JP3339699B2 - 熱可塑性樹脂シート又はフィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂シート又はフィルムの製造方法

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JP3339699B2 JP11954292A JP11954292A JP3339699B2 JP 3339699 B2 JP3339699 B2 JP 3339699B2 JP 11954292 A JP11954292 A JP 11954292A JP 11954292 A JP11954292 A JP 11954292A JP 3339699 B2 JP3339699 B2 JP 3339699B2
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sheet
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淳司 藤井
章 船木
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品,医薬品などの包
装用等に好適な、超高透明無延伸熱可塑性樹脂シート又
はフィルムを効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
熱可塑性樹脂、特にポリプロピレン樹脂から作られるシ
ート又はフィルムは、その結晶形態により、透明性等の
物性が異なる。本出願人は結晶性熱可塑性樹脂シート又
はフィルムの透明性を改良する方法として、急速冷却に
よる結晶化制御技術を種々提案しており(特公昭62-414
57号公報, 同62-10816号公報, 特開昭62-42822号公報,
同60-236719 号公報等)、既に実用化に至っている。し
かるに近年、シート製品に対する一層の品位の向上や生
産性の向上が求められている。例えば、従来の方法の場
合、さらに生産速度を上げると、押出ダイスでの剪断応
力が高くなり、シート表面に、いわゆるシャークスキン
を生じ、表面光沢が低下する、すなわち透明性が低下す
る。また、シートの厚さが0.6mm以上になると厚み
方向への伝熱限界が原因となって、急激に透明性が低下
するという問題があったため、生産性の向上の見地から
は、より高速にてシートを製造しうるものであることが
求められている。さらに、厚肉であっても高透明なシー
トが求められている。
【0003】そのため、本願出願人は、これらの技術を
さらに改良する方法として、一対の無端ベルトでシート
又はフィルムを加熱しながら挟圧して、透明性を改良す
る方法を提案している(特願平2-283359号) 。この方法
によれば、透明性や光沢が極めて良好なシート又はフィ
ルムを効率よく製造しうるものの、ベルトの耐久性確保
のため支持ロール径を大きくする必要があること及び二
基のエンドレスベルトが必要であることなどから、この
方法の実施にあたっては、装置が大規模となる上に、設
置スペースを多く必要とし、さらに設備費用も大きくな
るという問題のあることが判った。また、この方法で
は、挟圧に具体的には油圧式のプレス機構を用いている
ため装置のコストが大きくなると共に、シート幅の変更
が困難であって、操作性に劣り、またコストの面でも好
ましくない上に、シートの処理速度が30m/min 以上と
高速になったり、或いは油温が180℃以上の高温にな
ると、油圧シール材が耐えられないという問題もある。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解消し、実
施するための装置として大掛かりなものを必要とするこ
となく、透明性・光沢に極めて優れ、しかも成形性のよ
い熱可塑性樹脂シート又はフィルムを製造しうる方法を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、内部
ヘイズの低い熱可塑性樹脂シート又はフィルムを、前記
内部ヘイズの低い熱可塑性樹脂シート又はフィルムの熱
変形温度から、融点より100℃高い温度までの温度範
囲に加熱されており、かつ、その表面を鏡面処理された
加熱ロールと、前記内部ヘイズの低い熱可塑性樹脂シー
ト又はフィルムの熱変形温度から、融点より100℃高
