が設けられる。これら電動機部3と圧縮機構部2とは回転軸4を介して連結される。
【0028】
電動機部3は、密閉ケース1の内面に固定されたステータ5と、このステータ5の内側に所定の間隙を存して配置され、かつ上記回転軸4が介挿されるロータ6とから構成される。
【0029】
上記電動機部3は、運転周波数を可変するインバータ30に接続されるとともに、インバータを介して、このインバータ30を制御する制御手段である制御部40に電気的に接続される。
【0030】
上記圧縮機構部2は、回転軸4の下部に、仕切り板7を介して上下に配設された2つのシリンダ8A,8Bを備えている。これらシリンダ8A,8Bは、使用する冷媒がR410A高圧冷媒であるところから、単位容積当りの熱輸送量が大きい。そのため、肉厚は従来のR22冷媒を用いたものよりも薄くして、排除容積の減少を図ってある。
【0031】
上部シリンダ8Aの上面部には主軸受9が重ね合わされ、バルブカバーaとともに取付けボルト10を介してシリンダ8Aに取付固定される。下部シリンダ8Bの下面部には副軸受11が重ね合わされ、バルブカバーbとともに取付けボルト12を介して上部シリンダ8Aに取付固定される。
【0032】
一方、上記回転軸4は、中途部と下端部が上記主軸受9と上記副軸受11に回転自在に枢支される。さらに回転軸4は各シリンダ8A,8B内部を貫通するとともに、略180°の位相差をもって形成される2つの偏心部4a,4bを一体に備えている。偏心部4a,4bは各シリンダ8A,8B内に位置され、かつこの周面にはローラ13a,13bが嵌合される。
【0033】
シリンダ8A,8Bは、上記仕切り板7および主軸受9と副軸受11で上下面が区画され、その内部にシリンダ室14a,14bが形成される。それぞれのシリンダ室14a,14bには偏心ローラ13a,13bが偏心回転自在に収容されていて、シリンダ室自体平面視で三日月状をなす。
【0034】
各シリンダ8A,8B内には、シリンダ室14a,14bを高圧側と低圧側に仕切るベーン15a,15bを備えている。それぞれのベーン15a,15bは、後述する押圧付勢手段である押圧付勢体によって偏心ローラ13a,13b側へ押圧付勢されるようになっている。
【0035】
両シリンダ8A,8Bにはそれぞれ吸込み管16a,16bが接続され、その一端側は密閉ケース1の外側で合流してアキュームレータ17に接続される。一方、密閉ケース1の上端部には導出管18が接続される。この導出管18は、凝縮器19と、膨張機構20および蒸発器21を介して上記アキュームレータ17に接続される。このようにして、たとえば空気調和機の冷凍サイクルが構成される。
【0036】
つぎに、図2にもとづいて各シリンダ8A,8Bと、上記押圧付勢体について詳述する。
上部シリンダ8Aと、下部シリンダ8Bには、互いに同一直径のシリンダ室14a,14bを形成する開口部が設けられるとともに、このシリンダ室14a,14bの周囲に互いに同一ピッチ径の複数の取付け用孔22…が設けられる。上部シリンダ8A側の取付け用孔22はねじ孔、下部シリンダ8B側の取付け用孔22は通し孔とする。
【0037】
各シリンダ8A,シリンダ8Bのシリンダ室14a,14bから外径側に向かって、それぞれ同一幅で、同一長さのベーン収納溝23a,23bが設けられている。これらベーン収納溝23a,23bはたとえばブローチ加工によるものであるので、ブローチ歯の逃げとして、両収納溝の端部において縦孔24a,24bが設けられる。
【0038】
上部シリンダ8Aのみ、外周面とベーン収納溝23aの縦孔24aと連通するよう横孔25が設けられていて、ここに押圧付勢体として弾性部材であるコイルスプリング26が収納される。このシリンダ8Aの外径寸法は、上記密閉ケース1の内径寸法とほぼ同一である。
【0039】
再び図1に示すように、上部シリンダ8Aの外径部は密閉ケース1の内径部に嵌着固定される。この状態で、上記コイルスプリング26の一端部はベーン収納溝23aに収納されるベーン15aの一側壁に当接し、他端部は密閉ケース1の内径部に当接する。
