JP3759947B1 - マグネット式ロッドレスシリンダ - Google Patents
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Abstract
【課題】 内圧による歪み・応力を小さく押えて実用できるマグネット式ロッドレスシリンダを提供する。
【解決手段】 扁平な外周形状のシリンダチューブ2に、一対の独立したシリンダ孔3、3を設けた。これにより、エンドキャップ5に設けたポート7からシリンダチューブ2内に交互に圧空を供給すると、シリンダ作動用の内圧がシリンダチューブ2に作用した時に、内圧の作用の仕方が均一となり、シリンダチューブ2の応力やたわみが著しく小さなものとなる。
【選択図】 図1
Description
特許文献6には、ロッドタイプのシリンダにおいて、1つのシリンダチューブに2つのシリンダ孔が並設されているものが開示してある。特許文献7には、スリットチューブ式ロッドレスシリンダであるが、外形が非円形である単一のシリンダチューブに3つのシリンダ孔を備えたものが開示してある。特許文献8には、スライド体に取付部材を通過するためのすり割りを設けたマグネット式ロッドレスシリンダが開示してある。なお特許文献4、5、7は、スリットチューブ式ロッドレスシリンダの技術であり、また特許文献6はロッドシリンダの技術であるが、広く流体圧シリンダ分野の背景技術として例示した。
こうした問題は、特許文献1、2のような非円形外形のチューブを備えたものでも生じると考えられるし、また、特許文献3のように、真円の円筒チューブを2つ、比較的距離をおいて並設する構成においても、夫々の円筒チューブとスライド体との間で発生している、と考えてよい。
より具体的な請求項3記載の発明には、請求項2記載のシリンダチューブ断面外形は長円であり、シリンダ孔断面は真円であって該シリンダ孔は、シリンダチューブ断面において長軸方向に並設されているとよい。
別の形態として請求項4記載の発明は、請求項2において、シリンダチューブ断面外形は長方形であり、シリンダ孔断面は矩形であって該シリンダ孔は、シリンダチューブ断面において長軸方向に並設されていてもよい。
さらに、複数のシリンダ孔に嵌装されるピストンの内側磁石間では、互いに磁力の影響を及ぼしあってシリンダチューブ軸線方向に反発し合い、止まっているスライド体に対して内側磁石が軸線方向に僅かにずれた状態で静止していて、その「ずれ」により、静止状態において内側磁石とスライド体との間に磁石保持力が発生しているため、動作開始時にスティックスリップ発生を抑制でき、円滑に動作させることができる。
また、本願請求項2記載の発明では、シリンダ孔を含む断面形状が長軸方向長さの中心線に対して線対称なので、シリンダチューブ断面形状の左右バランスが良く、引き抜き、押し出し成形しやすい。
特に、本願請求項3記載の発明では、シリンダ孔が真円なので、収容するピストンを従来形状のもので利用でき、部品の流用が可能である。
一方、本願請求項4記載の発明では、シリンダ孔が矩形なので、真円シリンダ孔に比べてピストン受圧面積が広くなり、シリンダ全体の外観寸法を同じとした場合にシリンダ推力を大きくできる。
また、本願請求項6記載の発明では、この磁気配列によりピストンとスライド体との磁気保持力を大きくできる。
シリンダチューブ2は、ここでは非磁性材料であるアルミ合金の引き抜き若しくは押し出し型材により筒状に形成されているが、素材はアルミ合金に代えてステンレス、樹脂材、陶器などから構成してもよい。シリンダチューブ2の長手端部には、2つのシリンダ孔3、3を塞ぐエンドキャップ5が固着されている。エンドキャップ5は、シリンダチューブ並設方向は長く、その並設方向と直交する厚さ方向が短い扁平形状を成している。エンドキャップ5には、1つの給排ポート7と前記各シリンダ孔3、3とを連通する流路6、6とが形成してある。
そして隣り合った一対のピストン10、10の内側磁石列11、11の間では、前記磁極配置によりシリンダチューブ断面における長軸方向にも、シリンダチューブ軸線方向にも磁気による反発力が作用している。この磁気反発力により、ピストン10の内側磁石12は外側磁石22に対してシリンダチューブ軸線方向に僅かにずれて静止している。
また、このようにシリンダ作動用の内圧がシリンダチューブ2に作用した時には、扁平な外周形状のシリンダチューブ2であっても一対のシリンダ孔3、3を1つのシリンダチューブ2に設けたために、扁平な外周形状のシリンダチューブであって1つのシリンダ孔を持つ従来に比べて、内圧の作用の仕方が均一となり、応力やたわみを著しく小さなものにできた。
図5のロッドレスシリンダは、シリンダチューブ2A外形が長方形に、1対のシリンダ孔3、3が夫々矩形の一種である正方形に形成されている。矩形のシリンダ孔3、3に嵌装されるピストン10の断面は矩形であり、そのピストン10には矩形断面の内側磁石12が設けてある。また、スライド体20内側に設けられて前記の内側磁石12と磁気結合される外側磁石22は、シリンダチューブ2外形に合わせて長方形でかつリング状に形成されている。内側磁石12及び外側磁石22の磁極配列についても、前記した実施形態と同じとしてある。
