JP3759508B2 - アクチュエータ及びアクチュエータ駆動方法並びにアクチュエータシステム - Google Patents

アクチュエータ及びアクチュエータ駆動方法並びにアクチュエータシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩進駆動するアクチュエータ及びそのアクチュエータの駆動方法、並びに、そのようなアクチュエータを含むアクチュエータシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話や携帯用情報機器にデジタルカメラの搭載が進み、撮像用の光学モジュールは大幅な小型化が求められている。これに伴い、従来の電磁式アクチュエータに変えて静電式アクチュエータが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
ここで、特許文献1は、第1の静電気力印加手段が第1の導電体に接続され、第1の導電体の表面を覆う第1の誘電体が接触面に接するように構成される第1の接触部と、第2の静電気力印加手段が第2の導電体に接続され、第2の導電体の表面を覆う第2の誘電体が接触面に接するよう構成される第2の接触部とを連結する伸縮可能材料とを有し、伸縮可能材料の伸張乃至縮小に同期して、第1の静電気力印加手段と第2の静電気力印加手段とは互いに反転動作することによって、接触面に対し略水平方向に移動できるようにした物体駆動装置を提案している。即ち、この特許文献1には、意図的に摩擦力の大きい接触部と小さい接触部を作り、これらを伸縮可能な材料で連結し、伸縮可能な材料の伸縮に同期して、摩擦力の大小関係を反転させることで、2つの接触部を一方向に移動させる構成が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、支持体と、該支持体に対して相対的に移動できる移動体と、該移動体に近接する位置に存在する駆動体と、該駆動体を前記支持体に対して相対的に変位させる伸長手段と、移動体と駆動体とをクランプ駆動する静電クランプ機構とを有するインチワーム機構が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−26149号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2000−253683号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1では、接触面に対し、移動子側に静電気力印加手段や伸縮可能部材、2つの接触部を持たせねばならないために、移動子の小型化が難しかった。
【0008】
また、上記特許文献2に開示されているような構成では、支持体駆動体の伸長方向に、駆動体の長さより長くなければ、移動体を支持体と駆動体に交互にクランプさせることが出来ない為、移動子の小型化が難しかった。即ち、駆動体に完全に乗ってしまう長さ(移動方向の長さ)のものは、動かせない。
【0009】
また、上記特許文献1及び2の何れも、複数の可動部材を同時に駆動させられるものではなかった。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、可動部材が小型化できる、および/または、複数の可動部材を単一の電気−機械変換素子によって同時に且つ独立に動かすことができるアクチュエータ及びアクチュエータ駆動方法並びにアクチュエータシステムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明によるアクチュエータは、所定の方向に延びた基板と、前記基板に対し、前記所定の方向に振動可能に支持された振動部材と、前記振動部材を前記所定の方向に振動させる振動生成手段と、前記基板に対向する第1の対向面前記振動部材に対向する第2の対向面とを有する可動部材と、前記可動部材の前記第1及び第2の少なくとも一方の対向面に配置された可動電極と、前記可動電極に対向するように前記基板及び前記振動部材の少なくとも一方に配置された前記所定の方向に延びた対向電極とを備え、前記所定の方向の振動により前記振動部材が前記基板に対して所望の方向に相対変位する際に、前記振動部材と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、前記基板と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加して静電気力を作用させることによって、前記可動部材を前記基板に対して前記所望の方向に相対移動させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記基板と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、前記振動部材と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加して静電気力を作用させることによって、前記可動部材を前記基板に対して停止させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記対向電極と前記可動電極との間の電位差が、前記振動部材の振動に同期して変化することを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明によるアクチュエータは、請求項3に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記対向電極と前記可動電極とのいずれか一方の電極に、前記振動部材の振動に同期して変化する電位を与え、他方の電極に固定した電位を与えること特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明によるアクチュエータは、請求項3に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記対向電極と前記可動電極との間の電位差が、振動に同期して0となる瞬間が存在することを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するために、請求項6に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記可動電極が配置された可動部材が複数存在し、該複数の可動部材が互いに独立に移動することを特徴とする。
【0017】
また、請求項7に記載の発明によるアクチュエータは、請求項6に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記複数の可動部材に配置された可動電極のそれぞれに独立に電位を与えることによって、前記複数の可動部材が互いに独立に移動することを特徴とする。
【0018】
また、請求項8に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記対向電極は、当該対向電極と前記可動電極とが対向する面積が、前記可動部材の移動方向における位置によって異なるように構成された電極であり、前記対向する面積の変動を利用して、前記可動部材の位置を検出することが可能であることを特徴とする。
【0019】
また、請求項9に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記対向電極は、前記可動部材の移動方向における位置によって前記可動電極と対向する面積が異なる第1の領域と残りの領域を含む第2の領域とに分割された電極であり、前記対向する面積の変動を利用して、前記可動部材の位置を検出することが可能であることを特徴とする。
【0020】
また、請求項10に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記対向電極は、前記可動部材の移動方向における位置によって前記可動電極と対向する面積が異なるような第1の領域と第2の領域とに分割された電極であり、前記第1と第2の領域の前記可動電極と対向する面積の変動を利用して、前記可動部材の位置を検出することが可能であることを特徴とする。
【0021】
また、請求項11に記載の発明によるアクチュエータは、請求項8乃至10のいずれかに記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記対向する面積の変動は、前記対向電極と前記可動電極との間の静電容量を測定することで測定されることを特徴とする。
【0022】
また、請求項12に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記振動生成手段は、前記基板と前記振動部材とを連結する圧電振動子から構成されることを特徴とする。
【0023】
また、請求項13に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記振動生成手段は、前記基板と前記振動部材とを連結する弾性部材と、前記振動部材に配置された第1駆動電極と、前記第1駆動電極に対向し、所望の方向に静電気力を発生するように前記基板に配置された第2駆動電極とを有し、前記第1駆動電極及び第2駆動電極との間に電位差を印加して静電気力を作用させることによって振動を生成することを特徴とする。
【0024】
また、請求項14に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1または6に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記可動部材が光学素子を含むことを特徴とする。
【0025】
また、請求項15に記載の発明によるアクチュエータは、請求項14に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記基板または前記振動部材に固定された光学素子をさらに具備することを特徴とする。
【0026】
また、請求項16に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記対向電極および前記可動電極の少なくとも一方の表面が絶縁体で覆われていることを特徴とする。
【0027】
また、上記の目的を達成するために、請求項17に記載の発明によるアクチュエータシステムは、請求項1に記載のアクチュエータと、前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加する電位差印加手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
また、請求項18に記載の発明によるアクチュエータは、請求項1に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記対向電極は、前記基板に配置された第1の対向電極と、前記振動部材に配置された第2の対向電極とからなり、前記可動電極と前記第1及び第2の対向電極との間に電位差を印加することを特徴とする。
【0030】
また、請求項19に記載の発明によるアクチュエータは、請求項18に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記第1の対向電極と第2の対向電極とに互いに異なる位相の電圧を与えることを特徴とする。
【0031】
また、請求項20に記載の発明によるアクチュエータは、請求項19に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記第1の対向電極と第2の対向電極とに互いに逆相の電圧を与えることを特徴とする。
【0032】
また、請求項21に記載の発明によるアクチュエータは、請求項18に記載の発明によるアクチュエータにおいて、前記基板は、前記振動部材の振動方向に対して当該基板面で直交する方向において前記振動部材の両側に当該振動部材を挟むように設けられており、前記可動電極と対向する前記第1の対向電極が前記振動部材の両側に配置されていることを特徴とする。
