JP3725955B2 - ポリプロピレン樹脂シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン樹脂シートの製造方法に関し、得られたシートは食品、医薬品等の包装用に利用できる。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、ポリプロピレン樹脂シート(又はフィルム)の透明化技術として、金属製のエンドレスベルトを使用するプロセスが数多く提案されるようになってきている。
金属製エンドレスベルトを使用する最大の利点は、金属製エンドレスベルトの鏡面を連続的にシート表面に転写して、シート両面の高光沢化が効率良く得られる点にある。
しかし、ポリプロピレン樹脂シートの透明度を上げるには、前記高光沢化に加えて、シート内部のヘイズ(曇り度)を低くすることも必要である。
【0003】
従来、透明度を向上させるための種々の方法、装置が提案されている。
例えば、特開平6-170919号公報によれば、金属ロールと、表面が弾性体で被覆された弾性ロールとの間に金属製エンドレスベルトを巻装しておき、金属製エンドレスベルトを介してこの弾性ロールと冷却ロールの間にシートを通した後、引き続きこのシートを冷却ロールの周面の一部に押し付けながら冷却するようにした溶融シートの冷却・固化装置が開示されている。
この装置の場合、冷却ロールと金属製エンドレスベルトとで押圧されたシートの急冷効果が不十分であるうえ、弾性ロールの弾性体の硬度が高く、面状圧接状態とはなっていないため、樹脂バンクが発生したり、シートの良好な透明性が得られない。
【0004】
また、特開平6-166089号公報及び特開平6-170919号公報においても、金属ロールと、表面が弾性体で被覆された弾性ロールとの間に金属製エンドレスベルトを巻装しておき、同様にシートを冷却する方法が開示されている。これらによれば、冷却温度が高く、かつ弾性体の硬度も高いため、急冷効果が不十分となって、造核剤を含む原料を使用しないと透明なポリプロピレンシートが得られない。
【0005】
更に、特開平6-55613 号公報によれば、造核剤等を含む溶融状態のシートを、冷却ロールと金属製エンドレスベルトとの中間に導入し、このシートを冷却ロールと金属製エンドレスベルトに接触させながら移動させた後、金属製エンドレスベルトの内側から冷却ロールでシートを前記冷却ロールに対して押圧するようにした熱可塑性樹脂シートの製造方法が開示されている。
【0006】
この製造方法の場合、シートの急冷が、冷却ロールと金属製エンドレスベルトの両者間に挟まれて開始するようになっているため、急冷開始点において十分な面圧がかからず、良好な急冷効果及びシートの良好な表面光沢が得にくい。この結果、造核剤等の添加によって透明度を上げるようにしているが、造核剤等の添加がないと、透明度が不足する虞れがある。
【0007】
そこで、本発明は、高透明性かつ高剛性のポリプロピレン樹脂シートが得られる製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明は、表面が弾性材で被覆された第1の冷却ロールと、第2の冷却ロールとの間に表面が鏡面の金属製エンドレスベルトが巻装され、樹脂シートと前記エンドレスベルトを介して前記第1の冷却ロールと接触する、表面が鏡面の第3の冷却ロールが、前記エンドレスベルトで押圧された前記樹脂シートを抱き込むようにして設けられた製造装置を使用したポリプロピレン樹脂シートの製造方法であって、前記樹脂シートは、アイソタクチックペンタッド分率が98.0モル%以上の立体規則性ポリプロピレン樹脂よりなり、この樹脂シートと直接接触する前記エンドレスベルト及び前記第3の冷却ロールの温度を50℃以下、露点以上に保ちながら、溶融状態のこの樹脂シートを、前記第1の冷却ロールと接触している前記エンドレスベルトと、前記第3の冷却ロールとに略同時に接触するようにして第1と第3の冷却ロールの間に導入し、前記第1と第3の冷却ロールの間の押圧力で前記弾性材を弾性変形させながら前記第1と第3の冷却ロールとで前記樹脂シートを面状に圧接して冷却し、引き続き、この樹脂シートを前記エンドレスベルトで第3の冷却ロールに対して面状に圧接して冷却することを特徴とする。
【0009】
前記溶融状態の樹脂シートとは、例えば押出機より押出し成形された直後の樹脂シートのことである。