【0040】
上記コイルスプリング26は、ベーン15aを偏心ローラ13a側へ弾性的に押圧付勢する。ベーン15aの先端縁は平面視で半円状に形成されており、平面視で円形状の偏心ローラ13a周壁に摺接抵抗がほとんどない状態で、偏心ローラ13aの回転角度にかかわらずベーン15aは追従して線接触する。
【0041】
よって、偏心ローラ13aがシリンダ室14aの内周壁に沿って偏心回転すれば、ベーン15aはベーン収納溝23aに沿って往復運動することとなる。
再び図2に示すように、上部シリンダ8Aには、上記取付け用孔22のピッチ径よりも大きなピッチ径で、それぞれが平面視で湾曲状に形成される複数のガス抜き孔27が設けられる。
【0042】
一方、下部シリンダ8Bは、その外径寸法が上部シリンダ8Aの外径寸法よりも小さく形成される。実際には、取付け用孔22とベーン収納溝23bが設けられる最小限の外径寸法でしかなく、シリンダ室14bを形成する開口部に対して外径部は偏心している。
【0043】
上記ベーン収納溝23bには、上部シリンダ8Aに設けられるベーン15aと同一寸法形状のベーン15bが摺動自在に収容される。このベーン15bを偏心ローラ13b側に押圧付勢する押圧付勢体は、上,下部シリンダ室8A,8Bで圧縮され密閉ケース1内に吐出される高圧ガスである。
【0044】
しかして、制御部40がインバータ30を介して電動機部3に運転信号を送ると回転軸4が回転駆動され、上,下部シリンダ8A,8Bに備えられる偏心ローラ13a,13bはシリンダ室14a,14b内で偏心回転を行う。
【0045】
図3(A)に示すように、上部シリンダ8Aにおいては、ベーン15aが上記コイルスプリング26によって常に弾性的に押圧付勢されるところから、ベーン15aの先端縁が偏心ローラ13a周壁に摺接して、シリンダ室14a内を二分する。
【0046】
偏心ローラ13aのシリンダ室14a内周面転接位置とベーン15aの偏心ローラ当接位置とがほぼ一致する状態で、シリンダ室14aの空間容量が最大となる。冷媒ガス、すなわち低圧のHFC混合冷媒であるR410Aガスはアキュームレータ17から吸込管16aを介して上部シリンダ室14aに吸込まれ充満する。
【0047】
偏心ローラ13aの偏心回転にともなって、偏心ローラのシリンダ室14a内周面に対する転接位置が移動し、この転接位置から回転方向側へベーン15aの偏心ローラ当接位置までの区画されたシリンダ室14a容積が減少する。すなわち、先にシリンダ室14aに導かれたガスが徐々に圧縮される。
【0048】
回転軸4が継続して回転され、シリンダ室14aの容量がさらに減少して、ここに導かれたガスが圧縮され、所定圧まで上昇したところで図示しない吐出弁が開放し、バルブカバーaを介して高圧ガスが密閉ケース1内に吐出され充満する。そして、密閉ケース1内に充満した高圧ガスは密閉ケース上部の導出管18から吐出される。
【0049】
なお、電動機部3の起動直後は、上部シリンダ室14aで圧縮され密閉ケース1内に吐出される高圧ガスの量がごくわずかであり、密閉ケース内は完全な高圧状態になっていない。
【0050】
したがって、下部シリンダ8Bにおいてはベーン15bを押圧付勢する高圧ガスが存在せず、同図(A)に示すようにシリンダ室14b内で偏心ローラが13bが回転するけれども、ベーン15bはベーン収納溝23b内に完全収容され、その先端縁は偏心ローラに押されてシリンダ室へは突出しない。
【0051】
いわば、下部シリンダ室14bにおいて偏心ローラ13bが空廻りするのみであり、このシリンダ室では少しの圧縮作用もなされない。
所定時間が経過すると、上部シリンダ室14bから吐出される高圧ガスの量が増大して、密閉ケース1内が所定の高圧条件となる。すると、下部シリンダ8Bに備えられるベーン15bに大きな背圧がかり、同図(B)に示すようにベーンは偏心ローラ13b周壁に当接するよう押圧付勢される。
【0052】
