JP3759825B2 - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出し成形により得られた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関し、得られたフィルムは、液晶ディスプレー用ガラス基板等の電子部品材料、等として利用できる。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、液晶ディスプレー用基板としては、薄い板ガラスが使用されている。このような板ガラスは、液晶ディスプレー用基板に要求される強度等の力学的特性だけではなく、光学的異方性がないという特性も兼ね備えている。
しかし、ノート型パソコンに代表される携帯型電子機器用のディスプレーには、これらの特性に加えて軽量性も要求されている。
【0003】
これら3つの特性を同時に満たせる材料として、プラスチック材料の使用が考えられる。そして、プラスチック材料の中でも、透明性と力学的特性の優れたポリカーボネート樹脂の使用が最も好ましい。
通常の押出し成形法(溶融ダイキャスト法)で得られたプラスチックフィルム(又はシート)は、無延伸、無配向のものとされている。包装分野等においては、無配向フィルムとして充分通用するようなものであっても、僅かな異方性でも問題となる液晶ディスプレー用基板としては充分ではなく、このような異方性が除去されたものでなければ実用にはならない。
【0004】
なお、溶媒に可溶な樹脂(例えば、ポリカーボネート)であれば、流延法により完全無配向のフィルムを製造できるが、厚肉フィルムの製造が困難であるうえ、生産性も極めて悪く、また残留溶媒の処理の問題もある。
また、前記溶融ダイキャスト法により得られた準無配向のフィルムを加熱処理することにより、光学的異方性を除去することが考えられる。しかし、分子鎖が流動しやすくなる融点付近では同時にフィルムのメルトダウンが生じるため、実際上は融点付近での異方性除去に効果的な熱処理は困難である。
【0005】
そこで、本発明は、フィルムの融点付近の熱処理を支障なく連続的に行うことができる熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、押出し成形により得られた無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムをベルトに密着させ、この透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトに密着させた状態で温度Tがm.p.−55℃<T<m.p.+70℃(m.p.:熱可塑性樹脂フィルムの融点)となるように加熱して光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムとし、引き続き、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトに密着させた状態で冷却し、この後、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトから剥離する製造方法において、前記ベルトは、ポリイミド樹脂が被覆されたものであることを特徴とする。
本発明の第2発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、押出し成形により得られた無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムをベルトに密着させ、この透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトに密着させた状態で温度TがTg+ 30 ℃<T<Tg+ 155 ℃(Tg:熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移温度)となるように加熱して光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムとし、引き続き、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトに密着させた状態で冷却し、この後、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトから剥離する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、前記ベルトは、ポリイミド樹脂が被覆されたものであることを特徴とする。
【0007】
熱可塑性樹脂フィルムを加熱する際の温度Tがm.p.−55℃より低い場合、本発明に係る熱処理の効果が充分に得られなくなる。また、温度Tがm.p.+70℃より高い場合、熱処理時に樹脂の劣化が起こり、フィルムにヤケが発生する。
【0010】
前記ベルトに被覆されたポリイミド樹脂の厚さは任意であるが、1〜1000μmが好ましい。1μmより薄い場合、被覆されたポリイミド樹脂の耐久性が悪くなる。また、1000μmより厚い場合、熱伝導性が悪化し、ベルト側からの温度制御が困難になる。このポリイミド樹脂によって、熱可塑性樹脂フィルムのベルトからの剥離性が高まる。
【0011】
本発明の第3発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、第1又は第2発明のいずれかにおいて、前記無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムをベルトに密着させる工程と、前記透明熱可塑性樹脂フィルムを加熱する工程と、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトから剥離する工程とをそれぞれ異なる場所で行い、前記ベルトを介してこれらの工程を連続的に行うことを特徴とする。
即ち、前記3工程が行われる場所を3個所として、熱可塑性樹脂フィルムが密着されるベルトをこれらの3個所間で循環させることにより、本発明の連続的な熱処理が可能になる。
【0012】