図7のシリンダチューブ2Cは、扁平な6角形の外形形状であり、長軸方向の長さの中心線CLを挟んで両側に5角形断面のシリンダ孔3、3を有するものである。
図8のシリンダチューブ2Dは、外周を長円形とし、半円断面と矩形断面とを合成したシリンダ孔3を一対備えたものである。
図9のシリンダチューブ2Eは、外周が楕円で、一対の真円シリンダ孔3、3を備えると共に、シリンダ孔3、3の間に、片側配管用の流路3a、3aを形成したものである。
図10のシリンダチューブ2Fは、一対の真円のシリンダ孔3、3に沿うような形状の外周形状(8の字形状)となっているシリンダチューブ断面である。
これら図5〜図10のものは、全て、長軸と短軸とを有する扁平な外周形状であり、長軸方向に一対のシリンダ孔3、3を有しており、長軸方向の長さの中心線CLに対して線対称の断面形状となっている。
図16では、外側磁石22の形状が、シリンダチューブ2の長円外形の全周に対して完全に対応した長円リング形状ではなく、外側磁石22の直線部分22bの一方を欠いて切り割り部22cを一箇所有する形状となっている。ヨーク23,外部ウエアリング24もこれに合わせた形状としてある。前記切り割り部22cと対応するシリンダチューブ2の上面には、シリンダチューブ2の長手に沿って伸びる直線案内レール(長手方向部材)30が一体に設けられてスライド体20を長手に貫通し、その一部が切り割り部22cに位置されている。この直線案内レール30に直線案内される案内子31がスライド体20に取り付けてある。この構成では、スライド体20がシリンダチューブ2に沿って往復移動するとき、直線案内レール30に案内子31を介してスライド体20が案内されるので、シリンダチューブ2外周でスライド体20を案内する場合に比べて精度良く案内される。
2・2A〜2H シリンダチューブ
3 シリンダ孔
10 ピストン
11 内側磁石列
12 内側磁石
20 スライド体
21 外側磁石列
22 外側磁石
Claims (6)
- 非磁性材料から成るシリンダチューブ内側のシリンダ孔にシリンダチューブ軸方向へ移動可能に収容されるピストンと、シリンダチューブ外周面に嵌め込まれてシリンダチューブ軸方向へ移動可能に案内されるスライド体とを磁気結合して成るマグネット式ロッドレスシリンダにおいて、
前記シリンダチューブに複数のシリンダ孔を夫々独立して形成すると共に、各シリンダ孔に夫々ピストンを収容し、これらのピストンと前記スライド体とを磁気結合するとともに、前記シリンダチューブの断面外形を非円形に形成する一方、
前記シリンダ孔は、各シリンダ孔に収容されたピストン相互が、各ピストンの内側磁石によりシリンダチューブ軸線方向にずれる磁気反発力を受ける程度に接近した位置に設けてあることを特徴とするマグネット式ロッドレスシリンダ。 - シリンダチューブ断面外形が長軸と短軸とを有する扁平な非円形形状をなし、シリンダ孔を含む断面形状は、長軸方向長さの中心線に対して線対称に形成されていることを特徴とする請求項1記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
- シリンダチューブ断面外形は長円であり、シリンダ孔断面は真円であって該シリンダ孔は、シリンダチューブ断面において長軸方向に並設されていることを特徴とする請求項2記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
- シリンダチューブ断面外形は長方形であり、シリンダ孔断面は矩形であって該シリンダ孔は、シリンダチューブ断面において長軸方向に並設されていることを特徴とする請求項2記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
- スライド体内側に設けられ、ピストンの内側磁石と磁気結合される外側磁石は、シリンダチューブの断面外形全周に対して少なくとも1箇所の切り割り部を有し、その切り割り部にシリンダチューブの長手に沿って長手方向部材が位置されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
- 各ピストンの内側磁石の磁極配置は、軸線方向において同極同士が対向し、隣合ったピストンの内側磁石の間も同極同士が対向し、外側磁石の磁極配置は、軸線方向では同極同士が対向し、前記内側磁石の磁極とは異極同士となるようにしてあることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載のマグネット式ロッドレスシリンダ。
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