したがって、下部シリンダ室14bにおいても、先に説明したような圧縮作用が開始される。上部シリンダ室14aにおいては引き続いて圧縮作用が継続される。これ以後は、運転停止に至るまで、密閉ケース1内が高圧を保持するから、下部シリンダ室14bにおける圧縮作用は継続される。
【0053】
図1に示すように、密閉ケース1から導出管18を介して導出される高圧ガスは、凝縮器19に導かれて凝縮液化し、膨張機構20で断熱膨張し、蒸発器21で熱交換空気から蒸発潜熱を奪って冷房作用をなす。そして、蒸発したあとの冷媒はアキュームレータ17に導かれて気液分離され、再び吸込み管16a,16bから圧縮機の圧縮機構部2に吸込まれて上述の経路を循環する。
【0054】
なお、下部シリンダ室14bにおける圧縮開始時間を早くしたい場合は、制御部40はインバータ30を制御して、運転開始時から回転軸4の回転数を大きくしケース内圧を短時間で所定圧まで上昇させるようにすればよい。
【0055】
逆に運転開始時間を遅くしたい場合には、制御部40はインバータ30を制御して、運転開始時から回転軸4の回転数を小さくしケース内圧が所定圧まで上昇するのに時間をかける。そして、下部シリンダ室14b内へベーン15bの突出が完了したと思われる時間のあと、回転数を上げてもよい。
【0056】
下部シリンダ室14b側のベーン15bは、密閉ケース1内圧と、このシリンダ室14b圧力との圧力差で突出するが、下部シリンダ室14bでは圧縮が開始されるまではシステムの低圧側にあり、ケース内圧がこれより多くても0.1メガパスカル(MPa)高ければ、ほぼ上部シリンダ室14aのベーン15aを押圧付勢するコイルスプリング26の押圧力と等価であり、ベーン15bの突出と偏心ローラ13bの回転運動の追従は可能である。
【0057】
通常、商用電源(50/60Hz)では数秒以内に、かつインバータ電源で10Hzからのスタートであれば最大10秒以内に、下部シリンダ室14bへ突出するようベーン15bに対する押圧付勢のための圧力発生が可能である。
【0058】
このようにして、下部シリンダ室14b側へベーン15bを押圧付勢する押圧付勢手段として、密閉ケース1内の高圧ガスを利用しても、機能上は少しの問題もない。
【0059】
ちなみに、運転を継続してシステムが安定した条件では、ケース内圧力によるベーン15bの押圧付勢力は、上部シリンダ8Aに備えられるコイルスプリング26の押圧付勢力(弾性力)の数十倍もあり、本来、コイルスプリングは機能上は必要ないどころか、若干の仕事量の増加を発生させることとなる。
【0060】
また、本発明の圧縮機では、起動時に1シリンダ(ここでは、上部シリンダ8A)だけの圧縮作用をなすので、回転軸4などの摺動部品にかかる負荷を半減させる特徴がある。すなわち、空気調和機のような冷媒封入量の多い機器では、使用条件によっては起動時に瞬間的に多量の液冷媒をシリンダ室に吸込んで液圧縮を生じる。このとき、各摺動部品が破損する恐れがある。
【0061】
しかるに、本発明の構成を採用すれば、摺動部品にかかる負荷を軽減しているので破損の防止を図れる。これはまた、この種のロータリ式圧縮機に常備されているアキュームレータ17の省略をなすことも可能である。
【0062】
いずれにしても、少なくともベーン15bを押圧付勢する手段として密閉ケース1内の高圧ガスを利用する下部シリンダ8Bにおいては、コイルスプリング26を挿入するための横孔25が不要となり、このシリンダの肉厚が薄くても剛性の向上を図ることができ、ベーン収納溝23bの変形が最小となる。
【0063】
なお、上記ベーン15bの急激な飛び出しは偏心ローラ13bとベーンとの打音発生の要因となるので、急激な運転周波数の増大は避けた方がよい。ケース内圧の急速な圧力上昇を避ける手段として、制御部40はインバータ30を制御して、電動機部3の運転周波数を起動時に低くし、ケース内圧を高圧化するのに時間をかけてベーン15bの突出速度を遅くし、このあと運転周波数を高くすればよい。また、膨張機構20を構成する膨張弁の絞りを緩めたり、図示しない除霜用弁を開放するなどの手段も有効である。