【0033】
また、上記の目的を達成するために、請求項22に記載の発明によるアクチュエータの駆動方法は、可動部材に設けられた可動電極と、前記可動部材に対向する面を有する基板及び前記可動電極に対向する面を有すると共に所定の方向に振動する振動部材の少なくとも一方の当該対向する面に設けられた前記所定の方向に延びた対向電極と、に電圧を印加して、前記可動部材を前記基板に対して相対移動させるアクチュエータの駆動方法であって、前記振動部材が前記基板に対し前記所定の方向に相対変位する際に、前記振動部材と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、前記基板と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加することを特徴とする。
【0034】
また、上記の目的を達成するために、請求項23に記載の発明によるアクチュエータの駆動方法は、可動部材に設けられた可動電極と、前記可動部材に対向する面を有する基板の対向する面に設けられた所定の方向に延びた第1の対向電極と、前記可動電極に対向する面を有すると共に前記所定の方向に振動する振動部材の対向する面に設けられた前記所定の方向に延びた第2の対向電極と、に制御した電圧を印加して、前記可動部材を前記基板に対して相対移動させるアクチュエータの駆動方法であって、前記振動部材が前記基板に対し前記所定の方向に相対変位する際に、少なくとも前記第2の対向電極と前記可動電極との間に電位差を印加することを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0036】
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態を図1説明する。
【0037】
図1は本第1の実施の形態に係るアクチュエータの構成を示す斜視図である。即ち、本実施の形態に係るアクチュエータにおいては、固定レールとして機能する固定基板101に開口部が設けられ、その開口部には僅かな間隙を隔てて振動レールとして機能する振動部材102が配置されることで支持されている。この振動部材102の上面には第2の対向電極としての振動電極103が形成され、該振動電極103の両脇の上記固定基板101上には第1の対向電極としての固定電極104が形成されており、上記固定基板101と振動部材102とが積層型圧電振動子106で連結されている。また、固定電極104及び振動電極103を跨ぐように、少なくとも固定基板101と対向する面及び振動部材102と対向する面、ここでは底面、を可動電極111となる金属被膜で覆われた可動部材105が配置されている。この可動部材105は、固定基板101上に形成されたガイドレール107で拘束され、図中の矢印Aの方向の一定範囲で摺動可能となっている。なお、可動部材105の中央には円形の開口105Aが設けられており、その内部にはレンズ(図示せず)が固定されている。また、特に図示しないが、固定電極104、振動電極103、可動電極111の金属被膜からは配線が引き出され、外部電源によって独立に電圧を与え制御することで、異なる電極間に電位差を印加することができるようになっている。
【0038】
図2は本実施の形態に係るアクチュエータの上面図であり、ここで図示したB−B’線の断面を図3に、C−C’線の断面を図4にそれぞれ示す。
【0039】
即ち、図2及び図3に示されているように、固定基板101と振動部材102とは、両者の上部に形成された絶縁性の下層樹脂薄膜108と絶縁性の上層樹脂薄膜109で連結されていて、上記振動電極103及び固定電極104はこれら下層樹脂薄膜108と上層樹脂薄膜109との間に形成されている。従って、可動部材105の底面部の可動電極111である金属被膜は、振動電極103と固定電極104に、上層樹脂薄膜109を介して対向している。また、下層樹脂薄膜108によって、振動部材102と振動電極103との間及び、固定基板101と固定電極104との間はそれぞれ電気的に絶縁されている。更に、上層樹脂薄膜109によって、可動電極111である金属被膜と振動電極103及び固定電極104との間が電気的に絶縁されている。
【0040】
なお、図4に示したように、上記積層型圧電振動子106は、両端で、振動部材102及び固定基板101に接着部材110によって接着されている。また、この圧電振動子106は、図4でハッチングされた領域のみで図の左右方向に振動するものとする。なお、図示しないが、該圧電振動子106から、これを振動させるための電圧を印加するリード線が引き出されており、外部電源に接続されているものとする。ここで、圧電振動子106に45Vの電圧が印加されている状態では、当該圧電振動子106に電圧を印加していない状態に比較して、図4の左右方向に1μm収縮するものとする。また、この電圧を印加した状態を収縮状態とし、電圧を印加していない状態を伸長状態と呼ぶこととする。このような圧電素子である積層型圧電振動子106は、電圧の印加状態を繰り返し変化させることによって、収縮と伸長を繰り返すことで振動する。
【0041】
本実施の形態に係るアクチュエータにあっては、圧電振動子106に電圧パルスを印加することでこれを振動させ、固定基板101に対して振動部材102を微小振動させる。ここで、下層樹脂薄膜108と上層樹脂薄膜109の剛性は十分に小さく、振動部材102の振動を妨げることはない。
【0042】
ここで、図1乃至図4においては簡略化のために図示を省略していた、本実施の形態に係るアクチュエータの配線の引き出しに関して、図5を用いて説明する。
【0043】
即ち、固定電極104からは配線151が延在して電極パッド152に接続されており、振動電極103からは配線153が延在して固定基板101の領域で電極パッド154に接続されている。ここで配線151,153及び電極パッド152,154は、上記固定電極104や振動電極103と同様に、下層樹脂薄膜108と上層樹脂薄膜109との間に配置されており、電極パッド152,154の領域の上層樹脂薄膜109には開口155が形成されていて、導体部分が露出して外部リードを接続することができる。
【0044】
このように、振動電極103からの電極パッド154を固定基板101に対して振動部材102を支持する樹脂薄膜108,109の間に通して固定基板101上に固定電極の電極パッド152に近接して配置することは、配線の取り回しを考えると好適である。
【0045】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るアクチュエータの駆動方法を、図6を用いて説明する。この図は、振動電極103の電圧、固定電極104の電圧、圧電振動子106に印加する電圧、及び可動電極111の電位を示している。本実施の形態にあっては、圧電振動子106には一定のパルス電圧が印加され、固定電極104と振動電極103には、圧電振動子106の電圧に同期した一定の方形波が印加されるものであるが、その固定電極104と振動電極103の電圧パルスは互いに逆相である。
【0046】
まず、可動部材105が前進する場合について説明する。ここで、前進とは図1において矢印Aで示した方向への移動である。可動部材105を前進させるためには可動電極111の電圧を45Vで一定とする。以下、この場合の動作について説明する。
【0047】
まず、時刻t0から時刻t1の過程にあっては、圧電振動子106の印加電圧は0Vから45Vに変化するので、圧電振動子106は伸長状態から収縮状態に変化し、その変化分だけ振動部材102が変位する。この時、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧はそれぞれ45V,0V,45Vであるので、可動電極111と固定電極104の間に静電気力が作用して可動電極111は固定電極104に吸着される。従って、可動部材105と振動部材102の間の摺動抵抗よりも可動部材105と固定基板101の間の摺動抵抗の方が大きくなるので、上記のように振動部材102が変位したとしても、可動部材105は固定基板101に対してほとんど変位しない。
【0048】
次に、時刻t1から時刻t2の過程においては、圧電振動子106の印加電圧は変化しないので収縮状態のままで、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧がそれぞれ0V,45V,45Vになるので、可動電極111と振動電極103の間に静電気力が作用して可動電極111は振動電極103に吸着される。
【0049】
次に、時刻t2から時刻t3の過程にあっては、圧電振動子106の電圧が45Vから0Vに変化するので、圧電振動子106は収縮状態から伸長状態に変化し、その変化分だけ振動部材102が変位する。この時、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧は変化しないので、可動電極111は振動電極103に吸着されたままである。従って、可動部材105と固定基板101の間の摺動抵抗よりも可動部材105と振動部材102の間の摺動抵抗の方が大きくなるので、可動部材105は振動部材102と共に変位して、固定基板101に対してほぼ1μmだけ図1の矢印Aの方向に変位する。
【0050】
次に、時刻t3から時刻t4の過程にあっては、圧電振動子106の電圧は変化しないので伸長状態のままで、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧がそれぞれ45V,0V,45Vになるので、可動電極111と振動電極103の間に静電気力が作用して、可動電極111は固定電極104に吸着される。
【0051】
この時刻t4の状態は上記時刻t0の状態と同じであるので、その次の過程は、上記時刻t0から時刻t1の過程と同様となる。従って、上記時刻t0から時刻t4について説明したような各過程を周期的に繰り返すことで、可動部材105を固定基板101に対して図1の矢印Aの方向に歩進駆動させることができる。
【0052】
このように、圧電振動子106の振動に同期させて固定電極104と振動電極103に電圧パルスを互いに逆相で印加し、可動電極111に対して、圧電振動子106が収縮状態から伸長状態に変化する際に振動電極103に吸着されるように一定電圧を印加する(この場合は45V)ことで、図1の矢印Aの方向に歩進駆動させることができる。
【0053】
次に、可動部材105が後退する場合について説明する。ここで、後退とは図1において矢印Aで示した方向とは逆の方向への移動である。可動部材105を後退させるためには可動電極111の電圧を0Vで一定とする。以下、この場合の動作について説明する。
【0054】
時刻t0から時刻t1の過程にあっては、圧電振動子106の印加電圧は0Vから45Vに変化するので、圧電振動子106は伸長状態から収縮状態に変化し、その変化分だけ振動部材102が変位する。この時、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧はそれぞれ45V,0V,0Vであるので、可動電極111と振動電極103の間に静電気力が作用して、可動電極111は振動電極103に吸着される。従って、可動部材105と固定基板101の間の摺動抵抗よりも可動部材105と振動部材102の間の摺動抵抗の方が大きくなるので、可動部材105は振動部材102と共に変位して、固定基板101に対してほぼ1μmだけ図1の矢印Aの方向とは逆の方向に変位する。
【0055】
次に、時刻t1から時刻t2の過程においては、圧電振動子106の印加電圧は変化しないので収縮状態のままで、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧がそれぞれ0V,45V,0Vになるので、可動電極111と固定電極104の間に静電気力が作用して、可動電極111は固定電極104に吸着される。
【0056】
