JP3761472B2 - コンベヤー装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、砂、砂利、泥状物、産業廃棄物、ヘドロ状物質などの各種被搬送物を落下させることなく垂直を含む急傾斜搬送を可能にするコンベヤー装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から無端状で幅方向両側における表面に全長に亘って波型フランジを備えてなる主搬送ベルトと、この主搬送ベルトの両側の波型フランジ間の空間部を閉じるとともに波型フランジ間の空間部を主搬送ベルトの長さ方向に等間隔おきに仕切るクリートを表面に備えてなる同じく無端状の押さえベルトとからなるコンベヤー装置が知られている。
【０００３】
図５〜図７に基づきこの従来から知られているコンベヤー装置について説明すると、１は無端状の主搬送ベルトで、この主搬送ベルト１は幅方向両側における表面に全長に亘って波型フランジ２，２を備えている。３は前記主搬送ベルト１の両側の波型フランジ２，２間の空間部を閉じるとともに波型フランジ２，２間の空間部を主搬送ベルト１の長さ方向に等間隔おきに仕切るクリート４を表面に備えてなる同じく無端状の押さえベルトである。
【０００４】
前記主搬送ベルト１は水平な搬入部５と、垂直な立ち上がり部６と、立ち上がり部６の上端から緩やかな角度で上向きに傾斜する搬出部７を備え、上端のヘッドプーリー８と下端のテールプーリー９との間で無端環状に架け渡され、キャリヤ側の搬入部５から立ち上がり部６への変角には端ローラー１０が、キャリヤ側の立ち上がり部６から搬出部７への変角には支持ローラー１１が、リターン側の搬出部７から立ち上がり部６への変角にはディスクプーリー１２が、リターン側の立ち上がり部６から搬入部５への変角にはベンドプーリー１３が、搬入部５の内側と立ち上がり部６の内側にはそれぞれキャリヤローラー１４，１５が配され、全体がほぼＺ型を呈している。
【０００５】
また、前記押さえベルト３は上端のヘッドプーリー１６と下端のテールプーリー１７との間で無端状に架け渡され、前記主搬送ベルト１の立ち上がり部６に対して押さえローラー１８により押し付けられている。なお、前記主搬送ベルト１の搬入部５から立ち上がり部６への変角部に対応する押さえベルト３は支持ローラー１９で受けられ、主搬送ベルト１の立ち上がり部６から搬出部７への変角部に押さえベルト３が沿うようにその変角部における主搬送ベルト１の外側に被る押さえベルト３は幅方向両側部が端ローラー２０で受けられている。
【０００６】
そして、このような構成のコンベヤー装置において、主搬送ベルト１の搬入部５に載せられた被搬送物は主搬送ベルト１と押さえベルト３との合わさり部から主搬送ベルト１が押さえベルト３によって閉じられるとともに、押さえベルト３に設けた前記クリート４によって主搬送ベルト１が長さ方向に等間隔おきに仕切られ、主搬送ベルト１と押さえベルト３が同期しながら駆動することから、被搬送物は主搬送ベルト１と押さえベルト３との間で包み込まれた状態で主搬送ベルト１の立ち上がり部６を上向きに搬送される。主搬送ベルト１の上端の搬出部７は押さえベルト３によって閉じられておらず、主搬送ベルト１の搬出部７の端部から被搬送物が送り出されるのである。
【０００７】
上記構成において、主搬送ベルト１はキャリヤ側の立ち上がり部６と搬出部７との間の変角部が１箇所であり、その変角部において主搬送ベルト１は全幅を支持ローラー１１で受けられ、その変角部における主搬送ベルト１の外側に被る押さえベルト３は幅方向両側部が端ローラー２０で受けられていることから、押さえベルト３には張力の関係で幅方向中央に向かって大きく撓み（図７参照）、これにより押さえベルト３の両側部で主搬送ベルト１の波型フランジ２，２が圧迫されて変形して押さえベルト３と主搬送ベルト１の波型フランジ２，２との間に隙間が発生し、この隙間より被搬送物がこぼれ出て、下方に落下するという問題があった。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を解決するもので、主搬送ベルトのキャリヤ側の立ち上がり部と搬出部との間の変角部からこぼれ出た被搬送物を回収して下方への落下を防止することを目的とするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、幅方向両側における表面に全長に亘って波型フランジを備えてなる無端状の主搬送ベルトと、この主搬送ベルトの両側の波型フランジ間の空間部を閉じるとともに波型フランジ間の空間部を主搬送ベルトの長さ方向に等間隔おきに仕切るクリートを表面に備えてなる無端状の押さえベルトを備え、前記主搬送ベルトは水平な搬入部と、この搬入部に下端が繋がる立ち上がり部と、この立ち