【0064】
上記実施の形態においては、上部シリンダ8Aにおけるベーン15aを押圧付勢する手段としてコイルスプリング26を備え、この上部シリンダ外径部を密閉ケース1内径部に嵌着固定し、かつ下部シリンダ8Bにおけるベーン15bを押圧付勢する手段として密閉ケース内の高圧ガスを用いたが、これに限定されるものではなく、以下に述べるように構成してもよい。
【0065】
すなわち、図4に示すような、ロータリ式密閉形圧縮機とする。先に図1で説明した圧縮機とは、後述するように上部シリンダ80Aにおけるベーン15aの押圧付勢手段と、下部シリンダ80Bにおけるベーン15bの押圧付勢手段のみ相違する。
【0066】
この他、図面上は構成の細部において若干の相違があるが、基本的には全く同一部品からなるので、同番号を付して新たな説明は省略する。そして、電気制御と冷凍サイクルの構成は、先のものと同一であるので、ここでは省略する。
【0067】
上部シリンダ80Aは、図5(A)に示すような平面視形状をなす。すなわち、円形状の開口部であるシリンダ室14aと同心の円形状のシリンダ本体80aが形成される。
【0068】
このシリンダ本体80aの周面一部に、ほぼ扇状をなす比較的大きな面積の第1の鍔部80bが一体に突設される。そして、この第1の鍔部80b中心のほぼ180°存した位置に、ほぼ矩形状をなし、第1の鍔部よりも小面積の第2の鍔部80cが突設される。
【0069】
上記第1の鍔部80b外周面および第2の鍔部80c外周面は、シリンダ室14aおよびシリンダ本体80aと同心であり、しかも密閉ケース1内径部と同一半径の円弧状をなす。
【0070】
シリンダ本体80aには、シリンダ室14aに開口し、ベーン15aを収納するためのベーン収納溝23aが設けられている。そして、シリンダ本体80aと第1の鍔部80bとの境目部分にベーン収納溝23a加工上の逃げ孔である縦孔24aが設けられる。
【0071】
また、シリンダ本体80aの所定位置には取付けねじ10を介して、主軸受9を上部シリンダ80Aに取付け固定するための複数のねじ孔22が設けられている。
【0072】
下部シリンダ80Bは、図5(B)に示すような平面視形状をなす。すなわち、円形状の開口部であるシリンダ室14bと同心の円形状のシリンダ本体80aが形成される。このシリンダ本体80aの周面一部に、ほぼ矩形状をなす鍔部80dが突設される。
【0073】
シリンダ本体80aには、シリンダ室14bに開口し、ベーン15bを収納するためのベーン収納溝23bが設けられていて、シリンダ本体80aと鍔部80dとの境目部分にベーン収納溝23b加工上の逃げ孔である縦孔24bが設けられる。
【0074】
さらに、この縦孔24bの中間部には上記ベーン収納溝23bと連通するよう横孔25が設けられていて、ここに押圧付勢手段としての弾性部材であるコイルスプリング26が挿入され、かつ横孔25端面は、図4にのみ示す蓋体28によって閉塞される。
【0075】
また、シリンダ本体80aの所定位置には、取付けねじ12を介して下部シリンダ80Bと仕切り板7および副軸受11を上部シリンダ80Aに取付け固定させるための複数の通し孔22が設けられる。
【0076】
再び図4に示すように、上部シリンダ80A外径部は密閉ケース1内径部に嵌着固定される。したがって、特に図示しないが、先に説明したシリンダ本体80a、第1の鍔部80b、第2の鍔部80cおよび密閉ケース1内径部との間に、ガス抜き用の空間部が形成されることになる。
【0077】
そして、シリンダ室14aには偏心ローラ13aが偏心回転自在に収容され、ベーン収納溝23aにはベーン15aが収納されているけれども、このベーンを押圧する手段として密閉ケース1内の高圧ガスを用いるところから、ベーン以外の収納はない。
【0078】
下部シリンダ80Bのシリンダ室14bには偏心ローラ13bが偏心回転自在に収容され、ベーン収納溝23bにはベーン15bが収納される。このベーン15bは、コイルスプリング26によって偏心ローラ13b周面に当接するよう弾性的に押圧付勢される。