次に、時刻t2から時刻t3の過程にあっては、圧電振動子106の電圧が45Vから0Vに変化するので、圧電振動子106は収縮状態から伸長状態に変化し、その変化分だけ振動部材102が変位する。この時、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧は変化しないので、可動電極111は固定電極104に吸着されたままである。従って、可動部材105と振動部材102の間の摺動抵抗よりも可動部材105と固定基板101の間の摺動抵抗の方が大きくなるので、上記のように振動部材102が変位したとしても、可動部材105は固定基板101に対してほとんど変位しない。
【0057】
次に、時刻t3から時刻t4の過程にあっては、圧電振動子106の電圧は変化しないので伸長状態のままで、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧がそれぞれ45V,0V,0Vになるので、可動電極111と振動電極103の間に静電気力が作用して、可動電極111は振動電極103に吸着される。
【0058】
この時刻t4の状態は上記時刻t0の状態と同じであるので、その次の過程は、上記時刻t0から時刻t1の過程と同様となる。従って、上記時刻t0から時刻t4について説明したような各過程を周期的に繰り返すことで、可動部材105を固定基板101に対して図1の矢印Aの方向とは逆の方向に歩進駆動させることができる。
【0059】
このように、圧電振動子106の振動に同期させて固定電極104と振動電極103に電圧パルスを互いに逆相で印加し、可動電極111に対して、圧電振動子106が伸長状態から収縮状態に変化する際に振動電極103に吸着されるように一定電圧を印加する(この場合は0V)ことで図1の矢印Aとは逆の方向に歩進駆動させることができる。
【0060】
次に、可動部材105を停止させる場合について説明する。この場合には、可動電極111には振動電極103と同じ電圧パルスが印加され、可動電極111と固定電極104の間の電圧はごく短い遷移時間を除いて常に45Vとなるようにする。従って、可動電極111と固定電極104の間にほとんど常に静電気力が作用して、可動電極111と振動電極103の間には静電気力が作用しない。よって、可動部材105と振動部材102との間の見かけ上の摺動抵抗よりも可動部材105と固定基板101との間の見かけ上の摺動抵抗の方が大きくなる。従って、振動部材102が振動しても、可動部材105は固定基板101に吸着されて固定基板101に対して停止している。
【0061】
ここで、見かけ上の摺動抵抗とは、静電気力による抵抗以外に、可動部材105または可動電極111または該可動電極111を覆う絶縁体膜(図示せず)と固定基板101または振動部材102または対向電極(振動電極103または固定電極104)または該対向電極を覆う絶縁体(上層樹脂薄膜109)との摩擦抵抗、といった摩擦抵抗を含んでも良い。
【0062】
なお、上記とは逆に、可動電極111に固定電極104と同じ電圧パルスを印加すると、可動電極111と振動電極103の間の電圧はごく短い遷移時間を除いて常に45Vとなる。従って、可動電極111と振動電極103の間にほとんど常に静電気力が作用して、可動電極111と固定電極104の間には静電気力が作用しない。よってこの場合には、可動部材105は振動部材102に吸着して振動部材102と共に1μmの振幅で振動するのみで、歩進駆動はしない。従って、この程度の振動が実用上問題とならない用途では、実質的に可動部材105を停止させることができる。
【0063】
このように、圧電振動子106に一定の振動をさせて、固定電極104と振動電極103に圧電振動子106の振動に同期して互いに逆相のパルスを印加することで、可動電極111に印加する電圧を制御して前進もしくは後退させることができる。また、可動電極111に対して固定電極104と同じ電圧パルスを印加することで、可動部材105を停止させることも可能である。
【0064】
また、振動電極103と固定電極104は可動部材105の移動方向に対して平行に延在しているので、可動部材105の移動に伴って、可動部材105の底面と固定電極104が対向する面積及び可動部材105の底面と振動電極103が対向する面積は変化しないので、可動電極111と振動電極103もしくは固定電極104の間の静電気力が可動部材105の位置に依存することはなく、安定した駆動が可能となり、さらに可動部材105の可動範囲は振動電極103及び固定電極104の長さによって決まり、可動部材105の大きさに制限されることはない。
【0065】
なお、本実施の形態にあっては、圧電振動子106の印加電圧を45V、固定電極104と振動電極103の電圧パルスの振幅を45V、可動電極111の印加電圧を0Vまたは45Vあるいは振幅が45Vの電圧パルスとしたが、これらの電圧は圧電振動子106の特性、可動部材105の大きさや質量などによって変わるものであることは言うまでもない。
【0066】
また、本実施の形態にあっては、振動電極103と固定電極104の電圧パルスを完全な逆相としたが、両者で電圧が変化する時間を僅かにずらして、振動電極103及び固定電極104の電圧が変化するごく短い時間に可動電極111が固定電極104もしくは振動電極103のいずれに対する静電気力も小さくなる現象を回避したり、圧電振動子106への印加電圧パルスを正弦波もしくは方形波にするなど、上述の駆動プロセスを逸脱しない範囲で変更することは可能である。
【0067】
従って、可動部材105と振動部材102との間の見かけ上の摺動抵抗と可動部材105と固定基板101との間の見かけ上の摺動抵抗との大小関係を振動部材102の振動に同期して制御できるのであれば、固定電極104または振動電極103の少なくとも一方と、それぞれに対向する可動部材105の面に可動電極111とを有していれば良い。
【0068】
また、可動電極111とそれに対向する面に設置された対向電極即ち固定電極104または振動電極103との間の電位差が0となる瞬間が存在するようにすれば、可動電極と対向電極の1つとの間に働く静電気力が0になり、見かけ上の摺動抵抗の差を大きくすることができるので、より好ましい駆動が可能である。
【0069】
なお、本実施の形態では、固定基板101は、振動部材102の振動方向に対して固定基板面で直交する方向において振動部材102の両側に該振動部材102を挟むように設けられているが、固定基板101は、振動部材102の必ずしも両脇にある必要は無く、片方だけにあっても良い。また、振動部材102の所定の振動方向に伸びて配置されており、可動部材105と振動部材102との間の見かけ上の摺動抵抗と可動部材105と固定基板101との間の見かけ上の摺動抵抗との大小関係を振動部材102の振動に同期して制御できるようであれば、図の可動部材105の上方、側面に配置するなど、その配置は問わない。
【0070】
また、可動部材105は必ずしも開口部105Aやレンズを有している必要は無い。
【0071】
可動部材105を支持する案内となるガイドレール107は無くても良い。また、ガイドレール107を配置する代わりに、可動部材105を拘束または支持するように固定基板101を配置しても良い。
【0072】
また、可動電極111と対向する電極103,104の少なくとも一方が絶縁体で覆われていれば良い。
【0073】
可動電極111は図のように可動部材105の底面全体を覆っている必要は無く、また、振動電極103及び固定電極104も、図ではそれらを合わせた幅が可動部材105の幅にほぼ等しくなるようにしているが、可動電極111に対向しさえすれば、そのように可動部材105のほぼ全幅をカバーする必要は無い。
【0074】
また、図3では、可動電極111を可動部材105の底面にのみ配置しているが、側面または上面まで延在させることで、可動電極111に電位を与えるための配線を引き出し易くしても良い。さらには、可動部材105の内部に配線を通すことで、可動電極111に電位を与えるようにしても良い。このようにして、可動電極111や可動部材105を変形することで、可動部材105の移動の邪魔にならない位置から配線を引き出すことができる。
【0075】
また、可動部材105そのものが全体を金属被膜で覆われるなどして、電極になっていても良い。
【0076】
可動部材105と固定基板101及び振動部材102は、接触していることが望ましいが、駆動に必要な静電気力が得られる範囲で離れていても良い。このとき、電極からの放電が起こらない範囲ならば、樹脂薄膜109のような絶縁体によって覆われていなくても良い。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態にあっては、可動部材105は固定基板101及び振動部材102に接触した状態で進行方向のみに変位するので、対向する上下の電極への吸着を繰り返しながら変位する従来の静電式アクチュエータと比較すると動作させる電極間の距離が小さく、同じ電圧でより質量の大きな可動部材を駆動させることができる。加えて、本実施の形態では、一つの可動部材105を備えたアクチュエータについて説明したが、可動部材の変位は可動部材の電圧のみで制御できるので、同じ固定電極104及び振動電極103上に複数の可動部材を配置して独立に駆動させることができる。この場合でも、圧電振動子106を複数配置する必要はないので、複数の可動部材を有してもアクチュエータが大幅に大型化したり消費電力が可動部材の数に比例して増大するようなことはない。
【0078】
なお、可動部材105を停止させるには、圧電振動子106へ印加する電圧パルスを止めて、振動部材102を停止させる方法もある。この場合、可動電極111の電圧は図6に提示した前進時、後退時、停止時のいずれでも良い。いずれの場合でも、電圧パルスが変動するごく短い時間を除いて、可動電極111は振動電極103もしくは固定電極104のいずれかに吸着されているので、可動部材105は固定基板101に対して停止することになる。
【0079】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を用いて説明する。
【0080】
本実施の形態に係るアクチュエータは、上記第1の実施の形態に係るアクチュエータと構成は同じであり、駆動の方法が異なる。
【0081】
本実施の形態に係るアクチュエータの駆動方法を図7を参照して説明する。なおこの図は、固定電極104、振動電極103、可動電極111の電圧及び、圧電振動子106に印加する電圧を示している。本実施の形態にあっては、圧電振動子106には一定のパルス電圧が印加され、固定電極104には45V、振動電極103には0Vの一定電圧が印加されている。一方、可動電極111には、圧電振動子106の電圧に同期した方形波が印加され、その位相が可動部材の進行方向によって異なる。
【0082】
まず、可動部材105が前進する場合について説明する。ここで、前進とは図1において矢印Aで示した方向への移動である。可動部材105を前進させるためには圧電振動子106の印加電圧が増大する過程においては可動電極111の電圧を45Vとし、圧電振動子106の印加電圧が減少する過程においては可動電極111の電圧を0Vとする。以下、この場合の動作について説明する。
【0083】
まず、時刻t0から時刻t1の過程にあっては、圧電振動子106の印加電圧は0Vから45Vに変化するので、圧電振動子106は伸長状態から収縮状態に変化し、その変化分だけ振動部材102が変位する。この時、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧はそれぞれ45V,0V,45Vであるので、可動電極111と固定電極104の間に静電気力が作用して、可動電極111は固定電極104に吸着される。従って、可動部材105と振動部材102の間の摺動抵抗よりも可動部材105と固定基板101の間の摺動抵抗の方が大きくなるので、上記のように振動部材102が変位したとしても、可動部材105は固定基板101に対してほとんど変位しない。
【0084】
次に、時刻t1から時刻t2の過程においては、圧電振動子106の印加電圧は変化しないので収縮状態のままで、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧がそれぞれ45V,0V,0Vになるので、可動電極111と振動電極103の間に静電気力が作用して、可動電極111は振動電極103に吸着される。
