JP3759556B2 - 逆セル型製氷機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下向きに開口した多数の製氷室の中に噴水を行いながら製氷を行う逆セル型製氷機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の逆セル型製氷機の一部切欠側面図である。図6において、1は冷却器、2は製氷室、3は蒸発パイプ、4は水皿、5は分配管、6は噴水口、7は戻り孔、8は水タンク、9は排水案内板、10は循環ポンプ、11は導水管、12は給水電磁弁、13は散水器、14は回動軸、15は駆動装置、16は減速モータ、17は第1のアーム、18は第2のアーム、19はコイルバネ、20は水皿位置検出スイッチ、21は冷却器温度センサ、22は支持梁である。
【0003】
冷却器1には、下向きに開口する多数の製氷室2を区画形成しており、その上壁外面には、冷却装置(図示せず)に接続された蒸発パイプ3を配設している。水皿4は、回動軸14を中心として冷却器1の下側で傾復動可能となっていて、水平位置において各製氷室2を下方から閉塞し、その表面の各製氷室2に対向する位置に噴水孔6及び戻り孔7を設けている。水皿4には水タンク8が固設されており、散水器13からその中に給水が行われる。
【0004】
逆セル型製氷機は、図4(ロ)のタイムチャートに示すように、製氷工程と離氷工程を交互に繰り返して行われる。製氷工程では、まず、散水器13から水タンク8の中に給水が行われる。その給水は、図示しない水位センサにより満水になったことが検知されるまで続けられる。
【0005】
水タンク8が満水になったら、水タンク8内の水は、循環ポンプ10により、導水管11,分配管5を経て噴水孔6から製氷室2内に噴出される。それと同時に、蒸発パイプ3で冷却器1を冷やすことにより、製氷室2内に氷を作っていく。噴水孔6から噴出した水の内、氷にならずに余った水は、戻り孔7から水タンク8の中に回収する。水皿4の傾復動は、正逆転制御される高ギヤ比の減速モータ16と、その出力軸に取り付けられた、駆動カムの第1のアーム17と、その端部と水皿4の側部との間に連結されたコイルバネ19とから成る駆動装置15によって行われる。
【0006】
時点aで製氷室2内に氷ができあがると、離氷工程に入る。離氷工程に入ると、減速モータ16が正回転して第1のアーム17が反時計方向に回転し、水皿4が下方向へ徐々に傾動していく。そして、水皿4が下限開放位置になったところで、第1のアーム17と逆方向に延びた第2のアーム18が、水皿位置検出スイッチ20に当接し、それによって水皿位置検出スイッチ20の接点を切り換えて、減速モータ16を停止させ、水皿4を停止させる。
【0007】
そのようにして、水皿4が下方向に傾動していく時、水タンク8内に残った水は、排水案内板9によりガイドされて、ドレンパン(図示せず)の上に流される。また、離氷工程に入った時点aで図示しないホットガス電磁弁が開かれて、冷却装置の圧縮機からのホットガス(高温高圧のガス冷媒)が直接蒸発パイプ3に流され、できた氷を製氷室2の壁から引き離して下に落下させる。氷は、ホットガスを流し始めてから、少し時間が経過した時点bで、ホットガスの入口側に近い製氷室2のものから落下し始め、時点cで、ホットガスの出口側に近い製氷室2のものが最後に落下して、全ての氷が落下する。
【0008】
その際、離氷が完了したか否かの判定は、冷却器1の側面に設けた冷却器温度センサ21の検知温度が、予め設定しておいた離氷完了温度を超えたか否かで行う。したがって、冷却器1から全ての氷が落下した時点cから冷却器1の温度が離氷完了温度まで上昇する間、ある程度の時間が経過した時点dで離氷完了が検知される。
【0009】
そして、冷却器温度センサ21により離氷完了が検知されたら、前記ホットガス電磁弁を閉じると共に、減速モータ16の運転を復動側に切り換える。その結果、減速モータ16が逆転して第1のアーム17が時計方向に回転する。それと共に、水皿4は徐々に上方向へ回動していき、水平閉塞位置となったところで第1のアーム17が水皿位置検出スイッチ20に当接し、それによって水皿位置検出スイッチ20の接点を傾動側に切り換えると共に、減速モータ16を停止させる(時点e)。その状態で再び製氷工程に入り、以下、同様な工程を繰り返して製氷を行う。
【0010】