【0079】
このようにして構成されるロータリ式密閉形圧縮機であって、電動機部3の起動直後は、下部シリンダ室14bで圧縮され密閉ケース1内に吐出される高圧ガスの量がごくわずかであり、密閉ケース内は完全な高圧状態になっていない。
【0080】
したがって、上部シリンダ80Aにおいてはベーン15aを押圧付勢する高圧ガスが存在せず、シリンダ室14a内で偏心ローラが13aが回転するけれども、ベーン15aはベーン収納溝23a内に完全収容され、その先端縁はローラに押されてシリンダ室へは突出しない。偏心ローラ13aは空廻りするだけで、このシリンダ室14aでは少しの圧縮作用もなされない。
【0081】
所定時間が経過すると、下部シリンダ室14bから吐出される高圧ガスの量が増大して、密閉ケース1内が所定の高圧条件となる。したがって、上部シリンダ80Aに備えられるベーン15aに大きな背圧がかり、ベーンは偏心ローラ13a周壁に当接するよう押圧付勢される。
【0082】
したがって、上部シリンダ室14aにおいても、先に説明したような圧縮作用が開始される。下部シリンダ室14bにおいては引き続いて圧縮作用が継続される。これ以後は、運転停止に至るまで、密閉ケース1内が高圧を保持するから、上部シリンダ室14aにおける圧縮作用は継続される。
【0083】
なお、図1の圧縮機および図4の圧縮機に拘らず、密閉ケース1内の高圧ガスによって押圧付勢されるベーン15a,15bの背面は、図6もしくは図7に示すようにするとよい。
【0084】
はじめに図6から説明すると、ベーン収納溝加工用逃げ孔としての縦孔24a,24bの半径をRc としたとき、ベーン15a,15bの縦孔側端部背面は半径Rv である断面円弧状に形成される。そして、ベーン15a,15bの断面円弧状の半径Rv は縦孔の半径Rc よりも小(Rv <Rc )に形成される。
【0085】
特に、ケース内圧によって押圧付勢されるベーンの起動開始から、ケース内圧とそのシリンダ室圧力との差圧が0.1MPa になるまでの極めて短時間の間は、ベーン先端部と偏心ローラ周面およびベーン背面と縦孔周面とが断続的に接触するため、断続音が発生する虞れがある。
【0086】
図6の構成を採用することにより、ベーン15a,15bの先端部はもちろんのこと、背面においてもR面同士が接触するため、断続音の発生がより抑制される。そして、材質的に脆いベーンやシリンダに欠けや傷が付かずにすみ、よってベーンとシリンダとの食いつき等が防止される。
【0087】
つぎに、図7を説明すると、ここでは縦孔24a,24bの半径は所定寸法あればよい。ただし、ベーン15a,15bの背面両エッジ部を半径1mm以下のR部とする。
【0088】
したがって、ベーン15a,15b背面においてR面同士が接触するため、断続音の発生がより抑制される。そして、材質的に脆いベーンやシリンダに欠けや傷が付かずにすみ、ベーンとシリンダとの食いつき等が防止されることは変わりがない。
【0089】
なお上記実施の形態によれば、シリンダ室を2つ備えた2シリンダ式の圧縮機について説明したが、これに限定されるものではなく、2シリンダ以上の多シリンダのロータリ式密閉形圧縮機に適用することが可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のロータリ式密閉形圧縮機によれば、一方のベーンを押圧付勢する手段として弾性部材を用い、他方のベーンを押圧付勢する手段として密閉ケース内の高圧ガスのみを用いたから、高圧ガスを押圧付勢手段としたシリンダ側における部品点数の削減と、加工の軽減化を図れるなどの効果を奏する。
【0093】
そして、高圧ガスを押圧付勢体としたシリンダにおいて、ローラとベーンとの打音の解消を得られる。
【0094】