【0085】
次に、時刻t2から時刻t3の過程にあっては、圧電振動子106の電圧が45Vから0Vに変化するので、圧電振動子106は収縮状態から伸長状態に変化し、その変化分だけ振動部材102が変位する。この時、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧は変化しないので、可動電極111は振動電極103に吸着されたままである。従って、可動部材105と固定基板101の間の摺動抵抗よりも可動部材105と振動部材102の間の摺動抵抗の方が大きくなるので、可動部材105は振動部材102と共に変位して、固定基板101に対してほぼ1μmだけ図1の矢印Aの方向に変位する。
【0086】
次に、時刻t3から時刻t4の過程にあっては、圧電振動子106の電圧は変化しないので伸長状態のままで、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧がそれぞれ45V,0V,45Vになるので、可動電極111と振動電極103の間に静電気力が作用して、可動電極111は固定電極104に吸着される。
【0087】
この時刻t4の状態は上記時刻t0の状態と同じであるので、その次の過程は、上記時刻t0から時刻t1の過程と同様となる。従って、上記時刻t0から時刻t4について説明したような各過程を周期的に繰り返すことで、可動部材105を固定基板101に対して図1の矢印Aの方向に歩進駆動させることができる。
【0088】
このように、圧電振動子106の印加電圧が増大する過程においては可動電極111の電圧を45Vとし、圧電振動子106の印加電圧が減少する過程においては可動電極111の電圧を0Vとなるような電圧パルスを可動電極111に印加することで、図1の矢印Aの方向に歩進駆動させることができる。
【0089】
次に、可動部材105が後退する場合について説明する。ここで、後退とは図1において矢印Aで示した方向とは逆の方向への移動である。
【0090】
可動部材105を後退させるためには圧電振動子106の印加電圧が増大する過程においては可動電極111の電圧を0Vとし、圧電振動子106の印加電圧が減少する過程においては可動電極111の電圧を45Vとする。以下、この場合の動作について説明する。
【0091】
まず、時刻t0から時刻t1の過程にあっては、圧電振動子106の印加電圧は0Vから45Vに変化するので、圧電振動子106は伸長状態から収縮状態に変化し、その変化分だけ振動部材102が変位する。この時、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧はそれぞれ45V,0V,0Vであるので、可動電極111と振動電極103の間に静電気力が作用して、可動電極111は振動電極103に吸着される。従って、可動部材105と固定基板101の間の摺動抵抗よりも可動部材105と振動部材102の間の摺動抵抗の方が大きくなるので、可動部材105は振動部材102と共に変位して、固定基板101に対してほぼ1μmだけ図1の矢印Aの方向とは逆の方向に変位する。
【0092】
次に、時刻t1から時刻t2の過程においては、圧電振動子106の印加電圧は変化しないので収縮状態のままで、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧がそれぞれ45V,0V,45Vになるので、可動電極111と固定電極104の間に静電気力が作用して、可動電極111は固定電極104に吸着される。
【0093】
次に、時刻t2から時刻t3の過程にあっては、圧電振動子106の電圧が45Vから0Vに変化するので、圧電振動子106は収縮状態から伸長状態に変化し、その変化分だけ振動部材102が変位する。この時、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧は変化しないので、可動電極111は固定電極104に吸着されたままである。従って、可動部材105と振動部材102の間の摺動抵抗よりも可動部材105と固定基板101の間の摺動抵抗の方が大きくなるので、上記のように振動部材102が変位したとしても、可動部材105は固定基板101に対してほとんど変位しない。
【0094】
次に、時刻t3から時刻t4の過程にあっては、圧電振動子106の電圧は変化しないので伸長状態のままで、振動電極103,固定電極104,可動電極111の電圧がそれぞれ45V,0V,0Vになるので、可動電極111と振動電極103の間に静電気力が作用して、可動電極111は振動電極103に吸着される。
【0095】
この時刻t4の状態は上記時刻t0の状態と同じであるので、その次の過程は、上記時刻t0から時刻t1の過程と同様となる。従って、上記時刻t0から時刻t4について説明したような各過程を周期的に繰り返すことで、可動部材105を固定基板101に対して図1の矢印Aとは逆の方向に歩進駆動させることができる。
【0096】
このように、圧電振動子106の印加電圧が増大する過程においては可動電極111の電圧を0Vとし、圧電振動子106の印加電圧が減少する過程においては可動電極111の電圧を45Vとなるような電圧パルスを可動電極111に印加することで、図1の矢印Aとは逆の方向に歩進駆動させることができる。
【0097】
次に、可動部材105を停止させる場合について説明する。この場合、可動電極111には、振動電極103と同じく45Vの電圧が印加される。従って、可動電極111と固定電極104の間に圧電振動子106の状態にかかわらず常に静電気力が作用して、可動電極111と振動電極103の間には静電気力が作用しない。よって、振動部材102が振動しても、可動部材105は固定基板101に吸着されて固定基板101に対して停止している。
【0098】
なお、可動電極111に固定電極104と同じく0Vの電圧を印加すると、可動電極111と振動電極103の間に常に静電気力が作用して、可動電極111と固定電極104の間には静電気力が作用しない。従って、可動部材105は振動部材102に吸着して振動部材102と共に1μmの振幅で振動するのみで歩進駆動はしない。この程度の振動が実用上問題とならない用途では、実質的に可動部材105を停止させることができる。
【0099】
このように、圧電振動子106に一定の振動をさせて、固定電極104と振動電極103に一定電圧を印加し、可動電極111に圧電振動子106の振動に同期したパルスを印加し、その位相を制御することで可動部材105を前進もしくは後退させることができる。また、可動電極111に対して一定電圧を印加することで、可動部材105を停止させることも可能である。
【0100】
また、振動電極103と固定電極104は可動部材105の移動方向に対して平行に延在しているので、可動部材105の移動に伴って、可動部材105の底面と固定電極104が対向する面積及び可動部材105の底面と振動電極103が対向する面積は変化しないので、可動電極111と振動電極103もしくは固定電極104の間の静電気力が可動部材105の位置に依存することはなく、安定した駆動が可能となり、さらに可動部材105の可動範囲は振動電極103及び固定電極104の長さによって決まり、可動部材105の大きさに制限されることはない。
【0101】
なお、本実施の形態にあっては、圧電振動子106の印加電圧を45V、固定電極104の印加電圧を0V、振動電極103印加電圧を45V、可動電極111の印加電圧を振幅が45Vの電圧パルスまたは0Vとしたが、これらの電圧は圧電振動子106の特性や、可動部材105の大きさや質量などによって変わるものであることは言うまでもない。
【0102】
また、本実施の形態にあっては、圧電振動子106への印加電圧パルスを正弦波もしくは方形波にするなど、上述の駆動プロセスを逸脱しない範囲で変更することは可能である。
【0103】
以上説明したように、本第2の実施の形態にあっては、可動部材105は固定基板101及び振動部材102に接触した状態で、進行方向のみに変位するので、対向する上下の電極への吸着を繰り返しながら変位する従来の静電式アクチュエータと比較すると動作させる電極間の距離が小さく、同じ電圧でより質量の大きな可動部材を駆動させることができる。加えて、本実施の形態では、一つの可動部材105を備えたアクチュエータについて説明したが、可動部材の変位は可動部材の電圧のみで制御できるので、同じ固定電極104及び振動電極103上に複数の可動部材を配置して独立に駆動させることができる。この場合でも圧電振動子106を複数配置する必要はないので、複数の可動部材を有してもアクチュエータが大幅に大型化したり消費電力が可動部材の数に比例して増大するようなことはない。
【0104】
なお、可動部材105を停止させるには、圧電振動子106へ印加する電圧パルスを止めて、振動部材102を停止させる方法もある。この場合でも、可動電極111と、固定電極104もしくは振動電極103のいずれかの間に電圧を印加して、可動部材105が固定基板101もしくは振動部材102に吸着させることが望ましい。
【0105】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は上記第1の実施の形態のアクチュエータの可動部材を2つとして、他にいくつかの部材を組み合わせて小型の撮像モジュールとして機能するようにしたものなので、同じ機能を有する要素については第1の実施の形態と同じ参照番号を用いるものとする。
【0106】
図8及び図9は、本実施の形態に係るアクチュエータの適用された撮像モジュールの斜視図及び上面図をそれぞれ示している。即ち、本実施の形態においては、それぞれレンズ枠として機能する第1可動部材105−1と第2可動部材105−2が配置され、第1可動部材105−1の前方の固定基板101には前方固定レンズ枠301が、第2可動部材105−2の後方の固定基板101には後方固定レンズ枠302がそれぞれ固定基板101に接着することで固定されている。
【0107】
図10は、図9のD−D’線における断面図を示している。前方固定レンズ枠301、第1可動部材105−1、第2可動部材105−2、後方固定レンズ枠302にはそれぞれ円形の開口部が設けられ、ここに第1レンズ群303、第2レンズ群304、第3レンズ群305、第4レンズ群306がそれぞれ配置されている。また、後方固定レンズ枠302内の第4レンズ群306の後方には、ローパスフィルタ307、固体撮像素子パッケージ308が固定され、固体撮像素子パッケージ308内には固体撮像素子309が配置されている。
【0108】
なお、前述した第1の実施の形態の場合と同様に、特に図示しないが、固定電極104、振動電極103、第1可動部材105−1、第2可動部材105−2からは配線が引き出され、外部電源によって独立に電圧を制御することができる。
【0109】
第1の実施の形態の図6もしくは第2の実施の形態の図7で説明したように、本実施の形態に係るアクチュエータにおいても、可動部材105−1,105−2に印加する電圧もしくは電圧パルスによって前進・後退・停止を制御できるので、それら第1可動部材105−1、第2可動部材105−2に対して別々の電位を与え、可動電極111−1、111−2と固定電極104及び振動電極103との間に電位差を印加する電位差印加手段を用意することでこれらを独立に駆動することができる。なお、本実施の形態にあっては、圧電振動子106は固定基板の裏面に配置されているが、この場合でも第1の実施の形態で説明したのと同様に可動部材105−1,105−2を駆動することができる。
【0110】
ここで、第1レンズ群303乃至第4レンズ群306は固体撮像素子309を焦点面として、第2レンズ群304と第3レンズ群305を可動群とするズーム光学系を構成する。
【0111】