い温度までの温度範囲に加熱されていると共に、前記加
熱ロールの温度よりも高くされており、かつ、その表面
を鏡面処理された金属製無端ベルトとの中間に導入し、
次いで前記加熱ロールと前記金属製無端ベルトとの間を
前記加熱ロールの外周に接触させながら移動させると共
に加熱し、その後、前記金属製無端ベルトの内側から加
圧し、さらに前記加熱ロールとの接触を解き、前記金属
製無端ベルトに密着させつつ移動させた後、冷却するこ
とを特徴とする熱可塑性樹脂シート又はフィルムの製造
方法を提供するものである。
【0006】以下、本発明の方法を、図面を参照しなが
ら説明する。図1は本発明の方法の実施に用いる装置の
第1の態様を示す説明図であり、図2は本発明の方法の
実施に用いる装置の第2の態様を示す説明図である。図
2では、予熱ロール3を設けている点が、図1のものと
は異なる。本発明では、内部ヘイズの低い熱可塑性樹脂
シート又はフィルムを用いる。このような熱可塑性樹脂
シート又はフィルムとしては、通常、巻き出しロール1
に巻き取られている熱可塑性樹脂シート又はフィルム
(以下、シート原反2と言うことがある。)を用いる
が、このようなオフライン処理だけでなく、シート又は
フィルム成形からのインライン処理を行なってもよい。
上記のように、本発明では、原料として内部ヘイズは比
較的低いが、外部ヘイズが比較的高いシート又はフィル
ムを用いる。内部ヘイズが比較的高いものを用いた場合
には、本発明の方法を適用したとしても、目的とする高
透明シート又はフィルムを得ることはできない。本発明
においては、下式で規定される内部ヘイズ以下程度のも
のを、「内部ヘイズが低い」と称する。 IH=45t+5 ここでIHは内部ヘイズ(%)を示し、tはシートの肉
厚(mm)を示す。
【0007】本発明において、上記シート又はフィルム
の原料として用いる熱可塑性樹脂としては特に限定はな
く、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエチレンテレ
フタレート等の結晶性樹脂ばかりでなく、ポリスチレ
ン,ポリカーボネート,ポリ塩化ビニル,ポリメタクリ
ル酸メチル等の非晶性樹脂であってもよいが、結晶性樹
脂、特にポリプロピレン(プロピレン単独重合体又は1
種或いは2種以上の結晶性プロピレン系コポリマー、及
びこれらの混合物)が好ましい。但し、結晶性樹脂の場
合には、そのまま用いたのではシートの内部ヘイズが高
いので、急冷処理したり、造核剤を配合したり、或いは
石油樹脂を配合したりすることにより、結晶構造を微結
晶化或いは非晶化して、内部ヘイズを低下させればよ
い。非晶性樹脂の場合には当然このような処理は必要な
い。
【0008】ここで急冷処理としては、例えば特願平2
−283359号明細書に開示されている冷却水の流れ
るスリット(1段或いは多段スリット)を用いて水冷す
る方法や、ロールを用いて急冷する方法等が挙げられ
る。また、急冷処理の他に、例えば特願平3−2377
9号明細書に開示されているような造核剤等を配合する
方法も挙げられる。ここで造核剤としては、例えばシリ
カ,タルク,パラターシャリーブチル安息香酸,アルミ
ニウム,ジベンジリデンソルビトールや高融点樹脂の微
粉末など通常用いられるものを用いればよい。また、上
記造核剤の他には、石油樹脂,テルペン樹脂,クマロン
樹脂等を添加したものや、プロピレン原料を有機過酸化
物で熱処理したものなどを用いてもよい。
【0009】このようにして内部ヘイズの低い熱可塑性
樹脂シート又はフィルムが得られるが、特に高速製膜で
はダイス剪断応力が高くなるため、シャークスキンによ
り表面光沢が悪化し、高透明なシート又はフィルムは得
られない。本発明は、このような内部ヘイズは比較的低
いが、外部ヘイズが比較的高いシート又はフィルムに適
用される。なお、本発明のシートやフィルムには、多層
シートやフィルムも含まれる。本発明のシートやフィル
ムの厚みは、通常、0.1 〜2mm、好ましくは0.2〜
1.0mmである。
【0010】本発明の方法では、このような内部ヘイズ
の低い熱可塑性樹脂シート又はフィルム、通常は巻き出
しロール1に巻き取られている熱可塑性樹脂シート又は
フィルム2(すなわち、シート原反2)を繰り出し、こ
れを加熱ロール4と、表面を鏡面処理された金属製無端