また、本発明の冷凍サイクル装置によれば、冷凍サイクルにおける、特に圧縮機の構成部品の削減と、組立て工数の削減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す、ロータリ式密閉形圧縮機の縦断面図。
【図2】同実施の形態の、上部シリンダと下部シリンダを分解した斜視図。
【図3】(A)は同実施の形態の、起動直後の上部シリンダ室と下部シリンダ室の状態説明図。
(B)は、圧縮安定時の上部シリンダ室と下部シリンダ室の状態説明図。
【図4】他の実施の形態を示す、ロータリ式密閉形圧縮機の縦断面図。
【図5】(A)は同実施の形態の、上部シリンダの平面図。
(B)は下部シリンダの平面図。
【図6】さらに異なる他の実施の形態の、ベーン背面と縦孔の平面図。
【図7】さらに異なる他の実施の形態の、ベーン背面と縦孔の平面図。
【符号の説明】
1…密閉ケース、
3…電動機部、
2…圧縮機構部、
13a,13b…偏心ローラ、
8A,80A…上部シリンダ、
8B,80B…下部シリンダ、
26…押圧付勢体(コイルスプリング)、
15a,15b…ベーン、
30…インバータ、
40…制御手段(制御部)、
24a,24b…縦孔。
Claims (3)
- 密閉ケース内に、電動機部およびこの電動機部と連結されるロータリ式の圧縮機構部を収容し、上記圧縮機構部で圧縮したガスを一旦密閉ケース内に吐出してケース内高圧とするロータリ式密閉形圧縮機において、
上記圧縮機構部は、
それぞれ偏心ローラが偏心回転自在に収容される複数のシリンダと、
これらシリンダに設けられ、その先端縁が上記偏心ローラの周面に当接するよう押圧付勢手段によって押圧付勢され、偏心ローラの回転方向に沿ってシリンダ内を二室に区分するベーンとを具備し、
一方のベーンを押圧付勢する押圧付勢手段は、
常時、一方のベーンを弾性的に押圧して先端縁を偏心ローラに当接させ、電動機部の運転開始とともに一方のシリンダ内でガス圧縮を行わせ密閉ケース内へ吐出させる弾性部材であり、
他方のベーンを押圧付勢する押圧付勢手段は、
一方のシリンダ内から密閉ケース内へ吐出されるガス量が増大し、密閉ケース内が所定の高圧条件になった状態で他方のベーンに背圧をかけ、先端縁を偏心ローラに当接させて他方のシリンダ内でガス圧縮を行わせる密閉ケース内の高圧ガスのみであることを特徴とするロータリ式密閉形圧縮機。 - 上記電動機部は、運転周波数の調整が可能なインバータと、起動時は低い運転周波数とし、吐出圧力が所定圧力に到達した時点で運転周波数を高くするよう制御する制御手段とに電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載のロータリ式密閉形圧縮機。
- 密閉ケース内に、電動機部およびこの電動機部と連結されるロータリ式の圧縮機構部を収容し、上記圧縮機構部で圧縮したガスを一旦密閉ケース内に吐出してケース内高圧とするロータリ式密閉形圧縮機であり、
上記圧縮機構部は、それぞれ偏心ローラが偏心回転自在に収容される複数のシリンダと、これらシリンダに設けられ、その先端縁が上記偏心ローラの周面に当接するよう押圧付勢体によって押圧付勢され、偏心ローラの回転方向に沿ってシリンダ内を二室に区分するベーンとを具備し、
一方のベーンを押圧付勢する押圧付勢手段として、常時、一方のベーンを弾性的に押圧して先端縁を偏心ローラに当接させ、電動機部の運転開始とともに一方のシリンダ内でガス圧縮を行わせ密閉ケース内へ吐出させる弾性部材を用い、
他方のベーンを押圧付勢する押圧付勢手段として、一方のシリンダ内から密閉ケース内へ吐出されるガス量が増大し、密閉ケース内が所定の高圧条件になった状態で他方のベーンに背圧をかけ、先端縁を偏心ローラに当接させて他方のシリンダ内でガス圧縮を行わせる密閉ケース内の高圧ガスのみを用いたロータリ式密閉形圧縮機と、凝縮器、膨張機構および蒸発器とともに冷凍サイクルを構成したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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