このように、本実施の形態にあっては、全てのレンズ群303〜306を固定基板101上に配置することで、非常にコンパクトな撮像モジュールを実現できる。なお、本実施の形態においては可動部材を2群としたが、3群以上であっても特に圧電振動子106の数を増やしたりすることなく対応することができる。また、図を簡略化するためにガイドレール107は可動レンズ枠の図9における左右方向の移動のみを拘束しているが、撮像モジュールが倒立することを想定する必要がある用途にあっては可動部材105−1,105−2の上面も拘束する必要があることは言うまでもない。
【0112】
また、本実施の形態では可動部材をレンズ枠として、可動部材にレンズまたはレンズ群を配置したが、固体撮像素子、プリズム、ミラーなどの様々な光学素子を可動部材に固定して配置するようにしても良い。固定基板101に固定されるものも同様である。
【0113】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。前述した第1の実施の形態では、振動部材102を振動させるために圧電振動子106を用いていたが、本実施の形態では固定電極104及び振動部材102に一体に形成した櫛歯状静電アクチュエータを用いている。本実施の形態の説明においては、説明を簡略化するために第1の実施の形態と同じ機能要素に関しては同じ参照番号を用いることとする。
【0114】
図11は本実施の形態のアクチュエータの斜視図で、固定基板101と振動部材102から互いに対向する櫛歯状の電極401及び402が形成されている。図12は、この櫛歯状電極401,402の部分を拡大した上面図である。また、図12に示したA−A’線とB−B’線における断面図を図13及び図14にそれぞれ示す。ここで、固定基板101と振動部材102は、樹脂薄膜108によって電気的に振動電極103と固定電極104と絶縁されているので、櫛歯状電極401及び402にはこれらの電位とは独立に電圧を印加することができる。なお、図では、各櫛歯状電極401の延在長が異なるものとして示されているが、個々の櫛歯状電極401の長さは特に限定するものではなく、このように互いに異なる長さであっても良いし、全て同じ長さであっても良い。
【0115】
図13及び図14から分かるように、振動部材102は、下層樹脂薄膜108及び上層樹脂薄膜109で固定基板101の矩形開口部に対して支持されている。ここで、固定基板101と振動部材102の間に電圧を印加すると、固定基板101の櫛歯状電極401と振動部材102の櫛歯状電極402は櫛歯状静電アクチュエータとして機能して、振動部材102は図12の矢印Cの方向に変位する。この後電位差を0Vにすると、弾性部材である下層樹脂薄膜108と上層樹脂薄膜109の弾性によって振動部材102は元の位置に戻るので、固定基板101と振動部材102の間に電圧パルスを印加することによって、前述した第1の実施の形態において圧電振動子106を用いたのと同様に、振動部材102を固定基板101に対して振動させることができ、従って、上記第1の実施の形態もしくは第2の実施の形態と同様に可動部材105を歩進駆動させることができる。
【0116】
以上説明したように、本実施の形態においては、振動部材102を振動させる櫛歯状静電アクチュエータが固定基板101及び振動部材102に一体に形成されているので、積層型圧電振動子106からなる圧電アクチュエータを別体の部品として接合する第1の実施の形態と比較して、特に小型化を求める用途に好適である。一方、上記圧電アクチュエータは、該静電アクチュエータと比較して発生力が大きいので、比較的質量の大きい可動部材を多数駆動する用途には好適である。
【0117】
なお、本実施の形態では可動部材105を一つとしたが、上記第3の実施の形態と同様に2つ以上の可動部材を有する場合にも同様に適用可能であることは言うまでもない。また、2つの櫛歯状電極401,402の少なくとも一方の表面が絶縁体で覆われるなどして、互いに絶縁されていると望ましい。
【0118】
また、本実施の形態においては、振動部材102に配置された第1駆動電極としての櫛歯状電極402と、固定基板101に配置された第2駆動電極としての櫛歯状電極401と、からなる静電アクチュエータにより振動部材102を振動させるものとしたが、それら第1及び第2駆動電極の形状は、そのような櫛歯状に限定されるものではなく、所望の方向に静電気力を発生することができるのであれば、どのような形状であっても構わない。
【0119】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について図15を用いて説明する。上記第4の実施の形態では、振動部材102を振動させるための櫛歯状静電アクチュエータを振動部材102の一端のみに配置していたが、本実施の形態においては、振動部材102の両端に櫛歯状静電アクチュエータを配置するものである。また、上記第4の実施の形態では一つの可動部材105を有していたが、本実施の形態では2つの可動部材105−1,105−2を有するものとする。それ以外については第4の実施の形態と同様である。従って、本実施の形態の説明においては、説明を簡略化するために第4の実施の形態と同じ機能要素に関しては同じ参照番号を用いることとする。
【0120】
即ち、上記第4の実施の形態と同様に、振動部材102の一端には櫛歯状電極402が形成され、固定基板101にはそれに対向する櫛歯状電極401が形成されている。本実施の形態に係るアクチュエータでは、更に、振動部材102の他の一端には櫛歯状電極502が形成され、固定基板101にはそれに対向する櫛歯状電極501が形成されている。これによって、櫛歯状電極401と櫛歯状電極402で第1の櫛歯状静電アクチュエータを構成し、櫛歯状電極501と櫛歯状電極502で第2の櫛歯状静電アクチュエータを構成する。
【0121】
ここで例えば振動部材102側の櫛歯状電極402及び502を接地して、固定基板101側の櫛歯状電極401と501に交互に高電圧を印加することで、固定基板101に対して振動部材102を振動させることができる。ここで、上記第4の実施の形態と同様に振動部材102は固定基板101に対して、樹脂薄膜108及び109(図示せず)によって支持されているが、第1の櫛歯状静電アクチュエータと第2の櫛歯状静電アクチュエータの発生力はこれら樹脂薄膜108及び109の弾性復元力と比較して十分に大きいものとする。
【0122】
以上説明したように、上記第4の実施の形態の振動部材102の振動が樹脂薄膜108及び109の弾性復元力に依存していたのに対して、本実施の形態においては、対向する一対の櫛歯状静電アクチュエータによって駆動されるので、より大きな負荷に対して振動部材102の振動を維持できる。従って、上記第4の実施の形態と比較して、本実施の形態に係るアクチュエータは、多数の可動部材を駆動する場合や質量の比較的大きな可動部材を駆動する用途にあって特に好適である。
【0123】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態では、本発明のアクチュエータに可動部材の位置検知機能を統合する方法について言及する。
【0124】
図16は、本実施の形態に係るアクチュエータの上面図であるが、その構成は上記第1の実施の形態と類似であるので、同一の機能要素に対しては図2と同じ参照番号を用いるものとする。ただし、図を見易くするために、可動部材105の図示は省略している。
【0125】
第1の実施の形態と異なるのは、左側の固定電極が2つの領域104−aと104−bとに分割されていることである。これらと右側の固定電極104には、アクチュエータの駆動に際して同じ電圧が印加されるが、可動部材105(図示せず)と分割された固定電極104−aの間の静電容量を計測する外部回路(図示せず)を備える。ここで、可動部材105が同図中の破線Aの位置から破線Bの位置に移動すると、固定電極104−aは可動部材105の移動方向に可動電極111と対向する面積が変動しているので、固定電極104−aと可動電極111の間の静電容量は増大する。このように、固定電極104−aと可動電極111の間の静電容量は可動電極111の位置によって決まるので、これを計測することによって可動部材105の位置を検知することができる。一方、固定電極104−bにも固定電極104−aと同じ電圧が印加されているので、固定電極104−aと104−bを分離する領域を十分に狭く形成することによって、アクチュエータの駆動に際して、実質的に前述した第1の実施の形態の場合と同等の静電気力を作用させることができる。なお、本実施の形態では固定電極104を分割したが、振動電極103を分割しても同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0126】
このように、本実施の形態においては、アクチュエータの電極構成に若干の変更を加えるのみで位置検知機能を統合できるので、アクチュエータとは別体で光学式もしくは磁気式などのセンサを組み付ける場合と比較して小型化の点で有利である。
【0127】
また、固定電極104が分割されておらず、可動部材105の移動方向に可動電極111と対向する面積が変動している固定電極でも良い。
【0128】
また、本実施の形態では単純に可動電極111と固定電極104−aの間の静電容量を計測することで位置検知したが、この方法では固定電極104−aと可動電極111との間隔のバラツキや周囲温度の変動の影響を強く受けるので、これらによる位置検知精度の低下は避けられない。この問題を回避するためには、可動電極111と固定電極104−aの容量と、可動電極111と固定電極104−bの容量との差を計測する方法が考えられる。
【0129】
この容量差を計測するための外部回路としては、例えばスイッチドキャパシタを用いた回路が考えられる。ここで、スイッチドキャパシタは、図17に示すように、第1のコンデンサCS1の一端を基準電圧Vddと接地に切り換え接続する第1のスイッチSW1と、同じく第2のコンデンサCS2の一端を基準電圧Vddと接地に切り換え接続する第2のスイッチSW2と、上記第1のコンデンサCS1の他端をその非反転入力端子が接地されている演算増幅器OP1の反転入力端子と接地に切り換え接続する第3のスイッチSW3と、同じく上記第2のコンデンサCS2の他端を上記演算増幅器OP1の上記反転入力端子と接地に切り換え接続する第4のスイッチSW4と、上記演算増幅器OP1の出力端子と反転入力端子との間に接続されたコンデンサCfと、一端が接地されたコンデンサCtと、該コンデンサCtの他端を上記演算増幅器OP1の出力端子と反転入力端子に切り換え接続する第5のスイッチSW5とから構成され、各スイッチの切り換えにより第1のコンデンサCS1と第2のコンデンサCS2の静電容量の差により、演算増幅器OP1の出力電圧Voが決定されるものである。
【0130】
以下、各スイッチの状態により、スイッチドキャパシタによる静電容量差の検出原理を説明する。
【0131】
まず、上記第1乃至第4のスイッチSW1〜SW4が全て接地側に切り換えられ、第5のスイッチSW5が演算増幅器OP1の出力端子側に切り換えられた状態である入力リセット状態では、第1のコンデンサCS1の充電電荷q1は0、第2のコンデンサCS2の充電電荷q2は0、コンデンサCfの充電電荷qfはCf・Vo(n)、コンデンサCtの充電電荷qtはCt・Vo(n)となる。なおここで、Voは演算増幅器OP1の出力電圧であるが、スイッチドキャパシタは、幾つかの状態を1パターンとして作動するために、各パターンを(n)の添え字で表す。
【0132】
次に、上記入力リセット状態から上記第2のスイッチSW2を基準電圧Vdd側に切り換えて充電状態とすると、第2のコンデンサCS2に電荷が充電され、その充電電荷q2は−CS2・Vddとなる。
【0133】
そして、上記第1のスイッチSW1を基準電圧Vdd側、第2のスイッチSW2を接地側、第3乃至第5のスイッチSW3〜SW5を演算増幅器OP1の反転入力端子側に同時に切り換えて出力状態とすると、演算増幅器OP1の反転入力端子には、図18に示すような電流が流れ込み、各コンデンサの電荷は次のようになる。
【0134】
q1=∫i1dt=CS1・Vdd
q2=∫i2dt=−CS2・Vdd