本発明の第4発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、第1〜第3発明のいずれかにおいて、ベルト予熱用の第1のロールと、加熱用の第2のロールと、冷却用の第3のロールとを有してこれらの3個のロールの間にポリイミド樹脂が被覆された金属製無端ベルトが巻回され、この無端ベルトを介して前記第1のロールに対して熱可塑性樹脂フィルムを押圧する第4のロールが配置された装置を使用し、押出し成形により得られた前記無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムを前記無端ベルトと前記第4のロールとの間に導入し、この第4のロールにより前記熱可塑性樹脂フィルムを加圧して前記無端ベルトに密着させ、次に、前記無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムを前記無端ベルトに密着させた状態で前記第2のロールに移動させ、ここでこの熱可塑性樹脂フィルムを第2のロールにより温度Tがm.p.−55℃<T<m.p.+70℃又はTg+30℃<T<Tg+155℃となるように加熱して光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムとし、引き続き、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記無端ベルトに密着させた状態で前記第3のロールに移動させ、ここでこの光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを第3のロールにより冷却し、この後、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記無端ベルトから剥離することを特徴とする。
【0013】
前記金属製無端ベルトの材質は、例えばステンレス、チタン合金等とすることができる。
この無端ベルトの厚さは任意であるが、0.3 〜1.5mm が好ましく、より好ましくは0.5 〜0.8mm とする。0.3 mmより薄い場合、ベルトの強度が低下して耐久性が悪化する。また、1.5mm より厚い場合、加熱、冷却の効率が悪くなり、製造コストが上昇する上、このベルトが巻回されたロールの径が大きくなって装置が大型化する。
【0014】
前記金属製無端ベルトに被覆されたポリイミド樹脂の厚さの条件は、第2発明に記載した通りである。
前記第4のロールの少なくとも表面側の材質は、無端ベルトと熱可塑性樹脂フィルムとの間のエアの噛み込みを防ぐため、耐熱樹脂、例えばシリコーンゴムとするのが好ましい。
前記無端ベルトの移動速度は、加熱速度、加熱時間にもよるが、0.1〜10.0m/ minが好ましい。0.1m/minより遅いと、樹脂の(半)溶融によるフィルムの変形が目立つようになり、また生産性の点からも好ましくない。一方、生産上は速い方が好ましいが、10.0m/minより速いと、光学的異方性の除去には充分な処理速度ではなくなる。
【0015】
前記フィルムの熱可塑性樹脂としては、例えばポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、等の光学的に透明なフィルムに成形可能な樹脂の使用が好ましい。
この第4発明において、前記第1〜第3のロールの少なくとも3本のロールを有していればよく、必要に応じて、例えば第4のロールを有していてもよい。
【0016】
本発明の第5発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、第4発明において、前記装置における第1のロールと、第2のロールとの間に金属製無端ベルトが通過する浴槽を追加して設け、前記無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムを前記無端ベルトに密着させた状態で前記浴槽中を通過させ、ここで加熱した液体により温度Tがm.p.−55℃<T<m.p.+70℃又はTg+30℃<T<Tg+155℃となるように加熱して光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムとすることを特徴とする。
前記浴槽中に入れる液体としては、金属製無端ベルトと熱可塑性樹脂フィルムに影響を与えないものが好ましく、鉱油、シリコーンオイル、等を選ぶことができる。
本発明のよれば、ロールによる加熱と比べて、浴液による加熱の方が熱可塑性樹脂フィルムに対する加熱効率が良くなり、処理速度を速めることができる。
【0017】
本発明の場合、前記浴槽中の液体だけで透明熱可塑性樹脂フィルムを前記所定温度に加熱してもよく、又は更に第2のロールによりフィルムを加熱するようにしてもよい。
なお、本発明の第1〜第5発明においては、熱可塑性樹脂のフィルムとしているが、シートと呼ばれているものも単に相対的な厚さの違いだけであるため、概念的に含み得る。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1を参照して本発明の第1実施形態に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を説明する。
先ず、本実施形態において使用する熱処理装置の構成を説明する。
この熱処理装置は、互いに離れて配置された第1〜第3のロール11,12,13と、これらの3個のロール11〜13の間に巻回された金属製無端ベルト14と、この無端ベルト14を介して第1のロール11と当接する第4のロール15と、この無端ベルト14を介して第3のロール13と当接する第5のロール16とを備えて構成されている。
【0019】
前記第1のロール11は、熱可塑性樹脂フィルム17の予熱用であり、100 〜400 ℃に温度調節できる加熱手段(図示せず)を有している。
前記第2のロール12は、熱可塑性樹脂フィルム17の加熱用であり、100 〜 400℃に温度調節できる加熱手段(図示せず)を有している。
前記第3のロール13は、熱可塑性樹脂フィルム17の冷却用であり、30〜 200℃に温度調節できる冷却手段(図示せず)を有している。
【0020】
前記第1〜第3のロール11〜13の少なくとも1個のロールには、ロールの回転駆動手段が連結されている。
前記第4のロール15は、その外周面に沿ってシリコーンゴム18が被覆されたものである。この第4のロール15は、無端ベルト14を介して第1のロール11に対して熱可塑性樹脂フィルム17を押圧するように配置されている。この押圧力は、線圧で9.8N/cm 〜980.0N/cm である。