ベルト5との中間に導入する。ここでシート原反2が結
晶性樹脂(例えばポリプロピレン)の場合には、好まし
くはこれをまず予熱する(図2参照)。予熱は、例えば
予熱ロール3などを用いて行なえばよい。予熱温度とし
ては、通常、用いる熱可塑性樹脂の融点以下であり、好
ましくは40℃以上であって、熱可塑性樹脂の融点より
10℃低い温度までの温度範囲とする。予熱温度が熱可
塑性樹脂の融点を超えると、予熱ロール3に熱可塑性樹
脂が付着して巻き取りが出来なくなるため好ましくな
い。また、予熱温度が40℃未満であると、シート原反
のフラット性が悪い場合、処理シートにシワが発生した
り、処理速度を上げられなくなるため好ましくない。
【0011】本発明の方法では、上記の如く表面を鏡面
処理された加熱ロール4と、表面を鏡面処理された金属
製無端ベルト5との中間にシート原反2を導入し、導入
されたシート原反2を、前記加熱ロール4と前記金属製
無端ベルト5との間を前記加熱ロール4の外周に接触さ
せながら移動させると共に加熱する。より具体的には、
シート原反2を、金属製無端ベルト5と、該ベルトルー
プ外に設置されている加熱ロール4(外部加熱ロール)
との中間に導入し、次いで前記加熱ロール4と前記金属
製無端ベルト5との間を前記加熱ロール4の外周に沿わ
せながら移動させる。しかも移動させながら加熱する。
【0012】なお、この導入の際、シート原反2が、加
熱ロール4と金属製無端ベルト5のいずれかに先に接す
ると、シート原反2にしわが発生し易いため、加熱ロー
ル4と金属製無端ベルト5の接する所の中間部(ほぼ中
央部)にシート原反2が導入されるようにすることが好
ましい。
【0013】ここで、金属製無端ベルト5としては、通
常、ステンレス,炭素鋼,チタン合金製のものを用い、
好ましくはステンレス製のものを用いる。また、金属製
無端ベルト5としては、通常、厚さが0.4〜1.0m
m程度の無端ベルト(エンドレスベルト)が用いられ
る。このような無端式の金属製ベルト5は、通常、18
〜36m/min.という比較的速い速度で運転され
る。さらに、金属製無端ベルト5としては、表面粗度が
1.5μm以下、好ましくは0.2μm以下、より好ま
しくは0.05μm以下と、鏡面処理されたものを用い
る。この金属製無端ベルト5は、内部加熱ロール6、或
いは内部加熱ロール6と内部加圧ロール7(必要に応じ
て、これらはベルト駆動を兼ねたものとすることもでき
る。)とにより加熱される。この金属製無端ベルト5の
内部には、後述するように、さらに内部冷却ロール8が
設けられている。
【0014】一方、加熱ロール4としては、上記金属製
無端ベルト5と同様の鏡面処理を施したものが用いられ
る。この加熱ロール4は直径が大きいものが好ましい
が、実用上、直径が100〜1000mm程度のものが
好適である。
【0015】これら金属製無端ベルト5と加熱ロール4
の温度は、用いる熱可塑性樹脂の熱変形温度(ASTM
−D−648に準拠して測定したもの、以下同じ。但
し、曲げ応力4.6kg/cm2で実施)から、融点より1
00℃高い温度までの温度範囲、好ましくは用いる熱可
塑性樹脂の熱変形温度より10℃高い温度から、融点よ
り75℃高い温度までの温度範囲とする。金属製無端ベ
ルト5と加熱ロール4の温度が熱変形温度未満である
と、透明性や表面光沢に優れたシート又はフィルムを得
ることが困難であり、また、これらの温度が融点より1
00℃高い温度を超えると、結晶性樹脂の場合、内部ヘ
イズの悪化やシート又はフィルムが加熱ロール4等へ融
着したりするといったおそれがあるため好ましくない。
また、加熱ロール4の温度と金属製無端ベルト5の温度
とは、シートがベルト側へ密着随伴するように、金属製
無端ベルト5の温度の方を高くし、特に金属製無端ベル
ト5の温度を2℃以上高温度とすることが好ましい。
【0016】上記の如く、シート原反2を、金属製無端
ベルト5と、該ベルトループ外に設置されている加熱ロ
ール4(外部加熱ロール)との中間に導入し、次いで前
記加熱ロール4と前記金属製無端ベルト5との間を前記
加熱ロール4の外周に沿わせながら移動させ、この移動
時に所定温度に加熱する。
【0017】次いで、前記金属製無端ベルト5の内側か
ら、内部加圧ロール7を用いて加圧し、さらに前記加熱