なお、このような逆セル型製氷機に関連する従来の文献としては、例えば、特公昭61-50231号公報(F25C 5/10) がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の逆セル型製氷機では、前述したように、離氷の完了を冷却器温度センサ21の検知温度が離氷完了温度を超えたか否かで判定しているため、離氷工程でのタイムロスが大きくなり、その分製氷能力が低下するという問題点があった。
【0012】
すなわち、離氷完了の判定が早過ぎることがないように、安全を見込んで離氷完了温度を多少高めに設定することもあって、図4(ロ)における時点cで冷却器1の全ての製氷室2から氷が落下してから、離氷完了温度に上昇する時点dまでには、通常、30秒から1分近くかかり、外気温が低い時には、2〜3分かかることもある。その時間は、本来は不要な時間であり、タイムロスとなっている。その分、1回の製氷にかかる時間が長くなり、製氷能力が低くなっている。
【0013】
そのようなタイムロスを少なくするため、離氷完了温度を低く設定すると、離氷完了の判定を早くし過ぎてしまい、冷却器1から氷が完全に落下する前に水皿4を閉めてしまい、水皿4と冷却器1との間に氷を挟んで、氷かみの状態になってしまい、減速モータ16等に過負荷を与えてしまうおそれがある。
【0014】
本発明は、そのような問題点を解決し、離氷工程におけるタイムロスを最少にしながら、氷かみも起きないようにすることを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1記載の逆セル型製氷機は、下向きに開口した多数の製氷室を有する冷却器と、該冷却器の下方に、回動軸を中心にして傾復動可能に配設され、製氷時には水平位置になって前記各製氷室を下方から覆い、製氷完了後は、下方に傾動して開放状態になる水皿と、製氷完了後、前記製氷室から前記水皿の上に氷が落下したことを直接検知するセンサとを具え、製氷完了後、前記冷却器にホットガスを流すことにより前記製氷室から氷を落下させ、前記センサの検知出力に基づいて前記製氷室からの離氷完了を判定するようにした逆セル型製氷機であって、前記センサとして、感圧センサを用い、該感圧センサを前記回動軸側にある製氷室の下方に位置する水皿表面に設け、前記ホットガスは、前記冷却器の先端側を入口とし、前記回動軸側を出口として流すようにしたことを特徴とする。このようにすると、氷かみの発生を防止しながら、離氷工程におけるタイムロスを少なくすることができるとともに、多数の製氷室の氷の内、最後の氷の落下を感圧センサで検知することができ、最短のタイミングで離氷工程を完了させることができる。
【0016】
そして、請求項2記載の逆セル型製氷機は、下向きに開口した多数の製氷室を有する冷却器と、該冷却器の下方に、回動軸を中心にして傾復動可能に配設され、製氷時には水平位置になって前記各製氷室を下方から覆い、製氷完了後は、下方に傾動して開放状態になる水皿と、製氷完了後、前記製氷室から前記水皿の上に氷が落下したことを直接検知するセンサとを具え、製氷完了後、前記冷却器にホットガスを流すことにより前記製氷室から氷を落下させ、前記センサの検知出力に基づいて前記製氷室からの離氷完了を判定するようにした逆セル型製氷機であって、前記センサとして、光センサを用い、該光センサを前記回動軸側にある製氷室の下側空間部に光線を通すように設け、前記ホットガスは、前記冷却器の先端側を入口とし、前記回動軸側を出口として流すようにしたことを特徴とする。このようにしても、氷かみの発生を防止しながら、離氷工程におけるタイムロスを少なくすることができるとともに、多数の製氷室の氷の内、最後の氷の落下を光センサで検知することができ、最短のタイミングで離氷工程を完了させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を示す図である。符号は、図6のものに対応しており、23は機械式センサ、24はセンサ支持部、iは氷である。
【0018】
機械式センサ23は、センサ支持部24により、水皿4の先端延長線上に揺動可能に支持し、それに氷iが当たると揺動する。その結果、機械式センサ23に設けられた接点(図示せず)が回転して、センサ支持部24に固定された接点(図示せず)と接触することにより氷iの落下を検知する。次に、フローチャートとタイムチャートを使って、第1実施形態の動作を説明する。
【0019】
図5は、本発明の逆セル型製氷機の運転制御手順を示すフローチャートである。
ステップ1…前述した従来のものと同様にして製氷工程を実行する。