qf=∫ifdt=Cf{Vo(n+1)−Vo(n)}
qt=∫itdt=Ct・Vo(n)
ここで、各電流の代数和が0になることから、次の式(1)が成り立つ。
【0135】
q1+q2+qf+qt=CS1・Vdd−CS2・Vdd+Cf{Vo(n+1)−Vo(n)}Ct・Vo(n)=0 …(1)
よって、
Cf・Vo(n+1)=(CS1−CS2)Vdd+(Cf−Ct)Vo(n) …(2)
上記式(2)より、Cd=Ctとすることで、スイッチドキャパシタの出力状態での出力電圧Voは常に次の式(3)で表されることになる。
【0136】
Vo=(CS1−CS2)Vdd/Cf …(3)
この式(3)で示されるように、スイッチドキャパシタ回路の出力電圧値から、第1のコンデンサCS1と第2のコンデンサCS2の静電容量の差を算出することができる。
【0137】
なお、このスイッチドキャパシタ回路は、この出力状態から上記入力リセット状態と同様のスイッチ切り換え状態とした出力充電状態と、更に第5のスイッチSW5のみを演算増幅器OP1の反転入力端子側に切り換えた出力リセット状態とを経ることで、出力電圧をリセットすることができる。ここで、出力充電状態は、出力電圧が出力状態で安定しているため、サンプリングを行うタイミングとして最適である。
【0138】
このように、スイッチドキャパシタ回路で2つのコンデンサの静電容量差を算出することができるので、上記第1のコンデンサCS1を可動電極111と固定電極104−aによって構成されるコンデンサ、第2のコンデンサCS2を可動電極111と固定電極104−bとでなるコンデンサとすることで、両者の静電容量の差に相当するスイッチドキャパシタ回路の出力電圧Voから可動部材105の位置を求めることができる。
【0139】
このように容量差を求める構成とすることで、固定電極104−a,104−bと可動部材105との間隔のバラツキや周囲温度の変動の影響を少なくして、より高精度の位置検知が可能になる。
【0140】
なお、このような静電容量の差を計測するのではなく、静電容量の比を計測するようにしても良いことは言うまでもない。
【0141】
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0142】
(付記)
前記の具体的実施の形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
【0143】
(1) 所定の方向に延びた基板と、
前記基板に対し、前記所定の方向に振動可能に支持された振動部材と、
前記振動部材を前記所定の方向に振動させる振動生成手段と、
前記基板に対向する第1の対向面および前記振動部材に対向する第2の対向面とを有する可動部材と、
前記可動部材の前記第1または第2の対向面に配置された可動電極と、
前記可動電極に対向するように前記基板または前記振動部材に配置された対向電極と、
を具備し、
前記所定の方向の振動により前記振動部材が前記基板に対して所望の方向に相対変位する際に、
前記振動部材と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、前記基板と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、
前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加して静電気力を作用させることによって、前記可動部材を前記基板に対して前記所望の方向に相対移動させることを特徴とするアクチュエータ。
【0144】
(対応する実施の形態)
この(1)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1乃至第6の実施の形態が対応する。ここで、それらの実施の形態における固定基板101が上記基板に、振動部材102が上記振動部材に、積層型圧電振動子106あるいは櫛歯状アクチュエータが振動生成手段に、可動部材105,105−1,105−2が上記可動部材に、可動電極111,111−1,111−2が上記可動電極に、固定電極104,104−a,104−bあるいは振動電極103が上記対向電極にそれぞれ対応する。
(作用効果)
この(1)に記載のアクチュエータによれば、振動部材の振動する方向(所定の方向)に延びた基板があるので、小型の可動子でも動かすことができる。
【0145】
(2) 前記基板と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、前記振動部材と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、
前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加して静電気力を作用させることによって、前記可動部材を前記基板に対して停止させることを特徴とする(1)に記載のアクチュエータ。
【0146】
(対応する実施の形態)
この(2)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1及び第2の実施の形態が対応する。
(作用効果)
この(2)に記載のアクチュエータによれば、可動子を停止させることができる。
【0147】
(3) 前記対向電極と前記可動電極との間の電位差が、前記振動部材の振動に同期して変化することを特徴とする(1)に記載のアクチュエータ。
【0148】
(対応する実施の形態)
この(3)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1及び第2の実施の形態が対応する。
(作用効果)
この(3)に記載のアクチュエータによれば、このように、電位差を与えることで、可動部材を所望の方向に動かすことができる。
【0149】
(4) 前記対向電極と前記可動電極とのいずれか一方の電極に、前記振動部材の振動に同期して変化する電位を与え、他方の電極に固定した電位を与えること特徴とする(3)に記載のアクチュエータ。
【0150】
(対応する実施の形態)
この(4)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1及び第2の実施の形態が対応する。
(作用効果)
この(4)に記載のアクチュエータによれば、このように、電位を与えることで、振動部材の振動に同期した電位差を与えられる。
【0151】
(5) 前記対向電極と前記可動電極との間の電位差が、振動に同期して0となる瞬間が存在することを特徴とする(3)に記載のアクチュエータ。
【0152】
(対応する実施の形態)
この(5)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1及び第2の実施の形態が対応する。
(作用効果)
この(5)に記載のアクチュエータによれば、可動電極と対向電極の1つとの間に働く静電気力が0になり、見かけ上の摺動抵抗の差を大きくすることができるので、安定した動作が可能である。
【0153】
(6) 前記可動電極が配置された可動部材が複数存在し、該複数の可動部材が互いに独立に移動することを特徴とする(1)に記載のアクチュエータ。
【0154】
(対応する実施の形態)
この(6)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第3の実施の形態が対応する。ここで、その実施の形態における第1可動部材105−1及び第2可動部材105−2が上記複数の可動部材に対応する。
(作用効果)
この(6)に記載のアクチュエータによれば、複数の可動子を独立に移動させることができる。
【0155】
(7) 前記複数の可動部材に配置された可動電極のそれぞれに独立に電位を与えることによって、前記複数の可動部材が互いに独立に移動することを特徴とする(6)に記載のアクチュエータ。
【0156】
(対応する実施の形態)
この(7)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第3の実施の形態が対応する。
(作用効果)
この(7)に記載のアクチュエータによれば、このように、電位差を与えることで、複数の可動子を独立に移動させることができる。
【0157】
(8) 前記対向電極は、当該対向電極と前記可動電極とが対向する面積が、前記可動部材の移動方向における位置によって異なるように構成された電極であり、
前記対向する面積の変動を利用して、前記可動部材の位置を検出することが可能であることを特徴とする(1)に記載のアクチュエータ。
【0158】
(対応する実施の形態)
この(8)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第6の実施の形態が対応する。ここで、その実施の形態における固定電極104−a及び104−bが上記対向電極に対応する。
(作用効果)
この(8)に記載のアクチュエータによれば、面積の変動に基づき位置を検出することで、精度の良い駆動が可能となる。
【0159】
(9) 前記対向電極は、前記可動部材の移動方向における位置によって前記可動電極と対向する面積が異なる第1の領域と残りの領域を含む第2の領域とに分割された電極であり、
前記対向する面積の変動を利用して、前記可動部材の位置を検出することが可能であることを特徴とする(1)に記載のアクチュエータ。
【0160】
(対応する実施の形態)
この(9)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第6の実施の形態が対応する。ここで、その実施の形態における固定電極104−aが上記対向電極の第1の領域に、固定電極104−bが上記対向電極の第2の領域に対応する。
(作用効果)
この(9)に記載のアクチュエータによれば、位置検出が可能であると共に、電極全体としてみた場合の静電気力が可動部材の移動方向で変化することがない。
【0161】
(10) 前記対向電極は、前記可動部材の移動方向における位置によって前記可動電極と対向する面積が異なるような第1の領域と第2の領域とに分割された電極であり、
前記第1と第2の領域の前記可動電極と対向する面積の変動を利用して、前記可動部材の位置を検出することが可能であることを特徴とする(1)に記載のアクチュエータ。
【0162】
(対応する実施の形態)
この(10)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第6の実施の形態が対応する。ここで、その実施の形態における固定電極104−aが上記対向電極の第1の領域に、固定電極104−bが上記対向電極の第2の領域に対応する。
(作用効果)
この(10)に記載のアクチュエータによれば、対向電極と可動電極の距離のバラツキや温度変化の影響を減少し、位置検出を精度よく行うことができる。
【0163】
(11) 前記対向する面積の変動は、前記対向電極と前記可動電極との間の静電容量を測定することで測定されることを特徴とする(8)乃至(10)のいずれかに記載のアクチュエータ。
【0164】
(対応する実施の形態)
この(11)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第6の実施の形態が対応する。
(作用効果)
この(11)に記載のアクチュエータによれば、前記2つの電極間の静電容量を測定することで、電極面積を算出し、可動部材の移動方向における位置を検出できる。
【0165】
(12) 前記振動生成手段は、前記基板と前記振動部材とを連結する圧電振動子から構成されることを特徴とする(1)に記載のアクチュエータ。
【0166】
(対応する実施の形態)
この(12)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1乃至第3の実施の形態が対応する。ここで、それらの実施の形態における積層型圧電振動子106が上記圧電振動子に対応する。
(作用効果)
この(12)に記載のアクチュエータによれば、静電アクチュエータより出力が高いので、質量の大きい可動部材、多数の可動部材を動かすことができる。