本発明における樹脂シートには、シートと比べて厚さのみ相対的に異なる樹脂フィルムの場合を含む。
前記ポリプロピレン樹脂としては、ポリプロピレンのホモポリマー、エチレンとのコポリマー(ブロック、ランダム)、これらの混合物等を使用できる。特に、ホモポリマーは高剛性を有しているので好ましい。
前記アイソタクチックペンタッド分率とは、樹脂の分子鎖中のペンタッド単位(プロピレンモノマーが5個連続してアイソタクチック結合したもの)でのアイソタクチック分率である。この分率の測定法は、例えばマクロモレキュールズ(Macromolecules)第8巻(1975年)687頁に記載されており、13C-NMRを使用して測定できる
【0010】
本発明において、ポリプロピレン樹脂シートを冷却するための金属製エンドレスベルト及びロールの温度が50℃を超える場合には、良好な透明性が得られなくなる。好ましくは、30℃以下である。また、露点より低い場合には、シートに水滴斑が発生する。
ポリプロピレン樹脂シートを、第1の冷却ロールと接触している金属製エンドレスベルトと、第3の冷却ロールとに略同時に接触するようにして第1と第3の冷却ロールの間に導入することにより、樹脂シートの圧接と冷却を同時に行うことが可能になり、樹脂シートの透明性を高めることができる。仮に、樹脂シートをエンドレスベルト又は冷却ロールに先に接触させた場合、シート両面への鏡面転写がなされる前に樹脂シートの冷却、固化が進んでしまうことになる。
【0011】
本発明において、金属製エンドレスベルト及びロールの鏡面の度合いは、表面粗さが0.5S以下であることが好ましい。
エンドレスベルトの材質としては、ステンレス、炭素鋼、チタン合金等を使用できる。エンドレスベルトの厚さは任意であるが、強度的に0.3mm以上が好ましい。
前記弾性材の材質としては、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、NBR、EPDM等を使用できる。また、弾性材の厚さは、弾性変形して良好な面圧を得るために、3mm以上が好ましい。
【0012】
前記弾性材の弾性変形を伴って前記樹脂シートを面状圧接する際の面圧は、例えば0.1MPa〜20.0MPaとするのが好ましい。面圧を前記0.1MPaより低くすると、鏡面転写と冷却の効率が劣るようになり、前記20.0MPaより高くすると、ベルト張力が高くなるため、ベルト寿命の点から好ましくない。
前記弾性材の弾性変形を伴わないで前記樹脂シートを面状圧接する際の面圧は、例えば0.01MPa〜0.5MPaとするのが好ましい。
本発明では、前記弾性材の弾性変形を伴って前記ポリプロピレン樹脂シートを面状に圧接して冷却するため、鏡面転写と冷却の効率が高まる。
【0013】
本発明の第2発明に係るポリプロピレン樹脂シートの製造方法は、第1発明において、前記弾性材は、その硬度(JIS K6301 A 型に準拠)が95度以下であることを特徴とする。
前記硬度が95度より大きい場合には、弾性力が弱くなり、ポリプロピレン樹脂シートを、冷却ロールと金属製エンドレスベルトに接触させる際に樹脂バンクが生じやすくなる。弾性材の耐久性の点から20度以上が好ましく、より好ましくは30度以上である。
【0014】
本発明の第3発明に係るポリプロピレン樹脂シートの製造方法は、第1又は第2発明において、前記樹脂シートには、造核剤及び石油レジンの少なくとも1種が含まれていることを特徴とする。
前記造核剤としては、結晶化速度を速める造核効果のある有機系物質及び無機系物質を任意に使用できる。
【0015】
有機系造核剤の具体例は、例えば、ジベンジリデンソルビトール系化合物、フォスフェート系化合物である。
前記ジベンジリデンソルビトール系化合物には、ジベンジリデンソルビトール(DBSと略す)、パラ・メチル・DBS、パラ・エチル・DBS、パラ・クロル・DBS、等が含まれる。このDBS系化合物は、透明性の改善に特に有効である。
前記フォスフェート系化合物には、リン酸ビス(4-t-ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸-2,2´-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ナトリウム、等が含まれる。
【0016】