ステップ2…図4(イ)のタイムチャートにおける時点Aで、製氷工程が完了したら、離氷工程を開始するため、減速モータ16を正回転させて水皿4の下方への傾動を開始する。それと同時に、離氷を促進させるため蒸発パイプ3にホットガスを流して冷却器1を温める。
ステップ3…水皿4が下限位置に達したら、前述した従来のものと同様に、第2のアーム18(図6参照)が、水皿位置検出スイッチ20(同)に当接し、それによって水皿位置検出スイッチ20の接点を切り換えて、減速モータ16を停止させ、水皿4を停止させる。
【0020】
ステップ4…図4(イ)のタイムチャートにおける時点Bから氷の落下が始まるため、機械式センサ23による氷落下の検知を開始する。なお、氷の落下は、通常、ホットガスの導入側に近い製氷室2の氷から始まり、ホットガスの出口側に近い製氷室2の氷が最後になる(時点C)。
ステップ5…最後に氷が落下してから、それ以上氷の落下がないことを確認するため、一定時間(例えば、10〜20秒)経過したか否かを判別する。
ステップ6…一定時間経過したら(時点D)、全ての氷が落下したものと判断し、減速モータ16を逆回転させて水皿4の上方への復動を開始する。
ステップ7…時点Eで、水皿4が上限位置に達したら、水皿4を停止させて離氷工程を終わる。
【0021】
このように、本発明では、製氷室2からの氷の落下をセンサで直接検知して離氷完了の時点を決めるようにしたので、図4(イ)のタイムチャートにおける時点C−Dの間隔は、従来のもの(図4(ロ))における時点c−dより短くすることができる。
【0022】
図2は、本発明の第2実施形態を示す図である。符号は、図1のものに対応しており、25は歪みゲージである。この実施形態では、ホットガスの出口側に最も近い製氷室2に対向する水皿4の表面に歪みゲージ25を貼り付けて、それに氷iが当たったか否かにより、全ての製氷室2からの離氷が完了したか否かを判定する。歪みゲージ25は、圧力を受けて歪みを受けたとき、電気抵抗が変化することで、氷が当たったことを検知する。
【0023】
前述したように、逆セル型製氷機の製氷室2からの氷の落下は、冷却器1に温度勾配が生じる関係上、通常、ホットガスの導入側に近い側から始まり、ホットガスの出口側に近い側が最後になる。そこで、蒸発パイプ3へのホットガスの導入は、逆セル型製氷機の先端側(水皿4が開放する側)から行い、奥側(回動軸14側)から排出するようにし、歪みゲージ25は、最奥側にある製氷室2の下に設ける。なお、冷却器1には製氷室2が縦横それぞれ複数列ずつマトリックス状に設けられているため、最奥側の製氷室2は複数個あるが、それらの氷の落下は、ほぼ同時期になるため、複数ある製氷室2の内の1つ、例えば、真ん中に位置する製氷室2の下側に歪みゲージ25を設ければよい。
【0024】
そのようにすれば、歪みゲージ25の出力に変化があったときは、その上の製氷室2から氷が落下したことになり、最奥側の他の製氷室2及びそれらより先端側にある残りの製氷室2の氷も全て落下したものと判定できる。したがって、歪みゲージ25で氷落下を検知した後、あまり時間を置くことなく、水皿4の上昇を開始させることができ、その分、離氷工程の期間を短くすることができる。
【0025】
なお、この実施形態では、氷の落下を検知するための感圧センサとして、歪みゲージ25を用いたが、それに限定されず、圧電特性を利用した圧力センサ等、氷の落下による圧力を検知できるものであれば、その他の感圧センサを用いてもよい。
【0026】
図3は、本発明の第3実施形態を示す図である。符号は、図1のものに対応しており、26は光センサ、27は光センサ支持部である。この実施形態では、ホットガスの出口側に最も近い製氷室2の下側を光線が通るように、冷却器1の前後に光センサ26(一方に発光素子、他方に受光素子)を設け、その光線が遮られたか否かにより、全ての製氷室2からの離氷が完了したか否かを判定する。
【0027】
光センサ26は、冷却器1の前後いずれかに設けた発光素子から赤外線等を照射し、冷却器1の他方側に設けた受光素子でそれを受ける。それら発光素子及び受光素子よりなる光センサ26は、光センサ支持部27により支持梁22から支持する。
【0028】