【0021】
前記無端ベルト14は、ステンレス製である。この無端ベルト14の厚さは、0.3 〜1.5mm である。
前記金属製無端ベルト14の表面にはポリイミド樹脂が層状に被覆されており、このポリイミド樹脂層の厚さは1〜1000μmである。
【0022】
このポリイミド樹脂の被覆は、任意の手段で行うことができる。例えば、無端ベルト14にポリイミド酸液を塗布した後、加熱乾燥して溶媒の除去と共にイミド転化を行う。この被覆工程の際、閉環水等の蒸発によるボイドの形成を防ぐため、前記乾燥は80〜180℃で20〜60分間加熱して溶媒を除去した後、250〜400℃で
20〜60分間加熱してイミド転化を行うという段階的乾燥が好ましい。
【0023】
次に、この熱処理装置を使用した熱可塑性樹脂フィルム17の製造方法を説明する。
図1に示すように、先ず、押出し成形により得られた無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルム17を無端ベルト14と第4のロール15との間に導入してこの無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルム17を第1のロール11により予熱すると共に、この第4のロール15により熱可塑性樹脂フィルム17を無端ベルト14に密着させる。
【0024】
次に、この無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルム17を無端ベルト14に密着させた状態で無端ベルト14の移動と共に第2のロール12に移動させ、ここでこの熱可塑性樹脂フィルム17を第2のロール12により温度Tがm.p.−55℃<T<m.p.+70℃又はTg+30℃<T<Tg+155℃となるように加熱して光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムとする。m.p.は熱可塑性樹脂フィルム17の融点、Tgは熱可塑性樹脂フィルム17のガラス転移温度である。
【0025】
引き続き、光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルム17を無端ベルト14に密着させた状態で無端ベルト14の移動と共に第3のロール13に移動させ、ここでこの光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルム17を第3のロール13により冷却する。
この後、無端ベルト14に密着している熱可塑性樹脂フィルム17を無端ベルト14から剥離して熱処理された光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルム17を得る。
【0026】
[第2実施形態]
図1に示すように、本実施形態の製造方法で使用する装置では、第1実施形態における第1のロール11と、第2のロール12との間に金属製無端ベルト14が通過する浴槽19を追加して設けておく。この浴槽19は、浴液を加熱する加熱手段を有している。装置のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0027】
この装置を使用した熱可塑性樹脂フィルム17の製造方法では、第1実施形態と同様に、熱可塑性樹脂フィルム17を無端ベルト14に密着させた後、このフィルム17を無端ベルト14に密着させた状態で浴槽19中を通過させ、ここで加熱した液体により温度Tがm.p.−55℃<T<m.p.+70℃又はTg+30℃<T<Tg+155℃となるように加熱して光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムとする。
そして、熱可塑性樹脂フィルム17を無端ベルト14から剥離した後、エタノール等でフィルム17を洗浄する。
【0028】
【実施例】
[実施例1]
上記第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして熱可塑性樹脂フィルム17の熱処理を行った。
熱可塑性樹脂フィルム……ポリカーボネートフィルム(ロールキャスト法により製造されたもの)。厚さ:300μm、Tg:145℃、m.p.:230℃。
第1のロールの直径……600mm。
第2のロールの直径……600mm。
第3のロールの直径……600mm。
第4のロールの直径……150mm。
【0029】
第1のロールの温度……180℃。
第2のロールの温度……230℃。
第3のロールの温度……100℃。
無端ベルトの厚さ ……0.5mm。
無端ベルトの幅 ……500mm。
無端ベルトのポリイミド樹脂の厚さ……30μm。
第4のロールによる線圧……200N/cm。
無端ベルトの移動速度……2m/min。
【0030】
本実施例によれば、ポリイミド樹脂が被覆された金属製無端ベルト14を使用し、第4のロール15により熱可塑性樹脂フィルム17を無端ベルト14に密着させた後、この熱可塑性樹脂フィルム17を第2のロール12により温度Tがm.p.−55℃<T<m.p.+70℃又はTg+30℃<T<Tg+155℃となるように加熱して熱可塑性樹脂フィルムを熱処理したため、光学的異方性の全くない透明ポリカーボネートフィルムが得られた。この光学的異方性が全くないことは、偏光板により確認した。
【0031】
[実施例2]
上記第2実施形態において、加熱の具体的条件を下記の通りとして熱可塑性樹脂フィルム17の熱処理を行った。その他の製造条件は、実施例1と同じである。なお、第2ロール12でのフィルムの加熱は行っていない。
ポリカーボネートフィルムの厚さ……500μm。
第1のロールの温度……170℃。
浴液 ……シリコーンオイル。
浴液の加熱温度 ……180℃。
【0032】
本実施例によれば、無端ベルト14に密着した熱可塑性樹脂フィルム17を浴液により前記温度範囲内で熱処理したため、フィルムの厚さが厚い場合でも、効率的な熱処理ができ、光学的異方性の全くない透明ポリカーボネートフィルムが得られた。
【0033】
[実施例3]
上記第2実施形態において、加熱の具体的条件を下記の通りとして熱可塑性樹脂フィルム17の熱処理を行った。その他の製造条件は、実施例1と同じである。
第1のロールの温度……170℃。
浴液 ……シリコーンオイル。
浴液の加熱温度 ……300℃。