前記以外の造核剤としては、ジ安息香酸アルミニウム、塩基性ジ・パラ・ターシャリ・ブチル安息香酸アルミニウム、ベータ-ナフトエン酸ソーダ、カプロン酸ソーダ、リン酸-2,2´-メチレンビス(4,6-ジターシャリ・ブチルフェニル)ソーダ、フタロシアニン、キナクリドン、高融点ポリマー、等も使用できる。
【0017】
無機系造核剤の具体例は、例えば、ミョウバン、チタン、タルクである。
前記造核剤の含有量は、ポリプロピレン基材100重量部に対して、例えば0.02〜1.0重量部とする。含有量が0.02重量部未満の場合には、充分な透明性が得られなくなり、また1.0重量部を超えても透明性が余り向上しなくなって、効果の割りにはコスト高となる。好ましい含有量は、0.04〜0.5重量部である。
【0018】
前記石油樹脂としては、C5系石油樹脂、テルペン系石油樹脂、等を使用できる。C5系石油樹脂は、イソプレン、2−メチルブテン−1及び2、ピペリレン、等を含む混合物共重合体である。テルペン系石油樹脂は、α−ピネン、β−ピネン、ジベンテン(リモネン)、等を含む混合物共重合体である。また、色調や耐候性を向上させるため、これらの石油樹脂の水素添加物としてもよい。
この石油樹脂の含有量は、ポリプロピレン基材100重量部に対して、例えば3〜30重量部とする。含有量が3重量部未満の場合には熱成形性(延伸性)、透明性等の改善効果が不十分となり、また30重量部を超える場合にはシートが脆くなる。
【0019】
この樹脂シート中には、必要に応じて、帯電防止剤、防曇剤、安定剤、滑剤、着色剤、等を添加してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1を参照して本実施形態に係るポリプロピレン樹脂シート11の製造方法を説明する。
先ず、本実施形態で使用する製造装置の構成を説明する。
この製造装置は、押出機(図示せず)のTダイ12と、第1の冷却ロール13と第2の冷却ロール14との間に巻装された金属製エンドレスベルト15と、樹脂シート11と金属製エンドレスベルト15を介して第1の冷却ロール13と接触する第3の冷却ロール16と、第2の冷却ロール14の近傍に設けられた第4のロール17とを備えて構成されている。
【0021】
前記第1の冷却ロール13は、その表面にNBR等の弾性材18が被覆されている。この弾性材18は、その硬度(JIS K6301 A 型に準拠)が95度以下、厚さが3mm以上のものである。
前記金属製エンドレスベルト15は、ステンレス等よりなり、表面粗さが0.5S以下の鏡面を有している。
第1と第2の冷却ロール13,14 の少なくとも一方は、その回転軸19が回転駆動手段(図示せず)と連結されている。
【0022】
前記第3の冷却ロール16は、金属製であり、その表面粗さが0.5S以下の鏡面を有している。そして、この冷却ロール16は、樹脂シート11とエンドレスベルト15を介して第1の冷却ロール13と接触し、しかもエンドレスベルト15でこの冷却ロール16側に押圧された樹脂シート11を抱き込むようにして設けられている。即ち、エンドレスベルト15とこのエンドレスベルト15と接触している樹脂シート11は、第3の冷却ロール16の外周面の一部に巻き付くようにして蛇行している。
前記第4のロール17は、樹脂シート11がエンドレスベルト15を介して第2の冷却ロール14に圧接されるように樹脂シート11をガイドするものである。
【0023】
前記各冷却ロール13,14,16には、表面の温度調整を可能とする水冷式等の温度調整手段(図示せず)が設けられている。
なお、エンドレスベルト15内の第1のロール13の前に別の冷却ロール21を設けておき、この冷却ロール21によってエンドレスベルト15を予備冷却するようにしてもよい。また、この冷却ロール21は、張力調整用ロールとしても機能する。
【0024】
次に、上記製造装置を使用した本実施形態のポリプロピレン樹脂シート11の製造方法を説明する。
先ず、樹脂シート11と直接接触している金属製エンドレスベルト15及び第3の冷却ロール16の表面温度が50℃以下、露点以上に保たれるように、各冷却ロール13,14,16の温度制御をしておく。
【0025】