この実施形態においても、蒸発パイプ3へのホットガスの導入は、逆セル型製氷機の先端側から行い、奥側から排出するようにし、光センサ26は、最奥側にある製氷室2の下側を光線が通るように設ける。そのようにして、光センサ26の出力に変化があったときは、その上の製氷室2から氷が落下したことになり、最奥側の他の製氷室2及びそれらより先端側にある残りの製氷室2の氷も全て落下したものと判定できる。したがって、光センサ26で氷落下を検知した後、あまり時間を置くことなく、水皿4の上昇を開始させることができ、その分、離氷工程の期間を短くすることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
請求項1記載の逆セル型製氷機は、製氷完了後、前記製氷室から前記水皿の上に氷が落下したことを直接検知するセンサとを具え、該センサの検知出力に基づいて前記製氷室からの離氷完了を判定するようにしたので、氷かみの発生を防止しながら、離氷工程におけるタイムロスを少なくすることができる。さらに、センサとして、感圧センサを用い、それを回動軸側にある製氷室の下方に位置する水皿表面に設け、かつ、ホットガスは、冷却器の先端側を入口とし、回動軸側を出口として流すようにして、回動軸側にある製氷室の氷が最後に落下するようにしたので、各製氷室にある多数の氷の内、最後の氷の落下を、感圧センサにより検知することができ、最短のタイミングで離氷工程を完了させることができる。
【0030】
そして、請求項2記載の逆セル型製氷機は、センサとして、光センサを用い、該光センサを回動軸側にある製氷室の下側空間部に光線を通すように設け、かつ、ホットガスは、冷却器の先端側を入口とし、回動軸側を出口として流すようにして、回動軸側にある製氷室の氷が最後に落下するようにした。その結果、各製氷室にある多数の氷の内、最後の氷の落下を、光センサにより検知することができ、最短のタイミングで離氷工程を完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す図である。
【図2】 本発明の第2実施形態を示す図である。
【図3】 本発明の第3実施形態を示す図である。
【図4】 本発明の逆セル型製氷機と従来の逆セル型製氷機の運転制御を説明するためのタイムチャートである。
【図5】 本発明の逆セル型製氷機の運転制御手順を示すフローチャートである。
【図6】 従来の逆セル型製氷機の一部切欠側面図である。
【符号の説明】
1…冷却器
2…製氷室
4…水皿
21…冷却器温度センサ
23…機械式センサ
24…センサ支持部
25…歪みゲージ
26…光センサ
27…光センサ支持部
Claims (2)
- 下向きに開口した多数の製氷室を有する冷却器と、該冷却器の下方に、回動軸を中心にして傾復動可能に配設され、製氷時には水平位置になって前記各製氷室を下方から覆い、製氷完了後は、下方に傾動して開放状態になる水皿と、製氷完了後、前記製氷室から前記水皿の上に氷が落下したことを直接検知するセンサとを具え、製氷完了後、前記冷却器にホットガスを流すことにより前記製氷室から氷を落下させ、前記センサの検知出力に基づいて前記製氷室からの離氷完了を判定するようにした逆セル型製氷機であって、
前記センサとして、感圧センサを用い、該感圧センサを前記回動軸側にある製氷室の下方に位置する水皿表面に設け、前記ホットガスは、前記冷却器の先端側を入口とし、前記回動軸側を出口として流すようにしたことを特徴とする逆セル型製氷機。 - 下向きに開口した多数の製氷室を有する冷却器と、該冷却器の下方に、回動軸を中心にして傾復動可能に配設され、製氷時には水平位置になって前記各製氷室を下方から覆い、製氷完了後は、下方に傾動して開放状態になる水皿と、製氷完了後、前記製氷室から前記水皿の上に氷が落下したことを直接検知するセンサとを具え、製氷完了後、前記冷却器にホットガスを流すことにより前記製氷室から氷を落下させ、前記センサの検知出力に基づいて前記製氷室からの離氷完了を判定するようにした逆セル型製氷機であって、
前記センサとして、光センサを用い、該光センサを前記回動軸側にある製氷室の下側空間部に光線を通すように設け、前記ホットガスは、前記冷却器の先端側を入口とし、前記回動軸側を出口として流すようにしたことを特徴とする逆セル型製氷機。
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JPH11223437A JPH11223437A (ja) | 1999-08-17 |
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1998
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