上がり部の上端に一端が繋がる搬出部を備え、主搬送ベルトはキャリヤ側の立ち上がり部と搬出部との間の変角部をそれぞれが支持回転体により形成された下部変角部と上部変角部の２箇所設け、この下部変角部と上部変角部との間に短い直線部が存在するように形成して、この２段折れ状態の主搬送ベルトの下部変角部と上部変角部と、この間の直線部に押さえベルトが沿うように構成されてなるコンベヤー装置であって、前記下部変角部の直ぐ下側に落下物を受ける回収装置を設けてなり、前記回収装置は、下部変角部の直ぐ下側位置で主搬送ベルトの波型フランジの外側の板部と押さえベルトとの間に配置される上端開口の第１の回収ホッパーと、主搬送ベルトの前記外側の板部の裏側位置に配置され前記第１の回収ホッパーとの間で主搬送ベルトの前記外側の板部を挟む上端開口の第２の回収ホッパーと、第２の回収ホッパーの上端に取り付けられ主搬送ベルトの前記外側の板部から外側にこぼれ落ちる被搬送物を受ける受け板とからなることを要旨とするものである。
【００１０】
この構成により、主搬送ベルトのキャリヤ側の立ち上がり部と搬出部との間を２箇所に分けて変角させ、下部変角部の直ぐ下側に回収装置を設けることによって押さえベルトと主搬送ベルトとの間に隙間が発生しても僅かであり、その僅かな隙間からこぼれ落ちた落下物を回収装置によって受け止めることにより、コンベヤー装置下端への被搬送物の落下を防止することができる。また、主搬送ベルトを２箇所に分けて変角させることにより、下部変角部は緩やかに湾曲し、下部変角部と上部変角部との間の短い直線部は立ち上がり部に対して小さな角度で傾斜するため、下部変角部の直ぐ下側に回収装置を設けることによって落下物を効果的に受け止めることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面（図１〜図４）に基づいて説明する。なお図中、前記従来例と同一部材は同一符号で示し、その詳細説明は省略する。
【００１２】
図において、本実施の形態のコンベヤー装置は、主搬送ベルト１はキャリヤ側の立ち上がり部６と搬出部７との間の変角部を下部変角部２１と上部変角部２２の２箇所設けてある。即ち、本実施の形態のコンベヤー装置は、下部変角部２１を多数本の支持ローラー１１により形成し、上部変角部２２を１本のベンドプーリー３０により形成することにより、この下部変角部２１と上部変角部２２との間に短い直線部２３が存在するように形成して、所謂２段折れ状態とし、この２段折れ状態の主搬送ベルト１の下部変角部２１と上部変角部２２と、この間の直線部２３に押さえベルト３が沿うように構成されている。さらに詳しくは、前記主搬送ベルト１の下部変角部２１は約３０度の角度で変角し、また上部変角部２２はすぐ下側の短い直線部から約５０度の角度で変角しており、また前記押さえベルト３は主搬送ベルト１の上部変角部２２の位置では曲げずに直線のまま主搬送ベルト１から離れるように構成されている。
【００１３】
本実施の形態のコンベヤー装置は上記構成に加えて前記下部変角部２１の直ぐ下側の位置に回収装置２４を設けてある。この回収装置２４は前記下部変角部２１において押さえベルト３と主搬送ベルト１の波型フランジ２，２との間に仮に隙間が発生してその隙間から被搬送物がこぼれ出てもその落下物を受けることのできる上端開口の第１の回収ホッパー２５を下部変角部２１の直ぐ下側位置で主搬送ベルト１の波型フランジ２，２の外側の板部１ａ，１ａと押さえベルト３との間に配置するとともに、前記第１の回収ホッパー２５との間で主搬送ベルト１の波型フランジ２，２の外側の板部１ａ，１ａを挟む上端開口の第２の回収ホッパー２６を主搬送ベルト１の前記外側の板部１ａ，１ａの裏側位置に配置している。第１の回収ホッパー２５は主搬送ベルト１の前記外側の板部１ａ，１ａの端縁に揃うように設けられているが、第２の回収ホッパー２６は主搬送ベルト１の前記外側の板部１ａ，１ａの端縁から外側に張り出すように設けられており、この第２の回収ホッパー２６の上端には主搬送ベルト１の前記外側の板部１ａ，１ａから外側にこぼれ落ちる被搬送物を受ける受け板２７が取り付けられ、受け板２７上で受けられた落下物２８は受け板２７上を滑り落ちて第２の回収ホッパー２６内に入るようになっている。なお、前記第１の回収ホッパー２５ならびに第２の回収ホッパー２６の下端はシュート２９に繋がり、第１の回収ホッパー２５と第２の回収ホッパー２６で受けられた落下物２８はシュート２９を通って1箇所に回収される。
【００１４】
上記した第１の回収ホッパー２５と第２の回収ホッパー２６とから構成される回収装置２４は下部変角部２１の直ぐ下側の両側位置に設けられ、主搬送ベルト１上の被搬送物の両側からの落下を受け止めるようになっている。なお、他の構成は前記従来例と同じであるため、その詳細説明は省略する。