そして、ペレットとして、アイソタクチックペンタッド分率が98.0モル%以上の立体規則性ポリプロピレン樹脂よりなるものを用意し、このペレットを押出機のホッパーに投入して溶融混練する。この後、Tダイ12より押し出された溶融樹脂シート11を、第1の冷却ロール13と接触しているエンドレスベルト15と、第3の冷却ロール16とに略同時に接触するようにして第1と第3の冷却ロール13,16の間に導入し、第1と第3の冷却ロール13,16とで樹脂シート11を圧接して50℃以下に冷却する。この際、第1と第3の冷却ロール13,16間の押圧力で弾性材18が圧縮されるようにして弾性変形し、弾性材18が弾性変形している両ロール13,16の中心からの角度θ1 部分において樹脂シート11は、両ロール13,16による面状圧接となっている。この際の面圧は、0.1MPa〜20.0MPaである。
【0026】
引き続き、この樹脂シート11を前記鏡面のエンドレスベルト15で第3の冷却ロール16に対して圧接して50℃以下に冷却する。エンドレスベルト15でこの冷却ロール16側に押圧された樹脂シート11は、冷却ロール16の中心からの角度θ2 で冷却ロール16に抱き込まれ、樹脂シート11は、この抱き角度θ2 部分においてエンドレスベルト15と第3の冷却ロール16により面状に圧接されている。この際の面圧は、0.01MPa 〜0.5MPaである。
【0027】
次に、樹脂シート11をエンドレスベルト15に重なるように沿わせた状態でエンドレスベルト15の回動と共に第2の冷却ロール14に移動させ、この樹脂シート11をエンドレスベルト15を介して第2の冷却ロール14に対して圧接して50℃以下に冷却する。第4のロール17でガイドされてこの冷却ロール14側に押圧された樹脂シート11は、冷却ロール14の中心からの角度θ3 部分においてエンドレスベルト15に面状に圧接されている。この際の面圧は、0.01MPa〜0.5MPaである。
【0028】
本実施形態によれば、弾性材18が弾性変形している第1と第3のロール13,16 の角度θ1 部分において両ロール13,16とエンドレスベルト15による樹脂シート11の面状圧接と冷却がなされた後、引き続き抱き角度θ2 部分において金属製エンドレスベルト15と第3の冷却ロール16による樹脂シート11の面状圧接と冷却がなされ、更に角度θ3 部分においてエンドレスベルト15と第2の冷却ロール14によるシート11の面状圧接と冷却がなされることになる。
【0029】
【実施例】
〔実施例1〜5〕
上記実施形態において、製造装置及び製造方法の具体的条件を下記の通りとした。また、各実施例における使用樹脂、造核剤と石油樹脂の使用の有無を表1に示す。
押出機の直径…115mm、Tダイの幅…800mm。
ポリプロピレン樹脂A…アイソタクチックペンタッド分率:99.0モル%、
MI:2.0。
ポリプロピレン樹脂B…アイソタクチックペンタッド分率:98.5モル%、
MI:2.0。
【0030】
樹脂シートの厚さ…0.3mm。
弾性材の材質…シリコーンゴム、厚さ…10mm、硬度…80度。
シートの引取り速度…18m/min 。
シートと接触しているエンドレスベルトとロールの表面温度…15℃。
造核剤…ゲルオールDH(商品名、新日本理化学株式会社製)。
石油樹脂…アイマーブ(商品名、出光石油化学株式会社)。
前記アイソタクチックペンタッド分率は、日本電子(株)製のJNM−EX400型NMR装置を使用し、試料溶媒:1,2,4-トリクロロベンゼン/ベンゼンd6=9/1、測定温度:130℃、積算回数:4000回、パルス角度:45度、パルス間隔:4秒の条件で13C−NMRの測定を行って求めた値である。
【0031】
〔比較例1,2〕
実施例と同様にしてポリプロピレン樹脂シートを製造したが、使用樹脂を異ならせた。また、各比較例における造核剤及び石油樹脂の使用の有無を表2に示す。
ポリプロピレン樹脂C…アイソタクチックペンタッド分率:95.0モル%、
MI:2.0。
【0032】
〔特性の評価〕
上記実施例1〜5及び比較例1、2に係るポリプロピレン樹脂シートについて、引張り弾性率、表面光沢度及びへーズ(全ヘイズと内部ヘイズ)を測定した。それらの結果を表1と2に示す。
前記引張り弾性率は、JIS K 7113に準じ、シートのMD(移動方向)及びTD方向(移動方向と直交する方向)について測定した。
前記ヘイズは、ヘイズ測定機(NDH-300A、日本電色工業株式会社製)を使用し、シートに光を照射して透過した光線の全量を表す全光線透過率(Tt )と、シートによって拡散された透過した拡散光線透過率(Td )との比によって下記式で求める。前記全光線透過率(Tt )は、入射光と同軸のまま透過した平行光線透過率(Tp )と拡散光線透過率(Td )との和である。
【0033】
ヘイズ(H)=Td /Tt ×100