【0167】
(13) 前記振動生成手段は、
前記基板と前記振動部材とを連結する弾性部材と、
前記振動部材に配置された第1駆動電極と、
前記第1駆動電極に対向し、所望の方向に静電気力を発生するように前記基板に配置された第2駆動電極と、
を有し、
前記第1駆動電極及び第2駆動電極との間に電位差を印加して静電気力を作用させることによって振動を生成することを特徴とする(1)に記載のアクチュエータ。
【0168】
(対応する実施の形態)
この(13)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第4及び第5の実施の形態が対応する。ここで、それらの実施の形態における下層樹脂薄膜108及び上層樹脂薄膜109が上記弾性部材に、櫛歯状電極402が上記第1駆動電極に、櫛歯状電極401が上記第2駆動電極にそれぞれ対応する。
(作用効果)
この(13)に記載のアクチュエータによれば、振動生成手段を基板に一体に形成できるので、アクチュエータ全体を小型化できる。
【0169】
(14) 前記可動部材が光学素子を含むことを特徴とする(1)または(6)に記載のアクチュエータ。
【0170】
(対応する実施の形態)
この(14)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1乃至第6の実施の形態が対応する。ここで、それらの実施の形態におけるレンズ群304,305等が上記光学素子に対応する。
(作用効果)
この(14)に記載のアクチュエータによれば、このように光学素子を可動部材内に配置することで、小型の光学モジュールとして作ることができる。
【0171】
(15) 前記基板または前記振動部材に固定された光学素子をさらに具備することを特徴とする(14)に記載のアクチュエータ。
【0172】
(対応する実施の形態)
この(15)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第3の実施の形態が対応する。ここで、その実施の形態におけるレンズ群303,306等が上記光学素子に対応する。
(作用効果)
この(15)に記載のアクチュエータによれば、全ての光学素子を1つの基板上に形成することで、さらに小型の光学モジュールを作成できる。さらには、例えば撮像素子を基板上に配置することで、小型の撮像モジュールを作成することも可能となる。
【0173】
(16) 前記対向電極および前記可動電極の少なくとも一方の表面が絶縁体で覆われていることを特徴とする(1)に記載のアクチュエータ。
【0174】
(対応する実施の形態)
この(16)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1乃至第6の実施の形態が対応する。ここで、それらの実施の形態における下層樹脂薄膜108及び上層樹脂薄膜109が上記絶縁体に対応する。
(作用効果)
この(16)に記載のアクチュエータによれば、静電気力を大きく働かせる為に2つの電極を接触させても、放電することがなく、また、2つの電極が接触した後も各電極に独立して電位を与えることができるようになる。
【0175】
(17) (1)に記載のアクチュエータと、
前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加する電位差印加手段と、
を具備することを特徴とするアクチュエータシステム。
【0176】
(対応する実施の形態)
この(17)に記載のアクチュエータシステムに関する実施の形態は、第1乃至第6の実施の形態が対応する。
(作用効果)
この(17)に記載のアクチュエータシステムによれば、振動部材の振動する方向(所定の方向)に延びた基板があるので、小型の可動子でも動かすことができる。
【0177】
(18) 所定の方向に延びた基板と、
前記基板に対し、前記所定の方向に振動可能に支持された振動部材と、
前記振動部材を前記所定の方向に振動させる振動生成手段と、
前記基板に対向する第1の対向面および前記振動部材に対向する第2の対向面とを有する可動部材と、
前記可動部材の前記第1または第2の対向面に配置された可動電極と、
前記可動電極に対向するように前記基板または前記振動部材に配置された対向電極と、
を具備し、
前記振動部材の振動に同期して前記可動電極と前記対向電極に電位差を印加し、これによって発生する静電気力を利用して、前記可動部材を前記基板に対して所望の方向に相対移動させることを特徴とするアクチュエータ。
【0178】
(対応する実施の形態)
この(18)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1乃至第6の実施の形態が対応する。ここで、それらの実施の形態における固定基板101が上記基板に、振動部材102が上記振動部材に、積層型圧電振動子106あるいは櫛歯状アクチュエータが振動生成手段に、可動部材105,105−1,105−2が上記可動部材に、可動電極111,111−1,111−2が上記可動電極に、固定電極104,104−a,104−bあるいは振動電極103が上記対向電極にそれぞれ対応する。
(作用効果)
この(18)に記載のアクチュエータによれば、振動部材の振動する方向(所定の方向)に延びた基板があるので、小型の可動子でも動かすことができる。
【0179】
(19) 所定の方向に延びた基板と、
前記基板に対し、前記所定の方向に振動可能に支持された振動部材と、
前記振動部材を前記所定の方向に振動させる振動生成手段と、
前記基板に対向する第1の対向面および前記振動部材に対向する第2の対向面とを有する可動部材と、
前記可動部材の前記第1および第2の対向面に配置された可動電極と、
前記可動電極に対向するように前記基板に配置された第1の対向電極と、
前記可動電極に対向するように前記振動部材に配置された第2の対向電極と、
を具備し、
前記所定の方向の振動により前記振動部材が前記基板に対して、所望の方向に相対変位する際に、前記振動部材と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、前記基板と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、前記可動電極と前記第1および第2の対向電極との間に電位差を印加して静電気力を作用させることによって、前記可動部材を前記基板に対して前記所望の方向へ相対移動させることを特徴とするアクチュエータ。
【0180】
(対応する実施の形態)
この(19)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1乃至第6の実施の形態が対応する。ここで、それらの実施の形態における固定基板101が上記基板に、振動部材102が上記振動部材に、積層型圧電振動子106あるいは櫛歯状アクチュエータが振動生成手段に、可動部材105,105−1,105−2が上記可動部材に、可動電極111,111−1,111−2が上記可動電極に、固定電極104,104−a,104−bが上記第1の対向電極に、振動電極103が上記第2の対向電極にそれぞれ対応する。
(作用効果)
この(19)に記載のアクチュエータによれば、振動部材の振動する方向(所定の方向)に延びた基板があるので、小型の可動子でも動かすことができる。
【0181】
(20) 前記第1の対向電極と第2の対向電極とに互いに異なる位相の電圧を与えることを特徴とする(19)に記載のアクチュエータ。
【0182】
(対応する実施の形態)
この(20)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1の実施の形態が対応する。
(作用効果)
この(20)に記載のアクチュエータによれば、第1の対向電極と第2の対向電極に互いに異なる位相の電圧を与えることで、振動部材と可動電極との間の見かけ上の摺動抵抗と、基板と可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗との大小関係を制御できるので、安定した動作が可能である。
【0183】
(21) 前記第1の対向電極と第2の対向電極とに互いに逆相の電圧を与えることを特徴とする(20)に記載のアクチュエータ。
【0184】
(対応する実施の形態)
この(21)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1の実施の形態が対応する。
(作用効果)
この(21)に記載のアクチュエータによれば、見かけ上の摺動抵抗の差の最大値をさらに大きくできるので、さらに安定した動作が可能である。
【0185】
(22) 前記基板は、前記振動部材の振動方向に対して当該基板面で直交する方向において前記振動部材の両側に当該振動部材を挟むように設けられており、
前記可動電極と対向する前記第1の対向電極が前記振動部材の両側に配置されていることを特徴とする(19)に記載のアクチュエータ。
【0186】
(対応する実施の形態)
この(22)に記載のアクチュエータに関する実施の形態は、第1乃至第6の実施の形態が対応する。
(作用効果)
この(22)に記載のアクチュエータによれば、可動部材を両側から基板に固定することで、可動部材が安定し、所定の方向に対して所望の角度を保つことができる。また、2つの第1の対向電極及び第2の対向電極と可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗の大小関係を制御することで、可動部材の所定の方向に対しての角度を変化させることができる。
【0187】
(23) 可動部材に設けられた可動電極と、
前記可動部材に対向する面を有する基板、または、前記可動電極に対向する面を有すると共に所定の方向に振動する振動部材、の当該対向する面に設けられた対向電極と、
に電圧を印加して、前記可動部材を前記基板に対して相対移動させるアクチュエータの駆動方法であって、
前記振動部材が前記基板に対し所望の方向に相対変位する際に、
前記振動部材と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、前記基板と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、
前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加することを特徴とするアクチュエータの駆動方法。
【0188】
(対応する実施の形態)
この(23)に記載のアクチュエータの駆動方法に関する実施の形態は、第1乃至第6の実施の形態が対応する。ここで、それらの実施の形態における可動部材105,105−1,105−2が上記可動部材に、可動電極111,111−1,111−2が上記可動電極に、固定基板101が上記基板に、振動部材102が上記振動部材に、固定電極104,104−a,104−bあるいは振動電極103が上記対向電極にそれぞれ対応する。
(作用効果)
この(23)に記載のアクチュエータの駆動方法によれば、振動部材が基板に対し所望の方向に相対変位する際に、振動部材と可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、基板と可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、可動電極と対向電極との間に電位差を印加することで、アクチュエータを動かすことができる。
【0189】
(24) 可動部材に設けられた可動電極と、
前記可動部材に対向する面を有する基板の対向する面に設けられた第1の対向電極と、
前記可動電極に対向する面を有すると共に所定の方向に振動する振動部材の対向する面に設けられた第2の対向電極と、
に制御した電圧を印加して、前記可動部材を前記基板に対して相対移動させるアクチュエータの駆動方法であって、
前記振動部材が前記基板に対し所望の方向に相対変位する際に、
少なくとも前記第2の対向電極と前記可動電極との間に電位差を印加することを特徴とするアクチュエータの駆動方法。
【0190】
(対応する実施の形態)