【００１５】
なお、上記のように主搬送ベルト１を２箇所に分けて変角させてあることにより、これに沿う押さえベルト３に働く張力が軽減され、それにより押さえベルト３の幅方向中央に向かう撓み量が小さくなって押さえベルト３はほぼ自然の正常な状態を保つことができ、前記従来例のように押さえベルト３の両側部で主搬送ベルトの波型フランジ２，２が圧迫されて変形して押さえベルト３と主搬送ベルト１の波型フランジ２，２との間に隙間が発生することによる被搬送物の落下という問題を軽減できるのであるが、押さえベルト３と主搬送ベルト１の波型フランジとの間に隙間が発生しても僅かであり、その僅かな隙間からこぼれ落ちた落下物２８を前記回収装置２４によって受け止めることにより、コンベヤー装置下端への被搬送物の落下は無くなる。また、上記のように主搬送ベルト１を２箇所に分けて変角させることにより、下部変角部２１は緩やかに湾曲し、下部変角部２１と上部変角部２２との間の短い直線部は立ち上がり部６に対して小さな角度で傾斜するため、下部変角部２１の直ぐ下側に回収装置２４を設けることによって落下物２８を効果的に受け止めることができるようになる。
【００１６】
なお、上記実施の形態では主搬送ベルト１の下部変角部２１を多数本の支持ローラー１１により形成し、上部変角部２２を１本のベンドプーリー３０により形成しているが、上部変角部２２も多数本の支持ローラーにより形成しても良い。つまり、上部変角部２２は１本のベンドプーリー３０あるいは多数本の支持ローラーなどの支持回転体により形成するようにすれば良い。
【００１７】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、主搬送ベルトのキャリヤ側の立ち上がり部と搬出部との間を２箇所に分けて変角させ、下部変角部の直ぐ下側に回収装置を設けることによって押さえベルトと主搬送ベルトとの間に隙間が発生しても僅かであり、その僅かな隙間からこぼれ落ちた落下物を回収装置によって受け止めることにより、コンベヤー装置下端への被搬送物の落下を防止することができる。また、主搬送ベルトを２箇所に分けて変角させることにより、下部変角部は緩やかに湾曲し、下部変角部と上部変角部との間の短い直線部は立ち上がり部に対して小さな角度で傾斜するため、下部変角部の直ぐ下側に回収装置を設けることによって落下物を効果的に受け止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態におけるコンベヤー装置の側面図である。
【図２】同要部拡大側面図である。
【図３】同要部拡大一部切り欠き斜視図である。
【図４】同要部拡大平面図である。
【図５】従来例におけるコンベヤー装置の側面図である。
【図６】同コンベヤー装置の要部拡大斜視図である。
【図７】図５のＸ−Ｘ断面図である。
【符号の説明】
１ 主搬送ベルト
１ａ 板部
２ 波型フランジ
３ 押さえベルト
４ クリート
５ 搬入部
６ 立ち上がり部
７ 搬出部
１１ ベンドプーリー
２１ 下部変角部
２２ 上部変角部
２３ 直線部
２４ 回収装置
２５ 第１の回収ホッパー
２６ 第２の回収ホッパー
２７ 受け板
２８ 落下物
２９ シュート
３０ ベンドプーリー

Claims (1)

1. 幅方向両側における表面に全長に亘って波型フランジを備えてなる無端状の主搬送ベルトと、この主搬送ベルトの両側の波型フランジ間の空間部を閉じるとともに波型フランジ間の空間部を主搬送ベルトの長さ方向に等間隔おきに仕切るクリートを表面に備えてなる無端状の押さえベルトを備え、前記主搬送ベルトは水平な搬入部と、この搬入部に下端が繋がる立ち上がり部と、この立ち上がり部の上端に一端が繋がる搬出部を備え、主搬送ベルトはキャリヤ側の立ち上がり部と搬出部との間の変角部をそれぞれが支持回転体により形成された下部変角部と上部変角部の２箇所設け、この下部変角部と上部変角部との間に短い直線部が存在するように形成して、この２段折れ状態の主搬送ベルトの下部変角部と上部変角部と、この間の直線部に押さえベルトが沿うように構成されてなるコンベヤー装置であって、前記下部変角部の直ぐ下側に落下物を受ける回収装置を設けてなり、前記回収装置は、下部変角部の直ぐ下側位置で主搬送ベルトの波型フランジの外側の板部と押さえベルトとの間に配置される上端開口の第１の回収ホッパーと、主搬送ベルトの前記外側の板部の裏側位置に配置され前記第１の回収ホッパーとの間で主搬送ベルトの前記外側の板部を挟む上端開口の第２の回収ホッパーと、第２の回収ホッパーの上端に取り付けられ主搬送ベルトの前記外側の板部から外側にこぼれ落ちる被搬送物を受ける受け板とからなることを特徴とするコンベヤー装置。

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