そして、全ヘイズは、シートに光を照射した際に得られたTd 及びTt より求めた。また、内部ヘイズは、シートの両面にシリコーンオイルを塗布した後、ガラス板でこのシートの両面を挟み、シート外側の影響を消去して測定した。
全ヘイズ=内部ヘイズ+外部ヘイズ
【0034】
前記表面光沢度は、自動式測色色差計(例えば、AUD-CH-2型-45,60、スガ試験機株式会社製)を使用し、シートに光を入射角60度で照射し、同じく60度で反射光を受光したときの反射光束ψs を測定し、屈折率1.567 のガラス表面からの反射光束ψos との比により、下記の通り求めた。
表面光沢度(Gs )=(ψs /ψos )×100
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
表1より、実施例1〜5に係るポリプロピレン樹脂シートの製造方法によれば、アイソタクチックペンタッド分率が98.0モル%以上の立体規則性ポリプロピレン樹脂よりなるシートに対して前記装置を使用して前記条件の下で急冷したため、得られた樹脂シートは引張り弾性率が大きく、高剛性であることがわかる。
また、得られた樹脂シートは、表面光沢度がロール側とベルト側のいずれも高く、表面光沢が良好である。
【0038】
更に、得られた樹脂シートは、全ヘイズも内部ヘイズも高く、透明性が高いものである。
そして、実施例3〜5に係る樹脂シートの製造方法によれば、樹脂シート中に造核剤又は石油樹脂又は両者を配合することにより、特性の向上が見られることがわかる。
【0039】
一方、表2より、比較例1に係る樹脂シートの製造方法によれば、アイソタクチックペンタッド分率が98.0モル%未満の立体規則性ポリプロピレン樹脂よりなるシートであるため、実施例と同じ装置を使用して同じ条件の下で急冷しているが、得られた樹脂シートは引張り弾性率に関して値が低く、低剛性であることがわかる。
比較例2に係る樹脂シートの製造方法によれば、比較例1と同じ樹脂種であるが、造核剤と石油樹脂が配合されているため、引張り弾性率に関して若干の改善が見られる。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係る製造方法によれば、高透明性かつ高剛性のポリプロピレン樹脂シートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る製造方法において使用する装置の概略図である。
【符号の説明】
11 ポリプロピレン樹脂シート
13 第1の冷却ロール
14 第2の冷却ロール
15 金属製エンドレスベルト
18 弾性材
Claims (3)
- 表面が弾性材で被覆された第1の冷却ロールと、第2の冷却ロールとの間に表面が鏡面の金属製エンドレスベルトが巻装され、樹脂シートと前記エンドレスベルトを介して前記第1の冷却ロールと接触する、表面が鏡面の第3の冷却ロールが、前記エンドレスベルトで押圧された前記樹脂シートを抱き込むようにして設けられた製造装置を使用したポリプロピレン樹脂シートの製造方法であって、
前記樹脂シートは、アイソタクチックペンタッド分率が98.0モル%以上の立体規則性ポリプロピレン樹脂よりなり、
この樹脂シートと直接接触する前記エンドレスベルト及び前記第3の冷却ロールの温度を50℃以下、露点以上に保ちながら、溶融状態のこの樹脂シートを、前記第1の冷却ロールと接触している前記エンドレスベルトと、前記第3の冷却ロールとに略同時に接触するようにして第1と第3の冷却ロールの間に導入し、前記第1と第3の冷却ロールの間の押圧力で前記弾性材を弾性変形させながら前記第1と第3の冷却ロールとで前記樹脂シートを面状に圧接して冷却し、引き続き、この樹脂シートを前記エンドレスベルトで第3の冷却ロールに対して面状に圧接して冷却することを特徴とするポリプロピレン樹脂シートの製造方法。 - 請求項1に記載のポリプロピレン樹脂シートの製造方法において、
前記弾性材は、その硬度(JIS K6301 A 型に準拠)が95度以下であることを特徴とするポリプロピレン樹脂シートの製造方法。 - 請求項1又は2に記載のポリプロピレン樹脂シートの製造方法において、
前記樹脂シートには、造核剤及び石油レジンの少なくとも1種が含まれていることを特徴とするポリプロピレン樹脂シートの製造方法。
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