ロール4との接触を解き、前記金属製無端ベルト5に密
着させつつ移動させた後、冷却ロールを用いて冷却す
る。本発明においては、内部加圧ロール7による加圧
は、上記加熱処理後に行なうことが必要である。換言す
れば、内部加圧ロール7を加熱ロール4より下流側に設
置することが必要である。すなわち、内部加圧ロール7
を加熱ロール4より下流側に設置しない場合、例えば内
部加圧ロール7を加熱ロール4とほぼ同じ位置に、これ
と対向して金属製無端ベルト5内面に設けた場合には、
シート原反2の導入とほぼ同時に加圧されることとなる
ため、しわが確実に発生するため、好ましくない。しわ
の防止はシートの入口でのテンションを上げれば良い
が、この場合、配向シートとなる。再度強調すると、本
発明の方法においては、内部加圧ロール7が金属製無端
ベルト5を押す点を、加熱ロール4と金属製無端ベルト
5との接する点よりも後にすることが肝要である。内部
加圧ロール7が金属製無端ベルト5を押す点は、処理速
度や温度により異なり、一義的に決定することはできな
い。
【0018】上記のようにシート原反2は、加熱ロール
4及び金属製無端ベルト5により一定時間(一定区間)
挟圧(圧接)・加熱された後、内部加圧ロール7により
加圧されることになり、その結果、シート原反2は、加
熱ロール4と、内部加圧ロール7により押された金属製
無端ベルト5により両面を圧縮されることとなる。ま
た、この挟圧区間(圧接区間)は、シート原反2の引取
速度,厚み,ベルト・ロール温度等により異なり、一義
的に決定することは困難であるが、一般的に言えば10
〜300mm程度である。金属製無端ベルト5は、ベル
トループ内に設けた内部加圧ロール7により、加熱ロー
ル4に押しつけられることとなり、両者間に導入されて
いるシート原反2は、加熱ロール4と金属製無端ベルト
5で圧縮される。この圧縮力は、2kg/cm2以上、好まし
くは7kg/cm2以上とする。圧縮力が2kg/cm2未満である
と、透明性や表面光沢に優れたシート又はフィルムを得
ることはできない。なお、特に圧縮力の上限はないが、
装置上大掛かりとなる。
【0019】上記のように金属製無端ベルト5の内側か
ら、内部加圧ロール7を用いて加圧することにより、シ
ート原反2を、加熱ロール4と金属製無端ベルト5とで
圧縮し、このようにして加圧処理されたシート原反2に
ついて、加熱ロール4との接触を解き、前記金属製無端
ベルト5に密着させつつ移動させた後、通常は、冷却ロ
ールを用いて冷却する。冷却した後にシート原反2を金
属製無端ベルト5より剥離しないと、剥離の際にシート
原反2表面の荒れが生じる。ここで冷却ロールとして
は、通常、内部冷却ロール8と外部冷却ロール9が用い
られるが、必要に応じて、いずれか一方を省略してもよ
い。なお、加圧処理されたシート原反2について、加熱
ロール4との接触を解いて解放するが、解放後のシート
方向はベルト側(金属製無端ベルト5側)とすることが
好ましい。すなわち、フラットな状態で冷却し、軟化温
度以下にしないと、冷却ムラによりフラットなシートと
ならない。加熱ロール4側に処理シートが付着した場合
には、均一に冷却することができない。
【0020】冷却後、巻取りロール(図中省略)に巻取
り、製品とされるが、この巻取り前の段階で、再度加熱
ロールなどを用いて、熱処理(アニーリング)を行なっ
てもよい。これによりカールの発生が有効に防止され
る。この場合の加熱温度は、シート又はフィルムの材質
により異なるが、通常、80〜130℃、好ましくは1
10〜130℃である。
【0021】なお、以上は単層シート又はフィルムを処
理する場合の説明であるが、図3に示すような装置を用
いることにより、厚肉の多層ラミネートシートとするこ
ともできる。図3は本発明の方法の実施に用いる装置の
第3の態様を示す説明図である。すなわち、例えば巻き
出しロール1から内部ヘイズが低いシート原反2を、ま
た他の巻き出しロール1’から内部ヘイズが低い他のシ
ート原反2’を、それぞれ繰り出し、それぞれ予熱ロー
ル3と予熱ロール3’とを用いて予熱した後、互いに重
ね合わせるようにして、表面を鏡面処理された加熱ロー
ル4と、表面を鏡面処理された金属製無端ベルト5との
中間に導入し、以下、前記と同様にして行なうことによ
り、両表面に光沢を付与して、透明性に優れ、しかも厚