本実施例によっても、実施例2と同様に、光学的異方性の全くない透明ポリカーボネートフィルムが得られた。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法によれば、フィルムの融点付近の熱処理を支障なく連続的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において使用する熱処理装置の概略図である。
【符号の説明】
11 第1のロール
12 第2のロール
13 第3のロール
14 金属製無端ベルト
15 第4のロール
17 熱可塑性樹脂フィルム
18 シリコーンゴム
19 浴槽
Claims (5)
- 押出し成形により得られた無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムをベルトに密着させ、この透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトに密着させた状態で温度Tがm.p.−55℃<T<m.p.+70℃(m.p.:熱可塑性樹脂フィルムの融点)となるように加熱して光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムとし、
引き続き、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトに密着させた状態で冷却し、
この後、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトから剥離する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、
前記ベルトは、ポリイミド樹脂が被覆されたものであることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 押出し成形により得られた無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムをベルトに密着させ、この透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトに密着させた状態で温度TがTg+30℃<T<Tg+155℃(Tg:熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移温度)となるように加熱して光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムとし、
引き続き、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトに密着させた状態で冷却し、
この後、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトから剥離する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、
前記ベルトは、ポリイミド樹脂が被覆されたものであることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、
前記無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムをベルトに密着させる工程と、前記透明熱可塑性樹脂フィルムを加熱する工程と、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記ベルトから剥離する工程とをそれぞれ異なる場所で行い、前記ベルトを介してこれらの工程を連続的に行うことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、
ベルト予熱用の第1のロールと、加熱用の第2のロールと、冷却用の第3のロールとを有してこれらの3個のロールの間にポリイミド樹脂が被覆された金属製無端ベルトが巻回され、この無端ベルトを介して前記第1のロールに対して熱可塑性樹脂フィルムを押圧する第4のロールが配置された装置を使用し、
押出し成形により得られた前記無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムを前記無端ベルトと前記第4のロールとの間に導入し、この第4のロールにより前記熱可塑性樹脂フィルムを加圧して前記無端ベルトに密着させ、
次に、前記無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムを前記無端ベルトに密着させた状態で前記第2のロールに移動させ、ここでこの熱可塑性樹脂フィルムを第2のロールにより温度Tがm.p.−55℃<T<m.p.+70℃又はTg+30℃<T<Tg+155℃となるように加熱して光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムとし、
引き続き、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記無端ベルトに密着させた状態で前記第3のロールに移動させ、ここでこの光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを第3のロールにより冷却し、
この後、前記光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムを前記無端ベルトから剥離することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 請求項4に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法において、
前記装置における第1のロールと、第2のロールとの間に金属製無端ベルトが通過する浴槽を追加して設け、
前記無延伸の透明熱可塑性樹脂フィルムを前記無端ベルトに密着させた状態で前記浴槽中を通過させ、ここで加熱した液体により温度Tがm.p.−55℃<T<m.p.+70℃又はTg+30℃<T<Tg+155℃となるように加熱して光学的異方性のない透明熱可塑性樹脂フィルムとすることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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