この(24)に記載のアクチュエータの駆動方法に関する実施の形態は、第1乃至第6の実施の形態が対応する。ここで、それらの実施の形態における可動部材105,105−1,105−2が上記可動部材に、可動電極111,111−1,111−2が上記可動電極に、固定基板101が上記基板に、固定電極104,104−a,104−bが上記第1の対向電極に、振動部材102が上記振動部材に、振動電極103が上記第2の対向電極にそれぞれ対応する。
(作用効果)
この(24)に記載のアクチュエータの駆動方法によれば、振動部材が基板に対し所望の方向に相対変位する際に、少なくとも第2の対向電極と可動電極との間に電位差を印加することで、アクチュエータを動かすことができる。
【0191】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、可動部材が小型化できる、および/または複数の可動部材を単一の電気−機械変換素子によって同時に且つ独立に動かすことができるアクチュエータ及びアクチュエータ駆動方法並びにアクチュエータシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るアクチュエータの構成を示す斜視図である。
【図2】 第1の実施の形態に係るアクチュエータの上面図である。
【図3】 図2のB−B’線における断面図である。
【図4】 図2のC−C’線における断面図である。
【図5】 第1の実施の形態に係るアクチュエータの配線の引き出し方法を説明するための図である。
【図6】 第1の実施の形態に係るアクチュエータの駆動方法を説明するためのタイミングチャートを示す図である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態に係るアクチュエータの駆動方法を説明するためのタイミングチャートを示す図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態に係るアクチュエータの適用された撮像モジュールの斜視図である。
【図9】 第3の実施の形態に係るアクチュエータの適用された撮像モジュールの上面図である。
【図10】 図9のD−D’線における断面図である。
【図11】 本発明の第4の実施の形態に係るアクチュエータの斜視図である。
【図12】 櫛歯状電極部分を拡大して示す上面図である。
【図13】 図12のA−A’線における断面図である。
【図14】 図12のB−B’線における断面図である。
【図15】 本発明の第5の実施の形態に係るアクチュエータの斜視図である。
【図16】 本発明の第6の実施の形態に係るアクチュエータの上面図である。
【図17】 スイッチドキャパシタ回路の回路図である。
【図18】 スイッチドキャパシタ回路の出力状態時状態を示す回路図である。
【符号の説明】
101…固定基板、102…振動部材、103…振動電極、104,104−a,104−b…固定電極、105,105−1,105−2…可動部材、105A…開口、106…積層型圧電振動子、107…ガイドレール、108…下層樹脂薄膜、109…上層樹脂薄膜、110…接着部材、111,111−1,111−2…可動電極、151,153…配線、152,154…電極パッド、155…開口、301…前方固定レンズ枠、302…後方固定レンズ枠、303〜306…レンズ群、307…ローパスフィルタ、308…固体撮像素子パッケージ、309…固体撮像素子、401,402,501,502…櫛歯状電極、Cf,Ct,CS1,CS2…コンデンサ、OP1…演算増幅器、SW1〜SW5…スイッチ、Vdd…基準電圧、Vo…出力電圧。

Claims (23)

  1. 所定の方向に延びた基板と、
    前記基板に対し、前記所定の方向に振動可能に支持された振動部材と、
    前記振動部材を前記所定の方向に振動させる振動生成手段と、
    前記基板に対向する第1の対向面前記振動部材に対向する第2の対向面とを有する可動部材と、
    前記可動部材の前記第1及び第2の少なくとも一方の対向面に配置された可動電極と、
    前記可動電極に対向するように前記基板及び前記振動部材の少なくとも一方に配置された前記所定の方向に延びた対向電極と、
    を具備し、
    前記所定の方向の振動により前記振動部材が前記基板に対して所望の方向に相対変位する際に、前記振動部材と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、前記基板と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加して静電気力を作用させることによって、前記可動部材を前記基板に対して前記所望の方向に相対移動させることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記基板と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、前記振動部材と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加して静電気力を作用させることによって、前記可動部材を前記基板に対して停止させることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記対向電極と前記可動電極との間の電位差が、前記振動部材の振動に同期して変化することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  4. 前記対向電極と前記可動電極とのいずれか一方の電極に、前記振動部材の振動に同期して変化する電位を与え、他方の電極に固定した電位を与えること特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
  5. 前記対向電極と前記可動電極との間の電位差が、振動に同期して0となる瞬間が存在することを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
  6. 前記可動電極が配置された可動部材が複数存在し、該複数の可動部材が互いに独立に移動することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  7. 前記複数の可動部材に配置された可動電極のそれぞれに独立に電位を与えることによって、前記複数の可動部材が互いに独立に移動することを特徴とする請求項6に記載のアクチュエータ。
  8. 前記対向電極は、当該対向電極と前記可動電極とが対向する面積が、前記可動部材の移動方向における位置によって異なるように構成された電極であり、
    前記対向する面積の変動を利用して、前記可動部材の位置を検出することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  9. 前記対向電極は、前記可動部材の移動方向における位置によって前記可動電極と対向する面積が異なる第1の領域と残りの領域を含む第2の領域とに分割された電極であり、
    前記対向する面積の変動を利用して、前記可動部材の位置を検出することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  10. 前記対向電極は、前記可動部材の移動方向における位置によって前記可動電極と対向する面積が異なるような第1の領域と第2の領域とに分割された電極であり、
    前記第1と第2の領域の前記可動電極と対向する面積の変動を利用して、前記可動部材の位置を検出することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  11. 前記対向する面積の変動は、前記対向電極と前記可動電極との間の静電容量を測定することで測定されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のアクチュエータ。
  12. 前記振動生成手段は、前記基板と前記振動部材とを連結する圧電振動子から構成されることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  13. 前記振動生成手段は、
    前記基板と前記振動部材とを連結する弾性部材と、
    前記振動部材に配置された第1駆動電極と、
    前記第1駆動電極に対向し、所望の方向に静電気力を発生するように前記基板に配置された第2駆動電極と、
    を有し、
    前記第1駆動電極及び第2駆動電極との間に電位差を印加して静電気力を作用させることによって振動を生成することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  14. 前記可動部材が光学素子を含むことを特徴とする請求項1または6に記載のアクチュエータ。
  15. 前記基板または前記振動部材に固定された光学素子をさらに具備することを特徴とする請求項14に記載のアクチュエータ。
  16. 前記対向電極及び前記可動電極の少なくとも一方の表面が絶縁体で覆われていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  17. 請求項1に記載のアクチュエータと、
    前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加する電位差印加手段と、
    を具備することを特徴とするアクチュエータシステム。
  18. 前記対向電極は、前記基板に配置された第1の対向電極と、前記振動部材に配置された第2の対向電極とからなり、前記可動電極と前記第1及び第2の対向電極との間に電位差を印加することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  19. 前記第1の対向電極と第2の対向電極とに互いに異なる位相の電圧を与えることを特徴とする請求項18に記載のアクチュエータ。
  20. 前記第1の対向電極と第2の対向電極とに互いに逆相の電圧を与えることを特徴とする請求項19に記載のアクチュエータ。
  21. 前記基板は、前記振動部材の振動方向に対して当該基板面で直交する方向において前記振動部材の両側に当該振動部材を挟むように設けられており、
    前記可動電極と対向する前記第1の対向電極が前記振動部材の両側に配置されていることを特徴とする請求項18に記載のアクチュエータ。
  22. 可動部材に設けられた可動電極と、
    前記可動部材に対向する面を有する基板及び前記可動電極に対向する面を有すると共に所定の方向に振動する振動部材の少なくとも一方の当該対向する面に設けられた前記所定の方向に延びた対向電極と、
    に電圧を印加して、前記可動部材を前記基板に対して相対移動させるアクチュエータの駆動方法であって、
    前記振動部材が前記基板に対し前記所定の方向に相対変位する際に、
    前記振動部材と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗が、前記基板と前記可動部材との間の見かけ上の摺動抵抗より大きくなるように、
    前記可動電極と前記対向電極との間に電位差を印加することを特徴とするアクチュエータの駆動方法。
  23. 可動部材に設けられた可動電極と、
    前記可動部材に対向する面を有する基板の対向する面に設けられた所定の方向に延びた第1の対向電極と、
    前記可動電極に対向する面を有すると共に前記所定の方向に振動する振動部材の対向する面に設けられた前記所定の方向に延びた第2の対向電極と、
    に制御した電圧を印加して、前記可動部材を前記基板に対して相対移動させるアクチュエータの駆動方法であって、
    前記振動部材が前記基板に対し前記所定の方向に相対変位する際に、
    少なくとも前記第2の対向電極と前記可動電極との間に電位差を印加することを特徴とするアクチュエータの駆動方法。
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