肉の熱可塑性樹脂多層ラミネートを製造することができ
る。また、本発明の方法は、図4に示すような装置を用
いることによっても、実施することができる。図4は本
発明の方法の実施に用いる装置の第4の態様を示す説明
図であり、加圧ロール7と冷却ロール8とが一つになっ
たものを示した。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。 実施例1〜3 図2に示す如き装置を用いて、超高透明熱可塑性樹脂シ
ート又はフィルムを製造した。まず、予めポリプロピレ
ン樹脂(密度0.91g/cm3 ,メルトインデックス
2.0g/10分,熱変形温度〔ASTM−D−648
に準拠して測定、但し、曲げ応力4.6 kg/cm2 で実
施〕108℃,融点162℃,出光ポリプロF−205
S)を樹脂温度280℃で、T−ダイ押出装置(押出機
直径120mm,L/D=28,ダイ幅500mm,ダ
イリップ間隔1mm)を用いて押出し、押出された溶融
樹脂膜を、冷却水の流れるスリット(幅3mm)に導入
し、次いで下部水槽に設けられた半没型の挟圧ロールに
通した後、下部水槽内の冷却水で冷却し、引取ロールで
引き取った。このようにして得られたポリプロピレンシ
ート(シート厚み0.3mm,内部ヘイズ3%,総ヘイ
ズ8%,表面光沢度=表107/裏106)をシート原
反2として用いた。
【0023】また、金属製無端ベルト5としてはステン
レス製であって、表面粗度0.2μmと鏡面処理された
もの、加熱ロール4としては、硬質クローム表面を有す
る表面粗度0.2μmのものを用いた。なお、シート原
反2の処理速度は、40m/minであり、冷却ロール
8,9の温度は40℃とした。上記の如きシート原反2
を予熱ロール3を用いて、第1表に示す温度に予熱した
後、上記の如き加熱ロール4と、上記の如き金属製無端
ベルト5との間に、第1表に示す入射位置にて導入し、
次いで前記加熱ロール4と前記金属製無端ベルト5との
間を、前記加熱ロール4の外周に接触させながら移動さ
せると共に、第1表に示す温度にて加熱ロール4を加熱
し、その後、前記金属製無端ベルト5の内側から第1表
に示す圧縮力にて加圧した。しかる後、圧縮処理された
シート原反2について、前記加熱ロール4との接触を解
き(解放後のシート方向は第1表に示す。)、前記金属
製無端ベルト5に密着させつつ移動させた後、冷却ロー
ル8,9を用いて冷却して、厚み0.3mmのポリプロ
ピレン樹脂シートを得た。操作条件と結果を第1表に示
す。
【0024】比較例1 実施例1において、図5に示す装置を用いて、第1表に
示す条件で行なったこと以外は、実施例1と同様にし
て、厚み0.3mmのポリプロピレン樹脂シートを得
た。より具体的に述べると、加熱ロール4にシート原反
2を抱かせるのに、予熱ロール3の位置を変更し、シー
ト入射位置をロール側としたこと以外は、実施例1と同
様にして行なった。操作条件と結果を第1表に示す。
【0025】比較例2 実施例1において、図6に示す装置を用いて、第1表に
示す条件で行なったこと以外は、実施例1と同様にし
て、厚み0.3mmのポリプロピレン樹脂シートを得
た。より具体的に述べると、金属製無端ベルト5にシー
ト原反2を予め接触させるため、ラバーロール10を設
け、シート入射位置をベルト側としたこと以外は、実施
例1と同様にして行なった。操作条件と結果を第1表に
示す。
【0026】比較例3 実施例1において、第1表に示す条件で行なった(すな
わち、加圧処理を行なわなかった)こと以外は、実施例
1と同様にして、厚み0.3mmのポリプロピレン樹脂
シートを得た。操作条件と結果を第1表に示す。
【0027】参考例1〜3 実施例1において、第1表に示す条件で行なったこと以
外は、実施例1と同様にして、厚み0.3mmのポリプ
ロピレン樹脂シートを得た。操作条件と結果を第1表に
示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明の方法によれば、未配向であっ
て、しかも透明性及び表面光沢に優れた熱可塑性樹脂シ
ート又はフィルムを得ることができる。また、得られる
熱可塑性樹脂シート又はフィルムは、厚肉のものであっ
ても透明性や表面光沢が良好である。次に、本発明の方
法によれば、製膜速度が速くても、透明性に優れた熱可
塑性樹脂シート又はフィルムを得ることができる。さら
に、本発明の方法は簡単かつ安価な装置で実施すること
ができる。さらに、得られる熱可塑性樹脂シート又はフ
ィルムは、表面のゲルやフィッシュアイが目立たず、し
かも熱成形性にも優れたものである。従って、本発明の
方法によって得られる熱可塑性樹脂シートやフィルム
は、食品,医薬品などの包装用などに好適である。ま
た、圧空成形などの熱成形用の原反として用いることも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法の実施に用いる装置の第1
の態様を示す説明図である。
【図2】図2は本発明の方法の実施に用いる装置の第2
の態様を示す説明図である。
【図3】図3は本発明の方法の実施に用いる装置の第3
の態様を示す説明図である。
【図4】図4は本発明の方法の実施に用いる装置の第4
の態様を示す説明図である。
【図5】図5は比較例1で用いた装置を示す説明図であ
る。
【図6】図6は比較例2で用いた装置を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 巻き出しロール 1’他の巻き出しロール 2 シート原反 2’他のシート原反 3 予熱ロール 4 加熱ロール 5 金属製無端ベルト 6 内部加熱ロール 7 内部加圧ロール 8 内部冷却ロール 9 冷却ロール 10 ラバーロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−62122(JP,A) 特開 昭57−191020(JP,A) 特開 平4−158022(JP,A) 実公 平3−6919(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 47/00 - 47/96 B29C 71/00 - 71/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部ヘイズの低い熱可塑性樹脂シート又
    はフィルムを、前記内部ヘイズの低い熱可塑性樹脂シー
    ト又はフィルムの熱変形温度から、融点より100℃高
    い温度までの温度範囲に加熱されており、かつ、その
    面を鏡面処理された加熱ロールと、前記内部ヘイズの低
    い熱可塑性樹脂シート又はフィルムの熱変形温度から、
    融点より100℃高い温度までの温度範囲に加熱されて
    いると共に、前記加熱ロールの温度よりも高くされてお
    り、かつ、その表面を鏡面処理された金属製無端ベルト
    との中間に導入し、次いで前記加熱ロールと前記金属製
    無端ベルトとの間を前記加熱ロールの外周に接触させな
    がら移動させると共に加熱し、その後、前記金属製無端
    ベルトの内側から加圧し、さらに前記加熱ロールとの接
    触を解き、前記金属製無端ベルトに密着させつつ移動さ
    せた後、冷却することを特徴とする熱可塑性樹脂シート
    又はフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 内部ヘイズの低い熱可塑性樹脂シート又
    はフィルムとして、急冷処理した熱可塑性樹脂シート又
    はフィルム、造核剤を配合した熱可塑性樹脂シート又は
    フィルム、或いは石油樹脂を配合した熱可塑性樹脂シー
    ト又はフィルムを用いる請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 内部ヘイズの低い熱可塑性樹脂シート又
    はフィルムを、その熱変形温度から、融点より100℃
    高い温度までの温度範囲にて加熱する請求項1記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 内部ヘイズの低い熱可塑性樹脂シート又
    はフィルムを、2kg/cm2以上で加圧する請求項1記載の
    製造方法。
JP11954292A 1992-04-14 1992-04-14 熱可塑性樹脂シート又はフィルムの製造方法 Expired - Lifetime JP3339699B2 (ja)

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